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バソプレシン V2 受容体拮抗薬の
適正使用に関するステートメント
第2版(2023年改訂)
◆絹川 弘一郎 富山大学 学術研究部医学系内科学(第二) ◆佐藤 直樹 かわぐち心臓呼吸器病院 循環器内科◆猪又 孝元 新潟大学大学院医歯学総合研究科 循環器内科学分野
◆前村 浩二 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学◆泉 知里 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門心不全科◆井手 友美 九州大学医学部 循環器内科
日本循環器学会・日本心不全学会合同ステートメント
策定委員
外部評価委員
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はじめに
利尿薬は心不全治療に汎用される薬剤である。日本循環器学会・日本心不全学会においては、心不全治療における利尿薬の役割を「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」のなかで明記している1)。経口剤のトルバプタン(サムスカ®)が発売され10年以上が経過し、2022年5月にトルバプタンのプロドラッグとして、新たに点滴静注製剤であるトルバプタンリン酸エステルナトリウム(サムタス®)が発売されるに至り、心不全のうっ血治療に使用できる利尿薬の選択肢が広がった。一般医家を含め循環器診療にあたる医師に対して、サムタス®・サムスカ®の正しい位置づけ、使用上の注意、従来の利尿薬とのすみ分けなどを周知することは日本循環器学会・日本心不全学会の極めて重要な使命である。本来、ガイドラインを改訂のうえ対処すべきであるが、今回はこのステートメントの改訂をもって必要な情報を提供することとした。
トルバプタン(点滴静注製剤・経口剤)について
バソプレシン V2 受容体拮抗薬であるトルバプタンは、フロセミド40mg/日以上投与しても十分な効果を発揮できない心不全患者の体液貯留を改善することを目的として開発され、2010 年 12月本邦で初めて承認され、2022年5月にはトルバプタンのプロドラッグとして、点滴静注製剤であるトルバプタンリン酸エステルナトリウム(サムタス®)が発売された。効能又は効果はともに、「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」である。急性の腎機能障害や神経体液性因子への影響は、ループ利尿薬に比較して軽度であるという報告もある。ただし、本薬剤は集合管における再吸収阻害により水利尿を得るという機序であるから、糸球体で尿の産生が行われていない無尿の患者には禁忌である。本薬剤が有効である患者を投与前に特定する指標は確立していないが、心不全患者で少なくとも十分な体液管理が得られず、過剰水が胸腔や腹腔、あるいは皮下浮腫として顕著にみられることがトルバプタン投与の前提である。特に、内頚静脈の怒張の有無はよい目安となる。投与前に浸透圧の高い濃縮尿(352mOsm/L以上)であり、投与4‐6時間後に尿浸透圧が26%以上低下する患者は有効例であるとの報告がある2)。
トルバプタン(点滴静注製剤・経口剤)の用法及び用量
<心不全における体液貯留> ◆サムスカ®:通常,成人にはトルバプタンとして15 mgを1日1回経口投与する。◆サムタス®:通常,成人にはトルバプタンリン酸エステルナトリウムとして16mgを1日1回1時間かけて点滴静注する。
国内第III相検証試験(OPTION-HF試験)において、サムタス®点滴静注16mgは、サムスカ®15mg経口投与に対する非劣性が検証されている3)。
国内第III相忍容性試験(TRITON-HF試験)において、サムスカ®では禁忌であった経口摂取が困難又は不可能なうっ血性心不全患者を対象に、サムタス®点滴静注 8mg又は16mgを1日1回最長5日間(平均2.4日)投与したときの忍容性が確認されている4)。
経口水分摂取が困難な患者にサムタス®を投与する場合は、8mgから開始し、効果不十分な場合には翌日以降に16mgに増量できる。
特に高齢者、低ナトリウム血症の患者(125mEq/L未満)、血清ナトリウム値が正常域内で高値の患者、急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断される患者等に投与する際のサムスカ®の初期投与量は7.5mg、サムタス®の初期投与量は8mgとする。また、CYP3A4阻害薬を併用する場合は、本剤の減量あるいは低用量からの開始を考慮する。
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利尿薬の選択順位
利尿薬が必要な場合、まずループ利尿薬などを用いた従来の利尿薬治療を行う。トルバプタンは
ループ利尿薬などの他の利尿薬で効果不十分な場合および併用時にのみ投与が認められており、現段階では利尿薬の中で第一選択薬としての使用は控えるべきである。
