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p.85 抽出テキスト

ビン値,クレアチニンクリアランスからPCI施行後のDAPT期間中の出血リスクを予測する指標である1024).一方,DAPTスコアは慢性期の出血リスクの指標で,喫煙,糖尿病合併,心筋梗塞の既往,PCIの既往,パクリタキセル溶出性ステント留置,ステント径3 mm未満,心不全またはLVEF<30%,静脈グラフトステントなどで点数が上がり,年齢が高いと点数が下がる.DAPTスコアが高い患者においてはDAPTの継続により,出血リスクを高めることなく,死亡,心筋梗塞,脳卒中などの心血管イベントを抑制することが示されている1024, 1025).これら指標をそのま

ま本邦の臨床で使用することには注意が必要である.

本邦でも最近CREDO-Kyotoレジストリーの解析から出血,虚血イベントのリスク評価指標が報告された1026).しかし,これらの指標を用いても判別率は0.7以下である1024-1026).また,出血の危険因子と虚血イベントの危険因子は共通のものが多いため,ステント血栓症の危険因子などを加味した担当医による個別化の対応が必要である.

1.3 抗凝固薬服用例

表62  抗凝固薬服用例に対するPCI 施行時の抗血栓療法の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

ステント留置時の3 剤併用療法I C虚血イベントのリスクが高い症例に対するステント留置後3~6ヵ月の3 剤併用療法IIa B出血リスクの高い症例に対するステント留置後1ヵ月未満の3 剤併用療法IIa B抗凝固薬選択においてワルファリンよりもDOAC を優先する. IIa Bステント留置1 年後以降は抗凝固薬単剤に変更する. IIa Bワルファリンではプロトロンビン時間(PT-INR)の目標値を低めに設定し,至適範囲内時間(TTR)を65%以上とする. IIb C

C/P:クロピドグレル/プラスグレルDAPT:抗血小板薬2剤併用療法SAPT:抗血小板薬単剤療法OAC:経口抗凝固薬図8 PCI 後の抗血栓療法

心房細動/抗凝固薬なし

高い低い高い

入院中(1 ヵ月)

12 ヵ月OAC

+ C/P 6 ヵ月OAC

+ C/P

6 ヵ月DAPT

SAPT 1~3ヵ月DAPT

SAPT

OAC単剤OAC

単剤

3 ヵ月

6 ヵ月

12 ヵ月3 剤3 剤

低い出血リスク出血リスク

あり

表61 PRECISE-DAPT スコアとDAPT スコア

PRECISE-DAPT スコアDAPT スコア

評価時期ステント留置時DAPT12ヵ月継続後

DAPT継続期間短期間(3~6ヵ月)対標準/長期間(12~24ヵ月)標準(12ヵ月)対長期間(30ヵ月)

スコア化因子ヘモグロビン,白血球数,年齢,クレアチニンクリアランス,出血の既往年齢,喫煙,糖尿病,心筋梗塞に対するPCI,PCIまたは心筋梗塞の既往,パクリタキセル溶出性ステント,ステント径3 mm未満,心不全またはLVEF 30%未満,静脈グラフトステントスコア範囲0~100点-2~10点推奨されるカットオフ値25点以上→短期間DAPT 25点未満→標準/長期間DAPT 2点以上→長期間DAPT 2点未満→標準DAPTウェブカリキュレーターwww.precisedaptscore.com www.daptstudy.org (Costa F, et al. 2017 1024) および Yeh RW, et al. 2015 1025) を参考に作表)