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p.46 抽出テキスト

かな心停止の原因がないことを評価した後にCAG が考慮されるべきである280).

2.2.2 早期侵襲的治療戦略(24 時間以内)

早期侵襲的治療戦略は,入院後24 時間以内にCAG を適用する戦略である.表36 に示すような高リスクの基準を少なくとも1 つ以上満たす場合には,早期侵襲的治療戦略が推奨される.該当例が非循環器専門施設を受診した場合,担当医は冠血行再建のできる循環器専門施設へすみやかに搬送する.

CRUSADE 研究で,週日と週末入院例の治療成績を比較したところ,PCI 施行までの時間はそれぞれ23.4 時間と46.3 時間であったが,院内転帰に差はなかった446).一方,ISAR-COOL 試験では,アスピリン,クロピドグレル,未分画ヘパリン,tirofiban の投与後6 時間以内にCAG を施行する群と,3 ~5 日後(中央値86 時間)に施行する群に分け,院内転帰を比較したところ,主要エンドポイント(死亡または大梗塞)の発生率は11.6% 対5.9% であり,早期CAG の有益性が示された.両群間のイベント発生率の差はCAG 施行までの期間に生じており,造影後のイベントには両群で差はなかった447).ただし,本試験は小規模で,造影までの時間が長すぎる点が指摘された.TI- MACS 試験では,NSTE-ACS 患者を対象に,CAG を24時間以内(中央値14 時間)に施行する群と36 時間以降(中央値50 時間)に施行する群に割り付け院内転帰を比較

したが,登録期間が長くなり途中で中止された.主要複合エンドポイント(死亡,非致死性心筋梗塞,脳卒中)は9.6% 対11.3% で早期血行再建群の優位性は実証されなかったが,副次エンドポイント(死亡,心筋梗塞,心筋虚血の再燃)では早期血行再建群の優位性が示された(9.5% vs 12.9%,P =0.003).これは主として心筋虚血の再発率の差であり,虚血の再燃はその後の心筋梗塞の合併リスクを4 倍以上に高めた434).また,GRACE リスクスコアによって主要複合エンドポイントの発生率が大きく異なることも明らかにされた.登録例をGRACE リスクスコアで3分割した場合,最も高値の>140 の群では,早期血行再建で主要複合エンドポイントの発生率が有意に低かった(13.9% vs 21.0%,P =0.006)一方,GRACE リスクスコアが109 ~140,<109 の2 群では有意差は認められなかった434).

VERDICT 試験では,発症12 時間以内のNSTE-ACS患者を対象に,冠血行再建を12 時間以内(中央値4.7 時間)に施行する群と48 ~72 時間以内(中央値61.6 時間)に施行する群に割り付け,長期転帰(4.3 年間の経過観察)を比較した448).主要複合エンドポイント(全死亡,非致死性心筋梗塞,難治性心筋虚血や心不全による入院)発生率に両群で差はみられなかったが,GRACE リスクスコア>140 の例に限った場合,12 時間以内の治療群で予後の

表36 NSTE-ACS における治療戦略選択とその時期

(Antman EM, et al. 2000 76)をもとに作表)

リスク治療戦略

高即時侵襲的治療戦略(2 時間以内)薬物治療抵抗性の胸痛持続または再発心不全合併血行動態不安定致死性不整脈または心停止機械的合併症(急性僧帽弁逆流など)一過性のST 上昇,反復性の動的ST-T 変化

早期侵襲的治療戦略(24 時間以内)心筋梗塞に合致する心筋トロポニン値の上昇および下降新たな心電図変化(動的ST-T 変化) GRACE リスクスコア>140

中後期侵襲的治療戦略(72 時間以内)糖尿病腎機能障害(糸球体濾過量<60 mL/ 分/1.73 m2)低心機能(LVEF <40%)早期の梗塞後狭心症冠血行再建の既往(PCI,CABG) GRACE リスクスコア109~140低初期保存的治療戦略上記の危険因子を有さず,保存的治療が妥当と考えられる場合GRACE リスクスコア<109