p.1
スタチン不耐に関する診療指針2018
梶波康二
1)、塚本和久2)、木庭新治3)、井上郁夫4)、山川 正5)、鈴木重明6)、濱野忠則7)、齋藤英胤
8)、斎藤嘉朗9)、増田智先10)、中山健夫11)、岡村智教12)、山下静也13)、加川建弘
14)、金山純二15)、栗山 明16)、田中瑠美10)、平田あや12):スタチン不耐診療指針作成ワーキンググループ;日本肝臓学会、日本神経学会、日本動脈硬化学会、日本薬物動態学会
1)金沢医科大学循環器内科学2)帝京大学医学部内科学講座3)昭和大学医学部内科学講座・循環器内科学部門4)埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科5)横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科6)慶應義塾大学医学部神経内科7)福井大学医学部第二内科8)慶應義塾大学薬学部・薬学研究科薬物治療学9)国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部10)九州大学病院薬剤部11)京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野12)慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学13)りんくう総合医療センター循環器内科/大阪大学大学院医学系研究科総合地域医療学寄附講座14)東海大学医学部消化器内科15)東京医科大学循環器内科16)倉敷中央病院救急科
キーワードスタチン不耐、横紋筋融解症、筋障害、肝障害、腎機能障害
はじめに1.背景と本指針の位置づけ2.スタチン不耐とは3.スタチン不耐に関するクリニカルクエスチョン(CQ) 4.CQへの回答5.スタチンによる有害事象の成因と対策筋障害肝障害中枢神経への影響耐糖能への影響腎機能障害との関連6.今後の課題
付録1 .システマティックレビュー報告付録2 .スタチン販売製薬企業からの提出資料まとめ付録3 .スタチンによる肝機能障害
p.2
はじめに
日本動脈硬化学会では日本人におけるスタチン不耐の頻度、スタチン不耐による動脈硬化性心血管病への影響、スタチン不耐の対策などについての調査・検討を行い、指針としての公表を目的にスタチン不耐調査ワーキンググループを設置しました。本ワーキングには、スタチン不耐に関連する領域として日本肝臓学会、日本神経学会、日本薬物動態学会からも専門家に参集していただき、筋障害、肝障害、中枢神経への影響ならびにスタチンによる有害事象の成因と対策について検討を重ね、本指針を策定しました。
1.背景と本指針の位置づけ
日本において遠藤章博士により発見されたスタチンは、肝臓のコレステロール生合成を阻害し、LDL受容体増加を介して血中LDLコレステロール(LDL-C)を低下させることで、狭心症や心筋梗塞に代表される動脈硬化性心血管疾患の1 次および2 次予防に有用な薬剤である1)。特に2 次予防や家族性高コレステロール血症(FH)などの遺伝性脂質代謝異常症に代表されるハイリスク症例では、長期に亘っての投与が不可欠である2)。スタチン治療の継続には、良好な服薬アドヒアランスが基本であるが、他の生活習慣病治療薬同様、実臨床においてそのアドヒアランスは必ずしも十分ではなく、1年で10~30%が継続困難に陥るとも言われる3)。のみならず、アドヒアランス低下が動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)予防効果減弱につながることも知られている3)。アドヒアランスの改善と維持には、筋障害や肝障害など服用に伴う有害事象への適切な対策が不可欠である4)。有害事象の中心である筋障害については、重篤な副作用である横紋筋融解症を懸念するが故に、軽度の筋症状を理由にスタチン服用困難(不耐、intolerance)と認識され、十分なLDL-C低下が達成されず、その結果ASCVDが十分には予防されない症例が相当数潜在するとの報告がある3)。スタチン不耐の場合には、それ以外のLDL-C低下療法が考慮されるが、2007年に小腸コレステロールトランスポーター阻害薬が、2016年にPCSK9阻害抗体薬が、それぞれ日本で上市された。2015年には前者について5)、2017年には後者について6)、それぞれ動脈硬化性心血管疾患予防効果が欧米の大規模臨床試験で確認された。これはスタチン不耐例を正しく認識し、必要に応じスタチン以外のLDL-C低下療法を導入することでASCVD予防を目指す必要性を示唆している。欧米では関連学術団
体が、スタチン継続困難例の実体と課題3, 7, 8)、さらにはスタチン継続服用を妨げる主な理由である筋障害への対処法を発表している4, 9)が、それらすべてにおいて今後のデータ蓄積と更なる検証が不可欠と結論づけられている。日本人を対象にしたスタチン不耐に関する知見は、ごく最近レセプトデーターを用いた調査研究結果10, 11)が発表されたに過ぎず、未だ十分とは言えない。また日本人では、欧米人のおよそ半分のスタチン投与量で同程度のLDL-C低下が達成される2)ことを考慮すると、特に投与量増加とともに頻度が増加する有害事象について、欧米の知見をそのまま日本人に外挿することは適切とは言えない。さらには、筋症状の遺伝的背景は欧米人と日本人では異なるとの報告12)や、筋症状の1/3は再現性に乏しく、また一部には逆偽薬効果(nocebo effect)が関与するとの前向き無作為クロスオーバー試験結果13)を考慮すると、日本人における実態を把握し、発生機序の解明と実効ある対策の確立が望まれる。以上から、ASCVD予防を目的としたLDL-C低下療法の導入と継続に当たり、スタチンの継続服用が困難な「不耐」について正しく認識し、治療対象である各個人に最も適した治療手段を選択できる道筋を示すことが、日本における重要なunmet medical needsと言えよう。このような現状を鑑み、日本動脈硬化学会では、日本人におけるスタチン不耐について、その頻度と臨床像を明らかにするとともに、適切なLDL-C低下療法の実践を目的に、スタチン不耐の診療指針を作成した。本指針の内容は2018年7 月時点までの公表データを中心に作成されており、今後の新知見蓄積に従って、順次改訂が必要である。
2.スタチン不耐とは
前述の通り、スタチン不耐(statin intolerance)とは種々の理由によりスタチンの継続服用が困難な状態を指す用語であり、その理由としては服用に伴う有害事象の出現や健康上の問題と認知される程度の検査値異常が中心となる3)。National Lipid Association(NLA)はスタチン不耐を、「スタチン服用に伴って見られる有害な症状、徴候、ならびに検査値異常により、服用者の日常生活(睡眠、家事/就労、余暇活動等)に許容困難な障害が生じ、結果としてスタチン服用の中断や減量に至るもの」と定義している14)。また頻度は高くないものの、担当医を始めとする医療者側が臨床ならびに検査値所見を理由に、服用中止や減量を推奨する場面も不耐に含まれる。これら個人レベルの定義に加え、集団としてスタチ
p.3
ン治療に伴い臨床および検査にみられる有害事象について、プラセボ対象研究など科学的エビデンスに裏打ちされた形で、その苦痛や障害、リスク認識が十分なされた上でのスタチン中断ないしは減量も不耐として扱うとしている。一方で、これら不耐の定義のうち自覚症状に関する事項は主観的であり、客観化ならびに普遍化が難しいことから、集団として取り扱うアプローチが重要視される理由となっている14)。以上を踏まえて本指針では、「スタチン服用に伴って見られる有害事象により、服用者の日常生活に許容困難な障害が生じ、その結果服薬中断や減量に至るもの」をスタチン不耐と定義する。また、スタチンには複数種の薬剤があることを考慮し、どのスタチンのいかなる投与量でも継続困難な「完全不耐」と、特定のスタチンのある用量でのみ継続困難な「部分不耐」を区別して対応することも必要である。
3.スタチン不耐に関するクリニカルクエスチョンの設定
日本におけるスタチン不耐の現状を把握するため、以下のクリニカルクエスチョン(CQ)を設定した。
CQ1:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)
の頻度は?
