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p.72 抽出テキスト

代の耐久性ポリマーDESではBMSと比べて中~長期の死亡率や心筋梗塞発症率に差はないが,亜急性~遅発性のステント血栓症は有意に少なく,またVLSTについてはBMSと同等以下であると報告されている888, 889).本邦で生体適合性の高いポリマーを使用した第2世代DESであるエベロリムス溶出性ステント(EES)は2010年から使用されている.

第3世代DESは生体吸収性ポリマーを使用し,一定期間に薬剤の徐放とポリマーの生体吸収を終えた後はBMSと同様となる.2015年以降,ストラットが薄く生体吸収性ポリマーを使用した第3世代DESが登場している(Ultimaster TM,Synergy TM,Osiro TM).この生体吸収性ポリマーDESと耐久性ポリマーDESの優劣は大きな関心事で,さまざまな臨床研究が実施されている890, 891).この中では唯一BIOFLOW V試験が,12ヵ月後の標的病変不全に関して耐久性ポリマーDESに対する生体吸収性ポリマーDESの優位性を報告している(P=0.0399) 892).しかしながら,SORT OUT IVでは一貫した結果は認められていない893).一方,短期DAPT(安定狭心症では1ヵ月,急性冠症候群では6ヵ月)を併せて行ったSENIOR試験では,生体吸収性ポリマーDESはBMSに対し安全性における同等性と,有効性における優位性を示している877).

このように第2世代のDESと第3世代のDESにクラス効果として真の意味での差があるのか,あるとすればどのような臨床的背景,病変形態でみられるのかといった問題は,今後の検討課題である.現在臨床使用されているDESを表50に示した.これら新世代のDESの登場によって,高い再狭窄率が

問題となっていた,び漫性病変,多枝病変,小血管,CTO病変,ステント内再狭窄(ISR)病変などに対する再狭窄低減効果(全体的にみても再狭窄率は10%以下)が報告されたことにより,PCIの適応は従来,治療困難あるいは禁忌とされていたLMT病変へとさらに広がってきている.同時に急性冠症候群,とりわけST上昇型心筋梗塞(STEMI)においても,近年BMSに対するDESの優位性が示され, DESが標準治療となっている894).

6 特殊バルーン

6.1 薬剤塗布バルーン

薬剤塗布バルーン(DCB)は脂溶性の高い薬物(パクリタキセル)をバルーン表面から血管壁への短時間の接着により浸透させるデバイスである.バルーンの種類によって成績に差はあるものの,ステント内再狭窄には有効であるとの報告が多い.BMSの再狭窄に対する有効性はPOBAより高く,新世代DESのステント内ステント留置と同等であるが,冠動脈造影上の遠隔期内腔損失(late lumen loss)についてはDESには及ばないと報告されている435, 895).一方,DES留置後の再狭窄に対するDCBの有用性は一様ではなく,少なくとも遠隔期内腔損失に関してDCBが新世

表50 本邦で使用可能な第2 世代以降のDES(2018 年10 月現在)

ステントのプラットフォームポリマーコーティング使用薬物リンク数

二重ポリマーコーティングPromus Premierプラチナ・クロムPBMA,PVDF-HFPエベロリムス2~4 Resoluteコバルト合金PBMA,PHMA,PVP,PVAゾタロリムス1.5~2.5 Xienceコバルト・クロムPBMA,PVDF-HFPエベロリムス3生体吸収性ポリマーコーティングNoboriステンレススチールPDLLAバイオリムスA9 2 Orsiroコバルト・クロムPLLAシロリムス3~4 Synergyプラチナ・クロムPLGAエベロリムス2~4 Ultimasterコバルト・クロムPDLLA,PCLシロリムス2ポリマーなしBioFreedomステンレススチール–バイオリムスA9 2~3