高ナトリウム血症などの電解質異常
トルバプタンの投与により高ナトリウム血症が一定の頻度で出現している。実際、サムタス®発売後6ヶ月間で、重篤な高ナトリウム血症が12例報告された。高ナトリウム血症の出現を避けるために、下記の6点について周知されたい。1 入院下で投与を開始・再開する。 (サムタス®の場合、増量時も入院下で行うこと) 2 血清ナトリウム濃度の測定を実施する(下記図を参照)。少なくとも投与前、投与4~6時間後、投与 8~12時間後に測定し、血清ナトリウム濃度の過度の上昇がみられた時(血清ナトリウム値150mEq/L以上や1日の血清ナトリウム値増加が10mEq/L以上など)には速やかに投与を中止する。必要に応じて、5%糖液などにより補正を行う。血清ナトリウム値が160mEq/Lを超えた症例、意識障害を生じた症例も報告されていることから、IN-OUTバランスの注意深いモニタリングが必要である。3 飲水制限については、利尿が十分に認められれば原則的には緩和あるいは解除する。重症心
不全例においてはトルバプタン投与下においても飲水制限が必要であるが、過度な飲水制限は高ナトリウム血症の出現を助長するので注意する。4 サムスカ®は口渇を感じ飲水ができる患者に投与する。5 投与前のナトリウム値が低いほど、ナトリウム値の上昇が急激に起きる傾向にある。また、
ナトリウム値が正常域内で高値の患者に投与する場合にも注意が必要である。
モニタリング方法(サムタス®・サムスカ®)
サムタス®:血清ナトリウム、血清カリウムのモニタリングが必要
サムスカ®:血清ナトリウムのモニタリングが必要
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経口水分摂取困難な患者への投与時の注意点(サムタス®のみ)
肝機能異常
投与初期から重篤な肝機能障害を示すことがあるため、血清ナトリウム値の測定にあわせ、投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行う(目安:1~2日毎)。肝機能異常を呈する症例の多くは投与後2週間以内にその症状を発現する。全身倦怠感、食欲低下、嘔気、茶褐色尿、黄疸など肝機能障害を示唆する症状が起きた際には、肝機能検査の上、投与中止を検討する。肝機能障害の原因として、うっ血性心不全の病態、過度な利尿、薬剤性肝障害などが考えられている。
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長期投与サムスカ®における国内治験では2週間を超える使用経験はなかったが、臨床現場では、やむを得ず継続する症例も散見され、入退院を繰り返す症例に長期処方されている。海外で行われた心不全患者を対象としたトルバプタンを用いた大規模試験である EVEREST Outcome trial において、長期予後改善効果は示されなかった5) 。したがって、予後改善を目指した長期投与は現段階では受け入れられていないが、患者の再入院抑制やQOL改善等を目的として主治医の判断で長期投与する場合は、慎重な経過観察が要求される。
おわりに従来、ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン薬を中心に利尿を図る治療が行われてきたが、バソプレシンV2受容体拮抗薬という新しい作用機序の利尿薬が登場して治療の幅が広がった。利尿薬の使用にあたってはそれぞれの薬剤の特徴や適応を十分に考慮すべきである。さらに、サムタス®の国内第III相試験の選択基準は85歳以下であり、85歳を超える患者への投与はエビデンスが不足しているので、特に85歳を超える高齢者への投与に際しては十分に注意が必要である。実際に、OPTION‐HF試験では平均74.0歳、TRITON‐HF試験では平均73.7歳の結果を踏まえると、高齢化が進む心不全の実臨床と治験結果の年齢に乖離がある点からも、使用成績調査によるデータの集積や今後のエビデンスの構築が待たれる。本ステートメントを参照いただき、トルバプタン(点滴静注製剤・経口剤)が適正かつ有効に使用されることを切に願う。
文献1) 日本循環器学会.日本心不全学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/06/JCS2017_tsutsui_h.pdf (2023年3月閲覧)
2) Imamura T, Kinugawa K, Shiga T, et al. Novel Criteria of Urine Osmolality Effectively Predict Response
to Tolvaptan in Decompensated Heart Failure Patients-Association Between Non-Responders and Chronic Kidney Disease- : Circ J. 2013 ; 77 : 397-404.
