GL検索 v0.1.0
ICU入退室指針2023 日本集中治療医学会・2023・38 ページ · 集中治療・救急・蘇生
p.1
2023 年11 月24 日

ICU 入退室指針

日本集中治療医学会 ICU 入退室指針作成タスクフォース

武居哲洋 横浜市立みなと赤十字病院 救命救急センター浅賀健彦 香川大学医学部附属病院 集中治療部大邉寛幸 東北大学病院 高度救命救急センター河合佑亮 藤田医科大学病院 看護部志賀卓弥 東北大学大学院 医学系研究科 外科病態学講座 麻酔科学・周術期

医学分野

土井松幸 浜松医療センター ICU・集中治療科原 嘉孝 藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座土井研人 東京大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学志馬伸朗 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学西田 修 藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座
p.2
I.指針サマリー

【はじめに】

1 ICU 入退室においては、提供する治療・ケア、患者因子、施設の有する医療

資源、地域の集中治療関連の医療資源、手術等の情報をもとに、可及的に正確な病態把握と予後予測を行い、集中治療を受ける意義の大きい患者を選別すべきである。

2 たとえ重症度が高くてもこれ以上の治療効果は望めないと予測される患者

のICU 入室は控えることが望ましい。

3 脳死下臓器移植のドナーとなる可能性のある患者については、移植について

の方針が定まるまではICU で管理することが望ましい。

4 集中治療の利益と不利益について、患者やその家族に患者背景にも配慮した

十分なわかりやすい説明を行う必要がある。

5 ICU に入室し治療を受けることの意味を理解した上で、ときに苦痛を伴うこ

のような集学的治療を希望しない場合は、入室の対象とすべきではない。

6 最終的なICU 入退室の判断は、各診療科や患者との利害関係のない集中治

療に精通した集中治療科医が行うべきである。

【提供する治療・ケアの因子】

1 IABP、ECMO、補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)、VAD などの重症

心不全に対する循環サポートを必要とする患者は、原則的にICU で管理すべきである。

2 ARDS(Acute Respiratory Distress Syndrome)をはじめとした重症呼吸不全に

対して人工呼吸を受ける患者は、少なくとも急性期にはICU で管理すべきである。

3 人工呼吸器や血液浄化療法といった単一臓器のみのサポートが長期間必要

な患者は、ICU から退室し中間ユニットや一般病棟での管理を考慮する。

4 昇圧薬や強心薬などの薬剤持続投与による循環サポートを必要とする患者
p.3
は、原則的にICU で管理すべきである。

5 肺動脈圧、心拍出量、頭蓋内圧等の測定や体温管理療法など、厳重なモニタ

リングを要する患者は原則的にICU で管理すべきである。

6 人工臓器サポートや心血管作動薬などの薬剤持続投与を行わない動脈圧、中

心静脈圧のモニタリング患者、脳神経所見や電解質・血糖など短期間に頻回の観察を要する患者等については、中間ユニットで管理することも考慮する。

【患者因子】

1 ICU への入室は、患者価値観と患者因子(重症度スコア、年齢、併存疾患、

ADL など)の両面から総合的に判断し、生存の可能性だけでなく長期予後やICU 退室後の生活の質(QOL: Quality of Life)をも含めて判断する必要がある。

2 ICU 入室の判断は公正であるべきで、人種、⺠族、性別、社会的地位、財力

に基づくものであってはならない。

3 集中治療を受ける利益と潜在的な有害性については、患者の社会状況、希望、

信念、価値観に照らして解釈する必要がある。

4 重症度スコア単独で個々の患者の予後を予測することには限界があり、ICU

入室判断の一つの要素として利用することが望ましい。

5 年齢のみでICU 入室を制限せず、患者の併存疾患、対象となる病態の重症

度、入室前のADL、および生命維持に関する患者意志等に基づいて総合的に判断することが望ましい。

6 重要臓器の併存疾患を有する患者は、生理学的な脆弱性があり厳重なモニタ

リングを要することが多いため、ICU で管理することを考慮する。7. 特定の併存疾患を理由にICU 入室を制限すべきではない。

【施設の有する医療資源】

1 自施設に中間ユニットを有する場合にはICU 入退室の基準も変化しうるた

め、中間ユニットの入退室基準も作成する必要がある。
p.4
2 自施設で提供できない高度なモニタリング・治療を要する患者は、診療機能

の整備されたICU に医療圏毎に集約化することが望ましい。

3 ICU を有する近隣医療機関同士は、平時よりICU で提供可能な高度な治療

について情報を共有しておくことが望ましい。

4 複数の生命維持治療を必要とする重篤な患者は、特定集中治療室管理料1 な

いし2 を算定する施設などマンパワーの充実するICU に医療圏毎に集約化することが望ましい。

【地域の集中治療関連の医療資源】

1 施設毎にICU 入退室指針を作成する際には、施設の存在する地域の集中治

療関連の医療提供体制を念頭において作成する必要がある。

【手術患者】

1 予定手術患者においては、提供する治療・ケア、患者因子、施設の有する医

療資源、地域の集中治療関連の医療資源といった要素に加え、手術の侵襲度や術後観察項目などの要素を総合的に評価し、中間ユニットの活用も考慮した上でICU 入室の対象患者を施設毎に定義する必要がある。

2 緊急手術については同一術式でも死亡リスクが高くなることに留意しICU

入室を判断すべきである。

【ICU 退室の考え方】

1 各施設は、自施設の置かれた状況を把握した上で、ICU 入室基準と同様に退

室基準を作成する必要がある。

2 施設内に中間ユニットが存在する場合は、ステップダウンとして中間ユニッ

トを経由するか直接一般病棟に退室するかを、退室先の入室基準、ケアレベル等を鑑みて判断すべきである。

3 退室の判断は客観的に行われる必要があり、集中治療科医を中心とした多職
p.5
種の意見を反映した判断が望ましい。4. 日勤帯以外におけるICU 退室は、可能な限り避けるべきである。

5 治療を継続しても予後の改善や救命が期待できない状態に移行した患者は、

集中治療の中止、ICU 退室と緩和的ケアの強化を含めて生命の尊厳について検討することが望ましい。

【災害・パンデミック時のICU 入退室の考え方】

1 各施設において、自施設の有するICU 病床数、重症患者に対応可能な医療従

事者、医療機器などの集中治療に関わる医療資源を把握し、災害・パンデミック時の体制と手順を整えておくべきである。

2 ICU 入室後のトリアージが必要な状況が生じる前に、施設としての重症患者

のトリアージ方針を明確にし、個人ではなく医療チームとして施設方針に沿って判断を行うことが望ましい。

3 災害・パンデミック時には、限られた医療資源を最大限に有効活用するため

に、地域において医療従事者、医療機器などを集約して効率化を図る概念を共有することが望ましい。
p.6
II.緒言

1.ICU の存在意義とその利用概念

ICU とは、「生命の危機に瀕した重症患者を、24 時間を通じた濃密な観察のもとに、先進医療技術を駆使して集中的に治療する診療空間」とされる[1]。すなわち、ICU 入室の目的は、生命の危機に瀕した患者に濃厚な治療・ケアを提供することにより、生命の危機を回避し、できる限り元の生活に戻すことと言える。このため、ICU には高度な医療機器と十分に訓練された多職種の医療従事者が配置され、十分な広さの病床を有することが求められている。

