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p.44 抽出テキスト

もとに,aortic type(大動脈内のフラップが分枝入口部を閉塞),branch type(分枝内で真腔が閉塞)を評価する. i. 脳

体表エコーで総頚動脈や眼球動脈,中大脳動脈の血流情報が,TEEで弓部分枝の血流情報が得られる(図45) 192, 200, 206).経頭蓋ドプラ法は体外循環中など脳灌流圧が低いと血流を捉えにくい.網膜中心動脈で血流を評価する眼球ドプラも用いられるが207),角膜傷害を避けるため短時間で行う.頚部で総頚動脈を描出できるが,真腔閉塞の所見は必ずしも脳malperfusionと一致しない.腕頭動脈の真腔閉塞が真腔灌流でも回復しないことがあり,TEEはその評価に有用である208). ii. 心筋

冠動脈血流と左室壁運動で評価する.左冠動脈では左主幹部内に解離が進展して真腔狭窄をきたしやすく209),右冠動脈では入口部で内膜が引き抜けて偽腔から灌流されたり虚血を生じたりする.真腔に送血しても虚脱した真腔が回復しない210),偽腔送血で新たな心筋虚血をきたす211),大動脈再建後に冠動脈閉塞をきたす212)などのイベントが起こりうるので,direct echoやTEEで術中診断を行う.

iii. 腸管

上腸間膜動脈の血流と腸管蠕動で評価する(図46) 213).体表エコーで腸管の拡張や蠕動停止がみられる場合,腸管虚血の可能性を考慮する.腹腔動脈や上腸間膜動脈はポケットエコーでも描出できる213).TEEではaortic type, branch typeを評価する214, 215).分枝内に解離が及んでいても,真腔が大きかったり偽腔内に血流が認められたりする場合は,malperfusionの可能性は低い.真腔に送血しても真腔が回復しないこともあるため210),リアルタイムの評価が必要となる. iv. 下肢

大動脈解離の診断に結びついたという報告がある216).大腿動脈は偽腔内血栓により断端形成を行っても真腔血流が回復しないことがあるが,体表エコーでリアルタイムに血流を評価することが可能である205). c. 大動脈弁逆流の評価

大動脈弁逆流は上行大動脈拡大による交連の外側偏位,交連脱落による弁尖逸脱,フラップの嵌頓などで起こ

図44 大動脈解離のエコー検査(渡橋和政.2015 178)より)

動脈(フラップ)

下大静脈

拡張大動脈(フラップ)

静脈拡張

動脈(フラップ)

血流欠損心タンポナーデ局所壁運動異常

大動脈(フラップ)分枝内血流欠損

大動脈(フラップ)

小腸拡張、蠕動停止Kercklingヒダ,腹水脾

肝心

胃無気肺大動脈(フラップ)

血胸、無気肺

大動脈(フラップ)

血流欠損

大動脈内(フラップ)大動脈弁逆流

上行大動脈拡大弓部大動脈

拡大

下行大動脈

腹部大動脈下大静脈

血胸

フラップ

フラップ

偽腔(血栓化)