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心不全治療における SGLT2 阻害薬の適正使用に関する Recommendation 日本心不全学会・2023・4 ページ · 心不全・心筋症
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2023 年6 月16 日

日本循環器学会・日本心不全学会

心不全治療におけるSGLT2 阻害薬の適正使用に関するRecommendation

序文Sodium glucose cotransporter 2(SGLT2)阻害薬は、近位尿細管におけるナトリウム・グルコース共輸送体であるSGLT2 を阻害することにより、尿中への糖排泄を増加させ血糖値を低下させる糖尿病治療薬として2014 年に我が国において承認された。2015 年以降に公表された心血管疾患のハイリスク2 型糖尿病患者を対象とした心血管アウトカム試験において1-3、SGLT2 阻害薬が入院を要する心不全イベントのリスクを低下させることが相次いで示された。その結果、日本循環器学会/日本心不全学会2017 年改訂版急性・慢性心不全診療ガイドラインにおいて4、SGLT2 阻害薬は心血管疾患のハイリスク2 型糖尿病患者における心不全予防として推奨クラスI・エビデンスレベルAに位置づけられた。また、2021 年フォーカスアップデート版同ガイドラインにおいて5、心不全を合併した2 型糖尿病患者における糖尿病治療薬として推奨クラスI・エビデンスレベルAの位置づけに至った。その後、2019 年以降に公表された2型糖尿病の有無にかかわらず左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)患者を対象とした大規模臨床試験において6,7、同薬は心不全イベントリスクを低下させたことから、2020 年以降に心不全患者への適応が拡大され、同ガイドラインにおいて5、最適な薬物治療が導入されている症候性の慢性心不全患者(HFrEF)に対する心不全治療薬としてダパグリフロジンとエンパグリフロジンが推奨クラスI・エビデンスレベルAに位置づけられている。さらに、2型糖尿病の有無にかかわらず左室駆出率が保持された慢性心不全(HFpEF)患者を対象とした大規模臨床試験においても8,9、ダパグリフロジンとエンパグリフロジンが心不全イベントを抑制することが明らかになり、HFpEF に対しても適応となっている。このように、SGLT2 阻害薬は、心血管疾患のハイリスク2 型糖尿病患者における心不全予防のみならず、2 型糖尿病の合併や左室駆出率を問わず心不全患者における標準的治療薬の一つとして、その使用機会が増加している。そこで、心不全患者におけるSGLT2 阻害薬の適正使用を図るため、本Recommendation を発出した。心不全患者にSGLT2 阻害薬を使用する場合には、本Recommendation をもとに、心不全診療ガイドラインや、日本糖尿病学会および日本腎臓学会のSGLT2 阻害薬の適正使用に関するRecommendation も併せて参考にしていただきたい。
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Recommendation

● 心血管疾患のハイリスク2 型糖尿病患者において、SGLT2 阻害薬は入院を要する心不

全イベントの抑制が報告されており、リスクとベネフィットを十分に勘案して積極的にその使用を検討する。

● 心不全患者において、SGLT2 阻害薬(ダパグリフロジンとエンパグリフロジン)は2 型

糖尿病の合併・非合併および左室駆出率にかかわらず、心不全イベントの抑制が報告されており、リスクとベネフィットを十分に勘案して積極的にその使用を検討する。

● 心不全患者では利尿薬を使用する頻度が高く、SGLT2 阻害薬の併用により過度の体液

量減少をきたすリスクがあるため、腎機能や電解質等のモニタリングを適宜行い、必要に応じて利尿薬や降圧薬の用量を調節する。

● 2 型糖尿病を合併したSGLT2 阻害薬を使用中の心不全患者が、食事摂取制限を伴う手

術を受ける場合には、手術3 日前から休薬し、術後は食事摂取が可能になってから再開する。一方、2 型糖尿病を合併しない心不全患者では、術前の終日絶食日にSGLT2 阻害薬を休薬し、術後は食事摂取が可能になってから再開する。なお、2 型糖尿病の合併・非合併にかかわらず、SGLT2 阻害薬を服用中の心不全患者が緊急手術を受ける場合には、同薬の休薬についてリスクとベネフィットを十分に勘案して現場での判断を許容する。いずれの場合においても、心不全患者においてSGLT2阻害薬を休薬する場合には、休薬に伴う心不全増悪時も含め必要に応じて循環器専門医への紹介を考慮する。