このように、ICU は診療密度の高い医療を提供するきわめて限られた医療資源であり、社会のインフラと言っても過言ではない。したがって、この利用は公正でなければならず、本来ICU に入退室する患者の選別は一貫性を持って厳格に行われるべきである。しかし、ICU 入退室を判断する要素はきわめて多岐に亘り、複数の情報を統合して判断しなくてはならない。さらには、現時点でICU 入退室に関する質の高いエビデンスは不足しているため、その判断には限界が伴う。

2.我が国の集中治療室(ICU)の現状

厚生労働省の2020 年度病床機能報告[2]をもとに、日本集中治療医学会が集計した重症患者治療用病床数を表1 に示す。我が国には、施設基準にて患者対看護師比が常時2 対1 以上を必要とする厚生労働省の定める保険診療上の特定集中治療室管理料、または救命救急入院料2 もしくは4 の算定を認められたいわゆるICU 病床が6911 床(小児特定集中治療室管理料を含めると7015 床)存在する。さらには、保険診療上の厚生労働省が定めるハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、救命救急入院料1 もしくは3 の算定を認められたICU に準ずる中間ユニット病床が13,003 床存在する。

2021 年度の日本集中治療医学会による集中治療専門医研修施設の調査[3]では、施設認定された366 施設におけるICU 病床の合計は4,240 床であり、我が国のICU 病床の60.4%であった。ICU 病床を使用した延べ患者数の中央値は67[50.5-
p.7
86.6]人/床/年、入室日と退室日をともに1 日として算出した在室日数の中央値は

4.3 日、稼働延べ日数の中央値は288[239-333]日/床/年であった。ICU 在室中に人

工呼吸器を装着した患者の割合の中央値は37.6 [25.2-52.4] %であり、血液浄化療法を実施した患者の割合の中央値は8.0 [4.8-11.8]%であった。特定集中治療室管理料1 または2 を算定するICU2 病床あたりの看護師配置数の中央値は、平日の日勤で2.0 名、土日祝日の日勤で1.5 名、夜勤では平日、休日のいずれも1.0 名であった。これはあくまでICU2 病床あたりの看護師数であり、ICU 患者2 名に対する看護師数はより多いことになる。

これまで我が国のICU 病床の配置(対象病院、病床数)は、必ずしも計画的に行われたわけではなく、結果として人口あたりのICU 病床数の都道府県格差は大きくなっている[4]。また、施設の有する集中治療に精通した医師や看護師数、ICU を支えるメディカルスタッフ数などの医療資源の配置状況も多様である。

3.診療報酬上のICU 対象患者

診療報酬上のA301 特定集中治療室管理料に係る集中治療室の対象患者は、患者の病態、および行なったモニタリング・処置等の2 つの観点から規定されている。患者の病態については、特定集中治療室管理料がはじめて診療報酬として算定可能となった1978 年から約半世紀にわたり、ほとんど変更されていない[5]。2022 年度診療報酬改定における、特定集中治療室管理料の算定対象となる患者の病態を表2 に示す[6]。なお、表2 で示した特定集中治療管理料の算定対象患者の病態は、A300 救命救急入院料およびA300-2 ハイケアユニット入院医療管理料も同様である。行なったモニタリング・処置等については、「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」を用いて評価される(表3)[7]。A 項目(モニタリング及び処置等)とB 項目(患者の状況等)があり、2022 年の診療報酬改定以降、集中治療室に入室した患者のうち表3 のA 得点3 点以上を満たす患者が一定の割合(特定集中治療管理料1 および2 の算定には、重症度、医療・看護必
p.8
要度Iで評価した場合8 割、重症度、医療・看護必要度IIで評価した場合7 割)以上でないと、当該の治療室において特定集中治療管理料を算定することはできない。なお、2022 年度診療報酬改定ではB 項目は引き続き評価を行うものの算定要件からは除外された。

4.ICU の国際比較

ICU で提供される医療のstructure・process・outcome は、先進国間で大きく異なっていることが報告されている[8]。ICU の国際比較は、日本のICU の客観的な評価を可能とし、質の改善に繋がるため継続的に実施される必要がある。国際比較を可能とするためには、政府統計資料の活用やNational ICU レジストリの構築が必要であり、日本集中治療医学会の運営するICU 患者データベースであるJIPAD (Japanese Intensive care PAtient Database)事業の発展が望まれる[9]。

日本の人口10 万人当たりのICU 病床数は5.6 床であり[2]、ドイツ33.9 床、アメリカ25.8 床、フランス16.3 床、イギリス10.5 床、オーストラリア9.4 床、イタリア8.6 床など[10]、他の先進国と比較すると相対的に少ない。ICU やHCU の看護師配置モデルも国によって異なる。日本では、患者対看護師比はICU で2対1 以上、中間ユニットで3-5 対1 以上が診療報酬上の設置基準となっている。一方で、アメリカにおける患者対看護師比は、侵襲的人工呼吸を要するICU 患者で1 対1 以上、それ以外のICU 患者で2 対1 以上、中間ユニット患者で3 対1 以上が推奨されている[11]。イギリスにおける患者対看護師比は、ICU で1 対1 以上、中間ユニットで2 対1 以上と公的保険医療制度で定義されており[12]、両国とも我が国の看護師配置よりも手厚い。

日本のJIPAD[9]の2020 年度の患者背景と転帰を、National ICU レジストリであるイギリスのICNARC (Intensive Care National Audit & Research Centre) [13]、オーストラリア・ニュージーランドのANZICS CORE (Australian and New Zealand Intensive Care Society Centre for Outcome and Resource Evaluation) [14]と比較した(表4)。JIPAD の患者は、ICNARC やANZICS CORE の患者と比較して中央値で約5 歳高齢であった。JIPAD では予定手術後のICU 入室が56.0%をしめるのに対し、ICNARC とANZICS CORE ではそれぞれ21.9%、36.6%であった。逆に、
p.9
JIPAD では非手術ICU 入室が31.4%に過ぎないのに対し、ICNARC とANZICS CORE ではそれぞれ59.1%、47.5%であった。ICU での人工呼吸器装着の割合はJIPAD で39.7%に対し、ICNARC とANZICS CORE ではそれぞれ39.5%、33.6%と大差なかった。大幅に異なるケースミックスのため、APACHE II やICU 死亡率・院内死亡率を単純に比較することは困難である。ケースミックスを調整した転帰の比較など、National ICU レジストリを活用した今後の国際共同研究が期待される。

5.諸外国のICU 入退室指針

これまで示してきたように、国によりICU の事情は異なるため、これを反映して入退室指針の内容も異なる。ここでは、参考までにアメリカ、およびイギリスのICU入退室指針について解説する。

