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られ,大動脈の組織像だけでは高安動脈炎や巨細胞性動脈炎と鑑別が難しい. 4.1.6 梅毒性中膜炎 20世紀初頭まで梅毒は大動脈瘤の原因として重要であったが,現在ではきわめてまれである.中膜の炎症後の不規則な収縮に由来する内膜のちりめん状のしわが肉眼的特徴とされている.拡張が高度になり,上行大動脈瘤となることが多い.組織学的には中膜主体の肉芽腫性の炎症性病変で,形質細胞を多く認める.多核巨細胞を含むこともある.炎症による中膜弾性線維が虫食い状に断裂した像を認める. isolated aortitisと呼ばれる1714).Chapel Hill Consensusではsingle-organ vasculitisに分類されている1710). 4.1.5 血管型Behçet病 トルコの皮膚科医Behçetにより報告された疾患で,シルクロードの国々に多いといわれている(図71).本邦では東北・北海道に多いとされる.口腔アフタ,陰部潰瘍などの症状が有名であるが,さまざまな血管に炎症をきたすことが特徴で,静脈血栓を伴う閉塞性静脈炎から大動脈瘤まで病変は多彩である.大動脈にも炎症をきたし,好中球を多く認める高度の炎症細胞浸潤が中膜と外膜で破壊性に進行する.多核巨細胞を含む肉芽腫様病変もしばしば認め 図70 巨細胞性動脈炎肉眼的には硬化性病変が主体である(a).外膜の高度な肥厚は軽度(b).弾性線維が破壊され,凝固壊死に陥った周囲に炎症細胞, 多核巨細胞が多数認められる(c ~e).c: HE染色(下は強拡大),d: masson trichrome染色,e: EVG染色. a c d e b上行大動脈 図71 血管型Behçet 病a: 中膜壊死を伴う動脈中膜炎(HE染色).b: 大動脈中膜弾性板の断裂(EVG染色).c: 右冠尖とそのバルサルバ洞.d: 右冠尖の炎症による破壊. c a b d