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p.43 抽出テキスト

を常に念頭におくべきであろう.

6.1.2 DES時代のステント再狭窄

「PCIのアキレス腱」といわれた再狭窄はDESの導入によってほぼ解決され,再狭窄率は5%前後にまで低下している.また,ステント再狭窄病変や小血管,さらには分岐部病変での側枝病変など,DES留置が困難な病変には薬剤塗布バルーン(DCB)が使用可能となり,再狭窄予防効果が確認されてきている.このように,DESやDCBによってPCI全体での再狭窄は減少してきているが,再狭窄病変が再々狭窄をきたす確率は必ずしも低下しておらず,再狭窄に対する対応は依然として重要な課題の一つである.

BMSは通常,留置後6~8ヵ月前後に再狭窄をきたすことが多く,この時期を過ぎるとむしろ狭窄度が軽減すると報告されている.一方,DESでは遅発性の再狭窄をきたす場合があり,注意が必要である428).また,DESによる再狭窄予防効果はすべての病変で同じではなく,高度石灰化病変や右冠動脈入口部病変,2ステント留置を行った分岐部病変,透析患者は,新しい世代のDESでも再狭窄予防効果が不十分である.

6.1.3 ステント再狭窄の機序

血管の収縮性リモデリングと新生内膜の肥厚がステント再狭窄の主要な機序であり,前者はBMSでコントロール可能となったが,後者はバルーンによる拡張よりもむしろBMSで高度であった.DESの導入により2 つの機序がいずれもコントロール可能となった.DESで生じる再狭窄の機序としては,機械的な要因,手技的な要因,新生内膜増殖が挙げられる.

初期のDESでは物理的なストレスに基づくステント破損やステントリコイル(弾性反跳)を機序とする再狭窄をしばしば経験したが429, 430),薄くて血管追従性が向上したDESの開発によりこの機序による再狭窄は減少している431).手技的要因としてはステントの拡張不良やステントエッジの残存狭窄がある. 6.1.4 PCIによる再血行再建

表26 PCI 後の再狭窄例に対する再PCI の推奨とエビデン

スレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

ベアメタルステント(BMS)または薬剤溶出性ステント(DES)内再狭窄に対する新たなDES の留置I A BMS またはDES 内再狭窄に対する薬剤塗布バルーン(DCB)による拡張I Aステント再狭窄の機序を評価する目的での血管内エコー法(IVUS)または光干渉断層法(OCT)・光周波領域イメージング(OFDI)の使用IIa C

現在,ステント再狭窄病変に対するDCBの有用性が確認されている432).BMSまたはDESの再狭窄に対して, DCBはバルーンによる拡張よりも有効で,その効果はBMS再狭窄でより高かった433).DES再狭窄に対するDCBでは遅発性の再々狭窄も報告されているが434),最近の検討ではステントの種類を問わず,DCBと新世代DESの成績には差がないと報告されている435, 436).なお,DCBでは治療の前にスコアリングバルーンで拡張を行ったほうが良好な血管造影所見が得られると報告されており437),病変部位を十分にカバーするように拡張を行わないと再狭窄をきたしやすい438).DCBにおける重要な手技上の留意点である.DES再狭窄の治療を行う場合に,その機序を踏まえた対応が重要である.血管内エコー法(IVUS)や光干渉断層法(OCT),光周波領域イメージング(OFDI)を用いることにより,ステントの拡張不良や内膜増殖の程度,その進展の状態を評価しうる.また,ステントの破損やリコイルなどの評価も容易である.再狭窄病変のOCT (OFDI)所見から組織性状をある程度予測でき,イメージング所見と再々狭窄との関連も報告されている439).

6.2 ステント血栓症

6.2.1 現状と分類

ステント留置後2週間以内に起こる(亜急性)ステント血栓症は,ステントを高圧で拡張することと,アスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬の2剤を用いること(DAPT)で解決したが,第1世代のDESが導入され,1年後以降に起こる超遅発性ステント血栓症(VLST)が問題となった.このため,より長期のDAPTが考慮されることになったが,