GL検索 v0.1.0
画像は 52 ページを描画したものです
page 52

p.52 抽出テキスト

二峰性頸動脈波,脈圧の増大と,これによる末梢での特徴的所見(ドミュセー徴候,コリガン脈,トラウベ徴候,クインケ徴候など)が観察される.III音もしばしば聞かれるが,かならずしも心不全を示すものではない.心尖部で聴取されるオースチン・フリントランブルは,重症ARの特徴的所見である.前述のように長期間無症状で経過し非代償期となると心不全症状が出現する.

急性ARは頻脈を呈し,著明な末梢血管の収縮によりチアノーゼを伴い重篤感が強いものの,慢性ARでみられる特徴的理学的所見に乏しく,ARの重症度を過小評価する可能性がある.慢性ARで特徴的な拡張期雑音も急性ARでは短く,音も小さい.左室は,正常大の可能性があり,胸部X線写真で肺うっ血を認めても初期には

心拡大はかならずしも指摘できない.

4.2 心エコー図検査

ARが疑われる症例の逆流の重症度・病因,左室サイズ/機能などを評価し,治療介入の時期を決定するために第一に行われる検査はTTEである(推奨クラスI).

4.2.1 急性AR

急性ARでは早急に重症度と原因を確認する必要があるが,重症なARでもカラードプラ法による逆流シグナル

表25 各種検査によるAR 重症度の判定

軽症中等症重症

TTE構造的評価大動脈弁葉形態正常または軽度異常正常または軽度異常異常/flail,または幅広い接合不良

左室サイズ正常正常または拡大拡大(急性ARは除く)

定性評価ARジェット幅(カラードプラ法)幅が狭いセントラルジェット中間幅が広いセントラルジェット(偏位ジェットの場合,幅が狭くても重症の場合あり)

ARジェットの吸い込み血流(カラードプラ法)無し,または非常に小さい中間大きいジェット密度(連続波ドプラ法)薄い濃いジェットPHT(連続波ドプラ法), PHT(ミリ秒) >500 500~200 <200拡張期逆行波(下行大動脈)(パルスドプラ法)わずかな拡張早期逆行のみ中間明らかな全拡張期逆行

半定量評価縮流部幅(cm) <0.3 0.3~0.6 >0.6

ジェット幅/左室流出路径(%)(セントラルジェットの場合のみ) <25 25~64 ≧65ジェット面積/左室流出路面積(短軸) (%) (セントラルジェットの場合のみ) <5 5~59 ≧60

定量評価逆流量(mL/beat):volumetricまたはPISA法< 30 30~59 ≧60

逆流率(%):volumetric法<30 30~49 ≧50 EROA(cm2):PISA法<0.10 0.10~0.29 ≧0.30

TEE半定量評価縮流部幅(cm) <0.3 0.3~0.6 >0.6心臓MRI検査逆流率(%):位相コントラスト法<30 30~49 ≧50心臓カテーテル検査大動脈造影検査Sellers分類I II III ~IV