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p.154 抽出テキスト

着してそこで炎症を起こし,破綻しやすい動脈瘤を形成したものを指している.しかし現在では概念を広げ,既存の大動脈瘤に感染が加わったものや,瘻孔形成など周囲の感染が大動脈に波及したものも含めて,「感染性大動脈瘤」と総称している.

4.2 画像診断

高安動脈炎の診断は画像診断を中心に行う必要があり,画像検査所見として大動脈とその第一次分枝の両方または

4.1.7 炎症性腹部大動脈瘤,IgG4関連炎症性大動脈瘤

炎症性AAAは1935年にJames 1715)により尿毒症を引き起こすAAAとして報告され,1972年Walkerら977)によって疾患概念が示された.腹部大動脈の瘤状の拡張に加え,その壁の著明な肥厚,外膜にリンパ濾胞をしばしば形成する著明な形質細胞主体の炎症細胞浸潤をきたし,大動脈瘤周囲の線維性肥厚とともに周囲組織との線維性癒着を特徴とする大動脈瘤である.動脈硬化性病変を合併していることが多く,粥腫に対する特殊な細胞応答などが考えられている.外膜内の炎症細胞浸潤はリンパ球を中心としてリンパ濾胞を形成していることもある(図72).肉芽腫の形成はほとんどない.

近年,浸潤する炎症細胞にはIgG4を産生する形質細胞を多く含む症例があることが明らかにされた.他臓器においても自己免疫性膵炎や硬化性胆管炎,涙腺・唾液腺炎,甲状腺炎などで同様にIgG4の関連が示され,炎症性大動脈瘤もIgG4関連疾患の一つとして認識されるようになった.Kasashimaら87)の報告では炎症性AAAの23例中13例(56.5%)をIgG4関連と診断している.IgG4関連疾患では血中のIgGとIgG4値が高値を示すことが多い.組織学的には炎症細胞は外膜主体に慢性炎症細胞,とくに形質細胞が高度に浸潤する(図73).また,リンパ濾胞の形成もみられる.近年示された包括的なIgG4関連疾患の診断基準では,病理組織標本においてIgG4/IgG陽性形質細胞比が40%以上で,かつ高倍率視野に10個を超えるIgG4陽性形質細胞を認めることが診断基準となっている

1716).IgG4関連大動脈瘤は報告が少ないながら,全切除例の5%との報告もある.

4.1.8 感染性大動脈瘤

細菌性動脈瘤は1885年にOslerにより,感染性心内膜炎からの細菌性塞栓によって生じた動脈瘤として初めて報告され,厳密には感染巣から感染性塞栓が末梢の動脈に付図72 炎症性大動脈瘤

高度な外膜の線維性肥厚(上),外膜中心のリンパ濾胞を伴う炎症細胞浸潤(下)を認める.

図73 IgG4 関連疾患としての炎症性大動脈瘤大動脈壁のHE染色では多数の形質細胞の浸潤を認め(左),これらはほとんどがIgGを産生(中),さらにIgG4が優位(40%)である(右).