GL検索 v0.1.0
心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン 日本循環器学会・2016・75 ページ · 心不全・心筋症
p.1
2014-2015 年度活動

2016 年版

心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン

Guidelines for Diagnosis and Treatment of Cardiac Sarcoidosis(JCS 2016)

寺﨑 文生大阪医科大学医学教育センター・循環器内科

合同研究班参加学会

日本循環器学会  日本心臓病学会  日本心不全学会  日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会

日本心臓核医学会  日本不整脈心電学会

厚生労働省難治性疾患政策研究事業「特発性心筋症に関する調査研究」班

班長

班員

協力員石坂 信和

大阪医科大学循環器内科

石田 良雄市立貝塚病院内科安斉 俊久国立循環器病研究センター

心臓血管内科

吾妻 安良太

日本医科大学呼吸器内科

植田 初江国立循環器病研究センター

臨床検査部病理江石 義信東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科人体病理学

猪又 孝元北里大学北里研究所病院

循環器内科

磯部 光章東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科循環制御内科学

坂田 泰史大阪大学大学院医学系研究科

循環器内科学

四十坊 典晴JR 札幌病院呼吸器内科草野 研吾国立循環器病研究センター

心臓血管内科

北風 政史国立循環器病研究センター

臨床研究部

中島 崇智埼玉県立循環器・呼吸器病センター

循環器内科中谷 敏大阪大学大学院医学系研究科

保健学専攻機能診断科学

筒井 裕之九州大学大学院医学研究院

循環器内科学

土田 哲人JR 札幌病院循環器内科

加藤 靖周藤田保健衛生大学

循環器内科合屋 雅彦東京医科歯科大学

循環器内科

岡村 英夫国立循環器病研究センター

心臓血管内科

井手 友美九州大学大学院医学研究院

循環器内科学

永井 利幸国立循環器病研究センター

心臓血管内科中村 浩士広島西医療センター

総合診療科

副島 京子杏林大学循環器内科

榊原 守北海道大学大学院医学研究科

循環病態内科学

森田 英晃大阪医科大学循環器内科

長谷川 拓也国立循環器病研究センター

心臓血管内科

野田 崇国立循環器病研究センター

心臓血管内科山口 悦郎

愛知医科大学呼吸器・アレルギー内科

山口 哲生新宿海上ビル診療所矢﨑 善一佐久総合病院循環器内科堀井 泰浩香川大学心臓血管外科
p.2
目次

I.はじめに ........................................3 1.ガイドライン作成の背景 ........................3 2.ガイドライン作成の基本方針 ....................4 II.サルコイドーシス総論 ............................5 1.サルコイドーシスの疫学 ........................5 2.サルコイドーシスの病因・病態 ..................5 3.サルコイドーシスの診断 ........................9 4.サルコイドーシスの肺病変 .................... 12 5.サルコイドーシスの治療 ...................... 13 III.心臓サルコイドーシスの診断 .................... 17 1.病理 ........................................ 17 2.臨床所見・検査 .............................. 20 3.診断の指針 .................................. 40 IV.心臓サルコイドーシスの治療 .................... 46

1.薬物療法 .................................... 46 2.非薬物療法 .................................. 49 3.外科的治療 .................................. 54 4.治療のアルゴリズム .......................... 58 V.おわりに ...................................... 59 1.今後の課題 .................................. 59 2.まとめ ...................................... 60 VI.Q&A ........................................ 61付表.............................................. 65文献.............................................. 67

(無断転載を禁ずる)

おもな略語一覧ACE angiotensin converting enzymeアンジオテンシン変換酵素BAL bronchoalveolar lavage気管支肺胞洗浄

CRT cardiac resynchronization therapy心臓再同期療法

CT computed tomographyコンピュータ断層撮影

18F-FDG fluorine-18 fluorodeoxyglucose

67Ga gallium-67 HRCT high resolution computed tomography高分解能CT

ICD implantable cardioverter defibrillator植込み型除細動器MRI magnetic resonance imaging磁気共鳴像

PET positron emission tomography陽電子放出型断層撮影sIL-2R soluble interleukin 2 receptor可溶性インターロイキン2 受容体SPECT single photon emission computed tomography単光子放出型コンピュータ断層撮影

(五十音順,構成員の所属は2016 年11 月1 日現在)

外部評価委員

斎藤 能彦奈良県立医科大学循環器・腎臓・代謝内科学杉山 幸比古

自治医科大学呼吸器内科

木原 康樹広島大学大学院循環器内科学

大江 透心臓病センター榊原病院

山科 章東京医科大学循環器内科

森本 紳一郎藤田保健衛生大学

循環器内科
p.3
I.はじめに

1 ガイドライン作成の背景

サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である.心臓病変の存在(心臓サルコイドーシス)は,致死性不整脈や重症心不全をきたし,突然死の原因ともなり,サルコイドーシス患者の予後を大きく左右する.心臓サルコイドーシスの頻度は欧米にくらべわが国で高く,副腎皮質ステロイドなどの免疫抑制療法により心臓病変の進展抑制効果が期待されるため,早期の適切な診断が要求される.

臨床の現場において,心臓サルコイドーシスと診断される過程には2 つの場合がある.1 つは,他の臓器でサルコイドーシスと診断された症例の経過観察中になんらかの心症状が出現する場合,もう1 つは,原因不明の心筋疾患や不整脈を検索する過程で心臓サルコイドーシスと診断される場合である.実際,心臓サルコイドーシスの診断は必ずしも容易ではなく,拡張型心筋症1–3),慢性心筋炎,巨細胞性心筋炎4)などとの鑑別が問題となり,剖検,心臓移植,左室形成術などで得られた心筋を組織学的に検索した結果,はじめて本症と診断される症例も存在する.

わが国においては,1992 年に「心臓サルコイドーシス診断の手引き」が作成された5).しかし同手引きによる診断では,いずれかの臓器で病理組織学的に類上皮細胞肉芽腫が証明されることが必須であったため,臨床的に本症が強く示唆されても診断に至らない場合があった.また,サルコイドーシスが疑われる心電図所見にST-T 変化や左室肥大など非特異的な所見があげられており,高血圧性心疾患などが誤って心臓サルコイドーシスと診断される可能性があった.2006 年に日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会と日本心臓病学会ほかとの合同委員会により改訂が行われ,「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006」が作成された6).そのなかの「心臓病変の診断の手引き」,および日本循環器学会による「急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009 年改訂版)」7, 8)のなかの「心臓サルコイドーシスの心病変診断の手引き」の特徴は,1病理組織学的な基準を見直したことと,2心臓

サルコイドーシスに特徴的または高頻度に認められる臨床所見を主徴候として重みづけを行ったことである.この改訂による医師の意識啓発,心臓サルコイドーシスに対する認識の高まりにより,以前は見過ごされていた症例が診断されるようになったと考えられる.また,心臓サルコイドーシスの治療に関しては,現在まで,日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会,日本心臓病学会ほかにより作成された「サルコイドーシス治療に関する見解-2003」9)のなかの「心臓サルコイドーシスの治療」を参考にして行われてきた.

近年,18F-FDG PET,心臓MRI,心臓CT,心エコー図などの画像診断技術の著しい進歩や,医師の経験や症例の集積などにより,心臓サルコイドーシスが多くの患者でより早期に疑われる機会が増え,適切な診断の必要性に迫られるようになった.また,それに伴い他臓器に明らかな病変がみられない心臓限局性サルコイドーシスの存在が明らかになってきた.治療に関しても,ステロイド治療以外の免疫抑制療法や病因論からみた新たな薬物治療が報告されている.非薬物療法においては,重症心室性不整脈に対するカテーテルアブレーションや,重症心不全に対するCRTなど,さまざまな進歩がみられる.したがって,現状に即して,これまでの心臓サルコイドーシスの診断および治療の手引きを見直すことが重要課題となった.

サルコイドーシスは厚生労働省が実施する難治性疾患克服研究事業の対象(特定疾患)に指定されている.さらに,そのなかで特定疾患治療研究事業対象疾患の1 つに取り上げられ,指定難病として,1調査研究の推進,2医療施設等の整備,3地域の医療・保健福祉の充実・連携,4 QOL の向上をめざした福祉政策の充実,5医療費の自己負担の軽減,といった対策がとられている.すなわち,サルコイドーシスの診療は,国が行う難治性疾患対策の観点からも重要な位置を占めている(難病情報センター http:// www.nanbyou.or.jp).

以上のことから,サルコイドーシス,とくに心臓サルコイドーシスについて,診断と治療のエビデンスを再調査して,より包括的に取り扱う新たな診療ガイドラインが求められるようになった.
p.4
2 ガイドライン作成の基本方針

本ガイドラインの形式は,基本的に従来の日本循環器学会ガイドラインに準拠している.エビデンスについては,以下の分類を用いて文中ならびに表に記載した.

【エビデンスレベルと推奨グレード】(1)エビデンスレベルレベル1:システマティック・レビュー/ 無作為化比較

試験のメタアナリシスによるもの

レベル2: 1 つ以上の無作為化比較試験によるものレベル3:非無作為化比較試験によるものレベル4a:分析疫学研究(コホート研究)によるものレベル4b:分析疫学研究(症例対照研究,横断研究)

によるもの

レベル5:記述研究(症例報告やケース・シリーズ)に

よるもの

レベル6:専門委員会の報告や専門家の意見によるもの

このエビデンスレベルは研究デザインによる分類である.複数の文献がある場合にはもっとも高いレベルを採用する.

(2)推奨グレードグレードA: 強い科学的根拠があり,行うよう強く勧めら

れる.

グレードB: 科学的根拠があり,行うよう勧められる.グレードC1: 科学的根拠はないが,行うよう勧められる.グレードC2: 科学的根拠はなく,行わないよう勧められる.グレードD: 無効性あるいは害を示す科学的根拠があり,

行わないよう勧められる.

推奨グレードは次の要素を勘案して総合的に判断する. 1エビデンスのレベル,2エビデンスの数と数のばらつき, 3臨床的有効性の大きさ,4臨床上の適用性(医師の能力,地域性,医療資源,保険制度など),5害やコストに関するエビデンス

また,一部の項目については,他の関連学会のガイドラインとの整合性を保つために右記のクラス分類を併記した. (3)クラス分類

クラスI:有用であるというエビデンスがあるか,ある

いは見解が広く一致している.

クラスII:有用性に関するデータまたは見解が一致して

いない場合がある.

クラスIIa:データ,見解から有用,有効である可能性が

高い.

クラスIIb:データ,見解から有用性,有効性がそれほど

確立されていない.

クラスIII:有用でなく,ときに有害であるという可能性

が証明されている.あるいは有害との見解が広く一致している.

本ガイドラインは,原則的に現時点で可能な,あるいは医療保険で行える範疇の内容を記載した.現時点で医療保険の適用になっていない事項については適時付記した.また,現在研究中あるいは近い将来応用可能な診断法や治療法についても,トピックスや将来展望として記載した.目次の構成として,まず,サルコイドーシスの総論について記載し,次に,心臓サルコイドーシスの診断と治療について記載した.また,ガイドラインの末尾に「クエスチョン&アンサー:Q&A」の項目を設けて,本文を参照できるようにした.

なお,本ガイドラインの作成は,日本循環器学会を主体として,日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会,日本心臓病学会,日本心不全学会,日本心臓核医学会,日本不整脈心電学会,厚生労働省難治性疾患政策研究事業「特発性心筋症に関する調査研究」班の協力により行われた.また,現在日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会により作成が進行中の,「サルコイドーシス診療の手引き」作成に関して本ガイドライン作成班が参加・協力しており,本ガイドラインの内容の一部は同手引きにも反映される.
p.5
II.サルコイドーシス総論

1 サルコイドーシスの疫学

一般に,サルコイドーシスはやや女性に多く,好発年齢は40 歳以下の成人で20 歳台にピークがあるといわれているが10),日本やスカンジナビア半島諸国では50 歳台にもピークがあり,二相性を呈する11, 12).最近のわが国からの報告によれば,高齢発症が増加し,女性は二相性から中高年の一相性へ,男性は若年者の一相性から二相性へと変化している傾向がある13).米国のpopulation-based study では,罹患率は年間人口10 万人あたり男性が5.9 人,女性が6.3 人と報告されている14).さらに,米国では一生のあいだにサルコイドーシスを発症するリスク(累積罹患率)が白人で0.85%,黒人で2.4% 14),有病率は人口10 万人あたり白人で10.9 人,黒人で35.5 人と,いずれも黒人に多い15).スウェーデンやデンマークなどのスカンジナビア半島諸国もサルコイドーシスの頻度が高い11).このようにサルコイドーシスの発症には人種差や地域差があり,一般に北に多く南に少ない.わが国の推定有病率は人口10 万人あたり7.5~9.3 人で,罹患率は年間人口10 万人あたり平均1 人前後である16).重症度や罹患臓器などにも人種差がある.一般に黒人は白人にくらべ重症例が多いといわれており,日本人には心臓病変や眼病変が多いといわれている17)(レベル4a ).

サルコイドーシスにおける心臓病変の正確な頻度は不明である.臨床的には5% 程度といわれているが,剖検例の検討ではさらに頻度は高くなる18, 19).欧米では性差はなく,若年者の突然死のリスクとして心臓サルコイドーシスもあげられているが20),わが国では中高年の女性に多く,明らかに人種差がみられる21).しかし,わが国の男性に関しては好発年齢がなく,若年者にもみられることに注意が必要である21)(レベル4a ). 2 サルコイドーシスの病因・病態

2.1 病因・病態

サルコイドーシスの発症機序を,外因としての病因,素因,肉芽腫形成の病態の視点から,以下に記述する.

2.1.1 病因

サルコイドーシスの病因については,歴史的に種々提唱され検証されてきたが,現在以下の2 つが残っている. a. プロピオニバクテリウム説

詳しくは別稿(2.2 病因のトピックス[p.8])に譲るが,重要な知見を以下にいくつかあげる.古くはHomma らが, 1970 年頃からサルコイドーシスのリンパ節を試料として原因微生物の分離を試み,1978 年に,サルコイドーシスの78% でPropionibacterium acnes(P. acnes)の培養が陽性となること,その菌量は対照より多いことを報告したことに始まる22).1990 年代には,Eishi らが肉芽腫マクロファージ内封入体として知られるHamazaki–Wesenberg 小体の染色性を手がかりとして,再びP. acnes に着目した.その結果,洋の東西を問わずサルコイドーシスリンパ節にはP. acnes あるいはP. granulosum のDNA が高頻度かつ多量に存在することを見いだし23),次いでP. acnes 菌体によりマウス肺に肉芽腫を形成できることを報告した24).また電子顕微鏡像から,P. acnes と密接な関連のあるHamazaki– Wesenberg 小体は細胞壁を失ったL 型菌と考えられた25).これらの知見からP. acnes がサルコイドーシスの病変部に豊富に存在していることは間違いのない事実であるが(レベル4b ),真の起因体であるか否かについては未確定である.たとえば類上皮細胞肉芽腫はなんらかの理由で結果的にP. acnes を処理し難い特性を有している可能性がある26).また,P. acnes に活性のあるセファレキシンやクラリスロマイシンの投与試験が早い時期に実施されたが,
p.6
結果としてサルコイドーシスの経過になんらの影響も与えなかった27). b.抗酸菌説

もともと結核菌の関与を主張する報告は古くからあった.しかしサルコイドーシスに抗結核薬が無効であることも歴史的事実である.1990 年代に入って,結核菌DNA をPCR で検出しようとする報告があいついだ.しかし有意な増加を確認したのは1~2 報であり,結論としてはほぼ否定的な観測がなされた28).ところがジョンズ・ホプキンス大学のMoller らは,サルコイドーシス患者の一部で血清中にMycobacterium tuberculosis catalase-peroxidase (mKatG)に対する抗体を認め,病変部に39% の頻度でmKatG DNA を検出した29).その大部分で結核菌rRNAをコードするDNA も検出された.それらの結果からMoller らは,一部の患者のサルコイドーシス病変部には抗酸菌由来mKatG が存在し,それが宿主免疫応答の標的となっている可能性を主張している(レベル5 ).しかしサルコイドーシス病変リンパ節において,結核菌DNA はPCRによって低頻度かつ低コピー数しか検出されず23),また,結核菌群に特異性の高い抗原であるESAT-6 やCFP-10 に対するIFN-γ(interferon gamma; インターフェロンγ)産生応答の陽性率はわずか3.3% であった30).以上のように, mKatG 説もしくは抗酸菌説は総じていまひとつ説得力に欠けるといえる.

Moller らは近年新たな説として,血清アミロイドA 蛋白がサルコイドーシス肉芽腫のマクロファージや類上皮細胞に沈着していることから,同蛋白による免疫応答増幅説を唱えている31).すなわち,抗酸菌がTh1(T helper type 1; 1 型ヘルパーT)応答の引き金を引くことにより血清アミロイドA 蛋白が産生され,それがTLR-2(Toll-like receptor 2; Toll 様受容体2)を介してIFN-γやTNF-α(tumor necrosis factor alpha; 腫瘍壊死因子α),IL-18(interleukin 18;インターロイキン18)産生を誘導し,肉芽腫形成を促すというものである.

2.1.2 素因

サルコイドーシスにはまれに家族発生があり,片岡らによる分析では,サルコイドーシス患者の家族が本症に罹患するオッズ比は8.1 と試算された32).また2004 年の特定疾患新規登録患者の集計では,家族発生は全体の1.8% と報告されている33).米国のA Case Control Etiologic Study of Sarcoidosis (ACCESS) 研究では,患者家族がサルコイドーシスに罹患するオッズ比は4.7 であり,この傾向はとくに白人で高かった(オッズ比18.0)

34).以上より,サルコイ

ドーシスの発症には素因が存在するといえる(レベル4b ). a.HLA との関連

サルコイドーシスの原因と基本病態は不明であるが,なんらかの外来抗原に対するIV 型アレルギー反応である可能性が高い.そのためHLA(human leukocyte antigen; ヒト白血球抗原)クラスII 抗原との関連が検討されており,これまでDRw52 に関するものをはじめ多くの報告がある35–38).Ishihara らによると,日本人のサルコイドーシス患者ではDRw52 のアレルの1 つであるDRB3*0101 に加え, DRB1*1101,DRB1*1201,DRB1*1401,DRB1*0802 の頻度が有意に増加していること,DRB1*0101 の頻度が減少していることが認められた38).増加しているDRB1 アレルと白人で増加が指摘されているDR3 はHLA-DRB1 でコードされており,それらのβ鎖10~12 番目のアミノ酸配列は,いずれもTyr-Ser-Thr で共通である.

DRB1*1201,DRB1*1401 とサルコイドーシスの関連は白人でも確認されており36, 37),本症とHLA-DRB1 との関連は確かな事実といえる(レベル4b ).また北欧のサルコイドーシス患者にはHLA-DR1*0301 陽性者が多く,その場合は緩解しやすい39)(レベル4b ). b.その他の疾患感受性遺伝子

CCR2(C-C motif chemokine receptor 2)はCC ケモカインの受容体の1 つである.サルコイドーシス患者では膜貫通部のV64I の変異頻度が対照にくらべて有意に低く(オッズ比0.37),同変異が発症に関して阻止的に関与することが報告されている40).また,NOD1(nucleotide-binding oligomerization domain-containing protein 1/CARD4)は感染細胞内での菌体の認識とNF-κB(nuclear factor kappa B; 核内因子κB)を介した細胞の活性化に関与する分子である.そのSNP(single nucleotide polymorphism; 単塩基多型)である796G/A は,有意にサルコイドーシスの発症と相関すること,796A アレルは細胞内での発現や,リガンドおよびP. acnes 菌刺激によるNF-κB 活性化能が弱いことが報告されている41).

全ゲノムについて連鎖解析を行うゲノムスキャンにより, BTNL2(butylophilin-like 2)遺伝子がサルコイドーシスと関連していることが報告された42).そのエクソン5 のSNPであるrs2076530 のアレル がA である場合,発現されるスプライスバリアントでT 細胞へ抑制性シグナルを伝達する機能が低下し,本症の発症が促進されることが推定されている42, 43).しかし追認研究では,白人での相関は再現されたが黒人については確認されなかった44).また別の検討では,白人に多いLöfgren 症候群患者を除いて多変量解析を行った結果,HLA-DRB1*14,DRB1*12 はサルコイドーシスの発症因子として残ったが,BTNL2 rs2076530 A の相関は有意ではなくなった37).以上より,サルコイドーシス
p.7
とBTNL2 との相関は,近傍のHLA-DRB1 との連鎖不平衡による可能性が高い.

近年は全ゲノムについて症例と対照間のSNP 頻度を比べるゲノム関連解析が盛んに行われており,サルコイドーシスに関して ANXA11(annexin A11 遺伝子)の報告がある45).annexin A11 蛋白は肺を含む広範な組織で発現しているが,対照とサルコイドーシス患者とのあいだでBAL細胞のANXA11 mRNA 発現に差異はみられず,本症における役割は不明である.このほか,白人に関してRAB23 の報告46)や,CCDC88B 47),OS9 48),黒人に関してXAF-1 49)の報告がある.

2.1.3 病態

サルコイドーシスの病理像は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫である.単球は炎症に際してマクロファージや巨細胞,類上皮細胞へと分化し,肉芽腫を形成する.以下マクロファージやリンパ球の集積や活性化の視点から,サルコイドーシスの肉芽腫形成機序を概説する. a.マクロファージとT 細胞の集積と活性化

肉芽腫はおもに単球/ マクロファージ系細胞とT 細胞から構成される.サルコイドーシス患者からBAL によって得られる細胞にはそれらが含まれ,詳細に検討されている.サルコイドーシス患者のBAL 細胞では,リンパ球や単球,好酸球に対する遊走活性をもつCCL5(C-C motif chemokine ligand 5/RANTES)mRNA の発現が亢進し50),また肺胞マクロファージの抗原提示能やT 細胞に対する補助細胞機能(accessory cell function)が増強している51).その背景にはLFA-1(leukocyte function associated antigen 1), ICAM-1(intercellular adhesion molecule 1)などの接着分子や,CD86,CD40,CD30L などの補助刺激分子の発現亢進がある52, 53).また肺胞マクロファージはIL-1βやIL- 15,TNF-α,GM-CSF(granulocyte macrophage colony stimulating factor; 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)などのサイトカインを産生し,T 細胞の増殖や肉芽腫形成を促進する54–56).

こうしたマクロファージ系の細胞の活性化にきわめて重要な役割を果たすのがIFN-γである.サルコイドーシスでは肺胞マクロファージやT 細胞,類上皮細胞肉芽腫を構成する細胞でIFN-γの発現が認められる57, 58)(レベル4b ).さらに活動性サルコイドーシス患者のBAL 細胞では, IFN-γ mRNA を発現する細胞の比率が上昇している59). IFN-γはTh1 の定義となっているサイトカインであり, IL-12 やIL-18 によりその産生が誘導される.実際に,本症患者の血清やBAL 液では,IL-12 p40 濃度や血清のIL-18 濃度が対照より高い60–62)(レベル4b ). b.肉芽腫形成と線維化

サルコイドーシス肉芽腫はほぼ大きさの揃った類上皮細胞肉芽腫の集合からなる.壊死は一般に認められないとされるが,サルコイドーシス患者の10~15% 程度に,肉芽腫間の線維組織にフィブリノイド壊死が認められる.マクロファージはLPS(lipopolysaccharide; リポ多糖類)やIFN-γ,TNF-αによる古典的活性化を受けるM1 マクロファージと,IL-4 やIL-13 による選択的活性化を受けるM2 マクロファージに分類されるとする考え方がある.筋サルコイドーシスの肉芽腫を構成している単球/ マクロファージや巨細胞,類上皮細胞は,M2 マクロファージのマーカーであるSOCS-1(suppressor of cytokine signaling 1)が陽性であることやサイトカインmRNA の発現から,典型的なM1 マクロファージとは異なることが報告されている63).マクロファージはしばしば融合して巨細胞となるが,その過程にはDAP12(DNAX-activating protein of 12 kDa)やIL-4 が関与している64, 65).

肉芽腫の存在が慢性化すると病巣は線維化をきたし,その誘導因子としてPDGF-B(platelet-derived growth factor B; 血小板由来成長因子B)やIGF1(insulin-like growth factor 1; インスリン様成長因子1),IGFBP-rP2(insulin-like growth factor binding protein-related protein 2)などの役割が指摘されている66–68). c.リンパ球の集積と活性化

サルコイドーシス肺には多くの炎症細胞,とりわけCD4陽性T 細胞が集積する.T 細胞の集積機序として,病巣での増殖と血流からの遊走の2 つが考えられる.実際に特定のT 細胞抗原受容体タイプをもつT 細胞がBAL 細胞中で認められ,とくに特定のHLA-DR 抗原と関連しているとの報告がある69).しかし一方で,サルコイドーシス患者の肺胞T 細胞ではPHA(phytohemagglutinin; フィトヘマグルチニン)刺激によるIL-2 産生能や種々の抗原刺激に対する増殖反応性が低下しており54, 70),真に増殖によって増加しているか否かは未解決である.遊走による集積についてはCXCL10(C-X-C motif chemokine ligand 10/IP-10)のBAL 液中濃度の上昇が報告されており,メモリーCD4 陽性細胞数と正の相関を示す71).

近年新たなT 細胞サブセットとしてTh17 が同定され,各種炎症病態における役割が検討されている.サルコイドーシス患者の末梢血では,IFN-γとIL-17 の双方を産生する細胞が増えているとの報告がある一方で72),推定抗原に対する産生応答はむしろ低下しているとの報告もあり73),本症におけるIL-17 の意義は未確定である.

サルコイドーシスではツベルクリン皮内反応が陰転化するなど特異な免疫応答が知られており,その機序として制
p.8
御性T 細胞の増加が指摘されている.Miyara らによると,サルコイドーシスでは肉芽腫,末梢血,BAL 細胞で制御性T 細胞の増加が認められ,それらは自己あるいは同種T細胞の増殖を抑制する能力はあるが,本症で発現が増強しているIFN-γやTNF-αの産生を抑制するには至らない74).また,高γグロブリン血症はサルコイドーシスでしばしばみられるB 細胞の活性化所見であり,その原因として血清のBAFF(B cell activating factor from the TNF family)濃度の上昇が指摘されている75).実際にBAFF 濃度は血清γグロブリン濃度やACE 活性と有意な相関を示す.

2.2 病因のトピックス(P. acnes)

近年,サルコイドーシスの原因細菌としてP. acnes が注目されている.P. acnes はサルコイドーシス病変部から分離培養される唯一の微生物であり22, 76),病変部からは本菌由来のDNA が多量に検出され23, 77),肉芽腫内には本菌DNA が集積して観察される78).また,P. acnes に対する特異抗体であるPAB 抗体(Propionibacterium acnes 抗体)を用いた免疫染色により本症肉芽腫内のP. acnes を容易かつ特異的に検出することが可能で25),PAB 抗体による免疫染色は最近では本症の診断にも利用されつつある.

PAB 抗体は菌体細胞膜から細胞壁を貫いて分布するリポタイコ酸とよばれる糖脂質抗原を認識する.サルコイドーシス肉芽腫ではその8 割以上の症例にPAB 抗体で陽性となる円形小体が観察される.電子顕微鏡観察で,これらの病変部のP. acnes は通常型細菌が有する細胞壁構造を欠失しており,L 型細菌に特徴的な出芽様分裂像を呈する.L型P. acnes は細胞壁の主要成分であるペプチドグリカンを欠如するが,細胞膜から細胞壁を貫通して存在するリポタイコ酸は保持(エピトープ構造はむしろ露出)されることから,リポタイコ酸を認識するPAB 抗体は細胞内のL 型P. acnes を検出するのに適した抗体である.

通常のサルコイドーシス診断用の解析では,PAB 抗体による免疫染色を行いP. acnes の存在を確認するとともに, Ziehl-Neelsen 染色(抗酸菌染色),grocott 染色(真菌染色),PAS(Periodic Acid-Schiff)染色,alcian blue 染色などにより他の感染性肉芽腫の除外診断も行う必要がある.肉芽腫の成熟に伴いリゾチーム活性や細胞内消化能が亢進することから,成熟肉芽腫よりもリンパ球浸潤の目立つ未熟な肉芽腫にPAB 抗体陽性所見を認めることが多く,多くは類上皮細胞内や巨細胞内にサイズの異なる小型円形小体として同定される.

心臓サルコイドーシス研究班(平成20 年度循環器病研究委託費事業,班長:森本紳一郎)の協力を得て,解剖症例,心筋切除生検材料,心内膜心筋生検材料を用いて免

疫染色法による解析が行われた.解剖症例では肉芽腫性炎症部に約75%(16 例中12 例)の頻度で明瞭な陽性所見が得られた.心筋切除生検材料ではバチスタ手術によって切除されたサルコイドーシス6 例と拡張型心筋症10 例が解析され,炎症部または線維化巣内にいずれも感度83%,特異度100% でPAB 抗体陽性像が得られた.P. acnes の細胞内増殖所見は,肉芽腫内はもとよりその周囲に浸潤するマクロファージにも認められた(図1).心内膜心筋生検では解析が可能だった症例は99 例であり,内訳はサルコイドーシスが42 例,他疾患が57 例であった.炎症巣にPAB 抗体陽性像を認めた場合の診断精度は感度77%,特異度100% であり,心臓サルコイドーシスを疑う心内膜心筋生検で明らかな肉芽腫を確認できないときでも,なんらかの炎症病変が含まれている場合にはPAB 抗体免疫染色法で本症診断を確定できる可能性がある.

サルコイドーシスのP. acnes 病因説79)によれば,P. acnes は外部環境から経気道的に侵入して不顕性感染することから,サルコイドーシスにおける初発病変は症状の有無にかかわらず肺や肺門部リンパ節であると考えられる.これらの臓器に細胞内潜伏感染するP. acnes は,なんらかの環境要因を契機に内因性に活性化し細胞内増殖する.患者では,本菌に対するアレルギー素因を背景に肺や肺門リンパ節に肉芽腫が形成される.細胞内増殖の折に肉芽腫による封じ込めを逃れたいわゆる感染型P. acnes は,リンパ行性あるいは血行性に広がり,心臓を含む肺外全身諸臓器に新たな潜伏感染を起こす可能性がある.全身に拡散した潜伏感染を背景に,同様な環境要因を契機に再び内因性活性化が起こりうる.その場合,新たな潜伏感染局所でも同時多発的にP. acnes の細胞内増殖が起こり,結果として全身性肉芽腫形成を特徴とするサルコイドーシスの病態が形成される.

心臓サルコイドーシスにおいて,P. acnes の細胞内増殖は肉芽腫形成の原因となるばかりでなく,これを契機に病変部局所において新たな潜伏感染を引き起こす可能性もある.この潜伏感染が完全に除去されないかぎり炎症の再燃は起こりうる.再燃を繰り返すたびに心筋組織は肉芽腫性炎症により破壊されていく.炎症後の線維化に加えて新たな再燃性の炎症が加わり,病変の範囲は徐々に広がっていくことになる(図2).

心臓における感染型P. acnes の潜伏感染部位は現時点でリンパ管や血管内皮細胞が想定されているが,筋サルコイドーシス病変では横紋筋細胞内にも感染が観察されることから,心臓でも心筋細胞への細胞内感染がありうる.内因性活性化を契機に肉芽腫性炎症が惹起されるにあたり,炎
p.9
症治癒後の線維芽細胞などに潜伏感染が遺残する場合には,瘢痕組織であっても再度の内因性再燃の下地となりうる.抗菌薬は潜伏感染するP. acnes の除去には効果を期待しえないが,再燃の契機となる細胞内菌増殖は防止しうる.したがって,心臓サルコイドーシスにおいてステロイドなど免疫抑制薬の使用に加え,適切な抗菌薬を予防的に投与することで,炎症の再燃,ひいては病変の進行を防げる可能性がある.今後の臨床研究の展開が期待される.

3 サルコイドーシスの診断

サルコイドーシスは組織学的に類上皮細胞肉芽腫が証明され,かつ他疾患の除外ができてはじめて「組織診断群」として確定診断されることになる.本症は医療費の助成対象となる特定疾患であり,助成の基準を明確にするためにも明確な「臨床診断群」の規定をつくることが必要であった.そのため厚生省の診断基準が1976 年に作成され,組織生検を得ることができない場合のために「臨床診断群」を規定してきた80).学会の診断基準は2006 年に改訂されたが6),厚生労働省(特定疾患)の認定のための診断基準は改訂されないままとなっていた.日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会と厚生労働省のびまん性肺疾患に関する調査研究班とが合同で診断基準の再度の改訂を企画したのが2013 年であり,重症度分類とあわせて,2015 年1月に新しい診断基準を確定することができた81, 82)(レベル6 ,グレードC1 ).2015 年1 月から新たに難病法が施行され,指定難病であるサルコイドーシスの診断基準も後述のように刷新された.組織診断群に関しては,類上皮細胞肉芽腫が証明され,かつ他の肉芽腫性疾患の除外ができること,さらに全身性疾患であることから,特徴的な検査所見およ

び全身の臓器病変が十分検討されていることが付け加えられた.また,日常診療において,眼病変,心臓病変,呼吸器病変は非常に疾患特異的な臨床像を呈しても組織生検診断が得られない場合があるために,「これら3 臓器のうちの2 臓器でサルコイドーシスを強く示唆する臨床所見があり,かつ特徴的検査所見5 項目中2 項目が陽性の場合」に臨床診断群として認めることとした.この臨床診断群の診断基準が本症をどの程度正しく診断しているかについては,現在のところエビデンスはない.従来の診断基準にくらべて厳しい臨床診断基準であるが,ほかの臓器病変が前面にでている場合には積極的に生検を行って組織診断とすべきであるという意図もある.また,他の臓器病変は,組織学的な証明がないかぎり診断基準には含まれないが,診断の契機として重要な所見であるので解説に加えた.

3.1 サルコイドーシスの診断基準

【組織診断群】

全身のいずれかの臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が陽性であり,かつ,既知の原因の肉芽腫および局所サルコイド反応を除外できているもの.ただし,特徴的な検査所見および全身の臓器病変を十分検討することが必要である.【臨床診断群】

類上皮細胞肉芽腫病変は証明されていないが,呼吸器,眼,心臓の3 臓器中の2 臓器以上において本症を強く示唆する臨床所見を認め,かつ,特徴的な検査所見(表1)の5 項目中2 項目以上が陽性のもの.

図1 心臓サルコイドーシス病変のPAB 抗体陽性像左:HE 染色 右:PAB 抗体染色病変の範囲が拡大

潜伏感染

細胞内増殖

肉芽腫性炎症

内因性活性化病変部での新たな感染

再燃を繰り返す炎症後の線維化新たな再燃性炎症

アレルギー反応

サルコイドーシス

図2 心臓サルコイドーシス病変の進展機構
p.10
サルコイドーシスの診断手順

サルコイドーシスは図3 82)に従って診断されることを想定している.サルコイドーシスは,自覚症状がなく健康診断で発見される病態から多彩な各臓器症状や全身症状を呈する病態まで,幅広い臨床症状を呈することが知られている.しかし,わが国では呼吸器科,眼科,循環器科領域の症状の訴えが多いため,当該領域のいずれかの臓器病変を強く示唆する臨床所見を確認することにより,サルコイドーシスに特徴的な検査を実施し,診断する場合がある.また,上記以外の臓器病変の異常を認め,生検等で組織学的に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明されたことにより,サルコイドーシスを考え,全身検索と特徴的な検査の実施によりサルコイドーシスを診断する場合がある.どちらの場合もできるかぎり組織診断を加え,十分に除外診断を行うことが重要である.

3.2 各種臓器におけるサルコイドーシスを 示唆する臨床所見

呼吸器系,眼,皮膚およびそれ以外の臓器におけるサル

図3 サルコイドーシス診断のアルゴリズム(日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.2015 82)より)

二次検査○BAL 検査○67Ga シンチグラフィ○18F-FDG PET 検査呼吸機能検査血液ガス分析○ 組織検査組織診断群臨床診断群

診断基準により判定

疑診

自覚症状あり(60~70%)呼吸器症状:咳,痰,呼吸困難など眼症状:眼のかすみ,飛蚊症など心症状:不整脈,心不全による症状など皮膚症状:各種の皮疹など神経症状:知覚・運動障害,意識障害,痙攣,性格変化,尿崩症など筋症状:ミオパチー,筋腫瘤などその他:耳下腺腫瘤,表在リンパ節腫脹など自覚症状なし(30~40%)健診発見(胸部X 線異常)

呼吸器病変(70~80%) ○ 胸部X 線写真胸部CT

一次検査○ 血清ACE ○ 血清リゾチーム○ 血清sIL-2R結核菌および非結核性抗酸菌検査

呼吸器系以外の病変のためのルーチン検査眼,心臓,皮膚,神経系,筋,内分泌,泌尿器,骨,関節,消化器系,上気道の検査など

○ 診断基準に採用されている項目

付記1 皮膚は生検を施行しやすい臓器であり,皮膚に病変が認

められる場合には,診断のために積極的に生検を行うことが望まれる.微小な皮膚病変は皮膚科専門医でないと発見しづらいことがある. 2 神経系をはじめとする他の臓器において,本症を疑う病

変はあるが生検が得難い場合がある.このような場合にも,診断確定のためには全身の診察,諸検査を行って組織診断を実施するように努めることが望まれる. 3 臨床診断群においては類似の臨床所見を呈する他疾患を

十分に鑑別することが重要である. 4 血清リゾチーム検査は保険適用外,sIL-2R 検査はサルコ

イドーシスに対しては保険適用がない.また,18F-FDG

表1 特徴的な検査所見

1 両側肺門リンパ節腫脹2 血清ACE 活性高値または血清リゾチーム値高値3 sIL-2R 高値467Ga citrate シンチグラフィまたは18F-FDG PET における著明

な集積所見5 BAL 検査でリンパ球比率上昇,CD4/CD8 比が3.5 を超える上

昇特徴的な検査所見5 項目中2 項目以上陽性の場合に陽性とする. (日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.2015 82)より) PET はサルコイドーシスに対しては保険適用がなく,心

臓サルコイドーシスのみに保険適用がある.
p.11
コイドーシスに特徴的な臨床所見およびサルコイドーシスの関連病態に伴う臓器病変を「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2015」

82)に基づき以降に示す(心臓に

関しては本ガイドラインp.40 を参照).サルコイドーシスの診断には基本的に組織学的診断が必要であるが,呼吸器系病変,眼病変および心臓病変に関しては組織学的証明がない場合でも,サルコイドーシスを強く示唆する臓器別の臨床所見の基準を満たせば,“ 臓器病変あり” とみなす. a.呼吸器系病変の臨床所見

呼吸器系病変は肺胞領域の病変(胞隔炎)および気管支血管周囲の病変,肺門および縦隔リンパ節病変,気管・気管支内の病変,胸膜病変を含む.

表2 の1または2がある場合,呼吸器系病変を強く示唆する臨床所見とする(詳細は4. サルコイドーシスの肺病変[p.12]参照).

b.眼病変の臨床所見

表3 の6 項目中2 項目以上を有する場合,眼病変を強く示唆する臨床所見とする.

c.心臓病変の臨床所見

心臓病変の臨床所見に関しては,III 章 3. 診断の指針(p.40)を参照. d.皮膚病変の臨床所見

表4 に皮膚の臨床所見を示す.

e. 呼吸器系,眼,心臓,皮膚以外の臓器におけるサルコイ

ドーシスを強く示唆する臨床所見呼吸器系,眼,心臓,皮膚以外の臓器におけるサルコイドーシスを強く示唆する臨床所見には,CT,MRI,超音波,各種内視鏡, 67Ga シンチグラフィや18F-FDG PET などの画像所見が含まれる.呼吸器系,眼,心臓,皮膚以外の臓器においてサルコイドーシスを強く示唆する臨床所見を確定する際は,全身のいずれかの臓器において類上皮細胞肉芽腫の証明を必要とする(表5).表5 その他の臓器所見

1 両側肺門リンパ節腫脹2 CT/HRCT 画像で,気管支血管周囲間質の肥厚やリンパ路に

沿った多発粒状影.リンパ路に沿った分布を反映した多発粒状影とは,小葉中心性にも小葉辺縁性(リンパ路のある胸膜,小葉間隔壁,気管支動脈に接して)にも分布する多発粒状影である

表2 呼吸器所見

(日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.2015 82)より)

表3 眼所見

参考となる眼病変:角膜乾燥症,上強膜炎・強膜炎,涙腺腫脹,眼瞼腫脹,顔面神経麻痺(日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.2015 82)より)

1 肉芽腫性前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物,虹彩結節) 2 隅角結節またはテント状周辺虹彩前癒着3 塊状硝子体混濁(雪玉状,数珠状) 4 網膜血管周囲炎(おもに静脈)および血管周囲結節5 多発するろう様網脈絡膜滲出斑または光凝固斑様の網脈絡膜萎

縮病巣6 視神経乳頭肉芽腫または脈絡膜肉芽腫表4 皮膚所見

1 皮膚サルコイド(特異的病変)

i.結節型,ii.局面型,iii.びまん浸潤型,iv.皮下型,v.その他(苔癬様型,結節性紅斑様,魚鱗癬型,その他のまれな病変) 2 瘢痕浸潤(皮膚病変を強く示唆する臨床所見として肉芽腫の組織学的証

明が必要) (日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.2015 82)より)

付記

肉芽腫のみられない非特異的病変として結節性紅斑を伴うことがあるが,わが国ではまれである.

1 神経病変

i.中枢神経

a.実質内肉芽腫性病変a-1.限局性腫瘤病変,a-2.びまん性散在性肉芽腫性病変,a-3.脊髄病変b.髄膜病変b-1.髄膜炎・髄膜脳炎,b-2.肥厚性肉芽腫性硬膜炎c.水頭症d.血管病変d-1.血管炎,d-2.脳室周囲白質病変,d-3.静脈洞血栓症e. 脳炎ii.末梢神経

a.脳神経麻痺a-1.顔面神経麻痺,a-2.舌咽・迷走神経障害,a-3.聴神経障害,a-4.視神経障害,a-5.三叉神経障害,a-6.嗅神経障害,a-7.その他の脳神経の障害b.脊髄神経麻痺

b-1.多発性単神経炎,b-2.多発神経炎(small fiber neuropathy を含む),b-3.単神経麻痺,b-4.その他の障害:神経根障害,馬尾症候群など2 肝病変:肝腫,多発性結節3 脾病変:脾腫,脾機能亢進症,多発性結節4 消化管病変:潰瘍,粘膜肥厚,隆起性病変

(次頁へ続く)
p.12
(日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.2015 82)より)付記サルコイドーシスでは,以下のような関連病態(およびそれに伴う臓器病変)を呈しうる.これらの関連病態は“ 臓器病変を強く示唆する臨床所見” とはならないが,サルコイドーシスに伴う所見として重要であるため,ここに記載する. 1 カルシウム代謝異常(高カルシウム血症,高カルシウム

尿症,腎結石,尿路結石) 2 下線を引いた神経病変3 下線を引いた腎臓病変

3.3 除外規定

以下の除外規定に従って,十分に鑑別診断を行う. 1 原因既知あるいは別の病態の全身性疾患を除外する:悪

性リンパ腫,他のリンパ増殖性疾患,がん(がん性リンパ管症),結核,結核以外の肉芽腫を伴う感染症(非結核性抗酸菌症,真菌症など),ベーチェット病,アミロイドーシス,多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis)/ ウェゲナー肉芽腫症,IgG4 関連疾患など. 2 異物,がんなどによるサルコイド反応. 3 他の肺肉芽腫を除外する:ベリリウム肺,じん肺,過敏

性肺炎など. 4 巨細胞性心筋炎を除外する. 5 原因既知のぶどう膜炎を除外する:ヘルペス性ぶどう膜

炎,HTLV-1 関連ぶどう膜炎,ポスナー・シュロスマン症候群など. 6 他の皮膚肉芽腫を除外する:環状肉芽腫,Annular

elastolytic giant cell granuloma,リポイド類壊死, Melkersson-Rosenthal 症候群,顔面播種状粟粒性狼瘡,

酒さなど. 7 他の肝肉芽腫を除外する:原発性胆汁性肝硬変など.

