p.75 抽出テキスト
12.3.2 心筋バイアビリティ評価 LGE-CMR は梗塞後の心筋バイアビリティの評価にも優れている.LGE-CMR では,梗塞に伴う心筋の壊死領域(不可逆的障害部位)は高信号を示し,可逆的傷害部位は造影されない820, 821).LGE-CMR によって描出された梗塞巣は18F-FDG PET における梗塞部位と一致する822).さらに,LGE の占める割合が壁厚の50% 未満である場合は, PCI やCABG による血行再建で壁運動の改善が予想される領域である.一方,LGE が壁厚の50% 以上に達する場合は,心筋バイアビリティが失われ壁運動改善が乏しい領域と考えられる821).壁厚が5.5 mm 未満と菲薄化した心筋においても,LGE の深達度が壁厚の50% 未満であれば血行再建によって壁運動が改善されたとの報告がある823). 12.4 心電図 非再灌流療法時代には,異常Q 波,冠性T 波が陳旧性心筋梗塞の代表的な心電図所見であった.異常Q 波を示す誘導から梗塞部位を推定でき,梗塞サイズを量的評価として異常Q 波の深さ・幅・誘導数などから算出するQRSスコアが梗塞サイズの指標とされていた206).しかし,最近では心筋梗塞急性期治療として再灌流療法が普及し,また, 心電図所見の経時的変化は再灌流療法施行例と非施行例で異なるため,この点を考慮して評価する必要がある.さらに,心電図所見は心筋梗塞発症からの経過時間の影響も受けるため,その診断は必ずしも容易ではなく,梗塞サイズの評価は他の検査法で行われることが多い. 13 心臓リハビリテーション 13.1 入院心臓リハビリテーション 急性期心臓リハビリテーション(Phase I とよぶ)は, ICUまたはCCUから一般病棟で行う心臓リハビリテーションのことを指すが,病態の重症度が高度の場合に,ICU やCCU での超急性期心臓リハビリテーションが必要となる患者が存在する.急性期を過ぎると,専用の心臓リハビリテーション室で入院中に行う回復早期心臓リハビリテーション(Early Phase II とよぶ)に移行し,退院前調整を行う(図4) 832). 図4 急性心筋梗塞後の入院心臓リハビリテーション(折口秀樹.2017 832)をもとに作図) (超急性期) 血行動態が安定すれば心肺運動負荷試験でAT を決定し,運動処方を作成.外来心臓リハビリテーションへの参加の動機づけを行う.運動療法は監視下集団運動療法で開始する.重症の心不全・不整脈,残存虚血があればその治療を優先して行う.地域連携パスを活用し,退院時指導を行う. 急性期クリニカルパスに準じ,心機能,CK 最高値,急性期PCI 結果,心不全・不整脈の合併の有無を考慮して進行する.合併症を防ぐため負荷試験を行ってステップアップし,ADL 回復により自信を高め,不安,うつ評価を行う.病態・心臓リハビリテーションへの理解向上のため,生活・栄養・服薬・禁煙の指導を多職種協働で行う. 循環呼吸サポート(人工呼吸管理・IABP・VA-ECMO など)を要する重症例で,血行動態の安定や安静に伴うデコンディショニング・ICUacquired weakness の予防を目標に早期離床に取り組む. 急性期Phase I 回復期早期Early Phase II