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用と思われる.

4.2 右内胸動脈

表35  両側内胸動脈(BITA),右内胸動脈(RITA)グラフ

トの推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

術後遠隔期の死亡率とイベント発生率の低下を目的としてBITA グラフトを用いる. IIa B同所RITA グラフトの吻合部位として左冠動脈領域を優先する. IIa B BITA グラフト採取における,縦隔炎予防を目的としたskeletonization IIa B RITA グラフトによる左冠動脈前下行枝(LAD)のバイパスIIb B

LITAの使用例の好成績を受け,右内胸動脈(RITA)も加えた両側内胸動脈(BITA)の使用が普及し,中~長期成績の後ろ向き検討によれば,若年症例575–585)はもとより高齢症例586–589)においても死亡率とイベント発生率を低下させることが報告されている.また,片側ITAに対するBITA使用の生命予後に関する優位性は,術後20年以上にわたって上昇し続けることが示されている590).

BITAを使用した場合,LITA-LADがゴールドスタンダードであることは確立されているが,近年RITA-LADもLITA-LADと比べて遜色がないと報告されている591, 592).術後グラフト開存率について,RITA-LADはLITA-LADと同等554, 593, 594),RITAを回旋枝に用いる場合についてもLITA-LADと同等593, 595–597)であることが,エビデンスとしてほぼ確立されているのに比し,RITAの右冠動脈への使用では,報告例は少ないものの,開存率は約80%と低く,術後のイベント発生率も高いという報告がある561, 587, 598, 599). BITAを使用する際にRITAを左冠動脈領域に使用するほうが,右冠動脈領域に使用するよりも生命予後がよいと報告されている575).

動脈グラフトの多様化に伴い,RITAはフリーグラフトとしての使用が増加しており,大動脈中枢吻合部としては通常の上行大動脈561, 600)の他に,LITA 601–606)との複合(composite)グラフトとして用いられ,良好な開存率に加えてグラフト到達距離の拡大が報告されている.一方, BITAグラフトの構成の差異は生命予後に影響しない607)との報告もあり,BITAを同所(in situ)で使用するか複合グラフトで使用すべきかについて,一定の見解はない.

BITA使用時の術後合併症として縦隔炎を考慮する必要があり,高リスク群は糖尿病(特に肥満女性) 310, 608–610),

閉塞性肺疾患合併例561, 593–606)であるが,ITAのskeletonizationにより縦隔炎のリスクが低下するという報告がある310, 569, 611–615).ITA採取の際,両側をskeletonization法で採取した場合と片側を有茎で採取した場合とで術後の縦隔炎発生率に差がなかったと報告されている616).

4.3 胃大網動脈

表36 胃大網動脈(GEA)グラフトの推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

右GEA グラフトによる右冠動脈領域のバイパスIIa B右GEA または大伏在静脈(SV)グラフトによる,長期予後改善を目的とした右冠動脈領域のバイパスIIa B右GEA グラフトによる,右冠動脈の高度狭窄病変に対するバイパスIIa C右GEA グラフト採取における,攣縮の予防を目的としたskeletonization IIb C

CABGにおける第3の同所動脈グラフトとしての右の胃大網動脈(GEA)は1987年に初めて報告された617, 618).同所GEAグラフトはどの領域にも吻合可能であるが,主な標的冠動脈は右冠動脈(RCA)である.標的冠動脈ごとの系統的な長期成績の報告はない.GEAグラフト使用の術後早期・長期成績は,GEAグラフト吻合部位の大多数がRCA領域である報告から得られたものだが,術後早期開存率は88~100%と良好な成績が報告されている578, 619–636). 3年以上の長期開存率の検討は少なく,3年で91.1~ 96.0% 629, 636),5年で80.5~94.7% 624, 627, 629),10年で62.5~ 66.5% 627, 634)と報告されている.

RCA領域へのバイパスにおいて,RITAの5年開存率は83% 637)との報告がある一方,開存率は示されていないが, RITAとRCA末梢分枝との吻合は避けるべきとの報告もあり638),RITAとGEAの比較について見解は一致していない.橈骨動脈(RA)グラフトは,5年開存率が73~83% 637, 639, 640)と報告され,RAとGEAは同等の成績と考えられる. GEAは大伏在静脈(SV)グラフトに5年開存率で勝ると報告されている624).RCAに吻合したSVの10年開存率は56%と報告されているが294),10年開存率をGEAとSVとで比較した報告ではSVが若干勝っていた627).また,GEAの選択には臨床上の優位性がなかったとの報告もある642, 643).SVとGEAの長期成績比較についても見解は一