p.78 抽出テキスト
する習熟が必要である. 10 分岐部病変 表55 分岐部病変のPCI に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 分岐部病変に対して本幹のみステント留置を基本とする. I A分岐部病変に対するPCI における血管内エコー法(IVUS)または光干渉断層法(OCT)・光周波領域イメージング(OFDI)の使用IIa B側枝の角度や灌流域から側枝確保の困難が予想される場合の2 ステント治療IIb B PCIの対象としての分岐部病変は複雑病変の中でも最も多い病変である.分岐部病変に対するPCIで良好な成績を得るためには,病変の適切な評価と分岐部特有の手技が重要である. 10.1 病変の評価 分岐部病変の分類として最も汎用されているのはMedina分類である953).この分類では分岐部病変を本幹の近位部,本幹の遠位部,側枝の3つの部位に分け,それぞれ狭窄の有無により1あるいは0として分類する(図7) 953). このような病変形態による分類に加え,分岐部病変の部位の違いも重要である.左冠動脈主幹部(LMT)遠位部の分岐部病変とその他の分岐部病変とでは灌流域,血管径,分岐角度に違いがあり,それぞれに対して適切な手技を考慮する必要がある.また,LMT遠位部と他の部位とでは初期成績,中長期成績にも違いがある954). 10.2 手技 10.2.1 側枝へのガイドワイヤー 側枝へのガイドワイヤーの選択において,側枝の分岐角度が反転しているような場合には,通常のガイドワイヤーの操作では選択が難しい.このような場合にあらかじめガイドワイヤーを屈曲させて,遠位部より側枝を選択する逆行性ワイヤー(reverse wire)法が有用である955).手技がより容易な二重内腔カテーテルを用いた逆行性ワイヤー法も報告されている956). 10.2.2 病変の前処置 分岐部病変においてカリーナシフト,プラークシフトをきたして,側枝に追加のステント留置が必要となることがあるが,改良された方向性冠動脈粥腫切除術(DCA)にてプラークを切除して側枝のステント留置を回避する手技も行われている957). 10.2.3 ステント留置術 分岐部病変のステント留置術としては,本幹のみのステント留置法(1ステント法)が本幹・側枝ともにステントを留置する方法(2ステント法)よりも,良好な成績が得られることがRCT 958)やメタアナリシス959, 960)で報告されており,できるだけ本幹のみの手技で終えるようにする.しかし,側枝の血管径が大きく(2.75 mm以上),高度狭窄病変を認め,灌流域が大きく,側枝の病変の病変長が長い場合(5 mm以上)などでは,2ステント法が必要となることがある. 2ステント法には,初めから側枝にステントを入れる方法と,手技の途中でステントを留置する方法とがある.前者の主なものとして,クラッシュステントやTAP(T-andprotrusion)ステントなどがあり,後者としてはTステントやキュロットステントなどがある.各種2ステント法の長期成績については,DKCRUSH試験でLMT病変に対してprovisional Tステントよりも良好と報告961)されているが,血管内画像診断での評価など,追加の検証が必要と思われる. 本幹にステントを留置した後,側枝にさらなる治療を行 図7冠動脈分岐部のMedina 分類(Medina A, et al. 2006 953) より) © 2006 Sociedad Española de Cardiología. Published by Elsevier España, S.L.U. All rights reserved. 本幹(近位) 本幹(遠位)側枝, , 0,1 1,1,1 1,1,0 1,0,1 1,0,0 0,1,0 0,0,1 0,1,1 0,1 0,1