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p.48 抽出テキスト

合や,癒合が片側に偏っている場合は適切な効果が得られず望ましくない裂開につながる場合がある.リウマチ性の変化により弁腹部の可動性が良好でない例や,弁下組織の変化が高度である例では,弁口開大の効果は柔軟な弁に比較して劣る.

PTMCが不適応と考えられる病態は,1心房内血栓, 23度以上のMR,3高度または両交連部の石灰沈着,とされている.左房内に血栓がある例では術中に血栓を遊離させる可能性がありPTMCの絶対的禁忌である.左心耳に限局する血栓はカテーテル操作が適切に行われれば術中に遊離させる可能性が低く,かならずしも絶対的禁忌ではないとの意見もあるが,通常は1~3ヵ月の抗凝固療法により血栓消失したことを確認した後にPTMCを行う.3度以上のMRの合併はPTMCによりさらに増悪する可能性もあり,外科治療の対象となる.

前述の非リウマチ性MSにおいては,ほとんどの場合が解剖学的要件からPTMCの適応とならないが,症例によってはリウマチ性MSと非リウマチ性MSの要素が混在していることがあり,手術のリスクと照らし合わせて治療方針を決定する384).

5.3.3 PTMC後再狭窄に対する治療選択

PTMCやOMC/CMC後の交連部癒合によるMS再発の場合も前述した解剖要件を満たせばPTMCを検討する384).通常このような場合,交連部は石灰化が顕著になっていることが多く,前回のPTMCのときよりもリスクが上昇していることが多い.そのような場合は通常はMVRが選択されるが,同時に患者は高齢化・多病化していることが多く,治療適応は手術リスク・解剖要件を総合的に勘案して決定されるべきである.

6 内科治療とフォローアップ

手術あるいはPTMCの適応外と判断された有症候性重症MSに対しては,利尿薬,ジギタリス製剤・β遮断薬をはじめとした心不全に対する対症療法を行う.

表22 PTMC か外科手術かを選択する際のマトリクス

PTMC

適切可能不適

低リスクPTMC外科手術またはPTMC外科手術中リスクPTMC PTMCまたは外科手術外科手術高リスク~手術不能PTMC PTMC外科手術,PTMC,ま

たは薬物療法

・ PTMCか外科手術かは弁膜症チームでの議論により決定される.・ PTMCが適切かどうかは,Wilkinsスコア,Iungスコア,左房/左心耳内血栓の存在,2度以上のMRの存在などを複合的に考慮して判断する.・ 外科手術: MVRかOMCかは術者の経験や臨床背景により選択する.

表23 PTMC 施行のための僧帽弁解剖スコアの比較

Wilkins スコアIung スコア,およびCormier スコア弁尖の可動性(グレード1~4) *グループ1: 可動性に富んだ石灰化の少ない僧帽弁前尖,軽度弁下部病変,腱索は薄く 腱索長10 mm以上弁尖の肥厚(グレード1~4) *グループ2: 可動性に富んだ石灰化の少ない僧帽弁前尖,高度弁下部病変,腱索は肥厚し腱索長10 mm未満弁下部病変(グレード1~4) *グループ3: 弁下部病変を問わず透視でわかる高度僧帽弁石灰化がある弁尖の石灰化(グレード1~4) *合計8点以下 : PTMC適切合計12点以上: PTMC不適グループ1: PTMC適切グループ3: PTMC不適* 表19参照(Wilkins GT, et al. 1988 329), Bouleti C, et al. 2012 378) より作表)