GL検索 v0.1.0
2023年JCS/JSCVS/JCC/CVIT ガイドライン フォーカスアップデート版 PCPS/ECMO/循環補助用心内留置型 ポンプカテーテルの適応・操作 日本循環器学会・2023・47 ページ · 心不全・心筋症 · 集中治療・救急・蘇生
p.1
岩野 弘幸岩野 弘幸市立函館病院市立函館病院循環器内科循環器内科大谷 朋仁大谷 朋仁大阪大学大学院医学系研究科大阪大学大学院医学系研究科

循環器内科学循環器内科学

伊勢 孝之伊勢 孝之徳島大学病院徳島大学病院循環器内科循環器内科

泉谷 裕則泉谷 裕則愛媛大学医学部愛媛大学医学部心臓血管・呼吸器外科学心臓血管・呼吸器外科学

小野 稔小野 稔東京大学大学院医学系研究科東京大学大学院医学系研究科

心臓外科心臓外科北井 豪北井 豪国立循環器病研究センター国立循環器病研究センター

心臓血管内科心臓血管内科

奥村 貴裕奥村 貴裕名古屋大学大学院医学系研究科名古屋大学大学院医学系研究科

循環器内科学循環器内科学

大野 貴之大野 貴之三井記念病院三井記念病院心臓血管外科心臓血管外科

塩瀬 明塩瀬 明九州大学病院九州大学病院心臓血管外科心臓血管外科塚本 泰正塚本 泰正国立循環器病研究センター国立循環器病研究センター

移植医療部移植医療部

里見 和浩里見 和浩東京医科大学病院東京医科大学病院

循環器内科循環器内科

絹川 弘一郎絹川 弘一郎富山大学附属病院富山大学附属病院

第二内科第二内科班員

班長2024 年7 月17 日更新2023 年3 月11 日発行西村 隆西村 隆愛媛大学医学部愛媛大学医学部心臓血管・呼吸器外科学心臓血管・呼吸器外科学

黒部 裕嗣黒部 裕嗣愛媛大学医学部愛媛大学医学部心臓血管・呼吸器外科学心臓血管・呼吸器外科学近藤 徹近藤 徹名古屋大学大学院医学系研究科名古屋大学大学院医学系研究科

循環器内科学循環器内科学

宇内 真也宇内 真也Cleveland Clinic Cleveland Clinic Thoracic & Cardiovascular Surgery Thoracic & Cardiovascular Surgery

牛島 智基牛島 智基九州大学病院九州大学病院心臓血管外科心臓血管外科

嶋田 正吾嶋田 正吾東京大学大学院医学系研究科東京大学大学院医学系研究科

心臓外科心臓外科園田 拓道園田 拓道

九州大学病院九州大学病院心臓血管外科心臓血管外科

朔 啓太朔 啓太国立循環器病研究センター研究所国立循環器病研究センター研究所

循環動態制御部循環動態制御部

齊藤 哲也齊藤 哲也大阪大学大学院医学系研究科大阪大学大学院医学系研究科

心臓血管外科心臓血管外科協力員

日本循環器学会/ 日本心臓血管外科学会/ 日本心臓病学会/日本心血管インターベンション治療学会

2023 年JCS/JSCVS/JCC/CVIT ガイドライン

フォーカスアップデート版PCPS/ECMO/循環補助用心内留置型ポンプカテーテルの適応・操作

JCS/JSCVS/JCC/CVIT 2023 Guideline Focused Update on Indication and Operation of PCPS/ECMO/IMPELLA

山口 修山口 修愛媛大学大学院医学系研究科愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学循環器・呼吸器・腎高血圧内科学

平田 康隆平田 康隆東京大学医学部付属病院東京大学医学部付属病院

心臓外科心臓外科

戸田 宏一戸田 宏一獨協医科大学埼玉医療センター獨協医科大学埼玉医療センター

心臓血管外科心臓血管外科合同研究班参加学会

日本循環器学会  日本心臓血管外科学会  日本心臓病学会  日本心血管インターベンション治療学会

日本胸部外科学会  日本心不全学会  日本人工臓器学会  日本不整脈心電学会日本心エコー図学会  日本小児循環器学会  日本心臓リハビリテーション学会

「重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン」からあらたな知見をまとめ,フォーカスアップデート版として作成した.
p.2
坂田 泰史坂田 泰史大阪大学大学院医学系研究科大阪大学大学院医学系研究科

循環器内科学循環器内科学

澤 芳樹澤 芳樹大阪警察病院大阪警察病院許 俊鋭許 俊鋭東京都健康長寿医療センター東京都健康長寿医療センター猪又 孝元猪又 孝元新潟大学大学院医歯学総合研究科新潟大学大学院医歯学総合研究科

循環器内科学循環器内科学

南野  徹南野  徹順天堂大学大学院医学研究科順天堂大学大学院医学研究科

循環器内科循環器内科

湊谷 謙司湊谷 謙司京都大学大学院医学研究科京都大学大学院医学研究科

心臓血管外科心臓血管外科

福嶌 教偉福嶌 教偉千里金蘭大学千里金蘭大学看護学研究科看護学研究科外部評価委員

目次(五十音順,構成員の所属は2023 年3 月11 日現在)

はじめに6

第1章PCPS,ECMO,IMPELLA の適応7 1. 適応疾患と病態 ............................7

1.1 急性心筋梗塞(AMI)による心原性ショック ........................7 1.2 劇症型心筋炎 ..........................8 1.3 慢性重症心不全の急性増悪 ..............8 1.4 開心術後心原性ショック ................8 1.5 難治性不整脈 ..........................9 1.6 急性広範型肺血栓塞栓症 ................9 1.7 その他(薬物中毒,偶発性低体温症,敗血症) .. 10 2. 血行動態評価 ............................ 10 3. 左心機能評価 ............................ 10 4. 右心機能評価 ............................ 11 5. 冠動脈評価 .............................. 11 6. 全身状態評価 ............................ 12図1心原性ショックにおけるステージ分類と全身状態の関係

12 6.1 腎機能障害 .......................... 13 6.2 肝機能障害 .......................... 13

略語一覧.................................................................................................... 5

橋本 亨橋本 亨九州大学大学院医学研究院九州大学大学院医学研究院

重症心肺不全講座重症心肺不全講座東 晴彦東 晴彦愛媛大学大学院医学系研究科愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学循環器・呼吸器・腎高血圧内科学

中本 敬中本 敬大阪大学大学院医学系研究科大阪大学大学院医学系研究科

循環器内科学循環器内科学

中村 牧子中村 牧子富山大学附属病院富山大学附属病院

第二内科第二内科

三好 徹三好 徹愛媛大学大学院医学系研究科愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学循環器・呼吸器・腎高血圧内科学矢作 和之矢作 和之

三井記念病院三井記念病院循環器内科循環器内科

藤野 剛雄藤野 剛雄九州大学病院九州大学病院循環器内科循環器内科

東野 旭紘東野 旭紘三井記念病院三井記念病院心臓血管外科心臓血管外科渡邉 琢也渡邉 琢也国立循環器病研究センター国立循環器病研究センター

移植医療部移植医療部
p.3
6.3 呼吸機能障害 ........................ 13 6.4 脳機能障害 .......................... 13 6.5 凝固能異常 .......................... 14 6.6 血管評価 ............................ 14 7. 社会的評価(ACP も含めて) .............. 14 8. 治療デバイスの選択 ...................... 14図2 SCAI Shock Stage C,D における対応15

図3 SCAI Shock Stage E における対応16表1循環補助使用中のNYHA 心機能分類とINTERMACS/J-MACS profile 分類のコンセンサス

17 第2章PCPS,ECMO,IMPELLA の装着・管理18 1. IABP(intra-aortic balloon pumping) .. 18

1.1 バルーンの選択と留置 ................ 18 1.2 駆動方法 ............................ 18 1.3 離脱方法 ............................ 18 2. V-A ECMO ............................ 19

2.1 V-A ECMO の装着 .................... 19 2.2 下肢虚血に対する下肢送血 ............ 19 2.3 V-A ECMO の管理 .................... 19 2.4 V-A ECMO による全身臓器灌流の確立 .. 19 2.5 V-A ECMO の流量不足 ................ 20 2.6 左室後負荷増加によるうっ血の進行 .... 20 2.7 North-south syndrome .............. 20 2.8 自己心機能の評価 .................... 20 2.9 ECMO 離脱 .......................... 20 3. central ECMO .......................... 20表2 central ECMO のおもな適応21

3.1 手術手技 ............................ 21 3.2 central ECMO の管理 ................ 21 3.3 central ECMO の位置づけ ............ 21 4. IMPELLA .............................. 22

4.1 駆動原理 ............................ 22表3 IMPELLA カテーテルの比較22 4.2 挿入手技 ............................ 23 4.3 穿刺による挿入 ...................... 23 4.4 外科的アプローチによる挿入 .......... 23 4.5 管理上の注意 ........................ 23 4.6 離脱 ................................ 24 5. ECPELLA .............................. 24

5.1 管理と合併症 ........................ 24 6. 体外設置型VAD(遠心ポンプ) ............ 25

6.1 臨床的位置づけ ...................... 25 6.2 適応とその際の注意点 ................ 25 6.3 体外設置型VAD 遠心ポンプとバイオフロート ...................... 25 6.4 駆動中の留意点 ...................... 26図4バイオフロートおよびその構造26 6.5 離脱の可否の判断 .................... 27
p.4
第3章MCS 管理における留意点27 1. 不整脈管理 .............................. 27

1.1 不整脈の停止および予防 .............. 27 1.2 MCS 回路による薬物動態の変化 ...... 27 2. 併用する心不全治療薬 .................... 28

2.1 V-A ECMO 下での後負荷コントロール .. 28表4 V-A ECMO サポート中の左室減圧処置28 2.2 右心不全の合併時の薬物治療 .......... 28 2.3 MCS 離脱時の薬物治療 .............. 28 3. 栄養・鎮静・感染症 等 .................. 29

3.1 栄養 ................................ 29 3.2 鎮静 ................................ 29 3.3 感染症 .............................. 30 3.4 脳卒中,消化管出血への対応 .......... 30 3.5 MCS 管理中のリハビリテーション .... 32表5集中治療室で早期離床やベッドサイドから積極的運動を原則行うべきでない場合

32 表6 MCS 実施中にリハビリテーションを行う際の適格性

33 3.6 MCS 管理中の心エコー図検査 ........ 34 3.7 緩和ケア・終末期医療 ................ 34

Appendix 1小児MCS 36 1. 補助循環 ................................ 36

1.1 体外設置型膜型人工肺(ECMO) ...... 36 1.2 小児用体外型VAD(EXCOR Pediatric) 36 1.3 植込型VAD .......................... 37

Appendix 2 IMPELLA RP 38

付表 班構成員の利益相反(COI)に関する開示 ................................................................ 39文献........................................................................................................ 42

(無断転載を禁ずる)
p.5
略語一覧ACP advance care planningアドバンス・ケア・プランニングACS acute coronary syndrome急性冠症候群

ACT activated coagulation time活性化凝固時間

ADL activities of daily livings日常生活動作ALT alanine aminotransferaseアラニンアミノトランスフェラーゼAMI acute myocardial infarction急性心筋梗塞APTT activated partial thromboplastin time活性化部分トロンボプラスチン時間AI aortic insufficiency大動脈弁逆流症AST aspartate aminotransferaseアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼAVWS acquired von Willebrand syndrome後天性von Willebrand症候群BNP brain natriuretic peptide脳性ナトリウム利尿ペプチドBTB bridge to bridge植込型VAD までの橋渡しBTC bridge to candidacy移植登録となるまでの橋渡しBTD bridge to decision治療方針決定までの橋渡しBTR bridge to recovery心機能回復までのブリッジBTT bridge to transplantation心臓移植へのブリッジBiVAD biventricular assist device両心補助人工心臓,両心補助装置CK creatine kinaseクレアチンキナーゼ

CPO cardiac power output

CVP central venous pressure中心静脈圧DIC disseminated intravascular coagulation播種性血管内凝固症候群DT destination therapy長期在宅補助人工心臓治療ECMO extracorporeal membrane oxygenation体外式膜型人工肺FAC fractional area change右室面積変化率

GRV gastric residual volume胃内残量γGTP γ-glutamyltranspeptidase γ-グルタミルトランスペプチダーゼIABP intra-aortic balloon pumping大動脈内バルーンパンピングLDH lactate dehydrogenase乳酸脱水素酵素

LGE late gadolinium enhancement遅延造影

LVAD left ventricular assist device左心補助人工心臓LVEDP left ventricular end-diastolic pressure左室拡張末期圧LVEF left ventricular ejection fraction左室駆出率LVDd left ventricular end-diastolic diameter左室拡張末期径LVOT left ventricular outflow tract左室流出路MCS mechanical circulatory support機械的循環補助NO nitric oxide一酸化窒素NPPV non-invasive positive pressure ventilation非侵襲的陽圧換気療法NYHA New York Heart Associationニューヨーク心臓協会PAPi pulmonary artery pulsatility index肺動脈拍動性指数PCI percutaneous coronary intervention経皮的冠動脈インターベンションPCPS percutaneous cardiopulmonary support経皮的心肺補助装置PAWP pulmonary artery wedge pressure肺動脈楔入圧PVAD percutaneous left ventricular assist device経皮的左室補助装置RAP right atrial pressure右房圧RASS Richmond agitation-sedation scoreリッチモンド不穏(興奮) - 鎮静スケールRCT randomized controlled trialランダム化比較試験ROSC return of spontaneous circulation心拍再開RVAD right ventricular assist device右室補助人工心臓RVSWI right ventricular stroke work index右室拍出係数

SCAI Society for Cardiovascular Angiography and Interventions米国心血管インターベンション学会SV stroke volume一回拍出量TAPSE tricuspid annular plane systolic excursion三尖弁輪収縮期移動距離VAD ventricular assist device補助人工心臓
p.6
はじめに

重症心不全に対する治療手段として機械的循環補助(mechanical circulatory support: MCS)は大きな役割を占めており,その治療成績はデバイスと管理技術の進歩により向上しつつある.特に,経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support: PCPS)・体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)は,近年の新規デバイスの臨床導入と適応や管理における知見の蓄積によって,対象とする病態を拡げつつ救命率の向上に寄与している.また,2017 年10 月よりわが国で臨床使用が開始された循環補助用心内留置型ポンプカテーテル(2022年の現状ではわが国で使用可能なデバイスはIMPELLAのみであるため,以後,本文内ではIMPELLA と表記することとする.)は,低侵襲で緊急導入可能なデバイスでありながら多くの治療効果を発揮し,従来の重症心不全治療戦略に大きな変革をもたらしつつある.

これらのデバイスは多くの施設で導入されており,日常診療においても多くの症例に用いられるようになってきた.しかしながら,その適応や管理方法,デバイス選択についてはいまだエビデンスの構築が十分とは言えない状況で,各医師・各施設において経験を蓄積しながら治療を進めているのが現状である.わが国ではかかる状況を打破すべく不断の努力がなされており,IMPELLA におけるレジストリデータを用いた治療成績の解析1)など新しい知見が集積されつつある.

重症心不全に対するMCS に関しては,わが国における植込型補助人工心臓(ventricular assist device: VAD)治療に対して適正使用ならびに治療の標準化を確立し,欧米と

同等以上の治療の恩恵を生み出すことを目的として2013年に「重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン」2)が発表された.心不全治療全体の中でのMCS の位置づけについても2018 年に発表された「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版)」3)にて言及されている.さらに,2021 年には新規デバイスや長期在宅補助人工心臓治療(destination therapy: DT)等の適応拡大にも対応すべく最新の知見を包含した「2021 年改訂版 重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン」4)が発表された.

本フォーカスアップデートは,重症心不全に対するMCS治療のなかでも特にPCPS・ECMO・IMPELLA の適正使用と安全な管理を目指して,これに求められる指針を提供することを主たる目的としている.いまだこの領域のわが国での知見の多くは各施設の比較的少数例の分析に基づかざるを得ないのが現状である.そこで本フォーカスアップデートでは推奨クラスやエビデンスレベルを無理に記載することはせず,あくまでエキスパートコンセンサスとして提示することとする.しかしながら,本フォーカスアップデートを軸としてわが国のPCPS・ECMO・IMPELLA 治療の標準化が進み,本治療に関わる医師,看護師,臨床工学技士をはじめとする多職種の関係者の指針となり大いに利用され,今後も継続的に改訂されることを強く希望するものである.
p.7
第1章 PCPS,ECMO,IMPELLAの適応

1 適応疾患と病態

あらゆる内科的治療抵抗性の心原性ショック,難治性不整脈,および急性広範型肺血栓塞栓症などが適応となり得る.IMPELLA とV-A ECMO は補助メカニズムやデバイス装着のアプローチ方法が異なるため,その特性を理解し,病態に応じて単独使用あるいは併用を考慮する.なお,デバイス選択については,後述する本章8. 治療デバイスの選択を参照されたい.わが国におけるV-A ECMO の成績として,5,263 症例のDPC データの解析が報告されており, 64.4% が離脱可能であったが,その後の院内死亡率は37.9% と高率であったことが示されている5).また,わが国におけるIMPELLA に関するレジストリ事業であるJ-PVAD(Japanese registry for Percutaneous Ventricular Assist Device)からは,IMPELLA 導入後823 症例の初期成績が報告され,IMPELLA 単独補助例およびECPELLA (V-A ECMO とIMPELLA の併用療法)補助例の30 日生存率はそれぞれ81.1%,49.6% であった1).

1.1 急性心筋梗塞(AMI)による 心原性ショック

近年までは大動脈内バルーンパンピング(intra-aortic balloon pumping: IABP)が推奨クラスI の適応とされ広く用いられてきた.虚血心筋保護作用と循環補助効果のいずれも他の補助循環手段に比較すると効果は少ないものの,導入が比較的容易で迅速に行え,多くの施設で使用可能であるという点で優れている.IABP の予後改善効果についてのランダム化比較試験(randomized controlled trial: RCT)であるIABP-SHOCK II 試験で30 日死亡がIABP群で39.7%,コントロール群で41.3% と予後改善効果が認められなかったことと6),心筋梗塞サイズの縮小につながらない7)とのデータも示されたことで,現在では欧米のガイドライン8, 9),わが国のガイドライン10)でIABP をルーチンで使用することは推奨されなくなった.いまだ多く使用

される補助循環手段ではあるものの,欧米での使用頻度は低下傾向にあり,その分V-A ECMO やIMPELLA の使用頻度が上昇傾向にある11).ただし,V-A ECMO / IMPELLA についても,現在欧州のガイドラインでは個別の推奨はなく,病態や患者背景を考慮して機械的循環補助(mechanical circulatory support: MCS)の使用を検討する(推奨クラスIIb)という扱いである12).

V-A ECMO は,虚血性心疾患の治療という視点では,左室の後負荷を増大することから心機能回復には不利に働く場合がある.

わが国でのV-A ECMO の使用状況については,PCPS研究会のデータ13)では2013 ~2015 年に使用された全7,697 例のうち321 例がsupported PCI(percutaneous coronary intervention)に使用され,3,298 例が病態の内訳は不明だが急性心不全に使用された.急性心筋梗塞(acute myocardial infarction: AMI)による致死性不整脈等による心停止に対してもV-A ECMO は使用されるため,厳格なRCT の実施は困難で,欧米での使用率が高くないこともあり,心筋梗塞に伴う心原性ショックに対するデータは乏しい.

症例数が少なく評価は限定的ではあるが,メタアナリシス14)で急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)に伴う心原性ショックに対してV-A ECMO 使用群58 例とIABP 群37 例を比較したところ,30 日死亡率はV-A ECMO 使用群で33%(95%CI 14 ~52%)優れていたと報告されている.

一方で,メタアナリシスで,心原性ショックに対してV-A ECMO を導入された患者に比べてIABP もしくはIMPELLA,外科的ベントの挿入が行われた症例の方が短期予後が良好であったと報告されている15).

IMPELLA は冠血流を増加させ心筋循環を改善するため,AMI による心原性ショックに対する効果が期待されている.日本におけるIMPELLA の使用は一般社団法人補助人工心臓治療関連学会協議会(VAD 協議会)のインペラ部会が定めた「IMPELLA 適正使用指針」16)にしたがって施行されることとなっており,日本のレジストリである
p.8
J-PVAD registry の報告1)では2017 ~2020 年の間に823例にIMPELLA が使用されているが,そのうちの44.8%が心筋梗塞に伴う心原性ショックであり,最もこのデバイスが用いられる病態である.また,同レジストリから得られた,IMPELLA を用いて治療された心筋梗塞に伴う心原性ショック症例593 例の報告では,30 日生存率がIMPELLA 単独補助例では80.9% であり,ECMO 併用症例でも45.7% であった17).

しかし,血行動態のパラメーターを改善するデータ(平均血圧の上昇や乳酸値の低下など)は得られているものの,結果としての生存率に関してはいまだIABP に対する優越性は証明されておらず,むしろ出血の合併症が多いと報告されている18).ただし,これらはいずれも症例数の少ない臨床試験のデータであり,質の高いRCT は存在せず,日本より広く使用されている欧米のガイドラインでも具体的な推奨はない.

補助循環についてのRCT の実施が難しいことを背景として,心原性ショックに対するプロトコルを作成して,それに基づいた治療を行って成績を評価する試みがされている.血行再建前のIMPELLA 導入を含むプロトコルに従った治療を行うことにより,急性心筋梗塞に伴う心原性ショックの院内死亡はこれまでの報告では50% を超えていた19)が28% まで大きく低下した20).

IMPELLA については,冠動脈疾患のさまざまな状況で活用が進んでいる.IMPELLA assisted coronary bypass surgery 21)は症例報告ベースではあるが行われている.

また,待機的なhigh-risk PCI について欧米でIMPELLA の使用(IMPELLA assisted PCI)が適応であり,低心機能/ 複雑病変の患者に対してより完全な血行再建が行えることで,成績が改善したデータが報告されている22).

動物実験でunloading による心筋梗塞サイズの縮小が得られたという知見23)から,米国では,心原性ショックを伴わないSTEMI(ST 上昇型心筋梗塞)に対して再灌流前のIMPELLA 補助の有効性を検証する臨床研究(STEMI- DTU trial)が進行中24, 25)で,結果次第では,今後STEMIの治療のゴールドスタンダードが変わる可能性がある.

AMI によるショックには,虚血によるポンプ機能不全だけでなく,乳頭筋断裂による急性僧帽弁閉鎖不全や心室中隔穿孔などの機械的合併症がある.機械的合併症についてはPCI による速やかな血行再建の普及により発生率が減少し,AMI の約0.25% と報告されているが26),補助循環が必要なショックを呈することも少なくない.機械的合併症による心原性ショック患者に対するIABP 使用は推奨クラスI,機械的合併症による進行性循環不全に対する手術までの循環維持目的のV-A ECMO の使用は推奨クラスIIbとなっている.心室中隔穿孔に関しては手術治療が基本的

な治療方針であるが,院内死亡率はなお高く,手術の至適時期のコンセンサスは得られていない9).しかし,V-A ECMO/IMPELLA など補助循環により血行動態を維持して待機的に手術を検討するbridge to surgery のストラテジーも試みられている27).

以上の現状を踏まえると,血行動態が不安定でIABP では対応できない場合には,まずV-A ECMO / IMPELLAを導入し,循環の安定を図ることが重要である.

1.2 劇症型心筋炎

劇症型心筋炎では病状が急激に進行することがあり,ポンプ失調や致死的不整脈(心静止を含む)にV-A ECMOやIMPELLA を用いて速やかに対応することが救命率の向上につながる.J-PVAD の2021 年12 月末までの年次報告では,これまで265 例にIMPELLA が使用されている.うち108 例はIMPELLA 単独,157 例はECPELLA での補助を要し,それぞれ78.7%,64.1% が生存退院したと報告されている28).心筋炎極期を乗り切れば自然軽快し,その予後は良好とされてきたが29),最近のわが国からの報告では,心機能が回復しない症例も一定数含まれることがわかっており,より長期的なMCS への切り替えも念頭に管理していく必要がある30, 31).

1.3 慢性重症心不全の急性増悪

慢性重症心不全の急性増悪においては,自己心機能回復に向けた非薬物療法(PCI / CABG,弁膜症への介入,アブレーション,MitraClip など)を施行するための循環補助としてV-A ECMO やIMPELLA が使用されることがある32, 33).また,心臓移植適応やDT 適応取得済み,あるいは評価がほぼ済んでおり,取得見込みの患者の慢性心不全急性増悪に対しては,V-A ECMO やIMPELLA を使用して臓器障害を防ぎつつ,右心機能・呼吸機能等を評価したうえで,VAD への移行手術を行うことがある34).心臓移植適応やDT 適応の評価がなされていない症例に対しては,これまで中長期的補助が可能な体外設置型VAD が使用されることが多かったが,より低侵襲で中長期補助が可能なIMPELLA 5.5 の導入により,今後はIMPELLA 5.5補助下に適応判定を進める症例の増加が予想される35, 36).

1.4 開心術後心原性ショック

開心術後,心機能低下により人工心肺から離脱不能とな
p.9
る,あるいは離脱可能であったものの,術後低心拍出状態が内科的治療で改善せず,ショックに至る病態である.術前からの低心機能,術中の不適切な心筋保護,長時間心停止などが原因となる.左心不全・右心不全・呼吸不全の有無を評価し,病態に応じてV-A ECMO やIMPELLA の適応が考慮される.まとまった報告は少ないが,V-A ECMO (± IABP)を使用した場合も救命率は30% 程度に留まる37). V-A ECMO だけでは左室減圧ができないという問題があり,IMPELLA を併用することで治療成績が改善する可能性がある38).術前の評価から術後低心拍出に陥るリスクの高い症例に対しては,IMPELLA 補助下に人工心肺離脱を行い,そのまま術後管理にも使用する方法も報告されており,有効性の評価が待たれる39).

1.5 難治性不整脈

院外心停止例において心拍再開(return of spontaneous circulation: ROSC)できない心室頻拍(VT),心室細動(VF)の生命予後,神経学的予後は不良である.低心機能例や心不全例において,頻脈性不整脈の発生は上室性,心室性は問わず急性増悪の誘因となり,予後規定因子となる.不整脈に関連するMCS の主な適応として,下記があげられる.

1.5.1 停止できない,ないし繰り返す心室頻拍・ 心室細動(VT/VF)

初期波形がVT/VF の院外心停止例において,通常の心肺蘇生(CPR)でVT/VF が停止しない場合は予後不良である.救急治療における標準的CPR が無効なVF 例において,V-A ECMO を併用した群が生存率,神経学的予後が良好であったことが示されている40–42).

