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と内科医のより強固な協力が必要である.段階的に行う場合は,CABG先行が標準的で,LAD以外の重症病変がある場合には早めにPCIを行う必要がある.PCI先行は急性冠症候群で責任病変がLAD以外の場合に有効であるが,この場合DESの使用については議論がある1149, 1150). 2.4 治療成績と課題 HCRの治療成績は単施設からの短期報告がほとんどである.CABG と比較して30日死亡率,1年生存率, MACCE発生率には差がなく,周術期合併症(再開胸,腎不全,人工呼吸器装着時間)や輸血量,入院日数,ICU滞在期間が少なくなるとされる1151, 1152).退院後6週でのQOLはHCRのほうがより保たれている1148).メタ解析では概してMACCEはCABGと同等であるが,再血行再建率はHCRのほうが高いとの報告が多い1148, 1151, 1153).唯一のRCTでは5年成績でCABGと同等であることが示されている1154, 1155).多枝病変例に対するPCIとの比較では,多施設共同試験で1年のMACCE発生率は同等であるとの報告1156)があるが,エビデンスが少なく,PCI自体も血流予備量比(FFR)測定による治療選択へと変化していることから,今後の課題である. HCR後のステント再狭窄と血栓症は,それぞれ9~ 13%,2.2~3.7%と報告されている1157-1159).PCI先行例においてCABG施行時のDAPT中止がステント血栓症のリスクを高めるとされるが,その発症率はSYNTAX試験における1年での3.3%と同等である1113). このようにHCRは適切な患者選択により安全に施行でき,その中期成績もCABGと同程度であることが示されている.しかしながら現在,PCIとCABGそれぞれ単独による冠動脈疾患治療も確立されており,これを凌駕するHCRの方法と手技の確立が必要である.本邦ではCABGにおいて両側内胸動脈(BITA)の使用が多く,その有効性は片側ITAに比べて10年前後で現れることから,さらなる遠隔期の比較が必要であり,BITAを用いたHCRも選択肢になると思われる. 3 低侵襲CABG 表72 低侵襲CABG に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 低侵襲CABG は人工心肺使用心停止下冠動脈バイパス術(ONCAB)に比較して,縦隔炎発症と輸血量が少ない. IIb C 3.1 定義と利点 狭義の低侵襲CABGは胸骨正中切開を避けて左肋間小切開で多枝バイパスのオフポンプ手術(OPCAB)を行う手術である.LITAを剥離してLADに吻合する一枝バイパス術はMIDCABと呼ばれる1160). LITA-LAD吻合に加えて他のグラフトも用いて多枝バイパスを行う低侵襲CABGは,胸骨正中切開のOPCABと同様,出血・輸血量の減少,心房細動の減少,強心薬使用の減少,呼吸器感染の減少,早期抜管およびICU早期退室,病院滞在日数の減少が可能と考えられる.胸骨正中切開を避けることによる利点として,縦隔炎の回避,出血・輸血量のさらなる減少が期待される.慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者へのMIDCABでは術後合併症のさらなる減少が報告されている1161). 一方,低侵襲CABGの欠点として,胸骨正中切開のOPCABと同様,バイパス本数が通常のCABGと比べて少なく,心拍動下のために吻合の質の低下を招き,グラフト狭窄あるいは閉塞による遠隔期成績不良が危惧される1162–1165).このため,右冠動脈(RCA)領域へのバイパスの困難さから,ハイブリッド治療としてPCIを行う方法も提唱されている1147, 1166–1168).「低侵襲CABGとは胸骨正中切開を避けて左肋間小切開で行う多枝バイパスのCABGであり,人工心肺の使用の有無を問わない」とする考え方もあり,この場合は人工心肺を使用しない利点が消えることとなる.しかしながら,全体の約20%の症例で人工心肺を使用しても早期の社会復帰と縦隔炎のないことが利点であるとする考えもある1164). OPCABに習熟していない心臓外科医にとって,人工心肺を使用する低侵襲CABGやハイブリッド治療は導入しやすい術式である.人工心肺の使用の有無にかかわらず上行大動脈にサイドクランプを掛けてグラフトを吻合する方法は,アテローム脳梗塞の発症を増加させることがわかっ