3.4 診断および経過観察における注意事項

サルコイドーシスは同時性および異時性に多臓器に病変を有する全身性疾患であるので,既往歴の確認を十分に行い,各種臓器病変の有無を経時的に検討する必要がある.また,各臓器の診断の手引きからサルコイドーシスとして典型的な症例では,組織学的な検討が困難な場合でも臨床診断群として申請し,治療ができる.この場合も十分に鑑別診断を行うことが前提である.また,サルコイドーシスを疑うが,前述の基準を満たさない症例において治療の必要がない場合には,疑診として経過観察を行うこととする.一方,疑診でも心臓サルコイドーシスや中枢神経サルコイドーシスを強く疑い,生命の危険が想定される場合は,治療的診断として診断に先行して治療を行う場合がある.

4 サルコイドーシスの肺病変

肺病変は90% 以上のサルコイドーシス患者で認められることが報告されており83, 84),胸部画像所見はサルコイドーシスの診断過程において重要な役割を担っている(レベル4b ,グレードA ).胸部単純X 線所見ではBHL(bilateral hilar lymphadenopathy; 両側肺門リンパ節腫脹)が特徴的で(図4,図5),胸郭内リンパ節の腫大がもっとも多い画像所見である.BHL 以外にも,右気管傍リンパ節,気管分岐下リンパ節,動脈管索リンパ節の腫脹などが胸部単純X 線で確認できるが,一側性の肺門リンパ節腫脹は5% 以下である.肺野所見では,小粒状陰影,斑状のすりガラス陰影や淡い浸潤影,嚢胞形成がみられ,それらが気管支血管束周囲,小葉間隔壁周囲,胸膜面のリンパ管などのリンパ路に沿った分布を示すが,正常の場合もある.また,病変は下肺野にくらべて上肺野,とくに上肺野外側に優位の分布を示しやすい.進行すると線維化により網状影や肺容積減少なども認め多彩な像を呈するようになる.胸部単純X 線所見により病期が区分され,一般的に5 病期に分けられる.病期は通常I 期からIV 期へと進行し予後と相関すると考えられているが,疾患活動性や機能障害の程度は反映しない10, 85)(表6) 86).Stage 0 は明らかな胸郭内病変を認めないことを意味する.Stage I はBHL を示すもので,傍気管リンパ節腫脹を伴うこともある.肺野には

5 腎病変:腎腫瘤,カルシウム代謝異常に伴う腎病変,尿細管間

質性腎炎,肉芽腫性腎炎,糸球体腎炎,腎血管炎6 胸郭外リンパ節病変:表在性リンパ節腫大,腹腔内リンパ節腫

大など7 外分泌腺病変:耳下腺腫大,顎下腺腫大,涙腺腫大8 上気道病変:鼻腔病変,上気道腫瘤9 骨病変:レース状の骨梁像,溶骨性病変,円形のう胞状骨透亮

像10 筋病変

i.急性~亜急性筋炎型ii.慢性ミオパチーiii.腫瘤型ミオパチー11 関節病変:関節の腫脹,変形12 生殖器病変:子宮,精巣,精巣上体,精索などの腫瘤13 その他病変:骨髄病変,膵病変, 胆道・胆嚢病変,腹膜病変,乳

腺病変,甲状腺病変など

(前頁より続き)
p.13
浸潤影は認めないが,肺生検ではしばしば肺実質に肉芽腫を認める.Stage II はBHL に肺野陰影を伴う.Stage III は肺門リンパ節腫脹を伴わない肺野陰影である.Stage IV は進行性線維化からなり,蜂巣肺,肺門部の牽引像,ブラ,嚢胞,および気腫を伴う.

サルコイドーシスの肺病変は,リンパ路沿いに分布する

0.2 mm 程度の小粒状影が基本であるため,胸部単純X 線

で認められない肺野・縦隔の異常影を検出できる HRCT による評価が必要である87–90)(レベル5 ,グレードA ).HRCTでは,肺門縦隔リンパ節腫脹,気管支血管周囲,小葉間隔壁,胸膜面に分布する微小粒状~小結節影,気管壁肥厚,すりガラス影,空洞や嚢胞形成を伴う腫瘤性病変,進行例では線維化,牽引性気管支拡張などが認められる.1 cm以上の結節影や腫瘤状影を呈することもあり,また,周辺の微小散布影(sarcoid galaxy sign)もみられることがある.肉芽腫などにより気道壁が肥厚し,空気捉え込み現象(エアートラッピング)が起こることで生じる肺野低吸収域がモザイク状に介在するmosaic attenuation などがみられる場合や,嚢胞陰影の形成をみることもある.HRCT 所見も胸部単純X 線所見と同様に上中葉優位の傾向を示す.「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006」では,

呼吸器病変が強く示唆される画像所見として,1BHL を認める場合,または2BHL を認めないが表7 6)のいずれかの所見を認める場合があげられている.

5 サルコイドーシスの治療

5.1 はじめに

サルコイドーシスは全身の慢性肉芽腫性炎症性疾患であり,自覚症状は少なく自然改善もありうる反面,心臓病変,肺病変などは生命を脅かす重篤な結果をもたらしうる.また,眼,神経,皮膚,腎臓などいくつかの臓器病変では,病変の持続は患者の生命予後には影響しない場合もあるが,QOL は著しく損なわれるため,適切な治療介入が必要である.

副腎皮質ステロイドホルモン薬(以下ステロイド)は,少なくとも短期的には本症の肉芽腫性炎症の制圧にきわめて有効であることは周知の事実であり,すべての臓器病変

図5 サルコイドーシス患者の造影CT 所見BHL が鮮明となる.

表6 サルコイドーシス肺病変の病期分類

病期胸部X 線所見頻度(%)自然治癒率(%)

0 正常な胸部X 線像 5~15 -

I両側肺門リンパ節腫脹45~65 50~90 II両側肺門リンパ節腫脹+肺野陰影30~40 30~70 III肺野陰影のみ(両側肺門リンパ節腫大なし) 10~15 10~20 IV肺線維化5 0 (藤本公則.2013 86)より改変)

図4 サルコイドーシス患者の胸部X 線写真典型的なBHL を示す.肺野には明らかな小粒状陰影を認めない.
p.14
において,急激に悪化する例ではためらわずにステロイドによる十分な治療を開始すべきであることは論をまたない.サルコイドーシスの治療上の問題点は,自覚症状が乏しく自然改善の可能性もある本症のさまざまな病態に対して,治療の適応,薬剤の種類や量,持続期間をどのように考えるかということであり,治療はさまざまな害を超えた利益を患者にもたらすものでなければならない.しかし,本症の臨床経過は多様で長期にわたるため治療の有効性を適切に評価することは難しく,大規模な前向き臨床試験はこれまで肺病変に限られており,その数も少ないのが現状である.

また,ステロイドは肉芽腫性炎症を速やかに消退させる力がある反面,原因物質を排除しようとするリンパ球の働きを抑制するため,「両刃の剣」として作用する.さらに,個々の例での副作用はときに著しいQOL の低下をきたし,患者はステロイド忌避となる.本症における臨床経過の多様性,ステロイド作用の二面性,そしてステロイドの副作用と患者の忌避という問題が,本症に対するステロイド治療の標準化を難しくしている.

5.2 肺病変におけるステロイド治療の適応

サルコイドーシスの治療に関して,全身ステロイド投与の有効性について前向き大規模無作為化比較試験が行われているのは肺病変においてのみであり,Cochrane review 91)では全身ステロイド投与に関して6 つの論文がとりあげられている.総括として,「観察期間中に限れば,胸部陰影の改善度はステロイド治療群のほうが無治療群よりもややすぐれていた.サブグループ解析においてこの有効性はI 期ではみられなかったが,II 期,III 期で認められた」とされている.以下に2 つの論文を紹介する.

11996 年にGibson ら92)は,肺陰影を呈するサルコイドーシス149 例のうち,6ヵ月の経過観察中に改善傾向にあった58 例とステロイド治療を開始せざるをえなかった33例とを除いた残り58 例について,長期間ステロイド治療(プレドニゾロン30 mg/ 日1ヵ月から漸減し,10 mg/日を維持量として最低1 年間使用)を行った群と,必要に応じて治療介入した群に分けて観察した.その結果,5 年後の% 肺活量は治療群のほうが9% すぐれていたことを報告し,結論として,このような症状の少ないII 期,III 期症例にもステロイド治療を行ったほうがよいと述べている(レベル3 ).

22002 年にPietinalho ら93)は,診断後3ヵ月以内のサルコイドーシス病期I 期,II 期をおもな対象として二重盲検比較試験を行い,プレドニゾロン(20 mg/ 日から漸減して12 週間)+ブデソニド吸入(800μg/ 日を15ヵ月)治療群は対照群にくらべ,病期II 期(一部III 期)の5 年後の肺野陰影消失率,FVC(forced vital capacity; 努力性肺活量),DLCO(diffusing capacity of the lung carbon monoxide; 一酸化炭素肺拡散能)がすぐれていた(ただしI 期では差はなかった)ことを報告した.病期II 期(一部III 期)の治療群の平均FVC は4.48 L から18ヵ月後に4.83 L と有意に上昇し,5 年後も平均4.70 L と有意な上昇が継続してみられたとしている.また,平均DLCO も,9.17 mmol/ min/kPa から18ヵ月後に10.05 mmol/min/kPa と有意に上昇し,5 年後も平均9.73 mmol/min/kPa と有意な上昇が継続されたとしている(レベル2 ).

この2 つの報告は前向きの検討であり,とくに後者はプラセボを用いた二重盲検比較試験である.自覚症状についてはあまり説明されていないが,症状の乏しい時期の症例が検討対象になったものと思われる.その結果,積極的に治療介入を行った群のほうが5 年後の予後が良好であった

1.胸部X 線所見

1 上肺野優位でびまん性の分布をとる肺野陰影,粒状影,斑状影が主体. 2 気管支血管束周囲の不規則陰影と肥厚. 3 進行すると上肺野を中心に肺野の収縮を伴う線維化病変をきたす. 2.CT/HRCT 所見

1 肺野陰影は小粒状影,気管支血管周囲間質の肥厚像が多くみられ,局所的な収縮も伴う粒状影はリンパ路に沿って分布することを反映し,小葉中心部にも小葉辺縁部(胸膜,小葉間隔壁,気管支肺動脈に接して)にもみられる. 2 結節影,塊状影,均等影も頻度は少ないがみられる.胸水はまれである.進行し線維化した病変が定型的な蜂窩肺を示すことは少な

く,牽引性気管支拡張を伴う収縮した均等影となることが多い. 3.気管支鏡所見

1 網目状毛細血管怒張(network formation) 2 小結節3 気管支狭窄(サルコイドーシス診断基準改訂委員会.2006 6)より)

表7 サルコイドーシス肺病変の胸部画像・気管支鏡所見
p.15
ことが述べられている.後者の発表に関するEditorial 94)でもこの2 つの論文をとりあげて,自覚症状の乏しい早期から治療することを是としている.Gibson はこの治療介入の結果を「a small but definite long term advantage(小さいが確固たる長期にわたる優越性)」と表現している. Pietinalho らは,「症例数が少なくて有意差は出なかったものの,初期の肺機能の悪い例のほうが治療効果は大きかった」「経過観察中の再発はプラセボ群で有意に多かった」ことを述べ,また,経口ステロイドに続いて吸入ステロイド(ブデソニド)を使用する方法の長所として,経口投与よりも副作用が減じられることをあげている.

しかし,5 年後の肺野病変の消失率と肺機能改善度がステロイド治療群においてわずかでもすぐれていたことを根拠として,「症状の乏しい肺サルコイドーシスにはステロイド治療を行ったほうがよい」といえるかというとそうではない.ステロイド治療によるさまざまな害と,結果としての益の比較(harm-benefit relationship)を行い,総合的に益が害を上回ると評価されてはじめてステロイド治療を勧めることができる.この2 つの論文で示されているのは,ステロイド治療群における5 年後の肺野陰影消失率と肺機能上のわずかな優位性であって,これが患者の5 年後およびそれ以降のQOL の改善,生命予後の改善につながっているという保証はない.肺野病変消失率と肺機能改善度がわずかに治療群ですぐれていた程度の益では,ステロイド治療によるさまざまな害を払拭できるとはいいきれない. Izumi は,健診で発見された若年のI 期肺サルコイドーシスに限れば,ステロイド治療は肺野陰影の残存率が高くなりむしろ有害であると述べている95).諸刃の剣であるステロイドの早期使用は害のほうが大きいとする指摘である96, 97).

これらの考え方を反映してか,最近の欧米の総説論文では,「自覚症状が乏しく肺機能障害のない肺病変例は治療の適応にならない」という趣旨の記載が目立つ98, 99) (レベル6 ).Judson は最近の論文で,「自覚症状が乏しくFVC が70% 以上の場合はステロイド治療の適応にならない」とした100).しかし,その結論に至った論文やデータは示されておらず,個人的経験による意見と解釈される.また,「肺の線維化・収縮がゆっくりと進む例でも,FVC 70% 以上ならば治療をしなくてよいのか.進行するまで待ってよいのか」という疑問が生じる.そこで,次に線維化の観点からサルコイドーシス肺病変の治療適応について記載する.

5.3 肉芽腫の線維化を考慮した治療適応

2003 年に日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会から報告された「サルコイドーシス治療に関する見解-2003」

では,「II 期,III 期の肺病変例で症状がないか乏しいものは経過観察とし,これに画像所見悪化を伴うものでは個々の状態に応じてステロイド治療を考慮する」という意図で「肺サルコイドーシスの治療手順」(図6)

9)が作成された.

肺病変例で生命予後を悪化させているものは,肉芽腫性病変に由来する線維化であるといえる.呼吸不全,肺高血圧症,肺感染症などが併発して予後不良となるのはほぼ肺の線維化が進展した例である.慢性のサルコイドーシス肺病変の特徴として上葉収縮がかなりの高頻度でみられるが,その原因として,上葉に肉芽腫が多く分布すること,肉芽腫による中枢気管支の狭窄,気管支・血管束に分布する肉芽腫の線維化,周囲肺胞の虚脱などの関与があげられる.線維化の限局例では症状の乏しい例もあるが,広範例では往々にして予後不良である.このような「肉芽腫性病変が広汎に線維化していく例(広汎線維化型)」では,ステロイド等の抗炎症薬による早期の治療介入が必要と考えられる.

一方,「肉芽腫性病変が慢性化するものの線維化をきたさないか乏しい例(肉芽腫型)」では,呼吸機能障害は少なく,ある程度は自然改善が期待され,ステロイド治療への反応も良好で,再発はするものの最終的には病勢が落ち着いてくることが多い.よって,肉芽腫型と判断されれば,できるだけ自然改善をめざし,ステロイドの量や期間が小さくなるような治療内容にしてよいと考えられる.

結論は,「広範な線維化をきたしそうな例を早めに捉えて適切に治療介入する」ということになろうが,どのような所見の場合に広汎線維化型と考えて治療を開始すべきかについて合意を形成するのはこれからである.また,その際のステロイド使用の量,期間,および他の代替治療薬の適応についてもわかっておらず,今後の知見の集積が必要である.

5.4 ステロイドの量と使用期間

これまで本症のステロイド治療においては,初期量をプレドニゾロンで0.5 mg/kg/ 日(20~40 mg/ 日)程度の十分量で開始し,その後漸減することが世界のコンセンサスとなっていた9, 10)(レベル6 ,グレードC1 ).しかし,そのステロイド量が至適であるかはわかっていない.糖尿病や感染症の合併がある場合に5~10 mg/ 日の少量でも有効であったとする報告もあり101),肉芽腫型の場合にはステロイドの量や期間を抑えられることも考えられるが,その臨床研究報告も乏しい.

ステロイド治療の継続期間については,「宿主内に原因
p.16
抗原が残存していればステロイドの中止後に再発する」という考え100)から,治療期間が数十年にわたる長さになることがある.米国では肺病変の重症例が多く,プレドニゾロン15 mg/ 日で維持できれば成功とみなされるが,わが国では5 mg/日以下の維持量をめざすことが一般的である.

本症の治療でステロイド漸減中に肉芽腫性病変が再発することは往々にして経験され,再度のステロイド治療をどのように行うか臨床的に迷うことが多い.しかし,再発時は初発時よりも病変の程度は軽くかつ治療に反応しやすいことが多いので,少量のステロイドかあるいは無治療でも改善する機会は多いと考えられる.細部の方法論については今後の知見の積み重ねが必要である.なお,再投与が必要な際にもっとも妨げになるのは患者のステロイド忌避である.

5.5 肺外病変での治療の適応

肺外病変に対するステロイドの適応についての報告は少ない.肺病変と心臓病変を除く多くの場合,生命維持というよりもQOL の改善をめざして治療されるからであり,多くが自覚症状発現後に治療が開始され,症状に応じてステ

ロイド治療が行われる.

ただし心臓病変の存在はそれだけでlife threatening であり,自覚症状の有無によらず病変の存在が認められればステロイド治療が勧められる21, 102)(レベル4b ,グレードC1 ).すなわち心臓病変においては,それが幼若な肉芽腫性病変で自然改善が期待できるものであっても,予後悪化の原因となるので十分に治療すべきであるといえる.しかし,その際のステロイドの量と期間についてのエビデンスはなく,主治医の判断に任されている.

その他の臓器病変に対する治療の目的はおもにQOL の改善であるため,自然改善を待つ余裕がある場合には無治療とし,肉芽腫性病変でQOL の低下が認められる例ではステロイド等の治療を行う.たとえば,腫瘤型筋肉病変は原則無治療とされるが,座れない,痛みがあるなどの場合には治療を行う.胃,大腸,肝臓,脾臓等の病変でも症状が乏しければ無治療観察とするが,腹部膨満感などがあれば治療を行う.

眼病変はほぼ自覚症状による受診であるが,サルコイドーシスの経過中に眼炎症が認められれば自覚的に無症状

Stage I

Stage II,III

症状なしまたは軽度で画像所見悪化

*2

症状なしまたは軽度

息切れ著明な咳嗽呼吸機能障害*3経過観察肺陰影の出現*1

プレドニゾロン30 mg/ 日または60 mg/ 隔日1ヵ月悪化*4

経過観察

最少有効維持量

5~10 mg/4~8 週で減量,15 mg 以後慎重に減量

再燃・悪化ステロイド不応終了

他剤併用

3ヵ月6ヵ月1 年(経過観察期間)

*1 肺陰影の出現:新たな肺野の陰影が出現した場合*2  画像所見の悪化:胸部CT での太い気管支・血管周囲の肥厚,無気肺の悪化であり,胸部X 線での肺野の粒状影や綿花陰影の増悪ではステロイドは使用せずに経過をみる*3 呼吸機能障害:%VC 80% 以下,一秒率70% 以下,PaO2 59 torr 以下を参考にする*4  悪化:臨床所見,自覚症状の増悪,肺野病変の増悪VC:肺活量,PaO2:動脈血酸素分圧図6 肺サルコイドーシスのステロイド治療手順(サルコイドーシス治療ガイドライン策定委員会.2003 9)より)
p.17
でも点眼治療の適応とされる.また,自覚的に無症状のうちに緑内障や視野狭窄が進行している場合もあるため,定期的な経過観察が必要とされる.

カルシウム代謝異常や腎病変による腎機能障害は無症状で進行しうる.長期のサルコイドーシス患者では慢性に進行して腎不全に陥る例があるため,適切に経過観察を行い治療介入することが求められる.

本症の経過観察および治療に関しては,自覚症状発現後に対応すればよいものと,自覚症状が発現する前に適切な検査によって対応すべきものとに分けて整理しておくとよい.

5.6 ステロイド以外の薬剤による治療

免疫抑制薬としてのメトトレキサートとアザチオプリンの有効性については,すでに国内外で多くの知見が集積されている103–106)(レベル5 ,グレードC1 ).ステロイド治療が長引く例では,これらの薬剤のsteroid sparing 効果を期待してステロイドと併用すべきものと考えられる.メトトレキサートの少量投与は関節リウマチでも広く用いられており,サルコイドーシスに対する少量ステロイドと少量メトトレキサートの併用療法には期待がもたれる105)(レベル3 ).また,メトトレキサートは単独でもある程度の有効性があることが知られており106),ステロイド忌避あるいは禁忌例には単独での使用も考慮しうる.(注:現在のメトトレキサー

トの保険適用にはサルコイドーシスは含まれていない.)

抗菌薬も以前からサルコイドーシスの治療に用いられてきた.塩酸クロロキン(抗マラリア薬)は,有効性はほぼ不明のまま米国では広く用いられている.また,とくに皮膚病変でテトラサイクリンによく反応する例があることは間違いなく107, 108),患者からの了解が十分に得られれば症例を選んで使用してもよい(レベル5 ).

5.7 全身症状に対する治療

サルコイドーシスでは痛み,疲れ,息切れなどの臓器非特異的全身症状を呈する例が多いことが知られており,しばしば全身症状が患者にとっての最大の主訴となる109, 110).これに対する十分な治療法は確立されていないが,漢方薬111)や大量ステロイド112)が有効な例が日常臨床で遭遇される.

5.8 おわりに

サルコイドーシスの治療全般について記載した.ガイドラインとして示すべき治療の適応,種類,期間,量,中止の時期などについては十分なエビデンスがないのが現状であり,今後の知見の集積が期待される.

III.心臓サルコイドーシスの診断

1 病理

心臓におけるサルコイドーシスの典型的な組織学的特徴は,乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫に多核巨細胞が存在することであり,心臓以外のサルコイドーシスと同様である.鑑別診断として巨細胞性心筋炎が重要である(レベル4a ,グレードA ).心臓サルコイドーシスの診断は困難なことが多く,突然

死の剖検例,心筋症として治療されていた症例の剖検や心臓移植後にはじめて明らかとなることもある.診断困難な原因として,その病態が多彩であること,心内膜心筋生検以外に特異的な検査法に乏しいことなどが考えられる.心臓サルコイドーシスの病理所見の特異度は非常に高いものの,心内膜心筋生検による心臓サルコイドーシスの組織診断率は約20% と低い.臨床的には心臓サルコイドーシスが疑われるが,心内膜心筋生検では線維化やリンパ球浸潤が認められるのみで類上皮細胞肉芽腫や巨細胞がなく,確
p.18
定診断に至らない場合がよくみられる.したがって,感度を上げるために可能であれば心筋生検試料を複数個採取することを推奨する.以下,心臓サルコイドーシスの病理学的特徴を記載する.病因に関しては今のところ不明であるが,近年,生検によって採取された胸腔内リンパ節の病変において,表皮常在弱毒菌であるP. acnes のDNA が結核など他の疾患にくらべ明らかに高率かつ多量に存在することがPCR 法によって検出され,有力な病因として注目を集めている23, 77).

1.1 心内膜心筋生検

サルコイドーシス肉芽腫は心筋内に散在性に分布するため,心内膜心筋生検による組織診断率はサンプリングエラーにより約20% ときわめて低い113, 114).したがって,心内膜心筋生検で陰性であっても,心臓サルコイドーシスが否定されることにはならない115).

1.2 心臓サルコイドーシスのマクロ病理所見

これまでに心臓サルコイドーシス症例の検討から,Valantine らは心臓病変が心室中隔基部(心房に近い心室中隔)に好発することを指摘した116).それ以後,心エコー図においても心室中隔基部に限局した菲薄化が認められるこ

とが,心臓サルコイドーシスに特徴的な所見として注目されている.剖検例においても中隔の菲薄化はしばしば観察されるが(図7A),菲薄化がみられる症例は心室拡大を伴うことが多い(図7B).

心臓サルコイドーシスの病変の分布はミクロレベルの局所であったり,斑状だったりさまざまであるが,乳頭筋を含む心筋壁のどこにでも出現する可能性がある.一般には,心室中隔基部,心房壁,刺激伝導系などに多いといわれている.また心外膜優位である場合もある117)(図7B,図8).心臓病変として発症する段階では,肉芽腫はすでに線維化が始まっていることが多く,肉眼的には黄色から白色調の線維化が主体となる.非病変部と病変部の境界は明瞭であり,線維化は斑状,線状として認められることが多い(図8, 9).また,線維化した病変が進行すると心室瘤や拡張型心筋症様118)の心室の拡大を呈するようになる(図7,9).

1.3 心臓サルコイドーシスの組織所見

心臓におけるサルコイドーシスの典型的な組織学的特徴は,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(図10)に多核巨細胞が存在することであり,心臓以外のサルコイドーシスと同様

図7 心臓サルコイドーシスの剖検所見A.心室中隔の菲薄化(矢印) B.両心室の拡大

図8 心臓サルコイドーシスの剖検所見A.後壁中隔移行部の線維化 B.突然死症例:前壁,中隔に広範な線維化を認める.図9 心臓サルコイドーシスの拡張型心筋症様心拡大例

心移植例摘出心:拡張型心筋症の病態,心室頻拍を認めていた.後壁中隔移行部に陳旧性の線維化を認める.

図10 心臓サルコイドーシスの組織像:非乾酪性類上皮細

胞肉芽腫(HE 染色)多核巨細胞周囲にリンパ球と類上皮細胞の集合があり肉芽腫を形成している.
p.19
である17).肉芽腫は類上皮細胞,多核巨細胞,マクロファージ,リンパ球,形質細胞などから構成される.前述のように心筋生検で典型的な肉芽腫が採取される確率は約20%といわれ113, 114),巨細胞のみや類上皮細胞のみの肉芽腫様組織のこともある.こういった場合は連続切片を作成し,巨細胞があるかを確認することも必要となる.非乾酪性とあるように,結核性でみられる乾酪壊死は認められない.巨細胞は多くの場合,核が周辺に整列するLanghans 型多核巨細胞(図11)であるが,ときに異物型巨細胞またはTouton 型巨細胞も認められる(図12,13).多核巨細胞の細胞質内に星形を示す封入体であるasteroid body(図14A)またはSchaumann body(図14B)を認めることもある119).これらの封入体はまれに他の肉芽腫にも出現し,サルコイドーシスに特異的ではないが,サルコイドーシス

の診断には有用である.類上皮細胞肉芽腫に隣接してリンパ球浸潤がみられることが多い.リンパ球浸潤は病期(活動性)によって変動する.リンパ球のうちCD4 陽性細胞は肉芽腫に優位に集簇し,CD8 陽性細胞は肉芽腫周辺部に散在性に認められることが多い(図15).瘢痕期には線維化が主体となり,リンパ球浸潤はわずかで肉芽腫も消退傾向になり,巨細胞が単独で存在することもある(図16).とくに心筋生検で巨細胞がみつかれば,心臓サルコイドーシスをかなり強く疑う.非病変部と病変部の境界は明瞭であることが多く,心筋生検で非病変部の心筋細胞にはほとんど異常を認めないことも多い(図17).

鑑別診断として巨細胞性心筋炎(図18)が重要であるが,心臓サルコイドーシスでは巨細胞性心筋炎と異なり,通常は心筋細胞の壊死は認められず120),好酸球浸潤もま

図11 心臓サルコイドーシスの組織像:Langhans 型多核

巨細胞巨細胞の周辺に核が並んでいる.

図12 心臓サルコイドーシスの組織像:多核巨細胞の多様な形態A.異物型巨細胞様.周囲は線維化で囲まれている.B.Touton型巨細胞(リング状に核が並んでいる).肉芽腫と接する心筋細胞はほとんど正常である.

図13 心臓サルコイドーシスの組織像:異物型多核巨細胞多数の核を有する巨細胞の胞体内に異物様封入物と空胞を認める.図14 心臓サルコイドーシスの組織像:巨細胞内の封入体A.asteroid body(矢印) B.Schaumann body.胞体内に空胞

を認める.

図16 心筋生検で診断されたサルコイドーシスの肉芽腫線維化のなかに巨細胞とリンパ球が残存している.

図15 心臓サルコイドーシスの心筋生検免疫染色像:肉芽腫内のリンパ球サブタイプA.CD4 陽性 B.CD8 陽性
p.20
れである.巨細胞性心筋炎の巨細胞にはマクロファージ由来と心筋細胞由来の2 系統があるとされるが,心臓サルコイドーシスでは類上皮細胞も巨細胞もマクロファージ由来である(図19).心臓サルコイドーシスでは,活性化されたT リンパ球がTh1 細胞へと分化し,それにより単球/ マクロファージの遊走・活性化・分化に働くIL-2 やIFN-γに代表されるTh1 サイトカインが産生され,単球/ マクロファージやリンパ球が集積することにより肉芽腫が形成される.マクロファージから類上皮細胞や巨細胞が形成される機序には,遅延型過敏反応の成立や T リンパ球からのサイトカインの関与があるといわれている.類上皮細胞肉芽腫を形成する他の疾患や,真菌症,結核などを鑑別するた

めに,grocott 染色(真菌染色),Ziehl-Neelsen 染色(抗酸菌染色)も必要な場合がある.また,瘢痕期の心臓サルコイドーシスでは線維化が主体(図20)でリンパ球浸潤は軽度のことがあり,生検組織の連続切片を作成することが推奨される(図21).また,リンパ節生検が必要となることもある.

2 臨床所見・検査

2.1 臨床症状

サルコイドーシスは主として肺およびリンパ系を侵す全身性肉芽腫性疾患である.サルコイドーシス全体で60~ 70% に自覚症状があるとされるが,疾患特異的な症状はほとんどなく,また強い自覚症状を伴うことも少なく,健康

図17 心臓サルコイドーシスの心筋生検組織像A.心内膜の線維化周辺部に多核巨細胞が集簇している.非病変部と病変部の境界は明瞭である.B.A 内四角部の拡大像

図18 巨細胞性心筋炎の組織像Langhans 型巨細胞が認められる.リンパ球による心筋細胞の破壊を認めること,類上皮細胞はなく肉芽腫を形成しないことが,心臓サルコイドーシスとの鑑別点となる.図20 心臓サルコイドーシスの心筋生検組織像

瘢痕化した肉芽腫.わずかにリンパ球が残存した置換性線維化病変.瘢痕化した肉芽腫を心筋生検でみた場合サルコイドーシスを疑う.

図19 心臓サルコイドーシスの心筋生検組織像A.HE 染色像 B.CD68 免疫染色像.多核巨細胞と類上皮細胞はCD68 陽性である.

A B図21 心臓サルコイドーシスの心筋生検組織で局所的巣状

のリンパ球浸潤をみた場合当初,間質の線維化のなかにリンパ球の集簇のみが認められたが(A),さらに連続切片を作成することで巨細胞が認められた(B).

A B
p.21
診断や非特異的な症状などに対するスクリーニング検査として行われた胸部X 線写真,心電図の異常所見がきっかけとなり診断に至ることが少なくない6).心臓サルコイドーシスは全身性サルコイドーシスに合併した心臓病変とされることが多いが,心臓にのみ病変をもつこともあると考えられている.軽度の心臓病変では自覚症状を伴うことはないが,病変の広がりに伴い,刺激伝導系の障害や心臓ポンプ機能が障害されると自覚症状が現れる.しかしそれらの症状は心臓サルコイドーシスに特異的なものではない. a.全身性サルコイドーシスとしての症状

全身性の炎症疾患として,発熱(多くは微熱),全身倦怠感,寝汗,体重減少などの非特異的な症状がサルコイドーシス患者の3 分の1 でみられる10).不明熱の鑑別診断の1 つとして重要であるが,日本ではこのような非特異的な症状はそれほど多くないといわれている121).サルコイドーシスが浸潤する臓器として,肺,肺門リンパ節以外に皮膚,眼,筋骨格系,心臓,中枢神経系などがある.肺外病変の発現は人種間で差があることが報告されており,わが国では他の民族にくらべて心臓と眼に浸潤を認める割合が大きいとされている121).しかし無症状である場合も多く,健康診断や非特異的な症状などに対するスクリーニング検査で発見されることも少なくない.各臓器に特異的な症状としては下記のものがあげられる.

肺病変:サルコイドーシスの90% 以上の患者で肺が侵される.欧米ではそのうち3 分の1 から2 分の1 で呼吸困難,乾性咳嗽,胸痛がみられることが報告されているが10),わが国では症状がみられる頻度はより低いとされている121).

眼病変:サルコイドーシスの11~83% に出現するといわれており,ぶどう膜炎が代表的である.眼のかすみ,飛蚊症などをきたす.

皮膚:サルコイドーシスの全患者の25% に出現するとされている.結節性紅斑は急性サルコイドーシスの所見として重要であり,赤く痛みを伴う隆起ないし小結節であるが,日本人ではまれとされている121).びまん浸潤型皮疹は慢性のサルコイドーシスの病変として重要である.

筋肉骨格系:関節病変はサルコイドーシス患者の25~ 39% でみられ,膝,足首,肘,手首,手足の小関節が多い.

中枢神経系:臨床的に明らかな神経系病変がみられるのはサルコイドーシス患者の10% 以下とされている.病変は脳底部に好発する傾向があり,顔面神経麻痺,視床下部,脳下垂体病変が多いとされている. b.心臓サルコイドーシスの症状

全身サルコイドーシスにおける心臓浸潤の頻度は,心臓サルコイドーシスの診断基準によって異なる.全身サルコイドーシスの剖検では約25% に心臓病変が認められるとされるが,生前の診断例での心臓浸潤の頻度は3.7~54.9%

と画像診断の方法により異なる122).心臓サルコイドーシスに伴う症状としては,肉芽腫性炎症の存在部位や程度により,刺激伝導系の障害に伴うもの,心筋障害に伴うものが考えられる.軽度の心臓病変では自覚症状を伴うことはないが,病変の広がりに伴い,刺激伝導系や心臓ポンプ機能が障害されると自覚症状が現れる.いずれも心臓サルコイドーシスの診断に直結する特異的な症状ではないが,診断に際してつねに念頭におくべきである.Mehta らは,心臓以外の臓器で病理学的にサルコイドーシス(おもに肺サルコイドーシス)と診断を受けた患者62 例について,自覚症状の有無,および心臓MRI,18F-FDG PET 検査を行った結果を報告している123).それによれば,画像検査で心臓へのサルコイドーシスの浸潤が疑われた症例は24 例(39%)で,そのうち11 例(46%)に動悸,3 例(12%)に前失神がみられた.これらの症状の出現頻度は心臓への浸潤がみられなかった群よりも有意に多く(46% 対5%),他臓器でサルコイドーシスと診断されている患者において心臓への浸潤を疑う指標の1 つであることが示されている(レベル4a ,グレードB ).刺激伝導路が障害されると,脚ブロック,房室ブロックが起こりうる.脚ブロックだけでは心拍数に影響はないが,房室ブロックが起こると徐脈傾向から動悸,めまいが起こり,高度な徐脈になると失神,ときには突然死も起こりうる.また,心筋の炎症や線維化により心室性不整脈(心室期外収縮,心室頻拍,心室細動など)が惹起される.心室期外収縮により動悸,息切れを自覚することがあり,持続性心室頻拍や心室細動から突然死をきたしうる(2.4 心電図[p.24]参照).

また,心筋障害により心機能低下(収縮機能障害,拡張機能障害)が起こりうる.病初期には無症候であることが少なくないが,心筋障害の進行により心不全症状が出現する.心不全症状には体液貯留増加に伴う症状と低心拍出量による症状がある.体液貯留増加による症状としては浮腫,咳嗽,呼吸困難がある.浮腫は圧痕性であり,下腿に目立ちやすい.心不全による咳嗽のほとんどは空咳であるが,重症左心不全による咳嗽ではピンク色の泡沫痰を伴う.呼吸困難は病初期には労作時に起こり,病状の進行とともにより軽い労作で呼吸困難が起こるようになる.さらに肺うっ血が増悪すると安静時に呼吸困難が起こるようになり,発作性夜間呼吸困難(就寝中に呼吸困難で覚醒し,起坐位で症状が改善する),起坐呼吸が出現する.呼吸困難,咳嗽は呼吸器疾患でもみられる症状であり,肺病変を主体とするサルコイドーシスの診療においてこれらの症状の出現,増悪をみたときには,肺病変の増悪によるものか,心臓病
p.22
変の増悪によるものか鑑別が重要である.心拍出量低下による症状としては乏尿,全身倦怠感,不眠,抑鬱,ふらつきがあり,高度な心拍出量低下では失神,錯乱,意識レベル低下が起こりうる.

2.2 血液・尿検査(バイオマーカー)

心臓サルコイドーシスのバイオマーカーを考える際に,本症をどのような状況で診断しようと考えているかによって,その有用性(陽性・陰性的中率)は異なると考えられる.また,1心臓を含まない全身性のサルコイドーシスにおいて,心臓病変の進展を認めるかどうかを判定する場合, 2心機能低下を認める症例で,それが(心臓限局性の)サルコイドーシスによるものであるかを判定する場合,のいずれを想定しているかでも,意味合いが若干異なると思われる.

2.2.1 全身性サルコイドーシスと診断されている症例にお いて,心臓病変の合併を検討する場合

a.ACE 活性

加藤,森本らは,心臓サルコイドーシスと診断された日本人のデータで血清ACE 活性の上昇を21.8% に認めたことを報告している124).このデータベースの症例は他臓器病変を合併しており,心臓限局性サルコイドーシスは存在していない.

四十坊らの検討では,組織学的に類上皮細胞肉芽腫が証明されたサルコイドーシス516 例を対象にした研究で,血清のACE 活性上昇およびリゾチーム活性上昇の陽性率はそれぞれ49.8% および51.7% であったとされている125).また,ACE 活性の高値は,ぶどう膜炎をともなったサルコイドーシス106 例の62.3%,同症疑い例100 例の18% に認められたことが報告されている126).Handaらの検討では,サルコイドーシス患者のなかで心臓サルコイドーシスと診断された群においては,ACE 活性は有意に低値であったが,心臓サルコイドーシスと診断された群ではステロイドや免疫抑制薬などの全身治療がすでに90% に導入されていた127).ACE 活性は対象年齢や病変の広がり,治療導入の有無などで影響を受けると考えられるため,単純な比較はできないが,心臓サルコイドーシスでACE 活性高値がより高い頻度で認められるかどうか,あるいは心臓病変合併に伴って上昇するかどうかは,さらなる検討を要する(レベル4b ,グレードC1 ).

b.ANP,BNP

Yasutake らは,平均年齢53 歳の,心臓病変があるサルコイドーシス27 例と心臓病変がないサルコイドーシス35例の比較を行い,心臓病変が存在する群でANP(atrial

natriuretic peptide; 心房性ナトリウム利尿ペプチド)が

15.5 pg/mL,BNP(brain natriuretic peptide; 脳性ナトリウ

ム利尿ペプチド)が28.6 pg/mL といずれも心臓病変を認めない群(ANP:12.0 pg/mL,BNP:10.1 pg/mL)より高値であったとしている.BNP が100 pg/mL を超えた症例はすべて心臓合併症を有していた.しかし,心肥大,心機能低下,心房細動,加齢や腎機能低下でBNP が100 pg/ mL 程度に上昇することはまれでなく,それらの病態が全身性のサルコイドーシスに合併している場合には,BNPによる鑑別は難しいと考えられる.実際,心臓合併症がある群を,房室ブロックや心室頻拍,心不全などの合併症を有する12 例と,有さない13 例で分けると,それらの合併症を有さない群でBNP が100 pg/mL を超えている症例はなかった128).

Handa らは,サルコイドーシス患者において,心臓病変の合併例では非合併例にくらべ,NT-proBNP(N-terminal pro brain natriuretic peptide)が高値であったとしている127).ただし,心臓サルコイドーシスと診断された群では左室駆出率が有意に低いため,他の心筋障害からの心機能低下によるNT-proBNP 上昇との鑑別が困難である可能性もあり,また,NT-proBNP 高値が心臓病変の合併を意味するかどうかは,診断基準にも依存する(レベル4b ,グレードC1 ). c.hs-cTnT,hs-cTnI

Baba らは,2006 年のガイドラインにそって診断された心臓サルコイドーシス患者12 例について,hs-cTnT (high-sensitive cardiac troponin T; 高感度心臓トロポニンT),BNP,ACE,リゾチーム,心臓MRI, 67Ga シンチグラフィと,18F-FDG PET による心臓病変の活動性との関連について検討した129).その結果,hs-cTnT の感度は87.5%でBNP と同レベル,特異度は75% でBNP の50% を上まわっていた.一方,特異度が高いものとしてACE,心臓MRI 所見があがった.ステロイド治療後にhs-cTnT の血中濃度が低下したことから,hs-cTnT は心臓サルコイドーシスの活動性を判定するすぐれた指標であると結論している(レベル4b ,グレードC1 ).hs-cTnT は腎機能障害でも上昇するケースがあるが,同研究では腎機能障害例は除かれている.

Tanada らは65 歳の心臓サルコイドーシス患者について, hs-cTnI(high-sensitive cardiac troponin I; 高感度心臓トロポニンI)をステロイド治療前後で継時的に測定し,心機能の回復とともにhs-cTnI が低下したことを報告している130).hs-cTnI もさまざまな疾患による心筋障害で上昇することから,臨床的な有用性については今後の検討が必要である(レベル5 ,グレードC1 ).

