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p.156 抽出テキスト

4.3.2 血管内治療

狭窄病変や動脈瘤に対するステントグラフト内挿術が試みられている1723).しかし狭窄病変については,動脈壁全層が瘢痕線維化や石灰化を伴っていることから,第一選択の治療であるとは言い難い1724).また,動脈瘤に対しても遠隔成績は現時点において不明である1725).

4.4 内科治療

表55 大動脈炎の内科治療の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

高安動脈炎にステロイド薬を投与する1726). I B高安動脈炎に対するステロイド薬投与にトシリズマブを追加投与する1727). I B巨細胞性動脈炎にステロイド薬を投与する1728). I B巨細胞性動脈炎に対するステロイド薬投与にトシリズマブを追加投与する1729). I B IgG4 関連疾患としての大動脈炎にステロイド薬を投与する1730). I C最大径が手術適応ではない炎症性大動脈瘤にステロイド薬投与を考慮する1731). IIa C感染性大動脈瘤に対して感受性のある抗菌薬投与を考慮する. IIa C血管(型)Behçet 病にステロイド薬投与+免疫抑制療法を考慮する1732). IIa C

4.3 侵襲的治療

侵襲的治療の適応は炎症性ではない狭窄病変や瘤病変に対する適応と同一である.しかし,炎症が持続している場合には人工血管との吻合不全のリスクが高くなる.したがって,待機的侵襲的治療を行う前には炎症が寛解していることが望ましい.

本邦での大動脈炎は大半が高安動脈炎であり,巨細胞性動脈炎の本邦での発症率が著しく低いことと,侵襲的治療に関するエビデンスが乏しいことから,主として高安動脈炎に対する侵襲的治療を記す.本項ではUenoらによる血管病変の分類1722)の中で,胸腹部閉塞型と動脈瘤型について記述する.

4.3.1 外科的血行再建術

a. 胸腹部閉塞型

一般的には異型大動脈縮窄症を呈し,遠位下行大動脈から腹部大動脈に狭窄性病変を有することが多く,腹部主要分枝の虚血症状とともに腎血管性高血圧を呈する.遠隔成績や侵襲度を考慮して大動脈–大動脈バイパス術,腋窩動脈–大腿動脈バイパス術,大動脈置換術が行われる.腹腔内主要分枝に病変を呈し各臓器の虚血症状などを伴う場合には,その動脈に対する血行再建を要する. b. 瘤型病変

拡張性の病変は真性瘤が大多数を占め,解離性瘤の発症率は低い.手術適応は変性疾患である通常のTAA/ TAAA,AAA,末梢動脈瘤に準じる.上記の狭窄性病変が併存することも多く,その場合には補助手段や手術術式を含めて総合的に工夫を要する.

図75 高安動脈炎の早期にみられるdouble-ring like appearance大動脈周囲に全周性の壁肥厚を認める.肥厚した壁は造影CTでは内側に低吸収域を,外側に高吸収域を認め,二重のリング状の様相を呈する(↑).

a 単純CT b 造影CT(早期相) c 造影CT(後期相)