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枠組みにおいて行われる.その中心には生活習慣の改善をはじめとした生活機能全般に対する視点が必要であるため,地域の枠組みで多職種が関与したケアシステムが望ましいと考えられる.したがって重要なことは,専門病院の循環器医または診療チームと,地域のプライマリケアシステムとの間の,緊密な双方向性(循環型)の連携である.そのためのケアシステムの構築が望ましく,現状では地域連携パスという形で実施している施設・地域が多くなって

いる.退院前から退院後にわたり,医学的評価,患者教育,生活指導を多職種のチームで包括的かつ計画的に実施し,再入院抑制を含む予後改善を中期~長期にわたって目指す疾病管理プログラムの考え方を,地域の枠で用いていくことも有用である.

第9章 診断・治療の質の測定と評価

医療の質が社会的な関心の対象になったのは,比較的最近のことである.1980 年代以降,世界的に手術件数や施設間での治療成績が異なることが報告され,1990 年代後半には,本邦でも患者取り違えなどの医療事故が続き,医療の質の評価が社会的関心を集めるに至った.冠動脈疾患像の複雑化,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)などの技術の高度化・高コスト化を背景に,医療の質を保つことは本邦においても重要な政策課題となっている.近年は各分野で,エビデンスに基づく標準的な診療の順守状況を指標化し,医療の質の指標(QI)として客観評価する試みが行われるようになっている.急性冠症候群(ACS)の領域においても実用的なQI が提案されており(表93),本邦でもその順守状況をモニターする方法が模索されている1093, 1094).具体的には,ガイドラインで推奨されている薬物療法が行われているか(表93 1),広くコンセンサスを得たQI 項目を満たしているか(表93 2),地域のネットワークや全国ベースのレジストレーション(症例・手技登録)システムに参加しているか(表93 3)などを評価することが規定されている. 1) PCI レジストリーによる取り組み(NCD)

2010 年に,日本外科学会系の10 学会は一般社団法人National Clinical Database(NCD)を立ち上げ,2011 年1 月から,実施手術すべての登録を開始した.PCI に関しても2013 年よりNCD 内での登録が開始されている(日本心血管インターベンション学会[CVIT]J-PCI レジストリー)

1095).NCD では,登録データの分析結果をもとに,会員施設の医療水準向上に向けたさまざまなフィードバックを行っている.そのうちの1 つが施設診療科の患者背景

とパフォーマンスの全国比較であり,各施設診療科は自施

表93 欧米で提唱されているACS 領域のQI 項目の

具体例の一部

1 ガイドラインで推奨されている薬物療法の実施

• 到着時のアスピリン投与• 左室機能低下患者に対するACE 阻害薬やARB の処方• 退院時のアスピリンやP2Y12 阻害薬処方• 退院時のβ遮断薬処方• 退院時のストロング・スタチン処方• 非ステロイド性抗炎症薬を不適切に使用しない2 広くコンセンサスを得たQI 項目の充足

• Primary PCI までの時間(door-to-device time): STEMI 患者• リスクスコア(TIMI,GRACE など)を用いたリスク評価:NSTE-ACS 患者• 入院中の左室機能(左室駆出率)評価• 心臓リハビリテーションの依頼3 地域のネットワークや全国ベースのレジストレー

ションシステムへの参加• 以下の条件を満たす医療機関のネットワークへの参加

・緊急トリアージのための電話番号の提示・病着前の心電図診断,PCI 施設への搬送判断が可能・病着前のカテーテル室の準備開始が可能・レジストリーやQI 評価のためのプログラムへの参加• 系統的な患者満足度の集計の施行