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p.83 抽出テキスト

ロンビン生成が活性化血小板からのP- セレクチンなどの接着分子の放出を促進すること872)などが示されている.以上のように,冠攣縮時には凝固系亢進,線溶活性低下,血小板および接着分子の活性化が生じ,ACS と同様に易血栓性状態が惹起される.さらに,血栓が形成されると活性化血小板から血小板由来成長因子などが分泌され,動脈硬化がさらに増悪,または血管収縮性が促進される.

日本では心筋梗塞患者の冠攣縮の発生率が欧米より約3倍高いことが報告されており561),冠攣縮が原因と考えられる心筋梗塞に対しては,カルシウム拮抗薬投与がクラスI とされている(「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013 年改訂版)」) 873).図7 に本邦における冠攣縮性狭心症の診断アルゴリズムを示す. 4 その他

4.1 急性大動脈解離

Stanford A 型急性大動脈解離では,その3 ~15% にACS を合併し,とくに右冠動脈(RCA)を責任血管とするACS が多い874–877).機序としては,1大動脈解離が冠動脈入口部を圧排,2大動脈内膜の解離が逆行性に冠動脈解離を惹起,3解離により冠動脈が大動脈(真腔)から

図7 冠攣縮性狭心症の診断アルゴリズム(日本循環器学会.2013 873)より)

参考項目硝酸薬によりすみやかに消失する狭心症様発作で,以下の4 つの項目のどれか1 つが満たされれば冠攣縮疑いとする. 1 とくに夜間から早朝にかけて,安静時に出現する. 2 運動耐容能の著明な日内変動が認められる(早朝の運動能の低下). 3 過換気(呼吸)により誘発される. 4 Ca 拮抗薬により発作が抑制されるがβ遮断薬では抑制されない.

*1 明らかな虚血性変化とは,12 誘導心電図で,関連する2 誘導以上における一過性の0.1 mV 以上のST 上昇または0.1 mV 以

上のST 下降か陰性U 波の新規出現が記録された場合とする.虚血性心電図変化が遷延する場合は本ガイドラインに準じ対処する. *2 心臓カテーテル検査における冠攣縮薬物誘発試験,過換気負荷試験などをさす.なお,アセチルコリンやエルゴノビンを用い

た冠攣縮薬物誘発試験における冠動脈造影上の冠攣縮陽性所見を,「心筋虚血の徴候(狭心痛および虚血性心電図変化)を伴う冠動脈の一過性の完全または亜完全閉塞(>90% 狭窄)」と定義する.

有

安静,労作,安静兼労作時の狭心症様発作で冠攣縮性狭心症を疑う場合

自然発作時の心電図,Holter 心電図検査などで

虚血性心電図変化陽性*1虚血性心電図変化境界虚血性心電図変化陰性または心電図検査非施行

症状に関連した明らかな心筋虚血所見または冠攣縮陽性所見が諸検査

*2 によって認められる下の参考項目を

1 つ以上満たす

冠攣縮性狭心症

確定冠攣縮性狭心症

疑い冠攣縮性狭心症

否定的

無無有