Kandolin らは心臓サルコイドーシス患者62 例について,
p.23
ステロイド治療前にhs-cTnT またはhs-cTnI を測定し,それらの高値を認めた群(33 例)は正常値群(29 例)にくらべ左室駆出率が有意に低かったことを報告している131).また,38 例でステロイド治療前後4 週間のhs-cTnT またはhs-cTnI を比較した結果,治療前に高値であった24 例中16 例(67%)で正常化した.さらに,平均17ヵ月のフォローアップ期間で,hs-cTnT またはhs-cTnI 高値群(33 例)は正常値群(29 例)にくらべ心事故の発生が高い傾向がみられた.以上よりKandolin らは,hs-cTnT またはhs-cTnI は心臓サルコイドーシスの活動性と治療反応性の指標になると結論している(レベル4b ,グレードC1 ).(注:現在の心臓トロポニンの保険適用には,サルコイドーシスは含まれていない.) d.尿中8-OHdG

Kobayashi らは心臓サルコイドーシス患者31 例について,尿中8-OHdG(8-hydroxy-2’-deoxyguanosine)と18F-FDG PET による心臓病変の活動性との関連について検討した132).その結果,尿中8-OHdG の感度は88.2%,特異度は92.9% であった.また,ステロイド治療が奏効した群では18F-FDG PET の改善に伴って尿中8-OHdG が減少した(レベル4b ). e.sIL-2R

サルコイドーシスにおいてsIL-2R の測定はT リンパ球の活動性をみるのに有用であるとされる133, 134).オランダの大規模研究(144 例)では,サルコイドーシスの治療群と非治療群において,CRP(C-reactive protein; C 反応性蛋白),ACE,血清アミロイド,sIL-2R を測定したところ,とくに非治療群においてsIL-2R が肺病変の重症度の識別にもっとも有用であったことが報告されている135).心臓病変合併に伴ってsIL-2R がより高い頻度で認められるか否か,あるいは上昇するか否かについてはエビデンスがない. (注:現在のsIL-2R の保険適用には,サルコイドーシスは含まれていない.)

2.2.2 心臓限局性サルコイドーシスを診断する場合

a.ACE,リゾチーム

吉田,森本らは,心臓サルコイドーシスで房室ブロックの頻度が高いことに注目し,ペースメーカ植込みを受けており,かつ他臓器病変でサルコイドーシスの診断を受けていない89 例について,ACE,リゾチームの測定を含めたバイオマーカーによるスクリーニングを行った136).その結果,追跡可能であった10 例を心臓サルコイドーシスと診断している.ACE およびリゾチームは,心臓サルコイドーシスと診断され,かつそれらの測定が行われた9 例全例で高値をとっていた.一方,心臓サルコイドーシスと診断されなかった症例では,ACE 上昇は15.8%,リゾチーム上昇

は33.3% に認められた.以上より,心臓サルコイドーシスの診断にはACE およびリゾチームが有用であること,また,心臓サルコイドーシスと診断された症例ではACE およびリゾチームが100% 高値であることが示されている.

この検討で注目すべきは,心臓サルコイドーシスと診断された10 例中7 例で心筋生検が施行されたこと,陽性率は低いながら2 例でその陽性所見を認めたことである.つまり,組織学的レベルまで証明されているものが,89 例の房室ブロック患者のうち2 例(2.2%)存在していたことになる.心臓病変の場合は,心筋生検そのもののハードルがリンパ節生検などにくらべて高く,また,サンプリングのボリュームや部位の問題から陽性率も高くないという特徴がある.そのため,心臓限局性病変の場合は真の心臓サルコイドーシスであるかどうかの証明が難しい.この検討において,ACE およびリゾチーム高値による診断の陰性的中率は100% であるが,一方,心臓サルコイドーシスと診断されなかった症例のなかに同症が存在しなかったという確証はないことを考慮すると,陽性・陰性的中率については,継続的な検討が必要と考えられる(レベル4b ,グレードC1 ). b.Th1 細胞関連サイトカイン

サルコイドーシスの病態形成において,さまざまな炎症性サイトカインの関与が報告されている.Terasaki らは,左室形成術などの心臓手術によって得られたサンプルから,組織学的に心臓サルコイドーシスの診断がなされた患者について,心筋におけるサイトカインの発現を検討した137).この研究では特発性拡張型心筋症が対照とされた.心臓サルコイドーシス群と拡張型心筋症群を比較すると,前者で房室ブロックの頻度が高く,また左室拡張末期径が小さかった.IL-1α,IL-2,IL-12 p40,IFN-γの発現は心臓サルコイドーシス群で有意に高値であった.一方,この研究では手術前に心臓サルコイドーシスが疑われていなかったケースを対象としているため,他臓器のサルコイドーシス病変の有無が十分に検討されている確証はない.したがって,血中のサイトカイン濃度やACE などのマーカーとの関連については明らかでなく,診断にどの程度役立てられるかは今後の検討課題である(レベル4b ). c.MRP8/14(S100A8/A9)

S100A8,S100A9 は活性化した顆粒球やマクロファージから産生され,結合してMRP8/14(myeloid-related protein 8/14 complex)というヘテロダイマーを形成する.Terasakiらは,健常人(30 例),特発性拡張型心筋症(23 例),組織学的にサルコイドーシスと診断されたが心臓病変を認めない非心臓病変群(25 例),組織学的に心臓病変が証明された心臓サルコイドーシス(10 例)で,MRP8/14 の血中
p.24
濃度を比較した138).その結果,心臓サルコイドーシス群で他群にくらべて有意に血中のMRP8/14 が高かった. MRP8/14 は血清で測定できることがメリットである一方,心臓サルコイドーシス10 例のうち,7 例のMRP8/14 値は非心臓病変群で得られた測定範囲内であったことを考慮すると,心臓サルコイドーシス診断のための陰性的中率(感度)は高くないと考えられる(レベル4b ).

現時点ではバイオマーカーの異常を認めても,心臓サルコイドーシスへの進展や心臓限局性病変の診断に対する特異度は高くないと推定される.しかし,MRI,心エコー図, 18F-FDG PET などの画像モダリティを用いずに心筋障害を早期に検知できる可能性があるため,スクリーニング的な意味において一定の有用性を有しているというのが現状の理解であると考えられる.今後は総合的な判断から,心臓サルコイドーシス(あるいは心臓限局性サルコイドーシス)と診断されたケースにおいて,治療反応性や予後の推定にどのようなバイオマーカーが有用かという観点からも解析が進むことが期待される.

2.3 胸部X 線・胸部CT

サルコイドーシスの呼吸器病変(II 章  4. サルコイドーシスの肺病変[p.12]参照)がみられた場合には,心臓病変の合併の有無について検索を進める必要がある.

サルコイドーシスの呼吸器病変が明らかでない場合,心陰影に関しては心臓サルコイドーシスに特異的な所見はないといえる.心陰影は正常な場合も少なくない.心機能低

下により心室拡大や心不全が出現すれば,心陰影の拡大や肺うっ血の所見が認められる.心膜液の貯留や心室瘤がある場合にも心陰影の拡大が認められる.

心臓サルコイドーシス患者で剖検を行い丁寧に検索すると,心臓以外の臓器や肺門・縦隔リンパ節に類上皮細胞肉芽腫が認められる場合も多い139).胸部X 線や胸部CT における肺門リンパ節や縦隔リンパ節の腫脹は心臓サルコイドーシスにおいても比較的頻度の高い重要な所見であり,約50~60% に認められたとする報告がある124).Otsuka らは,特発性拡張型心筋症20 例と,拡張型心筋症の病態を呈し胸部X 線で肺門リンパ節の腫脹を認めなかった心臓サルコイドーシス8 例を後ろ向きに比較検討した結果,心臓サルコイドーシス群において,胸部CT における縦隔リンパ節の腫脹が特異的であったと報告している2).心臓サルコイドーシスの診断に際して,肺門リンパ節の腫脹だけでなく,縦隔リンパ節の腫脹の有無についても検討することには意義があると思われる(レベル4b ,グレードB ).

2.4 心電図

サルコイドーシスによる心臓病変は他臓器と同様,炎症細胞浸潤と,非乾酪性肉芽腫形成による心筋細胞の障害と線維化が主体である140)(図22).これを反映した心電図所見として,刺激伝導系の特殊心筋障害による右脚ブロックおよび房室ブロック,左室固有心筋障害を反映した軸変位,異常Q 波およびST 変化,さらに心室性不整脈が高率に認

図22 心臓サルコイドーシスの病態と心電図所見心電図異常ST 変化異常Q 波電気軸の異常

脚ブロック

房室ブロック心筋組織障害

微小循環障害炎症の波及・進展18F-FDG PET 陽性

67Ga シンチグラフィ陽性

心筋細胞壊死・線維化MRI 遅延造影像陽性血流シンチグラフィ欠損像

伝導路障害

左室収縮不全

心不全

障害部位をフォーカスとしたリエントリー回路の発生

心室性不整脈

突然死
p.25
められ,診断の端緒となる5, 140–142).心室頻拍・心室細動,完全房室ブロックを初発として突然に発症することもまれではない. a.右脚ブロック

右脚ブロックは,心臓サルコイドーシスの12~66% に認められる,刺激伝導系の特殊固有心筋障害の特徴的な所見である141, 143–145).比較的左室機能が保たれている軽症例において初期から高率に認められる144).右脚ブロック自体は正常者にもたびたび認められる所見であり特異性は高くないが,サルコイドーシスにて経過観察中に新たな出現を認める例,拡張型心筋症に合併する例では,心臓サルコイドーシスを疑う必要がある5). b.完全房室ブロックおよび高度房室ブロック

完全房室ブロックおよび高度房室ブロックは,中隔部の刺激伝導系の障害により引き起こされる.報告によりばらつきがあるが,心臓サルコイドーシスの初発症状の23~ 77.4% と,高頻度に認められる所見とされる124, 140, 141, 143–147).特発性完全房室ブロックによりペースメーカ植込みを受けた症例の11.2~20% が心筋生検にて心臓サルコイドーシスと診断されたとの報告もあり113, 148)(レベル4b ),実際には本症と診断されず経過する例も多いと推測される.診断時に左室機能低下を示す例は約50% であり,左室収縮障害の進行程度とは必ずしも並行しない143, 144, 149).恒久ペースメーカ治療後数年を経て完全房室ブロックが自然改善した報告もある150).また,前述の右脚ブロックが先行し房室ブロックに進展する例を多く経験する.この理由として心室中隔部のリンパ管構造分布が解剖学的に右室側の房室結節右脚近傍に集中していること,つまり心臓サルコイドーシスによる房室伝導路障害はリンパ行性に進展する可能性が推測されている151). c.軸変位,異常Q 波およびST 変化

左室固有心筋障害を反映し,軸変位,異常Q 波およびST 変化を認める5, 141, 143, 152)(レベル4b ).これらの変化は他の心筋疾患・虚血性疾患でも多く認められる変化であり,鑑別を要し特異性は高くはない.心臓サルコイドーシスの病理所見は,病変部位が冠血流に一致しない断続性病変を特徴とする.病変は左室中隔が多いが,その他のいずれの部位にも起こり,また心外膜に限局するものから全層性病変に至るものまで多彩である152).このため,軸変位(右軸か左軸か),異常Q 波およびST 変化の出現する誘導部位およびその程度も多彩である.心臓サルコイドーシスの発症初期にはこれらの所見だけが端緒として認められる症例もある153). d.心室性不整脈

心室頻拍・心室細動等の重症心室性不整脈も比較的頻度の高い所見であり,これらは心臓サルコイドーシスの

初発症状の23~36% に認められることが報告されている124, 141, 144, 145, 154–156)(レベル4b ).心室性不整脈が顕在化する心臓サルコイドーシスのほとんどの例では,左室中隔部あるいは全周性の壁菲薄化とそれに伴う左室収縮不全がみられる144) .しかし,サルコイドーシスにおける死亡例の約50% を占める心臓死のうち,生前に心臓病変が診断された例は約25% に過ぎない157).多くは心臓突然死と推測され,心室性不整脈がその主因と考えられている.この事実は,心機能と関係なく突然不整脈により発症する例があることを示唆する.心室性不整脈の成因として,心筋障害部位をフォーカスとした電気的マイクロリエントリー回路の形成が想定されている141, 158).とくに心室瘤あるいはその周辺がフォーカスとして高頻度であるとの報告がある158).心室期外収縮自体は特異性の高い所見ではないが,サルコイドーシスで経過観察中に多源性,あるいはショートランを伴う心室期外収縮が出現するようになった場合は,心臓病変発症を疑う必要がある5).心室頻拍のフォーカスが複数存在し,治療抵抗性のいわゆる不整脈ストームの状態になる場合もあり156, 159),この場合は緊急な対応が必要となる.

心臓サルコイドーシスと診断された症例の90% 以上に上述の心電図異常を認め,心電図所見上重複を伴う例も多い.しかし,発症時,基準を満たす明らかな異常を認めない例も数% ある143, 160).一方,他臓器のサルコイドーシス発症後数年を経て,はじめて心電図変化により心臓病変発症が診断される例,従来の心電図異常に加え新たな異常が進行する例もあり143, 153),長期観察のうえでも定期的検査として心電図は必須である(レベル4b ,グレードB ).

2.5 心エコー図

心臓サルコイドーシスはサルコイドーシスの予後に関わる重要な病変であるが,その診断は必ずしも容易ではなく,種々の画像診断を的確に用いて集学的に行う必要がある161–163).心エコー図は,心臓サルコイドーシスにより生じている形態的,機能的異常を非侵襲的に検出するのにもっとも簡便かつ有用であり,原因不明の心電図異常や不整脈など臨床的に心臓サルコイドーシスが疑われる症例や,すでに診断のついている症例のフォローアップのために行うべき検査である7, 8)(レベル4a ,グレードB ).早期の心臓サルコイドーシスでは異常を認めないが,病変が進展するにつれ次に述べるようなさまざまなエコー図所見を呈するようになる.図23 164)に心臓サルコイドーシス46 例に認められた異常所見を示す.
p.26
a.壁の菲薄化および肥厚

心室中隔基部の壁菲薄化は,心臓サルコイドーシスの診断において特異度が高い(図24).左室長軸像において,大動脈弁輪から心尖部寄り10 mm の位置にある中隔の壁厚が4 mm 以下であれば特異度100%,感度12.6%,同部の壁厚と健常中隔厚との比が0.6 以下であれば特異度99%,感度35.4% と報告されている165)(レベル4b ).心室中隔基部への病変の浸潤は,刺激伝導系の障害により心臓サ

ルコイドーシスに特徴的な臨床症状である房室ブロックの原因となる.心臓サルコイドーシスのなかには壁肥厚を呈し,肥大型心筋症と酷似する形態を示す例がある166, 167) (レベル5 ).また右室自由壁の一過性の壁肥厚をきたした例も報告されている168). b.局所壁運動異常およびびまん性壁運動低下

冠動脈疾患で説明できない局所壁運動異常は心臓サルコイドーシスを考える重要な手がかりとなる.前述の心室中隔基部の菲薄化や後述の心室瘤もこの範疇に入る.しかし,まれに冠動脈への浸潤に伴う冠動脈攣縮や血管炎のために,冠灌流障害に伴う壁運動異常をみることがある169).右室に限局した心臓サルコイドーシスも報告されているため,左室のみならず右室壁運動の観察も行う170).なおサルコイドーシスに比較的侵されやすい部位は,心室中隔,とくに上部中隔,左室後側壁,乳頭筋を含む左室自由壁,右室自由壁であり,心房壁はまれである117)(レベル4b ).

左室心筋へのびまん性の病変浸潤により拡張型心筋症に類似の形態,すなわち高度の左室拡大とびまん性の壁運動異常を呈する症例がある.心拡大は予後規定因子として重要である21)(レベル4b ).拡張型心筋症との鑑別がしばしば問題となるが,壁肥厚部や正常壁運動を呈する部分が混在している例は心臓サルコイドーシスの可能性が高い1).心臓サルコイドーシスで壁運動異常の分布が不均一である原因は,類上皮細胞肉芽腫および線維性瘢痕の分布が不均一なことにあると考えられる.右室拡大をきたす例もある(図25).

びまん性の壁運動異常低下例では心腔拡大と左室駆出率

図24 心臓サルコイドーシスに認められた中隔基部の菲薄

化(矢印)

図23 心臓サルコイドーシス46 例に認められた心エコー

図異常所見左室壁の菲薄化,左室壁運動異常の認められる頻度がきわめて高く,高度僧帽弁逆流がそれに続く.グラフ横軸は各病変例が全体に占める割合. (Yamano T, et al. 2007 164)より)

0 20 40 60 80 100 (%)

左室壁菲薄化(n=39)基部中隔菲薄化 あり(n=30)なし(n=9)左室壁運動異常(n=43)局所壁運動異常(n=23)基部中隔低収縮あり(n=17)なし(n=6)びまん性壁運動異常 (n=20)右室壁運動異常(n=2)左室瘤(n=8)左室壁肥厚(n=8)左室内血栓(n=2)心膜液(n=2)高度僧房弁逆流(n=15)器質異常 あり(n=3)なし(n=12)

図25 心臓サルコイドーシスに認められた右室拡大と右室

壁運動低下当初,不整脈原性右室心筋症が疑われたが,諸検査の結果心臓サルコイドーシスと診断された.
p.27
の低下が認められ,ときに心腔内に血栓を形成する.左室流入血流速波形は,拡張障害の重症度に応じて,弛緩障害型,偽正常化型,拘束障害型を呈する. c.心室瘤

ときに心室瘤を認め,治療抵抗性の心室性不整脈の原因となることがある(図26).剖検例の検討では,心室瘤は心臓サルコイドーシスの8~10% に認められたこと,心室瘤を構成する壁の成分はおもに線維化組織であり,類上皮細胞肉芽腫は存在してもわずかであったことが報告されている117).サルコイドーシスの治療に使用される副腎皮質ステロイドは心筋の線維化を促進する可能性が示唆されており,心室瘤形成において病態を修飾する可能性がある. d.心膜液貯留

心膜への病変浸潤により心膜液貯留を認める.剖検による検討では心臓サルコイドーシスの2~8% に有意な心膜液貯留が認められた117).これらの症例では心膜に加えて心外膜側心筋にも類上皮細胞肉芽腫を認め,漿液性の心膜液もみられた.また貯留した心膜液のために心タンポナーデをきたすこともある171). e.弁逆流

心臓サルコイドーシスでよく認められる僧帽弁逆流は,収縮機能の低下や心拡大のために腱索が僧帽弁弁尖を牽引(tethering)することによる機能的僧帽弁逆流である(図27).乳頭筋や弁そのものへの病変の浸潤も関与している可能性はあるが主要因ではない117).乳頭筋機能不全のため僧帽弁逸脱を呈することもある.心房細動を合併すれば弁輪拡大に伴って僧帽弁逆流や三尖弁逆流が増悪する.サルコイドーシスでは高カルシウム血症を呈することが知られており,この結果,ときに僧帽弁輪の高度の石灰化を示

す症例があることが報告されている117). f.その他

心臓サルコイドーシスの特異的所見ではないが,重症肺サルコイドーシス例では長期に続く肺高血圧のために,右室の拡大,肥大,機能低下といった肺性心の所見を呈する.サルコイド結節が左房内腫瘍172)や心室中隔内腫瘍173)との鑑別を要したという報告もある. g.新技術を用いた心臓サルコイドーシスの評価

心臓サルコイドーシスの典型的な断層エコー図所見を呈する例はサルコイドーシス全体の14% とされており,心エコー図の診断感度は低いといわざるをえない174).そのため,より早期の心臓サルコイドーシスを心エコー図で診断するための方法がまたれている.

図26 心臓サルコイドーシスに認められた心尖部の心室瘤(矢印) ED:拡張末期 ES:収縮末期

図27 心臓サルコイドーシスに認められた機能的僧帽弁逆

流
p.28
最近,スペックルトラッキングエコー法により得られる心筋ストレイン値が心筋機能異常を鋭敏に反映することが明らかとなり,種々の心疾患の早期診断や予後推定に有用と考えられている.心臓サルコイドーシスにおいても,駆出率などの従来指標が低下する前からすでに長軸方向のグローバルストレイン値が低下していること,また同値が心事故発生や病態進行の独立した予測因子であることが報告されている175).

2.6 心臓MRI

心臓MRI 検査による心臓サルコイドーシスの評価は,従来の心エコー図や心臓核医学検査とくらべて歴史が浅く,いまだエビデンスが十分に蓄積されているとはいいがたいのが現状であるが,近年その有用性が注目されている.心臓MRI 検査は,他の放射線画像診断検査と異なって放射線被曝を与えることなく,空間分解能や時間分解能,組織分解能の高い画像が得られることが特徴で,わが国でも検査件数が増加しつつある176).

心臓サルコイドーシスの診断に果たす心臓MRI 検査の役割として,1心機能や局所心室瘤・心室中隔の肥厚177),菲薄化などの機能的情報と解剖学的情報を同時に評価できること,2T2 強調STIR(T2W black blood with STIR [short TI inversion recovery 法])画像やGd(Gadolinium;ガドリニウム)造影剤を投与して得られる早期造影および遅延造影画像により,心筋浮腫や線維化などの病理組織学的情報を得られることがあげられる.

ただし心臓MRI 検査の問題点として,1他部位のMRI検査と比較して検査時間が長いこと,2従来のMRI 非対応の植込み型デバイスや電極リードに対しての検査が禁忌であること,3Gd 造影剤の使用が禁忌(たとえば腎機能障害患者[維持透析患者を含む]やGd 造影剤アレルギーの既往など)の場合に得られる情報が限られること,4不整脈患者の検査に適さないこと,などのほか,検査を実施できる施設が限られることや撮像プロトコールが統一されていないことなどがあげられる.

心臓MRI 学会(Society for Cardiovascular Magnetic Resonance)および欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)のワーキンググループが推奨している撮像プロトコールをまとめたものを表8 178, 179)に示す(レベル6 ,グレードA ).一般的にはシネMRI(Cine SSFP[steady-state free precession 法])による形態(図28 1a および2a,図29 1a,図30 1a および2a)や壁運動異常・心機能(収縮および拡張機能)の評価を行い,次に心筋浮腫を評価するT2 強調STIR 画像(図28 1b および2b,図29 1b,図30 1b および2b)を撮像し,その後Gd 造影剤を静注したのちにEGE(early Gadolinium enhancement; 早期造影像) (造影剤投与後1~3 分)(図29 1c,図30 1 c および2c)およびLGE(late Gadolinium enhancement;遅延造影像) (造影剤投与後10 分以降)(図28 1c および2c,図29 1d,図30 1d および2d)を撮像する.必要に応じて撮像断面を追加することになるが,通常は1,000

表8 心臓サルコイドーシスの推奨撮像モジュール

モジュール撮像シーケンス撮像断面スライス厚/Gap備考解剖・形態学的情報T1W BB (TSE / FSE) Axial 8~10 mm大動脈弓部~横隔膜下を撮像左室機能・壁運動情報Cine SSFP SA, VLA, HLA, 3-ch.view 6~10 mm/4~0 mm (スライス間隔=10 mm)時間分解能≧45 msec右室機能・壁運動情報Cine SSFP SA, VLA, HLA, 3-ch.view 6~8 mm/0 mm (gap less)時間分解能≧45 msec心筋浮腫T2W BB (TSE / FSE with STIR) SA, VLA, HLA ≧10 mm Gd 造影剤投与前に撮像病理・組織学的情報EGE 3D-segmental IR GRE 3D: SA Same as Cine 0.1 mmol/kg 投与後1~ 3 分(TI >400 msec)

LGE 2D-/3D-segmental IR GRE 2D: SA 3D: SA, VLA, HLA Same as Cine 0.1 mmol/kg 投与後10 分(TI Scout またはLLS で

TI 決定)

Axial:体軸横断像,BB:black blood,EGE:早期造影像,GRE:グラディエントエコー法,HLA:左室水平長軸像(左室四腔像),IR: inversion recovery(反転回復)法,LGE:遅延造影像,LLS:look-locker sequence,SSFP:steady-state free precession 法,SA:左室短軸像,STIR:short TI inversion recovery 法,TI:インバージョン時間,TSE / FSE:turbo spin echo / fast spin echo(高速スピンエコー法),T1W:T1 強調画像,T2W:T2 強調画像,VLA:左室垂直長軸像(左室二腔像),3-ch.view:左室三腔像(Kramer CM, et al. 2008 178),Herzog B, et al. 2013 179)より作表)
p.29
枚程度の画像を撮像するため,検査時間は60 分程度必要である.

心臓MRI 検査で読影するべき内容を表9 178, 179)に示す.撮像した画像を俯瞰したうえで,心機能・形態に関する情報,病理組織学的情報,心外病変について読影するよう心

がける.とくに心臓MRI 検査では複数の撮像プロトコールで同じ断面の画像を撮像することが多く,相互の画像を確認しながら読影する必要がある.

図28 30 歳台男性,全身サルコイドーシス(臨床診断群:縦隔+眼+心臓)のMRI, 18F-FDG PET および67Ga SPECT 画像

1a 2a

1b 2b

1c 2c 3e 4e

3d 4d 1 心臓MRI 検査画像(心室中部レベル) 2 心臓MRI 検査画像(心基部レベル) 3 前処置(18 時間以上の絶食+ヘパリン負荷)を施した18F-FDG PET/CT 画像418F-FDG PET/CT 検査の1ヵ月前に施行した67Ga citrate によるSPECT/CT 画像

a: シネMRI 画像.中隔(1)および中隔~前壁(2)の肥厚を認める. b: T2 強調STIR 画像.中隔の心筋中間層(1)に淡い高信号および中隔~前壁の心外膜側(2)に明瞭な高信号領域を認める. c: 遅延造影画像.T2 強調STIR 画像に一致して中隔の心筋中間層(1)に淡いLGE および中隔~前壁の心外膜側(2)に明瞭な斑状のLGE を認める. d:正面像e:CT との融合画像18F-FDG PET 画像では両側肺門~縦隔リンパ節,心臓に高集積を認め(3d),CT との融合画像では中隔に高度,側壁にも中等度の集積を認める(3e).67Ga SPECT(planar 画像)では心臓への明らかな集積は指摘できないが(4d),CT との癒合画像では中隔への67Ga 集積が観察可能である(4e). 67Ga SPECT のみでの活動性評価は困難で,CT との癒合画像で検討する必要があることを示唆する症例である.
p.30
a.シネMRI(Cine SSFP):心臓の形態と機能の評価(レベル4b ,グレードB )

シネMRI は任意の撮像断面を設定することが可能であり,時間分解能が45 msec 以下となるように設定(心拍数60 bpm であれば,R-R を24 分割程度)して撮像する.一般的には左室長軸二腔像,左室短軸像,左室四腔像を撮像することが多いが,必要に応じて左室長軸三腔像や体軸横断像,右室長軸像での撮像を追加する必要がある.シネ

MRI による心機能・形態および局所壁運動評価は,現在もっとも正確な診断法である.解析用のワークステーションの輪郭抽出の精度向上により,以前よりも簡便に左室の時間容量曲線が得られるようになり,左室拡張能の評価も可能である.ただし右室機能解析を行う場合は体軸横断像での撮像が必須となる.これは右室の形態が複雑であるこ

図29 80 歳台女性,全身サルコイドーシス(臨床診断群:縦隔+心臓)のMRI,18F-FDG PET および67Ga SPECT 画像

1a 1b

1c 1d

2b 4 2a 3 1 心臓MRI 検査画像(心基部レベル)

a: シネMRI 画像.中隔~前壁の肥厚を認める. b: T2 強調STIR 画像.肥厚部位に淡い高信号領域を認める. c: 早期造影画像(造影後3 分,TI =440 msec).中隔~前壁に淡い造影効果を認める. d: 遅延造影画像(造影後10 分,TI =280 msec).T2 強調STIR 画像に一致して中隔の心筋中間層~全層性に明瞭なLGE および前壁の心筋中間層にやや淡い斑状のLGE を認める. 2 前処置(18 時間以上の絶食+ヘパリン負荷)を施した18F-FDG PET/CT 画像a(全身像)およびb(胸部の拡大)で心筋および両側肺門リンパ節に異常集積を認める367Ga SPECT/CT 画像.両側肺門への軽度の集積を疑うが,心筋への集積は指摘できない.18F-FDG PET 画像でなければ活動性評価ができなかった症例である. 4201Thallium による心筋血流シンチ画像.心基部中隔の恒久性集積低下(欠損)とSPECT 画像で心基

部前壁の短縮(下壁よりも前壁が短縮)を認め,心臓サルコイドーシスの線維化と一致した症例.
p.31
と(左室に付着する湾曲した三角錐に右室流出路が煙突のように付着する形)が原因であり,三尖弁と肺動脈弁が同時に評価できる断面での撮像が必要となるためである.やや正確性に劣るが,左室短軸像で右室内腔をトレースして代用することも行われている.

心臓サルコイドーシスの形態変化として,局所の心筋肥厚(図28 1a および2a,図29 1a,図30 1a および2a)や心室瘤,びまん性の心筋菲薄化と左室内腔拡大(いわゆる拡張型心筋症化)があげられるが,いずれもシネMRI で観察可能である. b.T2 強調STIR 画像:心筋浮腫の評価(レベル4b ,グレードB ) Triple IR といわれることもある撮像方法であり,T2 強調画像に,血流信号のみを抑制するblack blood pulse と非選択的脂肪信号抑制法であるSTIR 法を併用することで,速い血流や脂肪の信号を抑制して,心筋内の浮腫(動かない水分)を高信号で描出する方法である.基本的にはCine SSFP で撮像した左室短軸像で評価するが,心尖部を評価する際には左室二腔像や左室四腔像を追加する.心筋内の高信号の読影は1 枚ごとの心筋で比較する(前後の画像で

の比較ではない)ことから,びまん性に高信号を呈している場合に高信号の同定が困難となることがある.現時点では視覚による評価,あるいは後述する遅延造影画像との相互比較により読影しているが,今後にむけ,T2 値の計測結果を極座標表示で観察するT2 マッピングなどの定量評価が検討されている.また,読影に際しては,動きの遅い血液も高信号を呈することから,低左心機能症例や肉柱内の血液の高信号を心筋浮腫と判断しないように注意する必要がある.T2 強調STIR 画像と心臓サルコイドーシスの活動性の関連については,今後の検討が必要である(図28 1b,2b,3,4,図29 1b,2,3). c. Gd 造影剤による造影MRI:心筋の病理組織学的評価(レベル4a ,グレードA )現時点では,早期造影像(造影剤投与後1~3 分)(図29 1c,図30 1c および2c)および遅延造影像(造影剤投与後10 分以降)(図28 1c および2c,図29 1d,図30 1d および2d)の2 つの撮像に大別されるが,遅延造影に関する報告がほとんどである.遅延造影された領

図30 50 歳台男性,全身サルコイドーシス(臨床診断群:肺+心臓)のMRI 画像

1a 1b 1c 1d

2a 2b 2c 2d 1 心臓MRI 検査画像(心基部レベル) 2 心臓MRI 検査画像(心室中部レベル)

a: シネMRI 画像.中隔~前壁(1)および中隔(2)の肥厚を認める. b: T2 強調STIR 画像.中隔~前壁の心外膜側(1)および後側壁の心筋中間層(2)に淡い高信号領域を認める. c: 早期造影画像(造影後3 分,TI =440 msec).中隔~前壁(1)の心外膜側および中隔や後側壁の心筋中間層(2)に淡い造影効果を認める. d: 遅延造影画像(造影後10 分,TI =280 msec).T2 強調STIR 画像に一致して肥厚した中隔~前

壁の心外膜側に明瞭なLGE(1)および中隔や後側壁の心筋中間層~一部全層性にやや淡いLGE (2)を認める.
p.32
域とTTC(triphenyltetrazolium chloride)染色による病理学的梗塞領域がよく一致することから,心筋梗塞病変の評価に用いられており180, 181),さらに,肥大型心筋症や拡張型心筋症,その他の二次性心筋症における心筋の病理組織学的評価や予後評価などの方法として多くの報告がある.心臓サルコイドーシスの遅延造影の特徴として,1心基部よりの中隔,次いで側壁に比較的多く存在するが,いずれの部位にも存在しうること,2心外膜側あるいは全層性に局在することが報告されており182–185)(レベル4b ),これは病理学的な心臓サルコイドーシスの分布パターンとも一致する18)(レベル4b ).心臓サルコイドーシスにおける遅延造影像の出現頻度はこれまでにまとまった報告はなされていないが,おおむね80% 程度184)と考えられている.また, 3遅延造影の程度として明瞭な高信号を呈することが多いことも特徴であり,これは検査を施行した時期による影響が考えられる.最近では心筋中層で淡い遅延造影を呈した症例も報告されており,病初期の心臓サルコイドーシスでは,炎症部位によりさまざまなパターンを呈する可能性がある.心機能との関係では,4遅延造影領域の増加とともに左室拡大と左室機能低下(いわゆる拡張型心筋症化)を呈することが報告されている186)(レベル4b ).これは術前に拡張型心筋症と診断されて心移植された摘出心から,病理学的に心臓サルコイドーシスと最終診断された症例の報告187)があることからも妥当と考えられる.遅延造影の有無による予後評価については,心事故予測に有用である可能性が報告されているが162, 188–191)(レベル4b ),単一施設からの報告が主であり,今後の多施設共同研究が望まれる.早期造影(図29 1c,図30 1c および2c)については,造影剤投与後1~3 分以内にTI(inversion time; インバージョン時間)を400 msec 前後に固定して撮像するが,現

時点では定見は得られておらず,今後の症例の蓄積や検討が必要である. d.心臓限局性サルコイドーシス(臨床診断群)診断におけ

る心臓MRI 検査(レベル4b ,グレードB ) 2006 年に策定された「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006」6)では,「心臓を含む多臓器にサルコイドーシスを強く示唆する臨床所見」があり,かつ「全身反応を示す所見の6 項目中2 項目以上が陽性」でないと臨床診断群として診断できなかった.また,たとえ心臓に類上皮細胞肉芽腫が証明されても,他臓器に病変を認めない場合や全身反応を示す所見を満たさない場合も,同様に診断困難となっていた.本ガイドラインでは新たに心臓限局性サルコイドーシスの診断の手引き(組織診断群・臨床診断群)(3.2 心臓限局性サルコイドーシス[p.43]参照)を設定し,その臨床診断群の診断項目の1 つに心臓MRI 検査における遅延造影所見をあげた.遅延造影所見の特徴は上述のとおりであるが,冠動脈疾患ならびに拡張型心筋症など他の心筋疾患との鑑別が重要である.また,活動性の評価は,十分な前処置を施した18F-FDG PET 検査192, 193) (レベル6 ,グレードA )と組み合わせて行う必要がある194–197) (レベル4b ) (図28 3d および3e,図29 2a および2b).

e.治療効果判定における心臓MRI 検査(レベル4a ,グレードC1 )遅延造影像は心筋の浮腫性変化と線維化を描出することが可能であり,またT2 強調STIR 画像とあわせて評価することで,心筋の浮腫性変化を同定し,活動性を評価できる可能性がある.副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬による治療前後での心臓MRI 所見の変化(心筋肥大部位

表9 心臓サルコイドーシスにおけるMRI 検査で読影するべき内容

1.心機能・形態に関する情報:おもにCine SSFP 画像で評価

• Cine 画像より左室機能(EDV/ESV/EF)および必要に応じて右室機能• 左室局所壁運動の異常の有無および必要に応じて右室壁運動• 心室中隔基部の菲薄化,局所心室瘤,冠動脈支配領域に一致しない心筋の菲薄化の有無• 心筋肥大の有無2.病理学的情報:T2 強調STIR 画像,早期および遅延造影画像で評価

• 心筋浮腫性変化の有無:T2 強調STIR 画像および早期造影画像で評価• 左室心筋の遅延造影の有無:浮腫(淡い)および線維化(明瞭) • 造影のパターン:心外膜優位,全層性,心筋中間層,びまん性など• 右室心筋の遅延造影の有無:3.0T 装置での評価が望ましい3.心外所見

• 肺門リンパ節の腫脹• 肺野病変• 肝臓病変 などEDV:左室拡張末期容積,EF:左室駆出率,ESV:左室収縮末期容積(Kramer CM, et al. 2008 178),Herzog B, et al. 2013 179)より作表)
p.33
の正常化,遅延造影範囲の縮小や信号強度の変化,T2 強調STIR 画像の高信号の消退)が報告されているが198, 199) (レベル4b ),現時点では心臓MRI 検査単独で治療の適否や効果判定ができるという定見は得られていない.今後の症例の蓄積や多施設共同研究による検討,従来の活動性評価の指標(血液バイオマーカーや67Ga SPECT など)や十分な前処置を施した18F-FDG PET 検査との比較が必要である. f.今後期待される最新技術

2015 年春の時点では一部のMRI メーカーの装置でのみ可能であるが,MOLLI(modified look-locker inversion recovery)法により心筋のT1 値の絶対値を測定するT1 マッピング(非造影および造影)や細胞外容積の計測200),心筋の歪みを測定する心筋ストレイン評価201)が臨床応用されつつあり,今後の報告や有用性の検討,T2 マッピング202)による活動性評価に対する有用性の検討がまたれる.

心臓MRI 検査による心臓サルコイドーシスの存在診断は,生体内の病理組織学的変化を捉えることが可能であり,他臓器のサルコイドーシス患者における心臓病変のスクリーニングに有用と考えられる.一方,治療効果判定や活動性の評価については,現時点では67Ga SPECT/CT と同程度~やや有用であると考えられるが引き続き症例の蓄積が必要であり,また18F-FDG PET 検査には及ばない印象である.心臓病変の合併の有無は,サルコイドーシス患者における生命予後に直接関わることから,各科からのコンサルトに応じて循環器内科医が精査したうえで治療や経過観察の必要性を判断する必要がある.また心臓サルコイドーシスは,増悪と緩解を繰り返しながら緩徐に進行する場合から劇症型心筋炎を呈する場合まで,その臨床経過が多岐にわたる疾患であるため,経過観察の継続が重要である.放射線被曝をすることなく非侵襲的に検査可能な心臓MRI 検査は強力な診断ツールとなりうると考えられる.今後のさらなる症例の蓄積と検討が望まれる.

2.7 核医学検査

サルコイドーシスの心臓病変(活動性炎症病変)の描出に,従来から67Ga citrate による炎症イメージングが利用されてきたが,特異度にすぐれる一方で感度が低いという診断能の限界があった.近年,本分野に18F-FDG PET の導入が図られ,診断感度の向上に寄与することが明らかになり,臨床応用が進んでいる.一方,心筋組織障害を欠損像として描出する心筋血流イメージングも,従来から診断ならびに重症度評価に広く用いられてきた. a. 18F-FDG PET(レベル4a ,グレードA )

18F-FDG は,グルコースのアナログであるデオキシグルコース(deoxyglucose)の2 位の水素原子をフッ素-18 で置換したPET 検査用のグルコーストレーサである.グルコースと同様に細胞膜のグルコーストランスポーターを介して細胞内に摂取され,ヘキソキナーゼによってリン酸化されるが,グルコースと異なりその後の代謝を受けることなく細胞内に滞留する(metabolic trapping).グルコース代謝が活発な細胞(脳細胞,心筋細胞,癌細胞,炎症細胞ほか)に多く取り込まれるため,PET 撮影によってその存在が陽性集積像として描出される.18F-FDG PET は,癌診断ならびに心筋生存能(viability)の診断にその臨床的価値が広く認識され,早くから保険診療が承認されてきた.心臓サルコイドーシスの活動性評価への承認は,ごく最近のことである(2012 年4 月).

サルコイドーシスで観察されるFDG 集積像は,病変部における活性化マクロファージなどの炎症細胞浸潤を反映したものと考えられている203, 204).炎症細胞へのFDG 集積機序は癌細胞とほぼ共通しており,細胞膜のグルコーストランスポーターのうちGLUT1 とGLUT3 の増加,ヘキソキナーゼの活性化による205).心臓以外の病変部(肺,リンパ節,脾臓,肝臓,筋肉,眼,皮膚など)では,FDG 集積は比較的鮮明に描出される206–209).しかし,心臓病変(心臓サルコイドーシス)の場合は,心筋自身への生理的集積によってコントラストが低下する場合やマスクされる場合があり,撮像に際してはこの影響を除去することが重要なポイントとなる.病理所見では,病変は心筋全体にびまん性に広がることはまれであり,心室中隔や心外膜側心筋に散在性に好発する特徴を示す18).したがって,心筋集積が抑制されれば,病変は心筋壁の局所的な高集積像(hot spot)として観察可能である.

グルコースは心筋の主要なエネルギー源である.食後(炭水化物摂取後)には血糖・血中インスリンの増加と血中脂肪酸の低下によってグルコース利用が亢進するが,逆に絶食状態では血中脂肪酸の増加とともに利用に抑制がかかる(glucose-fatty acid cycle).これはグルコーストランスポーターのGLUT4 を介しているため,この調節機構を利用して絶食条件を強化することによりGLUT4 を介する心筋へのFDG 集積が抑えられ210),GLUT1 とGLUT3 を介する病変部のFDG 集積が分離描出できる.この原理に基づき,本検査では心筋へのFDG 集積を抑制するために, 1検査前12 時間は絶食とする,2検査前夜の食事は低炭水化物食(炭水化物5g 未満)とする211),3検査直前のヘパリン投与によって血中遊離脂肪酸の上昇を図る212),などを組み合わせた方法が推奨されている.最近では絶食時
p.34
間のさらなる延長(18 時間)が有効との報告もある213).

上記の検査前処置に加えて,標準的な撮像法ならびに画像判定法が,日本心臓核医学会の「心臓サルコイドーシスに対する18F FDG PET 検査の手引き」192, 193)にまとめられている(図31)

192)(レベル4a ,グレードA ).撮像では,

FDG 投与量(3D データ収集では111~259 MBq),全身スキャン(FDG 投与後60 分からのPET/CT 装置による撮影),心臓スポット撮影(両手を挙上しての心臓単独撮影,可能であれば呼吸同期・心電図同期の併用)などの要件が示されている.画像判定では,まず全身スキャン像(MIP [maximum intensity projection; 最大値投影法]像や体軸断層像)から全身リンパ節ならびに他臓器の異常集積を観察する(全身サルコイドーシスの診断).続いて,胸部断層像から心臓における異常集積を観察する(心臓サルコイドーシスの診断).この際にはCT 像による吸収補正が適正に行われている必要があり,また可能であれば左室中心軸に基づく斜断層像(左室短軸像,同垂直長軸像,同水平長軸像)とブルズアイ表示による観察を行うことが推奨される.視覚判定により,心臓集積像の各種パターンのうち左室壁に観察される局所的な高度集積像を異常(陽性)と判定する(図32 のCとD).この際,疾患の好発部位(心室中隔ほか)に留意する.C とD の差は心筋にびまん性集積がないかあるかであり,絶食条件が不十分な場合はD のパターンをとることが多い.視覚判定に加えて,集積度の定量化(standardized uptake value)による判定も有効と考えられるが214–216),施設間で標準化できるかが今後の課題である.また,心筋血流SPECT,あるいはPET イメージングを併用し,心筋組織障害(血流欠損)との関係から判定するのはきわめて有用である217–220)(レベル4b ,グレードA ).血流欠損部やその辺縁部のFDG 集積亢進像は,陽性所見の可能性が高い.

実際の診断に際して,以下の注意点が指摘されている. 1全身スキャン像で心臓以外の臓器には異常集積が観察されないケースがある.この原因として,病期によって心臓病変のみが観察される,心臓限局性(心臓以外に病変

のない)サルコイドーシスが存在すること148, 221)などが推定されている.2心筋局所の集積亢進像は,虚血性心疾患222),肥大型心筋症,サルコイドーシス以外の炎症性心筋症223)ほかでも観察される場合があり,これらの疾患の除外が必要である.3健常人でもまれに側壁部ほかに局所集積像が観察されることがあり224–226),偽陽性の原因となる.4絶食条件を厳重にしても心筋集積が抑制されない例が存在する.とくに,高度な心不全合併例では図32のB のようなパターンが観察される場合があり227, 228),診断が困難となる.

