p.176 抽出テキスト
PQ 13圧に関しては,過去の文献では約50%以上の症例で治療 抵抗性の高血圧を有するため,厳重な管理が必要である1928).治療後慢性期における症状出現はまれで疾患特異性が低いが,瘤拡大に伴う嗄声・嚥下障害などの新規出現,間欠性跛行・腹痛などの慢性的低灌流に伴う症状の増悪,破裂に伴う胸背部痛の出現には注意する. a. TEVAR後 一生涯のCT検査によるフォローアップが必要である.放射線被曝を防ぐためにMRI検査による代用の可能性もあるが,現状ではステンレススチールによる広範囲アーチファクトの問題がある1929).一方,ニチノールベースであればMRI検査は対応可能であるが1930),ステントストラットを可視化できないため,胸部X線検査でステントグラフト骨格の構造不全を評価する.本邦では体内植込み装置や金属などの医療デバイスは,「MRI禁忌」「MRI対応」「条件により撮像が可能」と区分されている146, 147).添付文書による確認に加え,ウェブ上の「医療機器のMR適合性検索システム」(メディエ株式会社)などで確認してから検査を行う.CT・MRI検査を施行できない重度腎機能障害症例に対しては,非造影CTや経食道エコー検査と胸部X線検査などを併用して評価する. TEVAR後のCT検査は,1,6,12ヵ月後,その後は年1回が推奨される.心電図同期のほうが画質は良い.TAAに対するTEVAR後,エンドリークを認めず,患者の状態が24ヵ月を超えて安定した場合には,画像フォロー間隔を2年にまで延長可能であるが,患者症状や内服加療を含めた経過観察は1年ごとに行う.一方,大動脈解離に対するTEVAR後は,腹部大動脈レベルの偽腔は開存していることが多く,血行動態の時間的変化から疾患増悪の可能性もあり,TAAに対するTEVAR後のフォローアップ間隔と同等,もしくはさらに厳密なサーベイランスが必要である. b. 外科手術後 吻合部瘤や人工血管感染といった外科手術(人工血管置換術)特有の合併症や,人工血管置換部と離れた場所での大動脈疾患の増悪・新規発症について,評価が必要である.A型解離に対する外科手術後では,胸部下行・腹部大動脈領域に残存解離を有していることが多く,再解離・解離腔拡大に関するフォローアップが必要である.画像検査を術後1,3,6,12,18,24ヵ月後に施行し,その後は最低年1回施行する. 2.5.2 腹部大動脈瘤 EVAR後と人工血管置換術後ではフォローアップ間隔が異なる.AAAは,動脈硬化要因が強く関わるため,心血管イベント抑制のために禁煙を含む薬物治療を一生涯継続 のなどに対しては,発症後数週間以上経過してから侵襲的治療を行うこともある.その際には,急性期から亜急性期・慢性期の経過において細かなサーベイランスから病勢を正確に評価し,手術時期を逸しないよう努める.瘤化した慢性大動脈解離については,大動脈瘤(TAA,AAA)の場合のサーベイランスに準ずるが,解離性TAAに対しては, 60 mm以上で侵襲的治療の適応とし,55 mm以上60 mm未満では全身状態,解剖学的要件,予想される手術侵襲度にもとづき専門チームで侵襲的治療について協議する. 腹部大動脈瘤や慢性大動脈解離後のCT検査の頻度は推奨AAAでは,瘤径30~39 mmで1~2年ごと,40~49 mmで6ヵ月~1年ごと,50~55 mmで3~6ヵ月ごとにCT検査で瘤径を評価する.慢性解離では,45 mm未満で1年ごと,45~55 mmで3~6ヵ月ごとに評価する. AAAではメタ解析により,瘤径が5 mm拡大するごとに破裂リスクは1.91倍になることが示された.一方,瘤径が小さい場合には,経過観察は数年ごとでも多くの場合で問題ないことが示された795).SVSとESVSのガイドラインでは,瘤径30~39 mmで3年ごと,40~49 mmで1年ごと, 50 mm以上で3~6ヵ月ごとの瘤径評価が推奨されている.本邦では欧米と比べてCT検査を施行しやすく,社会的事情もあって,瘤径の評価が頻繁に行われている.瘤径30~ 39 mmで1~2年ごと,40~49 mmで6ヵ月~1年ごと, 50~55 mmで3~6ヵ月ごとに瘤径を評価することが多い. 一方,慢性大動脈解離後の瘤化のフォローアップ間隔に関するエビデンスは乏しい.瘤径と破裂リスクに関する研究も乏しいが,瘤径<45 mmでは破裂することは少なく,年1回のCT検査で十分であるが,瘤径45~55 mmでは3~6ヵ月に1度の連続したCT検査が行われる.遺伝性結合織疾患など瘤化の危険因子が存在する症例では,より慎重なフォローアップが必要である. 2.5 侵襲的治療後のフォローアップ 2.5.1 胸部大動脈疾患 侵襲的治療後は原則として1,6,12ヵ月後と,12ヵ月後以降は年1回の画像検査によるフォローアップを行う.また同時に臨床症状の定期的な観察が必要である.特に血