1)アメリカのICU 入退室指針

アメリカ集中治療医学会は、ICU 入退室指針である「ICU 入室、退室、トリアージのガイドライン」[11]を、2016 年に改訂している。このガイドラインによれば、施設ごとにICU の規模や治療能力などの限界を考慮し、入退室基準を作成することを提案している。転帰を改善しつつ医療資源配分を最適化するために、1ICU でのみ施行可能な生命維持療法などの治療、2利用可能な臨床的専門知識、3患者状態に応じた優先順位、4診断、5ベッドの空き状況、6入室判断時のバイタルサイン、7介入により患者が利益を得られる可能性、8予後の各要素を組み合わせて、自施設のICU 入室指針を作成するとしている。

前述のようにアメリカのICU の患者対看護師比は1 対1 ないし2 対1 以上であり、中間ユニットは3 対1 以上と規定される。ICU 入室患者は臓器不全に対する生命維持治療が行われていることを原則とし、人工呼吸、ECMO (Extracorporeal Membrane Oxygenation)、IABP (Intraaortic Balloon Pumping)、LVAD (Left Ventricular Assist Device)などの循環補助、持続的腎代替療法、頭蓋内圧上昇による脳脊髄液ドレナージ、昇圧薬投与を要する患者はICU の適応としている。一方、非侵襲的人工呼吸や、薬剤持続投与のうち血管拡張薬や抗不整脈薬は、中間ユニットの適応としている。施設に該当ユニットが存在しない場合には、上位
p.10
のユニットに入室させる。集中治療は希望するがDNAR(Do not attempt resuscitation)指示を有する患者や、著しく回復の見込みの低い患者は、入室の優先度が下がるとしている。

患者の状態が安定し、ICU での観察や治療の必要性がなくなった場合、ICU よりレベルの低いユニットへ退室させることが適切である。各施設におけるICUの入室基準、次に低いレベルの病棟の入室基準、これらの医療資源の利用可能性、患者の予後、生理学的安定性、継続的な治療介入に基づき、ICU 退室基準を作成することを提案している。重症度スコアは、状態の悪化する可能性のある患者を同定することは可能であるが、重症度スコアのみに基づいてより低いレベルの病棟へ移動させることは控えるとしている。ICU 退室時間は、夜間を避けることを推奨している。死亡や再入室のリスクが高い(高い疾患重症度、複数の併存疾患、生理学的不安定性、臓器補助継続中など)患者を、一般病棟ではなく中間ユニットやLong-term acute care hospital に退室・転院させることを推奨している。

2)イギリスにおけるICU 入室基準

イギリス集中治療医学会は、2021 年にICU 入室基準を改訂している[15]。前述のようにイギリスのICU の患者対看護師比は1 対1 以上であり、中間ユニットは2 対1 以上と規定される。

ICU では、高度なサポートを要する人工呼吸患者、あるいは基本的な呼吸サポートを要し少なくとも複数の臓器不全がある患者を収容することを想定している。具体的な患者像としては、ショックや呼吸不全を伴う敗血症、急性冠症候群や心不全など循環器緊急疾患、心停止後症候群、急性呼吸不全や慢性呼吸不全の急性増悪、急性腎障害、内分泌緊急疾患、急性肝不全、神経緊急疾患、大量出血などの病態の組み合わせを挙げている。

中間ユニットでは、厳重な観察や単臓器不全に対する治療介入を要する患者、リスクの高い術後患者、ICU からステップダウンする患者を収容することを想定している。具体的な患者像としては、非侵襲的人工呼吸や高流量経鼻酸素療法、動脈圧や中心静脈圧モニタリング、頻回な血液ガス分析、1 種類の低用量血管作動薬の使用を要する患者などを挙げている。

本ステートメントにおいて、具体的なICU 退出基準についての言及はない。
p.11
参考文献1. 集中治療とは.日本集中治療医学会広報委員会.

https://www.jsicm.org/provider/icm.html 2. 厚生労働省. 令和2年度病床機能報告の結果.

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/open_data_00007.html 3. 2021 年度集中治療専門医研修施設調査報告.

https://www.jsicm.org/publication/pdf/2021_20230222_JSICM_sksch.pdf

4 日本集中治療医学会 各都道府県別 ICU およびICU に準ずる治療室のベッ

ド数https://www.jsicm.org/news/upload/icu_hcu_beds2022.pdf 5. 天羽敬祐. 集中治療部(ICU)の源流. 日集中医誌. 2015;22:491-493. 6. 医科診療報酬点数表に関する事項.

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984041.pdf 7. 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取り扱いについて.

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984045.pdf 8. Shime N. Clinical and investigative critical care medicine in Japan. Intensive Care

Med. 2016;42:453-455.

9 JIPAD. JIPAD(日本ICU 患者データベース、Japanese Intensive care PAtient

Database). https://www.jipad.org/ 10. OECD. Intensive care beds capacity.

https://www.oecd.org/coronavirus/en/data-insights/intensive-care-beds-capacity 11. Nates JL, Nunnally M, Kleinpell R, et al. ICU admission, discharge, and triage

guidelines: A framework to enhance clinical operations, development of institutional policies, and further research. Crit Care Med. 2016;44:1553-1602. 12. The intensive care society. Levels of adult critical care.

https://www.ics.ac.uk/Society/Patients_and_Relatives/Levels_of_Care 13. ICNARC (Intensive Care National Audit & Research Centre). Key statistics from

the case mix programme: adult, general critical care units.
p.12
14 ANZICS (Australian and New Zealand Intensive Care Society). Centre for

Outcome and Resource Evaluation 2020 Report. https://www.anzics.com.au/wp-content/uploads/2021/09/2020-ANZICS-CORE- Report.pdf 15. Stretch, B.; Shepherd, S.J. Criteria for intensive care unit admission and severity of illness. Surgery, 2021; 39: 22-28.
p.13
III.本指針の目的

タスクフォースでは本指針の作成にあたり、人口あたりのICU 病床数の地域格差が大きく、施設の有する集中治療に関連した医療資源が異なる中で、ICU 入退室の絶対的基準を設けることは現時点では困難と考えた。

本指針の最大の目的は、ICU の対象となる患者を選別する考え方を明確にすることである。ICU 入室及び退室の考え方に加え、災害・パンデミック時などの医療逼迫時のICU 入室の考え方についても言及した。本指針の考え方、および各施設のおかれた現状を合わせ、施設毎にICU 入退室基準を作成いただきたい。
p.14
IV.指針の表現

本指針は,重症患者治療用病床の中でも成人を中心としたICU を想定して作成された。したがって,以降本指針内で対象とするICU は、とくにことわらない場合は、患者対看護師比が常時2 対1 以上を必要とする特定集中治療室管理料、および救命救急入院料2 もしくは4 の算定を認められた治療室とする。なお、ハイケアユニット入院医療管理料、救命救急入院料1 もしくは3、脳卒中ケアユニット入院医療管理料などの算定を認められた主に成人のICU に準ずる治療室は中間ユニットと定義し、本指針の直接の対象とはしない。本指針における述語の表現として、3 段階の表現を用いた。ICU 入退室にあたり必須と考えられる場合には「A:べきである、必要がある」と断定的表現を用いた。必須ではないが望まれる場合には「B:望ましい」と表現した。努力目標と考えられる場合には「C:考慮する」と表現した。
p.15
V.指針

