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p.56 抽出テキスト

く禁忌である症例を除いて,左室機能・拡大の有無に関わらず大動脈弁手術が推奨される(推奨クラスI) 30, 420).術前に高度左室機能低下を伴う場合でも,術前に投薬を行ったうえで手術を施行することを推奨する421-424). b. 左室機能低下(LVEF<50%)

重症ARで左室機能低下(LVEF<50%)を認める場合,冠動脈疾患などの他の左室機能低下を来しうる原因を除外できる場合において,早期の大動脈弁手術が推奨される(推奨クラスI).一度ARによる左室機能低下を来した場合,症状の出現や左室拡大の進行を待つよりも手術介入を行う方が術後予後良好である421, 422, 425-427).一方で,前述のように左室機能低下がARによるものかどうかという点を考慮する必要があり,他の原因の除外がこの基準を使用する上で重要な点となる.高度心機能低下例(LVEF<30%)では,手術リスク,心筋障害の程度,今までの経過などを加味して,症例ごとに適応を決定する. c. LVESD(>45 mm),LVEDD(>65 mm)

無症候性重症ARで左室機能が保たれている(LVEF≧ 50%)場合の手術適応においては,LVESDの方がLVEDDよりも重要な指標である.これは,慢性重症ARでは前負荷増大だけでなく後負荷増大も左室機能低下・

経過観察大動脈弁手術

推奨クラスIIb大動脈弁手術

推奨クラスIIa大動脈弁手術

推奨クラスI

症状なし

LVEF<50%

LVESD>45 mm

LVEDD>65 mm

LVESDI>25 mm/m2症状あり

はい

はい

はい

はい

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ重症AR

図15 慢性重症AR の手術適応LVESDI: LVESD index

表27 慢性AR に対する手術適応の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

有症候性重症AR に対する大動脈弁手術I B無症候性重症AR で,左室機能低下(LVEF <50%)を認めた場合の大動脈弁手術I B上行大動脈拡大・CABG・僧帽弁手術など他の開心術を行う場合の,重症AR に対する同時大動脈弁手術I C無症候性重症AR で, LVEF ≧50%であるが,LVESD >45 mm の症例に対する大動脈弁手術IIa B上行大動脈拡大・CABG・僧帽弁手術など他の開心術を行う場合の,中等症ARに対する同時大動脈弁手術IIa C無症候性重症AR でLVEF ≧50%であるが,LVEDD >65 mm の症例に対する大動脈弁手術IIb C無症候性重症AR でLVEF ≧50%であるが,LVESD index >25 mm/m2 の症例に対して,細やかなフォローアップを行った上での大動脈弁手術IIb C