CQ1-2:スタチンの種類別にその頻度に差はあるか?
CQ1-3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困
難)の理由とその頻度は?
CQ2:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)
は、動脈硬化性心血管病予防効果、さらには予後に影響を及ぼすか?
CQ3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)
への対策は?
次にこのクエスチョンに答える客観的情報を以下の二つのアプローチにて探索し、次項にその結果をまとめた。1)公表された学術論文を対象としたシステマティッ
クレビュー2)本ワーキンググループからの依頼に応じスタチン
を販売する製薬企業から提出された安全性に関する資料の解析
4.CQへの回答
4.1 システマティックレビュー
調査内容と実施期間:2018年3 月~6 月方法:
1 上記CQを構造化し、組入れ・除外基準を設定した。2 医中誌・PubMedの検索に用いる検索式を作成し
た。3 医中誌・MEDLINE(PubMed)を用いた文献検索、
文献スクリーニング(文献タイトルと抄録による1次スクリーニング、全文評価による2次スクリーニング)、文献評価を行った。4 適格基準を満たした文献から、データを抽出した。
4.2 結果
PubMedを用い、日本国内において、成人脂質異常症患者(心血管疾患の既往は問わない)を対象としたスタチンの有効性・安全性を検証した無作為化比較試験、コホート研究を調査した。8 文献が該当し、研究デザインの内訳は、6 つの無作為化比較試験、2 つのコホート研究であった。治療期間中の副作用発現やアドヒアランスについて記述した研究はあるものの、不耐を定義し、その頻度や予後との関係性を調査した研究は見当たらなかった。医中誌を用いた検索では、2 次スクリーニングの段階で、全ての文献が除外された。70、80年代に実施された治験を対象とした検索では、27文献が該当した。この中で、100例以上の症例を対象とした報告は7 文献あった。以下、CQ毎に関連する文献について報告する。
CQ1:不耐(中止)の頻度について
Answer:報告により不耐の症例は0 ~10%/年と差
があるが、数年以上の観察期間を有する報告はわずかに留まる。
・プラバスタチン: 1 脂質異常症を対象とした2 つの比較試験において、
16週の投与期間中、140例中4 例、171例中3 例で中止が認められた15, 16)。2 8,214人の脂質異常症患者を対象とし、食事療法を対
照群に設定した無作為化比較試験(MEGA study)において、開始5 年の時点で、91.4%の症例でプラバスタチンを内服していた(表1)
17)。
・シンバスタチン: 1 201人の脂質異常症患者を対象としたコホート研究
において、12か月間の観察期間中、9 例で軽度の副作用発現が認められたが、中止例はなかった18)。2 52,421人の脂質異常症患者を対象としたコホート研究
(J-LIT)において、観察開始6 年の時点で、36,895人がフォローアップされており、うち24,260人がシ
p.4
ンバスタチンを内服していた(表2)
19)。
3 脂質異常症患者を対象とした比較試験において、
12週の観察期間中、137人中4 例で中止が認められた20)。4 MK-733(シンバスタチン)の第2 相用量探索試験
において、12週の観察期間中、168例中1 例に食欲不振、気分不良による中止が認められた21)。5 280例の脂質異常症患者を対象とした多施設共同オー
プン試験において、12週の投与期間中、蕁麻疹、胸部絞扼感、倦怠感、顔のほてりなどの症状のため、
4 例で中止された22)。
CQ1-2:スタチンの種類別の不耐頻度について
Answer:少数の報告に留まるが、スタチンの種類別
の不耐頻度に差は認められない。
・ピタバスタチンとアトルバスタチンの比較1 耐糖能異常を合併した脂質異常患者207人を対象とし、
表1 開始5 年の時点で91.4%の症例でプラバスタチンを内服していた。
Year 1 Year 3 Year 5 Year 7 Year 9
Diet group
Patients * Actual visits † No lipid-lowering drug Pravastatin Other statin Other lipid-lowering drug Diet plus pravastatin group
Patients * Actual visits † 20 mg pravastatin 15 mg pravastatin 10 mg pravastatin 5 mg pravastatin Othe statin Other lipid-lowering drug No lipid-lowering drug 3814 3705 3070 (83%) 311 (8%) 20 (1%) 304 (8%)
3678 3574 230 (6%) 4 (0.1%) 2896 (81%) 265 (7%) 6 (0.2%) 14 (0.4%) 159 (4%) 3627 3354 2398 (71%) 586 (17%) 49 (1%) 321 (10%)
3473 3251 461 (14%) 12 (0.4%) 2322 (71%) 207 (6%) 7 (0.2%) 29 (1%) 213 (7%) 2604 2291 1518 (66%) 520 (23%) 43 (2%) 210 (9%)
2545 2252 374 (17%) 10 (0.4%) 1522 (68%) 130 (6%) 17 (0.8%) 22 (1%) 177 (8%) 455 447 259 (58%) 147 (33%) 6 (1%) 35 (8%)
467 451 114 (25%) 3 (0.7%) 285 (63%) 15 (3%) 3 (0.7%) 8 (2%) 23 (5%) 237 222 115 (52%) 86 (39%) 5 (2%) 16 (7%)
259 242 54 (22%) 3 (1%) 152 (63%) 7 (3%) 5 (2%) 5 (2%) 16 (7%)
*Number at risk of total mortality.
†Number of patients who visited the hospital. Any patients who fitted in several categories were assigned to upper category in the table.
