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p.39 抽出テキスト

と区別して取り扱うことがある139).IBPの画像所見はULPと類似しているが,ULPは不安定な病態であるのに対して, 15 mmを超えないIBPは自然に退縮して予後良好とされる139).IBPの画像的特徴としては,偽腔内血栓に島状の造影域として描出されること,偽腔外膜側に孤立性に形成されること,分枝血管との連続性を認めることなどが挙げられるが(図39),CT検査の空間分解能の点からULPとIBPを厳密に区別できないこともある. d. 合併症の診断

大動脈解離の合併症(続発症)には,破裂,心タンポナーデ,臓器や四肢へのmalperfusionなど重篤なものが多い.血性心嚢液は単純CT検査で高吸収を呈するが,少量の場合は高吸収を呈さないことがあり,注意が必要である.また,CT検査で大動脈基部や上行大動脈を評価する場合は,心拍動によるモーションアーチファクトのため評価が困難なことがあるが,心電図同期下に撮影することにより,解離フラップやentry,ULPを同定したり,解離の進展範囲を正確に評価したりできる(図40).頚動脈や冠動脈,上腸間膜動脈への解離の進展は,脳梗塞や心筋梗塞,腸管虚血などの重篤な合併症を起こす可能性が高く,早急な対応が求められる.malperfusionが生じる機序には,分枝自体に解離が進展して狭窄,閉塞をきたすもの(static obstruction)と,分枝自体には解離が進展していないが偽腔内圧が高くなり真腔を圧排・閉塞するもの(dynamic obstruction)とがある140)(図41). e. 非定型的大動脈解離

非定型的な解離形態を示すものとして,三腔解離,腹部限局解離,大動脈瘤と解離の合併があり,特殊な疾患に合併する比較的まれなものとして大動脈縮窄症に続発した解離,妊娠に合併した解離などがある.以下に三腔解離と,大動脈瘤と解離の合併について記載する.

図38 ULP(潰瘍様突出像)型大動脈解離a:閉塞した偽腔に突出する潰瘍状の突出像を認め,ULPが示唆される(↑). b,c:ULPは経時的に拡大し,最終的に偽腔開存型解離に移行している.

b:第12 病日c:第38 病日

a:発症日

図39 ULP(潰瘍様突出像)型大動脈解離における壁内血

液貯留(造影CT)血栓化した偽腔内の外側寄りに真腔との連続性が明らかでない島状の小さな造影域を認める(↑).肋間動脈(▲)と連続しており,壁内血液貯留(IBP)であることが示唆される.

図40 大動脈解離の心電図同期撮影によるアーチファクト

の低減心電図非同期撮影では不明瞭であった上行大動脈のULP(↑)と小さな解離腔(▲)が,心電図同期撮影では明瞭に描出されている.

心電図非同期心電図同期