診断能については,疾患自体がまれであることから単施設での少数例での検討にとどまる.しかし2012 年に,ほぼ同一の検査法(前記「心臓サルコイドーシスに対する18F FDG PET 検査の手引き」)のもとで行われた7 つの研究123, 212, 220, 229–232)が選択され,診断能に関するメタアナリシスが実施された233).この成績が現在のところもっとも有力な情報である.7 研究をあわせると164 例のサルコイドーシス患者(心臓サルコイドーシスの合併は50%)が対象となり,心臓サルコイドーシスの診断能は,感度が89%(7研究における範囲は79~100%),特異度が78%(同38~ 100%)であることが示された.従来の方法にくらべると明らかにすぐれた診断能である.ただし,感度にすぐれることは施設間で共通しているが,特異度にはばらつきが認められた.特異度の問題はさらに検討を要するが,感度がきわめてすぐれることは,心臓サルコイドーシスの除外診断における本法の有用性を示唆している(レベル4a ,グレードA ).

さらなる臨床応用として,18F-FDG PET は活動性の炎症病変を描出することから種々の展開が期待される.第1 は,疾患の重症度ならびに予後の評価234, 235)への応用である.心筋血流イメージングでの心筋障害所見とあわせて病期診断への活用も期待される.第2 は,副腎皮質ステロイドなど免疫抑制療法の適応決定・効果判定236, 237)への応用である.同治療によって陽性像が消退し,これに伴い心機能が

(検査前日) *低炭水化物食検査前12 時間以上の絶食18F-FDG 投与(2 ~5 MBq/kg)心臓のスポット撮像

(10 分)全身スキャン:腫瘍PET と同様

(20 ~30 分)

血糖測定(150 mg/dL 以下を確認) *血中遊離脂肪酸,インスリンの測定*ヘパリン50 IU/kg 静注*呼吸同期/心電図同期*印はオプション

-15 分60 分0

図31 心臓サルコイドーシスにおける18F-FDG PET 検査プロトコール(日本心臓核医学会. 2013 192)より)
p.35
改善するとの報告がある237).第3 は,フォローアップにおける疾患再燃の診断への応用である.今後,さらに体系的な研究がまたれる. b.67Ga citrate シンチグラフィ(レベル4a ,グレードB )

67Ga(gallium-67)citrate(3 価の67Ga のクエン酸塩)をトレーサとする67Ga シンチグラフィは,悪性腫瘍だけでなく炎症病巣の陽性描出にも有力であり,とくにサルコイドーシスでは活動性病変の全身分布を知る方法,ステロイド治療の効果を判定する方法として,1970 年代から診断応用されてきた238).炎症病巣に67Ga が集積する機序は完全には解明されていないが,ラクトフェリン,トランスフェリンと結合して炎症細胞に取り込まれると考えられている.したがってサルコイドーシスでは活性化マクロファージや類上皮細胞肉芽腫の存在を示すとされているが239–241),組織が線維化・瘢痕化すると集積は減少する.

67Ga 74~111 MBq を静注し,48~72 時間後に頭部から足部までの全身前面・後面像(planar 像)をガンマカメラで撮像するのが一般的である.サルコイドーシスの好発部位は,肺,リンパ節,皮膚,眼,筋肉,心臓,肝臓,脾臓であり,慎重に観察する.骨・骨髄,肝臓,脾臓,肺門リンパ節には生理的にも集積するのでそのパターンを理解して鑑別することが重要である.右上縦隔と両側肺門リンパ節への集積によるλ(ラムダ)サイン,両側涙腺と耳下腺への高度な集積によるパンダサインは,サルコイドーシスに特徴的な所見である242, 243).心臓は生理的集積部位ではないため,集積が認められた

場合には活動性の心臓病変がある(心臓サルコイドーシス)と診断されるが,この際には心筋炎,感染性心膜炎,心臓腫瘍を除外する必要がある.心臓への67Ga 集積像は,その診断特異度の高さから心臓サルコイドーシスの診断基準の主徴候の1 つに採用されてきた.一方で診断感度が低いことが従来から指摘され,本症が見逃されるケースが多いことの一因とみなされてきた244).診断感度の低さは,67Gaが高エネルギーで長半減期であるために信号強度が弱いことにおもに由来する.最近では,撮像法の工夫によりその改善が期待されている.第1 は,従来のplanar 像に代えてSPECT 像を撮像する方法である245–247).この方法には,空間分解能が高まり小病変の検出が容易になること,骨集積と分離して検出が可能になること,別に撮像された心筋血流SPECT 像との対比から血流欠損部(心筋傷害部)における67Ga 集積分布が観察できること,などの利点がある.現在ではこの方法が広く利用されるようになった.第2 は,血流画像との対比をより精度よく行うために考案された, 99mTc(technetium-99m)標識心筋血流製剤と67Ga の二核種同時収集SPECT 撮像法である248).さらに最近では,第3 の方法として新規開発のSPECT/CT 装置の利用が注目されている249, 250).X 線CT との融合画像表示によって,心臓部への67Ga 集積を心臓外集積から分離評価できることが大きな利点となる.

診断能に関する報告は多々あるが,過去のものほど,心

図32 絶食条件下における18F-FDG の心臓集積パターンA:‘None’ パターン B:‘Diffuse’ パターン C:‘Focal’ パターン D:‘Focal on diffuse’ パターンMIP:最大値投影法(Ishimaru S, et al. 2005 232)   © European Society of Cardiology より)

体軸水平横断像

A

MIP 像

B C D
p.36
臓サルコイドーシスの診断基準が不明確あるいは不適当である,対象がきわめて少数である,などの理由で評価が難しい.そこで,今や国際基準にもなっているわが国の診断基準を採用した研究について検討した.その結果,planar像が利用された場合の成績は,特異度は80~100%,感度は0~36% の範囲であった244).森本,加藤らの最近の多施設研究の成績(66 例)でも感度は48.5% と報告されており124),planar 像は感度が低く,満足できるものではなかった.一方,SPECT 像が利用された場合の成績は,特異度は54~100%,感度は64~77% の範囲と報告され217, 232, 249, 250),明らかに感度の改善が認められた(レベル4b ).ただし特異度についてはむしろ低下するとの報告もあり,これは心臓外の生理集積を誤認する機会が増えることによるようである.そこで最近では,血流画像との二核種同時収集SPECT や248)SPECT/CT による融合画像表示からの判定が推奨されている.SPECT/CT を利用したMomose らの報告249)では,特異度は 69%,感度は79%,精度は76% で, planar 像,SPECT 像単独よりも明らかにすぐれた診断能が得られている.このように,67Ga シンチグラフィによる心臓サルコイドーシスの診断では,撮像法の進化によって診断能をある程度向上させることが可能となった.しかし, 18F-FDG PET との比較では,多くの報告で感度が劣る欠点が指摘されている124, 217, 220, 232).67Ga シンチグラフィは,検査可能な施設が多く利便性にすぐれるため広く適用されているが,やはりこの診断限界には注意が必要である(レベル4a ,グレードB ).

c.心筋血流シンチグラフィ

心筋血流シンチグラフィは,生存心筋に血流依存性に集積する核医学トレーサを利用して,1局所的な心筋組織傷害(安静イメージング),2局所的な心筋血流予備能低下(負荷・安静イメージング)を診断する方法である.心臓サルコイドーシスへの診断応用は主として前者である.トレーサには, Tl(thallium-201 chloride),99mTc(technetium-99m) MIBI(methoxy isobutyl-isonitrate)および99mTc TF(tetrofosmin)がある.心臓サルコイドーシスに関する血流シンチグラフィの論文は1970~1990 年代のTl を用いたものが多いが245–247, 251–253),最近では99mTc 標識製剤のMIBI あるいはTF が普及していることから,これらの製剤による再検討が進んでいる254–256).

サルコイドーシスに侵された心筋組織は,炎症細胞浸潤・肉芽腫形成を経て線維化・瘢痕化に至ることが知られている.心筋組織の傷害は局所的に発生することから,血流シンチグラフィ(安静像)で健常部位との相対的な集積欠損部位として検出が可能である251).血流シンチグラフィでの集積欠損は心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や,種々の非虚血性心筋症でも観察され,診断特異性は高く

ない.そのため心臓サルコイドーシス診断基準でも主徴候には採用されず,副徴候の1 つにとどまっている.しかし,冠動脈支配と一致しない欠損領域,障害の好発部位である心室中隔や前壁基部の欠損像などは心臓サルコイドーシスに特徴的であり,本症を疑うきっかけとなる.また,血流シンチグラフィは一般には単独ではなく,前述の炎症イメージング(67Ga シンチグラフィあるいは18F-FDG PET)と組み合わせて使用され,診断能の向上に寄与している217, 219, 245, 247, 254)(レベル4a ,グレードB ).本症と診断確定されている症例では,欠損の強度や範囲は予後評価に役立つと考えられるが,一方,それに否定的な報告もある252). Tl と99mTc 標識製剤の優劣については,欠損の検出感度は後者のほうがすぐれることが報告されている(46% 対65%) 255).

心臓サルコイドーシスではさらなる特徴所見として,負荷(運動負荷ならびにジピリダモール負荷)時と安静時の両画像の比較から逆再分布現象(安静像での欠損が負荷像では改善・縮小する現象)が高頻度に認められることが報告されている245, 253, 255–258).Tl でも99mTc 標識製剤でも同様に観察されるが,後者のほうが描出能にすぐれるようである255, 256).逆再分布現象の機序として,肉芽腫周囲の冠動脈(細動脈レベル)の可逆的な微小血管収縮が示唆されている253).本現象の診断能については十分な検討が行われていないが,Le Guludec らの検討では24 例中21 例に観察され,そのうち13 例でステロイド治療後3ヵ月めに再検査を行った結果,安静時欠損の消失(8 例)・改善(4 例)が認められたことが報告されている255).本現象の有用性を示す興味深い成績であるが,特異度については不明である.今後さらに検討が必要である.

2.8 心臓カテーテル検査

2.8.1 左室造影,冠動脈造影

心臓サルコイドーシスにおける冠動脈病変合併例の報告はきわめてまれであるが259, 260),他の非虚血性心筋疾患と同様,冠動脈病変の除外が必要である.しかし,冠動脈造影の適応は拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症と同様,狭心症症状を有し,心筋虚血に対する介入によって改善が期待できる場合(レベル2 ,グレードA ),および,心筋虚血を疑う所見を有するものの狭心症症状がない場合(レベル3 ,グレードB )とされている.したがって,臨床症状や心電図所見などから明らかな心筋虚血を疑う所見を有さない場合は,まず運動負荷心電図,負荷シンチグラフィ
p.37
や冠動脈CT などの非侵襲的検査で診断をすすめる261–265).

また,病期が進行した薬剤抵抗性心不全に対しては心臓再同期療法が考慮されるため,左室ペーシングリードの至適部位を評価する目的で,冠動脈造影の際には動脈相のみでなく,静脈相まで長めに撮影する261).左室造影では,まず拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症と同様に,左室容積と局所壁運動の評価を行う261).心臓サルコイドーシスでは,冠動脈の分布では説明できない局所壁運動異常を認めることがある20)(レベル4b ).また心臓サルコイドーシスの8~10% に左室瘤が合併することが報告されており266),心エコー図,心臓CT,心臓MRI のほか,左室造影による診断も可能である221, 267–271)(図33).冠動脈病変を伴わない左室瘤を認めた場合は,肥大型心筋症,シャーガス病,不整脈原性右室心筋症,慢性心筋炎,糖原病,特発性左室瘤との鑑別が必要である272).また,左室瘤を合併した心臓サルコイドーシスは非合併例とくらべて予後不良であると報告されているため,注意が必要である273).

2.8.2 心筋生検

心内膜心筋生検は,1962 年に今野・榊原によってカテーテル法が開発され274),以後世界各国に広まった.心筋炎やアミロイド沈着といったびまん性心筋疾患の確定診断には組織診断が必須であるが,心臓サルコイドーシスの場合,類上皮細胞肉芽腫は心筋内に散在性に分布するため,心内膜心筋生検による組織診断率はサンプリングエラーから約20% と報告されている114).とくに心機能正常例ではさらに生検陽性率が低く,病早期における心筋生検による組織診

断は難しい275, 276).日本循環器学会の「拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症の診療に関するガイドライン」などによれば,心拡大がみられず心収縮能が正常であったにもかかわらず新規心不全が発症した症例では,発症から2 週間以内に心筋生検を施行すべきとされている261, 277) (レベル2 ,グレードA ).また,原因不明の心室瘤を伴った拡張型心筋症類似の病態にも,心筋生検を考慮すべきである278)(レベル2 ,グレードB ).

右室からであれ左室からであれ,心内膜心筋生検は侵襲的手技であるため一定の合併症リスクを有する.合併症としては心室穿孔,脚ブロック,脳塞栓,血管損傷,腱索断裂による弁逆流悪化などがあげられる.このうちもっとも重篤な合併症は,心室壁穿孔による心タンポナーデである.わが国では,19,964 例の心臓カテーテル手技において穿孔が0.7%,死亡は0.05% であったことが1998 年に報告されている279).心エコー図によって心膜液の貯留が観察され,血圧低下,頻脈を伴う際には,すみやかにエコーガイド下ドレナージ,あるいは直視下心膜切開ドレナージを行う必要がある280).左室壁穿孔での死亡率は12.9%,右室壁穿孔では5.2% である.

しかし,組織学的診断が大切であることも事実である.最近,electroanatomic voltage mapping を利用した心筋生検での診断率の向上も報告されている281).可能なかぎり心筋生検による組織診断を行うことによって,疾患概念の認識や治療戦略がより確実になるものと考えられる(レベル4b ,グレードB ).

a.心臓サルコイドーシスの肉眼的病理所見

心臓サルコイドーシスでは,外観は他の拡張型心筋症との判別が困難である場合も少なくない.しかし黄白色ないし灰白色斑状を示す肉芽腫性病変が心筋内に認められる場合があり,また瘢痕化により中隔前半部に顕著な壁の菲薄化を生じる282)(1. 病理[p.17]参照). b.心臓サルコイドーシスの組織病理所見(図34)

心臓サルコイドーシスでは,間質に種々の程度のリンパ球浸潤が観察されるが,細胞浸潤が高度な場合には慢性心筋炎が鑑別にあがる7, 8).多核巨細胞の出現についてはサルコイドーシスをはじめとする肉芽腫性炎症,巨細胞性心筋炎や非特異的な異物反応などを鑑別する.また,典型的な肉芽腫性病変をみない例でも,瘢痕状線維化が炎症性の瘢痕である場合があるため注意が必要である282).典型的なサルコイドーシスの病理診断は比較的容易であるが,多様な組織像を呈しうるため,まれに診断困難な例が存在する.そのような場合,総合的なCPR(clinical-radiologicalpathological)診断が必要であることに留意すべきであろ

図33 心臓サルコイドーシスに合併した左室瘤Area 4 およびArea 7 に左室瘤形成を認める(矢頭)
p.38
う283)(レベル5 ,グレードC1 ). c.免疫染色法を用いた心臓サルコイドーシスの診断(図35, 36)

HE(Hematoxylin Eosin)染色等の一般染色に加えて,マクロファージなどの炎症性細胞や,P. acnes,細胞外マトリックス蛋白の1 つであるテネイシンC(tenascin C)等に対する抗体等を用いた免疫染色法が,肺サルコイドーシスの診断や鑑別疾患に用いられている25, 284)(レベル4b ,グレードC1 ).

2.8.3 電気生理学的検査

心室頻拍は心臓サルコイドーシスの症状として房室ブロックの次に多く,約23% に出現する285).心室頻拍は患者の予後に密接に関係するため,合併の有無を判断することは治療方針にも影響する.一方,心房性不整脈の頻度は19% 程度である. a.電気生理学的検査の目的

電気生理学的検査の目的は,心室性不整脈の誘発性にて予後を判定することである.無症候性の心臓サルコイドーシスや房室ブロックで発症した心臓サルコイドーシス患者の突然死のリスクを評価するため,また,心室頻拍で発症した患者ではその機序を診断するために行われ(レベル4a ,グレードB ),心室頻拍のアブレーション中に行われることが多い.心臓サルコイドーシスに合併する心室頻拍のほとんどはリエントリー性であるが286),刺激伝導系に障害のある患者ではプルキンエ線維起源の非リエントリー性心室頻拍も報告されている287).

心室頻拍の誘発性と67Ga シンチグラフィで検出されるサルコイドーシスの活動性には必ずしも関連がないこと,心室頻拍を合併した患者では房室ブロックを合併した患者よりも左室機能が低いことが報告されている285, 288).一方,心臓MRI の遅延造影がある患者では,心室頻拍,突然死などを生じるリスクが高いこと188),ICD 植込みにより突然死リスクが軽減されることが示されている289).

電気生理学的検査は薬剤有効性の判断に用いることが可能で,内服薬継続とステロイド治療後に再度誘発を行い,心室頻拍が誘発されなかった場合に無事に薬剤を中止できたという症例報告がある290).しかし,薬剤負荷下に誘発陰性であっても臨床的に再発することもあり,薬剤治療効果判定の判断は難しい159). b.電気生理学的検査の結果による予後

心臓サルコイドーシスの疑いがある患者で電気生理学的検査にて持続性心室頻拍が誘発された場合,突然死,ICD作動のリスクが高いこと(相対ハザード4.47)が報告されている291).臨床的に心室頻拍が認められていなくても電気生理学的検査で誘発された患者では,その後のICD 作動ま

図34 心臓サルコイドーシスの組織病理所見(開胸時生検組

織,HE 染色,400 倍)多核巨細胞と,類上皮細胞も多く認められる(非乾酪性肉芽腫)ことから心臓サルコイドーシスと診断される.

図35 心臓サルコイドーシスの抗マクロファージ抗体を使

用した免疫染色(開胸時生検組織,400 倍)多核巨細胞と類上皮細胞,マクロファージが陽性である.図36 心臓サルコイドーシスの抗リンパ球抗体を使用した

免疫染色(開胸時生検組織,400 倍)多核巨細胞の周囲の間質には多数のリンパ球浸潤を認める.
p.39
たは突然死のリスクが6.97 倍であった.臨床的に心室頻拍を認めていた患者,または電気生理学的検査で心室頻拍が誘発された患者では,その50% で1 年以内にICD 治療が必要であったことが報告されている.

サルコイドーシスの患者で,心電図異常や自覚症状がなくても,心臓MRI あるいは18F-FDG PET による画像診断で心臓サルコイドーシスと診断される例をしばしば認める.これらの患者に対する予後評価はきわめて重要であることが報告されている292).同報告では,電気生理学的検査の陽性率は10% 程度であり,陽性群にICD 植込みが行われた.その後の約5 年半における心室頻拍あるいは死亡の発生率は,陽性群で75%,陰性群では1.5% であった(図37)

292).

また,陽性群の左室駆出率は36.4%,陰性群では55.8% であった.したがって,電気生理学的検査は,左室駆出率が35% を超える患者において突然死のリスクを評価する目的で行われることもある(図38) (レベル4a ,グレードC1 ).

2.9 将来展望:遺伝子学的検討

(II 章  2. サルコイドーシスの病因・病態[p.5]も参照)心臓サルコイドーシスは多因子疾患とされ,なんらかの免疫応答の異常(あるいは抗原提示の強さ)がその発症に関わっており,複雑なサイトカイン,ケモカインが関与していることが示唆されている.ステロイドや免疫抑制薬によってサルコイドーシスの活動性を抑制できること,ツベルクリン反応の陰転化や他の自己免疫疾患の一部と病態が類似することなどから,免疫反応の異常であることは疑う余地はないと考えられる.これまで遺伝子関連の研究も数多く行

われてきたが,さらなる遺伝学的検討から今後の診断と治療への可能性が考えられる. a.HLA 遺伝子とサルコイドーシス発症

HLA はヒトゲノムのなかでもっとも多型に富む.非自己を識別するために必要なHLA 領域の遺伝子のうち,クラスII 抗原領域に存在するHLA-DRB1 の特定の対立遺伝子が,サルコイドーシスと顕著な相関を有することが知られている293–295).ただし人種差をみると,HLA-DQB1*0501は日本人心臓サルコイドーシス患者で高頻度である一方,欧米人では低頻度であることが知られている.HLA 遺伝子

図37 心臓サルコイドーシス患者における電気生理学的検

査の結果と予後(Mehta D, et al. 2011 292)  © American Heart Association より)

電気生理学的検査

陰性群陽性群

イベント発生までの期間(年)

生存率(%) 100 80

60 40

20 0 0 1 2 3 4 5 6 7

p<0.0001

図38 心臓サルコイドーシスにおけるICD 適応のアルゴリズム注:わが国のICD 保険適用(1996 年4 月1 日発行)は,自然発生もしくは誘発された血行動態が破綻する心室頻拍

または心室細動の確認に基づいて行われるため,本ガイドラインのクラス分類(図42[p.52])とは異なることに注意が必要である.

ICD

陰性

心臓サルコイドーシス

陽性

1.  心停止もしくは持続性心室頻拍の既往,または2.  最適な薬物療法(免疫抑制薬を含む)を施行後も左室駆出率≦35%

定期的に評価

電気生理学的検査

1.  原因不明の失神の既往がある場合,または2.  左室駆出率<50% かつ下記のいずれかがある場合・徐脈に対する恒久ペースメーカ適応・心臓MRI 遅延造影あり・18F-FDG PET もしくは67Ga シンチグラフィが陽性

心室頻拍(非持続性を含む)を認めない
p.40
のアレルは人種による差異が著しく,たとえばDRB1*401- DQB1*301 は,英国人ではサルコイドーシスに対して有意に抑制的(オッズ比0.54,p =0.008)である一方,日本人では逆にリスクとなる(オッズ比7.49,p =0.03)

293) .とく

に日本人の特殊性は顕著であり,白人と日本人で逆の結果が得られるアレルも存在する.また,日本人ではDRB1*0803 の存在がサルコイドーシス全般のリスクである(オッズ比2.0,p =0.01)一方,同アレルは白人では認められないなど,人種,臓器,病型によって異なるHLA が関与するとされる(レベル4b ). b.他の疾患感受性因子

ドイツにおけるサルコイドーシスのGWAS(genome wide association study; ゲノムワイド関連解析)から,T 細胞の活性化の抑制因子として同定されたBTNL2 (butylophilin-like 2)をコードする遺伝子のスプライスバリアントが,サルコイドーシスの発症に関連していることが報告された42).また日本人におけるGWAS プロジェクトにおいても,サルコイドーシス患者700 例,健常者886 例を解析した結果,第6 染色体上のHLA クラスII 領域がp =1.1 ×10 -16 ときわめて強い相関を示し,さらにBTNL2 が関連していることが示されている296).BTNL2 変異とサルコイドーシス発症の関連は,アフリカ系米国人,ギリシャ人など他の人種でも示されており,サルコイドーシスではHLA クラスII 領域を疾患感受性領域として,HLA-DRB1とBTNL2が人類共通の疾患感受性遺伝子であるといえよう42, 297).また,その他の疾患感受性遺伝子として,同じくドイツで行われたGWAS によってANXA11(annexin A11 遺伝子)が同定された45, 298).アポトーシス関連因子であるANXA11やXAF1 も,BTNL2 と並んで免疫細胞の活性化調節に寄与すると考えられる.

TNF-αは,マクロファージの活性化に関与するサイトカインとして知られており,サルコイドーシスによるぶどう膜炎などで抗TNF-α抗体による治療の有効性も示唆されている.TNF-αの308G/A 変異のA アレルは,アジア人,白人でサルコイドーシスのリスクを高め,とくに心臓サルコイドーシスの発症と関わることが示唆されている.TNF 阻害薬の治療に対する反応は,このアレルの遺伝子型(GG, GA, AA)で大きく異なることが報告されており299),今後抗TNF-α抗体による治療が心臓サルコイドーシスへも検討される場合には,これらの遺伝子多型による治療反応性の違いも考慮しなければならないと考えられる(レベル5 ). c.Th17‒IL-23 の免疫細胞異常の関与からの検討

Th17 細胞は,従来知られていたTh1, Th2 とは異なるT細胞サブセットとして存在していることが新たに示された300).以降,このTh17 細胞がT 細胞依存性の免疫応答において重要な役割を果たしていることが知られるように

なった.Th17 への分化促進にはIL-23 が必要であり, Th17 への分化とTh1/Th2 への分化はそれぞれに対して抑制的である.最近,Th17 細胞はサルコイドーシスにも強く関与していることが指摘されており301),これは関節リウマチや多発性硬化症,クローン病や潰瘍性大腸炎など,サルコイドーシスに類似した疾患とも共通している.

Th17 細胞は,組織においても末梢血においてもその存在が活動性サルコイドーシスの指標になることが示唆され,新たなマーカーおよび治療ターゲットとして注目されている301, 302).ドイツ人サルコイドーシス患者を対象に,immunochip を用いて単塩基多型をスクリーニングした研究結果では,BTNL2 プロモーター領域とHLA-B,HLA-DPB1 が疾患リスクとして関連していることが示されると同時に,これらの遺伝子とは独立して,IL-23 受容体が関与するシグナルに関連した変異があることが報告された303).今後, Th17,IL-23 の心臓サルコイドーシスにおける発現や遺伝子多型からそれらの役割が明らかになることで,新たな遺伝的背景の解明とともに新たな診断マーカー,さらには治療法選択への可能性が広がることも期待される(レベル6 ).

サルコイドーシスについて,GWAS や蛋白複合体の検討など近年のさらなる高精度な遺伝子解析により,複雑でありながらもその臓器分布の特徴,人種による違いなどが明らかにされ,将来的には診断およびそれぞれの遺伝子型が考慮された,より適切な治療介入が得られることが期待される.

3 診断の指針

3.1 心臓サルコイドーシス

現在まで,国際的に報告されている心臓サルコイドーシスの診断的ガイドラインには以下の3 つがある.第1 は,日本において1992 年に作成され2006 年に改訂されたもの6–8)(レベル6 )である.第2 は, WASOG (World Association of Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorders; 国際サルコイドーシス・肉芽腫性疾患学会)により1999 年にACCESS(A Case Control Etiologic Study of Sarcoidosis;サルコイド―シスの病因に関する症例対照研究)として報告され304)(レベル4b ),2014 年に更新されたもので305),確定診断は肉芽腫性炎症病変が組織学的に当該臓器に証明
p.41
されていることを前提とする.また,1すでに他臓器でサルコイドーシスが組織学的に証明され,2臨床症状をきたす他の原因が適切に除外できていれば当該臓器のサルコイドーシスの可能性について検討し,示唆される程度によりhighly probable(>90%),probable(50~90%),possible (<50%)に分類する.第3 は, 2014 年にHRS(Heart Rhythm Society; 米国不整脈学会)から報告されたもので122)(レベル6 ),基本的に上記ACCESS の考え方に賛同して作成されている.臨床診断群においても心臓以外の臓器でサルコイドーシスが組織学的に証明されていることが前提となっている.

心臓サルコイドーシスの診断は必ずしも容易ではなく,拡張型心筋症1–3, 261),慢性心筋炎,巨細胞性心筋炎4),全身性疾患に伴う心筋炎などとの鑑別が問題となり,剖検,心臓移植,左室形成術などから得られた心筋の組織学的検索により,初めて本症と診断される症例も存在する.1992年に平賀らによって作成された「心臓サルコイドーシス診断の手引き」は,心筋生検あるいは剖検で心臓から肉芽腫の得られた症例をもとにしたものであった5).しかし同手引きによる診断では,いずれかの臓器で病理組織学的に類上皮細胞肉芽腫が証明されることが必須であったため,臨床的に本症が強く示唆されても診断に至らない場合があった.また,サルコイドーシスが疑われる心電図所見にST-T変化や左室肥大など非特異的な所見があげられており,高血圧性心疾患などが誤って心臓サルコイドーシスと診断される可能性があった.

以上の点を考慮し,2006 年に日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会と日本心臓病学会ほかとの合同委員会により改訂が行われ,「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006」が作成された6).そのなかの「心臓病変の診断の手引き」,および日本循環器学会による「急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009 年改訂版)」

7, 8)のなかの「心臓サルコイドーシスの心病変診断の手引き」の特徴は,心臓サルコイドーシスに特徴的または高頻度に認められる臨床所見を主徴候として重みづけを行ったことである.この診断の手引きによる医師の意識啓発,心臓サルコイドーシスに対する認識の高まりにより,以前は見過ごされていた症例がより適切に診断されるようになった.

II 章 3. サルコイドーシスの診断(p.9)に記載されているように,サルコイドーシスは全身の諸臓器(多臓器性)に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認める原因不明の疾患であり,その病変局所ではTh1 反応の亢進が存在する.診断に際しての基本として,1乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を確認する,2各臓器に特徴的な臨床所見を認める,3サルコイドーシスに特徴的な検査所見を認

める,の3 条件を中心に検討することが重要である.したがって,心臓サルコイドーシスの診断に際しても,基本的には他の臓器でサルコイドーシス(組織診断群または臨床診断群)と診断されている場合に,心臓病変の存在(心臓サルコイドーシス)をいかに適切に診断するかが重要である.あるいは,逆に心臓サルコイドーシスを強く疑う所見がある場合には,他臓器のサルコイドーシスの有無について十分に検索する必要がある305).また,2014 年に日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会と厚生労働省のびまん性肺疾患に関する調査研究班との合同でサルコイドーシス診断基準の見直しが行われた際に82, 306),心内膜心筋生検,手術などによって心筋内に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が認められ,除外診断を十分行った場合には,その1 条件のみでサルコイドーシスの組織診断群(心臓サルコイドーシス)とされることになった.これは,心臓サルコイドーシスは疾病としての重症度が高い場合がまれでなく,サルコイドーシス患者の生命予後を規定するために早期に適切な治療が必要であることに対応するためである.また,サルコイドーシス診断基準の見直しが行われた際に,サルコイドーシスの臨床診断群についても改訂が行われ,呼吸器系,眼,心臓の3 臓器病変が重視されることとなった(II 章 3.1 サルコイドーシスの診断基準[p.9]参照).

近年,18F-FDG PET や心臓MRI,心エコー図などの画像診断技術の進歩や,医師の経験による症例の積み重ねなどにより,心臓サルコイドーシスがより適切に診断されるようになった.国際的にも,前述のようにWASOG およびHRS から診断基準が提示されている.また,他臓器に明らかな病変がみられない「心臓限局性サルコイドーシス」の存在が報告され,その臨床的重要性が認識されてきた.それらの状況を鑑み,このたび本ガイドライン作成班では2014 年から2015 年にかけて,「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006」のなかの「心臓病変の診断の手引き」の見直しを行い,ここに「心臓サルコイドーシスの診断指針」として提唱する(表10) (レベル6 ).

同診断指針では,「心臓病変の臨床所見」について2006年の手引きを見直し,それに基づいて「組織診断(心筋生検陽性)」と「臨床診断(心筋生検陰性または未施行)」を設けた.また,心臓限局性サルコイドーシスについて新たに「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」を作成し(表11),さらに心臓サルコイドーシス診断のためのフローチャートを作成した(図39,40).「心臓病変の臨床所見」について2006 年からのおもな変更点は次のとおりであるが,詳細については本ガイドライ
p.42
心臓病変の臨床所見心臓所見は主徴候と副徴候に分けられる.次の1)または2)のいずれかを満たす場合,心臓病変を強く示唆する臨床所見とする.(II 章 3.2 各種臓器におけるサルコイドーシスを示唆する臨床所見 c. 心臓病変の臨床所見の項目に該当) 1) 主徴候(a)~(e)5 項目中2 項目以上が陽性の場合. 2) 主徴候(a)~(e)5 項目中1 項目が陽性で,副徴候(f)~(h)3 項目中2 項目以上が陽性の場合.

心臓サルコイドーシスの診断指針1) 組織診断(心筋生検陽性)

心内膜心筋生検あるいは手術などによって心筋内に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が認められる場合,心臓サルコイドーシス(組織診断)とする(付記6も参照). 2) 臨床診断(心筋生検陰性または未施行) (1)心臓以外の臓器で類上皮細胞肉芽腫が陽性であり,かつ上記の心臓病変を強く示唆する臨床所見を満たす場合,または,(2)呼吸器系あるいは眼でサルコイドーシスを強く示唆する臨床所見があり,かつ特徴的な検査所見(表1)の5 項目中2 項目以上が陽性であって(II 章 3.1 サルコイドーシスの診断基準[p.9]参照),上記の心臓病変を強く示唆する臨床所見を満たす場合に,心臓サルコイドーシス(臨床診断)とする.付記1 虚血性心疾患と鑑別が必要な場合は,冠動脈検査(冠動脈造影,冠動脈CT あるいは心臓MRI)を施行する. 2 心臓以外の臓器でサルコイドーシスと診断後,数年を経て心臓病変が明らかになる場合がある.そのため定期的に心

電図,心エコー検査を行い,経過を観察する必要がある. 3 心臓限局性サルコイドーシスが存在する. 4 18F-FDG PET は,非特異的(生理的)に心筋に集積することがあるため撮像条件に注意が必要である.撮像方法は,

日本心臓核医学会の「心臓サルコイドーシスに対する18F FDG PET 検査の手引き」192, 193)に準拠する. 5 乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が心内膜心筋生検で観察される症例は必ずしも多くない.したがって複数のサ

ンプルを採取することが望ましい. 6 心内膜心筋生検あるいは手術などによって心筋内に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が認められ,かつ,既知の

原因の肉芽腫および局所サルコイド反応を除外できている場合,サルコイドーシスの組織診断群として扱う(「II 章 3.1サルコイドーシスの診断基準[p.9]参照). 718F-FDG PET の現在の保険適用の範囲は,「心臓サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者」と

規定されていることに注意が必要である.

心臓所見

1.主徴候(a) 高度房室ブロック(完全房室ブロックを含む)または致死性心室性不整脈(持続性心室頻拍,心室細動など) (b) 心室中隔基部の菲薄化または心室壁の形態異常(心室瘤,心室中隔基部以外の菲薄化,心室壁の局所的肥厚) (c) 左室収縮不全(左室駆出率50% 未満)または局所的心室壁運動異常(d)67Ga citrate シンチグラフィまたは18F-FDG PET での心臓への異常集積(e)ガドリニウム造影MRI における心筋の遅延造影所見2.副徴候(f) 心電図で心室性不整脈(非持続性心室頻拍,多源性あるいは頻発する心室期外収縮),脚ブロック,軸偏位,異常Q波のいずれかの所見(g) 心筋血流シンチグラフィ(SPECT)における局所欠損(h) 心内膜心筋生検:単核細胞浸潤および中等度以上の心筋間質の線維化

表10 心臓サルコイドーシスの診断指針
p.43
ンの各項目を参照されたい. 1 致死性心室性不整脈(持続性心室頻拍,心室細動など)

はその重要性156, 307, 308)を鑑み,高度房室ブロックと同格の主徴候に記載した. 2 心室壁の形態異常(心室瘤,心室中隔基部以外の菲薄

化,心室壁の局所的肥厚)は臨床上診断的意義が高いと考えられるため,副徴候から,心室中隔基部の菲薄化と同格の主徴候に格上げした. 3 18F-FDG PET での異常集積は,心臓サルコイドーシス

の炎症の活動性を反映する重要な所見と考えられるため229, 231, 232),付記から主徴候に格上げした. 4 ガドリニウム造影MRI における心筋の遅延造影所見は,

心臓サルコイドーシスの組織障害や線維化の指標として重要と考えられるため162, 186, 309, 310),副徴候から主徴候に格上げした. 5 とくに重要な事項や補足すべき点を付記として記載し充

実させた.

3.2 心臓限局性サルコイドーシス

サルコイドーシスは全身疾患であり,2006 年のわが国の診断基準6)において,確定診断にはリンパ節を含む2 臓器以上の病変の存在が必須とされてきた.しかし,心臓以外の臓器に明らかな病変を認めないが,心筋生検上非乾酪性類上皮細胞肉芽腫や単核球浸潤が認められる,あるいは臨床所見上心臓サルコイドーシスと矛盾しない症例の報告が数多くなされている147, 148, 194, 221, 311–321).欧米の論文では,「isolated cardiac sarcoidosis」という表現が用いられており,従来邦訳として「孤発性心臓サルコイドーシス」が多く使用されてきたが,本ガイドラインでは「心臓限局性サルコイドーシス」という語に統一する.このような病態が存在しうる原因として,Isobe らは1病変が心臓に初発し,まだ他臓器に波及していない状態,2心臓単独に発症する病型が存在する可能性,および3心臓以外の他臓器に病変があっても,炎症の程度が軽微であるか,あるいは他の理由により臨床的に検出できない場合,の可能性をあげている194).

心臓限局性サルコイドーシスの頻度について,わが国では疑い例を含む心臓サルコイドーシス症例の5~15% に存在しているとの報告がある147, 321).ただし,診断上の問題点として次の3 点があげられる.1前述のように,2006 年のサルコイドーシス診断基準においては,心臓限局性サルコイドーシスはサルコイドーシスの確定診断の基準を満たさないため,診断医の認識として統計上加えられていない可能性がある.2心筋生検により非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明できる例は必ずしも多くない.従来の診断基準

を満たす心臓サルコイドーシスの比較的重症例を対象とした調査では,組織診断陽性率は10~17% 程度114),心臓限局性サルコイドーシス疑い症例においても10% 程度と同等であり,高くない311, 312).3初発として心臓にサルコイドーシス病変を認めるが,他臓器の病変の有無が十分検討されていない症例が含まれている可能性がある.心臓限局性サルコイドーシスの頻度について,1と2は統計上過小評価のバイアスとなり,3は過大評価のバイアスとなっていると考えられる.

わが国におけるサルコイドーシス死亡例の約3 分の2 は心臓病変によるものと報告されている17, 157).また,わが国の多施設における後ろ向きの検討では,心臓サルコイドーシスでは左室収縮能が良好に保たれているほど長期予後に対するステロイド治療の有効性が高い可能性が報告されている21).これらの報告から,心臓病変の診断後,より早期から治療介入することがサルコイドーシス全体の予後改善に寄与する可能性が示唆される.心臓限局性サルコイドーシスにおいても,他臓器に病変を認める心臓サルコイドーシスと比較してその病態・予後に差異はないと推測されており194),遅滞なく適切な治療を開始する必要がある.このため,本ガイドラインにおいて新たに「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」を提唱する(表11).

診断の前提条件として,臨床的に他臓器においてサルコイドーシス病変がないことを確認することが必須である.さらに,治療を考慮するうえで心筋生検の重要性は高く,心筋組織所見上非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が証明されれば,現在までほかに同様の組織所見を呈する心疾患は知られておらず,心臓限局性サルコイドーシスと確定診断される(レベル5 ,グレードB ).臨床的に心臓限局性サルコイドーシスが疑われるが心筋生検が施行されない,もしくは心筋組織で肉芽腫が証明できない症例では,「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」を参考に診断を進める(レベル6 ,グレードC1 ).すなわち,「心臓サルコイドーシスの診断指針」(表10)に用いる「心臓所見」の主徴候(a)~(e)の5 項目のうち,(d)を含む4 項目以上が陽性の場合に心臓限局性サルコイドーシス(臨床診断群)と診断する.各検査所見の詳細については他項を参照されたい.また,付記に記したように,疑診でも心臓限局性サルコイドーシスを強く疑い,生命の危険が想定される場合は治療的診断として,診断に先行してステロイドなどの免疫抑制療法を行う場合がある.

心臓限局性サルコイドーシスに関しては,いまだ症例の集積とエビデンスに乏しい.本ガイドラインの診断の手引きによっても他の炎症性心筋疾患や心筋症と完全には鑑別
p.44
できない可能性があり,経時的変化と他の臨床所見を組み合わせて慎重に判断する必要がある.

3.3 診断の手順(フローチャート)

臨床の現場で実際に心臓サルコイドーシスと診断される過程には次の2 つの場合がある.したがってフローチャートは2 つに分けて作成した.いずれの場合も問診と身体診察を詳細に行う必要がある. a.他臓器(肺,皮膚,眼など)でサルコイドーシスと診断

されている場合の経過観察122, 322, 323)(図39)経過観察の基本は,もっとも安価,簡便かつ繰り返し施行できる標準12 誘導心電図を定期的に行うことである.標準12誘導心電図が正常であっても心エコー図やホルター心電図で異常がみられることがあるので,あわせて行うと有用な場合がある.標準12 誘導心電図で房室ブロック,脚ブロック,軸偏位,心室期外収縮などの不整脈がみられた場合,循環器内科医に相談し,心エコー図やホ

ルター心電図はもちろん,18F-FDG PET あるいは67Ga シンチグラフィ,心臓MRI などを行う.18F-FDG PET や67Ga シンチグラフィは心筋血流SPECT と比較することが望ましい192, 193).これらの画像診断に異常所見がみられた場合は,冠動脈疾患の除外,病態評価,心内膜心筋生検などの目的で心臓カテーテル検査を考慮する.これらの画像診断や侵襲的検査に明らかな異常がなく軽微な心電図異常のみの症例は,心エコー図やホルター心電図などで定期的に注意深く経過観察する.

心臓サルコイドーシスで,ときに心機能障害が数ヵ月から1 年程度で急速に進行する場合もあり,注意が必要である324, 325). b.原因不明の心筋疾患や不整脈を検索する過程で心臓サル

コイドーシスと診断される場合122, 323)(図40)中高年女性の完全房室ブロックや2 枝ブロック(右脚ブロック+左軸偏位など),心室中隔基部の菲薄化,壁肥厚

前提条件(1) 他臓器でサルコイドーシスに特徴的な臨床所見を認めない.(呼吸器系病変,眼病変,皮膚病変に対して十分検

査を行う.症状がある場合は当該臓器病変の除外を行う.) (2)67Ga シンチグラフィまたは18F-FDG PET で心臓以外への異常集積を認めない. (3) 胸部CT 検査で肺野にリンパ路に沿った陰影を認めず,肺門縦隔リンパ節腫大(短径>10 mm)を認めない.

1)組織診断群

心内膜心筋生検あるいは手術などによって心筋内に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が認められる場合,心臓限局性サルコイドーシス(組織診断群)と診断する. 2)臨床診断群

表10 の「心臓所見」の主徴候(a)~(e)の5 項目のうち,(d)を含む4 項目以上が陽性の場合に心臓限局性サルコイドーシス(臨床診断群)と診断する.付記1「心臓所見」のうち(d)を含まない4 項目以上陽性,または(b),(d)を含めて3 項目陽性の場合は心臓限局性サ

ルコイドーシスの疑診として扱う. 2 疑診でも心臓限局性サルコイドーシスを強く疑い,生命の危険が想定される場合は治療的診断として,診断に先行し

てステロイドなどの免疫抑制療法を行う場合がある. 3 冠動脈疾患ならびに他の炎症性心筋疾患(慢性心筋炎,巨細胞性心筋炎,全身性疾患に伴う心筋炎)を除外する. 4 18F-FDG PET は,非特異的(生理的)に心筋に集積することがあるので撮像条件に注意が必要である.撮像方法は,

日本心臓核医学会の「心臓サルコイドーシスに対する18F FDG PET 検査の手引き」192, 193)に準拠する. 5 心筋生検の陽性率は必ずしも高くないが,可能なかぎり組織診断をすることで治療戦略がより確実となる. 618F-FDG PET の現在の保険適用の範囲は,「心臓サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者」と規

定されていることに注意が必要である. 7 心臓限局性サルコイドーシスの臨床診断群は,サルコイドーシスの診断基準(II 章 3.1 サルコイドーシスの診断基準

[p.9])においては「サルコイドーシスの疑診」となる.