3) Sato N. et al. Efficacy and safety of intravenous OPC-61815 compared with oral tolvaptan in patients
with congestive heart failure : ESC Heart Failure. 2022 ; 9 : 3275-3286.
4) Kinugawa K. et al. Tolerability of the Intravenously Administered Tolvaptan Prodrug, OPC-61815, in
Patients With Congestive Heart Failure Who Have Difficulty With, or Are Incapable of Oral Intake (TRITON-HF) - A Phase III, Multicenter, Open-Label Trial - Circ J. 2022 ; 86 : 1068-1078. 5) Konstam MA, Gheorghiade M, Burnett JC Jr, et al. Effects of Oral Tolvaptan in Patients Hospitalized for Worsening Heart Failure : The EVEREST Outcome Trial. JAMA. 2007 ; 297 : 1319–1331.
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日本循環器学会・日本心不全学会合同ステートメント「バソプレシン V2 受容体拮抗薬の適正使用に関するステートメント」第1版(2013年作成)策定委員◆小室一成 東京大学 循環器内科学◆増山 理 兵庫医科大学 循環器内科◆百村 伸一 自治医科大学さいたま医療センター 循環器科◆北風 政史 国立循環器病研究センター 臨床研究部・心臓血管内科◆山本 一博 鳥取大学 病態情報内科学◆竹石 恭知 福島医科大学 循環器・血液内科学外部評価委員◆和泉 徹 医療法人恒仁会新潟南病院◆磯部 光章 東京医科歯科大学 循環制御内科学◆朔 啓二郎 福岡大学 心臓・血管内科学◆吉村 道博 東京慈恵会医科大学 循環器内科第2版(2023年改訂)策定委員◆絹川 弘一郎 富山大学 学術研究部医学系内科学 (第二) ◆佐藤 直樹 かわぐち心臓呼吸器病院 循環器内科◆猪又 孝元 新潟大学大学院医歯学総合研究科 循環器内科学分野外部評価委員◆前村 浩二 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学◆泉 知里 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門心不全科◆井手 友美 九州大学医学部 循環器内科
※委員の所属名はステートメント発行当時の所属を記載しています。※このステートメントのすべての文章・画像・データに関しては日本循環器学会・日本心不全学会が著作権を有します。
引用・転載は学会の許諾を必要としますので、学会事務局までご連絡ください。
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日本循環器学会・日本心不全学会合同ステートメント「バソプレシンV2 受容体拮抗薬の適正使用に関するステートメント」
策定委員・ 小室一成 (東京大学 循環器内科学)・ 増山 理 (兵庫医科大学 循環器内科)・ 百村 伸一 (自治医科大学さいたま医療センター 循環器科)・ 北風政史 (国立循環器病研究センター 臨床研究部・心臓血管内科)・ 山本一博 (鳥取大学 病態情報内科学)・ 竹石 恭知 (福島医科大学 循環器・血液内科学)
外部評価委員・ 和泉 徹 (医療法人恒仁会新潟南病院)・ 磯部 光章 (東京医科歯科大学 循環制御内科学)・ 朔 啓二郎 (福岡大学 心臓・血管内科学)・ 吉村 道博 (東京慈恵会医科大学 循環器内科)