表2 観察開始6 年の時点で24,260人がシンバスタチンを内服していた。
Year
0 1 2 3 4 5 6
Simvastatin
5 mg monotherapy 10 mg monotherapy Other monotherapy n=48,428
1,729 1 39,519 2,081 168 32,900 2,069 249 28,981 2,025 293 25,461 1,966 295 22,823 1,812 261 20,518 1,668 229
Simvastatin monotherapy total Simvastatin+other lipid-lowering agent Other lipid-lowering agent No or Unknown medication Total 50,158 1,163 0 0 51,321 41,768 1,688 56 6,576 50,088 35,218 1,968 235 10,419 47,840 31,299 2,133 463 11,655 45,550 27,722 1,993 509 12,074 42,298 24,896 1,813 525 12,190 39,424 22,415 1,845 814 11,821 36,895 Simvastatin total
5 mg (%) 10 mg (%) Other (%) 51,321 49495 (96.4) 1,825 (3.6) 1 (0.0) 43,456 40,946 (94.2) 2,332 (5.4) 178 (0.4) 37,186 34,561 (92.9) 2,365 (6.4) 260 (0.7) 33,432 30,694 (91.8) 2,422 (7.2) 316 (0.9) 29,715 27,065 (91.1) 2,334 (7.9) 316 (1.1) 26,709 24,246 (90.8) 2,183 (8.2) 280 (1.0) 24,260 21,994 (90.7) 2,018 (8.3) 248 (1.0)
p.5
ピタバスタチンとアトルバスタチンの効果を検討した無作為割り付け対照研究(RCT)において、両群間で副作用発現に有意差はなく、6 か月未満での副作用による中止は両群とも6 例であった。また、両群間でのアドヒアランスに差は認められなかった(表3)
23)。
2 307人の血管内超音波ガイドでPCIを施行された急性
冠症候群患者を対象とし、ピタバスタチンとアトルバスタチンの効果を比較したRCT(JAPAN-ACS trial)において、副作用または検査値異常で内服中止となった患者数は両群間で有意差はなかった(ピタバスタチン2.7%、アトルバスタチン4.7%)
24)。
CQ1-3:不耐の理由
Answer:不耐理由を記載した報告は極めて少なく、
客観的判断は困難である。
・プラバスタチン1 446人の脂質異常症患者を対象としたコホート研究
において、12週の投与期間中、7 例で中止が認められた。その内訳は、臨床検査値異常が3 例、副作用が4 例25)。2 368例の脂質異常症患者を対象としたコホート研究
で、12か月の観察期間中、18例で中止が認められた。安全上の問題があった症例(副作用、臨床検査値異常)は12例、安全上の問題のなかった症例(主治医交代、脂質正常化)は6 例であった26)。
・ピタバスタチン241人の血管内超音波ガイドでPCIを施行された安定狭心症または急性冠症候群患者を対象とし、冠動脈プラークボリュームをアウトカムに設定したRCT(CHERRY trial、ピタバスタチン+EPA群vsピタバスタチン群)において、ピタバスタチン群117名中8 例(6.8%)で中止が認められた。その内訳は、検査値異常が1 例(ASTまたはALT)、副作用が3 例(筋痛2 例、出血1 例)、他が4 例であった27)。
CQ2:スタチン不耐とASCVD予防効果、予後への影響
Answer:報告は極めて少ないものの、アドヒアランス不良群では予防効果が減弱する可能性が
ある。
・プラバスタチン1 5,640人の脂質異常症患者を対象としたRCT(KLIS
trial、プラバスタチン群vs従来治療群、平均観察期間5 年)において、プラバスタチン群をアドヒアランス良好・不良でサブグループに分けたところ、アドヒアランス良好な群では、従来治療群と比較して、心血管イベントが有意に少なかった(表4)
28)。
・プラバスタチンまたはシンバスタチン1 18,645人の脂質異常症患者を対象としたRCT(JELIS、
スタチン+EPA vs スタチン)において、1 次予防においては、スタチン群ではアドヒアランスが良好な症例で心臓死または心筋梗塞の発症率が低値(HR
0.79 95%CI 0.45-1.38、P=0.409)、2 次予防において
は、逆に高値(HR 1.47、95%CI 0.72-2.99)であったが、いずれも統計学的に有意ではなかった29)。
CQ3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)へ
の対策は? Answer:該当する論文は見当たらなかった。
4.3 分析
スタチン関連製薬企業からの提出資料(主に市販後調査)による中止時期とその理由の分析。投与開始から中止までの期間の記載は以下の通り(A:12週以内、B: 6 か月以内、C:1 年以内、D:1 年以降、E:不明) Answer:発症頻度を推測するための症例数としては
充分とは言えないが、中止理由となる有害事象としては、筋症状、CK値異常、肝酵素上昇が、0.3~1.0%の頻度で見られること、投与開始12週以内の早期に見られる場合が多いものと推測される。
シンバスタチン治験及び市販後試験の9 文献の調査。実薬投与症例は1,392例。中止理由:
表3 耐糖能異常を合併した脂質異常症207人のピタバスタチンとアトルバスタチンの効果を検討
8週28週56週
ピタバスタチン98%(86/88) 94%(83/88) 93%(79/85)アトルバスタチン100%(84/84) 96%(81/84) 98%(80/82)
p.6
・CK上昇のみ:2 例(A、A) 0.144%・筋痛を伴うCK上昇:2 例(A、C) 0.144%・横紋筋融解症:なし0%・CK上昇を伴わない筋肉痛:3 例(A、A、B)
0.216%
・詳細不明の筋肉関連因子:なし・肝酵素関連:3 例(A、A、B) 0.216%・その他の症状:30例・不明、drop out、その他の理由:25例
プラバスタチン治験及び市販後試験の12文献の調査。実薬投与症例は5,719例。またアトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチンに関する研究における対照薬であった3 文献(421例)の結果を追加。中止理由:
・CK上昇のみ:2 例(A、D) 0.035%・筋痛を伴うCK上昇:なし・横紋筋融解症:なし・CK上昇を伴わない筋肉痛:なし・詳細不明の筋肉関連因子:なし・肝酵素関連:6 例(A、A、A、D) 0.105%・その他の症状:16例・不明、drop out、その他の理由:なし
ロスバスタチン
治験及び市販後試験の2 文献の調査。実薬投与症例は149例。中止理由:
・CK上昇のみ:1 例(B) 0.671%・筋痛を伴うCK上昇:なし・横紋筋融解症:なし・CK上昇を伴わない筋肉痛:なし・詳細不明の筋肉関連因子:なし・肝酵素関連:なし・その他の症状:5 例・不明、drop out、その他の理由:5 例
アトルバスタチン
治験及び市販後試験の13文献の調査。実薬投与症例は29,314例。中止理由:
・CK上昇のみ:2 例0.0068%・筋痛を伴うCK上昇:なし・横紋筋融解症:4 例0.0137%・CK上昇を伴わない筋肉痛:2 例0.0068%・詳細不明の筋肉関連因子:なし・肝酵素関連:5 例0.0171%・その他の症状:33例・不明、drop out、その他の理由:11例
フルバスタチン
治験及び市販後試験、使用成績調査の6 文献の調査。実薬投与症例は26,796例。中止理由:
・CK上昇のみ:なし
表4 KLIS trialにおけるプラバスタチン群をアドヒアランス良好・不良で分けたサブグループ
Event Poor compliance
(n=1,114) Good compliance
(n=1,105)
Coronary events
No. of eventgs Adjusted RR
*
(90% CI) Cerebral infarction No. of events Adjusted RR (90% CI) Coronary events and cerebral infarction †
No.of events Adjusted RR (90% CI) 33 1.00 (0.68-1.48)
20 0.83 (0.52-1.33)
52 0.92 (0.68-1.25) 32 0.75 (0.50-1.11)
27 0.74 (0.48-1.14)
57 0.73 (0.54-0.98)
RR=relative rink; CI=confidence interval. *Based on the Cox hazards model controlling for age, serum total cholesterol, serum HDL cholesterol, body mass index.angina pectoris, hypertension, diabetes mellitus, prior use of lipid-lowering drugs, smoking, and alcohol use. †The uarlier event was conted in the case of concurrent occurrences.
