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p.80 抽出テキスト

置に際してステントの位置決めがきわめて重要である.入口部が十分に評価される適切な造影角度を用いたり, IVUSでステント留置部位をマーキングしたりすることにより,適切な位置でのステントが容易になる.また,IVUSを用いて病変性状を把握し,病変に応じたデバイス選択と至適サイズのステント留置を心がける必要がある973).

11.3 成績

入口部病変のPCI後慢性期の再狭窄は,RCAでより高いことが報告されている.再狭窄の原因として,ステント破損やステントリコイルなどのメカニカルストレスが関与している場合がある430, 974).RCAのステント再狭窄の治療ではその後の再々狭窄率も高く975),できるだけ再狭窄をきたさないような初回の手技が重要である.LMT入口部ではその他の病変に比べて再狭窄率が高くない.

なお,第1世代のDESに比べて第2世代DESでは再狭窄率が低下している976, 977).

12 慢性完全閉塞病変

表56 慢性完全閉塞(CTO)病変のPCI に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

J-CTO スコアを用いたCTO 病変に対するPCI の難易度評価IIa B薬物治療によっても狭心症が残存し,灌流域にバイアビリティが存在する場合の,CTO 病変に対するPCI IIb B灌流域が狭いCTO 病変に対するPCI III C

慢性完全閉塞(CTO)は「TIMI血流分類0で,閉塞期間が3ヵ月以上または不明」と定義され978, 979),冠動脈疾患で冠動脈造影を行った患者の約20%に認められる980, 981).

12.1 病変の評価

薬物治療にてもCTOが関与する狭心症症状が残存し, CTO領域に残存心筋・虚血心筋を証明できる場合に,PCIの適応が考慮される.CTO病変に対するPCIは難度が高く,手技成功には病変の正確な評価や高い技術が大きく関与する982).難易度は5つの予測因子の合計点数で評価するJ-CTOスコアを用いて事前に予測できる(表57) 983).

12.2 手技

ワイヤー通過法には以下のものがある.1順行性アプローチでワイヤー先端の硬さを段階的に上げる方法,22本のワイヤーを用いるパラレルワイヤー法,3IVUSガイド,4逆行性アプローチでの直接的逆行性ワイヤー通過, 5両方向性アプローチでのkissing wire法,6controlled antegrade and retrograde tracking(CART),7reversed CARTなど.

手技選択は,CTO病変の長さ,CTO中枢端の位置と形態,CTO病変末梢血管の性状(血管径,狭窄の有無,石灰化の有無,CTO末梢端部の側枝の有無),逆行性アプローチが可能な側副血行路の有無により決定される.選択した手技が困難と術中に判断した場合は,成功の可能性がある手技に変更することにより成功率は高くなり,また合併症が少なくなると報告されている984).しかしながら,重度石灰化病変では依然として成功率が低い984).

12.3 成績

12.3.1 短期成績

報告されている院内死亡は0.2~0.9%,重篤な冠動脈穿孔を含むMACCEは2~7.0%である863, 985, 986).CTO病変に対するPCI成功例と不成功例の予後の比較では,院内死亡が0.5%対1.4% 987),MACCEが2.4~5.7%対7.7~ 10.2% 985-987)と,成功例で有意に良好である.

合併症の予測因子としては,逆行性アプローチ,高齢,複雑病変(J-CTOスコア)があげられており986, 988),逆行性アプローチは順行性アプローチに比して症候性虚血の発生と無症候性心筋障害が有意に多く(13.8%対6.7%),これらが発生した症例では2.3年間の追跡で有意にMACEが多かったと報告されている989).

また,CTO病変に対するPCIはそれ以外のPCIに比して,造影剤使用量,X線被曝量(空気カーマ),手技時間,透視時間が多く,CTO病変に対するPCI全体の中央値はそれぞれ270 mL,2.9 Gy,123分,47分であるが986),成功例と不成功例を比べると全て不成功例で有意に多かった点に留意が必要である985).

12.3.2 長期成績

CTOの存在はPCIで不完全血行再建となる原因の一つであり,不完全血行再建が予後に影響することが多くの報