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p.178 抽出テキスト

PQ15の危険を伴う循環動態不安定な症例で大動脈瘤破裂や急

性大動脈解離が強く疑われる場合においては,腎機能障害の有無にかかわらず,造影CT検査を考慮してもよい.

CIN予防のための輸液法としては,等張性輸液である0.9%食塩水(生理食塩液)を,造影開始6時間前より1 mL/kg/hで輸液し,造影終了後は1 mL/kg/hで6~12時間輸液する.輸液時間が限られた緊急症例においては,重炭酸ナトリウム(重曹)液(1.26%,152 mEq/L)を,造影開始 1 時間前より3 mL/kg/hで輸液し,造影終了後は1 mL/kg/hで6時間輸液する494).ただし,輸液により心不全を起こす可能性がある場合には,輸液量を減量することを考慮する.なお,CINの予防法として有効性が確立された薬物療法は存在せず,血液浄化療法も推奨されない.

3.3 ガドリニウム造影MRA検査

高度腎機能障害(eGFR 30 mL/min/1.73m 2未満)例,透析ならびに急性腎不全例に対するガドリニウム造影剤を用いた造影MRA検査は,腎性全身性線維症発症のリスクがあるため禁忌である1937).輸液や透析による予防効果も証明されておらず,代替法を考える必要がある.

3.4 医療デバイスのMRI検査適合性

体内植込み装置や金属などの医療デバイスは,「MRI禁忌」「MRI対応」「条件により撮像が可能」と区分されている147).添付文書による確認に加え,ウェブ上の「医療機器のMR適合性検索システム」(メディエ株式会社)などを用いて確認してから検査を行うことが重要である.

造影CT検査を行う際は,必要に応じてCIN発症のリスクなどを説明し,適切な予防策を講じることが必要である494, 1935, 1936).造影CTにおいて造影剤の減量はCIN発症のリスクを減少させる可能性があるため,特にCINのリスクが高い患者では,診断能を維持できる範囲内で最小限の造影剤使用量とすることが推奨される.

造影剤を減量する場合には,低管電圧CT撮影と逐次近似画像再構成の併用が望ましい.また,短期間(24~48時間)内での造影CT検査の反復はCINのリスクを増大させる可能性があるため,十分に留意する必要がある.

腎機能低下・腎不全患者に対し造影CT検査を行ってもよいか推奨高度腎機能障害(eGFR<30 mL/min/1.73m2)の場合,造影CT検査後の造影剤腎症発症に留意し,等張性輸液の投与で予防策を講じる.あるいは,検査回数の減少や造影剤の減量を考慮する.

軽度~中等度腎機能障害(eGFR≧30 mL/min/1.73m 2)においては造影剤投与後に造影剤腎症(CIN)を発症する可能性は低いため,造影CT検査を行ってもよい.一方,高度腎機能障害(eGFR<30 mL/min/1.73m 2)においてもCINのリスクは低いと推測されるが,エビデンスが不十分なため,CIN発症の危険性を説明すると同時に,適切な予防策を講じることが必要である494).また,集中治療が必要な患者や重篤な救急外来患者は,造影剤投与の有無にかかわらず急性腎障害を発症するリスクが高いため,中等度腎機能障害(eGFR<45 mL/min/1.73m 2)においても,十分な説明と適切な予防策を講じる必要がある.一方,生命