p.76 抽出テキスト
9 補助診断装置 9.1 血管内エコー法 表52 PCI のガイダンスにおける血管内エコー法(IVUS) の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 左冠動脈主幹部(LMT)病変,慢性完全閉塞(CTO)病変,び漫性病変などの複雑病変での使用I A ステントの最適な留置を目的とした使用IIa B入口部病変,分岐部病変,石灰化病変での使用IIa Cステント血栓症と再狭窄の予防を目的とした使用IIa C最小血管内腔断面積やプラーク量によるPCI の適応決定を目的とした使用III C 血管内エコー法(IVUS)はカテーテルを用いた血管内画像診断法である.IVUSカテーテルを血管内に挿入することにより,冠動脈の内腔と血管壁の断面像を即時に観察することができる.IVUSでは冠動脈造影に比べて,血管内腔の径や断面積,プラークの大きさ・組織性状・分布,血管リモデリング様式,冠動脈解離,ステント血栓症,再狭窄を正確に評価できる.IVUSは,現在臨床使用が可能な血管内画像診断法のなかで,最も確立された標準的な手法である928).PCIのガイダンスにおいて,IVUSはPCI前の病変性状の評価,ステントサイズの決定,そしてステントの最適化のために使用され,これにより個々の病態に即したより適切な治療方針を立てることが可能となる. 本邦ではPCIのガイダンスにおけるIVUSの使用率が欧米に比べて著しく高い.これまでの臨床研究では,すべてのPCIでルーチンにIVUSを使用することの有用性に関しては相反する結果が示されており,未だ結論はない929–931).一方で,いくつかの特定の病変に対するPCIでの選択的なIVUS使用に関しては,有用性が示されている.LMT病変・CTO病変・び漫性病変など複雑病変に対するPCIでは,IVUSガイドにより成績が向上し予後が改善されることが,メタ解析でも示されている931–937).分岐部病変,石灰化病変,入口部病変に対するPCIのガイダンスとしてもIVUSは有用性が示唆されている938, 939). IVUSはPCI手技に伴う合併症,血栓症,再狭窄の原因究明に役立つ可能性がある.ステント留置直後の最小ステント断面積やステントエッジのプラーク断面積は血栓症や再狭窄と関連する940, 941).なお,IVUSで評価した病変部の血管内腔断面積やプラーク量は血行再建の適応を決定するための指標とはならない. 一方,IVUSにはさまざまな問題点もある.IVUSカテーテルは屈曲病変,石灰化病変,高度狭窄病変,閉塞病変を通過させることが困難な場合があり,適応病変や費用対効果を考慮しながら使用する必要がある.また,IVUSの画像読影には知識と訓練が必要で,IVUSによるPCIのガイダンスは共通の基準にもとづいて行われなければならない. virtual histology IVUS,integrated backscatter IVUS, near-infrared spectroscopy IVUSは,プラーク組織性状の自動診断を可能にする.PCIのガイダンスにおけるこれらの有用性は今後RCTでの検証が必要である. 9.2 光干渉断層法,光周波イメージング 表53 PCI のガイダンスにおける光干渉断層法(OCT), 光周波イメージング(OFDI)の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル ステントの最適な留置を目的とした使用IIa B分岐部病変,石灰化病変の責任病変,ステント再狭窄病変での使用IIa Cステント血栓症,再狭窄の予防を目的とした使用IIa C慢性腎臓病(慢性透析を除く)例での使用IIb C冠動脈入口部病変,閉塞病変に対する使用III C最小血管内腔断面積やプラーク組織性状診断によるPCI の適応決定を目的とした使用III C 光干渉断層法(OCT),光周波イメージング(OFDI)は近赤外線と光学技術を応用した血管内画像診断法である942).OCT/OFDI装置は高い解像度を有し,血管造影やIVUSよりも正確に血管内腔径や病変長を計測できる.組織性状診断も可能であり,脂質,線維,石灰化を鑑別することができる.動脈硬化病変においてはプラーク破裂,び