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p.123 抽出テキスト

MRI検査を一定間隔で行う.CT検査のフォローアップ間隔に関しては,発症の1,3,6ヵ月後,以降は発症2年後まで6ヵ月ごと,あるいは1,3,6,9,12ヵ月後に行うべきと報告されている68).大動脈径が手術適応に近くなればCT検査の間隔を短くすることもあり,また,放射線被曝と造影剤の腎障害を考慮すると,大動脈径が小さく偽腔が血栓閉塞してULPもないなどの場合は若干CT検査の間隔を長くする必要もあるかもしれない. e. 内科治療の限界

CT・MRI検査の結果で(再)手術をするか,降圧のみで経過をみることができるかを決定しなくてはならない.大動脈解離も一般的に真性瘤同様の状況下で手術適応とされるが,ULPが存在し形態変化が著しい場合には,治療方針の再検討が必要である. f. 手術例の慢性期管理の注意点

術後遠隔期合併症に関しては,縫合不全や吻合部仮性瘤,再解離の有無について,CT検査でのフォローが必要となる.

残存解離による瘤形成に関しては,残存解離の進展や拡大,血栓化の程度や偽腔の状態についてCT検査でのフォローアップが必要となる.A型解離術後症例の46~78%で偽腔開存が認められ1222–1225),術後生存かつ瘤径拡大を認めないものは,3,5,8年で75%,59%,43%と報告されている1226).遠隔期に拡大する症例では外科手術やTEVARの追加を検討する.

3.3 術後フォローアップと再治療

表43 大動脈解離の術後フォローアップと再治療の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

術後に定期的な(1,6,12ヵ月後,その後は12ヵ月ごとの)画像検査を含むフォローアップを行う1291, 1418–1420). I C残存偽腔拡大などに伴う有症状の症例に,侵襲的治療を再度行う. I C残存偽腔拡大(大動脈径55~60 mm以上)に対し,侵襲的治療を再度行う. I C A 型解離の術後・残存偽腔開存例で,偽腔拡大や真腔狭小化が予測される場合,解剖学的要件を満たせば早期のTEVARを考慮する1421, 1422). IIa C

3.2.4 内科治療

慢性期における患者管理の最大の目的は再解離と破裂の予防であり,手術・再手術のタイミングと術式を決定することである.また,大動脈疾患術後の患者においても,術前の患者と比較して心筋梗塞や脳卒中といった心血管イベントのリスクが高いことが報告されており299),手術施行の有無にかかわらずoptimal medical treatment(OMT),すなわち血圧,脂質,動脈硬化危険因子などの改善を目的とした内科治療が重要である. a. 血圧管理

最も大切なのは血圧管理である.良好な血圧コントロールは再解離の発生を約1/3に減らすと報告されている1413).そのための降圧目標値は130/80 mmHg未満である.降圧薬の選択に関しては,確実な降圧が得られることが肝要であるが,入院などの大動脈解離関連イベントを減らし276),また瘤径の拡大を抑える1414)などのエビデンスがあるのはβ 遮断薬のみである.IRADの解析では,β 遮断薬は慢性大動脈解離において使用率が最も高く,生存率の向上に有意に寄与したと報告している1269).Marfan症候群患者においてはARBであるロサルタンは大動脈径拡大を緩徐にするとの報告もある1415).いずれの薬物を用いても,目標血圧に至るまで最大許容用量を投与し,厳格な血圧コントロールを行うことが肝要である. b. 動脈硬化危険因子の管理

動脈硬化を原因として発症した大動脈解離では,手術症例においても内科治療症例においても,遠隔期の心血管イベント抑制のため,血圧コントロールに加えて脂質低下療法や糖尿病のコントロール,禁煙などの内科治療が重要である.スタチンについては,冠動脈疾患と同様に大動脈疾患においても心血管イベント抑制効果が報告されており299),積極的な導入が望まれる. c. 安静度,運動

通常の日常生活に関する制限はほとんど必要ない.運動に関するエビデンスは少ないが,収縮期血圧低下効果の高いウォーキングや軽いランニングなど軽度から中等度の有酸素運動(3~5 METs相当)を1日30分以上,週150分以上行うことが推奨される1416).胸腔内圧を上昇させるような重量挙げなどは避けるべきであり,軽い負荷で負担を感じる前に止めるべきである.収縮期血圧が180 mmHgを超えないような運動強度を患者ごとに設定し,その運動強度をトレッドミル運動負荷検査などで推定するべきである. d. 画像検査によるフォローアップ

外来においては大動脈径の変化を経時的に観察するために,大動脈解離関連イベントの多い2年後までは,CT・