p.7
・筋痛を伴うCK上昇:なし・横紋筋融解症:なし・CK上昇を伴わない筋肉痛:1 例0.0037%・詳細不明の筋肉関連因子:なし・肝酵素関連:7 例0.0261%・その他の症状:20例・不明、drop out、その他の理由:なし
ピタバスタチン治験及び市販後試験の3 文献の調査。実薬投与症例は6,964例。中止理由:
・CK上昇のみ:なし・筋痛を伴うCK上昇:2 例0.0287%・横紋筋融解症:1 例0.0144%・CK上昇を伴わない筋肉痛:24例0.345% (ただし、中止の記載はない)・詳細不明の筋肉関連因子:なし・肝酵素関連:85例1.22% (ただし、中止の記載はない)・その他の症状:なし・不明、drop out、その他の理由:なし
5.有害事象の成因と対策
スタチン投与にともなう有害事象の中で、科学的エビデンスを備えかつ頻度の高いものとして、筋障害(筋痛や筋力低下といった自覚症状、血清クレアチンキナーゼ(creatine kinase、CK)値上昇などの検査値異常)、肝酵素上昇、新規糖尿病発症が挙げられる3)。さらに、アメリカにおける実臨床でのスタチン投与患者10万人余りの後ろ向き調査30)によると、スタチン関連有害事象による服薬中断は全体の17.4%で、服薬継続困難理由は、筋障害(7.2%)、全身症状(2.3%)、肝障害(2.1%)の順に高頻度であったという。前項クリニカルクエスチョンへの回答に記載した通り、開発治験を含む無作為ランダム化研究と市販後コホート調査とでは、これらスタチン投与に関連する有害事象の発生頻度には大きな開きがあることは日本でも同じである。主観的な症状さらには投与薬剤以外の種々の要因によって変動しやすい臨床検査値に依存する事象であることが、この頻度の差に寄与していると推測される。本稿では、スタチン服用にともなう有害事象として筋障害、肝障害、耐糖能への影響について取り上げるとともに、今後注目される事項として、認知機能を含む中枢神経への影響、さらには腎機能障害における投与量の考え方について、従来の知見を整理した。このうち、筋障
害ならびに肝障害への対処については、一般臨床家に判りやすいチャートを作成し別添資料としたので参照されたい(図1)。
5.1 筋障害
5.1.1 スタチンによる筋有害事象
スタチン治療が原因となる筋有害事象には、検査値異常を含めた筋に関するあらゆる症状が含まれる。筋有害事象に対する対策は、これまで欧米の各学会からの指針が存在するが、基準は統一されていない4, 9, 31)。また日本人における標準的な基準は存在せず、これまでは主治医の判断によりスタチンの中止、減量、再開が行われきた。その結果として、軽度な筋有害事象を理由にスタチン不耐と判断されている症例が多く存在していると推測される。筋有害事象への対策についてコンセンサスが得られていない一因として、筋症状の定義が一定してないことが挙げられる。例えば、ミオパチー(筋症)とは、筋痛など筋に関係するあらゆる症状を含む場合(広義)もあれば、四肢・体幹の筋力低下を認める場合(狭義)に使用される場合もある。本指針では、ミオパチーの定義を後者(狭義)に限り使用することとする。筋有害事象の成因については、いくつかの機序が考えられており、スタチンによる細胞内ミトコンドリアにおける代謝異常が中心と考えられている4)。また高齢女性、小柄な体格、アジア人、腎機能障害、甲状腺機能低下症、筋疾患、アルコール多飲、過度な運動、外科手術など多くの危険因子が報告されている32)。その他、薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)の代謝に関係する薬剤やsolute carrier organic anion transporter family member 1B1(SLCO1B1)の遺伝子多型もスタチンによる筋有害事象のリスクになる。このような背景のもと、筋疾患になじみの少ない臨床医が実地医療において容易に判断可能な指針が必要である。欧州動脈硬化学会のステートメント4)をもとに、筋有害事象を症状と検査値の両面から別々に評価し、その組み合わせにより対策を検討する指針(案)を作成した。
5.1.2 スタチン関連筋症状
スタチン関連筋症状(statin-associated muscle symp toms、SAMS)とは、スタチンが原因となって出現するすべての筋症状が含まれる。筋肉の痛み、つり、こわばり、違和感などあらゆる自覚症状が含まれる。これらの症状は体幹や近位優位の四肢に左右差なく、比較的大きな筋肉に出現する。重篤な病態は、横紋筋融解症と四肢・体幹の筋力低下(ミオパチー)の2 つである。筋力低下の有無は、「首が重い」「腕が挙がらない」「しゃがみ
p.8
図1–1 初回スタチン投与時の有害事象(筋障害、肝機能障害)に対する
推奨アプローチ
スタチン開始
評価
筋症状 かつ/または CK上昇肝機能障害
~4週
治療継続
無無有有
肝フローチャート筋フローチャート
ステップ1
ステップ2
ステップ1:臨床的適応に従ってスタチンの投与が開始された場合、4週間後を目安に自覚症状ならびに検査値(脂質、肝機能、CK など)を評価する。ステップ2:筋症状かつ/またはCK 値上昇が認められた場合は「筋フローチャート」を、肝機能異常が認められた場合は「肝フローチャート」に進むスタチン投与の適応ならびに投与量等については、日本動脈硬化学会編「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022 年版」ならびに「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018 年版」、さらには各薬剤の添付文書を参照されたい。
図1–2 スタチン投与時の有害事象(筋障害)に対する推奨アプローチ
中止継続/減量
評 価
スタチン治療継続または他のスタチンへの切替*スタチン治療中止専門医(脂質、神経)へコンサルト
脂質代謝専門医へコンサルト(他剤考慮)
SAMS:スタチン関連筋症状(筋痛、筋力低下、脱力など)、ULN:基準値上限
2-4週4-6週
< x4 ULN A B x4 ≦ < x10 ULN B
D A
A、B C、D
B C、C
x10 ULN ≦ C D
CK SAMS(-) SAMS(+)
筋フローチャート
ステップ2
・筋障害については、筋症状(SAMS)の有無とCK値に従って、表に記載したA、B、C、D群に分類する。なおCK 値は激しい運動や筋肉内注射では上昇し、数日間は影響が残ることから、血清CK が上昇した場合には、採血前にこのようなエピソードがあったかどうか確認するとともに、後日可能な限り安静を保ってもらい、再検を行うことが望ましい。この以外の筋障害発症の危険因子としては、高齢女性、小柄な体格、アジア人、腎機能障害、甲状腺機能低下症、アルコール多飲、外科手術などが知られている。また注意すべき併用薬としては薬物代謝系が拮抗するアズール系抗真菌薬、マクロライド系抗菌薬、プロテアーゼ阻害薬(抗ウイルス薬)、ベラパミル、ジルチアゼム、アミオダロン、ワルファリン、シクロスポリンが知られている(32)。・それぞれのフローに従って対応を行う。各カテゴリーに対する具体的対応は本文参照。なおカテゴリーBおよびCに記載した観察期間(2~4 週、4~6 週)は目安であり、より頻回に経過観察を行うことが適切である。
*についての注釈・2剤目のスタチン選択に際しては、薬物代謝系の異なるスタチンを、低用量から投与することが望ましい・高リスク症例では3剤目のスタチンへの切替も検討する・隔日投与により、筋症状やCK 値上昇が抑制されたとの報告がある
図1-1 ステップ 2:「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」の2017を2022に変更した。(2022年12月)
p.9
立ちができない」などの自覚症状の確認が大切である。他覚的には神経診察の徒手筋力検査で評価を行う。筋痛のため充分に力が入らない場合があり、正確な診察は必ずしも容易ではない。SAMSはスタチン内服開始から4 ~6 週間以内で出現するが、まれに数年たってから筋症状が出現する場合もある。体を動かすことが多い人に出現しやすい。スタチン内服量を増量した場合や別のスタチンに変更した場合に、新たなSAMSが出現する可能性がある。また同じスタチンを一度中止してから再投与した場合には早期に出現することが多い4)。
