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p.61 抽出テキスト

うえでの,RCAへのグラフトの種類による予後への影響が検討されている.特に10年前後の長期では,BITAに加えて第3の動脈グラフトにより予後の改善が認められるとしている651, 690, 790–793).一方Luthraらは,第3の動脈グラフト使用の8年までの成績は,RAなど動脈グラフトとSVで差がなかったとしている788).Hiroseらによれば,GEAとRAでは差はなかった789).10年を超える超長期ともいうべき研究でも統計学的な優位性が認められているため,現時点では一部の症例または適切に選択された症例に対して有効な術式といえる.

GEAは第3の動脈グラフトの筆頭候補である.Hwangらは,フリーRITAと同一の使用方法で同等の開存と予後が得られ,グラフト素材としてのGEAの可能性に問題はないと結論している780).さらに,同所(in situ)での使用は,独立した流入路となり大動脈の手術操作を回避できることが大きなメリットである.一方で同所グラフトとしての使用では,解剖学的な理由によりグラフト内圧が内胸動脈より10%,大動脈より20%ほど低いとされ800),とくに中

表42 右内胸動脈(RITA)グラフトと橈骨動脈(RA)グラフトの比較

文献著者・研究,

報告年比較研究方法例数主な結果,所見観察期間グラフトの使用方法,

標的など流入路

14 RAPCO 2010 (Group 1) RITA対RA RCT 394開存率同等,RA:6年後の臨床経過良い5.5年LAD以外で最大の標的へのグラフトをランダム化. LCX:RCA:LAD はRAで62:35:3,RITA で69:25:6 ACB

22 Caputo 2003 RITA対 RAリスク調整比較661 RA:イベント回避生存率高い1.79年, 1.54年LAD:LCX:RCAはRITAで16:31:53,RAで4: 58:38 RITA:同所94 %,ACB 6% R A :A C B 78%,複合グラフト22%

23 Tranbaugh 2014 RITA対 RA傾向マッチング1056 RA:主要有害事象少ない,開存率はRITAと同等,高齢患者とCOPD合併例で生存率高い9年,8.5年RA,RITA,LCXのいずれかのみACB

24 Ruttmann 2011 RITA対 RA傾向マッチング554 RITA:心イベント回避率と生存率高い57.7ヵ月RA:LCXへ94% BITA:LCAへ97% SITA+RA:LCAへ94%同所RITA: L C X 58%,フリーRITA 18%

25 Raja 2015 第2 ITA 対RA傾向マッチング1020 RITA:生存率高い,再血行再建少ない8.0年同所ITA:LCXへ618 Y:LCXへ90,RCAへ39 RA:LCXへ458,RCAへ283,Dxへ38 RITA Y:LCXへ90,RCAへ39 RA Y:LCXへ96, RCAへ23

26 Tranbaugh 2017 RITA対 RA対SV後ろ向きリスク調整Cox解析13,324 70歳未満でSVよりRA, RITAが良い70歳以上でRA・RITAはSVと有意差なし8.8年, 8.9年, 9.1年RITA:LCXへ,RA:LCXへRITA:同所またはフリー

27 Hu 2011 RITA対 RA対SV メタ解析RA:RITAより心臓関連イベント少ないが生存率同等,SVより開存良く創感染少ない

28 Hwang 2013 RITA対 GEA傾向マッチング210 5年で開存率,臨床アウトカム同等中央値80ヵ月Y複合グラフト100%,フリーGEA 対フリーRITA

29 Benedotto 2015 RITA対RA対GEA対SVメタ解析RITAとRAはSVより開存良い,GEAはSVより開存悪い

ACB: 大動脈・冠動脈バイパス,Dx: 対角枝,GEA: 胃大網動脈,LAD: 左前下行枝,LCA: 左冠動脈,LCX: 左回旋枝,RCA: 右冠動脈,SV: 大伏在静脈