A:ICU 入退室の考え方

1.はじめに

本指針では、ICU 入退室を判断する要素として、提供する治療・ケア、患者因子、施設の有する医療資源、地域の集中治療関連の医療資源、手術について言及した。これらの情報をもとに、可及的に正確な病態把握と予後予測を行い、集中治療を受ける意義の大きい患者を選別すべきである。一方で、たとえ重症度が高くてもこれ以上の治療効果は望めないと予測される患者のICU 入室は控えることが望ましい。ただし、脳死下臓器移植のドナーとなる可能性のある患者については、移植についての方針が定まるまではICU で管理することが望ましい。また、集中治療の利益と不利益について、患者やその家族に患者背景にも配慮した十分なわかりやすい説明を行う必要がある。ICU に入室し治療を受けることの意味を理解した上で、ときに苦痛を伴うこのような集学的治療を希望しない場合は、入室の対象とすべきではない。ICU 入退室に関わるこれらの要素を考慮した最終的な入退室の判断は、各診療科や患者との利害関係のない集中治療に精通した集中治療科医が行うべきである。

2.提供する治療・ケアの因子

ICU で提供する主な治療・ケアは、人工呼吸器やECMO などの生命維持装置による臓器サポート、昇圧薬などの薬剤持続投与によるサポート、およびバイタルサインなどの厳重なモニタリングに大きく分類される。これらについて、ICUでなければ実施困難な治療・ケア、中間ユニットでも実施可能な治療・ケアについて以下に言及した。複数の臓器サポートやモニタリングが必要な場合には、ICU で管理する推奨度が上がる。

1) 人工臓器によるサポート

IABP、ECMO、補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)、VAD などの重症
p.16
心不全に対する循環サポートを必要とする患者は、ICU で管理した方が中間ユニットにおける管理よりもアウトカムが良いことが示唆されているため [1, 2]、原則的にICU で管理すべきである。また、ARDS(Acute Respiratory Distress Syndrome)をはじめとした重症呼吸不全に対する人工呼吸については、ICU における集学的な治療効果が認められるため[3, 4]、少なくとも急性期にはICU で管理すべきである。これらの生命維持装置を安全かつ適切に維持・管理するには、専門的な技術や知識を有する医師、看護師、臨床工学技士など多職種チームの関与が必要である。さらには、日常的な看護ケアに加えて多数の観察項目や頻回の検査など業務量が膨大となるため、十分な看護配置を有するICU での管理が適切である。病態の改善が得られ、ICU 管理を継続しても病態が不変であることが想定される患者で、人工呼吸器や血液浄化療法といった単一臓器のみのサポートが長期間必要な場合は、ICU から退室し中間ユニットや一般病棟での管理を考慮する。

2) 薬剤持続投与

昇圧薬や強心薬などの薬剤持続投与による循環サポートを必要とする患者は、ICU で管理した方が中間ユニットにおける管理よりもアウトカムが良いことが示唆されているため[1, 2, 5]、原則的にICU で管理すべきである。これらの患者では、時々刻々と変化する患者の病態に合わせて薬剤投与量を頻回に調節する必要があり、薬剤の効果をモニタリングするために血行動態の厳重な観察が必要となる。

3) バイタルサインなどのモニタリング

重篤な心疾患や頭蓋内疾患を有する患者、呼吸循環器系などに重篤な併存疾患のある術後患者などで、肺動脈圧、心拍出量、頭蓋内圧等の測定や体温管理療法など、厳重なモニタリングを要する患者は原則的にICU で管理すべきである。一方、人工臓器サポートや心血管作動薬などの薬剤持続投与を行わない動脈圧、中心静脈圧のモニタリング患者、脳神経所見や電解質・血糖など短期間に頻回の観察を要する患者等については、ICU で観察するメリットが明確に示されておらず[1, 2]、中間ユニットで管理することも考慮する。
p.17
参考文献1. Ohbe H, Matsui H, Yasunaga H. Intensive care unit versus high-dependency care unit

for patients with acute heart failure: a nationwide propensity score-matched cohort study. J Intensive Care. 2021;9:78. 2. Ohbe H, Matsui H, Yasunaga H. ICU versus high-dependency care unit for patients

with acute myocardial infarction: A nationwide propensity score-matched cohort study. Crit Care Med. 2022;50:977–985. 3. Iwashita Y, Yamashita K, Ikai H, et al. Epidemiology of mechanically ventilated

patients treated in ICU and non-ICU settings in Japan: a retrospective database study. Crit Care. 2018;22:329. 4. Ohbe H, Sasabuchi Y, Yamana H, et al. Intensive care unit versus high-dependency

care unit for mechanically ventilated patients with pneumonia: a nationwide comparative effectiveness study. Lancet Reg Health West Pac. 2021;13:100185. 5. Endo K, Mizuno K, Seki T, et al. Intensive care unit versus high-dependency care

unit admission on mortality in patients with septic shock: A retrospective cohort study using Japanese claims data. J Intensive Care. 2022;10:35.
p.18
3.患者因子

ICU への入室は、患者価値観と患者因子(重症度スコア、年齢、併存疾患、ADLなど)の両面から総合的に判断する。生存の可能性だけでなく、長期予後やICU退室後の生活の質(QOL: Quality of Life)をも含めて判断する必要がある。ICU入室の判断は公正であるべきで、人種、⺠族、性別、社会的地位、財力に基づくものであってはならない。

1)患者価値観

集中治療を受ける利益と潜在的な有害性については、患者の社会状況、希望、信念、価値観に照らして解釈する必要がある。特に重症患者の場合、患者の希望や価値観を表出できないことも多いため、意思決定支援は臨床的にも倫理的にも非常に困難な課題である。ICU 入室に関する意思決定支援において患者本人の希望を反映させるのが困難である場合、家族などから患者の価値観や推定意思を収集し、最大限に尊重することは医療従事者の責務である。これらも不明な場合には、医療チームの意思決定支援のもとに家族と方針を決定する。家族などの身寄りがない場合には、医療チームがICU 入室について総合的に判断する。

2)重症度スコア

客観的な重症度スコア(SOFA スコアやAPACHE スコアなど)もICU 入室の判断の参考となる。敗血症患者の入院時点でのSOFA スコアが6 点以上の患者ではICU もしくは中間ユニットでの管理が一般病床での管理よりも予後が良く、SOFA スコアが12 点以上の患者ではICU での管理が中間ユニットの管理よりも予後が良かったという日本における観察研究がある[1]。一方、重症度スコアにおける予測死亡率が80%を超えても実際に死亡した患者はそのうちの30%に満たなかったという報告も複数ある[2, 3]。医師や看護師のICU 患者の生存の見込みについての判断は、重症度スコアよりも正確であることを示唆する報告もある[4, 5]。また、重症度スコアはICU 退室後の長期予後やQOL を考慮に入れていないことも課題である[6]。このように、重症度スコア単独で個々の患者の予後を予測することには限界があるため、ICU 入室判断の一つの要素として利用することが望ましい。
p.19
3)年齢