5.1.3 血清クレアチンキナーゼ
CKは筋収縮の際にエネルギー代謝に関与する酵素であり、クレアチンとATPからクレアチンリン酸とADPを生成する反応を媒介する役目を有している。CKは2つのサブユニットからなる2 量体の蛋白質であり、B(脳型)、M(筋型)の組み合わせにより3 種類のCK(MM、BB、MB)がアイソザイムとして存在する。骨格筋にはMM型、心筋にはMB型が多いため、CK上昇ではこのアイソザイム比率を分析する必要がある。
血清CK値の基準値は筋肉量によって異なり、男性で50~200 IU/L、女性で40~170 IU/Lである。CKは骨格
筋に多量に存在するため、激しい運動や筋肉内注射では上昇し、数日間は影響が残る。血清CKが上昇した場合には、採血前にこのようなエピソードがあったかどうか確認する。後日、可能な限り安静を保ってもらい、再検を行う。ただし血清CK値の上昇については明確な基準が存在せず、欧米の各学会からの指針では正常上限との比で、基準を定義している場合が多い。
スタチンを新規に使用する場合や、休薬してから再開する場合には、事前に血清CKを測定すべきである。それにより時に認識されていない甲状腺機能低下症などを背景とした無症候性の高CK血症やまれに潜在的な筋疾患の可能性を除外でき、またスタチンが原因となるCK上昇を確実に診断することが可能となる。スタチン使用開始後は、初回は4 週間後を目安に、その後も随時血清CK測定を行うことが望ましい。血清CK値の上昇については明確な基準が存在せず、欧米の各学会からの指針では正常上限との比で、基準を定義している場合が多い。正常上限の4 倍、10倍、40倍を基準にしているものの4)、その根拠は明確ではなく1つの目安に過ぎない、CK値を正常上限の4 倍未満の軽度上昇(およそ500 IU/L未満)、正常上限の4 倍以上10
図1–3 スタチン投与時の有害事象(肝機能障害)に対する推奨アプローチ
評 価
スタチン治療継続または他のスタチンへの切替*脂質代謝専門医へコンサルト(他剤考慮)
ULN:基準値上限
2-4週A直ちにスタチン中止
肝臓専門医へコンサルト
以下を考慮する・スタチン中止・他のスタチンへの切替*・肝臓専門医へのコンサルトB
B C
C B A
A ULN <ALT ≦3 x ULN
ULN <T.Bil ≦2 x ULN
T.Bil >2 x ULN ALT >3 x ULN
肝フローチャート
ステップ2
上記B、Cへ
B、C
・肝機能障害については、ALT 値とT-bil 値に従って、表に記載したA、B、C 群に分類する・それぞれのフローに従って対応する・急性ウイルス感染症や胆道系疾患など肝機能障害をきたしうる急性疾患の合併や、肝機能障害を来しうる併用薬についての確認を並行して行う
*についての注釈・2剤目のスタチン選択に際しては、薬物代謝系の異なるスタチンを、低用量から投与することが望ましい・高リスク症例では3剤目のスタチンへの切替も検討する・隔日投与により、検査値上昇が抑制されたとの報告がある
p.10
倍未満の中等度上昇(およそ500 IU 以上2,000 IU/L)、正常上限の10倍以上の高度上昇(およそ2,000 IU/L以上)に分けて、対策を考える33)。
5.1.4 対策
スタチンによる筋有害事象の評価は、SAMSの有無と血清CK値に基づき4 つの区分(カテゴリーA、B、C、D)に分けて対策をたてる(図1)。1 カテゴリーA:血清CK 正常上限4 倍未満かつSAMS
なし。正常あるいは検査データだけの異常であり、スタチン継続が可能である。2 カテゴリーB:血清CK 正常上限4 倍以上 正常上限10
倍未満かつSAMSなし、あるいは血清CK 正常上限4倍未満かつSAMSあり。軽度の筋有害事象である。患者がSAMSを許容できれば、スタチンを継続、あるいは減量して継続することが可能である。ただし2 ~4週間後に再度評価を行う。カテゴリーA、Bであれば治療継続可能であるが、カテゴリーC、Dに悪化するようであれば治療は中止する。また患者がSAMSを許容できない場合には、中止し4 ~6 週間の休薬期間をおく。別のスタチンの再投与を試みる前に、もう一度評価を行う。カテゴリーA、Bであれば新たなスタチンによる治療開始が可能であるが、カテゴリーC、Dに悪化するようであればスタチン治療を中止する。3 カテゴリーC:血清CK 正常上限10倍以上かつSAMSな
し、あるいは血清CK 正常上限4 倍以上、正常上限10倍未満かつSAMSあり。中等度の筋有害事象である。スタチン継続の必要性が高い場合にはSAMSを許容できれば、スタチンを継続、あるいは減量して継続することが可能である。筋有害事象が増悪する可能性が高いと判断される場合は2 ~4 週間あるいはそれよりも短い間隔で再度評価を行う。カテゴリーA、Bに改善すれば治療継続可能であるが、カテゴリーC、Dであれば治療は中止する。患者がSAMSを許容できない場合、中止し4 ~6 週間の休薬期間をおく。別のスタチンの再投与を試みる前に、もう一度評価を行う。カテゴリーA、Bに改善すれば新たなスタチンの治療開始が可能であるが、カテゴリーC、Dであればスタチン治療を中止する。その後の脂質管理については脂質代謝専門医へコンサルトする。4 カテゴリーD:血清CK 正常上限10倍以上かつSAMS
あり。重篤な筋有害事象である。すぐにスタチンを中止し、横紋筋融解症やミオパチーに進行する危険に注意する。特に横紋筋融解症を発症している場合には直ちに治療を開始する。第2 のスタチン投与を含む今後の脂質管理については脂質代謝専門医へコンサルトする。5.1.5 重篤な筋有害事象
頻度の低い筋有害事象であるが、いずれも極めて重篤な状態であり、迅速な対応が必要である。1 横紋筋融解症(rhabdomyolysis):横紋筋が障害される
ことにより、筋組織が崩壊、壊死する状態であり、その原因の1 つがスタチンである34)。スタチン服用者のうち0.001%で横紋筋融解症が発症するといわれ、適切な処置が行われない時には死亡する場合もある。数日間のうちに症状は進行し、広範な筋肉痛、把握痛、倦怠感、筋力低下、発熱が出現する。血清CK値はしばしば正常上限40倍以上(およそ10,000 IU/L以上)の高値になる。赤色尿(コーラ色尿)にもかかわらず、尿沈査で赤血球を認めないミオグロビン尿症を呈する。特に急性腎不全になる可能性があることに注意が必要である。スタチンの中止とともに、安静と十分量の補液を行う。2 スタチン関連ミオパチー:スタチンの中止にも関わらず、
四肢・体幹の筋力低下が数か月かけて進行していく。スタチン関連ミオパチーは炎症性筋疾患(筋炎)の病型である免疫介在性壊死性ミオパチーに含まれ、患者血清中に3-hydroxy-3-methylglutary-coenzyme A red uctase (HMGCR)に対する自己抗体が検出される35)。特に高齢者で発症する場合が多い。血清CK値の平均は5,000 IU/L程度と高値になる。神経内科医にコンサルトを行い、筋MRI、針筋電図、筋生検などの検査で確定診断を行う。 抗HMGCR抗体は、スタチン内服中で筋有害事象の
ない患者や血清CK値だけが上昇する患者では陰性である。したがってスタチン関連ミオパチー診断のバイオマーカーとしての役割が期待できる(本抗体検査は本邦では保険収載されていない)
36)。スタチン関連ミ
オパチーの治療は、原因薬剤の中止に加えて、ステロイドを中心として免疫治療を行う。治療効果は概して良好であり、数か月かけて筋力低下は次第に改善する。
5.2 肝障害
本邦においては、高コレステロール血症および高LDL-C血症に対して6 種類のスタチンが使用されている。これら6 つのスタチンは、治療中、軽度〜中等度のトランスアミナーゼ値上昇を伴うことがあり、欧米の大規模調査では、多くの場合投与開始3 か月以内に0.5~2.0%で出現したとされている。246,000人の患者を含む135の無作為対照試験のシステマティックなメタ解析では、スタチンは対照やプラセボに比較して50%程度高いトランスアミナーゼ値上昇リスクを持つとされ、アトルバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンでは、用量依存的に上昇している37-39)。しかし、0.5~2.0%の頻度は、全
