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ステム®というデバイスが新たに保険承認されている.高度石灰化病変に対し十分な拡張を得て成功率を高めることが目的で,ORBIT II試験とCOAST試験で,石灰化病変の拡張を助けるデバイスとしての有効性は示されたが905),まだ十分なエビデンスが得られているとはいいがたい.今後のデータと使用のノウハウの集積が重要であろう. 7.2 方向性冠動脈粥腫切除術 方向性冠動脈粥腫切除術(DCA)デバイスは2008年に販売中止となっていたため,前回のガイドラインからは削除されていたが,本邦のメーカーによって復活し,2015年から再度市販されている.当初はBMSに対する優位性を示せなかったが,IVUSにて方向を確認して行うようになったOARS試験906),ABACAS試験907)などではBMSと比較しても良好な再狭窄率を示していた.しかし,その頃にDESが登場したことにより,世界的には使用されなくなっていた. DCAは分岐部病変において側枝へのカリーナシフトやプラークシフトを減少させる効果があり,分岐部病変を対象としたDCA+DES(SES)治療の多施設レジストリー研究であるPERFECTでは標的病変再血行再建(TLR)が1%という成績を残し,さらにLMTのサブグループではTLRが0であった908).このようにステントとの組み合せの有効性も期待されていた909). 再上市されてからのエビデンスは今のところないが,分岐部病変の成績向上のためにDESやDCBとともに用いる補助デバイスとしての期待が大きい. 7.3 エキシマレーザー冠動脈形成術 エキシマレーザー冠動脈形成術(ELCA)によるPCIは歴史が古く,1992年に始まった.しかし穿孔,解離などの合併症の発生率が高く,普及しないまま長年が経過していた.その後技術の改良が進み,安全性は向上したが,有用性はあまり見いだされていなかったため,ごく一部の施設で先進医療の枠組み内で使用されてきたのみであった.ところが,ペースメーカのリード抜去のために使用されて再度脚光を浴び,2012年に本邦でも冠動脈インターベンションが適応を取得した. 本法の主な機序はレーザーによる焼灼と蒸散であり,急性心筋梗塞の冠動脈病変,大伏在静脈(SV)グラフト内の血栓やステント内再狭窄の新生内膜などの柔らかい組織を減量する効果が期待されているが,エビデンスとしては未だ少数例のデータのみである910–912). 8 生体吸収性スキャフォールド 8.1 現状 PCIの術後に血管内に異物が存在することが血栓形成や炎症の原因となることから,冠動脈内に異物を残さないようにすることが重要と考えられるようになってきた.その一つとして,生体吸収性スキャフォールド(BRS)が脚光を浴びてきた.完全に溶出するため,遠隔期の異物反応による新規動脈硬化がなくなり,DAPTも不要になることが期待されるデバイスである.しかし実際には,性能が向上した第2世代以降のDESに比べて早期のみならず遅発性の血栓症の発症率も高く,むしろDAPTを長期必要とすることが強調されるようになった. 臨床使用が最も先行していたAbsorb GT1 ®(Abbott Vascular社)が本邦で承認されたものの,血栓症のリスクの点から欧州で使用に制限がかかったため,世界的に販売中止となった.現在は一部の小規模メーカーが小規模の臨床研究として開発を続けているのみである.しかし,異物が一生残る金属ステントに比べて最終的にはメリットがあるはずであり,冠動脈の局所治療の理想的なデバイスとなる可能性がある. 現時点では本邦で使用できる見込みがないため,ここではBRSの留置法と現在までのエビデンスを概説するにとどめる. 8.2 BRS(BVS)のエビデンス Absorb GT1(Abbott Vascular 社ではBioresorbable Vascular Scaffold: BVS)はこれまで早期の安全性試験であるABSORBコホートB,EXTEND試験に始まり,数多くのRCT(ABSORB II,ABSORB III,ABSORB Japan, ABSORB China,EVERBIO II,TROFI II)とレジストリー研究が行われてきた.欧州では2011年に市販されて6年近くが経過しており,初期の安全性試験やピボタル試験について多くのメタ解析も行われており,再狭窄に対する再血行再建に関しては金属DESとほぼ同等で,対照である第2世代DESのEESと比較してデバイス血栓症が多いとされている913, 914).個別の試験の成績では差がなくても,メタ解析で2年以降の成績をみると,BRSのほうがEESよりも再血行再建率も高いとの報告もある915).