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けを行い,入院時および6 ヵ月後までに予測される死亡率または心筋梗塞発症率が算出されるしくみとなっており, STEMI,NSTE-ACS 別に,リスク層別化(低リスク,中等度リスク,高リスク)とその院内死亡率の予測,および生存退院後6 ヵ月の予後予測が可能である77, 183).ただし, GRACE 研究には本邦をはじめアジアの施設は参加していない.大阪急性冠症候群研究会のデータでは,生存退院時のGRACE スコア100 点未満,101 ~120 点,121 ~140点,141 点以上の患者の長期(中央値3.9 年)死亡率は,それぞれ2.0%,6.3%,11.8%,16.8% であった200). TIMI リスクスコアは最初に提唱され,最も検証されてきたリスクスコアである.リスクスコアの各項目は,いずれも病歴と救急外来での検査により容易に判定できることから,救急外来において使いやすい.しかし,GRACEリスクスコアとくらべその予測精度が劣るとする報告もある201).GRACE リスクスコアの算出はやや複雑であるが183, 184), 臨床的有用性に関する検証も多い.両リスクスコアともにインターネット上で算出することができ,救急診療でも利用しやすくなっている. STEMI では,TIMI リスクスコア,GRACE リスクスコア以外に,simple risk index,CADILLAC リスクスコアも予後予測に有用な指標とされている.simple risk index(心拍数×[年齢/10]2/ 収縮期血圧)は簡便な指標であり,数値が大きいほど早期死亡は高率である202).CADILAC リスクスコアはPCI 施行患者を対象に,従来から提唱されてきた臨床因子にCAG 所見と左室機能を加味して予後を予測する指標である.年齢,Killip 分類,貧血,腎不全,3枝病変,左室駆出率(LVEF),PCI 後のTIMI 血流分類の 表11 NSTE-ACS の予後判定のためのTIMI リスク スコア (Antman EM, et al. 2000 76)をもとに作表) 年齢≧65 歳No:0 Yes:+1 3 つ以上の冠危険因子(家族歴,高血圧,高コレステロール血症,糖尿病,現喫煙) No:0 Yes:+1既知の冠動脈疾患(狭窄度≧50%) No:0 Yes:+1 7 日以内のアスピリンの使用No:0 Yes:+1 24 時間以内に2 回以上の狭心症状の存在No:0 Yes:+1心電図における0.5 mm 以上のST 偏位の存在No:0 Yes:+1心筋バイオマーカーの上昇No:0 Yes:+1表12 GRACE ACS リスクスコア (Granger CB, et al. 2003 179), Eagle KA, et al. 2004 183)をもとに作表) スコア 年齢(歳) <40 0 40~49 18 50~59 36 60~69 55 70~79 73 ≧80 91 心拍数(回/ 分) <70 0 70~89 7 90~109 13 110~149 23 150~199 36 ≧200 46 収縮期血圧(mmHg) <80 63 80~99 58 100~119 47 120~139 37 140~159 26 160~199 11 ≧200 0 初期血清クレアチニン(mg/dL) 0~0.39 2 0.4~0.79 5 0.8~1.19 8 1.2~1.59 11 1.6~1.99 14 2~3.99 23 ≧4 31 Killip 分類クラスI 0 クラス II 21クラス III 43クラス IV 64 心停止による入院43心筋バイオマーカーの上昇15 ST 部分の偏位30