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の有無を評価し,周術期脳合併症のリスクを評価する.・ 呼吸機能検査:閉塞性肺機能障害の有無や程度を評価 する. 2.2 糖尿病 糖尿病合併例に対してはPCIに比べてCABGがより有効であることが報告されている498).しかし,糖尿病はCABG術後の生命予後や心血管合併症だけでなく,術後感染,術後呼吸器合併症,入院期間延長などの危険因子でもある.HbA1cが6.5%以上,あるいは7.0%以上がCABG術後の手術部位感染(surgical site infection: SSI),胸骨創感染の強力な危険因子であるとの報告が多いことから, HbA1c<6.5%が術前糖尿病管理の目標といえる499–501).しかし,HbA1cは測定2~3ヵ月前の糖尿病コントロール状態の指標であり,術前HbA1cが目標値に下がるまでCABG施行を延期する余裕がない症例も多い.術前2週間の血糖のコントロールにより術後感染リスクが下がるという報告もあることから,HbA1cが高いまま手術に臨む必要のある症例では,周術期SSI,胸骨創感染のリスクを下げるためにも,周術期の血糖コントロールが必須である502, 503). また,糖尿病性網膜症のある患者では,強力なインスリン治療により網膜症を悪化させる可能性があるので,過度にHbA1cを下げないよう注意が必要である. 2.3 術前の抗凝固療法,抗血栓療法 CABG周術期における抗凝固療法,抗血小板療法は,術前の狭心症への対応とともに,術後の血小板機能活性の亢進に起因する周術期のグラフト閉塞や塞栓症などのリスクを減少させるためにも有効と考えられるが,一方で周術期の出血,輸血量増加などのリスクも高める504).そのなかで,低用量アスピリンは出血のリスクを大きく高めることなく術後急性期のグラフト閉塞の予防にもつながる可能性があることから,CABG術前の継続内服が推奨される505).抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)としてクロピドグレルも内服している場合,出血のリスクは単剤継続で20%増, 2剤継続で50%増といわれているので,アスピリンを継続しつつクロピドグレルを手術の5~10日前に中止するべきである506, 507). 近年では緊急/準緊急CABGを施行する場合,緊急PCIを想定して,プラスグレルを内服させて行っていることも多い.プラスグレルは内服から効果発現までが数時間といわれ,緊急PCIにおいては効果的とされるが,緊急CABGとなった場合,手術開始前後にその薬効が出現してくるた め出血のリスクが高いと考えられる.したがって,出血のコントロールのため血小板製剤を準備しておくことは妥当である. 2.4 緊急/準緊急CABGへの対応 緊急,準緊急CABGが必要と判断された際の術前における最重要事項は,血行動態の維持,安定化である.ほとんどの場合,大動脈バルーンパンピング(IABP)が行われているが,心筋虚血の進行を抑えるために手術までできるだけ血圧を高く維持し,心筋壊死の程度を可能な限り少なくすることが,術後の早期回復にも重要と思われる.心室不整脈が頻発している場合や血圧低下がみられる場合,経皮的循環呼吸補助を追加することは麻酔導入時のリスクを回避する効果もあるので,躊躇すべきではない. 2.5 心不全 緊急/準緊急CABGの適応となる患者では,急性心筋梗塞や心筋虚血により心機能が低下して急性心不全を併発していることも多い.重度肺うっ血をきたしている場合,心不全の治療を数日間行った後のCABG施行を考慮することは,理にかなった判断である.この場合,虚血がいったん解除されていることが重要と思われ,冠動脈閉塞後の早期再疎通のために経皮的古典的バルーン血管形成術(POBA)などで最低限の冠血流を確保しておくべきである.逆に,心筋虚血が持続している例では,重度の心不全状態であっても,冠動脈の解剖学的形態からPCIの適応がない場合はCABGに踏み切る必要がある64). 3 血液マネジメント 3.1 血液セービング戦略 表31 CABG 施行時の血液セービングの推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 輸血量を減らす目的での,回収式自己血輸血システム(セルセーバー)の術中使用(悪性腫瘍患者や感染症患者を除く) I A