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p.49 抽出テキスト

全性が高いことが報告されている456).9,013 例を対象に,新世代DES とBMS を無作為に比較したNORSTENT 試験(NSTE-ACS:43.5%)では,主要エンドポイントである死亡・心筋梗塞の発生率は平均5 年の追跡で有意差はなかったが,ステント血栓症(0.8% vs 1.2%,P =0.0498)と再血行再建(16.5% vs 19.8%,P <0.001)の発生率はBMS にくらべDES が有意に低かった457).

STEMI に対する血栓吸引療法の有用性が大規模臨床試験で認められなかったことに加え,NSTEMI に対する有用性を示すデータはごく少数例しかなく,末梢保護デバイス使用を含めて有効性がないとする報告もあるため,ルーチンの血栓吸引療法は推奨されない281, 282, 472, 473).しかし,大きな血栓塊を有する冠動脈病変に対する血栓吸引療法や末梢保護デバイスが有用であることは症例報告で示されており,考慮してもよいと考えられる474, 475).

ステント留置に成功すれば,アスピリンとP2Y12 受容体拮抗薬を併用したうえで早期退院が可能である296). FRISC II 試験やTACTICS-TIMI 18 試験では,早期侵襲的治療によって自覚症状の改善と入院期間の短縮が示され,6 ヵ月までの心事故発生率も低下した192, 432).

3.4 CABG

NSTE-ACS に対する早期侵襲的治療戦略としてのCABG は,生命予後を改善し心筋梗塞を予防するという複数のエビデンスが存在する372, 476–479).早期CABG の治療成績は待機的CABG と同等である480).しかし,救命的処置が優先され,血行動態が不安定で緊急CABG の手術死亡リスクが高いと想定される例には,緊急PCI が選択される機会が多くなっている377, 481–485).とくに,左主幹部が責任病変と推測される例は,心筋虚血領域が広範で血行動態が不安定な状態に陥りやすく,再灌流までに要する時間を短縮できるという点から緊急PCI が選択される481).発

症数時間以内の緊急CABG は,PCI が不成功または技術的に困難で,虚血発作が持続し,薬物治療に抵抗性の不安定な血行動態(心原性ショックや心筋虚血由来と考えられる致死性不整脈)を呈する例が対象となる.十分な薬物治療にもかかわらず胸痛発作が頻発し心筋虚血範囲の大きい(左主幹部またはLAD 近位部の高度狭窄病変など)例では,CABG の治療効果と早期手術の安全性,各施設の体制などをハートチームで十分に検討し,早期CABG の適応について決定する必要がある.その場合でも術前検査を十分行い,初期治療から数日経過し血行動態が安定した時点でCABG を施行するのが望ましい377)(冠動脈病変の複雑性の観点からのCABG の適応に関する判断は,安定冠動脈疾患における判断と同様のため,日本循環器学会「冠動脈血行再建ガイドライン」449)を参照されたい).循環動態が安定した状態であれば,手術適応は待機的CABG とほぼ同等であると考えてよい.

ACS に対する緊急CABG において手術リスクを高める要因は,進行する広範な心筋虚血や左室機能低下による心不全のみならず,腎機能障害,高齢者,脳合併症など多岐にわたる482, 483).

複数回の心筋梗塞の既往や重症の心筋虚血によって左室機能が低下している患者は,CABG の適応となることが多い.しかし,周術期に強心薬や補助循環装置の使用を必要とする患者での緊急CABG,とくにACS の発症24 時間以内の手術成績は不良で,長期予後改善も期待できない場合がある377, 482, 483, 485, 486).血液透析患者では,冠動脈石灰化が高度でPCI が困難なためCABG が選択されることが多いが,肺炎,感染症,脳梗塞,腸管壊死など術後の心外合併症による手術リスクが高いため,適応決定には慎重を要する.また,高齢者では大動脈や冠動脈の石灰化が高度なため緊急CABG が選択されることが多いが,手術リスクが高い点を考慮し,適応については慎重に決定する必要がある.

内胸動脈グラフトは長期開存が期待できる487–489).緊急CABG でも血行動態が安定していれば,内胸動脈の剥離によって手術危険率は上昇しないとされている.

表40 NSTE-ACS におけるCABG の推奨とエビデンス

レベル推奨クラスエビデンス

レベル

PCI が不成功または技術的に困難で,虚血発作が持続し,薬物治療に抵抗性の不安定な血行動態 (心原性ショックや心筋虚血由来と考えられる致死性不整脈) を呈する患者に対して,ハートチームで協議し緊急CABG を行うI C薬物治療に抵抗性の虚血発作が頻発し,心筋虚血範囲の大きい(左主幹部またはLAD 近位部の高度狭窄病変など)患者に対して,ハートチームで協議し早期CABG を行うI C