表11 心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き
p.45
と菲薄化の混在,壁運動の不均一性(局所的な心室瘤など)などをいくつか認めた場合は,心臓サルコイドーシスを疑って検索を進める1, 113).この場合,18F-FDG PET,67Ga シンチグラフィ,心臓MRI,心筋血流SPECT などの画像検査や心内膜心筋生検を考慮するが,全身的検索を行いサルコイドーシスの診断をつけることがもっとも重要である.

サルコイドーシスを診断するポイントは,1心外病変を呼吸器内科,眼科,皮膚科などに相談しながら検索すること,2サルコイドーシスに特徴的な検査所見(表1)5 項目中2 項目以上を満たすかをチェックすることである(図40)(II 章 3.1 サルコイドーシスの診断基準[p.9]も参照).具体的には,胸部CT で肺門・縦隔リンパ節腫脹の有無を検索し,ACE,リゾチーム,sIL-2R の測定を行う. 18F-FDG PET あるいは67Ga シンチグラフィは,心臓への異常集積が認められなくても肺門・縦隔,皮膚や皮下結節,骨格筋,リンパ節などへの集積が認められることがあるため,胸部だけでなく全身を撮像する必要がある.生検しやすい場所に集積があれば組織診断は容易となる.また,呼吸器内科医に相談し,気管支肺胞洗浄検査や経気管支的肺生検などを考慮する.以上からサルコイドーシスの診断

が得られた場合は「心外病変でサルコイドーシスと診断さ図39 心外病変でサルコイドーシスと診断されている場合

の心臓サルコイドーシスの診断手順

心臓病変を念頭においた定期的な経過観察1 問診および身体診察2 標準12 誘導心電図3 心エコー図(不整脈が疑われればホルター心電図)

異常あり異常なし

心臓病変に対する画像および侵襲的検査

「心臓サルコイドーシスの診断指針」

118F-FDG PET あるいは67Ga シンチグラフィ2 心臓MRI あるいは心筋血流シンチグラフィ(SPECT) 3 心内膜心筋生検

確診疑診

異常あり異常なし

満たす満たさない

図40 心臓病変で初発し心臓サルコイドーシスを疑う場合の診断手順

• 中高年女性の完全房室ブロックや2 枝ブロック• 心室中隔基部の菲薄化• 心室壁肥厚と菲薄化の混在• 左室壁運動の不均一性(局所的な心室瘤)など

心臓病変に対する画像および侵襲的検査サルコイドーシスの全身検索118F-FDG PET あるいは67Ga シンチグラフィ2 心臓MRI あるいは心筋血流シンチグラフィ(SPECT) 3 心内膜心筋生検(1)心外病変の存在

1 呼吸器内科的検索2 眼科的検索3 皮膚科的検索4 リンパ節生検の可能性5 その他の臓器の検索(2)特徴的な検査所見

*2 項目以上陽性1 胸部CT 2 血清ACE および血清リゾチーム測定3 血清sIL-2R 測定4 全身67Ga シンチグラフィまたは18F-FDG PET 5 気管支肺胞洗浄検査

*1両側肺門リンパ節腫脹,2血清ACE 活性高値または血清リゾチーム値高値,3血清sIL-2R 高値,467Ga シンチグラフィまたは18F-FDG PET における著明な集積所見,5気管支肺胞洗浄検査でリンパ球比率上昇,CD4/CD8 が3.5 を超える上昇

「心臓サルコイドーシスの診断指針」

満たさない満たす

疑診

確診「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」

満たす

心臓限局性サルコイドーシス

サルコイドーシスによる心臓病変が強く疑われる

満たさない
p.46
れている場合」のフローチャート(図39)を適用し,「心臓サルコイドーシスの診断指針」を満たせば確定診断となる.サルコイドーシスの診断が得られなかった場合は,「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」に基づき検討を行う.注意しなければならないのは,「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」における前提条件を満たさないが「心臓サルコイドーシスの診断指針」の一部を満たす,心臓サルコイドーシス「疑診」症例も存在することである.たとえば,眼病変はあるが特徴的な検査所見がない場合,あるいは心外病変はないが縦隔への67Ga や18F-FDG の集積を含めた特徴的な検査所見を満たす場合などである.これらの疑診例でも心臓サルコイドーシスは完全には否定できないため,病態に応じた対応や注意深い経過観察が必要である.

最後に,欧米とわが国では心臓サルコイドーシスの診断や心臓限局性サルコイドーシスの定義について考え方が異なることを付け加える.欧米では組織学的診断が前提条件とされているが,わが国では臨床的にも診断を可能としている148, 194).Kandolin らは,心臓限局性サルコイドーシスの前提条件として縦隔リンパ節病変の有無は含めず,縦隔リンパ節生検で組織学的に陽性の場合でも心臓限局性サルコイドーシスとして扱っている.また,欧米からは, 18F-FDG PET や心臓MRI などの画像や148),心内電位122)をガイドにして心内膜心筋生検を行うことにより,生検の陽性率が向上することが報告されている.

IV.心臓サルコイドーシスの治療

1 薬物療法

1.1 免疫抑制療法

心臓サルコイドーシスに対する薬物治療の主体は,炎症の抑制を目的に,臨床所見の改善を期待して行われる免疫抑制療法である326).副腎皮質ステロイド(以下ステロイド)は本症における第一選択の免疫抑制薬として広く使用されている327).2003 年に作成された「サルコイドーシス治療に関する見解-2003」では9),高度房室ブロック,心室性不整脈,心機能低下症例などにステロイドを考慮するとされている(レベル6 ,グレードC1 ).プラセボとの比較で前向きにステロイドの予後改善効果を証明した報告は存在しないが,投与後に臨床所見が改善した症例の蓄積からその有用性が示されてきた102, 327).一般に心機能が保たれた状態でステロイドが開始された症例は,心機能が低下してから開始された症例にくらべ予後は良好である21, 328) (レベル4b ,グレードC1 ).しかし心電図異常のみの場合や,

心臓MRI での限局した遅延造影のみの場合など非常に軽微な症例にステロイドを開始すべきかどうかは今後の検討が必要である189).一方で,高度に心機能の低下した症例で67Ga や18F-FDG の心筋への異常集積がない場合はステロイドの効果が乏しいと考えられているが,67Ga や18F-FDG の心筋への集積とは無関係にステロイドを開始したほうがよいとする報告もある329).

プレドニゾロンの初期投与量,減量の方法,維持量などについても確立されたプロトコールは存在しない327).「サルコイドーシス治療に関する見解-2003」によれば,一般的に初期投与量はプレドニゾロン換算で30 mg/ 日(0.5 mg/kg/ 日),または,隔日で60 mg/ 日(1.0 mg/kg/ 隔日)で4 週間内服とする.その後2~4 週ごとに,プレドニゾロン換算で5 mg/ 日または隔日に10 mg/ 日ずつ減量し,維持量は同じく連日5~10 mg/ 日または隔日に10~20 mg/ 日とする(レベル6 ,グレードC1 ) (図41)

9).後ろ向き

の研究で初期投与量30 mg/ 日と40 mg/ 日以上の高用量で予後に差はないとする報告があるものの21),心臓病変の活動性が高く進行が速い症例には初期量を高く設定したりパルス療法が試みられることもある330, 331).現時点で,心臓
p.47
病変活動性の評価に関する確実なバイオマーカーや画像診断は確立されていないため332),ステロイド治療開始後の減量は機械的に行われているのが実際である.心臓病変の進展や再燃の判断は必ずしも容易ではないが,67Ga シンチグラフィや18F-FDG PET などの画像診断をはじめ臨床所見を総合的に判断してステロイドの増量や減量を決定する.ステロイドの中止が可能な症例も存在する可能性はあるものの,現時点では維持量を長期にわたって継続することが多い(レベル6 ,グレードC1 ).

第二選択の免疫抑制薬として,難治性肺サルコイドーシスなどの心外病変を中心に,シクロホスファミド333),シク

ロスポリン334),アザチオプリン335),メトトレキサート336),サリドマイド337),ヒドロキシクロロキン338),Pentoxifylline 339),ミコフェノール酸340)などが試みられてきた(レベル5 ).これらはステロイドの効果が不十分な症例や,副作用でステロイドが使用できない,または増量できない症例に,単独あるいはステロイドとの併用で用いられることがあるが327, 341),心臓サルコイドーシスに対しては症例報告が散見される程度である.これらのうち,わが国では少量のメトトレキサートを用いることが多く(レベル5 ,グレードC1 ),ステロイドの減量(steroid sparing effect)や副作用軽減に有用な可能性がある106).ただし白血球減少,肝機能障害,間質性肺炎などの副作用に注意が必要である.投与量は欧米では週1 回10~20 mg とされているが327),わが国では週1 回5~8 mg 投与されることが多い106, 342).心臓サルコイドーシスに対して,はじめからプレドニゾロンとメトトレキサートを併用したほうがプレドニゾロン単独より心機能が保持されたことも報告されており,今後の検討が必要である342).

最近では第三選択の治療薬として,血流中のTNF-α,受容体レベル抑制作用,またTNF-α産生細胞破壊作用などにより抗炎症作用を呈する抗TNF-α抗体インフリキシマブが,海外で肺サルコイドーシスに対し試みられている343) (レベル5 ).ステロイドと少なくとも1つの第二選択の治療薬が投与されているにもかかわらず効果が不十分な症例に用いられることがあり327),心臓サルコイドーシスに対しても効果が認められたとする症例報告がある344, 345).

1.2 心不全に対する治療

a.心不全管理における基本方針

心臓サルコイドーシスに併発する心不全では,ステージ分類にかかわらず,原病に対する免疫抑制治療とともに基本的な心不全管理の原則を踏襲する(レベル6 ,グレードC1 ).一般的に心不全に対する治療は,心ポンプ機能低下に伴う病状の進行を防ぐ治療と,血行動態を整えて症状や徴候を軽減する治療とに大別される.さらに,前者の治療として,心不全全般に共通する慢性進行性病態への介入と,個別の原因疾患への介入の2 つを考える.心臓サルコイドーシスにおいてもこの原則に変わりはなく,左室収縮機能不全に対する一般的薬物治療と,サルコイドーシスという原病に対する免疫抑制治療が心不全治療の根幹であり,必要に応じて心不全徴候への対処を加えるという基本方針となる.

対象を心臓サルコイドーシスに限局させ,心不全管理に関する臨床研究や大規模試験をサブ解析した報告は見当た

維持量:5 ~10 mg/ 日または10 ~20 mg / 隔日

初期投与量:30 mg/ 日または60 mg/ 隔日(0.5 mg/kg/ 日または1 mg/kg/ 隔日)

減量:5 mg/ 日または10 mg/ 隔日ずつ

投与法1 初期投与量:プレドニゾロン換算で連日30 mg/ 日または隔日60 mg/ 日で内服投与.ただし,病態によりパルス療法を併用したり初期投与量を増量することがある. 2 初期投与期間:4 週間3 減量:2~4 週間ごとに,プレドニゾロン換算で連日5 mg/ 日または隔日10 mg/ 日ずつ減量4 維持量:プレドニゾロン換算で連日5~10 mg/ 日または隔日10~20 mg/ 日投与5 維持量の投与期間:ステロイドを中止可能な症例も存在する可能性はあるが,現時点では維持量を長期にわたって継続することが多い. 6 再燃:プレドニゾロンの初期投与量を考慮するが,副作用で増

量が困難な場合は他の免疫抑制薬の併用を考慮する.図41 心臓サルコイドーシスにおける副腎皮質ステロイド

の一般的な全身投与(サルコイドーシス治療ガイドライン策定委員会.2003 9)より作図)付記(4. 治療のアルゴリズム[p.58]も参照) 1 高度房室ブロック(完全房室ブロックを含む)では恒久

ペースメーカや植込み型除細動器を考慮する. 2 重症心室性不整脈に対しては植込み型除細動器が適応と

なるが,抗不整脈薬が併用される場合が多く,症例によってカテーテルアブレーションも考慮される. 3 副作用のため副腎皮質ステロイドの投与が困難な場合に

はメトトレキサートなどの代替療法を考慮する. 4 副腎皮質ステロイドの一般的な副作用に対する予防・治

療を行う.
p.48
らない.したがって,一般的な心不全管理の基本方針を踏襲するしかない.左室収縮機能障害では,交感神経系とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が賦活され,進行性の左室拡大と収縮性の低下,すなわち左室リモデリングが生じる.この形態的変化が基盤となり,心臓死,心不全悪化などの心イベントへとつながる.したがって,これら神経体液性因子を抑制し,心不全の予後を改善することが,慢性心不全治療の中心である.多くの大規模臨床試験の結果に基づき,ACE 阻害薬,アンジオテンシンII 受容体遮断薬,β遮断薬,アルドステロン拮抗薬がエビデンスに基づいた治療として推奨される346).

一方,心不全時の血行動態変化に基づく基本病態は,うっ血と低心拍出量の2 つに大別される.うっ血を軽減する薬物療法としては血管拡張薬と利尿薬があげられるが,腎機能障害などにより除水が図られにくい場合,機械的血液濾過が用いられることがある.低心拍出量を解除する薬物療法としてはカテコラミンやホスホジエステラーゼ阻害薬などの強心薬があげられる.薬物療法のみで効果が不十分であれば,大動脈内バルーンパンピングなどの機械的循環補助が必要となる場合もある.不整脈による心調律の乱れや心拍数の多少はときに血行動態を悪化させるため,抗不整脈薬やペースメーカ治療で対応する.肺うっ血による低酸素血症には,うっ血を解除する治療とともに酸素投与や人工呼吸管理を行う347). b.ステージ分類と病型からみた心不全管理

2005 年,米国ガイドラインはステージ分類という新たな概念を打ち出した348).心血管病を,危険因子から始まり心疾患,心不全,そして死に至る連続的,かつ多くは一方向性の現象として捉え349),より先んじて手を打つ予防医療の重要性を強調した.これは心臓サルコイドーシスにもあてはまる.心機能低下が進行した症例ではステロイド治療の有効性は限られるため21),心不全徴候が露見する前のステージB でいかに診断し,原因治療へと結びつけるかが重要である.それと同時に,心不全に対する一般的なガイドライン346–348)に基づいた心不全治療を行う.いったん心筋が障害を受けると,たとえサルコイドーシスによる炎症機転が収まっても,左室リモデリングは進行し続けるからである.

心臓サルコイドーシスにおける心ポンプ機能低下の病型の多くは,拡張型心筋症に代表される左室収縮障害であるが261),まれに特筆すべき病型にも遭遇する.心筋での炎症が活動期にあると浮腫による壁肥厚が生じ,ときに肥大型心筋症と類似する177).しかしこの場合,多くで拡張障害による心不全徴候は露呈せず,また左室駆出率が保たれた心不全患者の予後を改善させる治療法は見いだされていないため346),原病に対する治療が管理の主軸となる.また,

病変が右室に合併あるいは限局した心臓サルコイドーシスが報告され,ときに不整脈原性右室心筋症との鑑別が問題となる350, 351).右室機能は左心不全患者の独立した予後規定要因として重視されており352),左室機能障害に併発した場合には,体液量の微調整や両心への循環補助など,より複雑な管理が必要となる347).

1.3 不整脈に対する治療

<心臓サルコイドーシスにおける頻脈性・徐脈性不整脈に対

するステロイド治療の適応>

クラスI 67Ga シンチグラフィあるいは18F-FDG PET にて心臓に陽性所見が認められる場合(レベル4a ,グレードA )クラスIIa 67Ga シンチグラフィ,18F-FDG PET にて心臓に陽性所見が認められない場合(レベル4b ,グレードC1 )

<心臓サルコイドーシスにおける頻脈性不整脈に対する抗不

整脈薬治療の適応>

クラスIなしクラスIIa (1)β遮断薬(レベル6 ,グレードC1 ) (2) コントロールできない心室頻拍に対するアミオダロ

ン,ソタロール,クラスIb 薬(レベル6 ,グレードC1 )クラスIIb (1)コントロールできる心室頻拍に対するアミオダロン,

ソタロール,ベラパミル(レベル6 ,グレードC2 ) (2)コントロールできない心室頻拍に対するクラスIa, Ic

薬(レベル6 ,グレードC2 )クラスIIIコントロールできる心室頻拍に対するクラスIa, Ic 薬(レベル6 ,グレードD )

サルコイドーシスは難治性肉芽腫性疾患であり侵される臓器は多岐にわたるが,諸外国にくらべわが国では心臓病変の合併率が高く12),死因の約3 分の2 を占めるとされている.Th1 型の免疫反応が発症に関連していること,その後の肉芽腫の消退の過程で瘢痕化や線維化が起こることは前述のとおりである(II 章 2. サルコイドーシスの病因・病態[p.5],III 章  1. 病理[p.17]を参照).このサルコイドーシス病変は心臓内のどこにでも発生しうるため152),炎症に基づく非リエントリー性,あるいは瘢痕組織を介するリエ
p.49
ントリー性の機序をもつ,さまざまな上室・心室頻脈性不整脈が発生しうる.なかでも心室中隔基部の病変は心臓サルコイドーシスにもっとも特徴的な所見として知られており,初発の不整脈として房室ブロックの頻度がもっとも高い6).心臓サルコイドーシスでは致死性の重症不整脈が多く発生することから,不整脈管理はきわめて重要である.また,進行例では心筋細胞脱落による心機能低下が認められ,二次的な頻脈性不整脈も生じうる.したがって,不整脈に対する薬物治療の選択に際しては,残存心機能の程度と疾患の活動性の有無が重要である.

房室ブロックなどの徐脈性不整脈に対してはペースメーカをはじめとする非薬物治療が中心となるが,一部の症例ではステロイド治療による房室伝導の回復が知られているため102, 285, 353),活動性の有無を積極的に診断する必要がある.また,頻脈性不整脈は低心機能例に多く発生することが報告されており,心機能を保持するという点からもステロイド治療は重要である329).したがって心臓サルコイドーシス診断確定後に67Ga シンチグラフィや18F-FDG PET による炎症所見が認められない症例に対しても,ステロイド治療を考慮すべきである.

心室性不整脈に対する抗不整脈薬を用いた薬物治療やカテーテルアブレーションは,ICD などを植込んだうえで考慮されるべきである.しかし,ICD は不整脈そのものを抑制する治療ではなく,また心臓サルコイドーシスではアブレーション成功例でも再発が多いことが報告されているため308, 354),しばしば抗不整脈薬の投与が必要となる286, 287, 355).心臓サルコイドーシスに対する抗不整脈薬の効果に関してはデータがほとんど存在しないため不明であるが,心臓サルコイドーシスの不整脈の多くが瘢痕組織を介したリエントリーであると考えられるため154, 356),β遮断薬(レベル6 ,グレードC1 ),再分極延長薬(アミオダロン,ソタロール)(レベル6 ,グレードC1 )が候補としてあげられる.なかでも心不全治療の点からβ遮断薬の積極的な使用が望まれる(レベル6 ,グレードC1 ).一方,Ca チャネル拮抗薬(ベラパミル)は推奨されず(レベル6 ,グレードC2 ),Na チャネル遮断薬,なかでもVaughan Williams 分類のIa,Ic 群薬は,催不整脈作用の問題からとくに低心機能例では推奨されない357).

疾患の活動性の有無も重要である.活動性があるとき(つまり炎症時)は,Ca 過負荷から心室期外収縮が増大され,リエントリー回路の伝導遅延が引き起こされる可能性があり358),催不整脈的な作用が働くと考えられる359).したがって活動性の有無を積極的に診断する必要があるが,心機能が高度に低下した進行例ではステロイドによる抗不整脈作用は限定的である360).心臓サルコイドーシスに合併する不整脈管理は,予後に

きわめて密接に結びつくため非常に重要である.薬物治療は,ペースメーカや植込み型除細動器などの非薬物治療の適否をまず考慮したうえで検討する必要がある(レベル6 ,グレードC1 ).

2 非薬物療法

2.1 恒久ペースメーカ

<房室ブロックにおける恒久ペースメーカの適応>

クラスI (1) 徐脈による明らかな臨床症状を有する第2 度,高度

または第3 度房室ブロック(レベル6 ,グレードB) (2) 高度または第3 度房室ブロックで覚醒時に著明な徐

脈や長時間の心室停止を示すもの(レベル6 ,グレードB)クラスIIa (1) 症状のない持続性の第3 度房室ブロック(レベル6 ,グレードC1 ) (2) 症状のない第2 度または高度房室ブロックで,以下

のいずれかを伴う場合(レベル6 ,グレードB) 1 ブロック部位がヒス束内またはヒス束下のもの2 徐脈による進行性の心拡大を伴うもの3 運動または硫酸アトロピン負荷で伝導が不変もし

くは悪化するもの(3) 徐脈によると思われる症状があり,他に原因のない第

1 度房室ブロックで,ブロック部位がヒス束内またはヒス束下のもの(レベル6 ,グレードB)クラスIIb至適房室間隔設定により血行動態の改善が期待できる心不全を伴う第1 度房室ブロック(レベル6 ,グレードC2 )

<心臓サルコイドーシスにおける恒久ペースメーカの治療指

針> (1) 心臓サルコイドーシス患者に対する恒久ペースメーカ

の適応については,日本循環器学会による「不整脈の非薬物療法ガイドライン(2011 年改定版)」361, 362)に従い決定することが望まれる(レベル6 ,グレードA )

(次頁へ続く)
p.50
(前頁より続き) (2) 心機能の低下した症例(左室駆出率35% 以下)に対

しては右室単独ペーシングよりも両室ペーシングが望ましい(レベル6 ,グレードB) (3) 免疫抑制薬による伝導障害の改善は期待できるが予測

は困難であり,恒久ペースメーカの適応があれば先に植込み手術を行ったのちに免疫抑制薬の投与を開始することが望ましい(レベル6 ,グレードB) (4) ペースメーカの適応がある患者に対し,突然死の予防

のためにICD の植込みも検討する(レベル6 ,グレードC2 )エビデンスレベルと推奨グレードは文献361,362 のクラス分類を参照している.

房室ブロックは心臓サルコイドーシスの心臓病変のなかでも頻度が高いものであり,心室中隔基部の菲薄化や肉芽腫形成,房室結節動脈が巻き込まれることで生じる虚血などにより117)26~67% に認めるとされる322).心臓サルコイドーシスに合併した房室ブロックに対しても,日本循環器学会による「不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011 年改訂版)」361, 362)に従って恒久ペースメーカの適応を判断することが原則である.

基本的な適応に加え,心臓サルコイドーシスの特徴から注意すべき点がいくつか考えられる.心臓サルコイドーシス患者では,房室ブロック発症時にすでに左室機能の低下を伴っている症例も少なくないため,必ず心機能を確認することが重要である.「不整脈の非薬物治療ガイドライン」でも,「左室駆出率35% 以下で,徐脈に対してペースメーカの植込みが予定され,高頻度に心室ペーシングに依存することが予想される場合」にはCRT のクラスIIa またはIIb の適応がある.心機能が低下した房室ブロック患者を通常の右室ペーシングとCRT に無作為化したBLOCK HF試験では,CRT が死亡や心不全イベントを有意に減少させており363),心機能が低下した房室ブロック症例に対してはより積極的にCRT を考慮する必要がある.

房室ブロックがステロイド治療により改善する可能性があることは数多く報告されている.Okamura らは壁肥厚を伴う高度房室ブロック症例にステロイドが著効し,房室ブロックが改善,壁肥厚も消失した症例を報告している168). Yodogawa らは15 例の高度または完全房室ブロックの心臓サルコイドーシスに対するステロイド治療後の反応を報告しており,7 例に房室伝導の回復がみられ,少量のステロイド継続投与により平均7 年のフォローアップで房室ブロックの再発がなかったとしている353).房室ブロックが改善した症例は高度房室ブロックが多く,ステロイドが早期に開始されることが房室伝導の回復に重要であることが示

唆される.心臓サルコイドーシスの房室ブロックに対する免疫抑制薬の効果に関する無作為化比較試験は行われていないが,種々の報告をまとめたSadek らのレビューによれば,ステロイドを投与した57 例のうち27 例(47.4%)に房室伝導の回復がみられたのに対し,ステロイドが投与されなかった16 例ではいずれも房室伝導は回復しなかった364).このように,ステロイドによる房室伝導の回復はある程度期待できるが,房室ブロックの改善は予測できないこと,再発がありうること,ステロイド内服下のデバイス治療では感染のリスクが懸念されること,などを考慮すると,原則としてペースメーカ植込み後にステロイドを開始することが望ましいと考えられる.

心臓サルコイドーシス患者は心室頻拍や心室細動により突然死することがまれでなく,心室性不整脈を有する症例ではICD が適応される(2.2 植込み型除細動器(ICD)参照).Takaya らは,房室ブロックで発症した心臓サルコイドーシス患者の予後は心室頻拍例や心不全例より良好であるが,経過中に致死性不整脈が発生する可能性があることを報告しており365),ペースメーカ植込み後も,心室性不整脈に対する慎重な経過観察が必要であると考えられる.心臓サルコイドーシス患者におけるICD の一次予防目的の植込みに関しては無作為化比較試験が行われておらず,今後の研究が期待される.

ICD,CRT の適応の詳細については各該当項を参照されたい.

2.2 植込み型除細動器(ICD)

a.突然死のリスク評価

心臓サルコイドーシス患者では,心室性不整脈による突然死の危険性について注意を払わなければならない158, 366).突然死リスクが高い患者はICD の適応となる.過去の報告では367–369),致死性不整脈の既往がある症例では再発率が高いこと,また致死性不整脈の既往がない症例でも低心機能,とくに左室駆出率が低下している場合はその後の致死性不整脈の発生率が高いことがわかっている.とくに,適切な薬物治療を行っても左室駆出率が35% 以下である場合はリスクが高く,ICD 植込みが強く勧められる370, 371).一方,左室機能の低下が軽度(36% ≦左室駆出率≦49%)であっても,右室機能が低下(右室駆出率<40%)しており免疫抑制療法を行う際には,致死性不整脈の発生に注意が必要である.

突然死リスクの評価に,致死性不整脈の誘発目的での電気生理学的検査の有用性が報告されている291, 292).とくに
p.51
左室駆出率が低下しており,電気生理学的検査にて致死性不整脈が誘発された場合は,その後の致死性不整脈の発生率が高いためICD の適応となる.一方,評価時に心機能が保たれている症例でも,免疫抑制療法が必要な患者ではその後の病態の進行が考慮されるため,電気生理学的検査にて致死性不整脈が誘発された場合は致死性不整脈の発生リスクが高いと考えられる.

近年,画像所見と致死性不整脈の発生の関連についても報告されている.心臓MRI は,心臓サルコイドーシスの診断だけでなく予後リスクの評価にも役立つとされ,とくに遅延造影所見がある症例では,死亡,突然死,もしくはICD の適切作動のリスクが高くなることが報告されている162, 372).ただし,心臓MRI は致死性不整脈のリスク評価に有用ではないとの報告もあり123),さらなるデータの蓄積が必要である.また18F-FDG PET での陽性所見は,死亡もしくは持続性心室頻拍の発生と関連することが報告されているが235),心臓MRI と同じく,現段階では十分な症例数での検討がなされていない. b.ICD の適応<心臓サルコイドーシスにおけるICD の適応>

クラスI (1) 心停止の既往もしくは持続性心室頻拍の既往のある患

者(レベル4a ,グレードB) (2) 左室駆出率35% 以下で,非持続性心室頻拍があるか

(保険適用外), *電気生理学的検査にて持続性心室頻拍もしくは心室細動が誘発された患者(レベル4a ,グレードC1 )クラスIIa (1) 最適な薬物療法(免疫抑制療法を含む)を行っても左

室駆出率35% 以下の患者(保険適用外)(レベル4a ,グレードC1 ) (2) 原因不明の失神があり,非持続性心室頻拍があるか

(保険適用外), *電気生理学的検査にて持続性心室頻拍もしくは心室細動が誘発された患者(レベル4a ,グレードC1 ) (3) 左室駆出率50% 未満で,ペースメーカの適応があり,

非持続性心室頻拍があるか(保険適用外), *電気生理学的検査にて持続性心室頻拍もしくは心室細動が誘発された患者(レベル4a ,グレードC1 ) (4) 左室駆出率50% 未満で,心臓MRI の遅延造影,

18F-FDG PET もしくは67Ga シンチグラフィが陽性であり, *電気生理学的検査にて持続性心室頻拍もしく

は心室細動が誘発された患者(レベル4a ,グレードC1 ) * 持続性とは30 秒以上の継続を示す.また連結期<220 msecの3 連刺激での誘発は非特異的反応として扱う保険適用:わが国のICD 保険適用(1996 年4 月1 日発行)は,自然発生もしくは誘発された,血行動態が破綻する心室頻拍または心室細動の確認に基づいて行われるため,本ガイドラインのクラス分類とは異なることに注意が必要である

ICD の適応については,致死性不整脈の既往があるか,致死性不整脈の既往がない場合には1左室機能,2非持続性心室頻拍,3電気生理学的検査での誘発性に基づき決定する(図42).米国不整脈学会から報告された心臓サルコイドーシスに関する診断と治療に関するステートメント122)と類似しているが,わが国でのICD 適応を鑑みた結果,低心機能例のクラス分類やペースメーカ適応症例での扱いが異なっている.ただし,ペースメーカが必要となる房室ブロック症例で致死性不整脈の発生が多いことも報告されており365, 367),十分考慮されなければならない.また経過中に病態が変化することもあり,定期的な評価が必要である.

2.3 心臓再同期療法[CRT(D)]

<心臓サルコイドーシスにおけるCRT の適応>

クラスI最適の薬物治療でもNYHA(New York Heart Association;ニューヨーク心臓協会)の心機能分類III 度または通院可能な程度のIV 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下, QRS 幅120 msec 以上で,洞調律の場合(レベル6 ,グレードB)

クラスIIa (1) 最適の薬物治療でもNYHA III 度または通院可能な程

度のIV 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下,QRS 幅120 msec 以上で,心房細動を有する場合 (レベル6 ,グレードB) (2) 最適の薬物治療でもNYHA III 度または通院可能な程

度のIV 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下で,徐脈に対してペースメーカが植込まれ,または予定され,高頻度に心室ペーシングに依存するかまたはそれが予想される場合(レベル6 ,グレードB)

(次頁へ続く)
p.52
(前頁より続き)

クラスIIb最適の薬物治療でもNYHA II 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下で,徐脈に対してペースメーカの植込みが予定され,高頻度に心室ペーシングに依存することが予想される場合(レベル6 ,グレードC2 )クラスIII (1)左室駆出率は低下しているが無症状で,徐脈に対す

るペースメーカの適応がない場合(レベル6 ,グレードC2 ) (2) 心不全以外の慢性疾患により身体機能が制限された

り,余命が12ヵ月以上期待できない場合(レベル6 ,グレードC2 )

<心臓サルコイドーシスにおけるCRT-D の留置適応>

クラスI最適の薬物治療でもNYHA III 度または通院可能な程度のIV 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下,QRS幅120 msec 以上,洞調律で,ICD の適応となる場合(レベル6 ,グレードA )

クラスIIa (1) 最適の薬物治療でもNYHA III 度または通院可能な程

度のIV 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下,QRS 幅120 msec 以上,心房細動を有し,ICDの適応となる場合(レベル6 ,グレードB) (2) 最適の薬物治療でもNYHA II 度の慢性心不全を呈し,

左室駆出率30% 以下,QRS 幅150 msec 以上,洞調律で,ICD の適応となる場合(レベル6 ,グレードB) (3) 最適の薬物治療でもNYHA III 度または通院可能な程

度のIV 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下ですでにICD が植込まれ,または予定され,高頻度に心室ペーシングに依存するかまたはそれが予想される場合(レベル6 ,グレードB)クラスIIb最適の薬物治療でもNYHA II 度の慢性心不全を呈し,左室駆出率35% 以下で,徐脈に対してペースメーカの植込みが予定され,高頻度に心室ペーシングに依存することが予想される場合(レベル6 ,グレードC2 )クラスIII (1) 左室駆出率は低下しているが無症状で,ICD の適応が

ない場合(レベル6 ,グレードC2 ) (2) 心不全以外の慢性疾患により身体機能が制限された

り,余命が12ヵ月以上期待できない場合(レベル6 ,グレードC2 )

心不全では心室内伝導障害とともに心房-心室間,左心室-右心室間,および心室内に同期不全が生じやすい.これらを改善するのがCRT である.MIRACLE 試験373), COMPANION 試験374),CARE-HF 試験375)などの大規模試験により,心収縮能が低下し心臓の同期不全を伴う中等症以上の慢性心不全患者において,CRT が心不全悪化を防止するだけでなくその予後を改善することが明らかとなった.一方,CRT はすべての症例で有効とは限らない. CRT の有効性の予測指標として,左室駆出率と体表心電図QRS 幅が重要である.わが国では,「不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011 年改訂版)」361, 362)において,両室ペーシングの適応となる幅広いQRS 波の基準として120

満たすクラスI 適応

満たさない

クラスIIa 適応

経過観察ならびに定期的な評価

満たさない満たす

• 心停止もしくは持続性心室頻拍の既往• LVEF ≦35% で,NSVT *1 の存在もしくはEPS でのVT/VF の誘発*2

• LVEF ≦35% で,ステロイドを含めた免疫抑制療法を施行• 原因不明の失神の既往があり,NSVT *1 の存在もしくはEPS でのVT/VF の誘発*2 • ペースメーカ植込み適応で,NSVT *1 の存在もしくはEPS でのVT/VF の誘発*2 • 心臓MRI 遅延造影もしくは18F-FDG PET が陽性で,EPS でのVT/VF の誘発*2

*1 3 連発以上をNSVT と定義*2 30 秒以上の継続を誘発陽性とする.また連結期<220 msec の3 連刺激での誘発は非特異的反応として扱う. EPS:電気生理学的検査,LVEF:左室駆出率,NSVT:非持続性心室頻拍,VT:心室頻拍,VF:心室細動図42 心臓サルコイドーシスにおけるICD の適応
p.53
msec 以上を選択している.

心臓サルコイドーシスにおけるCRT の有用性に関するまとまった報告はなされていない.そのため本項では,CRTおよびCRT-D(CRT plus defibrillator; 両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)留置の適応を「不整脈の非薬物治療ガイドライン」に準じて記載した.2014 年に米国不整脈学会から報告された心臓サルコイドーシスに関する診断と治療に関するステートメント122)でも同様に,デバイス留置に関するガイドラインを心臓サルコイドーシスにおいても用いることを推奨している.

2.4 カテーテルアブレーション

a.心室頻拍の機序

心室頻拍は心臓サルコイドーシスの初発症状として房室ブロックの次に多く,約23% に出現する285).より広範囲な瘢痕のある患者,左心機能の低下している患者で心室頻拍の合併が多く,突然死の原因になる.心室頻拍の機序としてもっとも多いものは,心筋細胞間の線維化で生じる遅延伝導が原因となるリエントリーである.加えてtriggered activity(撃発活動),異常自動能も報告されている154, 359, 360).プルキンエ線維が関係する心室頻拍の機序はtriggered activity で,房室結節ブロック,三枝ブロックなどの刺激伝導障害のある患者で多い287).なお,心室頻拍で発症し67Ga シンチグラフィが陽性であった患者において,ステロイド治療後に67Ga シンチグラフィが陰性化しても心室頻拍の誘発性には変化がないことが報告されており,心室頻拍の誘発性と67Ga シンチグラフィで検出される心臓サルコイドーシスの活動性には関連がないと考えられている285). b.基質の特徴

サルコイドーシスに合併する心室頻拍は,非乾酪性肉芽腫と周辺の線維組織に関連するため,術前に心臓MRI 遅延造影を用いて基質を同定することは非常に有用である.また,心筋梗塞や心筋症などの器質的心疾患と同様に3Dマッピングシステムを用いて不整脈基質を同定することも有用である.瘢痕は心室中隔,三尖弁輪部,僧帽弁輪部,左室自由壁などに多く認められ,進行した病態では心室瘤を形成することもある.右室の瘢痕は広範囲で,左室の瘢痕は斑状であることが多い286).3 割程度の患者では心外膜側に瘢痕があり,心外膜アブレーションを要する286).心内膜,心外膜ともに瘢痕が認められない場合は心筋内深くに瘢痕があると考えられる. c.アブレーションの適応

<心臓サルコイドーシスにおけるカテーテルアブレーション

の適応>(レベル5 ,グレードB)

クラスI (1) 心室頻拍がステロイド,抗不整脈薬によってもコント

ロールできない場合(2) 心室頻拍の発作があり,薬剤を服用できない場合(3) ICD の有無にかかわらず,心室頻拍の発作が頻回に生

じるストーム状態

心臓サルコイドーシスにおいて,心室頻拍の発作がステロイド,抗不整脈薬によってもコントロールできない場合,薬剤を服用できない場合,あるいは発作が頻回に生じるストーム状態にある場合はアブレーションの適応となる. Triggered activity,異常自動能による心室頻拍はステロイド治療でコントロールされることもある359, 360). d.急性期成績

アブレーション時には臨床的に認められる心室頻拍以外のものも誘発されることが多く,誘発された心室頻拍すべてを焼灼の対象とする施設が多い.約半数の患者で複数回のアブレーションを要する.アブレーションが不成功となる原因として,心室頻拍起源が心室中隔にあること,右室の瘢痕が広範囲で多数のリエントリー回路が存在すること,起源が冠動脈に近接していること,ヒス束近傍にあることなどがあげられる.Kumar らの報告によれば,1 回のアブレーションですべての心室頻拍が焼灼できたのは4 割程度にとどまり,複数回のアブレーションを要した例も3 割程度あった.薬物療法が無効だったストームがコントロールされた割合は71% であった286).アブレーション,ステロイド,抗不整脈薬が無効の心室頻拍を合併した患者では死亡のリスクが高く,心移植が必要となることも多い.心臓サルコイドーシスに合併する心室頻拍に対するアブレーション治療について,これまでに報告された成績を表12 286, 287, 308, 376, 377)に示す. e.長期成績

多くの患者は複数の起源からの心室頻拍を有し,再発は誘発された心室頻拍の起源数に関連する.また,アブレーション後の刺激でまったく心室頻拍が誘発されなくても経過中に再発する場合があること,心臓サルコイドーシスの進行は予測不能で心筋の線維化が継続することから,たとえアブレーションに成功してもICD の植込みは必要であると考えられる(レベル5 ,グレードB ).
p.54
3 外科的治療

3.1 左室形成術,僧帽弁形成術

a.外科治療の可能性について

心臓サルコイドーシスでは,肉芽腫形成から心筋が変性し,やがて線維化する.心筋障害は心臓全領域にわたり発生する可能性があり,一部に限局することもあれば,しばしば多発することもある117).その局在病変の進展範囲も多様で,中隔高位で房室ブロックを引き起こす病変は概して小範囲に限局される一方,自由壁側,すなわち前壁中隔,後側壁,下壁では広範囲に進展することがある.梗塞心筋のように冠動脈支配領域に一致して線維化変性が進展するわけではないが,ある程度限局する病変は左室瘤を形成し,広範囲にわたる心筋傷害は虚血性心筋症と同様に拡張型心筋症様の形態を呈することもある.実際に特発性拡張型心筋症との診断で心臓移植を受けた摘出心の病理解剖187)や,人工心臓植込み時の心尖部くり抜き心筋の組織診断378)から,はじめて心臓サルコイドーシスと診断されることがある.

さまざまな部位に発生する局所病変が左室形態に大きく影響することから378),一部に限局している病変であればその局在病変を切除形成することで,左室形態を改善し左室機能を回復させることが期待できる.前壁中隔の陳旧性心筋梗塞で著しい左室拡張をきたした虚血性心筋症でも,線維化心筋は前壁中隔に限局することから左室心筋切除形成により治療可能であり(Dor 手術),移植適応となる例においても移植回避可能である379).また,病変が前壁中隔以外でも後側壁や下壁に限局していれば,非虚血性拡張型心筋症においてもその病変部位に適した手術方法で良好な成績が得られることが報告されている380).さらに,左室拡張からtethering により機能性僧帽弁閉鎖不全症を引き起こすこともあり,僧帽弁手術も治療法として考慮されるべきで

ある.

虚血性心疾患と心臓サルコイドーシスでは病変の進展形式は異なるが,ガドリニウム遅延造影MRI や18F-FDG PET などの最新診断技術により,病変の局在性や多発性も正確に把握することが可能となった.心臓サルコイドーシスにおける局在病変部位に合わせた適切な左室形成術を選択し,必要があれば僧帽弁や三尖弁手術を組み合わせることで,左室機能の改善が可能である(レベル5 ,グレードC1 ). b.外科治療の成績

左室瘤を形成していた心臓サルコイドーシス269)や,房室ブロックの既往からサルコイドーシスが疑われた症例381, 382)に対し,左室形成術を行った報告がある.また,内科治療抵抗性重症心不全に対し左室形成術を行った110例のうち,切除左室心筋や僧帽弁手術時の生検標本の組織診断から,8 例(7%)に心臓サルコイドーシスが判明したことが報告されている2).一方,非虚血性拡張型心筋症に対し左室形成術を行った報告では,NYHA(New York Heart Association; ニューヨーク心臓協会)の心機能分類III 度もしくはIV 度の重症心不全に対する待機手術61 例のうち,手術死亡は5 例(8.2%),耐術者56 例の術後1 年および4 年生存率はそれぞれ75.5% および69.3% とされ,心臓サルコイドーシスへの言及はされていない383).最近の続報では,非虚血性拡張型心筋症384 例に対する外科治療のうち,術前に診断されていた4 例を含む14 例(3.6%)が心臓サルコイドーシスであり,いずれもNYHA IV 度の内科治療抵抗性重症心不全であったこと,12 例で病変の局在部位に合わせた待機的な各種左室形成術が選択されたこと,全例に僧帽弁手術(置換5 例,形成7 例),7 例に三尖弁縫縮,1 例に心臓再同期療法が導入されたこと, 12 例中手術死亡は2 例(17%)であり,耐術者10 例には全例ステロイド治療が導入され,6 例は術後にNYHA II度まで改善したことが報告されている384).遠隔期成績は術後3 年および5 年生存率がそれぞれ65% および52% で,従来の内科治療による3 年および5 年生存率の報告(それ

表12 心臓サルコイドーシスに合併する心室頻拍に対するアブレーション治療の成績

報告患者数平均LVEF(%) VTs 発生数誘発不能(例)部分成功(例)再発(例)観察期間Koplan BA, et al. 308) 8 34 32 2/8 4/8 6/8 6~84 月Jefic D, et al. 376) 9 42 44 5/9 3/9 4/9 19.8 月Dechering DG, et al. 377) 8 36 5/8 6 月Kumar S, et al. 286) 21 36 99 9/21 10/21 18/21 1~9.5 年Naruse Y, et al. 287) 14 40 37 8/14 6/14 24~46 月LVEF:左室駆出率,VTs:心室頻拍
p.55
ぞれ50% および37%)

1)よりも良好であったとされている.

c.外科治療の限界・適応

心臓サルコイドーシスの心筋傷害部位には局在性があるが,心筋傷害が広範囲にわたって心臓全体にまで及び, viable な残存心筋が少ないと,通常の外科治療では左室機能の改善は望めない.虚血性心筋症においても,多領域にわたって心筋梗塞が繰り返され温存するべき左室側壁まで心筋傷害が及んでいれば左室形成術の成績は不良であることから385),心臓サルコイドーシスでも同様と類推される.