「はじめに」利尿薬は心不全治療に汎用される薬剤である。日本循環器学会においては、心不全治療における利尿薬の役割を「急性心不全治療ガイドライン(2011 年改訂版)」および「慢性心不全治療ガイドライン(2010 年改訂版)」のなかで明記している。最近、新しい機序の利尿薬としてトルバプタンが発売されるに至り、心不全の治療に使える利尿薬の選択肢が広がった。一般医家を含め循環器診療にあたる医師に対して、この新規利尿薬の正しい位置づけ、使用上の注意、従来の利尿薬との棲み分けなど、を周知することは日本循環器学会の極めて重要な使命である。本来、ガイドラインを改訂のうえ対処すべきであるが、今回はこのステートメントをもって必要な情報を提供することとした。
「トルバプタン」バソプレッシンV2 受容体拮抗薬であるトルバプタンは、フロセミド40mg/日以上投与しても十分な効果を発揮できない心不全患者の体液貯留を改善することを目的として開発され、2010 年12 月本邦で心不全治療薬として承認された(1)。効能・効果は、「ループ利尿薬などの他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」である。急性の腎機能障害や神経体液性因子への影響は、ループ利尿薬に比較して軽度であるという報告もある。ただし、本薬剤は集合管における再吸収阻害により水利尿を得るという機序であるから、糸球体で尿の産生が行われていない無尿の患者には全く効果が無い。本薬剤が有効である患者を投与前に特定する指標は確立していないが、心不全患者で少なくとも十分な体液管理が得ら
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れず、過剰水が胸腔や腹腔、あるいは皮下浮腫として顕著に診られることがトルバプタン投与の前提である。特に、内頚静脈の怒張の有無はよい目安となる。最近、投与前に浸透圧の高い濃縮尿であり、投与数時間後に尿浸透圧が26%低下する患者は有効例であるとの報告がある(2)。
「利尿薬の選択順位」利尿薬が必要な場合、まずループ利尿薬などを用いた従来の利尿薬治療を行う。トルバプタンはループ利尿薬などの他の利尿薬で効果不十分な場合および併用時にのみ投与が認められており、現段階では利尿薬の中で第一選択薬としての使用は控えるべきである。初期投与量は7.5mg とし、状況により適宜増減する。
「高ナトリウム血症などの電解質異常」トルバプタンの投与により高ナトリウム血症が一定の頻度で出現している。実際、日本での承認後3 ヶ月間で、重篤な高ナトリウム血症(血清ナトリウム値が160mEq/L を超える、もしくは中枢神経症状(意識障害,痙攣)がある)が8 例報告された。高ナトリウム血症の出現を避けるために、下記の5 点について周知されたい。
1 入院下で投与を開始・再開する。2 血清ナトリウム濃度の測定を実施する(図参照)。少なくとも投与前、投与4~6時間後、投与8~12 時間後に測定し、血清ナトリウム濃度の過度の上昇がみられた時には速やかに投与を中止する。必要に応じて、5%糖液などにより補正を行う。特に160mEq/L を超えた場合や意識障害が現れた場合もあるため、IN-OUT バランスの注意深いモニタリングが必要である。
3 飲水制限については、利尿が十分に認められれば原則的には緩和あるいは解除する。重症心不全例においてはトルバプタン投与下においても飲水制限が必要であるが、過度な飲水制限は高ナトリウム血症の出現を助長するので注意する。
4 口渇を感じ飲水ができる患者に投与する。5 高齢者、低体重などの場合には7.5mg あるいは3.75 mg から開始する。6 投与前のナトリウム値が低いほど、内服後のナトリウム値の上昇が急激に起きる傾向にあるため、注意が必要である。
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現在、海外でのトルバプタンの投与は低ナトリウム血症に限られており、血清ナトリウム値が正常な心不全で使用できるのは、我が国だけである(表参照)。作用機序から考えると、バソプレッシンV2 受容体拮抗薬の本来の適応は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion:SIADH)によってもたらされた低ナトリウム血症であることを理解しておく必要がある。
2013 ACCF/AHA Guideline3) In patients hospitalized with volume overload and severe
hyponatremia, vasopressin antagonists may be considered.