過去の研究で、高齢者は若年者と比較してICU に入室する可能性が低い一方、ICU を利用した場合の生存率を高める効果が大きいことが明らかとなっている[7]。年齢のみでICU 入室を制限せず、患者の併存疾患、対象となる病態の重症度、入室前のADL、および生命維持に関する患者意志等に基づいて総合的に判断することが望ましい。

4)併存疾患

重篤な心機能や呼吸機能の低下などの重要臓器の併存疾患を有する患者は、生理学的な脆弱性があり厳重なモニタリングを要することが多いため、ICU で管理することを考慮する。一方、特定の併存疾患を理由にICU 入室を制限すべきではない。過去の研究で、癌やCOPD の患者は予後不良と誤って認識され、適切な集中治療を受ける機会が減少していたことが明らかとなっている[8, 9]。進行性の癌患者におけるICU 入室の判断は患者の長期予後を慎重に考慮して決定し、定期的にICU 入室の再評価が必要である。

参考文献1. Ohbe H, Sasabuchi Y, Doi K, et al. Association between levels of intensive care and

in-hospital mortality in patients hospitalized for sepsis stratified by sequential organ failure assessment scores. Crit Care Med. 2023;51:1138-1147.

2 Christian MD, Joynt GM, Hick JL, et al; European Society of Intensive Care

Medicine’s Task Force for intensive care unit triage during an influenza epidemic or mass disaster: Chapter 7. Critical care triage. Recommendations and standard operating procedures for intensive care unit and hospital preparations for an influenza epidemic or mass disaster. Intensive Care Med 2010; 36(Suppl 1):S55–S64 3. Shahpori R, Stelfox HT, Doig CJ, et al: Sequential Organ Failure Assessment in

H1N1 pandemic planning. Crit Care Med 2011; 39:827-832 4. Sinuff T, Adhikari NK, Cook DJ, Schünemann HJ, Griffith LE, Rocker G, Walter SD.

Mortality predictions in the intensive care unit: comparing physicians with scoring systems. Crit Care Med. 2006;34:878-85.
p.20
5 Detsky ME, Harhay MO, Bayard DF, Delman AM, Buehler AE, Kent SA, Ciuffetelli

IV, Cooney E, Gabler NB, Ratcliffe SJ, Mikkelsen ME, Halpern SD. Discriminative Accuracy of Physician and Nurse Predictions for Survival and Functional Outcomes 6 Months After an ICU Admission. JAMA. 2017;317:2187-2195. 6. Nates JL, Nunnally M, Kleinpell R, et al. ICU Admission, Discharge, and Triage

Guidelines: A Framework to Enhance Clinical Operations, Development of Institutional Policies, and Further Research. Crit Care Med. 2016;44:1553-1602. 7. Sprung CL, Artigas A, Kesecioglu J, et al. The Eldicus prospective, observational

study of triage decision making in European intensive care units. Part II: intensive care benefit for the elderly. Crit Care Med. 2012;40:132-138. 8. Wildman MJ, Sanderson C, Groves J, et al. Implications of prognostic pessimism in

patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD) or asthma admitted to intensive care in the UK within the COPD and asthma outcome study (CAOS): multicentre observational cohort study. BMJ. 2007;335:1132. 9. Reignier J, Dumont R, Katsahian S, et al. Patient-related factors and circumstances

surrounding decisions to forego life-sustaining treatment, including intensive care unit admission refusal. Crit Care Med. 2008;36:2076-2083.
p.21
4.施設の有する医療資源

ICU への入室は、各施設の持つ医療資源、すなわちICU 病床数、中間ユニットの有無、人員配置、高度な医療機器・治療の提供体制などの影響を受ける。

1)ICU 病床数

ICU 病床数は、ICU 入退室に影響を与える。我が国でICU を有する病院の総病床数に占めるICU 病床数は1~2%程度と言われている[1]。手術件数やその種類、救急医療体制など施設の医療提供の状況とICU 病床数との兼ね合いにより、ICU 入退室の基準は変化しうる。

2)中間ユニットの有無

同様に、施設内の中間ユニットの有無も、ICU 入退室に影響を与える。看護師配置基準の差によりICU と一般病棟のケアの質と量の差はきわめて大きく、中間ユニットを利用することで患者の安全を保ちつつICU 滞在期間を短縮できる[2, 3]。このように中間ユニットの有無や使い方によりICU 入退室の基準も変化しうるため、自施設に中間ユニットを有する場合には中間ユニットの対象患者についても入退室基準を作成する必要がある。

3)高度なモニタリング・治療

人工呼吸器は全てのICU に備えるべき生命維持装置であるが[4]、重症心不全に対する肺動脈カテーテルなどの高度なモニタリングやECMO、IABP などの治療機器、重症頭蓋内疾患に対するICP モニタリングや体温管理システムなどの治療機器の保有状況には施設間格差が存在する。自施設で提供できない高度なモニタリング・治療を要する患者は、診療機能の整備されたICU に医療圏毎に集約化することが望ましい。このため、ICU を有する近隣医療機関同士は、平時よりICU で提供可能な高度な治療について情報を共有しておくことが望ましい。

4)マンパワー

集中治療科医がICU において専従勤務していることが、患者死亡率の低下に関連しているとする国内外の研究がある[5, 6]。イギリスでは患者7.5 人に対し1人以上の集中治療科医の配置が死亡率の改善に関連していたとする研究がある
p.22
[7]。また、ICU における手厚い看護師配置は患者の死亡率低下をはじめとする多くの患者アウトカムの改善と有意に関連することが示されている[8, 9]。本邦の診療報酬上の特定集中治療室管理料は、2 階層に層別化されており、経験豊富な医師、看護師のユニット内配置と臨床工学技士の院内常駐を施設基準とする上位管理料(特定集中治療室管理料1 ないし2)を算定する患者は、同管理料の3 ないし4 を算定する患者よりも転帰が良好な可能性が示唆されている[10]。多臓器不全等により複数の生命維持治療を必要とする重篤な患者は、特定集中治療室管理料1 ないし2 を算定する施設などマンパワーの充実するICU に医療圏毎に集約化することが望ましい。今後は、遠隔ICU などのICT 技術を用いたシステム構築が集約化の補助となる可能性がある。

参考文献1. 内野滋彦.わが国の集中治療室は適正利用されているのか.日集中医誌.

2010;17:141-144. 2. Boots R, Lipman J. High dependency units: Issues to consider in their planning.