p.11
体的にプラセボとほぼ同等で、多くの場合一過性で治療を継続しても肝酵素は低下することが多いため臨床的に問題とならないと言える40)。スタチンは1990年後半から処方数が増加したが、FDA Adverse Event Reporting Systemのデータベースにおいてもスタチンによる重症肝障害については記載されていない。さらに最近のUS National Lipid Association’s Statin Liver Safety Task Forceでもスタチンによる肝毒性は極めてまれであると結論づけられている41)。一方、まれに臨床的に明らかな急性肝障害を呈することがある。14,000人の患者を含む49トライアルの解析では、ALT値が正常上限(ULN)の3 倍を超えたのは、アトルバスタチン10mgで0.1%、80mgで0.6%、プラセボで0.2%とされている42)。アトルバスタチンとシンバスタチンによる肝障害の報告は多いが、プラバスタチンとピタバスタチンは少ない。また、肝障害の起こる時期は様々で、投薬を始めてから6 か月以上経ってから生ずることもある。肝障害は、肝細胞障害型のことも、胆汁うっ滞型のこともあり、さらに自己免疫性肝炎を発症することもある。B型慢性肝炎43)や原発性胆汁性胆管炎(PBC;旧称:原発性胆汁性肝硬変)
44)の患者への投与は特に注
意が必要とされる。薬物性肝障害(idiosyncratic drug-induced liver injury; IDILI)の発生機序については、未だ解明されていないが、薬物あるいはその中間代謝物と宿主タンパク質との会合によりアダクトが形成され、ネオ抗原として認識されT細胞による免疫応答が生ずるために発生するとされている45)。また、トランスポーターの阻害、ミトコンドリア障害、ER障害や酸化ストレス、炎症性サイトカインなどがさらに障害を助長すると考えられている。しかし、その診断は、スコアリング診断法などがある一方、未だに特異的な診断方法がないため、専門家の意見(expert opinion)に頼らざるを得ないのが現状である45)。スタチン不耐という観点から、大規模な薬物性肝障害データベースから10%の死亡/肝移植リスクが見込まれるHy’s Law(ALT ≥ 3 X ULN、総ビリルビン≥ 2 X ULN 46-48)にならい、ALT ≥ 3 X ULN、総ビリルビン値2 XULN(直接型優位)以上を肝臓専門家へのコンサルトを考慮するレベルに設定できよう。
対策スタチンによる治療中に軽度の肝障害を伴うことがあるが、多くの場合一過性で用量を変更せずに治療を継続しても回復する。また、まれではあるが、肝不全や自己抗体陽性の自己免疫性肝炎を発症することがあるため、ALT ≥ 3 X ULN、総ビリルビン ≥ 2 X ULN を目安に、休薬や肝臓専門家へのコンサルトを考慮するとともに、他剤への変更の可能性を検討することが実臨床における
姿勢として推奨される。
5.3 中枢神経有害事象
5.3.1 認知機能への影響
5.3.1.1 発端
2001年に51歳の男性に対しシンバスタチンの投与開始後、徐々に記憶障害が出現したという報告がなされた49)。しかしプラバスタチンへの変更後、記憶障害は消失した。またアトルバスタチンを投与された女性、および最初にアトルバスタチンが投与され、後にシンバスタチンに投与変更された女性で認知機能障害が一時的に出現したという報告もなされた50)。さらに1997年から2002年まで米国食品薬局局(FDA)のMedWatch薬物サーベイランスシステムに報告されたスタチンに関連した記憶障害60例の集計結果によると、60例中36例はシンバスタチン、23例はアトルバスタチン、1 例はプラバスタチン投与後に生じていた。25例中14例(56%)ではスタチンの中止後症状が改善していた。4 例ではスタチンの再開後同様の症状の再発をみている。しかし認知機能の評価がなされた症例は1 例もなかった51)。これらの報告を受け、2012年FDAよりスタチンの添付文書の改訂について報告がなされた52)。スタチンの服用により記憶障害や、混乱がみられることがあるというものである。FDAによると発症の時期は服用開始後だいたい1 年以内であり、スタチンの中止によりこれらの症状は消失したとされる。これらは永続的なものではなく、アルツハイマー病(AD)などの進行性の認知症を生ずるものでもないとしている52)。そのころメディアによりスタチンによる認知機能低下という風評被害が強まったことも事実である53)。ちなみに日本においてはスタチンによる認知機能低下の報告はない。日本では服用されるスタチンの用量が少ないこともその相違に関与している可能性も示唆される54)。
5.3.1.2 スタチンによる認知機能障害の発症機序
スタチンによる認知機能障害の発症機序を考えるうえで重要な点は、アトルバスタチンやシンバスタチンなどの脂溶性スタチンは、プラバスタチン、ロスバスタチンなどの水溶性スタチンよりも血液脳関門を通過しやすい、という点である。事実60症例のスタチン投与後に生じた認知機能障害では、うち59例が脂溶性スタチン投与後に発症している51)。以下の2 つの機序が推察されている。1スタチンによるコレステロールの低下によりニューロンやグリア細胞膜の健全性が損なわれ、神経伝達の遅延をきたす。2再髄鞘化の遅延が生ずる55)。さらにCoenzyme Q10レベル
p.12
の低下によりミトコンドリア機能が低下し、酸化ストレスを増大させる56)、などである。
5.3.1.3 システマティックレビューの結果
一連のシステマティックレビューでは、スタチンによる認知症の増加については証明がなされていない。認知機能評価がなされた27件(RCT 3 件、観察研究16件、ケースコントロール4 件、横断的研究4 件)の研究のメタアナリシスでは、十分なエビデンスレベルではないが、スタチンは少なくともFDAが懸念するような認知機能へ
の悪影響はなかったと報告されている(図2)
57)。さらに
Swigerらの2013年4 月25日までのMEDLINE、EMBASE、Cochrane Center Registerをもとにしたシステマティックレビュー58)では、短期的な投与(1 年未満)と、長期的な投与(1 年以上)に分けた分析がなされている。短期的投与の際の評価項目として、296例に対する数字符号置換検査(DSST)を用いた解析を行った。その結果スタチン投与群と、プラセボ群では明らかな差は認めら
Study, Year (Reference)
Dementia Statin Users Nonusers
Events/Total, n/N
Rea et al, 2005 (17) Zandi et al, 2005 (13) Szwast et al, 2007 (15) Woloozin et al, 2007 (14) * Smeeth et al, 2009 (16) Hippisley-Cox and Coupland, 2010 (19) *
Random-effects model
Bettemann et al, 2012 (21)
Ancelin et al, 2012 (22) *
Parikh et al, 2011 (18)
Beydoun et al, 2011 (20)
Alzheimer disease
Rea et al, 2005 (17) Zandi et al, 2005 (13) Arvanitakts et al, 2008 (30) Smeeth et al, 2009 (16) Sparks et al, 2008 (27) Haag et al, 2009 (29)
Random-effects model
Bettemann et al, 2012 (21)
Ancelin et al, 2012 (22)
* Beydoun et al, 2011 (20)
Li et al, 2010 (28)
Mild cognitive impairment
Yaffe et al, 2002 (34) Cramer et al, 2008 (35) Sparks et al, 2008 (27) Beydoun et al, 2011 (20)
