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を成功させて以降,CMCが標準術式として広く行われるようになった331-333).直視下僧帽弁交連切開術(OMC)やMVRの良好な成績が確立してからは,先進国ではCMCはほとんど行われなくなった.現在,CMCの適応となるような症例はPTMCに取って代わられている. b. OMC 1953年に人工心肺が初めて臨床応用され,1957年にLilleheiがMRに対する弁輪形成を施行して以来334),交連切開も心停止下に直視下に行う方法にシフトしていった.直視下では交連切開に加えて,病変に応じて腱索切開や乳頭筋切開,石灰化部分の除去などを行うことができるため,当然成績も安定してきた.OMCは現在でも若年MS症例において機械弁MVRを回避する有力な方法として施行され続けている. c. MVR MVRはOMCと時を同じく1960年にBraunwaldによって世界で初めて行われた335).同じ年に最初に植え込まれたStarrとEdwardsのボール弁は,以後数十年間世界中で使用され続けた336).その後機械弁の主流は有効弁口面積(EOA)の広い二葉弁に移行し,耐久性の向上した生体弁とともに良好な遠隔予後が見込まれるようになり現在に至る. 5.1.2 手術危険率 a. OMC 死亡率は2%以下であり337, 338),PTMCとのランダム化比較試験へ登録されるような低リスク症例では死亡症例なしと報告されている339-341). b. MVR MVRの対象となる症例はOMCと比較して重症度が高く手術時間も延長するため,死亡率は高くなる.単独MVRの在院死亡率は,2016年の日本胸部外科学会の集計では6.3%(30日死亡率は4.2%) 175),2006~2008年のEACTSによる欧州29ヵ国の集計では4.3%であった342).緊急手術や再手術を除外した単独待機的初回MVRの手術死亡としては,2011~2016年のSTSの集計で3.7%である343).MSとMRを別々に評価した報告では,双方の成績に差はなかった344, 345). c. 危険因子 リスク解析により,高齢,NYHA心機能分類IV度以上の心不全,CCS 4度の狭心症,低左心機能,緊急・salvage手術,低体重,左主幹部病変,心外大動脈病変,腎不全などが,在院死10%を超える危険因子として報告されている342).その他,中等度以上の肺高血圧を有するMSに対する僧帽弁手術後の30日死亡率は11.7%に上昇すると報告されている346).メタ解析では弁下組織を温存したMVR後の30日死亡率は2.6%で,温存しなかった場合の12.1%と比較して有意に低下していた204).両尖温存は後尖温存と比較して死亡率が低い傾向にあり,左室容量負荷や機能は明らかに前者の方が良好で,可能であれば両尖温存が望ましい.しかしMSでは弁下組織の変性が強く温存困難な症例が多く,温存した場合の左心機能に対する効果に関してはいまだ統一した見解は得られていない.上記危険因子を考慮した上で個々の症例に応じた適切な術式の選択を検討することが重要である. 5.1.3 遠隔予後 a. OMC OMC後の10年生存率はおおむね90%以上と良好であり,CMCやMVRと大差はみられない337, 347-349).NYHA心機能分類,高齢,術後遺残MR,肺血管抵抗高値,弁尖石灰化,左室拡大などが遠隔死亡の危険因子と報告されている347, 350). b. MVR MVR後の遠隔予後は1)人工弁の耐久性,2)人工弁関連合併症,すなわちIEや抗凝固療法に関連する出血・血栓塞栓症,3)MS関連血行動態異常,すなわち肺高血圧症,左房拡大,心房細動,右心不全,TRなどに大きく依存する.MS単独の機械弁MVRに限ると7~10年生存率はおおむね93%前後で346, 351),MRと比較して良好と言われている.詳細な弁種別の予後に関しては成書を参照されたい352).MR,MS問わず生命予後に影響を及ぼす因子として,高齢,NYHA心機能分類III度以上の心不全,虚 表20 MS に対する検査の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル MS が疑われる症例の,重症度,僧帽弁の形態,左室・左房サイズ/ 機能,肺高血圧の程度,他の弁膜症合併の有無などを評価するためのTTE I B PTMC を考えている症例での,左房血栓の評価のためのTEE I B臨床症状と心エコーによる重症度に乖離があるような症例の,負荷時の血行動態把握のための運動負荷心エコー図検査IIa B心エコー図検査での評価が困難な症例や,臨床症状と心エコー所見に乖離があるような症例の,心臓カテーテル検査による重症度・血行動態評価IIa C