Anaesth Intensive Care. 2002;30:348-54. 3. Prin M, Wunsch H. The role of stepdown beds in hospital care. Am J Respir Crit Care

Med. 2014;190:1210-6.

4 土井松幸、浅賀健彦、板垣大雅、他.集中治療部設置のための指針.日集中

医誌.2022;29:467-84. 5. Ogura T, Nakamura Y, Takahashi K, et al . Treatment of patients with sepsis in a

closed intensive care unit is associated with improved survival: a nationwide observational study in Japan. J Intensive Care. 2018;6:57. 6. Wilcox ME, Chong CA, Niven DJ, et al . Do intensivist staffing patterns influence

hospital mortality following ICU admission ? A systematic review and meta-analyses. Crit Care Med. 2013;41:2253-74. 7. Gershengorn HB, Harrison DA, Garland A, et al. Association of Intensive Care Unit

Patient-to-Intensivist Ratios With Hospital Mortality. JAMA Intern Med. 2017;177:388-396.
p.23
8 Kane RL, Shamliyan TA, Mueller C, et al. The association of registered nurse

staffing levels and patient outcomes: Systematic review and meta-analysis. Med Care. 2007;45:1195-204. 9. Driscoll A, Grant MJ, Carroll D, et al. The effect of nurse-to-patient ratios on nurse-

sensitive patient outcomes in acute specialist units: A systematic review and metaanalysis. Eur J Cardiovasc Nurs. 2018;17:6-22. 10. Ohbe H, Sasabuchi Y, Matsui Y, et al. Resource-rich Intensive Care Units vs.

Standard Intensive Care Units on Patient Mortality: A Nationwide Inpatient Database Study. JMA J 2021;4:397-404.
p.24
5.地域の集中治療関連の医療資源

人口10万人あたりのICU病床数は、全国平均として5.6 床であるが、その地域差は大きく、約8倍の都道府県格差があるのが現状である(図1)[1]。人口10万人あたりのICU病床数がもっとも多い都道府県は岡山県(11.7床)、次いで沖縄県(9.6床)であり、もっとも少ない都道府県は新潟県(1.5床)、次いで三重県(2.5床)である。人口あたりのICU病床数の多寡によって、ICUに入室する患者の重症度や基準が影響をうけることは必然である。施設毎にICU入退室指針を作成する際には、施設の存在する地域の集中治療関連の医療提供体制を念頭において作成する必要がある。

参考文献

1 各都道府県別ICUおよびICUに準ずる治療室のベッド数.一般社団法人日本

集中治療医学会.2022年12月29日更新. https://www.jsicm.org/news/upload/icu_hcu_beds2022.pdf
p.25
6.手術患者

大手術後の合併症の発生は、長期生存に影響を及ぼす重要な因子である[1]。術後患者の集中治療管理は、生理学的状態を安定させ有害事象の発生を未然に防ぐことを主な目的としている。また、術後患者は常に出血のリスクがあり、ドレーンの排液量など観察項目が多く、マンパワーを要することもICU 入室の理由となっている。ICU 入室にあたり考慮すべき要素は、人工臓器によるサポート、薬剤持続投与、厳重なモニタリング、術前の併存疾患などの患者因子など、これまでに述べてきたものと基本的には変わらない。本邦でも広く使われている、麻酔科医による術前評価であるASA-PS(American Society of Anesthesiologists physical status)分類が、ICU 入室と関連していたとする報告がある[1]。脳死下臓器移植患者を除けば5 段階の状態に分類される(数字が大きいほど状態が悪い)が、このうち予定手術におけるPSIIIの患者はPSIの患者に比べICU 入室のオッズ比が13.97 であった。

手術患者に特徴的な考慮すべき要素として、手術部位、手術侵襲の大きさ、出血量などの手術因子が挙げられる。欧州外科連合は、大手術の要素として術中の臓器虚血(血管遮断等)、大量出血(1000ml 以上)、長時間手術(概ね4時間以上)、高容量ノルアドレナリン(10μg/min 以上)使用、周術期輸血を挙げている[2]。一方、術式の観点からは、中枢神経・中枢血管系、心臓・大血管系の手術、末梢血管の塞栓除去術は年齢にかかわらず死亡率が高く高リスクと考えられている[3]。同様の術式でも待機手術に比べ緊急手術は死亡率が高まりハイリスクとされる[4-6]。

しかし、いかなる予定手術患者を術後ICU に直接入室させるべきかに関してコンセンサスはなく、さらには術後ICU に入室させる効果についてもこれまでにエビデンスは示されていない[7]。例えば、予定非心臓手術後のICU 利用状況を調査したカナダの多施設観察研究において、術式によりICU 入室率が多様であるのみならず、同一術式においてもICU 入室率はかなりの施設間格差(子宮全摘術0.07-14.4%、下部消化管切除術1.3-95%、腹部大動脈瘤切除術1.3-95.2%)が存在することが報告された[8]。アメリカのMedicare のデータベースを用いた研究では、高リスクと定義した5 つの予定大手術(腹部大動脈瘤血管内手術、胆
p.26
嚢摘出術、膵頭十二指腸切除術、食道切除術、腹部大動脈瘤開腹手術)の各施設の術後ICU 入室率と死亡率に関連を認めなかった[9]。また、27 カ国474 施設で実施された多施設観察研究においても、予定手術後のICU 入室と術後死亡率に有意な相関を認めなかった[10]。日本のDPC データを用いた観察研究においても、予定非心臓手術患者のICU 入室による死亡率改善効果を示すことはできなかった[11]。

予定手術患者においては、これまでに述べてきたICU 入退室を判断する複数の要素に加え、手術の侵襲度や術後観察項目などの要素を総合的に評価し、中間ユニットの活用も考慮した上でICU 入室の対象患者を施設毎に定義する必要がある。緊急手術については同一術式でも死亡リスクが高くなることに留意しICU入室を判断すべきである。予定手術患者のICU 入室の適応については、我が国でも今後のエビデンスの蓄積とさらなる検討が必要である。

参考文献1. Lin YC, Chen YC, Yang CH, et al. Surgical Apgar score is strongly associated with

postoperative ICU admission. Sci Rep. 2021;11:115.

2 Martin D, Mantziari S, Demartines N et al. Defining Major Surgery: A Delphi

Consensus Among European Surgical Association (ESA) Members. World J Surg. 2020;44:2211-2219. 3. Schwarze ML, Barnato AE, Rathouz PJ, et al. Development of a list of high-risk

operations for patients 65 years and older. JAMA Surg. 2015;150:325-331. 4. Schwarze ML, Barnato AE, Rathouz PJ, et al. Development of a list of high risk

operations for Patients 65 years and older. JAMA Surg. 2015;150:325–331. 5. Mullen MG, Michaels AD, Mehaffey JH, et al. Risk associated with complications

and mortality after urgent surgery vs elective and emergency surgery: Implications for defining “quality” and reporting outcomes for urgent surgery. JAMA Surg. 2017;152:768-774.