24 時間以内に3 回以上のVT/VF を認めるものをelectrical storm(ES)と呼ぶ.ES の背景として,心筋虚血,心不全(左室拡張末期圧[left ventricular end-diastolic pressure : LVEDP]の上昇),電解質異常がある.これらの誘因を可能な限り補正し,アミオダロンを含め抗不整脈薬が奏効しない場合,MCS の適応と判断される.ES 状態になった場合,その離脱のためにMCS のバックアップでのカテーテルアブレーションの有効性が報告されている43).

1.5.2 心室頻拍・心室細動のカテーテルアブレーション のための予防的使用

VT/VF 時には血行動態が破綻し,そのメカニズム,起源を特定することは困難である.MCS バックアップ下で頻拍中にマッピングを行い,至適治療部位が同定できれば,治療成績が向上できる可能性がある.

また,アブレーション中に血行動態が悪化しMCS を要するリスクも存在する.

VT に伴い血行動態が破綻し,MCS を導入したが離脱困難であった21 例を対象に,MCS 挿入下でアブレーションを施行した検討では81% でMCS の離脱に成功した一方,29% が経過中に死亡した44).また,MCS(IMPELLA/ Tandem heart/ECMO)を使用された群では(されなかった群と比較して)アブレーションの急性期成功率は良好であったが,長期的なVT 再発率は変わらないとする報告もある45).

1.5.3 不整脈治療手技(カテーテルアブレーション ないし植込み型心臓電気デバイス[CIEDs])中に 発生した合併症管理

心房細動アブレーションにおいては1% で心タンポナーデが発生し,手術までの血行動態の維持にMCS が必要になる場合がある.

1.5.4 抗不整脈薬使用による心原性ショック

I 群抗不整脈薬はNa チャネル遮断による陰性変力作用のため,過剰投与によるうっ血性心不全,徐脈の発生の可能性がある.フレカイニド46),シベンゾリン47)の過剰投与により心原性ショックに至った例において薬剤の効果が減弱するまでの間,MCS による血行動態維持の有効性が報告されている.Brugada 症候群ではその診断のためにI 群抗不整脈投与が行われるが,I 群薬投与によりVF が発生,停止困難となりMCS 導入が必要であった例も報告されている48).

1.6 急性広範型肺血栓塞栓症

急性広範型肺血栓塞栓症は,おもに下肢や骨盤内の静脈で形成された血栓が塞栓子として肺動脈を広範に閉塞することで生じ,最重症例では心停止やショックに陥る.内科的治療でも低酸素血症や低血圧が進行し,呼吸循環不全が安定化しない場合は,V-A ECMO による補助を行い,血栓溶解療法や外科的あるいはカテーテル的血栓摘除への橋渡しとする場合がある49).欧米からの報告では死亡率はV-A ECMO 補助下でも25 ~65% と高いが50, 51),V-A ECMO が治療成績向上のために安全かつ有効であるとの報告は多い52, 53).
p.10
1.7 その他(薬物中毒,偶発性低体温症, 敗血症)

内科的治療抵抗性の薬物中毒によるショック,心肺停止もV-A ECMO の適応となり得る.可逆的障害であることが多く,遅滞なくV-A ECMO を導入することで救命の可能性は上がる54).偶発性低体温症による心肺停止では, V-A ECMO を用いた復温が有効とされている55).敗血症性ショックに対するV-A ECMO の適応はいまだ確立されたものではないが56),敗血症誘発性心筋障害による心原性ショックに対しては,V-A ECMO の使用で生存率が向上すると報告されている57).

2 血行動態評価

V-A ECMO,IMPELLA の適応は心原性ショックであり,心原性ショック状態にある,または前段階にある血行動態か否かの評価が必要である.心原性ショックは,適切な強心薬,血管作動薬などによる循環補助を行っても血行動態の異常と乳酸値上昇などの代謝異常,組織の低灌流の所見を認める状態であり,統一された詳細な定義はないが58–61),血行動態の異常としては,30 分以上にわたる収縮期血圧90 mmHg 未満または基礎値より30 mmHg 以上の低下と心係数2.2 L/分/m 2 未満(循環補助がない場合は1.8 L/分/m 2 未満)が臨床試験でよく用いられる62, 63).しかし,血圧は血管収縮反射により保たれている場合があること64),組織低灌流をきたす心係数はAMI によるものか慢性心不全の増悪によるものかという病因や感染などの修飾因子によって異なること61),慢性心不全では乳酸値と血行動態が乖離する場合があること65)などから,これらの数値は絶対的なものではなく,臓器の低灌流所見とあわせて評価することが必要である58, 61, 64).心原性ショックにおける右心カテーテル検査について,ルーチンでの使用や最適な時期,それに基づく治療選択などを検討した無作為化試験はないが60),心原性ショックは多様な表現型を呈し,容易に状態が悪化し,MCS 下でも重篤化するにつれて予後不良となるため65–67),心原性ショックを疑う症例や劇症型心筋炎などの進行性に心機能低下が予測される症例などでは,早い段階から右心カテーテルを含めた血行動態の評価を行い,MCS の適応を検討する.LVEDP,心係数,末梢血管抵抗,右房圧(right atrial pressure: RAP)などの血行動態指標は,血管拡張性ショックなど非心原性ショックとの鑑別61)や,左室負荷を軽減するIMPELLA や左室ベン

トなどの治療選択において有用であり68),心原性ショックを呈するAMI ではスワンガンツカテーテルを用いた管理の有無がその予後と関連することが報告されており69),血行動態の評価はMCS の導入から管理まで経時的に行う.

心エコー図検査では,一回拍出量(stroke volume: SV),左房圧上昇の有無,中心静脈圧(central venous pressure: CVP)が推定できる.SV は,パルスドプラ法による左室流出路(left ventricular outflow tract: LVOT)血流速波形の時間速度積分値と左室流出路径を用いて算出する70).これに心拍数を乗じると心拍出量が求められる.MCS の適応となり得る収縮不全心では,左室流入血流速波形のE/Aが2.0 以上の場合には左房圧が高度に上昇した拘束型拡張障害と診断し,反対にE 波が50 cm/s 以下でE/A が0.8以下の場合には左房圧上昇なしと診断する71).これらにあてはまらない場合,E/e',三尖弁逆流最大速度,左房容積係数を用いて左房圧上昇の有無を診断するが71),MCS 適応を検討するうえでは細かな拡張機能評価よりもSV のような前方拍出の大小に重きを置くべきと考えられる.CVPは,下大静脈の径と呼吸性変動から推定する.下大静脈の径が21 mm よりも大きく,sniffing(鼻すすり)による径の縮小率が50% 以下の場合にCVP の高度上昇(15 mmHg)と診断する72).ただし,すでに人工呼吸管理による陽圧換気が行われている症例では,下大静脈径の拡大はCVP の上昇を正確に予測できないことに注意が必要である.

3 左心機能評価

左心機能の評価としては,LVEDP,肺動脈楔入圧(pulmonary artery wedge pressure: PAWP),心拍出量と平均血圧から計算されるcardiac power output(CPO) 61, 72) などの血行動態指標や左室駆出率(left ventricular ejection Fraction:LVEF)が用いられる.安静臥位のLVEDP の正常値は5 ~13 mmHg で58),15 mmHg 以上を有意な上昇とすることが多い58, 59, 72).LVEF は,AMI を対象にした臨床試験においては,30% 未満または35% 未満が組み入れ基準として用いられることが多く70),低値なほど予後不良と報告されているが71),適応の判断につながる明確なカットオフ値はない.また,劇症型心筋炎のように経時的に変化する症例では,ショックの前段階や初期を含めて経時的な評価を行う.

心エコー図検査では左室収縮機能指標としてLVEF が用いられる.MCS の適応となり得る疾患の多くは高度の
p.11
収縮障害があるため,LVEF はきわめて低値をとる.しかし,MCS を要する代表的病態である劇症型心筋炎などの心筋浮腫を呈する病態では,左室拡張末期容積の拡大を伴わず,一回拍出量が高度に低下していてもLVEF がさほど低値をとらない場合がある.また,僧帽弁腱索断裂による急性僧帽弁逆流では,前方拍出の低下にもかかわらず左室は過収縮となり,LVEF は低下しない.これらのように, LVEF は必ずしも心拍出量を正しく反映するわけではないが,その簡便性と再現性の良さから広く用いられている.また,LVEF はMCS からの離脱のための参考指標としても用いられる.

LVEF の計測には,心尖部四腔像と二腔像の2 断面から心内膜面をトレースして容積を求めるディスク加算法が推奨されるが,MCS 適応を検討する際に,簡便にLVEF を求める場合には,傍胸骨左室長軸像の左室径からTeichholz 法の使用も許容される.心室瘤を呈する例など,左室形態が回転楕円体である仮定から外れる症例にはディスク加算法は適用できず,3 次元データを用いたLVEF 計測が推奨される73).

カラードプラ法により大動脈弁逆流(aortic insufficiency: AI)を観察し,中等度以上のAI が疑われる場合には,定性・半定量・定量評価により重症度評価を行う.重症度の判定の詳細については,「2020 年改訂版 弁膜症治療のガイドライン」74)を参照されたい.中等度以上のAI は,IABP,V-A ECMO,IMPELLA の使用が困難となる.IMPELLA ではデバイスが大動脈弁を通過するため,高度大動脈弁狭窄例には使用できず,大動脈弁狭窄の有無についても評価が必要になる.その他,左室内血栓,左室内腔の狭小化や僧帽弁下部異常組織など,IMPELLAの左室内挿入に際して障害となる病態の有無も併せて判定する.心タンポナーデなど,治療によりMCS が回避できる可逆性の病態の検出も心エコー図検査により行う必要がある.

CT(computed tomography),MRI(magnetic resonance imaging)および核医学検査などの画像検査は,患者搬送に伴うリスクや時間的猶予を鑑みて,血行動態が不安定であれば施行が困難である.しかし,補助循環の適応を考慮する上で,一時的なMCS 使用により心機能の回復が期待できるかどうか,急性心筋炎などの急性疾患と拡張型心筋症や虚血性心筋症による慢性心不全の増悪を鑑別することは,適応やその後の治療において一定の意義がある.心筋バイアビリティの評価は,核医学検査では心筋SPECT (single photon emission computed tomography)あるいはPET(positron emission tomography)により可能である75, 76).また,心臓MRI では,遅延造影(late gadolinium enhancement: LGE)がviability 評価に用いられる77).CT

においても,MRI でのガドリニウム遅延造影と同様の機序によるヨード造影後期相での心筋造影効果や,造影早期創での造影不良などによる評価が報告されている78, 79).MRIに比べてコントラスト分解能に限界があり,現状では心筋炎における使用は限定的である.

4 右心機能評価

右心機能障害は,右心不全によるうっ血に伴う臓器障害と左室への還流量の低下による左室からの心拍出低下を起こすため,適応およびデバイス選択の検討において必要な評価項目である.ショック時の右心機能障害の指標としては,CVP 上昇59, 60, 72),肺動脈拍動性指数(pulmonary artery pulsatility index: PAPi)低下59, 60, 72),CVP/PAWP比上昇59–61)などが用いられるが,病態や報告により異なり,明確なカットオフ値は確立されていないため複合的に評価する59).

心エコー図検査では,右室は複雑な形態をしているため断層法による容積計測は困難であり,断層法による右室内径の計測は複数の部位で行うことが推奨されている73).右室収縮機能指標として代表的なものには,三尖弁輪収縮期移動距離(tricuspid annular plane systolic excursion: TAPSE),右室自由壁の収縮期最大運動速度(RV s'),右室面積変化率(fractional area change: FAC)がある. TAPSE は17 mm 未満,RV s' は9.5 cm/s 未満,FAC は35% 未満が異常値とされている70).

5 冠動脈評価

V-A ECMO あるいはIMPELLA を使用する必要がある心原性ショックにおいて最も多い病態はACS である.他に心筋炎や心筋症,不整脈が病態としてあげられるが,その場合でも冠動脈疾患の除外が必要である.病態がACSであった場合,早急な血行再建が予後を左右するため冠動脈評価はなるべく迅速に行った方が良い.血行動態によるところが大きいが,早急に補助循環を要する場合はカテーテル検査室で冠動脈造影検査を行うが,近年では, IMPELLA 5.5 を鎖骨下動脈に留置する場合,鎖骨下動脈の血管径の情報が必要であり,心臓CT を撮像する場合もある.血行動態に応じて冠動脈評価前後に補助循環が導入
p.12
される.

6 全身状態評価

V-A ECMO,IMPELLA などの補助循環治療を検討する状況下において,患者の循環動態は不安定または破綻しており,循環動態の管理とともに,全身管理も同時に行う必要がある.具体的には,循環不全による腎機能障害,肝機能障害,呼吸機能障害,脳機能障害等に対する対応である.心原性ショック患者の死亡の原因として,多臓器不全が原因となることも少なくない61, 80).米国心血管インターベンション学会(SCAI)の心原性ショックの重症度分類(図1) 81, 82)に基づく死亡率は,経時的に病態が悪化する状況

(Stage D, E)できわめて高いことが報告されている(院内死亡:Stage D 40.4%,Stage E 67.0%) 81, 83).また,心原性ショックの死亡率は,低血圧所見より低灌流所見を認める方が有意に高値であるため84),血圧維持だけでなく,組織低灌流の評価とそれに対する介入が必要である.重症例では分単位,時間単位で病態が悪化するため,カテコラミン,補助循環デバイスの速やかな導入と,動脈圧モニタリングに加えて右心カテーテル検査による血行動態評価,血液検査にて腎機能,肝機能,乳酸値,凝固系の測定を行い,改善できる病態については適宜是正していくことがきわめて重要である.特に,乳酸値は循環不全に鋭敏な指標であるため,予後予測,治療効果判定に有用である83, 84).

図1 米国心血管インターベンション学会(SCAI)の心原性ショックにおけるステージ分類と全身状態の関係(Baran DA, et al, 2019

81), Chioncel O, et al. 2020 82) を参考に作図) ECMO:体外式膜型人工肺

Stage A Stage B Stage C Stage D Stage E

IMPELLA 5.5 IMPELLA CP

V-A ECMO IMPELLA + V-A ECMO

心原性ショック(低血圧と低灌流)

治療の反応に乏しく病態悪化

低血圧/頻脈

低灌流

多臓器不全(肺,腎臓,肝臓,脳など)

院内死亡率

機械的循環補助

心原性ショックの危険性がある状態(急性心筋梗塞/慢性心不全の急性増悪例を含む)低灌流所見を認めないものの,血圧または頻脈を認める状態治療介入(強心薬,昇圧薬,機械的補助循環)を要する低灌流所見を有するステージC と同様だが初期治療への反応に乏しく病態が悪化している状態心肺蘇生処置やECMOを含む種々の循環補助を要する循環虚脱・心停止状態
p.13
6.1 腎機能障害

心原性ショックにおいて,血行動態が破綻すると腎機能が急激に悪化することがある85, 86).心原性ショックにおける腎機能障害は,おもに低灌流もしくは腎うっ血により生じ,一過性かつ可逆的な場合から不可逆的な状態に移行する場合がある.

腎機能障害を認めた場合,原因が腎前性,腎性,腎後性のいずれの障害なのかを評価し,腎機能障害が血行動態に依存しない原因である場合は,病態に応じた適切な対応が必要である.また,その鑑別には腎エコー(腎動脈エコーを含む)が有用である.

急性期に腎機能障害を認めた場合,既存の慢性腎臓病があるのか,今回のイベントで腎機能の悪化を認めたのか,その後の治療介入のためにも腎機能悪化の経過を整理する必要がある.腎機能悪化の原因として,ヨード造影剤の影響(造影剤誘発腎症),コレステロール塞栓,新規導入薬剤の影響,MCS デバイス関連の溶血などを鑑別にあげる必要がある87).

右心不全が顕著になると,低灌流に加えてCVP が上昇し,腎うっ血により乏尿,無尿になる.利尿薬や強心薬(ドパミン,ドブタミン)の投与,IMPELLA による循環補助(左心補助)によっても血行動態が改善しない右心不全の場合(CVP が15 mmHg を超える)は,機械的な右心補助が必要と判断し,V-A ECMO(PCPS)の導入を検討する.

補助循環による血行動態改善後も十分な利尿が得られない場合は,腎代替療法を導入する必要がある.

6.2 肝機能障害

心原性ショックにおける肝機能障害は,循環不全によって起こる低灌流による肝虚血と肝うっ血によるものである.重度の循環不全によって急性に著しい肝機能障害(ショック肝,低酸素性肝炎,虚血性肝炎とも呼ぶ)をきたすことがあり88),同時に凝固異常を合併することが報告されている.循環不全による急性肝不全は病理学的に小葉中心性の肝細胞壊死と出血が主体であり,慢性期には線維化すると考えられる89).血液検査上は急性期にアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase: AST)優位のアミノトランスフェラーゼ, LDH(lactate dehydrogenase)の上昇,プロトロンビン時間の延長を認める.間接ビリルビンは数日後に上昇し,心不全が遷延すると高値が持続する.一方で,循環不全が改善することによって,1 ~2 週間程度でアミノトランスフェラーゼは徐々に低下していく.IABP-SHOCK II 試験のサブ解析では低酸素性肝炎を合併した際の30 日死亡率は非

合併例と比較し高いことが報告されている(68% vs 34%; P <0.001) 90).また,AST,血清乳酸値,血清クレアチニン(Cr)値は30 日死亡の独立因子であった.肝うっ血はCVP 高値の右心不全合併例でみられ,血清学的に直接ビリルビン,γGTP,ALP の上昇を認める82).

AMI では心筋逸脱酵素としてCK(CK-MB)とともにAST,LDH の有意な上昇を認めるが,ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の上昇を同時に認める場合は急性肝障害の合併を考慮すべきである.さらに急性期の肝機能障害の原因として薬剤性も考慮すべきである.AMI における初期治療において,抗血小板薬を含め新規薬剤の導入が行われることが多いため,肝機能障害の原因として薬剤性は常に鑑別としてあげておく必要がある.

6.3 呼吸機能障害

心原性ショックでは,左心不全による左房圧上昇,肺毛細管圧上昇による肺うっ血を認める91).酸素化が保てなくなった場合は酸素投与を行うが,酸素化が不十分なケースでは非侵襲的陽圧換気療法(NPPV),気管挿管による人工呼吸器管理を要する92).NPPV でも十分な酸素化が得られない場合以外にも,意識レベルの低下や喀痰排出が不十分な症例では気管挿管による人工呼吸器管理が適切である.「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版)」2)に詳細に記載されており,参照されたい.

6.4 脳機能障害

急性循環不全により意識障害を生じることがあり,その多くは脳循環不全によるものであるため,速やかに強心薬の投与やMCS 導入を行う必要がある80).また,急性期に頭痛,嘔吐,運動麻痺,意識レベルの低下など脳血管障害を疑う所見を認めた場合は,頭部CT による画像診断も必要となる.脳循環が改善せず,酸素供給が十分でない場合は,不可逆的な低酸素脳症に至ることがある.補助循環治療前に脳梗塞,脳出血を認める場合は,補助循環治療の適応を十分に検討する必要がある.

AMI に対してカテーテル治療による血行再建術が行われる際には,抗血小板薬に加えて抗凝固薬(ヘパリン)が使用され,MCS デバイス管理中は抗凝固薬による血栓症のマネージメントが必要であるため,血液検査によるモニタリングで出血リスクを最低限に抑制する必要がある.脳卒中を発症した場合の対応は,第3 章3.4 脳卒中,消化管出血への対応に後述する.
p.14
6.5 凝固能異常

循環不全時の臓器不全は多臓器に及ぶことが多く,凝固系においても血小板減少,FDP(fibrin degradation product)上昇,D ダイマー上昇,フィブリノーゲン低下,プロトロンビン時間延長などの異常を認めることがあり,速やかな治療介入を行う必要がある93, 94).前述の通り,重度の肝機能障害時には凝固異常をきたすことがあり,救命のためには包括的な全身管理が必要になる.全身状態の改善がなければ,播種性血管内凝固症候群(DIC)に進展することがある.DIC はショックを含むさまざまな状況下において全身性の著しい凝固活性化を来たし,細小血管内に微小血栓が多発し,臓器障害および出血症状を認める. MCS が装着された症例では,血小板減少低下や凝固因子の喪失(von Willebrand 因子マルチマーの破壊を含む)によって凝固能の異常をきたすことがある.凝固能の異常をきたした症例ではデバイス挿入部などからの出血リスクが高く,凝固異常のマネージメントはきわめて重要である.一方で,心原性ショックを伴う循環不全状態における凝固異常の病態は完全には解明されておらず,今後のさらなる研究が必要な分野である.

6.6 血管評価

V-A ECMO は右房脱血(大腿静脈穿刺),大腿動脈送血を基本とする.V-A ECMO は循環サポートの観点からは流量がカニューラサイズに依存するため,体格の大きな症例においては,可能であれば十分な循環補助のため,太いサイズを選択する必要があり,血管径を含めた血管性状の評価が重要である.また,IMPELLA CP,IMPELLA 5.5はポンプ径がそれぞれ14 Fr(5.05 mm),21 Fr(6.74 mm)であり,V-A ECMO 同様にアプローチとなる動脈の血管径の評価は重要である.

血管の評価法としては,エコー,造影CT,MRA (magnetic resonance angiography),血管造影があげられるが,緊急性が高い大腿動脈アプローチの症例においては,できる限りエコーでの評価を行う.エコーで穿刺部を確認し,明らかな狭窄があるような場合は穿刺部の変更を検討する.IMPELLA 留置に関しては,アクセス血管の高度狭窄や蛇行によりデバイスの挿入が困難となる場合があるため,IMPELLA 留置前にpigtail カテーテル等での血管造影を考慮する.血管蛇行が高度な場合はロングシースを用いたIMPELLA の挿入も検討する.V-A ECMO, IMPELLA 留置によって下肢阻血になる可能性もあり,後述の通り必要に応じて下肢灌流を保つことが推奨される.

7 社会的評価(ACP も含めて)

本項は「2021 年改訂版 循環器疾患における緩和ケアについての提言」95)を踏まえたものである.

心原性ショックに対して,補助循環導入による救命が重要である一方で,患者,家人の考えを尊重することもまた重要である.AMI や劇症型心筋炎のような,発症予測が困難な疾患罹患者において,事前に十分な意思表明がなされていることはいまだ少数である.すでに心疾患(拡張型心筋症や虚血性心筋症などStage D の心不全状態)と診断され,入退院を繰り返しているような症例ではアドバンス・ケア・プランニング(advance care planning: ACP)が取り行われていることもあり,なかには患者自身が自分の意思を表明できるうちにあらかじめ事前指示書を記載して,患者,家族,かかりつけ医がそれを共有している場合もある.施設間に差はあるが,事前指示書には,人工呼吸器の装着希望の有無,血液透析希望の有無,補助循環導入希望の有無,さらに代理意思決定者などが記載されている.補助循環を導入するプロセスにおいては,一分一秒を争う場面も多いが,可能な限り十分な時間をとって患者,家人の意思を確認するのが望ましい.ただし,ACP はあくまでプロセスであることを念頭に置き,過去の意思表明を短絡的に踏襲してはならない.仮に,以前は補助循環導入を希望されていなかったケースにおいても,実際に病状が悪化し死期が迫ると,患者や家族の気持ちが揺れ動くことはよく経験される.可能な限り,複数科の医師,多職種でのカンファレンスを行い,患者本人ならびに家人に対して十分な説明を取り行うのが望ましい.

8 治療デバイスの選択

心原性ショックにおける治療デバイスは,ショックによる臓器障害の重症度,左心機能障害および右心機能障害の程度,デバイス補助開始までの時間,デバイス挿入のアプローチ(経皮的か開胸か)および循環補助を要する期間により選択され59, 96),各施設からIMPELLA 導入に際してのフローチャートが報告されている97).

古典的な心原性ショックの兆候・検査所見としては,低血圧(収縮期血圧<90 mmHg,平均血圧<60 mmHg,
p.15
ベースラインからの30 mmHg 以上の血圧低下,血圧維持のため静注強心薬を要する),低灌流所見(末梢冷感, 尿量減少<30 mL/ 時,乳酸値≧2 mmol/L,血清Cr 値の2 倍以上の上昇,肝機能異常,血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide: BNP)値の上昇,心係数<2.2 L/分/m 2,PAWP >15 mmHg,CPO <0.6 など)が報告されている81, 83).ショックが進行すると静注強心薬の増量またはMCS が必要となる(図2,3).「2021年JCS/JHFSガイドラインフォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療」では,静注強心薬の投与によっても腎機能や栄養状態,うっ血兆候が悪化し,強心薬の増量を余儀なくされる状態であるINTERMACS(Interagency Registry for Mechanically Assisted Circulatory Support)/J-MACS (Japanese registry for Mechanically Assisted Circulatory Support)profile 2と,強心薬の増量やMCSを行っても血行動態の破綻と末梢循環不全を呈しているINTERMACS/

J-MACS profile 1 が循環補助用ポンプカテーテル(IMPELLA)の適応である98).ECMOもINTERMACS/ J-MACS profile 1,2 において適応となる98).各デバイス使用時のprofile の定義についてはわが国において統一することになっており,一般社団法人補助人工心臓治療関連学会協議会(VAD 協議会)から表1のように発表されている99).

米国より,心原性ショックのリスク段階から重度のショックまで,重症度を分類したSCAI shock 分類が提唱されている(図1) 81, 82).古典的な心原性ショックがStage C, Stage C の初期治療に反応せず悪化傾向にある段階がStage D,心肺蘇生を要する心停止やECMO を要する重度の心原性ショック,具体的にはpH <7.2,乳酸値≧5 mmol/L,難治性のVT/VF,無脈性電気活動(PEA)等がStage E である.Stage E はINTERMACS/J-MACS profile

図2 SCAI Shock Stage C,D における対応PCI:経皮的冠動脈インターベンション,IABP:大動脈内バルーンパンピング,LVEDP:左室拡張末期圧,CVP:中心静脈圧,GDMT:ガイドラインに基づく標準的治療,MCS :機械的循環補助,BSC:ベストサポーティブケア,SvO2:混合静脈血酸素飽和度,MAP:平均血圧,CI:心係数※ 1 SvO2 <60%,MAP < 60 mmHg,Lac ≧ 2.0 mmol/L, CI <2.2 L/min/m 2 , cardiac power output <0.6 ※ 2 右室一回仕事係数低値(< 5 g/m),右房圧/ 肺動脈楔入圧高値(>0.6),pulmonary artery pulsatility index 低値(<0.9)

臓器低灌流の持続※ 1 LVEDP 正常(<15 mmHg)臓器低灌流の持続※ 1

LVEDP 上昇(≧ 15 mmHg)

あり

Stage C,D

(PCI),静注強心薬(± IABP)

●	 持続する低血圧(収縮期血圧<90 mmHg)or ●	 収縮期血圧>90 mmHg を維持するために静注強心薬の持続点滴を要する●	 四肢冷感 ●     乏尿 ●     乳酸値の上昇(臓器低灌流所見※ 1/ 臓器障害)

静注強心薬(± IABP)離脱

ありなし

CVP 高値( ≧15 cmH2O) (PCI),IMPELLA CP/5.0/5.5 留置前負荷の適正化など

あり

右心機能低下※ 2なしIMPELLA 離脱可能GDMT

MCS アップグレードBSC

不可能

V-A ECMO 離脱可能GDMT

なし

V-A ECMO 導入

離脱

ECPELLA 離脱

V-A ECMO 導入(ECPELLA)

可能不可能MCS アップ

グレード

BSC

不可能

あり
p.16
1 に相当する.

