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る(図5).これらの中間的な例も多く,forme fruste(フランス語で不完全型の意)とよばれる140).逸脱(prolapse)の定義は弁尖の先端が収縮期に僧帽弁輪面を越えることとされ,billowingと逸脱が伴う場合(billowing with prolapse)と伴わない場合(billowing without prolapse)がある点に注意が必要である. 機能性MRでは,左室の拡大や収縮不全に起因する僧帽弁尖のテザリングによるものがよく知られている141-145).テザリングの原因となる左室全体あるいは局所の収縮異常が存在することが前提である.急性心筋梗塞や陳旧性心筋梗塞に伴う機能性MRを虚血性MRとよぶこともある.しかし,虚血性MRという用語は,機能性MRのみ ならず急性心筋梗塞に伴う乳頭筋断裂によるMRを含む場合があるので注意が必要である.また,心房細動に伴う左房拡大例では,明らかな左室収縮不全がないにもかかわらず機能性MRが生じうることが報告され,心房性機能性MR(atrial functional MR)と呼ばれるもう1 つの機能性MRとして注目されている137-139, 146-148).その機序について複数の報告があるが,まだ確立はされていない.しかし,心房拡大と弁輪拡大を伴うことについては共通している. 一方,MRの成因を弁尖の動きによって分類したものに,Carpentierの分類がある149).弁尖の動きは正常だが感染性心内膜炎(IE)に伴う弁穿孔や心房細動に伴う弁輪拡大によってMRが生じる場合をI型,弁尖の動きが過剰で逸脱によってMRが生じるものをII型,弁尖の動きが小さく閉鎖が不十分でMRが生じるものをIII型という. III型は,加齢性やリウマチ性などで,収縮期・拡張期ともに可動性制限が認められるもの(IIIa)と,テザリングによって収縮期のみの可動性制限が認められるもの(IIIb)とに分けられる(表8). 経過の長い症例や高齢者では,弁尖の変化や弁輪拡大, LVEFの低下など,複数の要素を合併している症例もみられる. 表9 MR の分類と原因疾患 一次性(器質性) • 僧帽弁逸脱症特発性,マルファン症候群,エーラス・ダンロス症候群, Loeys-Dietz症候群,外傷• リウマチ性• 弁尖や弁輪の硬化・石灰化•IE • 心筋梗塞における乳頭筋断裂• 先天性僧帽弁裂隙(クレフト),パラシュート僧帽弁• 自己免疫疾患全身性エリテマトーデス,抗リン脂質抗体症候群 (リブマン・ザックス心内膜炎) • 薬剤性二次性(機能性) • 左室機能不全(心筋梗塞,拡張型心筋症など) • 心房細動 FED + ++ +++ 弁尖組織の余剰++++ FED+ Forme fruste Barlow’s disease 図5 MR の病理分類(Adams DH, et al. 2010 140)より改変) Published on behalf of the European Society of Cardiology. All rights reserved. ©The Author 2010.