6 Johnson KM, Newman KL, Green PK, et al. Incidence and risk factors of

postoperative mortality and morbidity after elective versus emergent abdominal
p.27
surgery in a national sample of 8193 patients with cirrhosis. Ann Surg. 2021;274:e345-e354. 7. Zampieri FG, Lone NI, Bagshaw SM. Admission to intensive care unit after major

surgery. Intensive Care Med. 2023;49:575-578. 8. Jerath A, Laupacis A, Austin PC, et al. Intensive care utilization following major

noncardiac surgical procedures in Ontario, Canada: a population-based study. Intensive Care Med. 2018;44:1427-1435.

9 Wunsch H, Gershengorn HB, Cooke CR, et al. Use of Intensive Care Services for

Medicare Beneficiaries Undergoing Major Surgical Procedures. Anesthesiology. 2016;124:899-907. 10. Kahan BC, Koulenti D, Arvaniti K, et al. Critical care admission following elective

surgery was not associated with survival benefit: prospective analysis of data from 27 countries. Intensive Care Med. 2017;43:971-979.

11 Ohbe H, Matsui H, Kumazawa R, et al. (2022). Postoperative ICU admission

following major elective surgery: A nationwide inpatient database study. Eur J Anaesthesiol. 2022;39:436–444.
p.28
7.ICU退室の考え方

ICU 退室は、患者の予後、生理学的な安定性、退室先のケアレベルを鑑み総合的に判断する。早すぎる退室は計画外再入室のリスクとなり、患者転帰を悪化させる可能性がある。一方、遅すぎる退室は医療コストの増加を招き、新規ICU 入室に干渉し公平な医療資源の分配を妨げる可能性がある。各施設は、自施設の置かれた状況を把握した上で、ICU 入室基準と同様に退室基準を作成する必要がある。施設内に中間ユニットが存在する場合は、ステップダウンとして中間ユニットを経由するか直接一般病棟に退室するかを、退室先の入室基準、ケアレベル等を鑑みて判断すべきである。退室の判断は客観的に行われる必要があり、集中治療科医を中心とした多職種の意見を反映した判断が望ましい。

1)退室の判定重症度スコアなど客観的指標は判断の参考となるが、これのみで判断するには限界がある。呼吸器系(経皮的酸素飽和度、呼吸数、気管切開の有無、気道吸引の必要性など)、循環器系(心拍数、血圧、血管作動薬の有無、体液バランスなど)、中枢神経系、腎代謝系などの臓器システムの評価、疼痛管理、ドレーン管理、投薬・栄養管理、患者の診断・予後、退室先の入室基準などを参考とする[1, 2]。

2)退室のタイミング日勤帯以外におけるICU 退室は、可能な限り避けるべきである。夜間は多くの施設でICU および退室先のいずれもマンパワーなどの医療資源が限られるため、時間外のICU 退室は、死亡率、再入室率増加の危険因子と考えられている[2]。

3)計画外再入室ICU 退室後の計画外再入室の発生頻度は5-7%程度とされている[3, 4]。再入室は、病院滞在期間の長期化、合併症発症率上昇、死亡率上昇など予後の悪化に関連している。再入室の直接的原因は呼吸器系、循環器系の問題が多い[2]。

4)治療の限界時の対応
p.29
ICU で積極的な治療を一旦開始したにもかかわらず状態が悪化し、さらなる治療継続の意義が乏しい状態に移行する患者が存在する。これ以上の治療を継続しても予後の改善や救命が期待できない状態に移行した患者は、集中治療の中止、ICU 退室と緩和的ケアの強化を含めて生命の尊厳について検討することが望ましい。

参考文献1. Maike Hiller, Maria Wittmann, Hendrik Bracht et al. Delphi study to derive expert

consensus on a set of criteria to evaluate discharge readiness for adult ICU patients to be discharged to a general ward—European perspective. BMC Health Services Research. 2022;22:773-787. 2. Nates JL, Nunnally M, Kleinpell R, Blosser S, Goldner J, Birriel B, et al. ICU

Admission, Discharge, and Triage Guidelines: A Framework to Enhance Clinical Operations, Development of Institutional Policies, and Further Research. Crit Care Med. 2016;44:1553-602. 3. Evan G. Wong, , Ann M. Parker, , Doris G. Leung, et al. Association of severity of

illness and intensive care unit readmission: A systematic review. Heart Lung, 2016;45:3-9.e2. 4. A L Rosenberg, C Watts. Patients readmitted to ICUs* : a systematic review of risk

factors and outcomes. Chest, 2000;118:492-502. 5. Sin S, Lee SM, Lee J, et al. Characteristics and Outcomes of Potentially Inappropriate Admissions to the Intensive Care Unit. Acute Crit Care. 2019;34:46-52.
p.30
B:災害・パンデミック時のICU 入退室の考え方

災害・パンデミック時には多くの重症患者が発生し、時に集中治療提供体制のキャパシティを大きく超えた需要が発生することを想定しなくてはならない。大幅な需要供給ミスマッチが生じた場合のICU 入退室の考え方の基本は、全体として最大の効果を得られるように限られた医療資源を分配する「全体最適理論」である[1]。新型コロナウイルス感染症(COVID-19; Coronavirus disease 2019)パンデミックによる医療崩壊、特に集中治療提供体制の破綻が起きた海外諸国からの報告では、人工呼吸器装着患者における救命率は極端に低かったことが示されている[2]。これは、集中治療のキャパシティーを超えて重症患者が発生した場合には、全体としての救命率を高めるために、患者の選別(トリアージ)の必要性に迫られる状態となり得ることを意味する[1, 3]。

日本集中治療医学会に設置された臨床倫理委員会は、COVID-19 の爆発的流行時における、人工呼吸器等の生命維持装置も含めた治療の差し控え・中止についての提言を行なっている[4]。具体的には、治療の差し控え・中止は個人ではなく医療チームの判断とすること、医学的妥当性、患者の(推定)意思、社会的公正性など複数因子を考慮すること、緩和ケアや適切な看護を提供すること、プロセスについて検証可能な詳細な記録を残すこと、家族や医療従事者の精神的・身体的ケアを行うことなどが提言されている。

我が国の集中治療提供体制にはいくつかの特徴があり、COVID-19 のパンデミックにおいてその特性が露呈した[5]。その一つが医療資源の分散であり、数少ない集中治療科医が少ない1 施設あたりのICU 病床数とともに分散して存在している現状がある[6]。一方で、ECMO や人工呼吸器などの医療機器は比較的十分に存在していることも明らかになった[7, 8]。おそらく災害・パンデミック時の集中治療提供体制で最も問題となるのは、集中治療に精通したマンパワーの不足であろう。日本集中治療医学会では、パンデミック時などに対応可能なマンパワーの養成など、平時より弾力的な集中治療提供体制を意識した体制づくりが重要であるとしている[3]。

各施設において、自施設の有するICU 病床数、重症患者に対応可能な医療従事者、医療機器などの集中治療に関わる医療資源を把握し、災害・パンデミック
p.31
時の体制と手順を整えておくべきである。ICU 入室後のトリアージが必要な状況が生じる前に、施設として重症患者のトリアージ方針を明確にし、個人ではなく医療チームとして施設方針に沿って判断を行うことが望ましい。同時に、災害・パンデミック時においては、限られた医療資源を最大限に有効活用するために、地域において医療従事者、医療機器などを集約して効率化を図る概念を共有することが望ましい。

参考文献

1 厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究

事業)「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」分担研究班、日本COVID-19 対策ECMOnet(日本集中治療医学会、日本呼吸療法医学会、日本救急医学会).COVID-19 急性呼吸不全への人工呼吸管理とECMO 管理:基本的考え方.日集中医誌.2020;27:447-452. 2. Richardson S, Hirsch JS, Narasimhan M, et al. Presenting Characteristics,

Comorbidities, and Outcomes Among 5700 Patients Hospitalized With COVID-19 in the New York City Area. JAMA. 2020;323(20):2052-2059.