SCAI shock 分類のStage C,D では,まず静注強心薬(± IABP)を開始する(図2).必要に応じてPCI など冠血行再建を行い,低灌流所見の持続およびLVEDP の上昇(≧15 mmHg)があればIMPELLA の適応となる.なお,僧帽弁狭窄症の合併がなければLVEDP はPAWP でも代用できる.IMPELLA 補助開始後,低灌流所見/LVEDP上昇所見の改善が得られれば,IMPELLA を離脱する. IMPELLA 挿入後も臓器低灌流所見が残存している場合,あるいは肺うっ血(PAWP 高値)が残存している場合は, IMPELLA 5.5 や体外設置型左心補助人工心臓(left ventricular assist device: LVAD)などへアップグレードすることがある.重度の低酸素血症を呈する場合,心室不整脈が頻発・持続している場合,右心不全のためIMPELLAの回転数を増加させても流量が確保できない場合,十分な流量を確保するためにIMPELLA の回転数を上げると溶血がコントロールできないなどの場合はV-A ECMO を追加(すなわちECPELLA),肺うっ血の残存および臓器低灌流所見が残存する場合はV-V ECMO の追加,cenral

ECMO へのコンバートなど,MCS をアップグレードすることがある.右心機能は,右室拍出係数(RVSWI),RAP / PAWP,PAPi を参考にして評価する.臓器低灌流所見を認めるものの,LVEDP が正常で右心機能低下を認める右心不全主体の心原性ショック例では,V-A ECMO の導入を検討する.

これら補助循環により臓器低灌流の改善が得られれば,原則的にV-A ECMO から先にウィーニングし,続いてIMPELLA を離脱する.自己心機能の回復が得られずV-A ECMO の離脱が困難な両心機能低下例は,central ECMO with LV vent ないしは体外設置型両心補助装置(biventricular assist device: BiVAD)へのコンバートなど,長期的補助が可能なMCS へのアップグレードを検討することがある.心臓移植やDT の適応検討も視野に入れて,右心機能が回復し,ECMO ないしは右室補助人工心臓(right ventricular assist device: RVAD)離脱が可能となれば体外設置型LVAD/ 植込型LVAD への移行を目指す場

図3 SCAI Shock Stage E における対応VT:心室頻拍,VF:心室細動,CAG:冠動脈造影,IABP:大動脈内バルーンパンピング,PCI:経皮的冠動脈インターベンション,LVEDP:左室拡張末期圧,CVP:中心静脈圧,MCS:機械的循環補助,BSC:ベストサポーティブケア,SvO2:混合静脈血酸素飽和度,MAP:平均血圧,CI:心係数※ 1 SvO2 <60%,MAP < 60 mmHg,Lac ≧ 2.0 mmol/L, CI <2.2 L/min/m 2 , cardiac power output <0.6 ※ 2 右室一回仕事係数低値(< 5 g/m),右房圧/ 肺動脈楔入圧高値(>0.6),pulmonary artery pulsatility index 低値(<0.9)

Stage E

前負荷の適正化など

なしあり

MCS アップグレードBSC MCS アップグレードBSC

なしあり

可能不可能

離脱MCS アップグレードBSC

V-A ECMO 離脱

右心機能低下※ 2

CVP 高値( ≧15 cmH2O) IMPELLA CP/5.0/5.5 留置,(必要に応じPCI)

なし臓器低灌流の持続

※ 1

LVEDP 正常(<15 mmHg)臓器低灌流の持続※ 1

LVEDP 上昇( ≧ 15 mmHg) V-A ECMO 離脱

あり

V-A ECMO,(CAG) +電気的除細動(必要に応じ)

静注強心薬(± IABP),(必要に応じPCI)

持続性VT/VF/ 心肺蘇生を要する心停止/ 重度の心原性ショック
p.17
合もある.

IMPELLA の離脱困難例においても,心臓移植/DT の適応(BTT[bridge to transplantation],DT,BTC[bridge to candidacy]としての植込型LVAD の適応)を検討し,長期的に左心補助が可能な開胸LVAD へのブリッジを検討することがある.

難治性VT/VF,心肺蘇生を要する心停止,重度の心原性ショックなどのSCAI shock Stage E では,まずV-A ECMO を導入する(図3).ショックの原因検索に冠動脈

造影を行い,必要に応じて冠血行再建を行う.心室性不整脈の停止,または洞調律化が得られた後も肺うっ血の増悪,大動脈弁閉鎖を認める場合はIABP,IMPELLA の併用を検討をする.ECPELLA 補助開始後も臓器低灌流所見の改善が乏しければ,LVEDP 上昇(≧15 mmHg)の有無に応じてV-A ECMO の送脱血管のサイズアップないしはカニュレーションの追加,IMPELLA のアップグレードなど

表1 循環補助使用中のNYHA 心機能分類とINTERMACS/J-MACS profile 分類のコンセンサス

治療NYHA 心機

能分類 1) INTERMACS/

J-MACS profile

静注強心薬IV 3おおむね低用量のドブタミン依存(≦3γ)で臓器障害2)・栄養障害3)

の進行なし.

IV 2臓器障害や栄養障害などの進行またはそのおそれがあり,静注強心薬の種類や用量が増加.

IABP 単独IV 2臓器障害や栄養障害が明らかでない. IABP 単独IV 1進行性の臓器障害や栄養障害などが存在する,通常ECMO を併用するため,想定されない. IABP +V-A ECMO IV 1 IMPELLA 非認定施設において,またはIMPELLA 不適応症例の場合. IMPELLA 単独IV 2臓器障害や栄養障害が明らかでない. IMPELLA 単独IV 1進行性の臓器障害や栄養障害などが存在する,しばしばECMO 併用(ECPELLA)に移行する. ECPELLA IV 1臓器障害や栄養状態にかかわらず. Peripheral V-A ECMO 単独IV 2臓器障害や栄養障害が明らかでなく,人工呼吸器を要しないリハビリ可能な状態. Peripheral V-A ECMO 単独IV 1進行性の臓器障害や栄養障害などが存在する. central ECMO (±左室ベント) IV 2臓器障害や栄養障害などが明らかでなく,人工呼吸器を要しないリハビリ可能な状態. central ECMO (±左室ベント) IV 1進行性の臓器障害や栄養障害などが存在する.体外設置型LVAD IV 3右心不全4)・臓器障害・栄養障害が明らかでなく,強心薬が不要でリハビリ可能な状態.体外設置型LVAD IV 2右心不全・臓器障害・栄養障害などにより強心薬の併用が必要,またはリハビリ不能な状態. BiVAD IV 2臓器障害・栄養障害が明らかでなく,強心薬が不要でリハビリ可能な状態. BiVAD IV 1臓器障害・栄養障害などにより強心薬の併用が必要,またはリハビリ不能な状態.植込型LVAD IV不要5) NYHA:ニューヨーク心臓協会,IABP:大動脈内バルーンパンピング,V-A ECMO:体外式膜型人工肺,LVAD:左心補助人工心臓,BiVAD:両心補助装置,TAPSE:三尖弁輪収縮期移動距離,PAPi:肺動脈拍動性指数,RVSWI:右室拍出係数1) 循環補助が必要な場合は一律NYHA 心機能分類IV 度とする. 2)  臓器障害は主として低灌流やうっ血による肺・腎・肝の機能障害を指す. 3)  栄養障害の厳密な定義は困難であるが,筋肉量・握力・アルブミン値などを参考にする. 4)  右心不全は心エコー(右室サイズ・TAPSE)や右心カテーテル(PAPi,RVSWI)などにより判断する. 5)  profile 分類は植込型LVAD 術前の評価なので植込型LVAD 術後は不要. (補助人工心臓治療関連学会協議会.2022 99) より)
p.18
のMCS アップグレードを行い,循環補助を強化することがある.ECPELLA 補助で臓器低灌流所見の改善が得られれば原則的にV-A ECMO から先に離脱し,次いでIMPELLA を離脱する.離脱困難時は前述と同様,central ECMO with LV vent ないしは体外設置型BiVAD へコンバートなどのMCS アップグレードを検討する場合がある.重症肺塞栓による心停止あるいは循環虚脱例もStage E となりV-A ECMO を挿入する.左心機能が保持されLVEDP の上昇がなければIABP やIMPELLA の追加は要さず,臓器障害および血行動態の改善が得られればV-A

ECMO を離脱する.

なお,ショックの原因(原疾患)によりSCAI shock ステージは短期間でも変化しうるため,経時的に血行動態の評価を行い,治療デバイスの選択を検討する必要がある.また,MCS アップグレードの適応およびその内容についても,血行動態や全身状態のほか,体格,血管径,血管性状などを検討すべきことは言うまでもない.

第2章 PCPS,ECMO,IMPELLAの

装着・管理

1 IABP(intra-aortic balloon pumping)

IABP は心拡張期に下行大動脈内に留置したバルーンを拡張させることで,心原性ショックなどで微小血管の循環予備能が高度に低下した状態においても冠血流を増強させることが知られている.一方,心収縮期にバルーンが急速に収縮することで後負荷が軽減され,心拍出量が増加する100, 101).こうした機序により心筋への酸素供給を増やし,需要を減らすことができるため,IABP はAMI などのACS に対しての補助循環に長年使用されてきた.IABP の使用にあたっては,大動脈弁閉鎖不全,大動脈瘤,大動脈解離,高度の粥状硬化,腸骨動脈の高度狭窄や蛇行などは使用が困難となることがあるので注意が必要である.不整脈や高度の頻脈を伴う際は補助循環の効果が減弱することがあり,著しい血圧低下を伴う場合は有効でないことがあり,心肺停止例は適応でない.また,バルーン挿入側の動脈に関しての合併症,特に下肢虚血等には注意が必要である.

次にIABP の一般的な装着・管理について述べる. 1.1 バルーンの選択と留置

体格や血管径によりカテーテル径が7 または8 Fr サイズを選択する.6 Fr サイズもあり下肢虚血が懸念される場合の選択肢となるが補助循環の効果が減弱する恐れがある.透視下にバルーン留置を適正な位置に行うことが重要であるが,腹腔動脈下にバルーンがかかると腹部分枝の虚血を生じる危険性があり注意を要する.適切なバルーン長の選択を行う.

1.2 駆動方法

IABP の補助効果を十分に得るために重要である.バルーン拡張のタイミングは大動脈弁閉鎖時と一致し,収縮のタイミングは拡張末期動脈圧が最低になるように調節する.心電図や血圧同期による駆動アルゴリズムが装置に内蔵されており,これによる自動的な駆動で使用することができる.血栓塞栓症や出血の合併を防ぐために,駆動中は適切な抗凝固療法が必要である.

1.3 離脱方法

右心カテーテル検査等による血行動態をモニタリングし,その数値を離脱基準とするのが一般的である.患者背景や
p.19
経過により個別の判断が必要であるが,心係数の上昇やPAWP の低下などが離脱の目安となる.カテコラミンの使用下に離脱を開始するのが安全である.また,不整脈が離脱の妨げとならないような状態も必要である.離脱方法は,補助比率を1:1~1:2,さらに1:3 と段階的に下げていくのが一般的である.また,バルーンの駆動ガス容量を徐々に下げていく方法もある.抜去後の刺入部動脈の止血や末梢側の虚血がないことを確認する.

2 V-A ECMO

V-A ECMO はIABP と比較して強力な循環補助作用と呼吸補助の機能を持つことに加え,右心系からの脱血により前負荷を軽減することができる.どのような血行動態であれ迅速に導入することが可能で,まずは循環を担保することができる点で優れたデバイスである.一方で,心機能障害の治療という視点では,左室の後負荷を増大することから心機能回復には不利に働く.INTERMACS/J-MACS profile 1 または2 に対して,IABP とともにV-A ECMOが考慮される.特にINTERMACS/J-MACS profile 1 においてIABP のみでは循環補助が不十分であり,V-A ECMO の適応となる.

2.1 V-A ECMO の装着

V-A ECMO 装着時に決定するべきことは,アクセスルートとカニューラサイズである.ECMO 装着時は急を要する状況が多く,アクセスルートは大腿動脈と大腿静脈が第一選択となることが多い.左大腿静脈から脱血管を挿入する場合は,静脈損傷のリスクがあるため注意を要する.大腿動脈のアクセスが困難な場合には,鎖骨下動脈からのアクセスを考慮するが,酸素化された血液を冠動脈や頸部分枝に灌流するという点で,右鎖骨下動脈を第一に選択する.カニューラサイズは送血管15 ~17 Fr 前後,脱血管21 ~ 23 Fr を体格に応じて選択することが一般的である.心機能低下が著しく,自己心による循環血流量が期待できない症例では,有効な補助循環流量確保のため送血管19 Fr や脱血管25 Fr などの太めのカニューラサイズを選択し,必要に応じて循環補助用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA)の装着など追加補助循環の装着を検討する.カニューラ先端位置は透視装置で確認することが望ましいが,透視装置がない場合には経食道心エコー検査やレントゲンでの先端位置確認を要する.ECMO 装着中の抗凝固管理は活性化凝固時間(activated coagulation time: ACT)

180 ~200 秒,活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time: APTT)50 ~60 秒を目安とし,ヘパリン持続投与を開始する.

2.2 下肢虚血に対する下肢送血

V-A ECMO 確立において大腿動脈からアクセスする場合,17% において送血側下肢虚血が発生し,5% に下肢切断が必要であったと報告がある102).20 Fr 以上の大きな送血カニューラの使用や,若年が下肢虚血のリスクであることが報告されている103).

下肢虚血が進行してからの再灌流では救肢出来ない可能性もあり,下肢の色調の変化,冷感,下腿筋の拘縮,CK (クレアチンキナーゼ)などの筋逸脱酵素の上昇,近赤外線分光法(near infrared spectroscopy: NIRS)による組織酸素飽和度の確認,ドプラエコーでの末梢動脈血流の確認により,下肢虚血の早期診断が必要である.下肢虚血のリスクを考え,予防的に4~7 Fr のシースを大腿動脈の末梢側に挿入し,下肢灌流を保つことが推奨される.

2.3 V-A ECMO の管理

血行動態のモニタリング,V-A ECMO の回転数・流量,人工肺機能,自己肺機能,自己心機能(左室機能,右室機能,心腔内・大動脈cusp の血栓,左室の減圧),カニューラ刺入部の出血や感染の有無,全身臓器灌流不全による臓器障害の有無,凝固機能,神経学的評価を毎日行う.

2.4 V-A ECMO による全身臓器灌流の確立

V-A ECMO 装着により全身臓器灌流を保ち,心不全による臓器障害を改善させることがV-A ECMO 装着による第一の目的となる.V-A ECMO 装着中の血行動態モニタリングとして,右橈骨動脈ラインから全身灌流圧,右心カテーテル検査から混合静脈血酸素飽和度による全身酸素需給バランス,CVP による血管内volume,PAWP による肺うっ血の有無や左室内圧負荷の状況,肺動脈圧による右心機能の継続的なモニタリングを行う.全身灌流が保たれるようにV-A ECMO の回転数・流量を調整する.V-A ECMO による全身灌流が確立した後,動脈圧波形や心エコーで大動脈弁開放の有無を確認する.右上肢の血液ガスやSpO2 により,自己肺酸素化能の評価を行う.血液検査により全身臓器障害の有無,乳酸値による循環不全の有無を定期的にフォローする.抗凝固療法はヘパリンを用いて
p.20
ACT 180~200 秒,APTT 50~60 秒を目安とし,出血リスクのある患者に対しては,ACT 160~180 秒を目安に,ヘパリン減量を検討することも可能である.

2.5 V-A ECMO の流量不足

尿量や肝臓機能障害の有無など,全身臓器灌流不全がないか注意深く観察し,全身への灌流量不足を認める場合には血管内容量不足による脱血不良を疑う必要がある.十分な血管内容量を確認できる場合には他の原因も検索し,送脱血管の径により十分な流量が取れないと判断した場合には送脱血管のサイズアップや,脱血不良の場合は脱血管の追加などを検討する.

2.6 左室後負荷増加によるうっ血の進行

心機能が高度に障害され,大動脈弁が開放しない状態では,ECMO による左室の後負荷増加,LVEDP の上昇から肺うっ血をきたすリスクが高く,肺うっ血の進行が認められる症例には左室減圧を検討する必要がある.動脈圧波形による大動脈弁開放の有無,心エコー検査による大動脈開放の有無や左室拡張の有無,胸部X 線による肺うっ血の進行を見ることで,間接的に左室内圧の上昇を診断することができるが,スワンガンツカテーテルによるPAWP や肺動脈拡張期圧により,最も直接的に左室内圧の上昇を察知することができる.心原性ショックによりV-A ECMO を装着した患者に対して左室減圧を行うことで予後が改善すると報告があり104, 105),左室減圧目的にIABP,IMPELLA,左室・左房ベント挿入を状況に応じて検討する.近年, ECMO 装着患者におけるIMPELLA 装着による成績向上の報告38, 106)がなされており,左室減圧目的にECPELLAへのアップグレードが多く行われている.

2.7 North-south syndrome

自己心拍出機能が残っているものの自己肺酸素化不良な場合,十分に酸素化されていない血液が左室から拍出され,冠動脈や頸部分枝を灌流してしまうNorth-south syndrome が起きるため,右上肢の血液ガス測定やSpO2モニタリングが必要である.North-south syndrome を認める場合,酸素化された血液を肺に流す目的で,静脈送血カニューラ追加によるV-AV ECMO への変更や,心機能が改善している場合にはV-A ECMO からV-V ECMO への移行を検討する.また大動脈基部や頸部分枝に酸素化された血液を送るため,送血部位を右鎖骨下動脈への変更や,肺うっ血が強く自己肺機能が低下している症例では,外科

的なLV vent 挿入や,central ECMO with LV vent への変更を検討する必要がある.

2.8 自己心機能の評価

V-A ECMO 装着により出血,感染や塞栓症などの合併症のリスクがあるため,V-A ECMO 装着後は,常に離脱の可能性を検討する必要がある.動脈圧波形から大動脈弁開放の有無,肺動脈圧波形から右室収縮能の推移,心エコー検査により左室収縮機能,大動脈弁開放時間の評価107)などにより,自己心機能の評価を1 日1 回は行うことが推奨される.

2.9 ECMO 離脱

V-A ECMO からの離脱基準は確立されておらず,各施設において症例ごとに離脱の可否を判断しているのが現状である.V-A ECMO 装着により循環動態が安定し,全身臓器灌流が保たれており,カテコラミンが少量,もしくは減量できている状況であれば,心機能を確認しながら離脱を考慮する.V-A ECMO の補助流量を0.5 L ずつ1.0 ~

1.5 L/ 分まで減量し,人工肺の酸素流量を2 L/ 分まで減量

した状態で,動脈圧波形での脈圧の確認,平均動脈圧>60 mmHg,混合静脈血酸素飽和度(SvO2)>60 ~ 65%,血中乳酸値(Lac) < 2 mmol/L を確認できれば離脱を考慮する.また右心機能の評価にはPAPi が頻用されるが,前負荷の少ないV-A ECMO 管理下において,その値の解釈は慎重に行われる必要がある.

可能であれば,V-A ECMO 装着後48 時間~72 時間で離脱を行うことが望ましく,それ以降では生存率が低下するという報告がある108).7 日以上V-A ECMO の循環補助を必要とする症例では,心機能の改善による離脱の可能性は低いと考え,心臓移植の適応やLVAD の適応になる可能性があるか念頭に置き,適応になる可能性のある症例では体外設置型LVAD 装着等を検討すべきである.

3 central ECMO

central ECMO とは,開胸下に装着するECMO のことを指し,膜型人工肺と遠心ポンプを組み合わせた閉鎖回路による機械的呼吸循環補助である.末梢アクセスによるECMO と同様のECMO 装置が使用される.システム上は,
p.21
central V-A ECMO もV-V ECMO も可能であるが,本稿では循環補助を目的としたcentral V-A ECMO(以下, central ECMO)について記述する.

central ECMO は,左心不全・右心不全・呼吸不全のあらゆる組み合わせの重症心肺不全に対して有効な補助循環法である.狭義のcentral ECMO は,一般に右房脱血および上行大動脈送血によるV-A ECMO を意味するが,実臨床では,狭義のcentral ECMO に左心脱血を組み合わせたECMO システム(広義のcentral ECMO,central ECMO with LV vent)として使用されることが多く,重度の左心機能障害のために肺うっ血が進行する場合や,大動脈弁が開放せず左室内に血栓形成が懸念される場合などに,左心脱血が組み合わされる109).

多くの場合,何らかの理由により末梢アクセスによるV-A ECMO(以下,末梢V-A ECMO)での管理が困難となり,central ECMO への移行が考慮されるが,特に若年症例などでは,アクセス血管や体格の問題から,初回V-A ECMO 導入時にcentral ECMO が選択されることがある.一般的なcentral ECMO の適応を表2 に示す.末梢V-A ECMO でしばしば問題となるNorth-south syndrome の解決策の一つとしても有効である109).

central ECMO と末梢V-A ECMO には,双方に有利な点と不利な点が存在する.central ECMO は順行性血流を生み出し,末梢V-A ECMO は逆行性血流により循環補助を行う点が,血行動態上の最も大きな違いといえる.また,低侵襲性の点では,末梢V-A ECMO の方がcentral ECMO よりも優れているのは明らかであり,出血や感染のリスクも末梢V-A ECMO の方がcentral ECMO よりも低い109, 110).しかしながら,central ECMO は,末梢ECMOに比し,高流量の循環補助を実現することが可能であり,その循環補助能力は有意にcentral ECMO が優れている.したがって,全身状態や多臓器障害の有無,血行動態や原疾患の重症度から総合的に判断して,MCS のデバイスを

選択することが肝要である.

3.1 手術手技

標準的なアプローチは胸骨正中切開である.心膜を切開し,心臓を露出する.各アクセスカニューラ・回路を皮膚を貫通させて体外に導出する.上行大動脈送血・右房脱血・左心脱血に使用されるカニューラ類は各施設によりさまざまであるのが現状である.ECMO 用もしくは人工心肺用送血カニューラを上行大動脈に直接挿入,または人工血管を縫着することで上行大動脈への送血路とし,右房脱血には人工心肺用脱血カニューラを使用することが一般的である.右房脱血には大口径カニューラが選択されることが多いが,左心脱血のために使用されるカニューラサイズについては施設間による違いが大きい.左心脱血を狭義のcentral ECMO の付随手段と考える場合には小口径カニューラが選択され,広義のcentral ECMO をのちの体外設置型VAD への前段階と考える場合には左心脱血に大口径カニューラが選択される傾向にある.いずれにしても,保険適応上は末梢V-A ECMO とcentral ECMO は区別されておらず,使用されるカニューラ類も用途に応じて人工心肺や体外設置型VAD などの体外循環用デバイスを流用している現状があり,保険制度上の課題である.

3.2 central ECMO の管理

central ECMO における循環管理や抗凝固療法などは末梢V-A ECMO の管理に準ずる.一般に,高流量補助のcentral ECMO では,肺動脈血流は著しく減少した状態となり,人工肺を経由する血液が増加している.すなわち, central ECMO 管理中の自己肺機能を評価することが困難な場合があり,離脱後の肺機能の予測には注意を要する. central ECMO の装着・離脱には開胸操作を要することから,心タンポナーデなどの出血性合併症に対してはより慎重な管理を要する110).一方で,大腿動静脈アクセスによる末梢V-A ECMO では,離床を伴うリハビリテーションが困難であるが,鼠径部にカニューラが挿入されないcentral ECMO では可能となる.呼吸・心臓リハビリテーションと並行して呼吸循環補助を行うことができる点は,central ECMO の利点であるといえる.

3.3 central ECMO の位置づけ

通常はINTERMACS/J-MACS profile 1もしくはprofile

表2 central ECMO のおもな適応

1. アクセス血管の問題で末梢V-A ECMO の装着が困難である. 2. 末梢V-A ECMO 管理において有効補助流量の不足により臓器障害が進行する. 3. 進行性の下肢循環不全がある. 4. 制御困難なカニューラ刺入部からの出血がある. 5. 治療の長期化が予想される. 6. VAD への移行が考慮される. 7. 何らかの理由により末梢デバイスでは管理困難である場合. (Rao P, et al. 2018. 109)より作表)
p.22
2 に相当する重症心不全が対象である92).また,central ECMO(狭義,広義)を装着中のニューヨーク心臓協会(New York Heart Association: NYHA)心機能分類とINTERMACS/J-MACS profile 分類については,進行性の臓器障害や栄養障害などが存在する場合はNYHA 心機能分類 IV 度/ INTERMACS/J-MACS profile 1 に,臓器障害や栄養障害などが明らかでなく,人工呼吸器を要しないリハビリ可能な状態ではNYHA 心機能分類IV 度/ INTERMACS/J-MACS profile 2 と定義される99).

ECMO 治療は,重症心原性ショックの急性期治療として有効なMCS であり,末梢V-A ECMO,central ECMOのいずれも短期使用が前提である92).すなわち,原病の回復を目指すbridge to recovery(BTR)に準じた使用が主である.また,治療方針の決定までの橋渡しとしての役割(bridge to decision)や移植適応取得を目指しての臓器障害の改善を目指すBTC など,多様な役割を果たすことができるのもcentral ECMO の特徴といえる.さらに,central ECMO による循環補助中に心臓移植適応を取得した後に植込型VAD への植替えに至るbridge to bridge(BTB)の一翼を担うこともある92, 111).広義のcentral ECMO から右房脱血を抜去し,人工肺をECMO 回路から抜去すれば,体外設置型VAD へ移行することができ,また,広義のcentral ECMO に肺動脈送血を追加すれば,BiVAD への移行も可能である.このように,central ECMO は種々のMCS への移行が可能なMCS である. 4 IMPELLA

4.1 駆動原理

IMPELLA はカテーテル型の経皮的左室補助装置(percutaneous left ventricular assist device: PVAD)である.小型軸流式ポンプがカテーテルに内包され,左室内に留置されたカテーテルの先端より血液を吸い込み,上行大動脈へ送血することで左室補助を行う.IMPELLA は全世界で最も多く使用されているPVAD であり,使用状況に応じたいくつかのカテーテルタイプが開発されてきた112).わが国においては,2016 年にIMPELLA 2.5 および5.0 が薬事承認され,2019 年よりIMPELLA CP,2020 年よりIMPELLA CP SmartAssist,2022 年よりIMPELLA 5.5 SmartAssist が承認され,そのいずれも適応を「心原性ショック等の薬物療法抵抗性の急性心不全」とされている(表3).なお,2022 年の段階でIMPELLA 2.5 および5.0は,新しいセンサーテクノロジーとして光学センサーを採用してポンプの位置モニタリングに用いる大動脈位置波形を取得できるようになったIMPELLA CP SmartAssist, IMPELLA 5.5 SmartAssist に移行している.

