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p.158 抽出テキスト

い「未分化型」(UIS)とに分類される1742).分化型が最も多く,血管内皮マーカー(CD31,CD34,第XIII因子)とサイトケラチンなど上皮性マーカーの両者が陽性を示す類上皮血管肉腫(epithelioid angiosarcoma)が多いとされている1743)(図77).未分化型は核分裂像が多く,多形性を示し,免疫組織化学的にはビメンチンが陽性,α平滑筋アクチンは陽性のことが多いが,CD31やサイトケラチンは陰性となる(図78).粘液腫性,骨化生,軟骨基質などさまざまな組織所見を呈することも特徴である.しかし,大動脈の悪性腫瘍は組織学的に分類が困難であり,発生部位に起因する症状が先行することから,確定診断が難しい.

鑑別疾患として大動脈瘤,血管内血栓症,血栓塞栓症,血管壁由来の血管肉腫,悪性腫瘍転移性塞栓症が挙げられる.

菌薬は,術前の感染のコントロールと術後の再発の予防を目的として投与される.しかし,術前の感染のコントロールにこだわりすぎると,手術のタイミングを逸して破裂を招くので,注意が必要である.ステロイド薬はむしろ禁忌である.

5.1 病理

大動脈の腫瘍はそのほとんどが内腔に発育する内膜肉腫(intimal sarcoma)で,大動脈壁の平滑筋から発生する原発腫瘍はきわめてまれである.内膜肉腫は主に大動脈,肺動脈,下大静脈といった大血管の内膜に発生し,血管内増殖するまれな悪性軟部腫瘍で,これまでに100例近い報告がある1739).予後は大動脈ではきわめて悪いが,内腔内で比較的ゆっくりと増殖するため,発症早期の発見は難しい.一方,肺動脈原発の内膜肉腫は予後が比較的長い症例も散見される.内膜肉腫と腫瘍の血管内腔側に付着した血栓とが血管分岐部で内腔を閉塞し,血栓塞栓症とみなされることがある(図76).大動脈内膜肉腫では多臓器梗塞をきたし,カテーテルによる血栓除去手術などが施行され,その病理から診断されることもある.人工血管吻合部からの内膜肉腫発生の報告もある1740).大動脈弁狭窄として発症した大動脈内膜肉腫の症例も報告されている1741).

組織学的には,線維芽細胞,筋線維芽細胞への組織分化を示す「分化型」(DIS)と,明らかな組織分化を示さな

5 大動脈腫瘍

図77 大動脈内膜肉腫の分類未分化型多形性肉腫(悪性線維性組織球腫:MFH)

血管肉腫,類上皮分化̶

内皮特異的抗原

粘液線維肉腫,骨肉腫型/軟骨肉腫型分化̶

オステオポンチン など

平滑筋肉腫型分化̶

αSMA

内膜肉腫未分化型

分化型図76 大動脈内膜肉腫

大動脈の各分枝に腫瘍が入り込んでいる.

下腸間膜動脈上腸間膜動脈腹腔動脈

左腎動脈