● SGLT2 阻害薬は、2 型糖尿病の合併の有無にかかわらず心不全患者においても尿路・性

器感染症の発生・増悪が懸念されるため、リスクとベネフィットを十分に勘案して適応を検討し、投与後は注意を払う必要がある。

● 心不全患者においてSGLT2 阻害薬を使用する場合、各薬剤の添付文書および本

Recommendation を踏まえて適正に使用する。糖尿病や慢性腎臓病の併存する病態に応じて日本糖尿病学会および日本腎臓学会のSGLT2 阻害薬の適正使用に関するRecommendation も参考にする。
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657 3. Wiviott SD, Raz I, Bonaca MP, Mosenzon O, Kato ET, Cahn A, et al. Dapagliflozin and

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■ 作成

一般社団法人 日本循環器学会一般社団法人 日本心不全学会

■ 作成委員(50 音順)

伊藤 浩   川崎医科大学絹川 弘一郎 富山大学桑原 宏一郎 信州大学田中 敦史  佐賀大学野出 孝一  佐賀大学室原 豊明  名古屋大学

※作成委員のCOI については、別紙のとおり
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別紙 作成委員のCOI について

付表 日本循環器学会・日本心不全学会 心不全治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation:作成委員の利益相反(COI)に関する提示(2020年1月1日~2022年12月31日) *敬称略

顧問株保有

・利益特許

使用料講演料原稿料研究費奨学寄附金寄附講座その他顧問株特許研究費奨学

寄附金

伊藤浩第一三共第一三共日本メドトロニック

ノバルティスファーマバイエル薬品日本ベーリンガーインゲルハイム大塚製薬バイエル薬品持田製薬小野薬品工業小野薬品工業アストラゼネカ田辺三菱製薬持田製薬大塚製薬興和

絹川弘一郎アストラゼネカ

日本ベーリンガーインゲルハイム田辺三菱製薬

桑原宏一郎Alnylam japan EPクルーズフクダ電子長野販売アボットメディカルジャパン(2講座)

アステラス製薬アストラゼネカ大正製薬カーディナルヘルスジャパンアストラゼネカヤンセンファーマ大塚製薬テルモノバルティスファーマ興和田辺三菱製薬ニプロノボノルディスクファーマ日本ベーリンガーインゲルハイム日本ベーリンガーインゲルハイムバイオトロニックジャパンバイエル薬品ボストン・サイエンティフィックジャパン(2講座)ファイザー日本メドトロニックヤンセンファーマ日本ライフライン協和キリン小野薬品工業大塚製薬第一三共田辺三菱製薬日本イーライリリー日本ベーリンガーインゲルハイム

田中敦史日本ベーリンガーインゲルハイムグラクソスミスクラインブリストルマイヤーズ

武田薬品

野出孝一MSDアステラス製薬バイエル薬品

アステラス製薬ノバルティスファーマ帝人ファーマアストラゼネカ旭化成日本メドトロニックツムラ持田製薬ノバルティスファーマ帝人 ファーマノボノルディスクファーマ田辺三菱製薬バイエル薬品日本ベーリンガーインゲルハイム興和富士薬品持田製薬小野薬品工業大塚製薬第一三共田辺三菱製薬日本イーライリリー日本ベーリンガーインゲルハイム武田薬品工業

室原豊明アストラゼネカ第一三共

興和田辺三菱製薬日本ベーリンガーインゲルハイム日本ベーリンガーインゲルハイムバイエル薬品帝人ファーマヤンセンファーマファイザー小野薬品工業バイエル薬品ノバルティスファーマアステラス製薬MSD武田薬品工業第一三共

以上氏名参加者自身の申告事項配偶者・一親等親族または

収入・財産を共有する者についての申告事項所属する組織・部

門の長に関する申告事項(参加者が組織・部門の長と共同研究の立場に

ある場合)