IMPELLA による左室機械的仕事の減少(減負荷)は,左室酸素消費量低下に直結する113).つまり,IMPELLAは循環補助を行うとともに,左室減負荷をも可能にする経

表3 IMPELLA カテーテルの比較

カテーテルタイプIMPELLA 2.5 IMPELLA CP

IMPELLA CP SmartAssist IMPELLA 5.0 IMPELLA 5.5 SmartAssist

サポート対象左室アクセス方法経皮的(穿刺法) *部位によりカットダウン外科的(カットダウン法)アクセス部位腋窩・鎖骨下・大腿動脈腋窩・鎖骨下・大腿動脈腋窩・鎖骨下動脈最大ポンプ拍出量2.5 L/ 分3.7 L/ 分5.0 L/ 分5.5 L/ 分カテーテル径(最大) 12  Fr 14  Fr 21  Fr 21 Fr最大回転数51000 rpm 46000 rpm 33000 rpm 33000 rpm

米国での適応ハートチームによって至適と判断された高リスクPCI既存治療に不応の心原性ショック

既存治療に不応の心原性ショック既存治療に不応の心原性ショック

わが国における承認適応病名心原性ショック等の薬物療法抵抗性の急性心不全PCI:経皮的冠動脈インターベンション* 2022 年の段階でIMPELLA 2.5,CP および5.0 は,新しいセンサーテクノロジーとして光学センサーを採用したCP SmartAssist および5.5

SmartAssist に移行が開始された.
p.23
皮的デバイスである.IMPELLA は基本的に短期間(数時間から数日)での離脱を目指す点が体外設置型VAD や植込型VAD とは異なる.そのために流量を高く保ち,完全にポンプ依存の循環を安定化させることだけなく,自己心拍出が残存した状況のポンプ補助における血行動態を理解しておくことが管理および離脱において重要となる.

4.2 挿入手技

IMPELLA の挿入には,一般的なカテーテル穿刺法による方法と,外科的に穿刺部位の血管を露出し人工血管を介して挿入する方法がある.大動脈弁位機械弁置換術後では挿入不可であり,大動脈弁狭窄・逆流の有無や重症度も挿入前に評価しておく必要がある.また,左室内血栓の評価も行う.

4.3 穿刺による挿入

おもにデバイス径が細いIMPELLA CP に対しては,経大腿動脈アプローチの際に用いられる.至適な穿刺部位の評価,デリバリー血管の評価,下肢阻血リスク評価を事前に行う.大腿動脈を穿刺し,ワイヤーを進めた後に,ダイレーターなどを用いてシースイントロデューサを挿入する.シースから0.035 インチワイヤーを用いて左室内にピッグカテーテルを留置.ピッグカテーテルを通し,IMPELLAカテーテル留置用の0.018 インチワイヤーを左室内に挿入し,モノレール方式でIMPELLA カテーテルを左室内に挿入する.IMPELLA の留置位置や方向の確認にはX 線透視および心エコーによるガイドを使用することが推奨される.カテーテルが僧帽弁・腱索に干渉していないこと,吸入部が左室内構造物に当たっていないこと,吐出部が大動脈弁に当たっていないことを確認する.任意の補助レベルで駆動を開始し,制御装置モニター上での位置波形・圧数値およびモーター波形を確認する.

4.4 外科的アプローチによる挿入

おもに鎖骨下動脈・腋窩動脈からのアプローチで用いられるが,血管性状が不良な場合の大腿動脈アプローチや開胸手術時における上行大動脈アプローチなども選択される場合がある.基本的には人工血管を介して挿入することが推奨される.人工血管の吻合部位の評価,デリバリー血管の評価を事前に行う必要がある.吻合血管を露出した後に,人工血管を吻合する.人工血管にシースイントロデューサーを挿入し,0.035 インチワイヤーを用いて左室内にピッグカテーテルを留置.ピッグカテーテルを通し,

IMPELLA カテーテル留置用の0.018 インチワイヤーを左室内に挿入し,モノレール方式でIMPELLA カテーテルを左室内に挿入する.IMPELLA の留置位置や方向の確認にはX 線透視および心エコーによるガイドを使用することが推奨される.カテーテルが僧帽弁・腱索に干渉していないこと,吸入部が左室内構造物に当たっていないこと,吐出部が大動脈弁に当たっていないことを確認する.イントロデューサーシースを抜去し,人工血管をトリミング.留置用リポジショニングユニットシースを人工血管内に挿入し,皮膚に固定し閉創する.皮下トンネルを併用することも多い.任意の補助レベルで駆動を開始し,制御装置モニター上での位置波形・圧数値およびモーター波形を確認する.

4.5 管理上の注意

4.5.1 血栓管理

IMPELLA のポンプやシャフトにおける血栓形成は,塞栓症や重度溶血の原因となることから厳密な予防・管理が必要である.未分画ヘパリンによる抗凝固療法においては, IMPELLA 挿入後の目標のACT は160 ~180 秒とされている114).また,IMPELLA はモーターハウジング内への血液の侵入を防ぐ目的でヘパリン加ブドウ糖液にて構成されたパージ液で圧バリアをつくるパージシステムが搭載されている.パージ液のヘパリン組成は添付文書上50 単位/ mL が推奨されているが,出血の懸念から適宜減量を検討することもある.パージ液は300~1,100 mmHg の圧力を維持するように流量を2~30 mL/時の間で自動調整されるため,多くの患者においてはパージ流量に応じて全身ヘパリン投与の追加が必要となる115).また,米国では,2022年4 月,ヘパリン起因性血小板減少症患者や出血患者において,重炭酸ナトリウム加ブドウ糖液を使用したヘパリンフリーパージ液の使用が米国食品医薬品局(FDA)で承認された.

4.5.2 出血性合併症とその他合併症

出血性合併症の回避や管理もIMPELLA の大きな課題である116 -118).出血性合併症の多くはアクセスサイト関連出血であり,大口径シース,シェアストレスによるvon Willebrand 因子の減少,ヘパリンによる持続抗凝固等がその修飾因子である.また,ポンプの高回転やサクションによる溶血にも注意を要する.大動脈弁にカテーテルが留置されることによるAI や心室内へのカテーテル挿入に伴った腱索断裂による僧帽弁逆流等も報告されている119).こ
p.24
れらの合併症の管理において,適切な抗凝固療法や心エコー検査やコンソール上の圧波形および消費電流波形を用いた定期的なポンプ位置の確認が必須である.

4.5.3 エスカレーションの検討

経皮的に留置可能なIMPELLA CP の想定使用期間は数日間とされ,長期化する場合はデバイスの劣化や感染,溶血などの懸念から,IMPELLA 5.5 や体外設置型VAD もしくは植込型VAD へのエスカレーションも検討が必要となる.また,IMPELLA は左室補助デバイスであり,重度の右心不全を併発する場合や心停止蘇生時には左室への血液還流不良によってIMPELLA にサクションが発生し,十分な補助流量を駆出することができない.欧米では右心補助デバイスであるIMPELLA RP が使用可能であるが,わが国においてはV-A ECMO の選択やV-A ECMO とIMPELLA の併用(ECPELLA)が選択される120).わが国においても,重症ショック症例や心肺蘇生後症例においてECPELLA の使用経験が蓄積されてきている1).

4.6 離脱

2021 年版ESC ガイドライン(Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure)

121)には,

心原性ショック治療チャート内にて灌流低下や臓器障害の改善がみられた場合にMCS の離脱を行うと示されているが,IMPELLA の離脱基準や離脱方法に関して具体的な記載はない.一方,離脱プロトコルに関するさまざまな報告があり,いずれにおいても,血行動態指標に加えて,心エコー指標,血中乳酸値,末梢臓器障害,呼吸状態および強心薬・血管収縮薬の量などを統合的に考慮することが推奨されている.

血行動態の評価においては,右心カテーテルの挿入が重要である20, 69, 122).また,右心カテーテルによって測定された心拍出量と血圧をもとに計算されるCPO は,心原性ショックでMCS を使用している患者の死亡率の予測因子であることが示されている20, 123).肺動脈の脈圧とRAP から算出されるPAPi は心原性ショック患者における右心機能の指標として用いられる124, 125).複数の臨床研究において,CPO とPAPi を組み合わせた血行動態評価を行うことで,離脱の判断や離脱時のリスク評価が可能であることが示唆されている59, 126).

離脱方法としては,P レベルを1 ~2 ずつ低下させ,P2で血行動態が安定することを確認した上で,ポンプを心室から抜去する.また,P レベルの下げ方は,ショックの原因や心機能改善の度合いによって異なる59).抜去後も,右心カテーテルを用いたモニタリングを継続し,ショック状

態の増悪がないことを観察すべきである.

最終的に,離脱が不可能である場合,IMPELLA の延長留置や交換,IMPELLA 5.5 やECPELLA へのエスカレーション,体外設置型VAD もしくは植込型VAD への移行,心臓移植可能施設への転院などさまざまな展開を患者に合わせて検討する必要がある59).

5 ECPELLA

5.1 管理と合併症

V-A ECMO とIMPELLA の2 つのデバイスを併せて十分な量の血流が確保できているかを,尿量や臓器障害,乳酸値などで確認しながら管理を行うと同時に,右心カテーテル検査でPAWP,心エコー図検査での左室径の推移,胸部X 線での肺うっ血の有無を指標に左室の負荷が解除できているかを確認していく.左室が虚脱し,IMPELLAの低流量アラームが頻発する状況では,IMPELLA の流量を下げる,強心薬の併用,血管拡張薬の併用やNO(一酸化窒素)吸入127),V-A ECMO の流量を下げることを検討する.

ECPELLA では,IMPELLA の流量を上げることでNorth-south syndrome が出現し,冠循環や脳循環が低酸素血によって灌流されうるため,肺機能が改善するまでは循環補助はV-A ECMO 主体とし,IMPELLA は低流量で設定する.IMPELLA による左室負荷軽減で肺うっ血が解除されれば,徐々にIMPELLA の流量を上げることが可能である.V-A ECMO 装着中の酸素化は主にECMO 回路中の人工肺が担うため,人工呼吸器は急性呼吸促(窮)迫症候群(ARDS)に対する肺保護戦略に準じて設定を行うが, ECPELLA ではNorth-south syndrome 回避のために自己肺による一定の酸素化が必要となるため,人工呼吸器関連肺障害に注意しながら人工呼吸器の設定を行う.Northsouth syndrome 回避のためにIMPELLA を低流量で使用することで,左室負荷軽減が不十分となり肺うっ血が改善しないのであれば,ECPELLA に加えてV-V ECMO のシステムを追加することを検討する128, 129).冠循環の低酸素血の灌流は心筋の回復阻害から補助循環の離脱に影響しうるが,冠循環の酸素化は非侵襲的には評価できない130)ため,脳循環の酸素化の指標となる右上肢の酸素飽和度を用いて,ECMO,IMPELLA,人工呼吸器の設定を調節する.
p.25
V-A ECMO では人工肺での血栓形成の予防目的にIMPELLA に比べて強力な抗凝固療法を要するため, ECPELLA は未分画ヘパリンを用いてV-A ECMO に準じた抗凝固療法を行う.ECPELLA はV-A ECMO 単独と比較して,溶血,出血イベントは多いが,脳卒中の発生は差を認めないという報告が多い38, 106, 131)

ECPELLA で血行動態の安定,臓器障害の改善を認めれば,徐々に循環補助量を減じて,離脱を検討する.どちらを優先して離脱するのかは補助期間や病態により異なるが,V-A ECMO から離脱することが多い.植込型LVADへの移行を目指す場合,左室補助単独で循環が成立するか評価のためにV-A ECMO の離脱を優先する.V-A ECMOの流量を下げながら,右心カテーテル検査や心エコー図検査で評価し,必要に応じてIMPELLA の回転数を上げる. V-A ECMO の流量を減じても,IMPELLA がサクションを起こさずに十分な流量を確保できればV-A ECMO を離脱し,血行動態に応じてIMPELLA の離脱を検討する.

6 体外設置型VAD(遠心ポンプ)

6.1 臨床的位置づけ

体外設置型VAD はポンプ本体および駆動装置を体外に置き,開胸下に装着されるMCS 装置である132 -136).装着には侵襲的な外科的手術を要する一方で,心原性ショックで用いられるIABP,V-A ECMO および低流量の循環補助用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA 2.5・CP)といった一時的使用の経皮的MCS 装置と比較して,より高い耐久性を有し,短中期的に,生理的な血行動態で多くの流量補助が可能であるという利点がある.現在の体外設置型VAD の臨床的な役割は,重症心不全ないしは心原性ショックで一時的なMCS を装着したものの離脱までの回復に時間を要すると考えられる症例,離脱困難な症例や臓器障害が進行する症例などに対して,MCS からの離脱(BTR),もしくは心臓移植(bridge to transplantation: BTT)やDTでの植込型VAD への橋渡し(BTB)にある137–139).近年は一時的使用のMCS 装置の技術革新およびそれに伴う治療技術の向上は目覚ましいが,依然として両心不全や呼吸不全および重度の臓器障害を合併するような重症例の予後は不良であり1),次の重症心不全治療戦略を見据え,重症例については遅滞なく体外設置型VAD を用いた短中期的な循環動態の安定化を図ることがその長期予後の改善につながる可能性がある.

6.2 適応とその際の注意点

わが国においては,心原性ショック患者(INTEMACS/ J-MACS profile 1)は即座にはBTT およびDT のための植込型VAD の適応とはならない111, 140).心機能障害が改善しない場合には,MCS 下に血行動態,栄養状態および全身状態が安定することで,次の重症心不全治療戦略の適応を検討することとなる.国際的にみても,短い期間での心機能障害の可逆性評価は非常に困難であり,依然として臨床的な課題である141).患者の併存疾患や社会的状況によっては,移植やDT の適応評価に時間を必要とする.一時的な使用のMCS に加えて短中期的補助が可能なMCS 装置を用いた橋渡しは,わが国で特に必要とされる治療戦略といえる137).人工血管を用いた外科的手技を要するが,比較的低侵襲に挿入が可能である中流量の循環補助用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA 5.5)が短中期的な補助による橋渡しとなることが期待される35, 142).

一方で,挿入する動脈(鎖骨下又は腋窩動脈)径が細く(7.0 mm 以下)留置が困難である場合,患者の体格が大きいなど最大補助流量でも補助流量が不十分である(最大補助流量:IMPELLA 5.5 で5.5L/ 分)ことが想定される場合,溶血等の補助循環用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA)に関連する合併症を認める場合,重度の臓器障害の合併により長期的な循環補助の必要性が想定される場合などには体外設置型VAD の適応となる.重度の右心不全や肺水腫などを併存している場合にはRVAD の併用やcentral ECMO も考慮される30).植込型VAD への橋渡し戦略であるBTB は体外設置型VAD による補助を介さずに植込型VAD を装着する,いわゆるprimary LVAD に比べて生存率や脳血管イベント発生率の観点で良好とはいえず143, 144),適応評価にあたっては慎重な検討が必要であるが,一方で循環の破綻による多臓器障害が進行している場合などでは躊躇なく体外設置型VAD も含めた補助循環のアップグレードを検討することが重要である.

6.3 体外設置型VAD 遠心ポンプと バイオフロート

体外設置型の遠心ポンプとして,国際的には,磁気浮上非接触型の定常流(遠心)ポンプ(CentriMag)の体外設置型VAD が臨床応用されている145–148)が,わが国では薬事承認に至っていない.

わが国でも,Rotaflow やGyro ポンプ,メラ遠心ポンプ
p.26
などの定常流ポンプが体外設置型VAD として使用された報告はあるが149–151),これらの定常流ポンプは体外設置型VAD としての使用に十分許容されうる成績であったものの,数日以上の循環補助や体外設置型VAD の使用目的で薬事承認されたものではなく,技術革新と実臨床使用との間にギャップを生じた状態が続いていた.しかし,2021 年9 月に動圧浮上非接触型の遠心ポンプを用いた定常流の体外設置型VAD セット(バイオフロート補助人工心臓セットHC/バイオフロートVAD)が,ニプロVAD に対する非劣性を検討する単群試験の結果135, 152)を基に,30 日間使用を可能として薬事承認を取得し保険償還された.この結果として,バイオフロートVAD は左心補助に加えて右心補助としても薬事承認を取得している.

以下では,体外設置型VAD として保険償還された遠心ポンプであるバイオフロートVAD を中心に使用上の注意点について詳述する.

6.4 駆動中の留意点

抗血栓療法について,バイオフロートVAD 装着術後24時間以内は,高回転,高流量補助とすることで血栓形成を予防しつつ,術後の出血状況を見ながらできるだけ早く未分画ヘパリンによる抗血栓療法を開始する153).術後24 時間以降は,持続点滴での未分画ヘパリンをACT 150 ~ 170 秒(APTT 50 ~70)を目安に継続し,出血および回路チューブ内・ポンプ内血栓形成の状況を見ながら増減する.術後出血や循環動態および全身状態が安定した時点で,抗血小板薬(アスピリン100 mg)およびワルファリンを開始する.ワルファリンはPT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)2.5 ~3.5 を目標として調整し,血栓形成や出血性合併症の状況により適宜増減する.バイオフロートVAD は,回路チューブが長く,血栓形成の評価を行う範囲が広くなるが,血栓形成の多くは回路間の接続部周辺に認めるために重点的に評価する.大きい可動性の血栓を認める場合にはポンプ・回路交換を検討する.添付文書上は,使用が30 日間を超える場合には血液ポンプ,回路チューブおよびコネクタを交換することを推奨されており,患者の状態および治療方針によって,その要否を判断する.

送脱血管刺入部の管理は,ニプロVAD の管理と大きな違いはないが,刺入部の固定に加えて,長い回路チューブを体位変換の影響を受けにくい位置に固定する.また,患者には体動により回路や刺入部に張力がかからないように注意を促す.

バイオフロートは,動圧浮上非接触型の遠心ポンプであることから回転数を3,000 回転/ 分未満に下げることができないため154),体格が小さい患者ではその使用の適否を

慎重に判断する.また,離脱テスト等の目的で補助流量を下げたい場合には,送血側の回路チューブをクランプし流量を調整する.回路チューブ内およびポンプ内血栓の予防から,2L/ 分未満とする場合は抗凝固を十分に効かせた(ACT 200 秒以上など)うえで,長時間の低流量は避けるようにする.

バイオフロートの脱血チューブ側(血液IN ポート)は重力の影響を受け,ポンプケーシングの上部に重力の負担がかかる(図4).ポンプケーシング上部への重力負担を軽減するために血液IN ポートに支えを置くことが望ましい.

遠心ポンプ体外型VAD 装着中は次の治療戦略を見据えた呼吸機能,日常生活動作(activities of daily livings: ADL)および筋力の維持の観点から,全身状態や創部の状態が改善次第,速やかにリハビリテーションを行っていくことが望ましい.駆動装置はタイヤのついた可動式の台に載せ,回路チューブは屈曲,閉塞や強い張力が生じないよう,リハビリテーション担当者が支えることが必要である.駆動装置,回路チューブおよび患者の保護のためにリハビリテーション担当者は複数名以上で構成することが望ましい.

上部動圧軸受部

ケーシング

マグネット

下部動圧軸受部血液IN ポート血流方向

インペラ

血液OUT ポート

図4 バイオフロート(上)およびその構造(下) (ニプロ株式会社ウェブサイト,添付文書より引用)
p.27
6.5 離脱の可否の判断

定常流ポンプを用いた体外設置型VAD からの離脱の可否を判断するための離脱テストの方法は確立されておらず,他の拍動流VAD もしくは植込型定常流VAD での離脱基準や離脱テストを参考にする.Berlin 基準(LVAD 停止下に心エコー上LVEF 45% 以上,LVDd[左室拡張末期径]55 mm 以下で離脱可能と判断)は標準的なLVAD の離脱基準とされている155).最低補助流量下で生理食塩水10 mL/kg を15 分間で負荷する,いわゆる「水負荷テスト」は拍動流VAD 同様に植込型定常流VAD でも有用性が示

されている156).最低補助流量下でドブタミン負荷(ドブタミンを5γ→10γ→20γ→40γと漸増)に対する血行動態および左室壁運動の反応性評価が離脱判断に有用とする報告もある157, 158).これらの離脱テストは,遠心ポンプ体外型VAD からの離脱判断にも有用である可能性がある.前述のようにバイオフロートVAD は3,000 回転/ 分が最低回転数であるため,離脱判断にさらなる補助流量の減量を必要とする場合には,十分に抗凝固を効かせた状態(ACT 200 秒程度)で送血側の回路チューブをクランプして調整する.

第3章 MCS管理における留意点

1 不整脈管理

1.1 不整脈の停止および予防

MCS 装着中であっても,上室性,心室性とも頻拍性不整脈により血行動態が悪化する可能性がある.頻拍により血行動態が悪化した時には除細動による停止を第一選択とする.不整脈の発生には電解質異常,心筋虚血,血液ガス異常などの修飾因子が潜在することがある.再発予防にはまずその評価を行い,必要であれば積極的に補正を行う.血清K>4.0 mEq/L,血清Mg>2.0 mg/dL を目標とする.Mg の補正を行わないと低K 血症も改善しないことが多い.低K や低Mg 血症がないケースでの電解質予防的投与の有効性は認められていない159).

またIMPELLA 挿入例では心室への物理的刺激による発生の可能性も考慮する.頻拍の停止および予防を目的とする薬剤として,アミオダロン,ニフェカラント,β遮断薬がある.アミオダロンは低心機能例,腎機能障害例においても使用可能な薬剤であり,集中治療の現場でも良く用いられる160).

MCS 使用下で血行動態の安定した単形性VT が出現した際には選択枝の一つである.ニフェカラントはわが国のみで使用可能なIII 群抗不整脈薬である.即効性があること,超短時間作動型であり,陰性変力作用がほぼないことから集中治療の場で使用しやすい.一方,腎代謝であり, QT 延長に伴うTorsade de Pointes 型多型性心室頻拍のリスクもあり腎機能低下例ではQT 時間延長の慎重なモニタリングが必要である.III 群抗不整脈薬抵抗性の器質的心疾患に伴う再発性の心室頻拍に対して超短時間作動型β遮断薬であるランジオロールの有効性が示された161).

アミオダロン,ニフェカラントなどの抗不整脈薬が無効な器質的心疾患に伴う反復性の心室頻拍に対してはランジオロールを考慮する.薬剤でもコントロール困難な難治性VT/VF の場合,左星状神経節ブロックが有効なことがある162).

1.2 MCS 回路による薬物動態の変化

アミオダロンも,コントロール群と比較してECMO 使用例で血中濃度が低下することが指摘されている163). ECMO 使用例では血中濃度を確認して適切な投与量を使用することが望ましい.
p.28
2 併用する心不全治療薬

MCS でサポート中の薬物による循環管理は,右心カテーテル検査を用いて持続的に血行動態をモニターして行うことが望ましい164–166).補液もしくは利尿薬は適切な前負荷を維持するために用いられる164, 165).心原性ショックでは強心薬抵抗性の場合にMCS の適応となるが61, 82, 92),強心薬は心筋酸素需要を増大し,不整脈,心筋虚血,心筋障害をきたすため,MCS でサポート中は可能であれば強心薬を減量または中止するのが望ましい.しかし実際は,MCSでサポート中であっても強心薬が必要な場合も多い.特に以下に示す点に注意して,強心薬や血管拡張薬を用いた薬物による循環管理を行う.

2.1 V-A ECMO 下での後負荷コントロール

V-A ECMO による管理は,逆行性の血流により左室の後負荷が増大し左室駆出の低下を伴う109, 167).高度な場合は大動脈弁の開放が阻害され,左室内圧の上昇とともに,肺うっ血の増悪や,心腔内もしくは大動脈基部の血栓形成を引き起こし,致命的な転帰となりうる.これらを予防するための左室減圧の手段にはいくつかの侵襲的または非侵襲的な処置がある(表4)

109, 167).V-A ECMO の血流を低下

させると左室後負荷は低減するが,自己心拍出が高度に障害されている場合,結果的に組織低灌流を招くことがある. IABP の併用は最も頻繁に行われている手段であるが168), IABP の併用が困難またはIABP を用いてもコントロールが不十分な場合には,強心薬(カテコラミン,PDE III 阻害薬など)による心筋収縮増強作用または血管拡張作用が左室の減圧に有効な場合がある109, 167, 169).血圧が維持されている場合は血管拡張薬(硝酸薬など)が有効な場合もある109, 167, 169).平均血圧やPAWP などの血行動態指標,また大動脈弁の開放を含めた心エコー図検査指標(3.6 MCS管理中の心エコー図検査を参照)を参考に薬剤量を調整する.薬剤による管理でコントロールが困難な場合にIMPELLA や左室ベントを用いることは有効な手段の一つとなる170–172).

2.2 右心不全の合併時の薬物治療

心臓原疾患の治療と適切な前負荷コントロールにもかかわらず,右心不全に伴い十分に血行動態が維持できない場合に,強心薬による右室収縮性の増強や肺動脈血管

拡張薬(NO 吸入など)による右室後負荷の低減が有効である164, 173, 174).不十分な右室前負荷は右室駆出を低下させるが,過剰な補液も中隔の左室側へのシフトを伴う右室拡大により左室充満を逆に低下させるため,有害になり得る174).特にIMPELLA の駆出血流は,左室前負荷に高度に依存するため,右心不全のコントロールは重要である164).薬物による管理でコントロールが困難な場合は, V-A ECMO などのMCS の追加もしくは変更を含めた介入を検討する.

2.3 MCS 離脱時の薬物治療

MCS の設定と血行動態指標の推移を参考にしつつ,血管拡張薬,補液,利尿薬を用いて適切な前負荷・後負荷の維持に努める.強心薬を併用することでMCS の離脱を容易にすることができるが59, 122, 167),その場合は,ドブタミン3μg/kg/分未満,ドパミン3 μg/kg/分未満,ミルリノン0.3μg/kg/分未満程度の,少量の使用にとどめるべきである167).血管収縮薬を使用する場合も,ノルアドレナリン0.06 μg/kg/分未満程度にとどめる167).

血管収縮薬(ノルアドレナリンなど)の使用は,左室後負荷を増加させ,微小血管のうっ血や心拍出量減少をまねき,結果的に血行動態および組織代謝を悪化させることがある59, 165).低血圧時に血管収縮薬を使用する場合は,適切な前負荷コントロールができているか,自己心拍出やMCS により十分な血流が得られているかを評価した上で,慎重に用いる165, 175).