Random-effects model Adjusted Risk Ratio (95% CI)
1.08 (0.77-1.52)
1.19 (0.61-2.34)
0.31 (0.10-1.00)
0.73 (0.42-1.27)
0.81 (0.71-0.92)
0.89 (0.84-0.94)
0.87 (0.82-0.92)
0.71 (0.54-0.93)
1.01 (0.69-1.48)
0.88 (0.85-0.91)
0.41 (0.18-0.92)
1.21 (0.77-1.91)
0.19 (0.48-2.96)
0.91 (0.54-1.52)
0.81 (0.55-1.19)
0.33 (0.11-0.98)
0.57 (0.36-0.90)
0.79 (0.63-0.99)
0.69 (0.49-0.97)
1.14 (0.85-1.53)
0.30 (0.09-0.95)
0.62 (0.40-0.97)
0.67 (0.43-1.05)
0.56 (0.36-0.87)
0.82 (0.48-1.41)
0.71 (0.33-1.52)
0.66 (0.51-0.86)
4.000 2.000 1.000 0.500 0.250 Favors Statin Users Favors Nonusers
0.125
466/2798 174/2816 8/481 29/742 3/250 3361/835 049 3359/394 739 4765/600 241 407/129 288
8784/2 004 692
523/2587
483/7056
9264/226 371 5316/151 467
252/1560
237/2798 98/2816 4/481 178/810 16/119 682/600 241 43/129 288 20/1243 4/727
466/6992
353/2587
332/6859
178/1561
263/3031
42/454 37/583 102/1222 28/452
NA 133/1308
(文献57より引用)
図2 スタチンと認知症、アルツハイマー病、軽度認知障害に関する前向き研究から得られたリスク比(メタア
ナリシス)
p.13
れなかった。また、長期的(3 年から24.9年)スタチン投与の影響としては、3 つの報告ではスタチン投与群と非投与群での認知症の新規発症頻度に差はみられなかった。一方、5 つの報告ではスタチンによる認知症の新規発症に対する予防効果が示された。累積結果の解析では、スタチン群で認知症の頻度は29%減少していた(ハザード比 0.71;95%信頼区間 0.61-0.87)。以上より、短期投与ではスタチンによる認知機能の低下はなく、長期的投与では認知症の新規発症に対する予防効果があるものと著者らは結論づけている。その一方で、アトルバスタチンによる軽度~中等度ADを対象としたランダム化臨床試験(LEADe:Lipitor’s Effects in Alzheimer’s Dementia)では、約1 年半のアトルバスタチン投与により認知機能を改善させることができなかった59)。よって、スタチンがADをはじめとする認知症の予防効果があるかどうかについては、未だ結論に至っていない60)。
5.3.1.4 スタチン服用者に認知機能障害が生じた場合の
対処法スタチンに関連した認知機能障害が疑われる場合には、神経心理検査(HDS-R、MMSEなど)を行うべきである。必要に応じてスタチンは漸減中止、あるいは他のスタチン、特に水溶性スタチンへの切り替えを考慮すべきである。なお、発症頻度が極めて低いことから、スタチン服用者全員に対し神経心理検査を行う必要性は乏しいと思われる61)。
5.3.2 うつ
5.3.2.1 発端
1990年代にコレステロールを低下させる食事療法やスタチン以外の薬剤によって気分の落ち込み、攻撃性、そして自殺が増加するという報告がなされた。これらの報告を受けてスタチンとうつについての関連性についての
検討がなされた。ランダム化した二重盲検試験で、シンバスタチン服用者ではうつと身体化が増えるとの報告がなされた62)。その一方で、スタチンがうつ病を予防するという報告や、スタチンとうつには相関がない、とする報告もみられ、スタチンとうつについての関連性は不明であった63)。
5.3.2.2 スタチンによるうつ病の発症機序
低コレステロール血症が脳内のコレステロールの低下をきたし、中枢神経の神経伝達機能に悪影響を及ぼし、セロトニン活性を低下させうつに至る、という仮説がある。
5.3.2.3 システマティックレビューの結果
良質な総計9,187例の参加者から構成される7 つの観察研究によると、スタチン投与はうつを予防する(オッズ比0.68;95%信頼区間 0.52~0.89)という結果が得られた(図3)。スタチンによる抗うつ作用として、スタチンがうつを誘発しうる酸化ストレスや炎症性サイトカインを減少させるという機序が推察されている63)。
5.4 耐糖能への影響
5.4.1 スタチンの糖尿病新規発症に及ぼす影響
スタチン系薬剤を用いた心血管イベント抑制試験(PROVE-IT、JUPITER試験など)により、スタチンが糖尿病の新規発症を増加すると報告され64, 65)、メタ解析でも、スタチンは糖尿病の新規発症を増加させることが示された66)。スタチンの投与量による影響では5 つの大規模無作為化比較試験のメタ解析から、高用量スタチンは中用量と比べ糖尿病発症リスクを上昇させることが報告され67)、日本での後ろ向き解析でも同様の報告がなさ
図3 スタチンとうつの関係(メタアナリシス)
Study or Subgroup
Feng L –0.34
–2.04 –0.54 –0.92 –0.46
–0.4
0.06 0.16
0.15 0.17 0.96 0.72 0.35 0.2 21.9%
22.7% 21.1% 1.9% 3.3% 10.4% 18.8% 0.71 [0.52, 0.97]
1.06 [0.79, 1.42]
0.67 [0.48, 0.94]
0.13 [0.02, 0.85]
0.58 [0.14, 2.39]
0.40 [0.20, 0.79]
0.63 [0.43, 0.93]
100.0% 0.68 [0.52, 0.89]
0.01 0.1 1 10 100
Lindberg G Otte C Pasco JA Stafford L Yang CC Young-Xu Y
Total (95% CI)
Heterogeneity: Tau 2=0.06; Chi 2=13.34, df=6 (P=0.04); I 2=55% Teat for overall effect: Z=2.78 (P=0.005)
log [Odds Ratio] SE Weight Odds Ratio IV, Random, 95% CI Odds Ratio IV, Random, 95% CI
Favours [Statins] Favours [No Statins]
(文献63より引用)
p.14
れ68)、糖尿病の新規発症にはスタチンの投与量の関与が示唆された。しかし、ピタバスタチン1 mgと4 mgの比較では糖尿病の新規発症に有意差は認めなかった69)。スタチンの種類による相違は明確ではないが、プラバスタチン40mgとアトルバスタチン80mgの効果を比較したPROVE-ITにおいてアトルバスタチン群で有意にHbA1cが上昇した。また、高用量スタチンは低用量スタチンに比べて糖尿病の新規発症をより増加させ、スタチンの種類により新規発症への影響が異なる可能性がある70, 71)。本邦のデータでも、高強度スタチン群では低強度スタチン群と比べ有意に発症リスクが高かった72)。また、スタチンの長期使用は糖尿病発症の高リスク患者においてスタチンの使用は糖尿病の発症を有意に上昇させることが示された73)。市販後臨床試験の解析により、脂肪肝、高尿酸血症が糖尿病発症の危険因子となると報告されている74)。
5.4.2 糖尿病患者の血糖コントロールへの影響
