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p.47 抽出テキスト

改善がみられた.

以上の結果から,GRACE リスクスコア>140 の例ではより早期の血行再建の意義が明らかであり,CAG および血行再建の遅延は望ましくない.

2.2.3 後期侵襲的治療戦略(72 時間以内)

入院後72 時間以内にCAG を施行する後期侵襲的治療戦略は,症状の再発はないが,表36 に示す中程度のリスクの基準を少なくとも1 つ以上満たす場合に推奨される.転院搬送を要する場合も,CAG は72 時間以内に施行されるべきである.

2.3 保存的治療戦略

入院後症状の再発がなく,上記侵襲的治療戦略の対象とならない低リスク例には,保存的治療戦略が考慮される.低リスク例では,CAG の施行を決定する前に,心筋虚血評価として画像診断を含めた非侵襲的負荷検査を施行することが推奨される.

3 冠動脈血行再建

3.1 冠動脈血行再建法の選択

冠動脈血行再建法の選択において,まず緊急冠動脈血行再建が必要であるかを決定する必要がある.緊急冠動脈血行再建が必要な例は,血行動態が破綻(心筋虚血に起因すると思われる低血圧や心不全が合併)した例,および薬物治療抵抗性の胸痛が持続する例である199).いずれの場合でも,心筋虚血の責任病変に対する緊急PCI の施行が基本である.責任病変が左主幹部または左前下行枝(LAD)近位部に存在し,PCI が困難な場合には緊急CABG も考慮する必要がある199).

胸痛発作が頻発する例や心筋虚血の範囲が大きい例に対しては,状況に応じて緊急または早期冠動脈血行再建

(PCI,CABG)の適用を検討する.NSTE-ACS 患者において,早期血行再建としてのPCI,CABG が生命予後を改善し,心筋梗塞を予防することが報告されている.また,早期CABG の治療成績は待機的CABG とほぼ同等である.したがって,早期冠動脈血行再建におけるPCI, CABG の選択は,基本的には安定冠動脈疾患に準ずる. CABG の適応と考えられる場合には,早期CABG を行える体制が整っており手術が可能か否かを含めて,ハートチームで討議する.

実際,NSTE-ACS 患者では,心筋虚血や血行動態を薬物治療によって安定化できることが少なくなく,これらの患者に対するPCI,CABG の選択は安定冠動脈疾患と同じである.PCI とCABG の選択に関しては日本循環器学会の「冠動脈血行再建ガイドライン(2018 年改訂版)」449)を参照していただきたいが,重症冠動脈疾患(左主幹部病変,LAD 近位部病変を含む多枝病変,とくに低心機能,糖尿病を合併した多枝病変など)ではハートチームによる議論が必要である.

緊急または早期PCI を施行する際,心筋虚血の責任病変の同定が必要である.多くの場合,心電図所見とCAG所見から単一の責任病変を同定できる.緊急または早期PCI の標的は原則として単一の責任病変に限定することを推奨する.心筋虚血の責任病変が不明確な多枝病変例や,複数の病変が責任病変の可能性のある例では,複数の病変に対するPCI が必要な場合がある.

一方,責任病変以外に有意狭窄を有する非責任病変がある例において,非責任病変に対するPCI の至適施行時期に関する一致した見解はない.PCI の適応が明らかで手技リスクが低いと考えられ,血行動態が安定し,手技時間や造影剤使用量に余裕があれば,非責任病変に対して一期的にPCI を施行することを考慮してもよい450–453).ACS の急性期に責任病変に対してPCI を施行し,慢性期に非責任病変に対して冠動脈血行再建を適用することもある.この場合に重要なことは,該当病変の心筋虚血の有無を的確に評価して冠動脈血行再建の適応について決定することである454).非責任病変が左主幹部やLAD 近位部に存在する場合のPCI とCABG の選択は,安定冠動脈疾患と同様と考えられる.急性期の冠動脈血行再建後に,残存有意狭窄病変に対する再血行再建の適応について決定するときは,循環器内科医,心臓外科医を加えたハートチームによる評価が重要である.

表37 NSTE-ACS での冠動脈血行再建法選択に関する推奨とエビデンスレベル推奨クラスエビデンス

レベル

必要に応じて,臨床的な状況や併存疾患,冠動脈病変の複雑性をもとにハートチームで協議して,冠動脈血行再建法を選択するI C