心不全増悪時にRAS 阻害薬やβ遮断薬などの心不全治

表4 V-A ECMO サポート中の左室減圧処置

特徴

非侵襲的V-A ECMO の血流を下げる容易,不十分な組織低灌流を招く可能性強心薬容易,効果が限定的,心筋の酸素需要上昇や不整脈の誘発血管拡張薬容易,効果が限定的,血圧低値の場合には不適切侵襲的IABP比較的容易IMPELLAやや侵襲的左室ベント外科的挿入が必要で侵襲的(Rao P, et al. 2018 109), Lorusso R, et al. 2021 167)より作表)
p.29
療薬を継続していた症例では予後が良好であったという観察研究はあるが,MCS 症例に限定したものではなく,また継続することにより予後が改善するというRCT はないため,エビデンスとしては確立していない176).実臨床では,心機能の改善やMCS の離脱を期待して,積極的な継続や導入が検討されることがある.

3 栄養・鎮静・感染症 等

3.1 栄養

3.1.1 投与方法

2016 年に報告された日本版重症患者の栄養療法ガイドラインを含めいくつかのガイドラインで,重症患者の栄養剤投与経路に関して静脈栄養法よりも経腸栄養法が推奨されている177).MCS 使用中の患者においても,経腸栄養法は十分に施行可能であることが報告されている.必要に応じて消化管運動促進薬を併用する178–180).

経腸栄養の投与方法として,間欠投与と持続投与がある.重症患者を対象とした報告で,間欠投与に比べて持続投与の方が下痢の頻度が少なかったことが報告されている.心不全患者では健常者に比べ腸管の消化・ 吸収能が低下していると考えられることから,急性期の経腸栄養管理では持続投与が望ましいと考えられる181).

3.1.2 開始時期

日本版重症患者の栄養療法ガイドラインでは,経腸栄養の開始時期は重症病態に対する治療を開始した後,可及的に24 時間以内,遅くとも48 時間以内が推奨されている.しかし,経腸栄養では消化管の酸素消費量増加と腸管血流増加が生じると考えられ,低心拍出量や血行障害下では需要に見合う腸管血流の増加が難しく,結果として血圧低下,腸管虚血,腸管壊死を生じるリスクがある.特に大量カテコラミン投与中や血圧低値(目安としての平均血圧60 mmHg 未満)の場合には経腸栄養の開始を控えることも必要である.経腸栄養開始後は,循環動態の変化や嘔吐・下痢などの消化器症状に注意する177, 181).

経腸栄養が開始困難な場合には静脈栄養の開始を検討するが,適切な静脈栄養の開始時期については現状では確立した結論が出ていない.ELSO(Extracorporeal Life Support Organization)のガイドラインでは,5 ~7 日間にわたって経腸栄養が施行困難な場合は,静脈栄養を開始す

ることが推奨されている178).静脈栄養には,末梢静脈栄養と中心静脈栄養があるが,末梢静脈栄養では浸透圧比3以上の製剤は投与が困難であり,十分なエネルギー量を投与するためには中心静脈ルートが必要である.

3.1.3 経腸栄養の種類と投与量

経腸栄養剤には消化態栄養剤(ペプチド型栄養剤)と半消化態栄養剤があるが,両者で在院期間や感染症発症率,死亡率など有意差がないとされる.また,下痢に関しても一定の相違はない.わが国で使用可能な栄養剤のほとんどが1 mL あたり1 kcal の栄養剤であるが,水分投与量が制限される場合には1 mL あたり1.5 kcal や2 kcal の高濃度の栄養剤を考慮する.栄養剤にはたんぱく質量を調整したものや脂質含有量が多いものが存在するため,患者の既往などを考慮して適正な投与処方を検討する.

目標となる投与エネルギー量については,体重あたり25~30 kcal/日として計算する簡易式や,Harris-Benedictの式などが広く使用されている.急性期には過剰なエネルギー投与は死亡率を上げることが報告されており,投与初期には目標投与エネルギー量より少なく投与する方がよい182, 183).

3.1.4 経腸栄養療法中の患者管理

経腸栄養療法中は誤嚥を防ぐため,体位に注意が必要である.気管挿管を行っている患者に経腸栄養を行う際は,ベッドの頭側を30 ~45 度挙上するセミファーラー位にすることで肺炎発症率が減少すると報告されているが,補助循環サポート中には頭側挙上は困難であることも多い.

経腸栄養管理中に胃内に貯留している栄養剤や消化液の量を胃内残量(gastric residual volume: GRV)とよぶ. GRV は胃の運動を評価するための指標と考えられ,GRVが多いと誤嚥の発症リスクが高いとする報告もある.ICU (集中治療室)では一般的に4 ~6 時間おきにGRV の測定を行い,GRV が増加する場合は経腸栄養の減量や中断を考慮する.

3.2 鎮静

3.2.1 鎮痛薬と鎮静薬

適切な鎮静管理には,まずは十分な鎮痛を行うことが必要である(analgesia-first sedation).鎮痛と鎮静は異なることを認識し,鎮痛薬を用いた痛みの管理が必須である. MCS 使用中の患者では,外科的処置や侵襲を伴う処置を
p.30
要することも多いため,鎮痛には特に注意を払う必要がある.ICU 患者の鎮痛には静注オピオイド(フェンタニル,モルヒネ)を第一選択として用いることが推奨される184).

現在ICU で用いられる鎮静薬としては,ベンゾジアゼピン系鎮静薬(ミダゾラム),プロポフォール,デクスメデトミジンが一般的である.人工呼吸管理中の成人患者の鎮静には,ベンゾジアゼピン系鎮静薬を使用すると非ベンゾジアゼピン系鎮静薬を使用した場合と比べて人工呼吸期間, ICU 滞在期間を延長したことが報告されており,非ベンゾジアゼピン系鎮痛薬を優先的に使用することが推奨されている185, 186).一方で,循環動態が不安定な患者に対しては,プロポフォールやデクスメデトミジンに比べて血圧低下が少ないミダゾラムの方が使用しやすい場合もある.プロポフォールとデクスメデトミジンを比較した研究では,デクスメデトミジンの方が不穏やせん妄の発症は少なく意思の疎通が良好であったことが報告されているが,デクスメデトミジン単独では時に鎮静効果が不十分である187).

3.2.2 鎮静の深度と評価

適切な鎮静は,1患者の快適性・安全性の確保(不安・不穏の防止),2酸素消費量・基礎代謝量の減少,3換気の改善と圧外傷の減少などの利点がある一方,不必要な深鎮静は,人工呼吸期間の延長,ICU 滞在期間の延長につながり,また合併症として筋力低下,肺炎,褥瘡,せん妄などの発症リスクが増加することが知られている.適切な鎮静深度であれば,患者との意思疎通や痛みの評価が可能で,また脳血管イベントを早期に認識することもできる.鎮静深度を客観的にモニタリングし,患者の鎮静状態を把握して不必要な深鎮静を防ぐことが重要である.鎮静の深さを評価するにはリッチモンド不穏(興奮)- 鎮静スケール(Richmond agitation-sedation scale: RASS)を用いることが多く,重症患者においては一般的にRASS スコアの-2 ~0 を目標とするが,患者の状況により異なる188). MCS 使用中の患者はさまざまなカニュレーションが必要であり,補助循環のカニューラのトラブルは致命的であるため,患者の安全面を考慮した鎮静が必要となる.

不穏とは,内的緊張状態に伴う無目的な過剰な動きと定義される.ICU 患者の不穏の原因は痛み,せん妄,循環不全,低酸素血症,感染症など多岐にわたるため,原因に対して対応することが重要である.せん妄はICU 患者の不穏の原因として最も多く,予後を悪化させる因子でもあり,時に精神科専門医を含めた専門的な対応が必要である.せん妄の予防および治療の詳細は成書に譲るが,早期からのリハビリテーションの介入はせん妄の予防や治療に有効とされている.MCS 使用中の早期離床や早期からの運動の有効性や安全性についての報告も散見されるものの科学的

根拠は十分でなく,今後の検証が必要である.

3.3 感染症

ECMO 管理中の患者は,ECMO カニューラのみでなく, IABP,IMPELLA,中心静脈カテーテル,気管内チューブ,尿道留置カテーテルなどさまざまな医療器具が同時に留置されており,院内感染を引き起こすリスクは高い.48 時間以上ECMO を装着された患者の6 割以上が感染を合併したとも報告され,人工呼吸器関連肺炎,次いで菌血症,カニューラ感染が多く,人工呼吸器管理,ECMO 管理,入院期間が長期になるほど感染リスクは高くなる189).起炎菌として多いのは黄色ブドウ球菌,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌,Enterococcus 属,緑膿菌,腸内細菌科(大腸菌,Klebsiella 属など),Stenotrophomonas maltophilia, Candida 属などである189–191).重症敗血症,敗血症性ショックはECMO 装着患者の死亡の独立した危険因子である189).ある多施設サーベイランスでは予防的抗生剤投与を実施している施設が74% と報告されているが192),推奨されたプロトコルはなく,施設の感染症動向を踏まえて検討すべきである.

IABP に関連する感染については,60 名のIABP 挿入患者の前向き解析において52% で全身性炎症反応症候群(SIRS)を呈し,22% で血液培養が陽性であったと報告されている193).この報告においてはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌が多数を占め,黄色ブドウ球菌,Enterobacter がそれに次ぐ.感染リスクの高さを考慮すると予防的抗生剤投与が望ましいと考えられるが,エビデンスに基づいた推奨はない.

IMPELLA 関連感染についてまとまった報告はないが, ECMO,IABP に準じて対応すべきと考えられる.

3.4 脳卒中,消化管出血への対応

3.4.1 脳出血

ECMO による出血性合併症は,30 ~60% の発症率と言われているが194–196),脳出血の頻度に関しては1.8 ~ 21.3% と報告されておりばらつきがある194–202).ECMO 治療中の患者の多くは人工呼吸器装着,鎮静下で管理され,ときには筋弛緩薬の投与も受けていることがあり,脳出血発生時の中枢神経学的異常をただちに捉えることが困難であることがその理由として考えられる.したがって,脳出血の画像診断として最も有用である頭部CT 検査について,
p.31
頻繁に実施できる施設からの報告では脳出血の検出率が上がる傾向にある197).脳出血発症時の臨床所見としては,平均動脈血圧の急激な上昇,血小板数の急激な低下,瞳孔の左右差の出現など,臨床経過の一過性の変化を捉え中枢神経学的異常を疑うことが肝要である203).

出血部位としては,脳実質内出血が最も多く(59 ~ 88%),ついでクモ膜下出血(22 ~56%),硬膜下出血(2%)の順である203–205).

出血をきたす原因は不明であるが,ECMO 導入によるヘパリン投与による高い抗凝固状態,ECMO 血流による生理的な順行性血流の逸脱などが挙げられる.そのほかには,人工肺やECMO,IMPELLA のポンプによる強いせん断力により血液中のvon Willebrand 因子の活性が低下することにより後天性von Willebrand 症候群(acquired von Willebrand syndrome: AVWS)を合併しさまざまな出血性合併症を引き起こすことが報告されている206).出血を助長するリスクファクターとしては,女性,血小板減少,ヘパリンの使用,透析,血清Cr >2.6 mg/dL,長期ECMO治療,ACT の過延長,急激なPaCO2 の低下などが挙げられているが201, 207, 208),そのほかにECMO 導入前にすでに抗凝固療法が行われた症例や,SOFA(Sepsis-related Organ Failure Assessment)の凝固スコアの高値,血小板減少,頭蓋内以外の自然出血などもリスクファクターとして報告されている203).

脳出血の診断には,頭部CT 検査が最も有用である.全身状態が不安定であったり,ECMO 作動中のために定期的な頭部CT 検査のために患者が検査室へ移動することは容易ではない.したがって,医師および看護師によるベッドサイドでの定期的な神経学的チェック(従命指示や痛みへの反応,腱反射,瞳孔チェックなど)を行い,予測外のイベント(痙攣,せん妄,鎮静剤中止後の覚醒不全など)を認めた際には積極的に頭部CT 検査を実施することが勧められる208).

脳出血の治療は,神経学的異常を起こさない程度の小さな出血であれば,一時的な抗凝固療法の中止や中和,血小板輸血などの血液製剤投与により保存治療を実施する.一方で,脳ヘルニアを合併した場合など,ドレナージを要するような重篤な脳出血を合併した際には,緊急で抗凝固療法を中和しても,すでに血液凝固機能が破綻している場合も多く,リスクを検討したうえで実施する.

脳出血後の予後であるが,脳出血を合併した患者では, 1 ヵ月後の死亡率が81 ~89%(非脳出血患者では28 ~ 57%)と報告されており,大きな脳出血が予後に悪影響を与えることがECMO 治療の問題点である198, 203).

IMPELLA に関してはJ-PVAD registry による報告ではIMPELLA 作動中の出血性合併症は6.1% と報告されてい

るが1),限られた情報であり,今後のデータの蓄積が望まれる.

3.4.2 脳塞栓

脳塞栓症は,脳出血と同様,ECMO 管理中に起こりうる合併症として知られており,その発症頻度は3.4 ~6.8%といわれている198).原因はさまざまであるが,ショック時の低灌流に伴う脳梗塞のほかに,動脈内プラークや壁在血栓,ECMO 回路内に生じた血栓などが遊離し,末梢動脈からのV-A ECMO による逆行性送血による脳血管への飛散による機序が挙げられるが,V-V ECMO であっても約2% に脳梗塞が生じているとの報告もあり原因は明らかとなっていない208).ECMO 治療中の患者の多くは人工呼吸器装着,鎮静下で管理されており,脳塞栓症の急性期に明らかな神経学的異常(瞳孔不同,けいれんなど)を示さない限り,発症時期や重症度をただちに捉えることは困難である208).造影CT による血管造影が最も簡便で検出率が高いと思われる.治療は原因によるが,塞栓物による主幹動脈の広範囲脳虚血を示す急性期病変の場合には,カテーテルによる機械的塞栓物回収術が行われることもあるが,ヘパリンによる抗凝固療法中での治療となることから,適応については慎重な検討が求められる.ECMO 回路内に生じた血栓が脳塞栓症の原因と疑われる場合には,回路交換を行うことはさらなる血栓塞栓症を防止する観点からも重要である.

IMPELLA に関しては,サポート中の脳梗塞の発症率は

1.7 ~3.5% と報告されている209–212).わが国のJ-PVAD

registry では1.6% と報告されており1),わが国における今後の詳細なデータの蓄積が望まれる.原因については明確ではないが,左室内血栓のデバイス挿入による遊離,デバイス周囲の血栓形成などが推測されている.

3.4.3 消化管出血への対応

ECMO による出血性合併症は,30 ~60% の発症率といわれており194–196),カニューラ挿入部位が最も多く(17.1%),続いて肺出血(8.1%),消化管出血(5.1%),頭蓋内出血(3.8%)と続く213).出血の原因としては,ECMO 作動中の抗凝固療法に起因するものが最も影響が強く,V-A ECMOではヘパリンなどによりACT 200 秒程度まで延長させて管理することで出血が惹起されることが知られており,さらには血小板の消費も出血を助長する.そのほかには,人工肺やECMO のポンプによる強いせん断力により血中von Willebrand 因子の活性が低下することによりAVWSを合併し,さまざまな出血性合併症を引き起こすことが報
p.32
告されている206).

消化管出血に関しては,上記のごとくECMO 作動中に5.1% の患者が合併するといわれているが,多くは循環不全による強い全身ストレスによる出血性胃炎や消化性潰瘍からの出血が主因であり196),そのほかには多臓器障害の一環としての胃腸粘膜障害からの出血も起こりうる.特に,小腸出血の場合には診断に難渋する場合があり注意を要する.長期間のECMO 管理となればLVAD 中と同様にAVWS による消化管のangiodysplasia(血管異形成)を生じる可能性が原理的にありうるが,おおむねECMO 管理は短期間で終了することが多いためか報告はない.

消化管出血に対しては,内視鏡的止血術が一般的であり,出血部位のクリッピングやフィブリン塗布が行われるが,治療に関する明確なガイドラインは存在しない.また, AVWS に対しては消費されたvon Willebrand 因子の補充療法としてのcryoprecipitate や新鮮凍結血漿の投与は出血に関しては有効であるが,血栓形成のリスクとなりうるので注意が必要である196).

IMPELLA に関してはJ-PVAD registry による報告ではIMPELLA 作動中の出血性合併症は6.1% と報告されているが1),消化管出血単独の詳細なデータは不足しており不明である.IMPELLA は小口径で高回転する軸流ポンプであり,作動中にAVWS となりうる環境となっていることが示唆されており,同様の機序により消化管出血をきたしうると思われる214).

3.5 MCS 管理中のリハビリテーション

循環動態が安定せずにMCS 導入や鎮静,人工呼吸器管理,安静などを強いられると急性のびまん性筋力低下を呈するICU 関連筋力低下(ICU-acquired weakness: ICU- AW)や脱調節(deconditioning),関節拘縮,無気肺,排痰障害などの呼吸器合併症を生じる.MCS 実施中の患者に対するリハビリテーションの目的は,これらICU-AW, deconditioning,関節拘縮,呼吸器合併症の予防である. MCS 挿入に至った経緯にもよるが,MCS 挿入直後は血行動態や不整脈,病態が安定していないことがほとんどでなおかつ,鎮静下であることが多く,積極的リハビリテーションは困難であることが多い.

早期に有効性の高いリハビリテーションを開始するためには血行動態や病態を可及的速やかに安定させ,MCS を早期に離脱することが最も大事である.病状が安定せず生命の危機に瀕している場合は,積極的運動は控える.日本集中治療医学会の「集中治療における早期リハビリテーション~根拠に基づくエキスパートコンセンサス」215)でICU でのリハビリテーションの禁忌が示されている(表5).

MCS の早期離脱の目途が立たず,長期間臥床が強いられる場合は,deconditioning や関節拘縮の進行予防を目的に,禁忌事項がないことを確認したうえで,リハビリテーションを考慮する.

各種臓器機能が改善傾向にあり,生命危機から脱出していることが,「早期離床と早期からの積極的な運動」の条件である215).この場合の「早期離床と早期からの積極的な運動」は,離床やADL 拡大に向けた積極的なベッド上で行う運動を意図している215).健常高齢者における10 日間のベッドレストが運動耐容能や骨格筋力を12 ~13% 低下させること216),ICU における大腿部の筋層厚や周径の低下が在院日数と負の相関関係にあること217)などからも可能な限り長期間臥床は避ける.

MCS 実施中の患者に対する心臓リハビリテーションの有効性については少数ではあるが,症例報告がなされている112, 218).MCS 実施中の患者にリハビリテーションを行う際には主治医やICU 医師,理学療法士,臨床工学技士,看護師などから構成するチームで適格性を十分評価したうえでプログラムを作成し,安全性をモニタリングしながら実施する(表6).安全性が担保できない動作や環境での実施はすべきではなく,患者の状態,合併症の有無やMCSの状況,エコーやCT,採血データなどをチームで情報共

表5 集中治療室で早期離床やベッドサイドから積極的運動

を原則行うべきでない場合1.  担当医の許可がない場合.

2 過度に興奮して必要な安静や従命行為が得られない場合

(RASS ≧2). 3.  運動に協力の得られない重篤な覚醒障害(RASS ≦-3).

4 不安定な循環動態で,大動脈内バルーンパンピング(IABP)

などの補助循環を必要とする場合. 5.  強心薬や昇圧薬を大量に投与しても血圧が低すぎる場合. 6.  体位を変えただけで血圧が大きく変動する場合. 7.  切迫破裂の危険性がある未治療の動脈瘤がある場合. 8.  コントロール不良の疼痛がある場合.

9 コントロール不良の頭蓋内圧亢進(≧20 mmHg)がある場

合. 10.  頭部損傷や頚部損傷の不安定期. 11.  固定の悪い骨折がある場合. 12.  活動性出血がある場合. 13.  カテーテルや点滴ラインの固定が不十分,または十分な長さが確保できず,早期離床やベッドサイドからの積極的運動により事故抜去が生じる可能性が高い場合. 14. 離床に際し安全性を確保するためのスタッフが揃わない場合. 15.  本人または家族の同意が得られない場合. RASS:リッチモンド不穏(興奮)- 鎮静スケール(日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会.2017 215)より)
p.33
有し,予期せぬ機械トラブルに備え補助循環装置の操作,管理に精通したスタッフ複数人の立ち合いのもとで慎重にリハビリテーションを実施する.

リハビリテーションの実施中はMCS 挿入部位からの出血や阻血,カテーテルの位置ずれ,キンク,デバイスの位置ずれなどに細心の注意を払う.MCS が鼠径部から挿入されている際は,挿入側の下肢の屈曲が原因で出血やカテーテル移動を起こすリスクが高く,関節拘縮予防目的の限局的な他動運動にとどめる.ベッド挙上を行う場合は,出血やカテーテル移動・キンクなどがないことを確認しながら段階的に30°程度までとする.穿刺部をまっすぐ維持できない場合は抑制帯を用いたり,鎮静を深くしたりして挿入側の合併症を発生させないように努める.その際に下肢が外旋位で固定されるとベッド柵やクッションなどで腓骨神経が圧迫されやすくなり腓骨神経麻痺の原因となることがあるため,下肢を外旋位にさせないようにする.

また,リハビリテーションに伴い下肢阻血が生じてないか,足背・後脛骨動脈の拍動を触知し,血中CK 値の上昇や,ミオグロビン尿がないことにより確認する.鼠径部からMCS が挿入されている期間は鎮静を覚ますことやベッド挙上も困難な場合が多いので,MCS を入れ替える際には,リハビリテーションを実施しやすい鎖骨下動脈アクセスのIMPELLA や,central ECMO への切り替えやVAD植込みを考慮する.鎖骨下動脈アクセスのIMPELLA や, central ECMO,VAD 植込み後の場合は,ベッド上で可能なポジショニングや関節可動域運動,呼吸訓練などから開始し,段階的に座位,立位へとADL(日常生活動作)の改

善を進める.座位や立位,歩行訓練などを行う場合は,複数人の医療スタッフのもとで,リハビリ中の患者の状態ならびにバイタルをモニタリングしながら,メカニカルデバイス挿入部や駆動状況に問題がないかも確認しながら実施する.

リハビリテーションの過程で何らかの問題が生じた場合は速やかにリハビリテーションを中止して原因評価を行う. IMPELLA は座位や立位などの体位変換時にカテーテルの位置が移動することがあり,吸入部と吐出部が適切な位置にあるか,溶血が起こっていないかなどの確認が必要である112, 218).MCS 離脱に向けてウィーニングを実施している最中は,バイタルや血行動態が不安定になることも少なくなく,積極的リハビリテーションは避ける.また,MCS の離脱に成功した場合は,禁忌となる病態の出現がないか,創部に問題がないか,血行動態が安定しているかなどを確認したうえで離床に向けてのリハビリテーションを行っていく.

MCS 離脱後は早期からのリハビリテーションが望ましいが112, 218),特に離脱後早期は心拍出量のサポートがなくなり,カテコラミンも高用量で投与されていることも多く,離床やADL(日常生活動作)訓練は段階的に慎重に行う.特に,座位,立位の体勢と姿勢保持能力はADL 改善に重要である.脳合併症や感染症,残存心機能などの合併症がリハビリの進行を遅延させることがあるが,個々のプログラムを短期的に再検討し実施可能なリハビリは積極的に行い

表6 MCS 実施中にリハビリテーションを行う際の適格性

リハビリの適格性評価のための指標意識レベル,バイタルサイン(血圧,脈拍,酸素飽和度),心電図(不整脈,ST-T 変化)自覚症状(息切れ,疲労感,食欲低下,疼痛など)他覚所見(チアノーゼ,顔色不良,冷汗,浮腫,肺ラ音など),筋力,関節可動域体重,尿量・尿色,心機能,呼吸機能,嚥下機能,脳合併症の有無阻血,血栓,出血,感染症,肺うっ血,深部静脈血栓症,塞栓症,麻痺の有無カテーテルやデバイスの位置・固定性投薬状況,栄養状態血液検査所見(Hb,CK,BNP,CRP など)画像検査所見(胸部単純X線,心臓超音波検査所見,CT 検査所見,心臓カテーテル検査所見など)血行動態指標(心内圧データ,心拍出量など)安全に実施できる環境であるか(人工呼吸器や酸素チューブ,点滴ライン,複数の医療スタッフ)メカニカルサポートの駆動状況・交換のタイミングリハビリ中にリハビリの安全性をモニタリングする指標意識レベル,バイタルサイン,心電図,自覚症状,他覚所見カテーテルやデバイスの位置ずれと出血がないことメカニカルサポートの駆動状況血行動態指標リハビリ後にリハビリの安全性をモニタリングする指標意識レベル,バイタルサイン,心電図,自覚症状,他覚所見,体重,尿量・尿色阻血,出血,肺うっ血カテーテルやデバイスの位置・固定性血液検査所見,画像検査所見,血行動態指標などHb:ヘモグロビン,CK:クレアチンキナーゼ,BNP:脳性ナトリウム利尿ペプチド,CRP:C 反応性蛋白
p.34
自宅復帰に向けてサポートを行う.

廃用を起こした筋は,運動早期から嫌気性代謝が優位となり,高エネルギーリン酸の不足から筋内での酸性化が更新し,疲労が起こりやすい219)ことを念頭に,初期は嫌気性代謝閾値を超えないようにBorg スケールは11~13 程度に設定し,翌日まで疲労を残さないようにプログラムを管理する.患者の状態変化がないかを確認しながら,患者の運動能力に即して,他動,自動介助,自動,抵抗運動の順に適応する.最初は少量頻回に行い,運動能力の改善とともにその負荷量を徐々に増加する.患者の循環動態が安定していれば,運動機能は徐々に改善するためプログラムの修正が頻繁に必要となる.順調に回復し,自立歩行を獲得しても,その患者に必要とされる社会的ニーズに合わせた目標を設定し理学療法の介入を行う.

3.6 MCS 管理中の心エコー図検査

MCS の装着・管理中には,心エコー図検査は心機能の経過観察はもとより,MCS に特有の血行動態の評価や合併症の検出,離脱前の評価に用いられる.

3.6.1 V-A ECMO

a.左室内の血流停滞

V-A ECMO 装着下では,右心系からの還流量減少と後負荷の増大により,左室壁運動は非装着時よりも低下する220).高度の左室収縮障害があると大動脈弁は開放せず,左室内やバルサルバ洞に血液が停滞する場合がある.大動脈の開放がなく,左室内に高度のもやもやエコーが観察される場合には,血栓形成の危険性が高いため,左室壁や大動脈基部の血栓像の有無を十分に評価する220). b.大動脈弁逆流(AI)

高度のAI は,V-A ECMO の使用が困難であり,緊急で十分な術前評価がなされないままV-A ECMO が導入された症例では,装着後にAI の重症度を評価する必要がある. c.心嚢液貯留

心嚢液貯留は,経皮的V-A ECMO 装着による合併症で生じることはまれではあるものの,装着後に心タンポナーデを合併しても血行動態が変動しにくく,心エコー図検査ではじめて検出される場合があるので,日々の観察項目として挙げる必要がある. d.離脱に向けた評価

V-A ECMO 離脱に際して心エコー図検査を用いたプロトコルは確立されていないが,離脱の条件としてはLVEF >35%,左室駆出血流速波形の時間速度積分(TVI)>10 cm,左室拡大がなく,心タンポナーデがないことが挙げられている220).また,ウィーニングに際しては,ポンプ流量

を低下させた後の左室駆出血流速波形のTVI >10 cm, LVEF >20 ~25%,側壁側の僧帽弁輪の収縮期運動速度(s') 221)や,側壁側の拡張早期僧帽弁輪運動速度の増加量>10%,三尖弁輪のs' 増加量>10% 222)などが報告されている.

