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らの手術が推奨されている.一方で,ステロイド薬投与によって大動脈壁が脆くなり破裂のリスクが上昇することも報告されており1736–1738),瘤径が大きい場合にはステロイド治療なしで手術を行うという選択肢を十分に検討する必要がある. b. 免疫抑制薬,生物学的製剤

ステロイド治療を行ったのちに再発した場合に,ステロイド薬との相乗効果またはステロイド薬の減量効果を期待して,ステロイド薬と併用して投与する.免疫抑制薬ではメトトレキサート,アザチオプリン,シクロホスファミド,ミコフェノール酸モフェチル,タクロリムス,シクロスポリン,生物学的製剤ではトシリズマブ(抗IL-6受容体抗体),TNF阻害薬などを用いる.特にトシリズマブは今後ステロイド薬とならぶ主要な治療薬となることが期待されているが,現時点ではステロイド治療後の再発例に対する薬物,あるいは再発予防のための薬物1726)と位置づけられている

4.4.2 巨細胞性動脈炎

まずステロイド薬を投与し1728),再発したらステロイド薬+トシリズマブ1729)など,ほぼ高安動脈炎と同様の治療が行われる.

4.4.3 血管(型)Behçet病

血管(型)Behçet病はBehçet病の特殊型の一つで,完全型または不全型の基準を満たし,動脈瘤,動脈閉塞,深部静脈血栓症,肺塞栓などの病態を伴うものをいう.ステロイド薬+免疫抑制薬が用いられるが1732),大血管病変の管理に関して確固たるエビデンスはない.

4.4.4 炎症性大動脈瘤

ステロイド治療が奏功することが多く,第一選択である1731).ステロイド薬の開始量に関して定説はないが,高安動脈炎に準じて決めることが多い.IgG4関連疾患の大動脈炎の場合は0.5~0.6 mg/kg/日とする考えもある1730).再発した場合は免疫抑制薬が用いられることがあるが,現時点では治療法として十分に確立しているとはいえない.炎症性大動脈瘤の瘤径が手術適応を超えている場合にはステロイド薬での炎症のコントロールにこだわらず,侵襲的治療も検討するべきである.

4.4.5 感染性大動脈瘤

何らかの感染によって大動脈壁の脆弱性が生じているため,根治的治療は感染創を除去しうる外科手術であり,可及的すみやかに行うことが望ましい.内科治療としての抗

大動脈炎の内科治療は抗炎症作用をもつステロイド薬と免疫抑制薬,生物化学製剤による.以下,高安動脈炎,巨細胞性動脈炎,血管Behçet病,炎症性大動脈瘤または大動脈周囲炎,IgG4関連疾患の一つとしての大動脈炎,感染性大動脈瘤に分けてその内科治療を概説する.

4.4.1 高安動脈炎

a. ステロイド薬

従来,大動脈炎に対して行われてきた基本的治療であり,初期治療として重要である.しかしながらステロイド薬単独の有効率は約50%である1726, 1733). i. 適応

臨床経過から本疾患が疑われても,炎症の活動性が低い場合にはステロイド治療の適応とならない場合がある.可能であればF-18 FDG PET,PET/CT検査を施行して炎症を客観的に評価する1719). ii. 投与法

高安動脈炎では「プレドニゾロン0.5~1 mg/kg/日× 2~4週 → 毎週5 mg減量(30 mg/日まで)→ 毎週2.5 mg減量(20 mg/日まで)→ 月あたり1.2 mgを超えない減量→ 維持量:5~10 mg/日」を一つの目安として推奨している1711).その他の疾患では開始投与量の目安がなく,多くは高安動脈炎に準じて投与量を決定している. iii. 経過観察

外来でフォローの際には採血でCRPなどによって再燃がないかチェックする.他に赤沈値,ペントラキシン3 (PTX3),他の炎症マーカーがフォローの指標として検討されたが,最適なものはないとされている.CRPの他に症状と画像所見で増悪が認められれば,再入院でステロイド薬に加えて免疫抑制薬,生物化学製剤などを含めた治療を再検討する. iv. 併用薬

ステロイド薬投与によって生じる高血糖,易感染性,胃潰瘍,骨粗鬆症に注意する.ステロイド薬開始時には厳格に血糖値を管理し,必要があればその治療を行う.易感染性に関しては,ステロイド薬の投与量がある程度減るまでは入院での管理を行い,ST合剤などの内服を行う.胃潰瘍,骨粗鬆症の予防のために経口薬を投与する. v. 大動脈瘤を合併している場合

高安動脈炎では大動脈瘤の合併が15%と報告されている1734).炎症がある状態での手術は炎症をコントロールして行った手術に比べて,再手術率と手術部位や他部位に病変が現れる率が有意に高かった1735)との報告があり,また炎症がある状態での手術は術後の仮性瘤などの問題が生じるため,可能なかぎり炎症のコントロールを行ってか