最新の診断技術で心筋性状の詳細な検討を加えることにより外科治療が可能になるとはいえ,viable な残存心筋が少ない場合,自己心修復は困難で危険性も高くなり,心臓移植の適応となる.米国からは,心臓サルコイドーシスでの心臓移植の成績はそれ以外の基礎疾患にくらべて悪くなく386),むしろ良好である387)との報告がある一方,コロンビア大学のAkashi らは,825 例の心臓移植のうち14 例(1.7%)が心臓サルコイドーシスで,2 例(14%)が手術死亡,1 年および5 年生存率はそれぞれ78.5% および52.4%と不良であったことを報告しており388),前述した外科治療の成績と大差がない.Akashi らの検討において術前から診断がついていた心臓サルコイドーシスでの成績はきわめて不良であったことから,心臓移植の成績の悪さは,術前診断例がより炎症性変化の強い傾向にあったことが原因であろうと考察している.また同時に,2 例(14%)に心臓サルコイドーシスの再発があったことを指摘し,注意を喚起している.

わが国においても,移植法案が改正されてから順調に移植数が増加しているが,ドナーはいまだ必要数には遠く,人工心臓補助下に長期間の待機を余儀なくされているのが現状である.重症心不全症例でも心筋性状を精査し,心筋傷害の進展範囲が局在していることが判明すれば,それに合わせた外科治療を選択することで比較的良好な遠隔期成績が期待でき,人工心臓や心臓移植を回避もしくはその適応を延期できる可能性がある.症例に応じて,左室形成術や僧帽弁形成術についても適応を検討する意義があると考えられる. d.外科治療後の留意点

陳旧性心筋梗塞などによる線維化心筋の場合と異なり,心臓サルコイドーシスでは残存病変の増悪や新規病変の出現の可能性がつねにある.ステロイド治療が大半の症例で奏効するとはいえ,感染症併発の危険性や,安定した状態でもステロイド減量により再発することもあることから,術後の長期的かつ綿密な治療継続が必須である.心臓移植手術後に心臓サルコイドーシスが再発する例も散見されることから389),外科治療後の増悪や再発に十分に注意することが肝要である.

3.2 人工心臓,心臓移植

a.心臓移植における心臓サルコイドーシス

世界的にみても,またわが国においても心臓サルコイドーシスは心臓移植の適応になりうる疾患である387, 390) (レベル5 ,グレードC1 ).2013 年の米国の報告では,1,069例の心臓移植症例のうち,心臓サルコイドーシスは19 例であった386).わが国では2014 年12 月の時点で,全222例の心臓移植例のうち心臓サルコイドーシスは3 例であり(図43)

391),上記の米国の報告と頻度においてそれほど差はない.したがって,心臓サルコイドーシスと診断された場合にも,心臓移植およびその待機中の補助人工心臓の適応を考慮すべきである. b.心臓移植,補助人工心臓の適応

心臓サルコイドーシスにおける心臓移植,補助人工心臓の適応は一般的な心疾患の適応と相違ないが,病態の性質上適応決定において注意点も存在する. i.一般的な心臓移植の適応(表13) 392) 1 運動耐容能の低下した非可逆性の心機能障害を有する

こと心臓移植の適応には,最大限の従来治療を行っても重度の心不全症状を呈し,心臓移植以外の治療法が残されていないという条件が必要である.すなわち,ACE 阻害薬やβ遮断薬などの薬物療法,心臓再同期療法,中等度以上の僧帽弁逆流がある症例における弁形成もしくは弁置換術,虚血性心筋症における血行再建術などについて,最大限の治療が試みられたのか十分に検討されている必要がある.心不全の重症度については,NYHA III 度以上であり,かつIV 度の既往があることが条件となっている.また,運動耐

拡張型心筋症拡張相肥大型心筋症拡張型/ 拘束型心筋症拘束型心筋症心筋炎後心筋症薬剤性心筋症産褥後心筋症サルコイドーシスマルファン症候群ベッカー型筋ジストロフィー不整脈原性右室心筋症虚血性心筋症先天性心疾患141 27

1 3

1 1

5 5 3 19

10 5 1

拡張型+虚血性心筋症の1 例を拡張型心筋症に分類図43 心臓移植の適応疾患(2014 年12 月時点) (日本循環器学会心臓移植委員会資料. 391)より)
p.56
容能の評価法である心肺負荷試験(peak  ·VO2 <14 mL/ kg/min)が客観的なデータとして重要である393).さらに,可逆的または移植適応がない疾患の除外が必須であり,そのために心筋生検が行われていなければならない. 2 心臓移植に耐えられる身体的環境にあること

まず,本人がドナー心を有効に生かしていくために必要なルールを十分理解できる能力を有していることを確認する.少なくとも自分で服薬管理が可能であり,生ものを食べない,禁酒・禁煙を継続するなどのルールを守れることを確認する.また,肝臓・腎臓の不可逆的機能障害や活動性感染症,薬物依存や悪性腫瘍などの絶対的除外条件,および活動性消化性潰瘍や合併症を伴うインスリン依存性糖尿病,精神疾患などの相対的除外条件が除外されている必要がある.さらに高度肥満を有さないことが望まれる394).これらはすべて移植後の成績を良好にするために必要である.肺血管抵抗が6 wood を超えるものは心肺同時移植の適応となる.重症心不全は経過中に肺血管抵抗の上昇を伴うものが多く,6 wood を下回っていたとしても高値の場合は酸素負荷試験などで可逆性を確認する395). 3 心臓移植に耐えられる社会的環境にあるか

わが国では移植までの待機期間中,カテコラミン依存の長期入院や補助人工心臓装着による長期間の待機を余儀なくされるため,患者本人の理解とともに,家族からの十分なサポートを受けられることも非常に重要となる.このため,家族による長期間のサポートが可能かどうかについて,事前に十分な検討が必要となる.経済的には,医療費はすべて医療保険給付にて賄われるが,ネットワークへの登録料,ドナー心の搬送費など医療費以外の出費があり,事前に十分説明し理解してもらうことが必要である. ii. 一般的な補助人工心臓の適応

心原性循環不全のため長期間の循環補助が必要な場合や,大動脈内バルーンパンピング,経皮的心肺補助で循環維持が困難な場合で,かつ除外条件に該当しないときに用いられる.海外におけるVAD(ventricular assist device;心室補助人工心臓)の適応は国際的レジストリーであるINTERMACS(Interagency Registry for Mechanically As-

sisted Circulatory Support)のprofile 1~7 で表現され,わが国ではINTERMACS をモデルに作成された国内レジストリーである,J-MACS(Japanese registry for Mechanically Assisted Circulatory Support)のレベル1~3 の状態がおもな適応である(表14)

396, 397).心原性ショックであるレ

ベル1 の症例には体外設置型VAD,静注強心薬で増悪もしくは安定しているレベル2 または3 の症例には植込型VAD もしくは体外設置型VAD が用いられる.レベル4 より軽症はわが国でのVAD の適応ではないが,1 週間に2回以上植込み型除細動器が適正作動する症例(modifier A)は適応と考えられている.植込型VAD の保険償還の対象は,「重症心不全患者で,薬物療法や体外式補助人工心臓等による他の循環補助法では治療が困難であって,心臓移植を行わなければ救命が困難な症例に対して心臓移植までの待機期間の循環改善のみを目的として実施されるもの」であり,移植までのつなぎ(bridge to transplantation)としての使用のみとされている.詳細な適応基準は補助人工心臓治療関連学会協議会から提言されており,日本循環器学会/ 日本心臓血管外科学会合同による「重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン」398)にも記載されている(表15)

399).

c.心臓サルコイドーシスに特有の注意点

心臓サルコイドーシスには特異的治療としてステロイド投与があり,NYHA III 度より改善しないような重症心不全であってもステロイドにより運動耐容能が改善することが報告されている194).したがって,適応評価時にステロイドが投与されていない症例ではまず投与を試みる.ステロイドに反応する残存心筋量が少ないと考えられる症例では,なぜそのような判断を行ったのかについて,画像診断を中心に申請書に詳細に記載する必要がある.さらに,サルコイドーシスは全身疾患であるため,申請時に全身性サ

表14 INTERMACS profile とJ-MACS レベル

INTERMACS J-MACS

1 Critical cardiogenic shock 重度の心原性ショック

2 Progressive decline 進行性の衰弱

3 Stable but inotrope dependent 安定した強心薬依存

4 Resting symptoms 安静時症状

5 Exertion intolerant 運動不耐容

6 Exertion limited 軽労作可能状態

7 Advanced NYHA III 安定状態

(INTERMACS.396),独立行政法人医薬品医療機器総合機構. 397)より作表)

表13 心臓移植レシピエント判定基準

I.移植以外に患者の命を助ける有効な治療手段はないのか? II.移植治療を行わない場合,どのくらい余命があると思われるか? III.移植手術後の定期的(ときには緊急的)検査とそれに基づく免疫抑制療法に心理的・身体的に十分耐えうるか? IV.患者本人が移植の必要性を認識し,これを積極的に希望するとともに家族の協力が期待できるか? (日本循環器学会心臓移植委員会.2013 392)より)
p.57
ルコイドーシスの所見がある場合は,他のサルコイドーシスが少なくとも5 年間の予後を規定しないことについて,専門医が認めることが必須である.

また,心臓サルコイドーシスは診断が難しいことから,左室補助人工心臓装着時に取得された心筋組織標本から心臓サルコイドーシスが診断されることもある378).移植登録が必要かどうかを判断するために体外設置型VAD を装着した場合は積極的にステロイドの投与を行うが,植込型VAD を装着した場合は感染リスクが心機能改善への期待を上回り,ステロイドの投与を見合わせることが多い.し

たがって,やはり心臓サルコイドーシスの診断はできるだけ植込型VAD の装着より前に行うことが望ましい.ただし,わが国ではVAD 装着後の移植待機期間が長い.待機中にとくに右室の病態進行による状態の悪化が懸念されるが,その間にステロイド投与を行うべきかについては明らかではない. d.心臓移植後

少なくとも海外の報告によれば,心臓サルコイドーシス

表15 「植込型補助人工心臓」実施基準(2010.11.16 案)

対象疾患・病態心臓移植適応基準に準じた末期的重症心不全で,対象となる基礎疾患は,拡張型および拡張相肥大型心筋症,虚血性心筋疾患,弁膜症,先天性心疾患,心筋炎後心筋症などが含まれる.

選択基準心機能NYHA:III~IV 度(IV 度の既往あり)

ステージD(重症の構造的疾患があり,最大限の内科治療にもかかわらず,安静でも明らかな心不全症状がある患者)薬物治療ジキタリス・利尿薬・ACE 阻害薬・アンジオテンシンII 受容体遮断薬・硝酸塩・β遮断薬などの最大限の治療が試みられている強心薬・補助循環ドブタミン・ドパミン・エピネフリン・ノルエピネフリン・ホスホジエステラーゼIII阻害薬などに依存,または大動脈内バルーンパンピング,体外設置型補助人工心臓などに依存年齢65 歳以下が望ましい(身体能力によっては65 歳以上も考慮する)体表面積システムにより個別に規定血行動態ステージD,NYHA IV 度の既往条件他の治療では延命が望めず,また著しくQOL が障害された患者で,治療に参加することで高いQOL が得られ,長期在宅治療が行え,社会復帰が期待できる患者治療の理解補助人工心臓の限界や併発症を理解し,家族の理解と支援が得られる

除外基準感染症重症感染症

呼吸器疾患重度の慢性閉塞性肺疾患

高度の肺高血圧症30 日以内に発症した肺動脈塞栓症

循環器疾患開心術後早期(2 週間程度)

治療不可能な腹部動脈瘤や重度の末梢血管疾患胸部大動脈瘤,心室瘤,心室中隔破裂中等度以上の大動脈弁閉鎖不全症胸部大動脈に重篤な石灰化

神経障害重度の中枢神経障害

薬物中毒またはアルコール依存の既往プロトコールに従えない,あるいは理解不能と判断されるほどの精神神経障害

その他の臓器不全重度の肝臓疾患

重度の出血傾向,高度慢性腎不全,慢性腎不全による透析症例,癌などの生命予後不良な悪性疾患,膠原病などの全身性疾患,インスリン依存性重症糖尿病

妊娠妊娠中その他著しい肥満,輸血拒否など施設内適応委員会が不適当と判断した症例

(日本臨床補助人工心臓研究会.2011 399)より)
p.58
の移植後成績はそれ以外の基礎疾患にくらべてけっして悪くはない400).2013 年の米国の報告では,心臓サルコイドーシス群とそれ以外の疾患群で,1 年間の拒絶反応回避率, 5 年間の生存率,慢性冠動脈疾患罹患率,非致死性心血管イベント回避率は同等であった386).ただし,わが国の長い移植待機期間において同等の成績を収めることができるかについては,今後の検討が必要である.

移植心に対して心臓サルコイドーシスが再発する例も報告されており389),注意が必要である.ただし,この症例は全身性サルコイドーシスにおける心臓サルコイドーシスの再発であり,心臓限局性サルコイドーシスでは再発がないとの報告がある401).今後の知見の集積が期待される. 4 治療のアルゴリズム

サルコイドーシスの死因の3 分の2 以上は心臓病変(心臓サルコイドーシス)によるとされ,心臓病変の存在はサルコイドーシスの予後を左右すると考えられる.一般に心臓病変には免疫抑制療法(副腎皮質ステロイド)が有効であり,心臓サルコイドーシスの診断がなされた場合には副腎皮質ステロイド治療を行うことが基本である.また,高度房室ブロック,重症心室性不整脈,心不全などの各種病態に対して適切な治療を行う.心臓サルコイドーシスの治療アルゴリズムを図44 に示す(レベル6 ,グレードB ).外科的治療には,心臓リモデリングに起因する僧帽弁逆流に対する形成手術や補助人工心臓が含まれる.心ポンプ機能低下の重症度にかかわらず原則的に必要と考えられる治療と,心ポンプ機能低下の重症度を考慮して行う治療があるが,詳細については各該当項目を参照されたい.

心ポンプ機能良好

図44 心臓サルコイドーシスの治療アルゴリズム

ステロイド治療,ステロイド代替療法(メトトレキサートなど)

非薬物治療薬物治療(心臓再同期療法,外科的治療)心臓移植

低下

免疫抑制療法

心不全治療

ICD抗不整脈薬カテーテルアブレーション重症心室性不整脈

高度房室ブロックペースメーカICD
p.59
V.おわりに

1 今後の課題

心臓サルコイドーシスは,現在のところその原因や発症機転の完全な解明はなされていない.しかし,わが国における発生頻度は欧米にくらべて高く,予後を規定する重要な合併症である.そのため,早期の診断と治療介入が必要となるが,他臓器での組織学的診断の確証が得られなかった場合,特異的な血清学的マーカーがないこと,ならびに心内膜心筋生検による組織学的診断の感度が低いことより,確定診断に苦慮する例も少なくない.

近年,心臓MRI や18F-FDG PET の画像診断が発達し,実臨床においても早期に心臓サルコイドーシスが疑診される症例が増加した.しかし,比較的早期に疑診できるようになったものの,依然としてより早期の確定診断や治療介入までたどりついていないのが現状である.

現在,心臓サルコイドーシスに対するアプローチを考えるうえで,1原因(病因)が不確定であること,2心臓における組織学的評価が難しいこと,3介入時期を含めた治療方針と予後が不明であること,の3 つの問題点があり,それらに関する早期の解明と展望が期待されるところである.

1.1 原因(病因)に関して

さまざまな病因論があるが,II 章 2.2 病因のトピックス(p.8)で述べられているP. acnes と心臓サルコイドーシスとの発症機転に関しては,わが国で長年研究され続けている注目すべきものである25, 77, 402).最新の画像診断の発達とともに,P. acnes 病因論と,診断および治療・予後との関連を裏づけるさらなる研究の発展が期待される.

1.2 組織学的診断に関して

近年の目覚ましい画像診断の発達により,全身のサルコイドーシスの診断・活動性の早期診断が可能となった.一

方,それらの発達により,心臓以外の臓器にサルコイドーシス所見を認めない,心臓に限局したいわゆる心臓限局性サルコイドーシスが疑診される症例も増加している194).しかし,心臓サルコイドーシスの炎症部位は,斑状かつ心筋内において全層性ではなく不均一に生じることが多いこと,さらに心内膜心筋生検におけるサンプリングエラーも多いことから,心臓における組織学的評価は困難であり,心臓限局性サルコイドーシスの確定診断に苦慮する症例も少なくない.今後,病理学的診断を重要視しつつも,臨床的な観点から早期診断・治療介入を行うために,次の2 つの観点から心臓サルコイドーシスの診断のアプローチを考えていく必要があろう. 1) 心内膜心筋生検による組織学的診断の精度を向上させるためのアプローチ

心臓MRI やPET/CT 検査,電気生理学的マッピング315)などの画像診断モダリティと,心内膜心筋生検とを併用したハイブリッド診断法を行うことで,組織採取部位の的確な同定を可能にし,組織学的診断の正診率の向上を図ることが期待される. 2)心内膜心筋生検による組織学的診断以外の補助的な診断法

病因論とも関係するが,P. acnes 感染およびそれに伴う遅延型アレルギー反応が心臓サルコイドーシス発症に深く関与しているならば403),活動期に心内膜心筋生検で得られた心臓サルコイドーシスの組織標本の心筋細胞では,その他の左室機能障害を伴う心疾患(拡張型心筋症,炎症性心疾患など)にくらべ,P. acnes に対する抗体(免疫染色)の陽性率がより高いはずである.それが証明できれば,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めず組織学的診断が困難であった場合でも,免疫学的証明が心臓サルコイドーシスの補助的診断・評価につながる可能性が期待される.

1.3 治療介入や効果判定に関して

前述のように,心臓サルコイドーシスは確定診断に組織学的評価が必要となるため,治療介入が遅れてしまうこと
p.60
が少なくない.また,現在確立した治療法は,ステロイド療法を中心とする免疫抑制療法と,合併する心不全と不整脈に対する標準的治療であるが,依然として心血管イベントが多いのが現状である.これも前述の病因論に関係するが,細菌感染やそれに伴うアレルギー反応が本疾患の発症に深く関与しているならば,ステロイド療法に加えて一部の抗菌薬の併用効果が期待されるであろう.しかし,その投与時期を含めた治療介入・効果に関する検討はなされておらず,今後の重要な検討課題であろう.またデバイス治療に関し,本ガイドラインを含めて,心機能低下や心室細動・心室頻拍などの致死性不整脈を伴わない,高度房室ブロックのみを有する心臓サルコイドーシス例にもICD 植込み術が推奨されている122, 365).今後早期診断が可能となった場合,そのような患者が増加することが予想され,本ガイドラインに準じて診断・治療を行った予後に関する前向き研究も必要である.さらなる知見の集積がまたれる.

2 まとめ

サルコイドーシスの病態理解と治療法が急速に進歩していることを反映して今回の診療ガイドラインが作成された.診療においては,まず的確に患者の病態を把握することが必要である.臨床症状,身体所見がとくに重要であることは本ガイドラインの各項においても強調されているとおりである.とくに心臓サルコイドーシスは非特異的な心症状から始まることが多く,他臓器のサルコイドーシスの診断がついていない場合もあるため,心疾患の診療に際しては

つねに本症の可能性を念頭に置いて患者の全身診療をすることが求められる.次に重要なことは,個々の病態に応じた最新で的確な治療法を用いること,また逐次その効果について適切な判断を加えて柔軟な対応をとることである.

この領域での病態理解,診療技術の進歩は著しく,ガイドラインの内容も大きく書き換えられることになった.病態把握の面では,とくに心臓限局性サルコイドーシスの病態解明が進んだ.希少な疾患であることから十分なエビデンスが重ねられたものではないが,日本心不全学会の全国調査から,わが国においてもかかる病態を呈する患者が少なからず存在することが明らかになった.新しい病態といってよい.また治療の観点からは,薬物や非薬物による心不全,不整脈治療の進歩に伴って,心臓サルコイドーシスに対する新たな治療指針が示された.今後の臨床研究から,より病態に適した治療法が選ばれ患者に応用されることが期待される.なにより大事なことは心臓サルコイドーシスを早期診断することであり,また単に心疾患の管理だけでなく,患者総体に対する集学的なアプローチを行うことである.チーム医療は本症にあっても診療の重要な鍵である.

最後に,ガイドラインはあくまで標準的な診療情報の提供であり,個々の症例における臨床的診断・治療法の決定・責任は医師,または医師と患者の双方にある.個々の患者の病態を個別に評価して,標準治療の応用を考えることが重要である.読者にはこのことを改めて認識していただき,本ガイドラインを実地診療に活用して,患者に益する診療の向上に資することを期待したい.
p.61
VI.Q&A

Q1:サルコイドーシスの頻度について教えてください. (II 章  1. サルコイドーシスの疫学) A:わが国のサルコイドーシス推定有病率は人口10 万人あたり7.5~9.3 人です.サルコイドーシスにおける心臓病変の正確な頻度は不明です.臨床的には5% 程度といわれていますが,剖検例の検討ではさらに頻度は高くなります.人種差があり,日本人には心臓病変や眼病変が多いと報告されています.

Q2:サルコイドーシスの病因は確定していますか. (II 章  2. サルコイドーシスの病因・病態) A:確定していません.P. acnes 菌説と結核菌説がありますが,前者に関して多くの知見の蓄積があり,より有力です.しかし抗菌療法の有効性は必ずしも明確ではなく,また肉芽腫という特殊な病変の結果,P. acnes が増加している可能性も否定されておらず,因果関係が証明されているとはいえません.

Q3:サルコイドーシスに発症素因はありますか. (II 章  2. サルコイドーシスの病因・病態) A:疫学的に家族集積性があり,弱いながら遺伝性があります.相関に再現性のあるものとしてHLA 抗原があり,日本人についてはDRB1*1101,DRB1*1201,DRB1*1401, DRB1*0802,DRB3*0101 などが知られています.

Q4:サルコイドーシスの診断はどのようにするのですか. (II 章  3. サルコイドーシスの診断) A: 2015 年1 月から新たに難病法が施行され,指定難病であるサルコイドーシスの診断基準が改訂されました.組織診断群と臨床診断群があります.組織診断群に関しては,類上皮細胞肉芽腫が証明され,かつ,他の肉芽腫性疾患の除外ができることが必須です.また,臨床診断群に関しては,特徴的な検査所見および全身の臓器病変が十分検討されていることが必要です.

Q5:胸部CT では肺病変の病期分類はしないのでしょうか.(II 章  4. サルコイドーシスの肺病変) A:現在用いられている病期分類は胸部X 線の所見に基づ

くものですが,ときにHRCT では胸部X 線像上の病期分類と異なる病期を示唆する情報(肺野病変や縦隔リンパ節腫脹など)が得られるため,今後HRCT による病期分類の樹立も含め比較・検討が必要と考えられます.

Q6:サルコイドーシス肺病変例(II 期,III 期)で自覚症状がない場合の治療適応はありますか.(II 章  5. サルコイドーシスの治療) A:自覚症状がなければ原則3~6ヵ月間経過を観察します.この間に呼吸機能の悪化や肺の線維化の進行がみられるか予想される場合には,ステロイド治療による介入を考慮します.粒状陰影増加などから線維化しないと考えられる場合には,必ずしもステロイド治療を必要としません.

Q7:どのようにステロイドにメトトレキサートを併用するのでしょうか.(II 章  5. サルコイドーシスの治療) A:ステロイド単剤を順調に漸減中止できそうな場合にはメトトレキサートは必要ないでしょう.プレドニゾロンを1日10~15 mg 以上でおよそ6ヵ月以上投与することが予想される場合には,その時点で少量メトトレキサートを併用することを考慮します.

Q8:心筋生検で巨細胞を伴わない肉芽腫を認めた場合,心臓サルコイドーシスと診断できますか.(III 章  1. 病理) A:かなり可能性が高いですが,念のため深切りまたは連続切片を作成して確認してください.病理的には“ 心臓サルコイドーシスの疑い” になります.

Q9:心筋生検は何個採取すればいいですか.(III 章  1. 病理) A:陽性の確率が上がるように,可能なかぎり複数個の採取が望まれます.

Q10:心臓サルコイドーシスのおもな症状は何ですか. (III 章  2.1 臨床症状) A:刺激伝導系の障害,心筋障害,ポンプ機能の障害に伴
p.62
うものがあり,不整脈,突然死,心不全症状などが重要な病状といえます.

Q11:サルコイドーシスと診断されている症例で,心臓病変の合併を示唆するバイオマーカーはありますか. (III 章  2.2 血液・尿検査(バイオマーカー)) A:高感度心臓トロポニンT やI,またBNP が心臓病変の合併の診断や治療効果の判定に有用である可能性があります.ただし,これらはサルコイドーシスに特異的なバイオマーカーではないので注意が必要です.

Q12:心臓サルコイドーシスの心電図検査では,どのような点に注意すればよいでしょうか.(III 章  2.4 心電図) A:心臓サルコイドーシスでは多彩な心電図異常や不整脈がみられ,高度房室ブロックや脚ブロックなどの刺激伝導異常や致死性心室性不整脈はとくに重要です.また,他臓器のサルコイドーシスの経過観察中に新たな心電図異常が出現することを見逃さないことが大切で,定期的検査として心電図は必須です.

Q13:心エコー図で観察される心室中隔基部の壁菲薄化を認めれば心臓サルコイドーシスと考えていいでしょうか.また中隔のどの部分で計測するのが一般的でしょうか.(III 章  2.5 心エコー図) A:心室中隔基部の壁菲薄化は,感度は低いものの特異度が高い所見ですので,典型的な壁菲薄化を認めれば心臓サルコイドーシスの可能性を考えなければなりません.しかし心エコー図だけで診断できるものではありませんので,他の検査所見も参考にしつつ確定診断を行ってください.なお壁の計測部位に関して,検出能についての論文では,弁輪から心尖部寄り10 mm の位置の壁厚が4 mm 以下であれば感度12.6%,特異度100% と報告されています.しかし大動脈弁輪直下から菲薄化が始まっている例も多く認めます.

Q14:慢性腎臓病の患者にGd 造影剤を用いた検査をすることは可能ですか.(III 章  2.6 心臓MRI) A:維持透析患者を含むeGFR 30 mL/min/1.73 m 2 未満の患者へのGd 造影剤の投与は腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis)の発症リスクを高めることから原則禁忌とされています.またeGFR 45 mL/min/1.73 m 2 未満の場合には,1検査前の補液および検査後のwash-outを図る,2急性期(手術や検査などの侵襲の直後,感染時や腎機能の増悪時など)を避ける,3Gd との構造安定性が高い造影剤を使用する,4必要量以上のGd 造影剤の投与(過剰投与)を避ける,などの注意点を守って検査に臨

む必要があります.

Q15:従来型(MRI 検査非対応)の電極の植込み機器を用いている患者が,電池交換のためMRI 対応型に変更となりました.心臓MRI 検査をしてもかまいませんか. (III 章  2.6 心臓MRI) A: 2015 年現在は,植込み機器本体および電極がともにMRI 対応型であることが必須条件となります.従来型の植込み機器や電極(MRI 非対応)を使用している場合には,心臓MRI 検査を行うことはできません.またMRI 対応の機種および電極を用いている場合の注意点として,1MRI装置の対応が機種により異なること,2検査実施施設の要件を満たしていること,などがありますので,詳細はメーカー等に問い合わせることをお勧めします.

Q16:18F-FDG PET 撮像時の注意点を教えてください. (III 章  2.7 核医学検査 a. 18F-FDG PET) A:心臓では18F-FDG の生理的集積が認められるため,偽陽性所見を排除するために撮像条件に特段の配慮が必要です.現在,1検査前12 時間以上の絶食とする,2検査前夜の食事は低炭水化物食とする,3検査直前のヘパリン投与によって血中遊離脂肪酸の上昇を図る,などを組み合わせた方法が推奨されています.

Q17:心臓サルコイドーシス以外に心臓で18F-FDG PETが陽性となる疾患(病態)はありますか.(III 章  2.7  核医学検査  a. 18F-FDG PET) A:虚血性心疾患,肥大型心筋症,心筋炎,(転移性)腫瘍,心不全などでも異常集積が観察される可能性があり,診断にはこれらの疾患の鑑別が必要です.

Q18:67Ga シンチグラフィの有用性を教えてください. (III 章  2.7  核医学検査  b. 67Ga citrate シンチグラフィ) A: 67Ga シンチグラフィは,心臓サルコイドーシスの診断において感度は低いものの特異度が高いとされています.また,SPECT 像など撮像法の進歩によって診断能が向上しています.

Q19:心筋血流シンチグラフィの有用性は何でしょうか. (III 章  2.7  核医学検査  c. 心筋血流シンチグラフィ) A:心筋血流シンチグラフィは,心臓サルコイドーシスの診断において特異性は高くありません.しかし冠動脈支配と一致しない欠損像,病変の好発部位である心室中隔や前壁基部の欠損像などが本症を疑うきっかけとなります.ま
p.63
た,心筋血流シンチグラフィ単独ではなく67Ga シンチグラフィや18F-FDG PET と組み合わせて使用され,診断率の向上に寄与しています.

Q20:左室造影の意義は何ですか.(III 章  2.8.1 左室造影,冠動脈造影) A:心臓サルコイドーシスでは,冠動脈の分布では説明できない局所壁運動異常や心室瘤を認めることがあり,本症診断に際して有用です.

Q21:心臓サルコイドーシスの診断に心筋生検は必ず必要でしょうか.(III 章  2.8.2  心筋生検) A:心臓サルコイドーシスでは,肉芽腫が心筋内に散在性に分布するため,心内膜心筋生検による組織診断率は低いのが現状です.しかし,組織学的確定診断が得られることで治療戦略がより確実になりますので,合併症を起こさないように十分配慮したうえで,心筋生検を行うことが望ましいと考えられます.

Q22:どのような場合に電気生理学的検査が必要ですか. (III 章  2.8.3  電気生理学的検査) A:左室駆出率が低下している場合,心臓MRI で遅延造影が陽性の場合,18F-FDG PET や67Ga シンチグラフィが陽性である場合に,心室性不整脈による突然死のリスク評価として行います.持続性心室頻拍や心室細動が誘発された場合はICD の植込みを行います.また,原因不明の失神がある場合,その原因が刺激伝導系の障害(徐拍)によるものか心室頻拍(頻拍)によるものかを調べるために行います.さらに,房室ブロックなどによる徐脈性不整脈に対してペースメーカ植込みが適応となる例において,上記の左室駆出率の低下,心臓MRI の陽性所見,炎症の存在が確認された場合に,心室頻拍のリスクを検査するために行います.誘発された場合はペースメーカではなくICD が必要となるからです.

Q23:HLA のタイピングをすれば,サルコイドーシスの罹患しやすさ,治療反応性などが予測できるのでしょうか.(III 章  2.9 将来展望:遺伝子学的検討) A:実際には,ハイリスクと考えられているHLA 型を有する患者は全体のごく一部であり,HLA のタイピングをすることでその予測ができるには至っていません.また近年, HLA とはまったく独立した免疫応答に働く因子が関与することも示されています.今後,これらを複合しての遺伝子診断と治療の進歩の実現が期待されます. Q24:「心臓病変を強く示唆する臨床所見」がある場合,

ただちに心臓サルコイドーシスと診断してよいのですか. (III 章  3. 診断の指針) A:ただちに診断することはできません.あくまでも,III章 3.1 の「心臓サルコイドーシスの診断指針」を満たすことが診断の条件です.この項目だけが一人歩きしないように十分な注意が必要です.他の臓器でサルコイドーシスの所見がみられない場合には,III 章 3.3 の「心臓病変で初発し心臓サルコイドーシスを疑う場合の診断手順」(図40)に従って検索を進め,III 章 3.2 の「心臓限局性サルコイドーシス診断の手引き」を用いてその可能性を検討してください.

Q25:心臓サルコイドーシスと診断された場合には,無症状であってもステロイドなどの治療の適応になるのでしょうか. A:心臓サルコイドーシスと診断された場合には,臨床症状が乏しくてもステロイド治療の適応があると考えられています.しかし,心機能の程度や副作用など,個々の患者の背景を考慮して検討します.

Q26:内服しているステロイドは中止できないのでしょうか.(IV 章  1.1 免疫抑制療法) A:心臓サルコイドーシスの病勢評価は難しく,適切な指標や画像診断は確立されていません.したがって,臨床所見,検査データ,画像所見などを総合的に判断して病勢を判断するしかありません.ステロイドを減量する段階で再燃や進行がみられることもあり,5~10 mg/ 日程度の維持量を長期にわたって継続しているのが実際です.

Q27:心臓サルコイドーシスのステロイド内服維持療法中に再燃が認められた場合はどうすればよいですか. (IV 章  1.1 免疫抑制療法) A:基本的にはプレドニゾロンの初期投与量に増量しますが,副作用等で増量が困難な場合は他の免疫抑制薬の併用を考慮します.

Q28:左室収縮機能が低下を続ける場合,ただちに免疫抑制薬を強化するべきでしょうか.(IV 章  1.2 心不全に対する治療) A:心臓での炎症が治まっていても,他の心不全病態と同様に左室リモデリングは進行し続ける可能性があります.まず,心不全に対する一般的なガイドラインで推奨されている心不全治療を確実に励行します.そのうえで心臓サルコイドーシスの活動性を評価する必要があります.免疫抑
p.64
制薬を調整するべきかどうかはその結果しだいです.

Q29:心臓サルコイドーシスの頻脈性不整脈に対して,どのような抗不整脈薬が用いられますか.(IV 章  1.3 不整脈に対する治療) A: β遮断薬やアミオダロンが候補にあげられます.ただし,本症に合併する不整脈の管理は予後にきわめて密接に結びつくため大変重要です.薬物治療は,ペースメーカや植込み型除細動器などの非薬物治療の適応をまず考慮したうえで検討することが大切です.

Q30:高度房室ブロック症例に対するステロイド治療とペースメーカ適応の優劣と治療の順番について教えてください.(IV 章  2.1 恒久ペースメーカ) A:ステロイド治療により房室伝導の回復はある程度期待できますが,房室ブロックの改善をステロイド開始前に予測することはできないこと,サルコイドーシスは進行性の疾患であるため再発が起こりうることを考慮すると,恒久ペースメーカ治療が望ましいと考えられます.また,ステロイド内服下のデバイス治療では感染リスクの上昇が懸念されることを考慮すると,原則としてペースメーカなどのデバイス植込み後にステロイド治療を開始することが望ましいと考えられます. Q31:左室駆出率50% 以上の非持続性心室頻拍例への

対応はどのようにすればいいですか.(IV 章  2.2 植込み型除細動器(ICD)) A:心機能が保たれている患者では,非持続性心室頻拍があることだけですぐにICD の適応とはなりません.ただし,病態の進行,疾患の活動性の上昇などに伴い致死性不整脈のリスクが増加する可能性は十分にあります.とくにステロイド治療を必要とする患者では綿密なフォローアップを行い,心機能の評価に加えて,症例によっては電気生理学的検査などにより不整脈基質を評価することが必要です.

Q32:心臓サルコイドーシスにおけるカテーテルアブレーションの適応は何ですか.(IV 章  2.4  カテーテルアブレーション) A:心室頻拍の発作がステロイド,抗不整脈薬によってもコントロールできない場合,薬剤を服用できない場合,あるいは発作が頻回に生じるストーム状態はカテーテルアブレーションの適応となります.

Q33:心臓サルコイドーシスの患者に心臓移植はできますか.(IV 章  3.2 人工心臓,心臓移植) A:心臓サルコイドーシスの末期心不全では心臓移植および補助人工心臓も考慮されますが,全身性炎症性疾患である病態の性質上,その適応については十分に検討,評価される必要があります.
p.65
著者雇用または指導的地位(民間企業)株主特許権

使用料謝金原稿料研究資金提供奨学(奨励)寄附金/

寄附講座その他の報酬配偶者・一親等内の親族,または収入・財産を共有する者についての申告

班員:吾妻 安良太日本ベーリンガーインゲルハイム班員:安斉 俊久大塚製薬帝人ファーマブリストル・マイヤーズスクイブ班員:石坂 信和三和化学研究所班員:磯部 光章第一三共田辺三菱製薬大塚製薬第一三共田辺三菱製薬大塚製薬小野薬品工業帝人ファーマ班員:猪又 孝元第一三共大塚製薬トーアエイヨー日本メドトロニック小野薬品工業班員:北風 政史武田薬品工業第一三共田辺三菱製薬武田薬品工業班員:草野 研吾日本メドトロニック班員:坂田 泰史大塚製薬小野薬品工業第一三共田辺三菱製薬日本ベーリンガーインゲルハイム一般社団法人日本循環器学会公益信託金沢記念心臓病研究振興基金三和化学研究所医療法人河内友紘会社会医療法人中央会尼崎中央病院エドワーズライフサイエンス富士フィルムRI ファーマアボット バスキュラー ジャパン日本メドトロニック大塚製薬バイオトロニックジャパンボストン・サイエンティフィック ジャパン社会医療法人蒼生会蒼生病院日本新薬日本ベーリンガーインゲルハイム大日本住友製薬班員:筒井 裕之MSD大塚製薬小野薬品工業第一三共武田薬品工業田辺三菱製薬帝人ファーマ日本ベーリンガーインゲルハイムバイエル薬品ファイザーブリストル・マイヤーズスクイブ医学書院メディカルレビュー社ノバルティスファーマ第一三共アステラス製薬武田薬品工業班員:中谷 敏エドワーズライフサイエンス

付表 心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン:班構成員の利益相反(COI)に関する開示
p.66
著者雇用または指導的地位(民間企業)株主特許権

使用料謝金原稿料研究資金提供奨学(奨励)寄附金/

寄附講座その他の報酬配偶者・一親等内の親族,または収入・財産を共有する者についての申告

協力員:井手 友美医療法人ひがしだクリニック協力員:岡村 英夫一般社団法人日本不整脈心電学会日本メドトロニック協力員:合屋 雅彦日本メドトロニック

協力員:副島 京子セント・ジュード・メディカル日本メドトロニック日本ベーリンガーインゲルハイム第一三共日本ベーリンガーインゲルハイム協力員:野田 崇日本メドトロニック日本メドトロニック法人表記は省略.上記以外の班員・協力員については特になし.班長:寺﨑 文生なし班員:石田 良雄なし班員:植田 初江なし班員:江石 義信なし班員:四十坊 典晴なし班員:土田 哲人なし班員:中島 崇智なし班員:堀井 泰浩なし班員:矢﨑 善一なし班員:山口 悦郎なし班員:山口 哲生なし協力員:加藤 靖周なし協力員:榊原 守なし協力員:永井 利幸なし協力員:中村 浩士なし協力員:長谷川 拓也なし協力員:森田 英晃なし
p.67
文献