3.6.2 IMPELLA

a.カテーテル位置の確認

左室内の不適切な位置へのカテーテル挿入は合併症の原因となるので,装着の際には透視とともに心エコー図検査画像を用いてカテーテル位置を確認する.観察には,大動脈弁,左室流出路,僧帽弁の観察が同時にできる傍胸骨あるいは心尖部左室長軸像が適している.カテーテルの血液吸入部が大動脈弁から3.5 cm 左室側に位置し,先端が心尖部の方向へ向くように調整する.(なお,IMPELLA 5.5の場合は吸入部から約5 cm を目安にする.)管理中に溶血がみられる場合には,吸入部が僧帽弁下組織や左室壁に接したり,吐出部が大動脈弁や大動脈壁に接したりしている可能性があるので,これらの所見の有無を確認する必要がある97, 223). b.弁逆流の変化

IMPELLA 装着中にはunloading により左室が縮小し,カテーテルと左室との位置関係が変化して新たに僧帽弁への干渉が起こり得るので,装着時に適切なカテーテル位置にあったとしても,経過観察の際には僧帽弁逆流の変化を評価する.IMPELLA 装着例では大動脈基部に留置された軸流ポンプによるアーチファクトのため,カテーテル周囲のカラードプラの観察が困難となる.とくに傍胸骨アプローチでその影響が大きいため,AI の観察には心尖部アプローチが適している.IMPELLA 装着後のAI 出現の検出には経食道心エコー図検査が有用であったと報告されている224).離脱後にAR が増える症例も認められるため225),離脱前後のAR の変化も評価が必要である.

3.7 緩和ケア・終末期医療

緩和ケアとは,「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOL(quality of life)を,痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見い出し的確に評価し対応することで,苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチ」と定義されている226, 227).心不全患者においては心不全そのものに対する適切な治療を行うことが,呼吸困難や全身倦怠感などの症状およびQOL の改善に繋がる.循環器疾患における
p.35
緩和ケアについては,日本循環器学会/ 日本心不全学会合同ガイドライン「循環器疾患における緩和ケアについての提言」95)に詳述されているが,MCS を要する心不全においても緩和ケアは必須である.MCS に加えてカテコラミンや利尿薬による心不全治療を行いながら,必要に応じて医療用麻薬や非麻薬性鎮痛薬,抗不安薬等の使用を考慮する.また,MCS 治療中の患者の多くは身体的,精神心理的な苦痛のほか,社会生活上の不安を抱えているため,臨床心理士や社会福祉士などを含む多職種で構成された緩和ケアチームの介入が望ましい.

慢性心不全では,治療抵抗性心不全であるStage D に至る前にガイドラインに準拠した心不全に対する適切な薬物治療・非薬物治療が行われると同時に,患者本人の意思を最大限に反映するため患者,家族,医療チームらによるACP が十分に行われていることが望ましい228, 229).医療チームは患者に対して治療選択肢や予後などの医学的情報を分かりやすく説明する一方,患者の希望や価値観,人生観を含めた情報を医療チームで共有し,双方が意思決定に貢献するプロセス(shared decision making)を踏むことが望ましい95).しかしながら,MCS は初回の急性心不全発症時に救命のため緊急的に導入されることが少なくないため,本人の意思確認が不可能な状況で開始されることもある.限られた時間で患者・家族らと情報を共有し意思決定を支援することは容易ではないが,可能な限り複数回にわたり話し合いの場を設け,患者に最適な意思決定を支援するよう努めなければならない.

循環器集中治療における“ 終末期” とは「末期状態の患者に対し救命のために最善の医療を尽くしても患者の病状が終末期の状況にあること」もしくは「治療が有効であっても結果として強心薬や機械的治療に依存してしまう状況」と定義される95).患者が終末期であるかの判断は,適切な循環器集中治療が尽くされている状況において,循環器内

科,心臓血管外科,集中治療科,緩和ケア科など複数の診療科の医師,看護師,臨床工学技士などの多職種から構成される医療チームで客観的になされるべきである.また,必要に応じて当該施設の臨床倫理委員会や医療安全管理部門等での検討も考慮する.ただし,一旦終末期と判断されたとしても,心臓移植という選択肢があれば救命されうる患者が存在する点が循環器集中治療の特徴でもある.したがって,循環器集中治療では患者の心臓移植適応の有無を念頭において治療を進める必要がある.

MCS による治療中に終末期と判断された場合,患者に意思決定能力があれば本人の意思を尊重することが原則となる230, 231).医療者は患者が意思決定するために必要な情報を本人の状態に応じて提供するべきである.意思決定能力がない場合には,本人の事前指示があればそれを尊重しつつ医学的妥当性を検討して方針を決定する.もし本人の意思決定能力も事前指示もない場合,家族らが患者の意思を推定できるのであればその推定意思を尊重する.患者の意思が確認できず,推定意思も確認できない場合には,代理意思決定者となる家族らと十分に話し合い,患者にとって最善の対応を検討する.その際に医療チームは家族らと支持的なコミュニケーションを取りながら,繰り返し情報共有を行うことで意思決定を支援する.最終的には家族らの総意としての意思を確認し,治療方針を決定する.MCSが必要となる状況は往々にして突然訪れるため,患者本人も家族らも状況を把握し,冷静に判断することが困難な場合も多い.経過によってはbad news(悪い知らせ)を伝えなければいけない状況もあるが,医療者は状況に応じて分かりやすい言葉で繰り返し説明し,患者本人や家族らとの信頼関係を構築するよう努める必要がある.
p.36
Appendix 1 小児MCS

1 補助循環

小児の重症心不全に対する補助循環としては大きく分けて,1体外設置型膜型人工肺(ECMO),2体外型VAD, 3植込型VAD がある.このうち,ECMO は一般的には1 ヵ月程度の補助が限界であるが,VAD ではより長期の補助が可能である.

小児用体外型補助人工心臓EXCOR Pediatric は体重3 kg 程度の新生児から使用可能であり,主に心臓移植までのブリッジとして使用される.

体格の比較的大きな小児では植込型VAD が適応になることもあり,退院しての通学なども可能である.

1.1 体外設置型膜型人工肺(ECMO)

心臓手術後にECMO が行われる場合は,胸骨正中切開から通常の人工心肺と同様に行われることが多いが,劇症型心筋炎や心筋症による急性心不全の場合,カニューラ挿入部位は,体格に合わせて迅速かつ確実にカニュレーションできる部位を選択する.一般的には体重20 kg 以下の症例では大腿部の血管が発達していないことから,より太い血管が確保できる頸部から行われることが多い.

1.1.1 周術期管理

a.出血・血栓

ECMO を施行する際,最も管理に難渋するのが出血である.特に心臓術後のECMO では出血のために輸血を続けていくと臓器の浮腫,多臓器不全へと繋がっていく.このため,ACT 180 ~200 秒でコントロールすることが推奨されているが,場合によってはACT を150 秒程度まで下げて出血のコントロールを優先させることもある.また,回路内や人工肺における血栓の観察も重要であり,回路内の浮遊する血栓あるいは回路内圧が上昇,ガス交換が低下するような人工肺内での血栓が認められれば,回路の交換が必要となる.

b.腎不全

ECMO を使用する場合,同時に腎不全が認められることも多い.成人の場合は,ECMO と別回路でCHDF(持続的血液濾過透析)を回すことが推奨されているが,小児の場合は,血管確保が難しいため,ECMO の回路にCHDFを組み込まざるを得ない場合もある.この際は,空気の引き込みが起こらないように厳重な注意を払って回路の組み立てを行う必要がある. c.肺うっ血

劇症型心筋炎や心筋症などでECMO を使用したとき,極度の左心不全のため,左室から血液が駆出できず,左室拡張期圧,左房圧の上昇に伴い肺うっ血をきたすことがある.肺出血をおこすこともあり,このような場合には直ちに左房ベントまたは左室ベントによる左心の減圧が必要となる.カテーテル的な心房中隔欠損(ASD)作成による減圧の報告などもあるが,遺残ASD が問題となることがある232).

1.2 小児用体外型VAD(EXCOR Pediatric)

EXCOR Pediatric は,小児用,空気圧駆動/ 拍動型の体外設置型VAD であり,体表0.7 m 2 以下の小児に用いることができる現在唯一のVAD である.2022 年現在,世界で2,000 例以上の植込みの実績がある.EXCOR Pediatric はポンプ,カニューラ,およびIkus 駆動装置から構成される.脱血用カニューラを左室心尖部,または左房に装着し,送血用カニューラを上行大動脈,または肺動脈へ装着することにより,左心または右心の補助および両心補助を行う. Ikus の空気圧駆動によりポンプを拍動させ,拍出量を制御することにより心機能を補助する.ポンプのサイズは血液室最大容積に応じて,一回拍出量10 mL,15 mL,25 mL, 30 mL,50 mL,60 mL の5 種類があり,この中から患者の体格に合わせてサイズを選択する.小さな体格の小児に使用する10 mL,15 mL,25 mL,30 mL ポンプはそれぞれ,おおむね体重3~9 kg,7~14 kg,10~25 kg,20 ~ 30 kg が適応となる.
p.37
1.2.1 手術

左室心尖部脱血,上行大動脈送血の左心補助(LVAD)が基本となる.右心不全も伴う場合には右房脱血,肺動脈送血のRVAD が必要となることもある.また,拘束型心筋症などで左室脱血が困難な場合は左房脱血が行われることもあるが,頻度は少ない.

1.2.2 心尖部カニューラの装着

左室を脱転し,背側にガーゼを置いて心尖部を持ち上げる.左前下行枝を確認して,心尖部側壁の切開予定部をマーキングする.心尖部カニューラ挿入部は小児の場合,心尖部やや前方,左前下行枝から約2 cm 程度離れた場所となる.心尖部カニューラは斜めに切られており,長い側が側壁側にくるように挿入する(開口部が中隔側を向くようにする).

1.2.3 送血カニューラの装着

送血カニューラの吻合は次回の移植手術のことを考慮し,できるだけ基部近くにする.また,胸骨からの圧迫および右室の圧迫を防ぐため,上行大動脈のやや右側につけるのが望ましい.カニューラによる右室の圧迫を避けるなどの目的で,多くの施設で人工血管を間置している233).

1.2.4 ポンプとの接続,人工心肺からの離脱

送血,脱血側を十分に脱気し,ポンプとの接続を行う.人工心肺からの離脱を行う際にはメンブレンをよく観察し,ポンプが完全に充填,排出を行っていることを確認し,装置の設定,患者のボリュームの調整などを行っていく. CVP の上昇や,充填不良などの右心不全の徴候にも注意する.経食道エコーを確認し,左室の容量,中隔の位置などを確認することが重要となる.

1.2.5 術後管理

a.抗凝固・抗血栓療法

術後24 ~48 時間後,止血が確認されていれば,ヘパリンの持続投与を100 U/kg/日から開始し,徐々に200 U/ kg/日まで増量し,aPTT の目標は50 秒前後とする.ただし,ヘパリンの過投与による出血傾向の増悪について留意する必要がある.経口,または経管栄養が開始できれば,

ワルファリンを開始し,INR 3 前後を目標とする.また,アスピリン 1 mg/kg/日,ジピリダモール4 mg/kg/日を開始する. b.ポンプ血栓のチェック

血栓の好発部位はポリウレタンの弁の付着部,カニューラとポンプの接続部などの血液の流れの変化する箇所である.白色の小さな安定した血栓の場合はポンプ交換の必要はないが,赤色の血栓,あるいは浮遊血栓の場合は交換を考慮する. c.右心不全

周術期の右心不全には十分な注意を払う必要がある.ポンプの充填不良がある場合は,ボリューム不足だけではなく,右心不全も考え,NO の投与,カテコラミンの使用によって右心を補助することも考慮する.また,術後長期にわたって,次第に右心不全が顕在化することもあり,定期的なエコーや胸部X線などを行って心機能の評価を行う必要がある. d.感染

欧米での報告でもカニューラ周囲の感染は3 分の2 程度の症例で認められており234),特に,長期にわたって装着している場合,患者の活動度が上がるにつれカニューラの動きに伴ってカニューラ周囲の皮膚との間に肉芽の形成が認められ,これに感染することが多い.局所の消毒などでコントロールできることもあるが,周囲の皮膚に感染がおよぶ場合などは,抗生物質の投与を検討する必要がある. e.体の成長

特に,わが国においてはEXCOR 装着後の待機期間が長く,移植までの平均待機期間は1 年を超えている.このため,体の成長に伴って体外のポンプのサイズアップが必要なことがある.

1.3 植込型VAD

新生児・乳児に対する植込型VAD はまだ一般的ではないが,比較的体格の大きな小児に対しては適応になることがある.特に,HeartMate 3 は世界的に小児に対しての使用実績も増加している235).
p.38
Appendix 2 IMPELLA RP

IMPELLA RP(Abiomed,Danvers,MA)は11 Fr のカテーテルの先端部分に搭載された22 Fr の軸流ポンプ型の右心補助カテーテルデバイスである.大腿静脈を穿刺して挿入し,三尖弁と肺動脈弁を越えて先端血液吐出部分を肺動脈内に留置する.近位部の血液吸入口は下大静脈内に位置する.IMPELLA RP の安全性と有効性を評価する目的でRECOVER RIGHT study が実施された236).18 歳以上の30 名の患者がCohort A(左心補助人工心臓装着患者18 名)とCohort B(開心術後,心臓移植後および心筋梗塞後12 名)に分けて登録された.デバイス適応となる右心不全の条件は,高用量の強心薬(ドブタミン10μg/kg/分以上または同等量の他の強心薬,あるいは複数の強心薬や昇圧薬)使用下で心係数< 2.2 L/分/kg であり,かつ次のうちのいずれかを満たす場合とされた.1CVP 15mmHg 以上,2CVP/PCWP > 0.63 または3心エコーにおける広範な右心不全(TAPSE 14 mm 以下,右室基部径 > 42 mmまたは右室短軸径 > 35 mm).INTERMACS profile 1 と心係数<1.3 L/分/ kg に該当する超重症心不全は除外された.試験患者は平均59 歳で,平均3.2 種類の強心薬あるいは昇圧薬が投与されていた.デバイス挿入前後の変化は,心係数は1.8 ± 0.2 ~3.3 ± 0.23 L/分/m 2 と上昇し,CVPは19.2 ± 4 ~12.6 ± 1 mmHg へ有意に低下した.デバイ

ス補助期間は3.0 ± 1.5 日(0.5 ~7.8 日)であった.30 日生存率73.3%,退院時生存率70.0%,180 日生存率70.0%であった.

RECOVER RIGHT study の30 名に,同一プロトコルに則った継続臨床試験4 名および承認後登録の患者26 名を加えた60 名(Cohort A:31 名,Cohort B:29 名)のプール分析結果が2018 年に発表された237).承認後登録患者にはprofile 1 が複数含まれていて,RECOVER RIGHT study よりも装着前重症度が重い患者が多かった.補助期間4.0 ± 1.5 日(0.5 ~14 日)で,有意な心係数の上昇およびCVP の低下が同様に観察された.また,30 日後または退院までのいずれか遅いタイミングでの生存率は72% であり,Cohort 間の生存率に有意差はなかった.

2022 年11 月には内頸静脈から穿刺・留置が可能なIMPELLA RP Flex がFDA から市販前承認が下りた.承認された適用条件は以下の通りである.体表面積1.5 m 2 以上で,左心補助人工心臓装着,心筋梗塞,心臓移植あるいは開心術後の急性右心不全・代償不全の患者で,最大14日間まで使用可能である238).日本へは承認申請準備中(2022 年11 月時点)である.
p.39
氏名参加者自身の申告事項配偶者・一親等親族または収入・財産を共有する者についての申告事項所属する組織・部門の長に関する申告事項(参加者が組織・部門の長と共同研究の立場にある場合)

顧問株保有

・利益特許使用

料講演料原稿料研究費奨学寄附金寄附講座その他顧問株特許研究費奨学寄附金

班員:泉谷 裕則

テルモエドワーズライフサイエンス班員:奥村 貴裕

アストラゼネカベーリンガーインゲルハイムファイザーノバルティス ファーマ小野薬品工業大塚製薬田辺三菱製薬第一三共

班員:小野 稔日本メドトロニックサンメディカル技術研究所ニプロアボットメディカルジャパンサンメディカル技術研究所ニコン班員:北井 豪

アストラゼネカ大塚製薬ノバルティスファーマ班員:絹川 弘一郎

日本アビオメッド

班員:里見 和浩日本メドトロニック日本ライフラインアボットメディカルジャパンアボットメディカルジャパンバイオトロニックジャパン班員:塩瀬 明ニプロ日本ライフラインテルモエドワーズライフサイエンスCSL ベーリングエドワーズライフサイエンス日本メドトロニックマリンクロットファーマアボットメディカルジャパンセンチュリーメディカルテルモCorcym Japanエア・ウォーターエドワーズライフサイエンスセンチュリーメディカルリヴァノヴァ日本メドトロニック

アイティーアイアボットメディカルジャパンエドワーズライフサイエンスカナヤ医科器械ジーエムメディカルセンチュリーメディカルテルモキシヤジェイ・エム・エス泉工医科工業日本メドトロニック平和物産班員:山口 修

アストラゼネカノバルティスファーマバイエル薬品小野薬品工業大塚製薬第一三共日本ベーリンガーインゲルハイムキヤノンメディカルシステムズ武田薬品工業大塚製薬エドワーズライフサイエンス小野薬品工業

協力員:朔 啓太小野薬品工業日本アビオメッドマリンクロットファーマJT 医薬総合研究所NTT Researchオムロン ヘルスケア

付表 2023 年JCS/JSCVS/JCC/CVIT ガイドライン フォーカスアップデート版 PCPS/ECMO/ 循環補助用心内留置型ポンプカ

テーテルの適応・操作:班構成員の利益相反(COI)に関する開示(2020 年1 月1 日~2022 年12 月31 日)

*敬称略 構成員区分ごとに五十音順
p.40
氏名参加者自身の申告事項配偶者・一親等親族または収入・財産を共有する者についての申告事項所属する組織・部門の長に関する申告事項(参加者が組織・部門の長と共同研究の立場にある場合)

顧問株保有

・利益特許使用

料講演料原稿料研究費奨学寄附金寄附講座その他顧問株特許研究費奨学寄附金

協力員:朔 啓太(続き)

旭化成ゾールメディカル大塚メディカルデバイス日本アビオメッド日本ゼオン協力員:橋本 亨

バイエル薬品アボットメディカルジャパン日本メドトロニックニプロ協力員:東 晴彦

武田薬品工業協力員:藤野 剛雄

ノバルティスファーマ大塚製薬

アボットメディカルジャパン日本メドトロニックニプロ協力員:三好 徹

武田薬品工業外部評価委員:猪又 孝元

アストラゼネカノバルティスファーマバイエル薬品ファイザーブリストル・マイヤーズ スクイブベーリンガ―インゲルハイムメドトロニック小野薬品工業大塚製薬第一三共ノバルティスファーマ大塚製薬ベーリンガーインゲルハイムメドトロニック

外部評価委員:坂田 泰史アストラゼネカノバルティスファーマバイエル薬品大塚製薬第一三共日本ベーリンガーインゲルハイム日本メドトロニックBiosense Webster B r i sto l-M ye r s Squibbアボットメディカルジャパンソニートーアエイヨーニプロロシュ・ダイアグノスティックス日本ベーリンガーインゲルハイム富士フイルム富山化学

アボットメディカルジャパンエーザイジョンソン・エンド・ジョンソンバイエル薬品バイオトロニックジャパンボストン・サイエンティフィックジャパン興和小野薬品工業大塚製薬田辺三菱製薬日本ベーリンガーインゲルハイム日本メジフィジックス日本メドトロニック武田薬品工業外部評価委員:澤 芳樹

クオリプスクオリプスアボットメディカルジャパンテルモ日本ライフライン日本アビオメッドセンチュリーメディカル小西医療器ジェイ・エム・エスパラメディック・ジャパン
p.41
氏名参加者自身の申告事項配偶者・一親等親族または収入・財産を共有する者についての申告事項所属する組織・部門の長に関する申告事項(参加者が組織・部門の長と共同研究の立場にある場合)

顧問株保有

・利益特許使用

料講演料原稿料研究費奨学寄附金寄附講座その他顧問株特許研究費奨学寄附金

外部評価委員:澤 芳樹(続き)

泉工医科工業アインファーマシーズ宮野医療器平和物産アキュートサポートニプロゲティンゲグループ・ジャパンフィリップス・ジャパン外部評価委員:湊谷 謙司

テルモ日本ライフライン住友ベークライト秋田住友ベーク

エドワーズライフサイエンス外部評価委員:南野 徹

フクダ電子アストラゼネカノバルティスファーマノボ ノルディスク ファーマバイエル薬品興和住友ファーマ第一三共田辺三菱製薬日本ベーリンガーインゲルハイム日本ベーリンガーインゲルハイムアクティブメディカルアボットメディカルジャパンアルバースエーザイエムシークロスウィルメディカルバイオトロニックジャパンボストン・サイエンティフィックジャパンロシュ・ダイアグノスティックス塩野義製薬メディカル・ハーツ興和持田製薬新日本科学大塚製薬第一三共田辺三菱製薬日本ベーリンガーインゲルハイム日本メドトロニック日本ライフライン武田薬品工業

※法人表記は略

※以下の構成員については申告事項無し班 長:西村 隆班 員:伊勢 孝之班 員:岩野 弘幸班 員:大谷 朋仁班 員:大野 貴之班 員:塚本 泰正班 員:戸田 宏一班 員:平田 康隆協力員:牛島 智基協力員:宇内 真也協力員:黒部 裕嗣

協力員:近藤 徹協力員:齊藤 哲也協力員:嶋田 正吾協力員:園田 拓道協力員:中村 牧子協力員:中本 敬協力員:東野 旭紘協力員:矢作 和之協力員:渡邉 琢也外部評価委員:許 俊鋭外部評価委員:福嶌 教偉以上
p.42
文献

1. Toda K, Ako J, Hirayama A, et al. J.-PVAD registry study investigators. Three-year experience of catheter-based micro-axial left ventricular assist device, Impella, in Japanese patients: the first interim analysis of Japan registry for percutaneous ventricular assist device (J-PVAD). J Artif Organs 2022 Apr 25. doi: 10.1007/ s10047-022-01328-1 PMID: 35467195 2. 日本循環器学会 / 日本心臓血管外科学会.重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン.https://jscvs.or.jp/wp-content/ uploads/2020/06/JCS2013_kyo_h.pdf 3. 日本循環器学会 / 日本心不全学会.急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版).https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/ uploads/2017/06/JCS2017_tsutsui_h.pdf 4. 日本循環器学会 / 日本心臓血管外科学会 / 日本胸部外科学会 / 日本血管外科学会.2021 年改訂版 重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/ uploads/2021/03/JCS2021_Ono_Yamaguchi.pdf 5. Aso S, Matsui H, Fushimi K, et al. In-hospital mortality and successful weaning from venoarterial extracorporeal membrane oxygenation: analysis of 5,263 patients using a national inpatient database in Japan. Crit Care 2016; 20: 80. PMID: 27044572 6. Thiele H, Zeymer U, Neumann FJ, et al. IABP-SHOCK II Trial Investigators. Intraaortic balloon support for myocardial infarction with cardiogenic shock. N Engl J Med 2012; 367: 1287-1296. PMID: 22920912 7. Patel MR, Smalling RW, Thiele H, et al. Intra-aortic balloon counterpulsation and infarct size in patients with acute anterior myocardial infarction without shock: the CRISP AMI randomized trial. JAMA 2011; 306: 1329-1337. PMID: 21878431 8. O’Gara PT, Kushner FG, Ascheim DD, et al. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of ST-elevation myocardial infarction: A report of the American College of Cardiology Foundation/ American Heart Association Task Force on Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol 2013; 61: e78-e140. PMID: 23256914 9. Ibanez B, James S, Agewall S, et al. 2017 ESC Guidelines for the management of acute myocardial infarction in patients presenting with ST-segment elevation: The Task Force for the management of acute myocardial infarction in patients presenting with ST-segment elevation of the European Society of Cardiology (ESC). Eur Heart J 2018; 39: 119-177. PMID: 28886621 10. 日本循環器学会.急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版). https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/ 2018/ 11/ JCS2018_kimura.pdf 11. Helgestad OKL, Josiassen J, Hassager C, et al. Contemporary trends in use of mechanical circulatory support in patients with acute MI and cardiogenic shock. Open Heart 2020; 7: e 001214. PMID: 32201591 12. Neumann FJ, Sousa-Uva M, Ahlsson A, et al. ESC Scientific Document Group. 2018 ESC/EACTS Guidelines on myocardial revascularization. Eur Heart J 2 0 1 9 ; 4 0 : 8 7 - 1 6 5 . PMID: 30165437 13. 日本経皮的心肺補助研究会.PCPS 研究会アンケート集計結果. http://www2.convention.co.jp/pcps/assets/dl/enquete.pdf 14. Ouweneel DM, Schotborgh JV, Limpens J, et al. Extracorporeal life support during cardiac arrest and cardiogenic shock: a systematic review and meta-analysis. Intensive Care Med 2016; 42: 1922- 1934. PMID: 27647331 15. Al-Fares AA, Randhawa VK, Englesakis M, et al. Optimal Strategy and Timing of Left Ventricular Venting During Veno- Arterial Extracorporeal Life Support for Adults in Cardiogenic Shock: A Systematic Review and Meta-Analysis. Circ Heart Fail 2019; 12: e006486. PMID: 31718322 16. 一般社団法人補助人工心臓治療関連学会協議会インペラ部会. IMPELLA 適正使用指針.https://j-pvad.jp/guidance/ 17. Ikeda Y, Ako J, Toda K, et al. J-PVAD Investigators. Short-Term Outcomes of Impella Support in Japanese Patients With Cardiogenic Shock Due to Acute Myocardial Infarction ― Japanese Registry for Percutaneous Ventricular Assist Device (J-PVAD). Circ J 2023 Jan 20. doi: 10. 1253/circj.CJ- 22- 0476. PMID: 36682787 18. Thiele H, Jobs A, Ouweneel DM, et al. Percutaneous short-term active mechanical support devices in cardiogenic shock: a systematic review and collaborative meta-analysis of randomized trials. Eur Heart J 2017; 38: 3523-3531. PMID: 29020341 19. Shah M, Patnaik S, Patel B, et al. Trends in mechanical circulatory support use and hospital mortality among patients with acute myocardial infarction and non-infarction related cardiogenic shock in the United States. Clin Res Cardiol 2018; 107: 287-303. PMID: 29134345 20. Basir MB, Kapur NK, Patel K, et al. National Cardiogenic Shock

