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p.42 抽出テキスト

的なヘアピンターンを描くので,これを目印として同定する.この際に問題になるのは,静脈(前根髄質静脈)との鑑別である.その理由として,前根髄質静脈もヘアピンターンに類似した形態を呈するためである.両者の鑑別には,Adamkiewicz動脈とそれを分岐する肋間(腰)動脈との連続性を証明することが最も確実である.大動脈から肋間(腰)動脈,その後枝,根髄質動脈,Adamkiewicz動脈,そして前脊髄動脈へと至る経路を,curved planar reconstruction(CPR)を用いて一筆書きのように1本の血管として描出することにより,連続性を証明する119, 166–168) (図43).MDCTによるAdamkiewicz動脈の診断能は,ヘアピンターンの描出を診断根拠とした場合で80~90%,連続性の証明を診断根拠とした場合で29~60%と報告されている119, 166–168).しかし,近年のMDCT装置の進歩により,連続性の証明を診断根拠とした場合でも90%程度の高い描出能が報告されるようになった169–171).

3.4.2 MRI検査

1.5または3テスラ装置を用いて造影MRAで撮像する. time-resolved MRAが一般に用いられる.これは,造影剤を3~4 mL/s程度の速度で急速静注しながら,高速撮像法を用いて1回あたり10秒程度の撮像時間で同じ場所を繰り返し撮像する方法である.この方法では造影剤のファーストパスの状態を経時的に観察することができるので,動脈と静脈を区別することができる.Adamkiewicz動脈の診断能は,69~84%と報告されている172, 173).MRA検査は放射線被曝がなく,骨構造の影響を受けないなどの利点があるが,CT検査と比較して撮像に技術と熟練を要する.

3.4.3 CT検査とMRI検査の特徴

CT検査とMRI検査はそれぞれに利点と欠点を有してい

図43 Adamkiewicz 動脈の同定Adamkiewicz動脈は左第10肋間動脈より分枝し,脊柱管内で前脊髄動脈との合流部が特徴的なヘアピンカーブ状を呈している(↑).

Adamkiewicz 動脈

(肋間動脈)後枝

左第10 肋間動脈

前脊髄動脈るが,大動脈手術を前提としてAdamkiewicz動脈を診断

する場合の要点を述べる. a. 側副血行路

Adamkiewicz動脈を分岐する肋間(腰)動脈が動脈硬化などの原因で閉塞し,それに対して側副血行路が形成されることがある.このような症例はまれではなく,大動脈瘤症例の22~24%にみられる167, 170, 174).側副血行路のルートとして,肋間動脈の筋枝や後椎体枝などの脊椎の周囲に分布する動脈が85%,胸背動脈などの胸壁を走行する動脈が15%であったとの報告がある174).CTは躯幹部全体を撮影するのでこれらの血管を描出するのに支障はないが, MRIは撮像範囲が脊椎の周囲に制限されるために胸壁を走行する側副血行路は描出できない. b. CTとMRIの使い分け

CTもMRIもほぼ同等のAdamkiewicz動脈の診断能を有しているが,一般的にCTは実施が容易であり,側副血行路の描出にも支障がない.CTを第一選択とし,それでも診断が困難だった場合にMRIを追加する方法が有用である175).Adamkiewicz動脈の描出はCT,MRIともに装置の性能に大きな影響を受けるため,各施設で使用している装置の特性を理解したうえで検査方法を選択することが重要である.

3.5 血管造影検査

CT・MRI検査などの非侵襲的診断法の発展により,大動脈疾患の診断に血管造影が用いられる機会は減少したが,CT・MRI検査では十分な情報が得られない場合に用いられる.TEVAR/EVAR後のエンドリークの診断において,血管造影が有用な場合がある.また,大動脈解離において冠動脈と解離の関係やmalperfusionの診断に血管造