1 Yazaki Y, Isobe M, Hiramitsu S, et al. Comparison of clinical

features and prognosis of cardiac sarcoidosis and idiopathic dilated cardiomyopathy. Am J Cardiol 1998; 82: 537–540. PMID: 9723651 2.  Otsuka K, Terasaki F, Eishi Y, et al. Cardiac sarcoidosis underlies idiopathic dilated cardiomyopathy: importance of mediastinal lymphadenopathy in differential diagnosis. Circ J 2007; 71: 1937– 1941. PMID: 18037750 3.  寺崎文生,北浦泰.拡張型心筋症を呈する心臓サルコイドーシス―左室縮小形成術(バチスタ手術)症例を中心に―.日サ会誌 2004; 24: 21–30. 4.  Okura Y, Dec GW, Hare JM, et al. A clinical and histopathologic comparison of cardiac sarcoidosis and idiopathic giant cell myocarditis. J Am Coll Cardiol 2003; 41: 322–329. PMID: 12535829 5.  平賀洋明,岩井和郎,廣江道昭,他.心臓サルコイドーシス診断の手引き-1992 -作成の過程について.厚生省特定疾患びまん性肺疾患調査研究班平成4 年度研究報告集 1993; 23–24. 6.  日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業びまん性肺疾患調査研究班,他.サルコイドーシス診断基準改訂委員会.サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006. 日サ会誌 2007; 27: 89–102. 7.  日本循環器学会.急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009 年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/ pdf/JCS2009_izumi_h.pdf 8.  JCS Joint Working Group. Guidelines for diagnosis and treatment of myocarditis (JCS 2009): digest version. Circ J 2011; 75: 734–743. 9.  日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会,日本呼吸器学会,日本心臓病学会,他.サルコイドーシス治療ガイドライン策定委員会.サルコイドーシス治療に関する見解-2003.日サ会誌 2003; 23: 105–114. 10.  American Thoracic Society (ATS), the European Respiratory Society (ERS), the World Association of Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorders (WASOG). Statement on sarcoidosis. Am J Respir Crit Care Med 1999; 160: 736–755. PMID: 10430755 11.  Milman N, Selroos O. Pulmonary sarcoidosis in the Nordic countries 1950–1982. Epidemiology and clinical picture. Sarcoidosis 1990; 7: 50–57. PMID: 2345819 12.  Iwai K, Sekiguti M, Hosoda Y, et al. Racial difference in cardiac sarcoidosis incidence observed at autopsy. Sarcoidosis 1994; 11: 26–31. PMID: 8036339 13.  Sawahata M, Sugiyama Y, Nakamura Y, et al. Age-related and historical changes in the clinical characteristics of sarcoidosis in Japan. Respir Med 2015; 109: 272–278. PMID: 25613109 14.  Henke CE, Henke G, Elveback LR, et al. The epidemiology of sarcoidosis in Rochester, Minnesota: a population-based study of incidence and survival. Am J Epidemiol 1986; 123: 840–845. PMID: 3962966 15.  Rybicki BA, Major M, Popovich J Jr, et al. Racial differences in sarcoidosis incidence: a 5-year study in a health maintenance organization. Am J Epidemiol 1997; 145: 234–241. PMID: 9012596 16.  森本泰介,吾妻安良太,阿部信二,他.2004 年サルコイドーシス疫学調査.日サ会誌 2007; 27: 103–108. 17.  Iwai K, Tachibana T, Takemura T, et al. Pathological studies on sarcoidosis autopsy. I. Epidemiological features of 320 cases in Japan. Acta Pathol Jpn 1993; 43: 372–376. PMID: 8372682 18.  Matsui Y, Iwai K, Tachibana T, et al. Clinicopathological study of fatal myocardial sarcoidosis. Ann N Y Acad Sci 1976; 278: 455– 469. PMID: 1067031 19.  Iwai K, Takemura T, Kitaichi M, et al. Pathological studies on sarcoidosis autopsy. II. Early change, mode of progression and death pattern. Acta Pathol Jpn 1993; 43: 377–385. PMID: 8372683 20.  Silverman KJ, Hutchins GM, Bulkley BH. Cardiac sarcoid: a clinicopathologic study of 84 unselected patients with systemic sarcoidosis. Circulation 1978; 58: 1204–1211. PMID: 709777 21.  Yazaki Y, Isobe M, Hiroe M, et al. Central Japan Heart Study Group. Prognostic determinants of long-term survival in Japanese patients with cardiac sarcoidosis treated with prednisone. Am J Cardiol 2001; 88: 1006–1010. PMID: 11703997 22.  Homma JY, Abe C, Chosa H, et al. Bacteriological investigation on biopsy specimens from patients with sarcoidosis. Jpn J Exp Med 1978; 48: 251–255. PMID: 713130 23.  Eishi Y, Suga M, Ishige I, et al. Quantitative analysis of myco-

bacterial and propionibacterial DNA in lymph nodes of Japanese and European patients with sarcoidosis. J Clin Microbiol 2002; 40: 198– 204. PMID: 11773116 24.  Minami J, Eishi Y, Ishige Y, et al. Pulmonary granulomas

caused experimentally in mice by a recombinant trigger-factor protein of Propionibacterium acnes. J Med Dent Sci 2003; 50: 265–274. PMID: 15074354 25.  Negi M, Takemura T, Guzman J, et al. Localization of Propionibacterium acnes in granulomas supports a possible etiologic link between sarcoidosis and the bacterium. Mod Pathol 2012; 25: 1284– 1297. PMID: 22596102 26.  Harada K, Tsuneyama K, Sudo Y, et al. Molecular identification of bacterial 16S ribosomal RNA gene in liver tissue of primary biliary cirrhosis: Is Propionibacterium acnes involved in granuloma formation? Hepatology 2001; 33: 530–536. PMID: 11230731 27. 平賀洋明,橋本勉,斉藤宣照,他.サルコイドーシスに対する抗生物質(L-Keflex)の二重盲検比較検討.日サ会誌 1987; 7: 103– 105. 28.  Mangiapan G, Hance AJ. Mycobacteria and sarcoidosis: an overview and summary of recent molecular biological data. Sarcoidosis 1995; 12: 20–37. PMID: 7617973 29.  Song Z, Marzilli L, Greenlee BM, et al. Mycobacterial catalase-peroxidase is a tissue antigen and target of the adaptive immune response in systemic sarcoidosis. J Exp Med 2005; 201: 755–767. PMID: 15753209 30.  Inui N, Suda T, Chida K. Use of the QuantiFERON-TB Gold test in Japanese patients with sarcoidosis. Respir Med 2008; 102: 313–315. PMID: 17980570 31.  Chen ES, Moller DR. Etiologies of Sarcoidosis. Clin Rev Allergy Immunol 2015; 49: 6–18. PMID: 25771769 32.  片岡幹男,中田安成,平松順一,他.サルコイドーシスの家族発生-本邦家族発症例の文献的考察と遺伝的素因の検討-.日サ会誌 2000; 20: 21–26. 33.  Morimoto T, Azuma A, Abe S, et al. Epidemiology of sarcoidosis in Japan. Eur Respir J 2008; 31: 372–379. PMID: 17959635 34.  Rybicki BA, Iannuzzi MC, Frederick MM, et al. ACCESS Research Group. Familial aggregation of sarcoidosis. A case-control etiologic study of sarcoidosis (ACCESS). Am J Respir Crit Care Med 2001; 164: 2085–2091. PMID: 11739139 35.  Kunikane H, Abe S, Tsuneta Y, et al. Role of HLA-DR antigens in Japanese patients with sarcoidosis. Am Rev Respir Dis 1987; 135: 688–691. PMID: 3826893 36.  Foley PJ, McGrath DS, Puscinska E, et al. Human leukocyte antigen-DRB1 position 11 residues are a common protective marker for sarcoidosis. Am J Respir Cell Mol Biol 2001; 25: 272–277. PMID: 11588003 37.  Spagnolo P, Sato H, Grutters JC, et al. Analysis of BTNL2 genetic polymorphisms in British and Dutch patients with sarcoidosis. Tissue Antigens 2007; 70: 219–227. PMID: 17661910 38.  Ishihara M, Ohno S, Ishida T, et al. Molecular genetic studies of HLA class II alleles in sarcoidosis. Tissue Antigens 1994; 43: 238– 241. PMID: 8085259 39.  Berlin M, Fogdell-Hahn A, Olerup O, et al. HLA-DR predicts the prognosis in Scandinavian patients with pulmonary sarcoidosis. Am J Respir Crit Care Med 1997; 156: 1601–1605. PMID: 9372682 40.  Hizawa N, Yamaguchi E, Furuya K, et al. The role of the C-C chemokine receptor 2 gene polymorphism V64I (CCR2-64I) in sarcoidosis in a Japanese population. Am J Respir Crit Care Med 1999; 159: 2021–2023. PMID: 10351956 41.  Tanabe T, Ishige I, Suzuki Y, et al. Sarcoidosis and NOD1 variation with impaired recognition of intracellular Propionibacterium acnes. Biochim Biophys Acta 2006; 1762: 794–801. PMID: 16935475 42.  Valentonyte R, Hampe J, Huse K, et al. Sarcoidosis is associated with a truncating splice site mutation in BTNL2. Nat Genet 2005; 37: 357–364. PMID: 15735647 43.  Nguyen T, Liu XK, Zhang Y, et al. BTNL2, a butyrophilin-like molecule that functions to inhibit T cell activation. J Immunol 2006; 176: 7354–7360. PMID: 16751379 44.  Rybicki BA, Maliarik MJ, Poisson LM, et al. Sarcoidosis and granuloma genes: a family-based study in African-Americans. Eur Respir J 2004; 24: 251–257. PMID: 15332393 45.  Hofmann S, Franke A, Fischer A, et al. Genome-wide association study identifies ANXA11 as a new susceptibility locus for sarcoidosis. Nat Genet 2008; 40: 1103–1106. PMID: 19165924 46.  Hofmann S, Fischer A, Till A, et al. GenPhenReSa Consor-

tium. A genome-wide association study reveals evidence of associa-
p.68
tion with sarcoidosis at 6p12.1. Eur Respir J 2011; 38: 1127–1135. PMID: 21540310 47.  Fischer A, Schmid B, Ellinghaus D, et al. A novel sarcoidosis risk locus for Europeans on chromosome 11q13.1. Am J Respir Crit Care Med 2012; 186: 877–885. PMID: 22837380 48.  Hofmann S, Fischer A, Nothnagel M, et al. Genome-wide association analysis reveals 12q13.3–q14.1 as new risk locus for sarcoidosis. Eur Respir J 2013; 41: 888–900. PMID: 22936702 49.  Levin AM, Iannuzzi MC, Montgomery CG, et al. Admixture fine-mapping in African Americans implicates XAF1 as a possible sarcoidosis risk gene. PLoS One 2014; 9: e92646. PMID: 24663488 50.  Kodama N, Yamaguchi E, Hizawa N, et al. Expression of RANTES by bronchoalveolar lavage cells in nonsmoking patients with interstitial lung diseases. Am J Respir Cell Mol Biol 1998; 18: 526–531. PMID: 9533940 51.  Gant VA, Shakoor Z, Barbosa IL, et al. Normal and sarcoid alveolar macrophages differ in their ability to present antigen and to cluster with autologous lymphocytes. Clin Exp Immunol 1991; 86: 494–499. PMID: 1747957 52.  Melis M, Gjomarkaj M, Pace E, et al. Increased expression of leukocyte function associated antigen-1 (LFA-1) and intercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1) by alveolar macrophages of patients with pulmonary sarcoidosis. Chest 1991; 100: 910–916. PMID: 1680610 53.  Nicod LP, Isler P. Alveolar macrophages in sarcoidosis coexpress high levels of CD86 (B7.2), CD40, and CD30L. Am J Respir Cell Mol Biol 1997; 17: 91–96. PMID: 9224214 54.  Yamaguchi E, Okazaki N, Tsuneta Y, et al. Interleukins in pulmonary sarcoidosis. Dissociative correlations of lung interleukins 1 and 2 with the intensity of alveolitis. Am Rev Respir Dis 1988; 138: 645–651. PMID: 3264477 55.  Yamaguchi E, Itoh A, Furuya K, et al. Release of tumor necrosis factor-alpha from human alveolar macrophages is decreased in smokers. Chest 1993; 103: 479–483. PMID: 8432140 56.  Itoh A, Yamaguchi E, Kuzumaki N, et al. Expression of granulocyte-macrophage colony-stimulating factor mRNA by inflammatory cells in the sarcoid lung. Am J Respir Cell Mol Biol 1990; 3: 245– 249. PMID: 2202340 57.  Robinson BW, McLemore TL, Crystal RG. Gamma interferon is spontaneously released by alveolar macrophages and lung T lymphocytes in patients with pulmonary sarcoidosis. J Clin Invest 1985; 75: 1488–1495. PMID: 3923038 58.  Hancock WW, Kobzik L, Colby AJ, et al. Detection of lymphokines and lymphokine receptors in pulmonary sarcoidosis. Immunohistologic evidence that inflammatory macrophages express IL-2 receptors. Am J Pathol 1986; 123: 1–8. PMID: 3083688 59.  Minshall EM, Tsicopoulos A, Yasruel Z, et al. Cytokine mRNA gene expression in active and nonactive pulmonary sarcoidosis. Eur Respir J 1997; 10: 2034–2039. PMID: 9311498 60.  Shigehara K, Shijubo N, Ohmichi M, et al. Increased circulating interleukin-12 (IL-12) p40 in pulmonary sarcoidosis. Clin Exp Immunol 2003; 132: 152–157. PMID: 12653850 61.  Moller DR, Forman JD, Liu MC, et al. Enhanced expression of IL-12 associated with Th1 cytokine profiles in active pulmonary sarcoidosis. J Immunol 1996; 156: 4952–4960. PMID: 8648147 62.  Tanaka H, Miyazaki N, Oashi K, et al. IL-18 might reflect disease activity in mild and moderate asthma exacerbation. J Allergy Clin Immunol 2001; 107: 331–336. PMID: 11174201 63.  Prokop S, Heppner FL, Goebel HH, et al. M2 polarized macrophages and giant cells contribute to myofibrosis in neuromuscular sarcoidosis. Am J Pathol 2011; 178: 1279–1286. PMID: 21356378 64.  Helming L, Tomasello E, Kyriakides TR, et al. Essential role of DAP12 signaling in macrophage programming into a fusion-competent state. Sci Signal 2008; 1: ra11. PMID: 18957693 65.  Kao WJ, McNally AK, Hiltner A, et al. Role for interleukin-4 in foreign-body giant cell formation on a poly(etherurethane urea) in vivo. J Biomed Mater Res 1995; 29: 1267–1275. PMID: 8557729 66.  Homma S, Nagaoka I, Abe H, et al. Localization of platelet-derived growth factor and insulin-like growth factor I in the fibrotic lung. Am J Respir Crit Care Med 1995; 152: 2084–2089. PMID: 8520779 67.  Ishioka S, Saito T, Hiyama K, et al. Increased expression of tumor necrosis factor-alpha, interleukin-6, platelet-derived growth factor-B and granulocyte-macrophage colony-stimulating factor mRNA in cells of bronchoalveolar lavage fluids from patients with sarcoidosis. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 1996; 13: 139–145. PMID: 8893383 68.  Allen JT, Knight RA, Bloor CA, et al. Enhanced insulin-like

growth factor binding protein-related protein 2 (Connective tissue growth factor) expression in patients with idiopathic pulmonary fibro- sis and pulmonary sarcoidosis. Am J Respir Cell Mol Biol 1999; 21: 693–700. PMID: 10572066 69.  Grunewald J, Olerup O, Persson U, et al. T-cell receptor vari-

able region gene usage by CD4+ and CD8+ T cells in bronchoalveolar lavage fluid and peripheral blood of sarcoidosis patients. Proc Natl Acad Sci U S A 1994; 91: 4965–4969. PMID: 7910965 70.  Lecossier D, Valeyre D, Loiseau A, et al. Antigen-induced proliferative response of lavage and blood T lymphocytes. Comparison of cells from normal subjects and patients with sarcoidosis. Am Rev Respir Dis 1991; 144: 861–868. PMID: 1928963 71.  Agostini C, Cassatella M, Zambello R, et al. Involvement of the IP-10 chemokine in sarcoid granulomatous reactions. J Immunol 1998; 161: 6413–6420. PMID: 9834133 72.  Ten Berge B, Paats MS, Bergen IM, et al. Increased IL-17A expression in granulomas and in circulating memory T cells in sarcoidosis. Rheumatology (Oxford) 2012; 51: 37–46. PMID: 22075064 73.  Furusawa H, Suzuki Y, Miyazaki Y, et al. Th1 and Th17 immune responses to viable Propionibacterium acnes in patients with sarcoidosis. Respir Investig 2012; 50: 104–109. PMID: 23021769 74.  Miyara M, Amoura Z, Parizot C, et al. The immune paradox of sarcoidosis and regulatory T cells. J Exp Med 2006; 203: 359–370. PMID: 16432251 75.  Saussine A, Tazi A, Feuillet S, et al. Active chronic sarcoidosis is characterized by increased transitional blood B cells, increased IL-10-producing regulatory B cells and high BAFF levels. PLoS One 2012; 7: e43588. PMID: 22927996 76.  Abe C, Iwai K, Mikami R, et al. Frequent isolation of Propionibacterium acnes from sarcoidosis lymph nodes. Zentralbl Bakteriol Mikrobiol Hyg A 1984; 256: 541–547. PMID: 6377763 77.  Ishige I, Usui Y, Takemura T, et al. Quantitative PCR of mycobacterial and propionibacterial DNA in lymph nodes of Japanese patients with sarcoidosis. Lancet 1999; 354: 120–123. PMID: 10408488 78.  Yamada T, Eishi Y, Ikeda S, et al. In situ localization of Propionibacterium acnes DNA in lymph nodes from sarcoidosis patients by signal amplification with catalysed reporter deposition. J Pathol 2002; 198: 541–547. PMID: 12434425 79.  Eishi Y. Etiologic aspect of sarcoidosis as an allergic endogenous infection caused by Propionibacterium acnes. Biomed Res Int 2013; 2013: 935289. PMID: 23844371 80.  厚生省びまん性肺疾患調査研究班.サルコイドーシス.難病の診断と治療指針(厚生省保険医療局疾病対策課監修). 1997; 62–65. 81.  厚生労働省びまん性肺疾患調査研究班.サルコイドーシス.難病指定医テキスト(厚生労働省健康局疾病対策課監修). 2015. 82.  日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会.サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2015. http://www.jssog.com/ www/top/shindan/shindan2-1new.html 83.  Baughman RP, Teirstein AS, Judson MA, et al. Case Control Etiologic Study of Sarcoidosis (ACCESS) research group. Clinical characteristics of patients in a case control study of sarcoidosis. Am J Respir Crit Care Med 2001; 164: 1885–1889. PMID: 11734441 84.  Baughman RP. Pulmonary sarcoidosis. Clin Chest Med 2004; 25: 521–530, vi. PMID: 15331189 85.  King TE Jr. Clinical manifestations and diagnosis of pulmonary sarcoidosis. UpToDate 2016. http://www.uptodate.com/contents/ clinical-manifestations-and-diagnosis-of-pulmonary-sarcoidosis 86.  藤本公則.サルコイドーシスの胸部画像診断.日サ会誌 2013; 33: 31–34. 87.  Hours S, Nunes H, Kambouchner M, et al. Pulmonary cavitary sarcoidosis: clinico-radiologic characteristics and natural history of a rare form of sarcoidosis. Medicine (Baltimore) 2008; 87: 142–151. PMID: 18520323 88.  Koyama T, Ueda H, Togashi K, et al. Radiologic manifestations of sarcoidosis in various organs. Radiographics 2004; 24: 87– 104. PMID: 14730039 89.  Malaisamy S, Dalal B, Bimenyuy C, et al. The clinical and radiologic features of nodular pulmonary sarcoidosis. Lung 2009; 187: 9–15. PMID: 18843518 90.  Sileo C, Epaud R, Mahloul M, et al. Sarcoidosis in children: HRCT findings and correlation with pulmonary function tests. Pediatr Pulmonol 2014; 49: 1223–1233. PMID: 24339447 91.  Paramothayan NS, Lasserson TJ, Jones PW. Corticosteroids for pulmonary sarcoidosis. Cochrane Database Syst Rev 2005; CD001114. PMID: 15846612 92.  Gibson GJ, Prescott RJ, Muers MF, et al. British Thoracic Society Sarcoidosis study: effects of long term corticosteroid treatment. Thorax 1996; 51: 238–247. PMID: 8779124 93.  Pietinalho A, Tukiainen P, Haahtela T, et al. Finnish Pulmonary

Sarcoidosis Study Group. Early treatment of stage II sarcoidosis improves 5-year pulmonary function. Chest 2002; 121: 24–31. PMID:
p.69
11796428 94.  Miller A. Of time and experience: sarcoidosis revisited. Chest

2002; 121: 3-5. PMID: 11796421 95.  Izumi T. Are corticosteroids harmful to sarcoidosis- A conclusion drawn from a retrospective study on the chest radiographic prognosis of 185 asymptomatic patients with pulmonary sarcoidosis followed up for more than 10 years. Sarcoidosis 1994; 11(Suppl 1): 119–122. 96.  Gottlieb JE, Israel HL, Steiner RM, et al. Outcome in sarcoidosis. The relationship of relapse to corticosteroid therapy. Chest 1997; 111: 623–631. PMID: 9118698 97.  Rizzato G, Montemurro L, Colombo P. The late follow-up of chronic sarcoid patients previously treated with corticosteroids. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 1998; 15: 52–58. PMID: 9572002 98.  Baughman RP, Culver DA, Judson MA. A concise review of pulmonary sarcoidosis. Am J Respir Crit Care Med 2011; 183: 573– 581. PMID: 21037016 99.  Johns CJ, Michele TM. The clinical management of sarcoidosis. A 50-year experience at the Johns Hopkins Hospital. Medicine (Baltimore) 1999; 78: 65–111. PMID: 10195091 100. Judson MA. The treatment of pulmonary sarcoidosis. Respir Med 2012; 106: 1351–1361. PMID: 22495110 101. 四十坊典晴,伊藤峰幸,市村志保,他.気管支血管束病変,空洞を伴い,ステロイド少量治療で改善した肺サルコイドーシスの1例.日サ会誌 2013; 33: 123–126. 102. Kato Y, Morimoto S, Uemura A, et al. Efficacy of corticosteroids in sarcoidosis presenting with atrioventricular block. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2003; 20: 133–137. PMID: 12870723 103. Cremers JP, Drent M, Bast A, et al. Multinational evidence-based World Association of Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorders recommendations for the use of methotrexate in sarcoidosis: integrating systematic literature research and expert opinion of sarcoidologists worldwide. Curr Opin Pulm Med 2013; 19: 545–561. PMID: 23880702 104. Vorselaars AD, Wuyts WA, Vorselaars VM, et al. Methotrexate vs azathioprine in second-line therapy of sarcoidosis. Chest 2013; 144: 805–812. PMID: 23538719 105. Nagai S, Yokomatsu T, Tanizawa K, et al. Treatment with methotrexate and low-dose corticosteroids in sarcoidosis patients with cardiac lesions. Intern Med 2014; 53: 427–433. PMID: 24583430 106. Isshiki T, Yamaguchi T, Yamada Y, et al. Usefulness of low-dose methotrexate monotherapy for treating sarcoidosis. Intern Med 2013; 52: 2727–2732. PMID: 24334575 107. Bachelez H, Senet P, Cadranel J, et al. The use of tetracyclines for the treatment of sarcoidosis. Arch Dermatol 2001; 137: 69–73. PMID: 11176663 108. 山口哲生,山口陽子,鈴木未佳,他.ドキシサイクリンによるサルコイドーシスの治療.日サ会誌 2014; 34: 31–33. 109. Michielsen HJ, Drent M, Peros-Golubicic T, et al. Fatigue is associated with quality of life in sarcoidosis patients. Chest 2006; 130: 989– 994. PMID: 17035429 110.  Hoitsma E, De Vries J, van Santen-Hoeufft M, et al. Impact of pain in a Dutch sarcoidosis patient population. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2003; 20: 33–39. PMID: 12737278 111. 村井政史,山口哲生,三潴忠道,他.漢方治療が奏効した全身症状を伴うサルコイドーシスの1 例.日呼吸誌 2012; 1: 9–13. 112.  Saito H, Yamaguchi T, Adachi Y, et al. Neurological symptoms of Sarcoidosis-induced small fiber neuropathy effectively relieved with high-dose steroid pulse therapy. Intern Med 2015; 54: 1281–1286. PMID: 25986271 113.  Yoshida Y, Morimoto S, Hiramitsu S, et al. Incidence of cardiac sarcoidosis in Japanese patients with high-degree atrioventricular block. Am Heart J 1997; 134: 382–386. PMID: 9327691 114.  Uemura A, Morimoto S, Hiramitsu S, et al. Histologic diagnostic rate of cardiac sarcoidosis: evaluation of endomyocardial biopsies. Am Heart J 1999; 138: 299–302. PMID: 10426842 115.  From AM, Maleszewski JJ, Rihal CS. Current status of endomyocardial biopsy. Mayo Clin Proc 2011; 86: 1095–1102. PMID: 22033254 116.  Valantine H, McKenna WJ, Nihoyannopoulos P, et al. Sarcoidosis: a pattern of clinical and morphological presentation. Br Heart J 1987; 57: 256–263. PMID: 3566984 117.  Roberts WC, McAllister HA Jr, Ferrans VJ. Sarcoidosis of the heart. A clinicopathologic study of 35 necropsy patients (group I) and review of 78 previously described necropsy patients (group II). Am J Med 1977; 63: 86–108. PMID: 327806 118.  Seward JB, Casaclang-Verzosa G. Infiltrative cardiovascular diseases: cardiomyopathies that look alike. J Am Coll Cardiol 2010; 55: 1769– 1779. PMID: 20413025 119.  Lagana SM, Parwani AV, Nichols LC. Cardiac sarcoidosis: a pathology-focused review. Arch Pathol Lab Med 2010; 134: 1039–1046. PMID: 20586635 120. Blauwet LA, Cooper LT. Idiopathic giant cell myocarditis and cardiac sarcoidosis. Heart Fail Rev 2013; 18: 733–746. PMID: 23111533 121. 安藤正幸,折津愈,北市正則,他.ATS/ERS/WASOG によるサルコイドーシスに関するステートメント.日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会編,安藤正幸・四元秀毅,監修.サルコイドーシスとその他の肉芽腫性疾患.克誠堂出版 2006: 295–329. 122. Birnie DH, Sauer WH, Bogun F, et al. HRS expert consensus statement on the diagnosis and management of arrhythmias associated with cardiac sarcoidosis. Heart Rhythm 2014; 11: 1305–1323. PMID: 24819193 123. Mehta D, Lubitz SA, Frankel Z, et al. Cardiac involvement in patients with sarcoidosis: diagnostic and prognostic value of outpatient testing. Chest 2008; 133: 1426–1435. PMID: 18339784 124. 加藤靖周,森本紳一郎.心臓サルコイドーシスの臨床像に関する検討~データシートを用いた多施設共同研究:中間報告.日サ会誌 2010; 30: 73–76. 125. 四十坊典晴,市村志保,伊藤峰幸,他.類上皮細胞肉芽腫を証明したサルコイドーシス516 例における各種検査所見の解析.日サ会誌 2007; 27: 29–35. 126. 清武良子,沖波聡,相馬実穂,他.サルコイドーシスの診断―新診断基準の検討.日眼会誌 2010; 114: 678–682. 127. Handa T, Nagai S, Ueda S, et al. Significance of plasma NT-proBNP levels as a biomarker in the assessment of cardiac involvement and pulmonary hypertension in patients with sarcoidosis. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2010; 27: 27–35. PMID: 21086902 128. Yasutake H, Seino Y, Kashiwagi M, et al. Detection of cardiac sarcoidosis using cardiac markers and myocardial integrated backscatter. Int J Cardiol 2005; 102: 259–268. PMID: 15982494 129. Baba Y, Kubo T, Kitaoka H, et al. Usefulness of high-sensitive cardiac troponin T for evaluating the activity of cardiac sarcoidosis. Int Heart J 2012; 53: 287–292. PMID: 23038089 130. Tanada Y, Sato Y, Sawa T, et al. Serial measurement of high-sensitivity cardiac troponin I and N-terminal proB-type natriuretic peptide in a patient presenting with cardiac sarcoidosis. Intern Med 2012; 51: 3379–3381. PMID: 23257523 131. Kandolin R, Lehtonen J, Airaksinen J, et al. Usefulness of cardiac troponins as markers of early treatment response in Cardiac Sarcoidosis. Am J Cardiol 2015; 116: 960–964. PMID: 26209113 132. Kobayashi S, Myoren T, Oda S, et al. Urinary 8-hydroxy-2’deoxyguanosine as a novel biomarker of inflammatory activity in pa-

tients with cardiac sarcoidosis. Int J Cardiol 2015; 190: 319–328. PMID: 25935620 133. Semenzato G, Cipriani A, Trentin L, et al. High serum levels of soluble interleukin-2 receptors in sarcoidosis. Sarcoidosis 1987; 4: 25–27. PMID: 3108983 134. Grutters JC, Fellrath JM, Mulder L, et al. Serum soluble interleukin-2 receptor measurement in patients with sarcoidosis: a clinical evaluation. Chest 2003; 124: 186–195. PMID: 12853522 135. Rothkrantz-Kos S, van Dieijen-Visser MP, Mulder PG, et al. Potential usefulness of inflammatory markers to monitor respiratory functional impairment in sarcoidosis. Clin Chem 2003; 49: 1510–1517. PMID: 12928233 136. 吉田幸彦,森本紳一郎,平光伸也,他.高度房室ブロック症例における心サルコイドーシスの頻度について.心臓 1995; 10: 874– 879. 137. Terasaki F, Ukimura A, Tsukada B, et al. Enhanced expression of type 1 helper T-cell cytokines in the myocardium of active cardiac sarcoidosis. Circ J 2008; 72: 1303–1307. PMID: 18654018 138. Terasaki F, Fujita M, Shimomura H, et al. Enhanced expression of myeloid-related protein complex (MRP8/14) in macrophages and multinucleated giant cells in granulomas of patients with active cardiac sarcoidosis. Circ J 2007; 71: 1545–1550. PMID: 17895549 139. Padilla ML. Cardiac sarcoidosis. In: Baughman RP, editor. Sarcoidosis (Lung Biology in Health and Disease vol.210). Taylor & Francis 2006. 140. 土田哲人.心臓サルコイドーシスの臨床像.呼吸と循環 2006; 54: 925–931. 141. Sekhri V, Sanal S, Delorenzo LJ, et al. Cardiac sarcoidosis: a comprehensive review. Arch Med Sci 2011; 7: 546–554. PMID: 22291785 142. 折津愈.診断基準と診断の進め方.日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性疾患学会編,安藤正幸・四元秀毅, 監修.サルコイドーシスとその他の肉芽腫性疾患.克誠堂出版 2006: 136–143. 143. Tsuchida A, Nanba M, Endo T, et al. Incidence of cardiac complications in sarcoidosis patients with no abnormalities on electrocardiograms. Circ J 2004; 68(Suppl 1): 626. 144. Yazaki Y, Sekiguchi M, Nunoda S, et al. Recent clinical profile of cardiac sarcoidosis cases in Japan. Sarcoidosis 1992; 9(Suppl): 399- 400. 145. 植村晃久,森本紳一郎.心臓.日本サルコイドーシス/ 肉芽腫性
p.70
疾患学会編,安藤正幸・四元秀毅, 監修.サルコイドーシスとその他の肉芽腫性疾患.克誠堂出版 2006: 72–76. 146. 加藤靖周,森本紳一郎,心臓サルコイドーシスにおける房室伝導障害.日サ会誌 2011; 31: 66–72. 147. 森本紳一郎,加藤靖周,北風政史,他,心臓サルコイドーシス134 例の臨床像について:多施設共同研究.J Cardiol 2014; (Suppl): O-209. 148. Kandolin R, Lehtonen J, Graner M, et al. Diagnosing isolated cardiac sarcoidosis. J Intern Med 2011; 270: 461–468. PMID: 21535250 149. 土田哲人,西里仁男,縣潤,他.完全房室ブロックを呈する心臓サルコイドーシス患者の臨床的特徴:左室収縮能,サルコイドーシスの活動性,および予後との関係.J Cadriol 2005; 46(Suppl 1): 344. 150. 土田哲人,長谷川徹,坂本淳,他.ペースメーカー植込み数年後に完全房室ブロックの自然改善を認めた心臓サルコイドーシスの2 症例.日サ会誌 2010; 30: 15–20. 151. 岩上直嗣,松山高明,大郷恵子,他. 正常剖検心の房室結節周リンパ管構造分布から推測される心サルコイドーシス発生様式.日サ会誌 2014: 34 (Suppl 1): 56-1. 152. Swanton RH. Sarcoidosis of the heart. Eur Heart J 1988; 9 Suppl G: 169–174. PMID: 3042416 153. 土田哲人,長谷川徹,坂本淳,他.サルコイドーシス診断後10年間の経過を経て心病変が出現した1 例.日サ会誌 2008; 28: 81– 85. 154. Furushima H, Chinushi M, Sugiura H, et al. Ventricular tachyarrhythmia associated with cardiac sarcoidosis: its mechanisms and outcome. Clin Cardiol 2004; 27: 217–222. PMID: 15119697 155. 草野研吾,伴場主一,高谷陽一,他.心臓サルコイドーシスにおける不整脈の検討.日サ会誌 2010; 30: 83–85. 156. Uusimaa P, Ylitalo K, Anttonen O, et al. Ventricular tachyarrhythmia as a primary presentation of sarcoidosis. Europace 2008; 10: 760– 766. PMID: 18456644 157. 杉江琢美,橋本尚子,岩井和郎.サルコイドーシスの経過,予後と剖検例の検討.日本臨床 1994; 52: 1567–1570. 158. 草野研吾.心臓サルコイドーシスの非薬物治療―心サルコイドーシスにおける不整脈への対応.医学のあゆみ 2013; 247: 177–181. 159. Winters SL, Cohen M, Greenberg S, et al. Sustained ventricular tachycardia associated with sarcoidosis: Assessment of the underlying cardiac anatomy and the prospective utility of programmed ventricular stimulation, drug therapy and an implantable antitachycardia device. J Am Coll Cardiol 1991; 18: 937–943. PMID: 1894867 160. 加藤靖周,森本紳一郎,平光伸也,他.診断の手引きを満たさないものの,心臓サルコイドーシスが強く疑われた2 症例.日サ会誌 1999; 19: 91–96. 161. Perry A, Vuitch F. Causes of death in patients with sarcoidosis. A morphologic study of 38 autopsies with clinicopathologic correlations. Arch Pathol Lab Med 1995; 119: 167–172. PMID: 7848065 162. Patel MR, Cawley PJ, Heitner JF, et al. Detection of myocardial damage in patients with sarcoidosis. Circulation 2009; 120: 1969–1977. PMID: 19884472 163. Sharma S. Cardiac imaging in myocardial sarcoidosis and other cardiomyopathies. Curr Opin Pulm Med 2009; 15: 507–512. PMID: 19542892 164. Yamano T, Nakatani S. Cardiac Sarcoidosis: What can we know from echocardiography? J Echocardiogr 2007; 5: 1–10. 165. 加藤靖周,森本紳一郎.サルコイドーシス心病変の診断と治療.日サ会誌 2008; 28: 15–24. 166. Yazaki Y, Isobe M, Hayasaka M, et al. Cardiac sarcoidosis mimicking hypertrophic cardiomyopathy: clinical utility of radionuclide imaging for differential diagnosis. Jpn Circ J 1998; 62: 465–468. PMID: 9652326 167. Matsumori A, Hara M, Nagai S, et al. Hypertrophic cardiomyopathy as a manifestation of cardiac sarcoidosis. Jpn Circ J 2000; 64: 679– 683. PMID: 10981852 168. Okamura H, Goto Y, Terashima M, et al. Images in cardiovascular medicine. Reversible right ventricular hypertrophy due to cardiac sarcoidosis. Circulation 2005; 111: e383–e384. PMID: 15956140 169. Lam CS, Tolep KA, Metke MP, et al. Coronary sarcoidosis presenting as acute coronary syndrome. Clin Cardiol 2009; 32: E68–E71. PMID: 19330817 170. Shiraishi J, Tatsumi T, Shimoo K, et al. Cardiac sarcoidosis mimicking right ventricular dysplasia. Circ J 2003; 67: 169–171. PMID: 12548003 171. Rubinstein I, Baum GL, Hiss Y. Cardiac tamponade as the presenting symptom of sarcoidosis. Am Heart J 1985; 109: 1387–1388. PMID: 4003247 172. Abrishami B, O’Connel C, Sharma O. Cardiac sarcoidosis with presentation of large left atrial mass. Curr Opin Pulm Med 2004; 10: 397–400. PMID: 15316439 173. Uchida M, Shinohara T, Takahashi N, et al. Interventricular septal mass in a patient with cardiac sarcoidosis. J Cardiovasc Electrophysiol 2012; 23: 433–435. PMID: 22082075 174. Burstow DJ, Tajik AJ, Bailey KR, et al. Two-dimensional echocardiographic findings in systemic sarcoidosis. Am J Cardiol 1989; 63: 478–482. PMID: 2916434 175. Joyce E, Ninaber MK, Katsanos S, et al. Subclinical left ventricular dysfunction by echocardiographic speckle-tracking strain analysis relates to outcome in sarcoidosis. Eur J Heart Fail 2015; 17: 51–62. PMID: 25431267 176. 日本循環器学会.2013 年(2014 年度実施・公表)循環器疾患診療実態調査報告書Web 版. http://www.j-circ.or.jp/jittai_chosa/jittai_ chosa2013web.pdf 177. Nureki S, Miyazaki E, Nishio S, et al. Interventricular septal thickening as an early manifestation of cardiac sarcoidosis. Int Heart J 2014; 55: 181–183. PMID: 24632961 178. Kramer CM, Barkhausen J, Flamm SD, et al. Society for Cardiovascular Magnetic Resonance Board of Trustees Task Force on Standardized Protocols. Standardized cardiovascular magnetic resonance imaging (CMR) protocols, society for cardiovascular magnetic resonance: board of trustees task force on standardized protocols. J Cardiovasc Magn Reson 2008; 10: 35. PMID: 18605997 179. Herzog B, Greenwood J, Plein S. Cardiovascular Magnetic Resonance Pocket Guide 2013. ESC working group, 2013. 180. Kim RJ, Wu E, Rafael A, et al. The use of contrast-enhanced magnetic resonance imaging to identify reversible myocardial dysfunction. N Engl J Med 2000; 343: 1445–1453. PMID: 11078769 181. Kim RJ, Fieno DS, Parrish TB, et al. Relationship of MRI delayed contrast enhancement to irreversible injury, infarct age, and contractile function. Circulation 1999; 100: 1992–2002. PMID: 10556226 182. Smedema JP, Snoep G, van Kroonenburgh MP, et al. Evaluation of the accuracy of gadolinium-enhanced cardiovascular magnetic resonance in the diagnosis of cardiac sarcoidosis. J Am Coll Cardiol 2005; 45: 1683–1690. PMID: 15893188 183. Tadamura E, Yamamuro M, Kubo S, et al. Effectiveness of delayed enhanced MRI for identification of cardiac sarcoidosis: comparison with radionuclide imaging. AJR Am J Roentgenol 2005; 185: 110– 115. PMID: 15972409 184. Watanabe E, Kimura F, Nakajima T, et al. Late gadolinium enhancement in cardiac sarcoidosis: characteristic magnetic resonance findings and relationship with left ventricular function. J Thorac Imaging 2013; 28: 60–66. PMID: 23249970 185. Yang Y, Safka K, Graham JJ, et al. Correlation of late gadolinium enhancement MRI and quantitative T2 measurement in cardiac sarcoidosis. J Magn Reson Imaging 2014; 39: 609–616. PMID: 23720077 186. Ichinose A, Otani H, Oikawa M, et al. MRI of cardiac sarcoidosis: basal and subepicardial localization of myocardial lesions and their effect on left ventricular function. AJR Am J Roentgenol 2008; 191: 862–869. PMID: 18716120 187. Donsky AS, Escobar J, Capehart J, et al. Heart transplantation for undiagnosed cardiac sarcoidosis. Am J Cardiol 2002; 89: 1447–1450. PMID: 12062749 188. Greulich S, Deluigi CC, Gloekler S, et al. CMR imaging predicts death and other adverse events in suspected cardiac sarcoidosis. JACC Cardiovasc Imaging 2013; 6: 501–511. PMID: 23498675 189. Nagai T, Kohsaka S, Okuda S, et al. Incidence and prognostic significance of myocardial late gadolinium enhancement in patients with sarcoidosis without cardiac manifestation. Chest 2014; 146: 1064– 1072. PMID: 24853830 190. Ise T, Hasegawa T, Morita Y, et al. Extensive late gadolinium enhancement on cardiovascular magnetic resonance predicts adverse outcomes and lack of improvement in LV function after steroid therapy in cardiac sarcoidosis. Heart 2014; 100: 1165–1172. PMID: 24829369 191. Shafee MA, Fukuda K, Wakayama Y, et al. Delayed enhancement on cardiac magnetic resonance imaging is a poor prognostic factor in patients with cardiac sarcoidosis. J Cardiol 2012; 60: 448–453. PMID: 22944174 192. 日本心臓核医学会.心臓サルコイドーシスに対する18F FDG PET検査の手引き.心臓核医学 2013; 15: 35–47. 193. Ishida Y, Yoshinaga K, Miyagawa M, et al. Recommendations for (18)F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography imaging for cardiac sarcoidosis: Japanese Society of Nuclear Cardiology recommendations. Ann Nucl Med 2014; 28: 393–403. PMID: 24464391 194. Isobe M, Tezuka D. Isolated cardiac sarcoidosis: clinical characteristics, diagnosis and treatment. Int J Cardiol 2015; 182: 132–140. PMID: 25577749 195. Schneider S, Batrice A, Rischpler C, et al. Utility of multimodal cardiac imaging with PET/MRI in cardiac sarcoidosis: implications for diagnosis, monitoring and treatment. Eur Heart J 2014; 35: 312. PMID: 23975480
p.71
196. White JA, Rajchl M, Butler J, et al. Active cardiac sarcoidosis: first clinical experience of simultaneous positron emission tomography--magnetic resonance imaging for the diagnosis of cardiac disease. Circulation 2013; 127: e639–e641. PMID: 23733970 197. Yazaki Y. The diagnostic dilemma of isolated cardiac sarcoidosis. Intern Med 2013; 52: 1–2. PMID: 23291666 198. Miyazaki S, Funabashi N, Nagai T, et al. Cardiac sarcoidosis complicated with atrioventricular block and wall thinning, edema and fibrosis in left ventricle: confirmed recovery to normal sinus rhythm and visualization of edema improvement by administration of predonisolone. Int J Cardiol 2011; 150: e4–e10. PMID: 19540005 199. Shimada T, Shimada K, Sakane T, et al. Diagnosis of cardiac sarcoidosis and evaluation of the effects of steroid therapy by gadolinium-DTPA-enhanced magnetic resonance imaging. Am J Med 2001; 110: 520–527. PMID: 11343665 200. Moon JC, Messroghli DR, Kellman P, et al; Society for Cardiovascular Magnetic Resonance Imaging; Cardiovascular Magnetic Resonance Working Group of the European Society of Cardiology. Myocardial T1 mapping and extracellular volume quantification: a Society for Cardiovascular Magnetic Resonance (SCMR) and CMR Working Group of the European Society of Cardiology consensus statement. J Cardiovasc Magn Reson 2013; 15: 92. PMID: 24124732 201. Nakano S, Kimura F, Osman N, et al. Improved myocardial strain measured by strain-encoded magnetic resonance imaging in a patient with cardiac sarcoidosis. Can J Cardiol 2013; 29: 1531.e9–e11. PMID: 23642331 202. Hamlin SA, Henry TS, Little BP, et al. Mapping the future of cardiac MR imaging: case-based review of T1 and T2 mapping techniques. Radiographics 2014; 34: 1594–1611. PMID: 25310419 203. Pellegrino D, Bonab AA, Dragotakes SC, et al. Inflammation and infection: imaging properties of

18F-FDG-labeled white blood cells versus

18F-FDG. J Nucl Med 2005; 46: 1522–1530. PMID: 16157536 204. Koiwa H, Tsujino I, Ohira H, et al. Images in cardiovascular medicine: Imaging of cardiac sarcoid lesions using fasting cardiac 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography: an autopsy case. Circulation 2010; 122: 535–536. PMID: 20679583 205. Mochizuki T, Tsukamoto E, Kuge Y, et al. FDG uptake and glucose transporter subtype expressions in experimental tumor and inflammation models. J Nucl Med 2001; 42: 1551–1555. PMID: 11585872 206. Lewis PJ, Salama A. Uptake of fluorine-18-fluorodeoxyglucose in sarcoidosis. J Nucl Med 1994; 35: 1647–1649. PMID: 7931664 207. Yasuda S, Shohtsu A, Ide M, et al. High fluorine-18 labeled deoxyglucose uptake in sarcoidosis. Clin Nucl Med 1996; 21: 983–984. PMID: 8957624 208. Sobic-Saranovic D, Grozdic I, Videnovic-Ivanov J, et al. The utility of

18F-FDG PET/CT for diagnosis and adjustment of therapy in patients with active chronic sarcoidosis. J Nucl Med 2012; 53: 1543– 1549. PMID: 22879080 209. Ambrosini V, Fasano L, Zompatori M, et al. 18F-FDG PET/CT detects systemic involvement in sarcoidosis. Eur J Nucl Med Mol Imaging 2011; 38: 2102. PMID: 21547600 210. Nuutila P, Koivisto VA, Knuuti J, et al. Glucose-free fatty acid cycle operates in human heart and skeletal muscle in vivo. J Clin Invest 1992; 89: 1767–1774. PMID: 1601987 211.  Ohira H, Tsujino I, Yoshinaga K. 18F-Fluoro-2-deoxyglucose positron emission tomography in cardiac sarcoidosis. Eur J Nucl Med Mol Imaging 2011; 38: 1773–1783. PMID: 21559980 212.  Nishiyama Y, Yamamoto Y, Fukunaga K, et al. Comparative evaluation of