Initiative Investigators. Improved Outcomes Associated with the use of Shock Protocols: Updates from the National Cardiogenic Shock Initiative. Catheter Cardiovasc Interv 2019; 93: 1173- 1183. PMID: 31025538 21. Takahashi K, Nakata J, Kurita J, et al. Impella-assisted coronary artery bypass grafting for acute myocardial infarction. Asian Cardiovasc Thorac Ann 2020; 28: 115-117. PMID: 31680533 22. Burzotta F, Russo G, Ribichini F, et al. Long-Term Outcomes of Extent of Revascularization in Complex High Risk and Indicated Patients Undergoing Impella-Protected Percutaneous Coronary Intervention: Report from the Roma-Verona Registry. J Interv Cardiol 2019; 2019: 5243913. PMID: 31772533 23. Kapur NK, Qiao X, Paruchuri V, et al. Mechanical Pre-Conditioning With Acute Circulatory Support Before Reperfusion Limits Infarct Size in Acute Myocardial Infarction. JACC Heart Fail 2015; 3: 873-882. PMID: 26541785 24. Kapur NK, Alkhouli MA, DeMartini TJ, et al. Unloading the Left Ventricle Before Reperfusion in Patients With Anterior ST-Segment- Elevation Myocardial Infarction. Circulation 2 0 1 9 ; 1 3 9 : 337-346. PMID: 30586728 25. Kapur NK, Kim RJ, Moses JW, et al. Primary left ventricular unloading with delayed reperfusion in patients with anterior STelevation myocardial infarction: Rationale and design of the STEMI-DTU randomized pivotal trial. Am Heart J 2022; 254: 122-132. PMID: 36058253 26. Elbadawi A, Elgendy IY, Mahmoud K, et al. Temporal Trends and Outcomes of Mechanical Complications in Patients With Acute Myocardial Infarction. JACC Cardiovasc Interv 2019; 12: 1825- 1836. PMID: 31537282 27. Ronco D, Matteucci M, Ravaux JM, et al. Mechanical Circulatory Support as a Bridge to Definitive Treatment in Post-Infarction Ventricular Septal Rupture. JACC Cardiovasc Interv 2021; 14: 1053-1066. PMID: 34016403 28. 補助人工心臓治療関連学会協議会インペラ部会.補助循環用ポンプカテーテルに関するレジストリ事業 J-PVAD 年次報告(2020年2 月~2021 年12 月).https://j-pvad.jp/registry/ 29. McCarthy RE 3rd, Boehmer JP, Hruban RH, et al. Long-term outcome of fulminant myocarditis as compared with acute (nonfulminant) myocarditis. N Engl J Med 2000; 342: 690-695. PMID: 10706898 30. Tadokoro N, Fukushima S, Minami K, et al. Efficacy of central extracorporeal life support for patients with fulminant myocarditis and cardiogenic shock. Eur J Cardiothorac Surg 2021; 60: 1184- 1192. PMID: 34172987 31. Kondo T, Okumura T, Shibata N, et al. Differences in Prognosis and Cardiac Function According to Required Percutaneous Mechanical Circulatory Support and Histological Findings in Patients With Fulminant Myocarditis: Insights From the CHANGE PUMP 2 Study. J Am Heart Assoc 2022; 11: e 023719. PMID: 35132864 32. Saku K, Yokota S, Nishikawa T, et al. Interventional heart failure therapy: A new concept fighting against heart failure. J Cardiol 2022; 80: 101-109. PMID: 34924236 33. Truby LK, Rogers JG. Advanced Heart Failure: Epidemiology, Diagnosis, and Therapeutic Approaches. JACC Heart Fail 2020; 8: 523-536. PMID: 32535126 34. den Uil CA, Akin S, Jewbali LS, et al. Short-term mechanical circulatory support as a bridge to durable left ventricular assist device implantation in refractory cardiogenic shock: a systematic review and meta-analysis. Eur J Cardiothorac Surg 2017; 52: 14-25. PMID: 28472406 35. Zaky M, Nordan T, Kapur NK, et al. Impella 5.5 Support beyond 50 Days as Bridge to Heart Transplant in End-Stage Heart Failure P a t i e n t s . A S A I O J 2 0 2 2 A u g 5 . d o i : 1 0 . 1 0 9 7 / MAT.0000000000001796 PMID: 35947797 36. Ramzy D, Anderson M, Batsides G, et al. Early Outcomes of the

First 200 US Patients Treated with Impella 5.5: A Novel Temporary Left Ventricular Assist Device. Innovations (Phila) 2021; 16: 365-372. PMID: 34101514
p.43
37 Khorsandi M, Dougherty S, Bouamra O, et al. Extra-corporeal

membrane oxygenation for refractory cardiogenic shock after adult cardiac surgery: a systematic review and meta-analysis. J Cardiothorac Surg 2017; 12: 55. PMID: 28716039 38. Pappalardo F, Schulte C, Pieri M, et al. Concomitant implantation

of Impella

® on top of veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation may improve survival of patients with cardiogenic shock. Eur J Heart Fail 2017; 19: 404-412. PMID: 27709750 39. David CH, Quessard A, Mastroianni C, et al. Mechanical circulatory support with the Impella 5.0 and the Impella Left Direct pumps for postcardiotomy cardiogenic shock at La Pitié-Salpêtrière Hospital. Eur J Cardiothorac Surg 2020; 57: 183- 188. PMID: 31270535 40. Bol ME, Suverein MM, Lorusso R, et al. Early initiation of extracorporeal life support in refractory out-of-hospital cardiac arrest: Design and rationale of the INCEPTION trial. Am Heart J 2019; 210: 58-68. PMID: 30738245 41. Siao FY, Chiu CC, Chiu CW, et al. Managing cardiac arrest with refractory ventricular fibrillation in the emergency department: Conventional cardiopulmonary resuscitation versus extracorporeal cardiopulmonary resuscitation. Resuscitation 2015; 92: 70- 76. PMID: 25936930 42. Scquizzato T, Bonaccorso A, Consonni M, et al. Extracorporeal cardiopulmonary resuscitation for out-of-hospital cardiac arrest: A systematic review and meta-analysis of randomized and propensity score-matched studies. Artif Organs 2022; 46: 755- 762. PMID: 35199375 43. Baudry G, Sonneville R, Waintraub X, et al. Extracorporeal Membrane Oxygenation to Support Life-Threatening Drug-Refractory Electrical Storm. Crit Care Med 2020; 48: e 856-e 863. PMID: 32796185 44. Ballout JA, Wazni OM, Tarakji KG, et al. Catheter Ablation in Patients With Cardiogenic Shock and Refractory Ventricular Tachycardia. Circ Arrhythm Electrophysiol 2020; 13: e 007669. PMID: 32281407 45. Turagam MK, Vuddanda V, Koerber S, et al. Percutaneous ventricular assist device in ventricular tachycardia ablation: a systematic review and meta-analysis. J Interv Card Electrophysiol 2019; 55: 197-205. PMID: 30377926 46. Mandawat A, McCullough SA, Gilstrap LG, et al. Successful treatment of flecainide overdose with sustained mechanical circulatory support. HeartRhythm Case Rep 2015; 1: 137- 140. PMID: 28491532 47. Ohata T, Ueda H, Yamada Y. Cibenzoline intoxication necessitating implantation of a biventricular assist system in a patient with severe cardiomyopathy. Interact Cardiovasc Thorac Surg 2010; 11: 95-97. PMID: 20421279 48. Conte G, Sieira J, Sarkozy A, et al. Life-threatening ventricular arrhythmias during ajmaline challenge in patients with Brugada syndrome: incidence, clinical features, and prognosis. Heart Rhythm 2013; 10: 1869-1874. PMID: 24055942 49. 日本循環器学会.肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017 年改訂版).https://www.j-circ. or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/09/JCS2017_ito_h.pdf 50. Jaff MR, McMurtry MS, Archer SL, et al. Management of massive and submassive pulmonary embolism, iliofemoral deep vein thrombosis, and chronic thromboembolic pulmonary hypertension: A scientific statement from the American Heart Association. Circulation 2011; 123: 1788-1830. PMID: 21422387 51. Konstantinides SV, Torbicki A, Agnelli G, et al. Task Force for the Diagnosis and Management of Acute Pulmonary Embolism of the European Society of Cardiology (ESC). 2014 ESC guidelines on the diagnosis and management of acute pulmonary embolism. Eur Heart J 2014; 35: 3033-3080. PMID: 25173341 52. Pasrija C, Kronfli A, George P, et al. Utilization of Veno-Arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation for Massive Pulmonary Embolism. Ann Thorac Surg 2018; 105: 498- 504. PMID: 29174781 53. Goldberg JB, Spevack DM, Ahsan S, et al. Survival and Right Ventricular Function After Surgical Management of Acute Pulmonary Embolism. J Am Coll Cardiol 2020; 76: 903- 911. PMID: 32819463 54. Upchurch C, Blumenberg A, Brodie D, et al. Extracorporeal membrane oxygenation use in poisoning: a narrative review with clinical recommendations. Clin Toxicol (Phila) 2 0 2 1 ; 5 9 : 877-887. PMID: 34396873 55. Lott C, Truhlář A, Alfonzo A, et al. European Resuscitation Council Guidelines 2021: Cardiac arrest in special circumstances. Resuscitation 2021; 161: 152-219. PMID: 33773826 56. Sangli SS, Noronha SF, Mourad B, et al. A Systematic Review of Preexisting Sepsis and Extracorporeal Membrane Oxygenation. ASAIO J 2020; 66: 1-7. PMID: 31860607 57. Bréchot N, Hajage D, Kimmoun A, et al. Venoarterial extracorpo-

real membrane oxygenation to rescue sepsis-induced cardiogenic shock: a retrospective, multicentre, international cohort study. Lancet 2020; 396: 545-552. PMID: 32828186 58. Verbrugge FH, Guazzi M, Testani JM, et al. Altered Hemodynamics and End-Organ Damage in Heart Failure: Impact on the Lung and Kidney. Circulation 2020; 142: 998-1012. PMID: 32897746 59. Geller BJ, Sinha SS, Kapur NK, et al. Escalating and De-escalating Temporary Mechanical Circulatory Support in Cardiogenic Shock: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation 2022; 146: e50-e68. PMID: 35862152 60. Henry TD, Tomey MI, Tamis-Holland JE, et al. Invasive Management of Acute Myocardial Infarction Complicated by Cardiogenic Shock: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation 2021; 143: e 815-e 829. PMID: 33657830 61. van Diepen S, Katz JN, Albert NM, et al. Contemporary Management of Cardiogenic Shock: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation 2017; 136: e 232e268. PMID: 28923988 62. Hochman JS, Sleeper LA, Godfrey E, et al. The SHOCK Trial Study Group. SHould we emergently revascularize Occluded Coronaries for cardiogenic shocK: an international randomized trial of emergency PTCA/CABG-trial design. Am Heart J 1999; 137: 313-321. PMID: 9924166 63. Wayangankar SA, Bangalore S, McCoy LA, et al. Temporal Trends and Outcomes of Patients Undergoing Percutaneous Coronary Interventions for Cardiogenic Shock in the Setting of Acute Myocardial Infarction: A Report From the CathPCI Registry. JACC Cardiovasc Interv 2016; 9: 341-351. PMID: 26803418 64. Menon V, Slater JN, White HD, et al. Acute myocardial infarction complicated by systemic hypoperfusion without hypotension: report of the SHOCK trial registry. Am J Med 2000; 108: 374-380. PMID: 10759093 65. Naidu SS, Baran DA, Jentzer JC, et al. SCAI SHOCK Stage Classification Expert Consensus Update: A Review and Incorporation of Validation Studies: This statement was endorsed by the American College of Cardiology (ACC), American College of Emergency Physicians (ACEP), American Heart Association (AHA), European Society of Cardiology (ESC) Association for Acute Cardiovascular Care (ACVC), International Society for Heart and Lung Transplantation (ISHLT), Society of Critical Care Medicine (SCCM), and Society of Thoracic Surgeons (STS) in December 2021. J Am Coll Cardiol 2022; 79: 933-946. PMID: 35115207 66. Hernandez-Montfort J, Sinha SS, Thayer KL, et al. Clinical Outcomes Associated With Acute Mechanical Circulatory Support Utilization in Heart Failure Related Cardiogenic Shock. Circ Heart Fail 2021; 14: e007924. PMID: 33905259 67. Aiba T, Nonogi H, Itoh T, et al. Appropriate indications for the use of a percutaneous cardiopulmonary support system in cases with cardiogenic shock complicating acute myocardial infarction. Jpn Circ J 2001; 65: 145-149. PMID: 11266185 68. 中村牧子,上野博志,中垣内昌樹,他.VF 心肺停止でECMO+IMPELLA による循環補助とPCI を行い救命した1 例.心臓 2019; 51: 611-618. 69. O’Neill WW, Grines C, Schreiber T, et al. Analysis of outcomes for 15,259 US patients with acute myocardial infarction cardiogenic shock (AMICS) supported with the Impella device. Am Heart J 2018; 202: 33-38. PMID: 29803984 70. 日本循環器学会.2021 年改訂版 循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/ uploads/2021/03/JCS2021_Ohte.pdf 71. Nagueh SF, Smiseth OA, Appleton CP, et al. Recommendations for the Evaluation of Left Ventricular Diastolic Function by Echocardiography: An Update from the American Society of Echocardiography and the European Association of Cardiovascular Imaging. J Am Soc Echocardiogr 2016; 29: 277-314. PMID: 27037982 72. Rudski LG, Lai WW, Afilalo J, et al. Guidelines for the echocardiographic assessment of the right heart in adults: a report from the American Society of Echocardiography endorsed by the European Association of Echocardiography, a registered branch of the European Society of Cardiology, and the Canadian Society of Echocardiography. J Am Soc Echocardiogr 2010; 23: 685- 713. PMID: 20620859 73. Lang RM, Badano LP, Mor-Avi V, et al. Recommendations for

cardiac chamber quantification by echocardiography in adults: an update from the American Society of Echocardiography and the
p.44
European Association of Cardiovascular Imaging. J Am Soc Echocardiogr 2015; 28: 1-39.e14. PMID: 25559473 74. 日本循環器学会 / 日本胸部外科学会 / 日本血管外科学会 / 日本心臓血管外科学会.2020 年改訂版 弁膜症治療のガイドライン.https:// www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/ 2020/ 04/JCS 2020_ Izumi_Eishi.pdf 75. Dilsizian V, Bateman TM, Bergmann SR, et al. Metabolic imaging

with β-methyl-p-[

123I]-iodophenyl-pentadecanoic acid identifies ischemic memory after demand ischemia. Circulation 2005; 112: 2169-2174. PMID: 16186423 76. Gaemperli O, Kaufmann PA. PET and PET/CT in cardiovascular disease. Ann N Y Acad Sci 2011; 1228: 109-136. PMID: 21718328 77. Kim RJ, Wu E, Rafael A, et al. The use of contrast-enhanced magnetic resonance imaging to identify reversible myocardial dysfunction. N Engl J Med 2000; 343: 1445- 1453. PMID: 11078769 78. Azzolini RK, Solis FAE, Rezende PC, et al. Acute inferolateral ST-elevation myopericarditis diagnosed by delayed enhancement cardiac computed tomography. J Cardiol Cases 2011; 3: e90-e93. PMID: 30532846 79. Brett NJ, Strugnell WE, Slaughter RE. Acute myocarditis demonstrated on CT coronary angiography with MRI correlation. Circ Cardiovasc Imaging 2011; 4: e5-e6. PMID: 21586739 80. Harjola VP, Mullens W, Banaszewski M, et al. Organ dysfunction, injury and failure in acute heart failure: from pathophysiology to diagnosis and management. A review on behalf of the Acute Heart Failure Committee of the Heart Failure Association (HFA) of the European Society of Cardiology (ESC). Eur J Heart Fail 2017; 19: 821-836. PMID: 28560717 81. Baran DA, Grines CL, Bailey S, et al. SCAI clinical expert consensus statement on the classification of cardiogenic shock: This document was endorsed by the American College of Cardiology (ACC), the American Heart Association (AHA), the Society of Critical Care Medicine (SCCM), and the Society of Thoracic Surgeons (STS) in April 2019. Catheter Cardiovasc Interv 2019; 94: 29-37. PMID: 31104355 82. Chioncel O, Parissis J, Mebazaa A, et al. Epidemiology, pathophysiology and contemporary management of cardiogenic shock – a position statement from the Heart Failure Association of the European Society of Cardiology. Eur J Heart Fail 2020; 22: 1315- 1341. PMID: 32469155 83. Jentzer JC, van Diepen S, Barsness GW, et al. Cardiogenic Shock Classification to Predict Mortality in the Cardiac Intensive Care Unit. J Am Coll Cardiol 2019; 74: 2117-2128. PMID: 31548097 84. Jentzer JC, Burstein B, Van Diepen S, et al. Defining Shock and Preshock for Mortality Risk Stratification in Cardiac Intensive Care Unit Patients. Circ Heart Fail 2021; 14: e 007678. PMID: 33464952 85. Ronco C, Haapio M, House AA, et al. Cardiorenal syndrome. J Am Coll Cardiol 2008; 52: 1527-1539. PMID: 19007588 86. Ronco C, McCullough P, Anker SD, et al. Acute Dialysis Quality Initiative (ADQI) consensus group. Cardio-renal syndromes: report from the consensus conference of the acute dialysis quality initiative. Eur Heart J 2010; 31: 703-711. PMID: 20037146 87. Kimura K, Kimura T, Ishihara M, et al. JCSociety Joint Working Group. JCS 2018 Guideline on Diagnosis and Treatment of Acute Coronary Syndrome. Circ J 2019; 83: 1085- 1196. PMID: 30930428 88. Waseem N, Chen PH. Hypoxic Hepatitis: A Review and Clinical Update. J Clin Transl Hepatol 2 0 1 6 ; 4 : 2 6 3 - 2 6 8 . PMID: 27777895 89. Birgens HS, Henriksen J, Matzen P, et al. The shock liver. Clinical and biochemical findings in patients with centrilobular liver necrosis following cardiogenic shock. Acta Med Scand 1978; 204: 417-421. PMID: 717063 90. Jung C, Fuernau G, Eitel I, et al. Incidence, laboratory detection and prognostic relevance of hypoxic hepatitis in cardiogenic shock. Clin Res Cardiol 2017; 106: 341-349. PMID: 27928583 91. Guyton AC, Lindsey AW. Effect of elevated left atrial pressure and decreased plasma protein concentration on the development of pulmonary edema. Circ Res 1959; 7: 649-657. PMID: 13663218 92. Japanese Circulation Society, Japanese Heart Failure Society Joint Working Group. JCS 2017/JHFS 2017 Guideline on Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure: Digest Version. Circ J 2019; 83: 2084-2184. PMID: 31511439 93. Gando S, Levi M, Toh CH. Disseminated intravascular coagulation. Nat Rev Dis Primers 2016; 2: 16037. PMID: 27250996 94. Levi M, Ten Cate H. Disseminated intravascular coagulation. N Engl J Med 1999; 341: 586-592. PMID: 10451465 95. 日本循環器学会 / 日本心不全学会.2021 年改訂版 循環器疾患における緩和ケアについての提言.https://www.j-circ.or.jp/cms/ wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Anzai.pdf 96. Tehrani BN, Truesdell AG, Psotka MA, et al. A Standardized and

Comprehensive Approach to the Management of Cardiogenic Shock. JACC Heart Fail 2020; 8: 879-891. PMID: 33121700 97. Nakamura M, Imamura T, Ueno H, et al. Current indication and practical management of percutaneous left ventricular assist device support therapy in Japan. J Cardiol 2020; 75: 228- 232. PMID: 31870578 98. 日本循環器学会 / 日本心不全学会.2021 年 JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療.p.28-29. https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/ 2021/ 03/ JCS2021_Tsutsui.pdf 99. 補助人工心臓治療関連学会協議会.循環補助使用中のNYHA クラスとprofile 分類のコンセンサス(2022.4.18 確定).https://j-vad. jp/document/ 循環補助使用中のNYHA クラスとprofile 分類のコンセンサス.pdf?ver=20220419A 100. Scheidt S, Wilner G, Mueller H, et al. Intra-aortic balloon counterpulsation in cardiogenic shock. Report of a co-operative clinical trial. N Engl J Med 1973; 288: 979-984. PMID: 4696253 101. De Silva K, Lumley M, Kailey B, et al. Coronary and microvascular physiology during intra-aortic balloon counterpulsation. JACC Cardiovasc Interv 2014; 7: 631-640. PMID: 24726295 102. Cheng R, Hachamovitch R, Kittleson M, et al. Complications of extracorporeal membrane oxygenation for treatment of cardiogenic shock and cardiac arrest: a meta-analysis of 1, 866 adult patients. Ann Thorac Surg 2014; 97: 610-616. PMID: 24210621 103. Lamb KM, DiMuzio PJ, Johnson A, et al. Arterial protocol including prophylactic distal perfusion catheter decreases limb ischemia complications in patients undergoing extracorporeal membrane oxygenation. J Vasc Surg 2017; 65: 1074-1079. PMID: 28342510 104. Russo JJ, Aleksova N, Pitcher I, et al. Left Ventricular Unloading During Extracorporeal Membrane Oxygenation in Patients With Cardiogenic Shock. J Am Coll Cardiol 2019; 73: 654-662. PMID: 30765031 105. Grandin EW, Nunez JI, Willar B, et al. Mechanical Left Ventricular Unloading in Patients Undergoing Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation. J Am Coll Cardiol 2022; 79: 1239-1250. PMID: 35361346 106. Patel SM, Lipinski J, Al-Kindi SG, et al. Simultaneous Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation and Percutaneous Left Ventricular Decompression Therapy with Impella Is Associated with Improved Outcomes in Refractory Cardiogenic Shock. ASAIO J 2019; 65: 21-28. PMID: 29489461 107. Sawada K, Kawakami S, Murata S, et al. Predicting Parameters for Successful Weaning from Veno-Arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation in Cardiogenic Shock. ESC Heart Fail 2021; 8: 471-480. PMID: 33264500 108. Smith M, Vukomanovic A, Brodie D, et al. Duration of veno-arterial extracorporeal life support (VA ECMO) and outcome: an analysis of the Extracorporeal Life Support Organization (ELSO) registry. Crit Care 2017; 21: 45. PMID: 28264702 109. Rao P, Khalpey Z, Smith R, et al. Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation for Cardiogenic Shock and Cardiac Arrest: Cardinal Considerations for Initiation and Management. Circ Heart Fail 2018; 11: e004905. PMID: 30354364 110. Raffa GM, Kowalewski M, Brodie D, et al. Meta-Analysis of Peripheral or Central Extracorporeal Membrane Oxygenation in Postcardiotomy and Non-Postcardiotomy Shock. Ann Thorac Surg 2019; 107: 311-321. PMID: 29959943 111. JCS/JSCVS/JATS/JSVS Joint Working Group. JCS/JSCVS/JATS/ JSVS 2021 Guideline on Implantable Left Ventricular Assist Device for Patients With Advanced Heart Failure. Circ J 2022; 86: 1024-1058. PMID: 35387921 112. Burzotta F, Trani C, Doshi SN, et al. Impella ventricular support in clinical practice: Collaborative viewpoint from a European expert user group. Int J Cardiol 2015; 201: 684-691. PMID: 26363632 113. Saku K, Kakino T, Arimura T, et al. Left Ventricular Mechanical Unloading by Total Support of Impella in Myocardial Infarction Reduces Infarct Size, Preserves Left Ventricular Function, and Prevents Subsequent Heart Failure in Dogs. Circ Heart Fail 2018; 11: e004397. PMID: 29739745 114. Reed BN, DiDomenico RJ, Allender JE, et al. Survey of Anticoagulation Practices with the Impella Percutaneous Ventricular Assist Device at High-Volume Centers. J Interv Cardiol 2019; 2019: 3791307. PMID: 31772529 115. 日本アビオメッド. Impella テキストブック:Impella CP Smart Assist / Impella 5.5 SmartAssist. 116. Dhruva SS, Ross JS, Mortazavi BJ, et al. Association of Use of an
p.45
Intravascular Microaxial Left Ventricular Assist Device vs Intraaortic Balloon Pump With In-Hospital Mortality and Major Bleeding Among Patients With Acute Myocardial Infarction Complicated by Cardiogenic Shock. JAMA 2020; 323: 734-745. PMID: 32040163 117. Patel N, Sharma A, Dalia T, et al. Vascular complications associated with percutaneous left ventricular assist device placement: A 10-year US perspective. Catheter Cardiovasc Interv 2020; 95: 309-316. PMID: 31638737 118. Esposito ML, Morine KJ, Annamalai SK, et al. Increased Plasma- Free Hemoglobin Levels Identify Hemolysis in Patients With Cardiogenic Shock and a Trans valvular Micro-Axial Flow Pump. Artif Organs 2019; 43: 125-131. PMID: 30216467 119. Sef D, Kabir T, Lees NJ, et al. Valvular complications following the Impella device implantation. J Card Surg 2021; 36: 1062- 1066. PMID: 33410194 120. Vallabhajosyula S, O’Horo JC, Antharam P, et al. Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation With Concomitant Impella Versus Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation for Cardiogenic Shock. ASAIO J 2020; 66: 497- 503. PMID: 31335363 121. McDonagh TA, Metra M, Adamo M, et al. 2021 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure. Eur Heart J 2021; 42: 3599-3726. PMID: 34447992 122. Randhawa VK, Al-Fares A, Tong MZY, et al. A Pragmatic Approach to Weaning Temporary Mechanical Circulatory Support: A State-of-the-Art Review. JACC Heart Fail 2021; 9: 664-673. PMID: 34391743 123. Fincke R, Hochman JS, Lowe AM, et al. SHOCK Investigators. Cardiac power is the strongest hemodynamic correlate of mortality in cardiogenic shock: a report from the SHOCK trial registry. J Am Coll Cardiol 2004; 44: 340-348. PMID: 15261929 124. Morine KJ, Kiernan MS, Pham DT, et al. Pulmonary Artery Pulsatility Index Is Associated With Right Ventricular Failure After Left Ventricular Assist Device Surgery. J Card Fail 2016; 22: 110-116. PMID: 26564619 125. Korabathina R, Heffernan KS, Paruchuri V, et al. The pulmonary artery pulsatility index identifies severe right ventricular dysfunction in acute inferior myocardial infarction. Catheter Cardiovasc Interv 2012; 80: 593-600. PMID: 21954053 126. Ikeda Y, Ishii S, Maemura K, et al. Hemodynamic assessment and risk classification for successful weaning of Impella in patients with cardiogenic shock. Artif Organs 2022; 46: 1358- 1368. PMID: 35132664 127. Oki T, Ikeda Y, Ishii S, et al. Inhaled nitric oxide for ECPELLA management in fulminant myocarditis complicated with severe right ventricular dysfunction: A case report. J Cardiol Cases 2022; 26: 104-107. PMID: 35949567 128. Shimizu S, Shimano M, Shibata Y, et al. Successful weaning from veno-arterial ECMO and Impella2.5 by veno-venous and arterial ECMO (v-ECPELLA) for a patient with acute myocardial infarction complicated by severe lung injury. J Cardiol Cases 2020; 22: 103-106. PMID: 32884588 129. Ushijima T, Sonoda H, Tanoue Y, et al. A therapeutic concept to resolve a possible coronary desaturation under Ecpella support and maximize the potential for myocardial recovery: combination of veno-arteriovenous extracorporeal membrane oxygenation and Impella (VAVEcpella). Perfusion 2021; 36: 535- 537. PMID: 32928072 130. Kato J, Seo T, Ando H, et al. Coronary arterial perfusion during venoarterial extracorporeal membrane oxygenation. J Thorac Cardiovasc Surg 1996; 111: 630-636. PMID: 8601978 131. Akanni OJ, Takeda K, Truby LK, et al. EC-VAD: Combined Use of Extracorporeal Membrane Oxygenation and Percutaneous Microaxial Pump Left Ventricular Assist Device. ASAIO J 2019; 65: 219-226. PMID: 29734259 132. Takano H, Taenaka Y, Noda H, et al. Multi-institutional studies of the National Cardiovascular Center Ventricular Assist System: Use in 92 patients. ASAIO Trans 1989; 35: 541- 544. PMID: 2597528 133. Sato N, Mohri H, Sezai Y, et al. Multi-institutional evaluation of the Tokyo University Ventricular Assist System. ASAIO Trans 1990; 36: M708-M711. PMID: 2252790 134. Kitamura M, Kawai A, Hachida M, et al. Clinical experience of left ventricular assist systems at the Heart Institute of Japan. Artif Organs 1999; 23: 286-289. PMID: 10198722 135. Seguchi O, Fujita T, Kitahata N, et al. A Novel Extracorporeal Continuous-Flow Ventricular Assist System for Patients With Advanced Heart Failure ― Initial Clinical Experience. Circ J 2020; 84: 1090-1096. PMID: 32461539 136. Fukushima S, Tadokoro N, Koga A, et al. Central conversion from peripheral extracorporeal life support for patients with refractory congestive heart failure. J Artif Organs 2020; 23: 214- 224. PMID: 32076901 137. Nakatani T, Sase K, Oshiyama H, et al. J-MACS investigators. Japanese registry for Mechanically Assisted Circulatory Support: First report. J Heart Lung Transplant 2017; 36: 1087- 1096. PMID: 28942783 138. Nakajima Doi S, Seguchi O, Yamamoto M, et al. Impact of bridgeto-bridge strategies from paracorporeal to implantable left ventricular assist devices on the pre-heart transplant outcome: A single-center analysis of 134 cases. J Cardiol 2021; 77: 408- 416. PMID: 33243529 139. Yoshitake S, Kinoshita O, Nawata K, et al. Single-center experience of the bridge-to-bridge strategy using the Nipro paracorporeal ventricular assist device. J Artif Organs 2018; 21: 405- 411. PMID: 29943370 140. Kinugawa K, Sakata Y, Ono M, et al. Consensus Report on Destination Therapy in Japan ― From the DT Committee of the Council for Clinical Use of Ventricular Assist Device Related Academic Societies. Circ J 2021; 85: 1906-1917. PMID: 34433758 141. Topkara VK, Sayer GT, Clerkin KJ, et al. Recovery With Temporary Mechanical Circulatory Support While Waitlisted for Heart Transplantation. J Am Coll Cardiol 2022; 79: 900- 913. PMID: 35241224 142. Kondo T, Morimoto R, Mutsuga M, et al. Comparison of Impella 5.0 and extracorporeal left ventricular assist device in patients with cardiogenic shock. Int J Artif Organs 2021; 44: 846-853. PMID: 34488481 143. Imamura T, Kinugawa K, Ono M, et al. Bridge-to-Bridge Left Ventricular Assist Device Implantation Strategy vs. Primary Left Ventricular Assist Device Implantation Strategy. Circ J 2020; 84: 2198-2204. PMID: 33148939 144. Tonai K, Fukushima S, Tadokoro N, et al. Bridge from central extracorporeal life support is a risk factor of cerebrovascular accidents after durable left ventricular assist device implantation. J Artif Organs 2022; 25: 214-222. PMID: 34866164 145. John R, Long JW, Massey HT, et al. Outcomes of a multicenter trial of the Levitronix CentriMag ventricular assist system for short-term circulatory support. J Thorac Cardiovasc Surg 2011; 141: 932-939. PMID: 20605026 146. Worku B, Pak SW, van Patten D, et al. The CentriMag ventricular assist device in acute heart failure refractory to medical management. J Heart Lung Transplant 2012; 31: 611-617. PMID: 22608770 147. Takayama H, Soni L, Kalesan B, et al. Bridge-to-decision therapy with a continuous-flow external ventricular assist device in refractory cardiogenic shock of various causes. Circ Heart Fail 2014; 7: 799-806. PMID: 25027874 148. John R, Liao K, Lietz K, et al. Experience with the Levitronix CentriMag circulatory support system as a bridge to decision in patients with refractory acute cardiogenic shock and multisystem organ failure. J Thorac Cardiovasc Surg 2007; 134: 351- 358. PMID: 17662772 149. 木村光利,木下修,縄田寛,他.体外式補助人工心臓装着患者のポンプ内血栓に対する一時的遠心ポンプ.胸部外科 2015; 68: 323-331. PMID: 25963778 150. Kashiwa K, Nishimura T, Saito A, et al. Left heart bypass support with the Rotaflow Centrifugal Pump

