p.83 抽出テキスト
表58 造影剤腎症(CIN)の危険因子 項目指針CKD CIN発症の危険因子である.加齢CIN発症の危険因子である.糖尿病CKDを伴う場合は危険因子であるが,伴わない場合は危険因子であるか明らかではない. RAS阻害薬使用リスクを増加させるエビデンスは明らかではない.利尿薬使用継続リスクを増加させるかは明らかではない.予防的利尿薬使用使用を推奨しない. NSAIDs使用を推奨しない.ビグアナイド系糖尿病薬一時的に休薬するなど,適切な処置を行うことを推奨する.腹膜透析患者残存腎機能低下の危険因子となる可能性がある.片腎CIN発症リスクを増加させるというエビデンスは明らかではない. (日本腎臓学会ほか. 2018 1000) より) 第9章 周術期の薬物療法 1 PCI 1.1 薬物併用療法 表59 PCI 施行時の薬物併用療法の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル PCI 施行時に未分画ヘパリンを投与し,活性化凝固時間(ACT)を250~400 秒にコントロールする. I Bヘパリン起因性血小板減少症(HIT)に対しアルガトロバンを投与する. I B PCI時には血栓性合併症の予防を目的とした抗凝固薬の投与が必須であるが,本邦では抗凝固薬は未分画ヘパリンに限定される.この点において直接型抗トロンビン薬の bivalirudinや,低分子ヘパリンであるenoxaparinなどの選択肢がある欧米とは大きく異なる.また,静脈投与が可能な抗血小板薬グリコプロテインIIb/IIIa阻害薬も本邦では未承認である. 1.1.1 未分画ヘパリン ヘパリンの効果の判定には活性化凝固時間(ACT)が用いられている.ACTを250秒以上に保つように,モニタリングしながら適宜追加投与を考慮することが推奨されている1005, 1006).また,ACTが400秒以上になると出血性合併症が増加することが報告されており1007),PCI施行中はACTを250~400秒にコントロールすることが望ましい.初回投与量として70~100 IU/kgを動脈シース挿入後にボーラス投与し,ACTの目標値に到達しない場合は2000~5000 IUのヘパリンを追加投与する. 副作用として,出血の他にヘパリン起因性血小板減少症(HIT)が知られている.ヘパリン投与中や投与後の原因が明確でない血栓塞栓症については,HITを疑う必要がある.