18F-FDG PET and 67Ga scintigraphy in patients with sarcoidosis. J Nucl Med 2006; 47: 1571–1576. PMID: 17015889 213. Morooka M, Moroi M, Uno K, et al. Long fasting is effective in inhibiting physiological myocardial

18F-FDG uptake and for evaluating active lesions of cardiac sarcoidosis. EJNMMI Res 2014; 4: 1. PMID: 24382020 214. Tahara N, Tahara A, Nitta Y, et al. Heterogeneous myocardial FDG uptake and the disease activity in cardiac sarcoidosis. JACC Cardiovasc Imaging 2010; 3: 1219–1228. PMID: 21163450 215. Ahmadian A, Brogan A, Berman J, et al. Quantitative interpretation of FDG PET/CT with myocardial perfusion imaging increases diagnostic information in the evaluation of cardiac sarcoidosis. J Nucl Cardiol 2014; 21: 925–939. PMID: 24879453 216.  Yokoyama R, Miyagawa M, Okayama H, et al. Quantitative analysis of myocardial

18F-fluorodeoxyglucose uptake by PET/CT for detection of cardiac sarcoidosis. Int J Cardiol 2015; 195: 180–187. PMID: 26043154 217. 石田良雄,木曾啓祐,植田初江.F-18 FDG PET による心臓サルコイドーシスの診断-有効性と限界-.日サ会誌 2010; 30: 77–80. 218. Chen S, Bokhari S. Diagnosis of cardiac sarcoidosis through mismatched defects seen on N-13 NH3/F-18 FDG cardiac PET. Clin Nucl Med 2011; 36: 1156–1157. PMID: 22064101 219. Brancato SC, Arrighi JA. Fasting FDG PET compared to MPI SPECT in cardiac sarcoidosis. J Nucl Cardiol 2011; 18: 371–374. PMID: 21318450 220. Yamagishi H, Shirai N, Takagi M, et al. Identification of cardiac sarcoidosis with

13N-NH3/ 18F-FDG PET. J Nucl Med 2003; 44: 1030– 1036. PMID: 12843216 221. Kosuge H, Noda M, Kakuta T, et al. Left ventricular apical aneurysm in cardiac sarcoidosis. Jpn Heart J 2001; 42: 265–269. PMID: 11384087 222. Egashira T, Makino S, Kunitomi A, et al. Necessity for rule out coronary artery disease with the positive findings of

18F-FDG-PET in case of systemic sarcoidosis. Int J Cardiol 2014; 172: e401–e402. PMID: 24461987 223. Tung R, Bauer B, Schelbert H, et al. Incidence of abnormal positron emission tomography in patients with unexplained cardiomyopathy and ventricular arrhythmias: The potential role of occult inflammation in arrhythmogenesis. Heart Rhythm 2015; 12: 2488–2498. PMID: 26272522 224. Berry JJ, Baker JA, Pieper KS, et al. The effect of metabolic milieu on cardiac PET imaging using fluorine-18-deoxyglucose and nitrogen-13-ammonia in normal volunteers. J Nucl Med 1991; 32: 1518– 1525. PMID: 1869972 225. Bartlett ML, Bacharach SL, Voipio-Pulkki LM, et al. Artifactual inhomogeneities in myocardial PET and SPECT scans in normal subjects. J Nucl Med 1995; 36: 188–195. PMID: 7830111 226. Gropler RJ, Siegel BA, Lee KJ, et al. Nonuniformity in myocardial accumulation of fluorine-18-fluorodeoxyglucose in normal fasted humans. J Nucl Med 1990; 31: 1749–1756. PMID: 2230987 227. Ishida Y, Yasumura Y, Fukuchi K, et al. Increased myocardial glucose utilization in the fasting state as a metabolic indicator of severity of heart failure: a study by F-18 FDG PET. In: Nagara T, Tsukamoto E, Kuge Y, et al. editors. Positron emission tomography in the millennium. Elsevier Science 2000. 121–126. 228. Dávila-Román VG, Vedala G, Herrero P, et al. Altered myocardial fatty acid and glucose metabolism in idiopathic dilated cardiomyopathy. J Am Coll Cardiol 2002; 40: 271–277. PMID: 12106931 229. Langah R, Spicer K, Gebregziabher M, et al. Effectiveness of prolonged fasting 18f-FDG PET-CT in the detection of cardiac sarcoidosis. J Nucl Cardiol 2009; 16: 801–810. PMID: 19548047 230. Ohira H, Tsujino I, Ishimaru S, et al. Myocardial imaging with 18F-fluoro-2-deoxyglucose positron emission tomography and magnetic resonance imaging in sarcoidosis. Eur J Nucl Med Mol Imaging 2008; 35: 933–941. PMID: 18084757 231. Okumura W, Iwasaki T, Toyama T, et al. Usefulness of fasting 18F-FDG PET in identification of cardiac sarcoidosis. J Nucl Med 2004; 45: 1989–1998. PMID: 15585472 232. Ishimaru S, Tsujino I, Takei T, et al. Focal uptake on 18F-fluoro-2-deoxyglucose positron emission tomography images indicates cardiac involvement of sarcoidosis. Eur Heart J 2005; 26: 1538–1543. PMID: 15809286 233. Youssef G, Leung E, Mylonas I, et al. The use of 18F-FDG PET in the diagnosis of cardiac sarcoidosis: a systematic review and metaanalysis including the Ontario experience. J Nucl Med 2012; 53: 241–248. PMID: 22228794 234. Mc Ardle BA, Birnie DH, Klein R, et al. Is there an association between clinical presentation and the location and extent of myocardial involvement of cardiac sarcoidosis as assessed by

18F- fluorodeoxyglucose positron emission tomography? Circ Cardiovasc Imaging 2013; 6: 617–626. PMID: 23884290 235. Blankstein R, Osborne M, Naya M, et al. Cardiac positron emission tomography enhances prognostic assessments of patients with suspected cardiac sarcoidosis. J Am Coll Cardiol 2014; 63: 329–336. PMID: 24140661 236. 石田良雄.心サルコイドーシスの治療と心臓核医学検査.心臓核医学の実践的応用―症例と解説―.メディカルレビュー社 2010: 111–113. 237. Osborne MT, Hulten EA, Singh A, et al. Reduction in 18F-fluorodeoxyglucose uptake on serial cardiac positron emission tomography is associated with improved left ventricular ejection fraction in patients with cardiac sarcoidosis. J Nucl Cardiol 2014; 21: 166–174. PMID: 24307261 238. Lynch JP 3rd, Hwang J, Bradfield J, et al. Cardiac involvement in sarcoidosis: evolving concepts in diagnosis and treatment. Semin Respir Crit Care Med 2014; 35: 372–390. PMID: 25007089 239. Niden AH, Mishkin FS, Khurana MM. 67Gallium citrate lung scans in interstitial lung disease. Chest 1976; 69: 266–268. PMID: 1248302 240. Line BR, Hunninghake GW, Keogh BA, et al. Gallium-67 scanning to stage the alveolitis of sarcoidosis: correlation with clinical studies, pulmonary function studies, and bronchoalveolar lavage. Am Rev Respir Dis 1981; 123: 440–446. PMID: 7224356 241. Weiner R, Hoffer PB, Thakur ML. Lactoferrin: its role as a Ga-67-
p.72
binding protein in polymorphonuclear leukocytes. J Nucl Med 1981; 22: 32–37. PMID: 7452353 242. Sulavik SB, Spencer RP, Weed DA, et al. Recognition of distinctive patterns of gallium-67 distribution in sarcoidosis. J Nucl Med 1990; 31: 1909–1914. PMID: 2266386 243. Keijsers RG, van den Heuvel DA, Grutters JC. Imaging the inflammatory activity of sarcoidosis. Eur Respir J 2013; 41: 743–751. PMID: 23018903 244. Schatka I, Bengel FM. Advanced imaging of cardiac sarcoidosis. J Nucl Med 2014; 55: 99–106. PMID: 24232870 245. Okayama K, Kurata C, Tawarahara K, et al. Diagnostic and prognostic value of myocardial scintigraphy with thallium-201 and gallium-67 in cardiac sarcoidosis. Chest 1995; 107: 330–334. PMID: 7842756 246. Taki J, Nakajima K, Bunko H, et al. Cardiac sarcoidosis demonstrated by Tl-201 and Ga-67 SPECT imaging. Clin Nucl Med 1990; 15: 636– 639. PMID: 2208885 247. Tawarahara K, Kurata C, Okayama K, et al. Thallium-201 and gallium 67 single photon emission computed tomographic imaging in cardiac sarcoidosis. Am Heart J 1992; 124: 1383–1384. PMID: 1442515 248. Nakazawa A, Ikeda K, Ito Y, et al. Usefulness of dual 67Ga and 99mTc-sestamibi single-photon-emission CT scanning in the diagnosis of cardiac sarcoidosis. Chest 2004; 126: 1372–1376. PMID: 15486407 249. Momose M, Kadoya M, Koshikawa M, et al. Usefulness of 67Ga SPECT and integrated low-dose CT scanning (SPECT/CT) in the diagnosis of cardiac sarcoidosis. Ann Nucl Med 2007; 21: 545–551. PMID: 18092130 250. Kiso K, Hashimura K, Ishida Y, et al. Clinical utility of hybrid SPECT/CT system for the diagnosis of cardiac sarcoidosis. Circ J 2010; 74(Suppl I): 293–294. 251. Bulkley BH, Rouleau JR, Whitaker JQ, et al. The use of 201thallium for myocardial perfusion imaging in sarcoid heart disease. Chest 1977; 72: 27–32. PMID: 872650 252. Kinney EL, Jackson GL, Reeves WC, et al. Thallium-scan myocardial defects and echocardiographic abnormalities in patients with sarcoidosis without clinical cardiac dysfunction. An analysis of 44 patients. Am J Med 1980; 68: 497–503. PMID: 7369231 253. Hirose Y, Ishida Y, Hayashida K, et al. Myocardial involvement in patients with sarcoidosis. An analysis of 75 patients. Clin Nucl Med 1994; 19: 522–526. PMID: 8062473 254. Forman MB, Sandler MP, Sacks GA, et al. Radionuclide imaging in myocardial sarcoidosis. Demonstration of myocardial uptake of technetium pyrophosphate

99m and gallium. Chest 1983; 83: 578–580. PMID: 6297857 255. Le Guludec D, Menad F, Faraggi M, et al. Myocardial sarcoidosis. Clinical value of technetium-99m sestamibi tomoscintigraphy. Chest 1994; 106: 1675–1682. PMID: 7988183 256. Eguchi M, Tsuchihashi K, Hotta D, et al. Technetium-99m sestamibi/ tetrofosmin myocardial perfusion scanning in cardiac and noncardiac sarcoidosis. Cardiology 2000; 94: 193–199. PMID: 11279326 257. Tellier P, Paycha F, Antony I, et al. Reversibility by dipyridamole of thallium-201 myocardial scan defects in patients with sarcoidosis. Am J Med 1988; 85: 189–193. PMID: 3400694 258. Tellier P, Valeyre D, Nitenberg A, et al. Cardiac sarcoidosis: reversion of myocardial perfusion abnormalities by dipyridamole. Eur J Nucl Med 1985; 11: 201–204. PMID: 4076228 259. Butany J, Bahl NE, Morales K, et al. The intricacies of cardiac sarcoidosis: a case report involving the coronary arteries and a review of the literature. Cardiovasc Pathol 2006; 15: 222–227. PMID: 16844554 260. Barton JH, Tavora F, Farb A, et al. Unusual cardiovascular manifestations of sarcoidosis, a report of three cases: coronary artery aneurysm with myocardial infarction, symptomatic mitral valvular disease, and sudden death from ruptured splenic artery. Cardiovasc Pathol 2010; 19: e119–e123. PMID: 19502084 261. 日本循環器学会.拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症の診療に関するガイドライン.http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/ JCS2011_tomoike_h.pdf 262. Fox KF, Cowie MR, Wood DA, et al. Coronary artery disease as the cause of incident heart failure in the population. Eur Heart J 2001; 22: 228–236. PMID: 11161934 263. Arques S, Ambrosi P, Gelisse R, et al. Prevalence of angiographic coronary artery disease in patients hospitalized for acute diastolic heart failure without clinical and electrocardiographic evidence of myocardial ischemia on admission. Am J Cardiol 2004; 94: 133–135. PMID: 15219526 264. Kurtz CE, Gerber Y, Weston SA, et al. Use of ejection fraction tests and coronary angiography in patients with heart failure. Mayo Clin Proc 2006; 81: 906–913. PMID: 16835970 265. Bluemke DA, Achenbach S, Budoff M, et al. Noninvasive coronary artery imaging: magnetic resonance angiography and multidetector computed tomography angiography: a scientific statement from the american heart association committee on cardiovascular imaging and intervention of the council on cardiovascular radiology and intervention, and the councils on clinical cardiology and cardiovascular disease in the young. Circulation 2008; 118: 586–606. PMID: 18586979 266. Lynch JP 3rd, Sharma OP, Baughman RP. Extrapulmonary sarcoidosis. Semin Respir Infect 1998; 13: 229–254. PMID: 9764954 267. Sato T, Kanzaki H, Ishida Y, et al. Second left ventricular aneurysm newly developed in a patient with untreated cardiac sarcoidosis. Circ J 2010; 74: 2477–2478. PMID: 20890051 268. Candell Riera J, Bardají Ruiz A, Sangristá Sauleda J, et al. [Left ventricular aneurysm in sarcoidosis. Its detection by isotopic ventriculography]. Rev Esp Cardiol 1986; 39: 151–153. PMID: 3726242 269. Miyahara S, Mukohara N, Morimoto N, et al. Left ventricular restoration for cardiac sarcoidosis: report of two cases. Surg Today 2014; 44: 568–571. PMID: 23271666 270. Altay H, Altin C, Coner A, et al. Normal coronary artery patient presenting with left ventricular aneurysm. Case Rep Med 2011; 2011: 183050. PMID: 21845194 271. Marks A, Anderson MH, Harrison NK. Ventricular aneurysm secondary to sarcoid disease. Heart 2004; 90: 694. PMID: 15145887 272. Toda G, Iliev II, Kawahara F, et al. Left ventricular aneurysm without coronary artery disease, incidence and clinical features: clinical analysis of 11 cases. Intern Med 2000; 39: 531–536. PMID: 10888207 273. Miyazawa K, Yoshikawa T, Takamisawa I, et al. Presence of ventricular aneurysm predicts poor clinical outcomes in patients with cardiac sarcoidosis. Int J Cardiol 2014; 177: 720–722. PMID: 25456577 274. Sakakibara S, Konno S. Endomyocardial biopsy. Jpn Heart J 1962; 3: 537–543. PMID: 13990927 275. Ardehali H, Howard DL, Hariri A, et al. A positive endomyocardial biopsy result for sarcoid is associated with poor prognosis in patients with initially unexplained cardiomyopathy. Am Heart J 2005; 150: 459–463. PMID: 16169324 276. Morimoto S, Kato S, Hiramitsu S, et al. Narrowing of the left ventricular cavity associated with transient ventricular wall thickening reduces stroke volume in patients with acute myocarditis. Circ J 2003; 67: 490–494. PMID: 12808264 277. Cooper LT, Baughman KL, Feldman AM, et al. The role of endomyocardial biopsy in the management of cardiovascular disease: a scientific statement from the American Heart Association, the American College of Cardiology, and the European Society of Cardiology. Endorsed by the Heart Failure Society of America and the Heart Failure Association of the European Society of Cardiology. J Am Coll Cardiol 2007; 50: 1914–1931. PMID: 17980265 278. Falk HR, Hershberger ER. The dilated, restrictive, and infiltrative cardiomyopathies. In: Mann LD, Zipes PD, Libby P, et al, editors. Braunwald’s Heart Disease 10th edn. Elservier Saunders 2015. 1551– 1573. 279. Hiramitsu S, Hiroe M, Morimoto S, et al. National survey of the use of endomyocardial biopsy in Japan. Jpn Circ J 1998; 62: 909–912. PMID: 9890204 280. Tsang TS, Freeman WK, Barnes ME, et al. Rescue echocardiographically guided pericardiocentesis for cardiac perforation complicating catheter-based procedures. The Mayo Clinic experience. J Am Coll Cardiol 1998; 32: 1345–1350. PMID: 9809946 281. Casella M, Pizzamiglio F, Dello Russo A, et al. Feasibility of combined unipolar and bipolar voltage maps to improve sensitivity of endomyocardial biopsy. Circ Arrhythm Electrophysiol 2015; 8: 625– 632. PMID: 25829163 282. 森本紳一郎,植村晃久,平光伸也.心臓サルコイドーシス診断の手引きの改訂.呼吸と循環 2006; 54: 955–961. 283. 田中伴典.サルコイドーシス/肉芽腫性肺疾患の病理.日サ会誌2013; 33: 23–26. 284. Kul S, Ozcelik HK, Uyarel H, et al. Diagnostic value of strain echocardiography, galectin-3, and tenascin-C levels for the identification of patients with pulmonary and cardiac sarcoidosis. Lung 2014; 192: 533–542. PMID: 24777587 285. Banba K, Kusano KF, Nakamura K, et al. Relationship between arrhythmogenesis and disease activity in cardiac sarcoidosis. Heart Rhythm 2007; 4: 1292–1299. PMID: 17905334 286. Kumar S, Barbhaiya C, Nagashima K, et al. Ventricular tachycardia in cardiac sarcoidosis: characterization of ventricular substrate and outcomes of catheter ablation. Circ Arrhythm Electrophysiol 2015; 8: 87–93. PMID: 25527825 287. Naruse Y, Sekiguchi Y, Nogami A, et al. Systematic treatment approach to ventricular tachycardia in cardiac sarcoidosis. Circ Arrhythm Electrophysiol 2014; 7: 407–413. PMID: 24837644 288. Mezaki T, Chinushi M, Washizuka T, et al. Discrepancy between in-
p.73
ducibility of ventricular tachycardia and activity of cardiac sarcoidosis. Requirement of defibrillator implantation for the inactive stage of cardiac sarcoidosis. Intern Med 2001; 40: 731–735. PMID: 11518112 289. Nadel J, Lancefield T, Voskoboinik A, et al. Late gadolinium enhancement identified with cardiac magnetic resonance imaging in sarcoidosis patients is associated with long-term ventricular arrhythmia and sudden cardiac death. Eur Heart J Cardiovasc Imaging 2015; 16: 634–641. PMID: 25617029 290. Huang PL, Brooks R, Carpenter C, et al. Antiarrhythmic therapy guided by programmed electrical stimulation in cardiac sarcoidosis with ventricular tachycardia. Am Heart J 1991; 121: 599–601. PMID: 1990769 291.  Aizer A, Stern EH, Gomes JA, et al. Usefulness of programmed ventricular stimulation in predicting future arrhythmic events in patients with cardiac sarcoidosis. Am J Cardiol 2005; 96: 276–282. PMID: 16018857 292. Mehta D, Mori N, Goldbarg SH, et al. Primary prevention of sudden cardiac death in silent cardiac sarcoidosis: role of programmed ventricular stimulation. Circ Arrhythm Electrophysiol 2011; 4: 43–48. PMID: 21193539 293. Sato H, Woodhead FA, Ahmad T, et al. Sarcoidosis HLA class II genotyping distinguishes differences of clinical phenotype across ethnic groups. Hum Mol Genet 2010; 19: 4100–4111. PMID: 20685690 294. Pasturenzi L, Martinetti M, Cuccia M, et al. HLA class I, II, and III polymorphism in Italian patients with sarcoidosis. The Pavia-Padova Sarcoidosis Study Group. Chest 1993; 104: 1170–1175. PMID: 8404186 295. Gardner J, Kennedy HG, Hamblin A, et al. HLA associations in sarcoidosis: a study of two ethnic groups. Thorax 1984; 39: 19–22. PMID: 6582657 296. 石原麻美.サルコイドーシスの疾患感受性遺伝子に関する研究.日サ会誌 2013; 33: 11–17. 297. Rybicki BA, Walewski JL, Maliarik MJ, et al. ACCESS Research Group. The BTNL2 gene and sarcoidosis susceptibility in African Americans and Whites. Am J Hum Genet 2005; 77: 491–499. PMID: 16080124 298. Levin AM, Iannuzzi MC, Montgomery CG, et al. Association of ANXA11 genetic variation with sarcoidosis in African Americans and European Americans. Genes Immun 2013; 14: 13–18. PMID: 23151485 299. Wijnen PA, Cremers JP, Nelemans PJ, et al. Association of the TNFα G-308A polymorphism with TNF-inhibitor response in sarcoidosis. Eur Respir J 2014; 43: 1730–1739. PMID: 24558177 300. Langrish CL, Chen Y, Blumenschein WM, et al. IL-23 drives a pathogenic T cell population that induces autoimmune inflammation. J Exp Med 2005; 201: 233–240. PMID: 15657292 301. Facco M, Cabrelle A, Teramo A, et al. Sarcoidosis is a Th1/Th17 multisystem disorder. Thorax 2011; 66: 144–150. PMID: 21139119 302. Huang H, Lu Z, Jiang C, et al. Imbalance between Th17 and regulatory T-Cells in sarcoidosis. Int J Mol Sci 2013; 14: 21463–21473. PMID: 24177566 303. Fischer A, Ellinghaus D, Nutsua M, et al. GenPhenReSa Consortium. Identification of Immune-Relevant Factors Conferring Sarcoidosis Genetic Risk. Am J Respir Crit Care Med 2015; 192: 727–736. PMID: 26051272 304. Judson MA, Baughman RP, Teirstein AS, et al. Defining organ involvement in sarcoidosis: the ACCESS proposed instrument. AC- CESS Research Group. A Case Control Etiologic Study of Sarcoidosis. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 1999; 16: 75–86. PMID: 10207945 305. Judson MA, Costabel U, Drent M, et al. The WASOG Sarcoidosis Organ Assessment Instrument: An update of a previous clinical tool. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2014; 31: 19–27. PMID: 24751450 306. 厚生労働省.平成27 年1 月1 日施行の指定難病(新規).http:// www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html 307. Nery PB, Mc Ardle BA, Redpath CJ, et al. Prevalence of cardiac sarcoidosis in patients presenting with monomorphic ventricular tachycardia. Pacing Clin Electrophysiol 2014; 37: 364–374. PMID: 24102263 308. Koplan BA, Soejima K, Baughman K, et al. Refractory ventricular tachycardia secondary to cardiac sarcoid: electrophysiologic characteristics, mapping, and ablation. Heart Rhythm 2006; 3: 924–929. PMID: 16876741 309. Patel AR, Klein MR, Chandra S, et al. Myocardial damage in patients with sarcoidosis and preserved left ventricular systolic function: an observational study. Eur J Heart Fail 2011; 13: 1231–1237. PMID: 21810833 310. Cummings KW, Bhalla S, Javidan-Nejad C, et al. A pattern-based ap- proach to assessment of delayed enhancement in nonischemic cardiomyopathy at MR imaging. Radiographics 2009; 29: 89–103. PMID: 19168838 311. 加藤靖周.心臓サルコイドーシスをいかに診断するか~孤発性の心臓サルコイドーシスについて.日サ会誌 2012; 32: 51–54. 312. Tezuka D, Terashima M, Kato Y, et al. Clinical characteristics of definite or suspected isolated cardiac sarcoidosis: application of cardiac magnetic resonance imaging and

18F-Fluoro-2-deoxyglucose positron-emission tomography/computerized tomography. J Card Fail 2015; 21: 313–322. PMID: 25512195 313. Brown ML, Reeder G, Unni KK, et al. Intraoperative diagnosis of isolated cardiac sarcoid. Heart Lung Circ 2007; 16: 315–317. PMID: 17254847 314. Sugizaki Y, Tanaka H, Imanishi J, et al. Isolated primary cardiac sarcoidosis presenting as acute heart failure. Intern Med 2013; 52: 71– 74. PMID: 23291676 315. Nery PB, Keren A, Healey J, et al. Isolated cardiac sarcoidosis: establishing the diagnosis with electroanatomic mapping-guided endomyocardial biopsy. Can J Cardiol 2013; 29: 1015.e1–e3. PMID: 23246240 316. Meyer T, Lauschke J, Ruppert V, et al. Isolated cardiac sarcoidosis associated with the expression of a splice variant coding for a truncated BTNL2 protein. Cardiology 2008; 109: 117–121. PMID: 17703092 317. Galati G, Leone O, Rapezzi C. The difficult diagnosis of isolated cardiac sarcoidosis: usefulness of an integrated MRI and PET approach. Heart 2014; 100: 89–90. PMID: 23838000 318. Tsai JH, Chou NK, Wang SS, et al. Isolated cardiac sarcoidosis: case experience in heart transplantation. J Formos Med Assoc 2013; 112: 499–500. PMID: 24016616 319. Kandolin R, Lehtonen J, Kupari M. Cardiac sarcoidosis and giant cell myocarditis as causes of atrioventricular block in young and middle-aged adults. Circ Arrhythm Electrophysiol 2011; 4: 303–309. PMID: 21427276 320. Kandolin R, Lehtonen J, Airaksinen J, et al. Cardiac sarcoidosis: epidemiology, characteristics, and outcome over 25 years in a nationwide study. Circulation 2015; 131: 624–632. PMID: 25527698 321. 土田哲人,飛澤利之,大沼義人,他.心臓サルコイドーシス新規発症患者の臨床的特徴―当院最近5 年間における検討.第62 回日本心臓病学会学術集会抄録集 2014: P-075. 322. Kim JS, Judson MA, Donnino R, et al. Cardiac sarcoidosis. Am Heart J 2009; 157: 9–21. PMID: 19081391 323. 矢崎善一.マルチモダリティー時代の心サルコイドーシス診断.心臓 2015; 47: 1046–1049. 324. Terasaki F, Ishizaka N. Deterioration of cardiac function during the progression of cardiac sarcoidosis: diagnosis and treatment. Intern Med 2014; 53: 1595–1605. PMID: 25088870 325. Terasaki F, Ishizaka N. Reversal of cardiac remodeling after treatment of IgG4 related cholangitis - Possibility of IgG4-related heart disease? Int J Cardiol 2016; 223: 477–478. PMID: 27544609 326. Grutters JC, van den Bosch JM. Corticosteroid treatment in sarcoidosis. Eur Respir J 2006; 28: 627–636. PMID: 16946094 327. Bussinguer M, Danielian A, Sharma OP. Cardiac sarcoidosis: diagnosis and management. Curr Treat Options Cardiovasc Med 2012; 14: 652–664. PMID: 22983661 328. Chiu CZ, Nakatani S, Zhang G, et al. Prevention of left ventricular remodeling by long-term corticosteroid therapy in patients with cardiac sarcoidosis. Am J Cardiol 2005; 95: 143–146. PMID: 15619415 329. Nagai T, Nagano N, Sugano Y, et al. Effect of Corticosteroid Therapy on Long-Term Clinical Outcome and Left Ventricular Function in Patients With Cardiac Sarcoidosis. Circ J 2015; 79: 1593–1600. PMID: 25877828 330. Chapelon-Abric C, de Zuttere D, Duhaut P, et al. Cardiac sarcoidosis: a retrospective study of 41 cases. Medicine (Baltimore) 2004; 83: 315–334. PMID: 15525844 331. Hiramitsu S, Morimoto S, Uemura A, et al. National survey on status of steroid therapy for cardiac sarcoidosis in Japan. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2005; 22: 210–213. PMID: 16315784 332. Yazaki Y. How should we evaluate the activity of myocardial inflammation and guide corticosteroid treatment in patients with cardiac sarcoidosis? Circ J 2015; 79: 1450–1452. PMID: 26063083 333. Demeter SL. Myocardial sarcoidosis unresponsive to steroids. Treatment with cyclophosphamide. Chest 1988; 94: 202–203. PMID: 3383636 334. Wyser CP, van Schalkwyk EM, Alheit B, et al. Treatment of progressive pulmonary sarcoidosis with cyclosporin A. A randomized controlled trial. Am J Respir Crit Care Med 1997; 156: 1371–1376. PMID: 9372647 335. Müller-Quernheim J, Kienast K, Held M, et al. Treatment of chronic sarcoidosis with an azathioprine/prednisolone regimen. Eur Respir J
p.74
1999; 14: 1117–1122. PMID: 10596700 336. Baughman RP, Lower EE. A clinical approach to the use of methotrexate for sarcoidosis. Thorax 1999; 54: 742–746. PMID: 10413729 337. Carlesimo M, Giustini S, Rossi A, et al. Treatment of cutaneous and pulmonary sarcoidosis with thalidomide. J Am Acad Dermatol 1995; 32: 866–869. PMID: 7722046 338. Baltzan M, Mehta S, Kirkham TH, et al. Randomized trial of prolonged chloroquine therapy in advanced pulmonary sarcoidosis. Am J Respir Crit Care Med 1999; 160: 192–197. PMID: 10390399 339. Zabel P, Entzian P, Dalhoff K, et al. Pentoxifylline in treatment of sarcoidosis. Am J Respir Crit Care Med 1997; 155: 1665–1669. PMID: 9154873 340. Kikuchi N, Nunoda S, Serizawa N. et al. Combination therapy with corticosteroid and mycophenolate mofetil in a case of refractory cardiac sarcoidosis. J Cardiol Cases 2016; 13: 125–128. 341.  Vorselaars AD, Cremers JP, Grutters JC, et al. Cytotoxic agents in sarcoidosis: which one should we choose? Curr Opin Pulm Med 2014; 20: 479–487. PMID: 25046427 342. Nagai S, Yokomatsu T, Tanizawa K, et al. Treatment with methotrexate and low-dose corticosteroids in sarcoidosis patients with cardiac lesions. Intern Med 2014; 53: 2761. PMID: 25447669 343. Rossman MD, Newman LS, Baughman RP, et al. A double-blinded, randomized, placebo-controlled trial of infliximab in subjects with active pulmonary sarcoidosis. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2006; 23: 201–208. PMID: 18038919 344. Uthman I, Touma Z, Khoury M. Cardiac sarcoidosis responding to monotherapy with infliximab. Clin Rheumatol 2007; 26: 2001–2003. PMID: 17394036 345. Barnabe C, McMeekin J, Howarth A, et al. Successful treatment of cardiac sarcoidosis with infliximab. J Rheumatol 2008; 35: 1686– 1687. PMID: 18671332 346. 日本循環器学会.慢性心不全治療ガイドライン(2010 年改訂版). http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf 347. 日本循環器学会.急性心不全治療ガイドライン(2011 年改訂版). http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_izumi_h.pdf 348. Yancy CW, Jessup M, Bozkurt B, et al. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of heart failure: executive summary: a report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on practice guidelines. Circulation 2013; 128: 1810–1852. PMID: 23741057 349. Dzau V, Braunwald E. Resolved and unresolved issues in the prevention and treatment of coronary artery disease: a workshop consensus statement. Am Heart J 1991; 121: 1244–1263. PMID: 2008853 350. Vakil K, Minami E, Fishbein DP. Right ventricular sarcoidosis: Is it time for updated diagnostic criteria? Tex Heart Inst J 2014; 41: 203– 207. PMID: 24808785 351. Terasaki F, Ishizaka N. Cardiac sarcoidosis and arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy –potential differential diagnoses for arrhythmogenic ventricular cardiomyopathy. Intern Med 2016; 55: 1041–1042. PMID: 27150851 352. Meyer P, Filippatos GS, Ahmed MI, et al. Effects of right ventricular ejection fraction on outcomes in chronic systolic heart failure. Circulation 2010; 121: 252–258. PMID: 20048206 353. Yodogawa K, Seino Y, Shiomura R, et al. Recovery of atrioventricular block following steroid therapy in patients with cardiac sarcoidosis. J Cardiol 2013; 62: 320–325. PMID: 24016620 354. Tokuda M, Tedrow UB, Kojodjojo P, et al. Catheter ablation of ventricular tachycardia in nonischemic heart disease. Circ Arrhythm Electrophysiol 2012; 5: 992–1000. PMID: 22942218 355. Kusano KF, Satomi K. Diagnosis and treatment of cardiac sarcoidosis. Heart 2016; 102: 184–190. PMID: 26643814 356. Noda T, Suyama K, Shimizu W, et al. Ventricular tachycardia with figure eight pattern originating from the right ventricle in a patient with cardiac sarcoidosis. Pacing Clin Electrophysiol 2004; 27: 561– 562. PMID: 15078419 357. Echt DS, Liebson PR, Mitchell LB, et al. Mortality and morbidity in patients receiving encainide, flecainide, or placebo. The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial. N Engl J Med 1991; 324: 781–788. PMID: 1900101 358. Tselentakis EV, Woodford E, Chandy J, et al. Inflammation effects on the electrical properties of atrial tissue and inducibility of postoperative atrial fibrillation. J Surg Res 2006; 135: 68–75. PMID: 16650868 359. Stees CS, Khoo MS, Lowery CM, et al. Ventricular tachycardia storm successfully treated with immunosuppression and catheter ablation in a patient with cardiac sarcoidosis. J Cardiovasc Electrophysiol 2011; 22: 210–213. PMID: 20561106 360. Yodogawa K, Seino Y, Ohara T, et al. Effect of corticosteroid therapy on ventricular arrhythmias in patients with cardiac sarcoidosis. Ann Noninvasive Electrocardiol 2011; 16: 140–147. PMID: 21496164 361. 日本循環器学会.不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011 年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_okumura_h.pdf 362. JCS Joint Working Group. Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias (JCS 2011). Circ J 2013; 77: 249–274. PMID: 23165786 363. Curtis AB, Worley SJ, Adamson PB, et al. Biventricular versus Right Ventricular Pacing in Heart Failure Patients with Atrioventricular Block (BLOCK HF) Trial Investigators. Biventricular pacing for atrioventricular block and systolic dysfunction. N Engl J Med 2013; 368: 1585–1593. PMID: 23614585 364. Sadek MM, Yung D, Birnie DH, et al. Corticosteroid therapy for cardiac sarcoidosis: a systematic review. Can J Cardiol 2013; 29: 1034– 1041. PMID: 23623644 365. Takaya Y, Kusano KF, Nakamura K, et al. Outcomes in patients with high-degree atrioventricular block as the initial manifestation of cardiac sarcoidosis. Am J Cardiol 2015; 115: 505–509. PMID: 25529542 366. Sekiguchi M, Hiroe M, Take M, et al. Clinical and histopathological profile of sarcoidosis of the heart and acute idiopathic myocarditis. Concepts through a study employing endomyocardial biopsy. II. Myocarditis. Jpn Circ J 1980; 44: 264–273. PMID: 6154812 367. Betensky BP, Tschabrunn CM, Zado ES, et al. Long-term follow-up of patients with cardiac sarcoidosis and implantable cardioverter-defibrillators. Heart Rhythm 2012; 9: 884–891. PMID: 22338670 368. Kron J, Sauer W, Schuller J, et al. Efficacy and safety of implantable cardiac defibrillators for treatment of ventricular arrhythmias in patients with cardiac sarcoidosis. Europace 2013; 15: 347–354. PMID: 23002195 369. Schuller JL, Zipse M, Crawford T, et al. Implantable cardioverter defibrillator therapy in patients with cardiac sarcoidosis. J Cardiovasc Electrophysiol 2012; 23: 925–929. PMID: 22812589 370. Epstein AE, DiMarco JP, Ellenbogen KA, et al. American College of Cardiology Foundation, American Heart Association Task Force on Practice Guidelines, Heart Rhythm Society. 2012 ACCF/AHA/HRS focused update incorporated into the ACCF/AHA/HRS 2008 guidelines for device-based therapy of cardiac rhythm abnormalities: a report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines and the Heart Rhythm Society. Circulation 2013; 127: e283–e352. PMID: 23255456 371. Epstein AE, Dimarco JP, Ellenbogen KA, et al. American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice, American Association for Thoracic Surgery, Society of Thoracic Surgeons. ACC/AHA/HRS 2008 guidelines for Device-Based Therapy of Cardiac Rhythm Abnormalities: executive summary. Heart Rhythm 2008; 5: 934–955. PMID: 18534377 372. Crawford T, Mueller G, Sarsam S, et al. Magnetic resonance imaging for identifying patients with cardiac sarcoidosis and preserved or mildly reduced left ventricular function at risk of ventricular arrhythmias. Circ Arrhythm Electrophysiol 2014; 7: 1109–1115. PMID: 25266311 373. Abraham WT, Fisher WG, Smith AL, et al. MIRACLE Study Group. Cardiac resynchronization in chronic heart failure. N Engl J Med 2002; 346: 1845–1853. PMID: 12063368 374. Bristow MR, Saxon LA, Boehmer J, et al. Comparison of Medical Therapy, Pacing, and Defibrillation in Heart Failure (COMPANION) Investigators. Cardiac-resynchronization therapy with or without an implantable defibrillator in advanced chronic heart failure. N Engl J Med 2004; 350: 2140–2150. PMID: 15152059 375. Cleland JG, Daubert JC, Erdmann E, et al. Cardiac Resynchronization-Heart Failure (CARE-HF) Study Investigators. The effect of cardiac resynchronization on morbidity and mortality in heart failure. N Engl J Med 2005; 352: 1539–1549. PMID: 15753115 376. Jefic D, Joel B, Good E, et al. Role of radiofrequency catheter ablation of ventricular tachycardia in cardiac sarcoidosis: report from a multicenter registry. Heart Rhythm 2009; 6: 189–195. PMID: 19187909 377. Dechering DG, Kochhäuser S, Wasmer K, et al. Electrophysiological characteristics of ventricular tachyarrhythmias in cardiac sarcoidosis versus arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy. Heart Rhythm 2013; 10: 158–164. PMID: 23070261 378. Roberts WC, Vowels TJ, Ko JM, et al. Cardiac transplantation for cardiac sarcoidosis with initial diagnosis by examination of the left ventricular apical “core” excised for insertion of a left ventricular assist device for severe chronic heart failure. Am J Cardiol 2009; 103: 110–114. PMID: 19101239 379. Dor V, Sabatier M, Di Donato M, et al. Efficacy of endoventricular patch plasty in large postinfarction akinetic scar and severe left ventricular dysfunction: comparison with a series of large dyskinetic scars. J Thorac Cardiovasc Surg 1998; 116: 50–59. PMID: 9671897 380. Suma H, Tanabe H, Uejima T, et al. Selected ventriculoplasty for idiopathic dilated cardiomyopathy with advanced congestive heart fail-
p.75
ure: midterm results and risk analysis. Eur J Cardiothorac Surg 2007; 32: 912–916. PMID: 17964180 381. Daimon M, Sasaki T, Woo E, et al. Successful surgical treatment for dilated cardiomyopathy with cardiac sarcoidosis. Ann Thorac Surg 2007; 84: e12–e13. PMID: 17643597 382. Shimamoto T, Nishina T, Marui A, et al. Dual left ventricular restorations in a patient with cardiac sarcoidosis. J Thorac Cardiovasc Surg 2009; 137: 1286–1288. PMID: 19380011 383. Horii T, Isomura T, Komeda M, et al. Left ventriculoplasty for nonischemic dilated cardiomyopathy. J Card Surg 2003; 18: 121–124. PMID: 12757338 384. Hirota M, Yoshida M, Hoshino J, et al. Sublocalization of cardiac involvement in sarcoidosis and surgical exclusion in patients with congestive heart failure. Ann Thorac Surg 2015; 100: 81–87. PMID: 25986102 385. Patel ND, Williams JA, Nwakanma LU, et al. Impact of lateral wall myocardial infarction on outcomes after surgical ventricular restoration. Ann Thorac Surg 2007; 83: 2017–2027; discussion 2027– 2028. PMID: 17532390 386. Perkel D, Czer LS, Morrissey RP, et al. Heart transplantation for endstage heart failure due to cardiac sarcoidosis. Transplant Proc 2013; 45: 2384–2386. PMID: 23953552 387. Zaidi AR, Zaidi A, Vaitkus PT. Outcome of heart transplantation in patients with sarcoid cardiomyopathy. J Heart Lung Transplant 2007; 26: 714–717. PMID: 17613402 388. Akashi H, Kato TS, Takayama H, et al. Outcome of patients with cardiac sarcoidosis undergoing cardiac transplantation--single-center retrospective analysis. J Cardiol 2012; 60: 407–410. PMID: 22890069 389. Yager JE, Hernandez AF, Steenbergen C, et al. Recurrence of cardiac sarcoidosis in a heart transplant recipient. J Heart Lung Transplant 2005; 24: 1988–1990. PMID: 16297811 390. Milman N, Andersen CB, Mortensen SA, et al. Cardiac sarcoidosis and heart transplantation: a report of four consecutive patients. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2008; 25: 51–59. PMID: 19070261 391. 日本循環器学会心臓移植委員会資料. 392. 日本循環器学会心臓移植委員会.心臓移植レシピエントの適応. http://www.j-circ.or.jp/hearttp/HTRecCriteria.html 393. Mancini DM, Eisen H, Kussmaul W, et al. Value of peak exercise oxygen consumption for optimal timing of cardiac transplantation in ambulatory patients with heart failure. Circulation 1991; 83: 778– 786. PMID: 1999029 394. O’Connell JB, Bourge RC, Costanzo-Nordin MR, et al. Cardiac transplantation: recipient selection, donor procurement, and medical follow-up. A statement for health professionals from the Committee on Cardiac Transplantation of the Council on Clinical Cardiology, American Heart Association. Circulation 1992; 86: 1061–1079. PMID: 1516181 395. Mudge GH, Goldstein S, Addonizio LJ, et al. 24th Bethesda conference: Cardiac transplantation. Task Force 3: Recipient guidelines/prioritization. J Am Coll Cardiol 1993; 22: 21–31. PMID: 8509544 396. INTERMACS ウェブサイト.http://www.uab.edu/medicine/intermacs/ 397. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構.トラッキング医療機器のデータ収集評価システム構築に関する検討について.http://www. pmda.go.jp/safety/surveillance-analysis/0009.html 398. 日本循環器学会,日本心臓血管外科学会.重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン.http://www.j-circ.or.jp/guideline/ pdf/JCS2013_kyo_h.pdf 399. 日本臨床補助人工心臓研究会.「植込型補助人工心臓」実施基準(2010.11.16 案). http://www.jacvas.com/application/2/standard/ 400. DePasquale EC, Nasir K, Jacoby DL. Outcomes of adults with restrictive cardiomyopathy after heart transplantation. J Heart Lung Transplant 2012; 31: 1269–1275. PMID: 23079066 401. Chang TI, Chi NH, Chou NK, et al. Isolated cardiac sarcoidosis in heart transplantation. Transplant Proc 2012; 44: 903–906. PMID: 22564580 402. 江石義信.サルコイドーシスの病因論 ―感染症との関連 ―P. acnes について. 日サ会誌 2011; 31: 81–83. 403. 江石義信.心臓サルコイドーシスの発症機構―アクネ菌病因説を基盤とした考察―.日サ会誌 2010; 30: 86–88.