®  as a bridge to decision and recovery in an adult. J Artif Organs 2012; 15: 207- 210. PMID: 22358461 151. Tokunaga C, Iguchi A, Nakajima H, et al. Surgical outcomes of bridge-to-bridge therapy with extracorporeal left ventricular assist device for acute myocardial infarction in cardiogenic shock. BMC Cardiovasc Disord 2022; 22: 54. PMID: 35172726 152. Fukushima N, Tatsumi E, Seguchi O, et al. Assessment of Safety and Effectiveness of the Extracorporeal Continuous-Flow Ventricular Assist Device (BR 16010) Use as a Bridge-to-Decision Therapy for Severe Heart Failure or Refractory Cardiogenic Shock: Study Protocol for Single-Arm Non-randomized, Uncontrolled, and Investigator-Initiated Clinical Trial. Cardiovasc Drugs Ther 2018; 32: 373-379. PMID: 29948739 153. Matsumoto Y, Fukushima S, Shimahara Y, et al. Early postoperative heparinization reduce hemolysis in patients with HeartMate II devices. J Artif Organs 2020; 23: 19-26. PMID: 31482437 154. Tsukiya T, Mizuno T, Takewa Y, et al. Preclinical study of a novel hydrodynamically levitated centrifugal pump for long-term cardiopulmonary support : In vivo performance during percutaneous cardiopulmonary support. J Artif Organs 2 0 1 5 ; 1 8 : 300-306. PMID: 25975380 155. Dandel M, Weng Y, Siniawski H, et al. Long-term results in
p.46
patients with idiopathic dilated cardiomyopathy after weaning from left ventricular assist devices. Circulation 2005; 112 Suppl: I37-I45. PMID: 16159848 156. Saito S, Toda K, Miyagawa S, et al. Recovery From Exhaustion of the Frank-Starling Mechanism by Mechanical Unloading With a Continuous-Flow Ventricular Assist Device. Circ J 2020; 84: 1124-1131. PMID: 32461540 157. Frazier OH, Myers TJ. Left ventricular assist system as a bridge to myocardial recovery. Ann Thorac Surg 1999; 68: 734-741. PMID: 10475480 158. Khan T, Delgado RM, Radovancevic B, et al. Dobutamine stress echocardiography predicts myocardial improvement in patients supported by left ventricular assist devices (LVADs): hemodynamic and histologic evidence of improvement before LVAD explantation. J Heart Lung Transplant 2003; 22: 137-146. PMID: 12581761 159. Magnesium in Coronaries (MAGIC) Trial Investigators. Early administration of intravenous magnesium to high-risk patients with acute myocardial infarction in the Magnesium in Coronaries (MAGIC) Trial: a randomised controlled trial. Lancet 2002; 360: 1189-1196. PMID: 12401244 160. 日本循環器学会 / 日本不整脈心電学会.2020 年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/ uploads/2020/01/JCS2020_Ono.pdf 161. Ikeda T, Shiga T, Shimizu W, et al. J-Land II Study Investigators. Efficacy and Safety of the Ultra-Short-Acting β 1-Selective Blocker Landiolol in Patients With Recurrent Hemodynamically Unstable Ventricular Tachyarrhymias ― Outcomes of J-Land II Study. Circ J 2019; 83: 1456-1462. PMID: 31118364 162. Amino M, Yoshioka K, Morita S, et al. Is the combination therapy of IKr-channel blocker and left stellate ganglion block effective for intractable ventricular arrhythmia in a cardiopulmonary arrest patient? Cardiol J 2007; 14: 355-365. PMID: 18651486 163. Lescroart M, Pressiat C, Péquignot B, et al. Impaired Pharmacokinetics of Amiodarone under Veno-Venous Extracorporeal Membrane Oxygenation: From Bench to Bedside. Pharmaceutics 2022; 14: 974. PMID: 35631560 164. Balthazar T, Vandenbriele C, Verbrugge FH, et al. Managing Patients With Short-Term Mechanical Circulatory Support: JACC Review Topic of the Week. J Am Coll Cardiol 2021; 77: 1243- 1256. PMID: 33663742 165. Squara P, Hollenberg S, Payen D. Reconsidering Vasopressors for Cardiogenic Shock: Everything Should Be Made as Simple as Possible, but Not Simpler. Chest 2019; 156: 392- 401. PMID: 30935893 166. Chow JY, Vadakken ME, Whitlock RP, et al. Pulmonary artery catheterization in patients with cardiogenic shock: a systematic review and meta-analysis. Can J Anaesth 2021; 68: 1611- 1629. PMID: 34405356 167. Lorusso R, Shekar K, MacLaren G, et al. ELSO Interim Guidelines for Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation in Adult Cardiac Patients. ASAIO J 2021; 67: 827-844. PMID: 34339398 168. Meani P, Delnoij T, Raffa GM, et al. Protracted aortic valve closure during peripheral veno-arterial extracorporeal life support: is intraaortic balloon pump an effective solution? Perfusion 2019; 34: 35-41. PMID: 30024298 169. Singh G, Hudson D, Shaw A. Medical Optimization and Liberation of Adult Patients From VA-ECMO. Can J Cardiol 2020; 36: 280-290. PMID: 32036869 170. Cheng A, Swartz MF, Massey HT. Impella to unload the left ventricle during peripheral extracorporeal membrane oxygenation. ASAIO J 2013; 59: 533-536. PMID: 23995997 171. Guirgis M, Kumar K, Menkis AH, et al. Minimally invasive leftheart decompression during venoarterial extracorporeal membrane oxygenation: an alternative to a percutaneous approach. Interact Cardiovasc Thorac Surg 2010; 10: 672- 674. PMID: 20139202 172. Truby LK, Takeda K, Mauro C, et al. Incidence and Implications of Left Ventricular Distention During Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation Support. ASAIO J 2017; 63: 257- 265. PMID: 28422817 173. Reyentovich A, Barghash MH, Hochman JS. Management of refractory cardiogenic shock. Nat Rev Cardiol 2016; 13: 481-492. PMID: 27356877 174. Harjola VP, Mebazaa A, Čelutkienė J, et al. Contemporary management of acute right ventricular failure: a statement from the Heart Failure Association and the Working Group on Pulmonary Circulation and Right Ventricular Function of the European Society of Cardiology. Eur J Heart Fail 2016; 18: 226- 241. PMID: 26995592 175. Hollenberg SM. Vasoactive drugs in circulatory shock. Am J Respir Crit Care Med 2011; 183: 847-855. PMID: 21097695 176. Jondeau G, Neuder Y, Eicher JC, et al. B-CONVINCED Investigators. B-CONVINCED: Beta-blocker CONtinuation Vs. INterruption in patients with Congestive heart failure hospitalizED for a decompensation episode. Eur Heart J 2009; 30: 2186- 2192. PMID: 19717851 177. 日本集中治療医学会重症患者の栄養管理ガイドライン作成委員会.日本版重症患者の栄養療法ガイドライン.日集中医誌 2016; 23: 185-281. 178. Brogan TV, Lequier L, Lorusso R, et al. Extracorporeal Life Support: The Red Book, 5th edn. Extracorporeal Life Support Organization (ELSO), 2017. 179. Ferrie S, Herkes R, Forrest P. Nutrition support during extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) in adults: a retrospective audit of 86 patients. Intensive Care Med 2013; 39: 1989- 1994. PMID: 23949702 180. Ridley EJ, Davies AR, Robins EJ, et al. Nutrition therapy in adult patients receiving extracorporeal membrane oxygenation: a prospective, multicentre, observational study. Crit Care Resusc 2015; 17: 183-189. PMID: 26282256 181. 日本心不全学会ガイドライン委員会.心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント.http://www.asas.or.jp/jhfs/pdf/statement20181012.pdf 182. Walker RN, Heuberger RA. Predictive equations for energy needs for the critically ill. Respir Care 2009; 54: 509- 521. PMID: 19327188 183. Arabi YM, Tamim HM, Dhar GS, et al. Permissive underfeeding and intensive insulin therapy in critically ill patients: a randomized controlled trial. Am J Clin Nutr 2011; 93: 569- 577. PMID: 21270385 184. 日本集中治療医学会J-PADガイドライン作成委員会.日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン.日集中医誌 2014; 21: 539-579. 185. Barr J, Fraser GL, Puntillo K, et al. Clinical practice guidelines for the management of pain, agitation, and delirium in adult patients in the intensive care unit. Crit Care Med 2013; 41: 263- 306. PMID: 23269131 186. Riker RR, Shehabi Y, Bokesch PM, et al. SEDCOM (Safety and Efficacy of Dexmedetomidine Compared With Midazolam) Study Group. Dexmedetomidine vs midazolam for sedation of critically ill patients: A randomized trial. JAMA 2009; 301: 489- 499. PMID: 19188334 187. Jakob SM, Ruokonen E, Grounds RM, et al. Dexmedetomidine for Long-Term Sedation Investigators. Dexmedetomidine vs midazolam or propofol for sedation during prolonged mechanical ventilation: Two randomized controlled trials. JAMA 2012; 307: 1151-1160. PMID: 22436955 188. 日本呼吸療法医学会人工呼吸中の鎮静ガイドライン作成委員会.人工呼吸中の鎮静のためのガイドライン.人工呼吸 2007; 24: 146-167. 189. Schmidt M, Bréchot N, Hariri S, et al. Nosocomial infections in adult cardiogenic shock patients supported by venoarterial extracorporeal membrane oxygenation. Clin Infect Dis 2012; 55: 1633- 1641. PMID: 22990851 190. Sun HY, Ko WJ, Tsai PR, et al. Infections occurring during extracorporeal membrane oxygenation use in adult patients. J Thorac Cardiovasc Surg 2010; 140: 1125-1132. PMID: 20708754 191. Grasselli G, Scaravilli V, Di Bella S, et al. Nosocomial Infections During Extracorporeal Membrane Oxygenation: Incidence, Etiology, and Impact on Patients’ Outcome. Crit Care Med 2017; 45: 1726-1733. PMID: 28777198 192. Kao LS, Fleming GM, Escamilla RJ, et al. Antimicrobial prophylaxis and infection surveillance in extracorporeal membrane oxygenation patients: a multi-institutional survey of practice patterns. ASAIO J 2011; 57: 231-238. PMID: 21317768 193. Crystal E, Borer A, Gilad J, et al. Incidence and clinical significance of bacteremia and sepsis among cardiac patients treated with intraaortic balloon counterpulsation pump. Am J Cardiol 2000; 86: 1281-1284. PMID: 11090812 194. Sklar MC, Sy E, Lequier L, et al. Anticoagulation Practices during Venovenous Extracorporeal Membrane Oxygenation for Respiratory Failure. A Systematic Review. Ann Am Thorac Soc 2016; 13: 2242- 2250. PMID: 27690525 195. Mazzeffi M, Greenwood J, Tanaka K, et al. Bleeding, Transfusion, and Mortality on Extracorporeal Life Support: ECLS Working Group on Thrombosis and Hemostasis. Ann Thorac Surg 2016; 101: 682-689. PMID: 26443879 196. Thomas J, Kostousov V, Teruya J. Bleeding and Thrombotic Complications in the Use of Extracorporeal Membrane Oxygenation. Semin Thromb Hemost 2018; 44: 20-29. PMID: 28898902 197. Fletcher-Sandersjöö A, Thelin EP, Bartek J Jr, et al. Incidence,
p.47
Outcome, and Predictors of Intracranial Hemorrhage in Adult Patients on Extracorporeal Membrane Oxygenation: A Systematic and Narrative Review. Front Neurol 2 0 1 8 ; 9 : 5 4 8 . PMID: 30034364 198. Lorusso R, Barili F, Mauro MD, et al. In-Hospital Neurologic Complications in Adult Patients Undergoing Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation: Results From the Extracorporeal Life Support Organization Registry. Crit Care Med 2016; 44: e964-e972. PMID: 27340754 199. Lorusso R, Gelsomino S, Parise O, et al. Neurologic Injury in Adults Supported With Veno-Venous Extracorporeal Membrane Oxygenation for Respiratory Failure: Findings From the Extracorporeal Life Support Organization Database. Crit Care Med 2017; 45: 1389-1397. PMID: 28538440 200. Nasr DM, Rabinstein AA. Neurologic Complications of Extracorporeal Membrane Oxygenation. J Clin Neurol 2015; 11: 383-389. PMID: 26320848 201. Omar HR, Mirsaeidi M, Mangar D, et al. Duration of ECMO Is an Independent Predictor of Intracranial Hemorrhage Occurring During ECMO Support. ASAIO J 2016; 62: 634- 636. PMID: 26978708 202. Rastan AJ, Lachmann N, Walther T, et al. Autopsy findings in patients on postcardiotomy extracorporeal membrane oxygenation (ECMO). Int J Artif Organs 2006; 29: 1121- 1131. PMID: 17219352 203. Fletcher-Sandersjöö A, Bartek J Jr, Thelin EP, et al. Predictors of intracranial hemorrhage in adult patients on extracorporeal membrane oxygenation: an observational cohort study. J Intensive Care 2017; 5: 27. PMID: 28546860 204. Klinzing S, Wenger U, Stretti F, et al. Neurologic Injury With Severe Adult Respiratory Distress Syndrome in Patients Undergoing Extracorporeal Membrane Oxygenation: A Single-Center Retrospective Analysis. Anesth Analg 2017; 125: 1544- 1548. PMID: 28863024 205. Lockie CJA, Gillon SA, Barrett NA, et al. Severe Respiratory Failure, Extracorporeal Membrane Oxygenation, and Intracranial Hemorrhage. Crit Care Med 2017; 45: 1642- 1649. PMID: 28727576 206. Kalbhenn J, Schmidt R, Nakamura L, et al. Early diagnosis of acquired von Willebrand Syndrome (AVWS) is elementary for clinical practice in patients treated with ECMO therapy. J Atheroscler Thromb 2015; 22: 265-271. PMID: 25186021 207. Kasirajan V, Smedira NG, McCarthy JF, et al. Risk factors for intracranial hemorrhage in adults on extracorporeal membrane oxygenation. Eur J Cardiothorac Surg 1999; 15: 508-514. PMID: 10371130 208. Luyt CE, Bréchot N, Demondion P, et al. Brain injury during venovenous extracorporeal membrane oxygenation. Intensive Care Med 2016; 42: 897-907. PMID: 27007107 209. O’Neill WW, Schreiber T, Wohns DH, et al. The current use of Impella 2.5 in acute myocardial infarction complicated by cardiogenic shock: results from the USpella Registry. J Interv Cardiol 2014; 27: 1-11. PMID: 24329756 210. Lauten A, Engström AE, Jung C, et al. Percutaneous left-ventricular support with the Impella- 2. 5-assist device in acute cardiogenic shock: Results of the Impella-EUROSHOCK-registry. Circ Heart Fail 2013; 6: 23-30. PMID: 23212552 211. Ouweneel DM, de Brabander J, Karami M, et al. Real-life use of left ventricular circulatory support with Impella in cardiogenic shock after acute myocardial infarction: 12 years AMC experience. Eur Heart J Acute Cardiovasc Care 2019; 8: 338- 349. PMID: 30403366 212. Schrage B, Ibrahim K, Loehn T, et al. Impella Support for Acute Myocardial Infarction Complicated by Cardiogenic Shock: Matched-Pair IABP-SHOCK II Trial 30-Day Mortality Analysis. Circulation 2019; 139: 1249-1258. PMID: 30586755 213. Brodie D, Bacchetta M. Extracorporeal membrane oxygenation for ARDS in adults. N Engl J Med 2011; 365: 1905-1914. PMID: 22087681 214. Davis ME, Haglund NA, Tricarico NM, et al. Development of acquired von Willebrand syndrome during short-term micro axial pump support: Implications for bleeding in a patient bridged to a long-term continuous-flow left ventricular assist device. ASAIO J 2014; 60: 355-357. PMID: 24614358 215. 日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会.集中治療における早期リハビリテーション~根拠に基づくエキスパートコンセンサス~.日集中医誌 2017; 24: 255-303. 216. Kortebein P, Symons TB, Ferrando A, et al. Functional impact of 10 days of bed rest in healthy older adults. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2008; 63: 1076-1081. PMID: 18948558 217. Gruther W, Benesch T, Zorn C, et al. Muscle wasting in intensive care patients: ultrasound observation of the M. quadriceps femoris muscle layer. J Rehabil Med 2008; 40: 185-189. PMID: 18292919 218. 三好徹,山口修.人工心臓の進歩(臨床).人工臓器 2021; 50: 164-168. 219. 牧田茂.廃用による体力低下の病態と治療―心不全.リハ医 2005; 42: 679-684. 220. Platts DG, Sedgwick JF, Burstow DJ, et al. The role of echocardiography in the management of patients supported by extracorporeal membrane oxygenation. J Am Soc Echocardiogr 2012; 25: 131-141. PMID: 22169046 221. Aissaoui N, Luyt CE, Leprince P, et al. Predictors of successful extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) weaning after assistance for refractory cardiogenic shock. Intensive Care Med 2011; 37: 1738-1745. PMID: 21965097 222. Kim D, Jang WJ, Park TK, et al. Echocardiographic Predictors of Successful Extracorporeal Membrane Oxygenation Weaning After Refractory Cardiogenic Shock. J Am Soc Echocardiogr 2021; 34: 414-422. PMID: 33321165 223. Cardozo S, Ahmed T, Belgrave K. Impella induced massive hemolysis: reemphasizing echocardiographic guidance for correct placement. Case Rep Cardiol 2015; 2015: 464135. PMID: 25692045 224. Hong E, Naseem T. Color Doppler Artifact Masking Iatrogenic Aortic Valve Injury Related to an Impella Device. J Cardiothorac Vasc Anesth 2019; 33: 1584-1587. PMID: 30467028 225. Butala B, Yu R, Schorr R, et al. Periprocedural Dynamics of Aortic Regurgitation in Patients Supported With an Impella Left Ventricular Assist Device. J Cardiothorac Vasc Anesth 2020; 34: 659- 662. PMID: 31668745 226. World Health Organization. National cancer control programmes: policies and managerial guidelines, 2nd ed. World Health Organization, 2002. 227. 緩和ケア関連団体会議.WHO(世界保健機関)の緩和ケアの定義(2002 年):日本語定訳 2018 年6 月.https://www.hpcj.org/what/

definition.html 228. Nishikawa Y, Hiroyama N, Fukahori H, et al. Advance care planning for adults with heart failure. Cochrane Database Syst Rev 2020; CD013022. PMID: 32104908 229. Sudore RL, Heyland DK, Lum HD, et al. Outcomes That Define Successful Advance Care Planning: A Delphi Panel Consensus. J Pain Symptom Manage 2018; 55: 245-255. PMID: 28865870 230. 日本救急医学会,日本集中治療学会,日本循環器学会.救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン~3 学会からの提言~(平成26 年11 月4 日).https://www.jsicm.org/pdf/1guidelines1410.pdf 231. 厚生労働省.人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(改訂平成30 年3 月).https://www.mhlw. go.jp/file/ 0 4 -Houdouhappyou- 1 0 8 0 2 0 0 0 -Iseikyoku-Shidouka/0000197701.pdf 232. O’Byrne ML, Glatz AC, Rossano JW, et al. Middle-term results of trans-catheter creation of atrial communication in patients receiving mechanical circulatory support. Catheter Cardiovasc Interv 2015; 85: 1189-1195. PMID: 25573820 233. Nguyen K. A technique for implanting outflow cannulas for Berlin Heart EXCOR ventricular assist device in small pediatric patients. J Thorac Cardiovasc Surg 2011; 142: 223-224. PMID: 21269641 234. Hetzer R, Kaufmann F, Delmo Walter EM. Paediatric mechanical circulatory support with Berlin Heart EXCOR: development and outcome of a 23-year experience. Eur J Cardiothorac Surg 2016; 50: 203-210. PMID: 26905181 235. O’Connor MJ, Lorts A, Davies RR, et al. Early experience with the HeartMate 3 continuous-flow ventricular assist device in pediatric patients and patients with congenital heart disease: A multicenter registry analysis. J Heart Lung Transplant 2020; 39: 573- 579. PMID: 32111350 236. Anderson M, Morris DL, Tang D, et al. Outcomes of patients with right ventricular failure requiring short-term hemodynamic support with the Impella RP device. J Heart Lung Transplant 2018; 37: 1448-1458. PMID: 30241890 237. Anderson MB, Goldstein J, Milano C, et al. Benefits of a novel percutaneous ventricular assist device for right heart failure: The prospective RECOVER RIGHT study of the Impella RP device. J Heart Lung Transplant 2015; 34: 1549-1560. PMID: 26681124 238. Han JJ. Impella RP Flex with SmartAssist receives FDA pre-market approval. Artif Organs 2023; 47: 10- 11. PMID: 36464798