3 日本集中治療医学会. 我が国の集中治療医療提供体制を強靭化するための

提言. 2021 年9 月13 日. https://www.jsicm.org/news/upload/JSICM_v3.pdf (2022 年9 月アクセス)

4 日本集中治療医学会臨床倫理委員会. 新型コロナウイルス感染症

(coronavirus disease 2019, COVID-19)流行に際しての医療資源配分の観点からの治療の差し控え・中止についての提言. 日集中医誌 2020;27:509-10. 5. Ohbe H, Sasabuchi Y, Matsui H, et al. (2022). Impact of the COVID-19 pandemic on

critical care utilization in Japan: a nationwide inpatient database study. J Intensive Care. 2022;10:51.

6 日本集中治療医学会 各都道府県別 ICU およびICU に準ずる治療室のベッ

ド数https://www.jsicm.org/news/upload/icu_hcu_beds2022.pdf

7 日本呼吸療法医学会、日本集中治療医学会、日本臨床工学技士会.国内の病
p.32
院における人工呼吸器等の取扱台数推計値. https://www.jsicm.org/news/upload/jsicm_info_ventilator_200514.pdf

8 日本呼吸療法医学会、日本臨床工学技士会.人工呼吸器およびECMO 装置

の取扱台数等に関する緊急調査. https://www.jaam.jp/info/2020/files/info-20200306.pdf
p.33
VI.今後の課題と展望

我が国の人口あたりのICU病床数や集中治療科医数の地域格差は、諸外国と比較しても大きいことが明らかになってきた。イギリスの人口あたりのICU病床数の地域(州あるいは医療圏)格差はせいぜい2倍である[1]のに比して、我が国の都道府県格差は約8倍であり[2]、地域の中間ユニットの病床数と合わせてICU入退室基準に大きく影響する要素と考えられる。将来的に、ICU病床数の地域格差が現在より均てん化されれば、より普遍的なICU入退室基準の提言も可能となるかもしれない。

また、現在のICU 入退室は、診療報酬上の要件である重症度・医療看護必要度(表3)のA 項目に規定されているのが現実である[3]。このA 項目の大半が侵襲的なモニタリングや治療の施行であるため、その必要性を毎日吟味し、侵襲的なモニタリングや治療の中止を真摯に検討する質の高い施設が診療報酬上の恩恵を受けづらい構造にある。質の高い効率的な診療が患者にとって有益なことは論を俟たないが、同時に医療施設にとっても有益であるような診療報酬上の体系を整備していく必要がある。

最後に、我が国の集中治療を取り巻く環境を含むICU 入退室を判断するための多くの要素を統合し、適切な判断を行える集中治療科専門医を育成することが、日本集中治療医学会に課された責務であり、喫緊の課題である。

参考文献

1 Gillies MA, Power GS, Harrison DA, et al. Regional variation in critical care

provision and outcome after high-risk surgery. Intensive Care Med. 2015;41:1809-

16 2. 各都道府県別ICU およびICU に準ずる治療室のベッド数.一般社団法人日

本集中治療医学会.2022 年12 月29 日更新. https://www.jsicm.org/news/upload/icu_hcu_beds2022.pdf 3. Ohbe H, Goto T, Matsui H, et al. Associations of government-issued intensive care

unit admission criteria with clinical practices, outcomes, and intensive care unit bed occupancy. Ann Am Thorac Soc. 2022;19:1013-1021.
p.34
患者対看護師比算定区分病床数

ICU 2対1特定集中治療室管理料1から4 5814

2対1救命救急入院料2または4 1097

2対1小児特定集中治療室管理料104

中間ユニット3対1脳卒中ケアユニット入院医療管理料1416

4対1救命救急入院料1または3 5205

4対1ハイケアユニット入院医療管理料1 6001

5対1ハイケアユニット入院医療管理料2 381

厚生労働省.令和2年度病床機能報告の結果.より引用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/open_data_00007.html

表1我が国の重症患者治療用病床
p.35
特定集中治療室管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる状態にあって、医師が特定集中治療室管理が必要であると認めた者であること。

ア意識障害又は昏睡イ急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪ウ急性心不全(心筋梗塞を含む。)エ急性薬物中毒オショックカ重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)キ広範囲熱傷ク大手術後ケ救急蘇生後コその他外傷、破傷風等で重篤な状態

表2特定集中治療管理料の算定対象

出典:<通知>診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項についてより抜粋https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984041.pdf
p.36
表3特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度

出典:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和4年3月4日保医発0304第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984045.pdf
p.37
JIPAD ICNARC ANZICS CORE

Number of patients in 2020 52,238 168,803 190,094 Age, year, median (IQR) 70 (57, 78) 64 (52, 78) 65 (51, 75) Male, n (%) 61.8% 56.0% 56.6%

Admission type, n (%)

Elective surgery 56.0% 21.9% 36.6% Emergency surgery 12.6% 19.0% 15.9% Non-surgery 31.4% 59.1% 47.5% Mechanical ventilation, n (%) 39.7% 39.5% 33.6% APACHE II, median (IQR) 14 (11, 19) 15.2 (6.6)* 14 (10, 19) ICU mortality, n (%) 3.9% 13.9% 4.8% In-hospital mortality, n (%) 8.7% 19.6% 7.3% Length of ICU, days, median (IQR) 1.3 (0.8, 3.7) 2.6 (1.1, 5.4) 1.7 (0.9, 3.1)

表4 Comparison of National ICU registries

JIPAD, Japanese Intensive care PAtient Database; ICNARC, Intensive Care National Audit & Research Centre; ANZICS CORE, Australian and New Zealand Intensive Care Society Centre for Outcome and Resource Evaluation; IQR, interquartile range; APACHE, acute physiology and chronic health evaluation; ICU, intensive care unit *mean(standard deviation)
p.38
図1:人口10万人あたりの都道府県別重症系病床数

0

5 10

15 20

25 30

35

北海道⻘森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川新潟富山石川福井山梨⻑野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀⻑崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

ICU中間ユニット

https://www.jsicm.org/news/upload/icu_hcu_beds2022.pdfより作成

対10万人