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p.90 抽出テキスト

30日死亡率は少数例施設で2.72%,多数例施設で1.00% (オッズ比2.52)であった.5年の経過で全体の成績は向上しているが,volume-outcome効果は依然として認められ,さらに少数例施設でのバラツキも再確認された.

本邦で重症度調整のデータ(risk adjusted data)が使用可能となったのは日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)の解析が開始されてからである162).2008年に公開された解析結果では,30日手術死亡率は,年間CABGが16~30例の少数例施設(バラツキを排除するために15例以下の施設を除いた)での4.1%,中間施設(31~50例)では2.8%,多数例施設(51例以上)では1.6%であった1106).JCVSDでは外科医ごとの情報も抽出可能であったが,PCIと同様に外科医個人の症例数に関するvolumeoutcome効果については否定的な結果が得られ,CABGの手術成績は外科医個人の力ではなく施設全体の力を反映していることが示唆された.

さらに,施設での症例数と外科医の症例数を掛け合わせてリスク調整死亡率を計算すると,少数例施設(施設の年間CABGが16~30例)でのベテラン外科医(外科医の年間CABGが16例以上)では2.05%であり,一方,多数例施設(施設の年間CABGが51例以上)での若手外科医(外科医の年間CABGが15例以下)では1.70%であった.若手外科医であっても多数例施設であれば比較的良好な成績を示すことが明らかとなり,研修施設要件としての症例数は重要であることが示唆された.また,少数例施設での成績のバラツキも確認されたが,年間40例を越えると希薄化され,成績安定化のラインはおおむね40例であることが示された1106).

あったが,まず施設のPCI施行件数そのものはやはり院内死亡率,合併症発症率と関連しており,年間PCI施行件数が150例未満の施設はそれ以上の施設と比較して有意に院内死亡率,合併症発症率が高値であった.さらに同報告では施設PCI年間施行件数のカットオフ値についても言及されており,年間PCI施行件数が100症例を超えたあたりから院内死亡率および合併症発症率が均一化されることが報告されている.これは従来,欧米から報告されていたカットオフ値よりも低く,本邦における施設基準は欧米の基準よりも異なる可能性が示唆されている.また,術者のPCI施行件数はこれらのアウトカムとは関連を認めなかったことも記載されている.

2 CABG

本邦におけるCABGでのvolume-outcome効果は,当初は重症度による調整がなされていない,いわゆる生データ(non-adjusted data)を用いて解析されてきた.日本胸部外科学会(JATS)の学術調査データに基づいて2007年に公表された分析によると,CABGでは30日死亡率は少数例施設(年間24例以下)で3.4%,多数例施設(年間100例以上)では1.3%で,少数例施設のオッズ比は2.40 であった1104).このように数値上は大きな差があるように見えるが,少数例施設でも良好な成績を示す場合が多く,そうした少数例施設でのバラツキが大きいため,実情を正しく反映しているかは疑問であるとの考察がなされた.2012年には2005~2009年のデータを用いて更新され1105),CABGでの