2012 ESC Guidelines4) Tolvaptan may be used to treat patients with resistant
hyponatraemia.
2012 Canadian Guidelines5) We recommend tolvaptan be considered for patients
with symptomatic or severe hyponatremia and persistent congestion despite standard therapy, to correct hyponatremia and the related symptoms.
「肝機能異常」投与初期から重篤な肝機能障害を示すことがあるため、血清ナトリウム値の測定にあわせ、
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投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2 週間は頻回に肝機能検査を行う。肝機能異常を呈する症例の多くは投与後2 週間以内にその症状を発現する。全身倦怠感、食欲低下、嘔気、茶褐色尿、黄疸など肝機能障害を示唆する症状が起きた際には、肝機能検査の上、投与中止を検討する。肝機能障害の原因として、うっ血性心不全の病態、過度な利尿、薬物性肝障害などが考えられている。その後も投与を継続する場合には、適宜検査を行うことが必要となる。
「長期投与」国内治験では2 週間以上の使用経験はなかったが、臨床現場では、やむを得ず継続する症例も散見され、入退院を繰り返す症例に長期処方されている。海外で行われた心不全患者を対象としたトルバプタンを用いた大規模試験であるEVEREST Outcome trial において、長期予後改善効果は示されなかった(6)。したがって、予後改善を目指した長期投与は現段階では受け入れられていないが、患者のQOL 改善を目的として主治医の判断で長期投与する場合は、慎重な経過観察が要求される。
「おわりに」従来、ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン薬を中心に利尿を図る治療が行われてきたが、バソプレシンV2 受容体拮抗薬という新しい作用機序の利尿薬が登場して治療の幅が広がった。利尿薬の使用にあたってはそれぞれの薬の特徴や適応を十分に考慮すべきであり、トルバプタンが適正かつ有効に使用されることを切に願う。
引用文献
1 Matsuzaki M, Hori M, Izumi T, Fukunami M. Efficacy and safety of tolvaptan in
heart failure patients with volume overload despite the standard treatment with conventional diuretics: A phase III, randomized, double-blind, placebo-controlled study (QUEST study). Cardiovasc Drugs Ther 2011; 25(Suppl 1): S33 – S45. 2. Imamura T, Kinugawa K, Shiga T, et al. Novel criteria of urine osmolality effectively
predict response to tolvaptan in decompensated heart failure patients: Association between non-responders and chronic kidney disease Circ J. 2013; 77: 397-404.
3 Yancy CW, Jessup M, Bozkurt B, et al. 2013 ACCF/AHA Guideline for the
Management of Heart Failure: A Report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol. 2013 Jun 5. 4. McMurray JJV, Adamopoulos S, Anker SD, et al, ESC Guidelines for the diagnosis
and treatment of acute and chronic heart failure 2012. Eur Heart J 2012;
p.11
33:1787–1847.
5 McKelvie RS, Moe GW, Ezekowitz JA, Heckman GA, et al. The 2012 Canadian
Cardiovascular Society heart failure management guidelines update: focus on acute and chronic heart failure. Can J Cardiol 2013; 29: 168-181.
6 Konstam MA, Gheorghiade M, Burnett JC Jr, et al. Effects of oral tolvaptan in
patients hospitalized for worsening heart failure: The EVEREST Outcome Trial. JAMA 2007; 297: 1319 – 1331.