糖尿病患者におけるスタチン系薬剤の血糖コントロールへの影響についての報告は少なく、大規模臨床試験は実施されていない。日本人2 型糖尿病患者を対象にした試験では、プラバスタチン10mg群に比べてアトルバスタチン10mg群は3 か月で約0.4% HbA1cを悪化させた75)。同様の解析で、ピタバスタチンはHbA1cを悪化させることはなかった76)。アトルバスタチンなどの高強度スタチンのほうが低強度スタチンと比べ、耐糖能を悪化させやすいことが示唆されている77)。高強度スタチン間でも耐糖能への影響が異なる可能性があり、アトルバスタチンとピタバスタチンを前向きに比較したCHIBA研究における糖尿病患者のサブ解析において、アトルバスタチン群は有意にグリコアルブミンを悪化させた78)。更に、ピタバスタチンとアトルバスタチンの非盲検クロスオーバー試験ではピタバスタチンの方が有意にHbA1cを低下させたと報告している79)。このように糖尿病患者においてもスタチンの投与は血糖へ悪影響を及ぼす可能性があるが、血糖への影響は各スタチン間で異なることが示唆された。
5.4.3 機序
インスリン感受性とインスリン分泌スタチンのインスリン感受性に及ぼす効果は一様ではない。Baker等のメタ解析によるとプラバスタチンは感受性を有意に向上させるが、アトルバスタチンとロスバスタチンはやや感受性を低下させ、シンバスタチンは有意に低下させる80)。また、アトルバスタチンはプラバスタチンに比較してインスリン感受性を悪化させるが、これは、疎水性と親水性の違いによりスタチン間で組織移行性が異なりそれが感受性に影響を与えている可能性が
報告されている75)。アトルバスタチンは脂肪細胞の糖輸送担体(GLUT4)の発現を抑制することにより糖の取り込みを減少させるとされているが81)、このGLUT4抑制作用は、small G proteinであるRab4のRhoAの発現抑制を介した作用であることが示唆されている82)。同じく疎水性のシンバスタチンはCaチャンネルを阻害することにより血糖依存性のインスリン分泌を抑制する。細胞膜への親和性が100倍以上であることが関与しているとする報告がある83)。HMGCRのSNPの研究からHMGCRの阻害が体重増加と強く関連しており、そのことが糖尿病の新規発症リスクを高めているのではないかと報告されている84)。
5.4.4 スタチンの心血管疾患予防効果と糖尿病新規発症
スタチンが糖尿病の新規発症を増やすことは明らかであるが、その絶対リスクは低い(5 年間でプラセボ1.2%、ロスバスタチン1.5%)
85)。また、13のランダム比較試験
のメタ解析によると255人を4 年間スタチンで治療すると、糖尿病の新規発症は1 人であるが、5.4人の心血管イベントの発症を予防することができる66)。したがって、高リスクな患者では、スタチンによる心血管イベント抑制効果が上回るため、投与を中止することは勧められない22)。
5.4.5 まとめ
1)スタチンは糖尿病の新規発症を有意に増加させる。2)スタチンによる糖尿病の新規発症の増加は用量依存
性であり、高強度スタチンほど増加しやすいことが示唆されている。3)各スタチンにより糖尿病の新規発症、血糖への影響
は異なる可能性があるが、エビデンスは限られており、一定の見解は得られていない。以上より、スタチンを投与する場合には糖尿病の新規発症や、耐糖能の悪化に注意して観察する必要がある。糖尿病を新規発症したり、耐糖能が悪化した場合でもスタチンによる心血管イベント抑制効果が上回るため、投与を中止することは勧められない。ただし、投与量の減量、他のスタチンへの変更、他剤の併用などは考慮する余地があるかもしれない。
5.5 腎障害患者に対するスタチン投与について
慢性腎臓病(CKD)が動脈硬化性心血管病のリスクとして重要視されており、腎障害患者にスタチン投与を検討する機会が増加している。一方、スタチン投与に伴う有害事象は、腎機能低下に伴って増加することが知られている。従来の知見を踏まえると、腎障害患者に対す
p.15
るスタチン投与時に、最大用量のスタチン投与は推奨されない。以下にその根拠をまとめた。骨格筋細胞の崩壊により血中に漏出したミオグロビンは糸球体における血流量の著しい低下を引き起こす。したがって、横紋筋融解症の重篤な合併症として急性腎不全が挙げられる。一般に加齢に伴って、腎機能は徐々に低下すること、横紋筋融解症の報告は腎機能低下患者に多いことから、特に高齢者においては慎重投与を推奨する(全てのスタチン、添付文書に「慎重投与」と記載されている)。一部のスタチンの添付文書には、腎障害患者(CKDステージ3 以上、またはCcr <30 mL/minなど)ではスタチンの血中濃度またはAUCの上昇を伴うことから、横紋筋融解症並びにその重症化の危険性が高まることが示されている3, 4, 17)。一般に、腎機能低下時に推奨されるスタチンの用量設定は、CKDステージ毎に設定される。アトルバスタチンやフルバスタチンの腎障害患者における忍容性は比較的良好であり、ステージ4 以上の重篤な腎障害患者においても通常量での使用が可能という報告がある86)。一方、健常成人に比較してピタバスタチンでは半減期が2 倍に延長すること、ロスバスタチンではAUCが3 倍に増大することが示されており、CKD患者への投与は推奨されない。使用する場合は、最小量で開始し、低用量での使用に留めるべきである87)。肝臓の類洞側膜に局在する有機アニオントランスポーター(前述のSLCO1B1遺伝子にコードされたOATP1B1)は、種々のスタチンを含む肝代謝型薬物や一部内因性の不要老廃物など様々な化合物を認識し、それらの肝細胞内取り込みを媒介する。OATP1B1を介するアニオン性薬物の取り込み速度は、血中非結合型薬物よりもアルブミンと結合した場合の方が高い親和性を介して取り込まれることが知られる。したがって、血清アルブミン濃度が低下した肝硬変患者及びCKD患者では、OATP1B1を介するスタチンの肝細胞内取り込み速度が低下することが想定される。なお、OATP1B1には遺伝的多型性が存在し、機能低下を引き起こす15遺伝子型のホモ接合体は日本人の3 %に見出されており、全ゲノム解析によりSLCO1B1遺伝子多型はシンバスタチンによる筋痛の主要因として明らかにされている88-90)。CKD患者の血中に蓄積した尿毒症物質の一部(インドキシル硫酸など)は、肝OATP1B1を介するスタチンの肝細胞内取り込み活性を強く阻害することから、尿毒症物質を含む内因性化合物との肝細胞内取り込み過程における相互作用によって、血中スタチン濃度の上昇に伴うスタチン暴露量の増大が引き起こされることが想定される91, 92)。また、高度腎機能低下状態において肝薬物トランスポーターの機能活性は一様に低下する93, 94)。したがって、これらの情報を統合すると、CKD患者におけるスタチンの使用は低用量に留めるこ
とが推奨されると同時に、減量に随時対応できるように定期的な腎機能検査の実施が推奨される。以上のことから、CKDを合併する高LDL-C血症患者には、スタチン最大用量の使用は推奨されない。
6.今後の課題と総括
クリニカルクエスチョンへの回答の項で述べたように、特に以下の事項について日本人に関するデータは乏しい。よって、CQ1-2:スタチンの種類別にその頻度に差はあるか?、CQ1-3:スタチン不耐の理由とその頻度は?、
CQ2:スタチン不耐は、動脈硬化性心血管病予防効果、
さらには予後に影響を及ぼすか?、CQ3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)への対策は?、について今後もさらなる知見の蓄積とそれに伴った検証が必要である。日本が超高齢社会を迎えていること、加齢は動脈硬化性心血管疾患の最大の危険因子でることを考慮すると、新たなCQとして、「高齢者におけるスタチン投与では、非高齢者と異なる対応が必要か」についても今後検討が望まれる。その実現に向け今後取り組むべき方策としては、第一にスタチン不耐の主因である筋障害の成因解明が挙げられる。従来はスタチン不耐の定義が不統一であったため症例集積の大きなハードルとなっていた。今回の指針作成によって、臨床像のまとまったスタチン不耐症例の集積が期待でき、それを元に集学的アプローチによって成因解明に結びつくであろう。第二のアプローチとしては、スタチン投与例のコホート調査研究、特に最近のビッグデータ研究手法を用いた分析が期待できる。日本では心血管イベント発生率が低く、またデンマークなどと異なり国内医療データが未統一であることから、近未来の達成は難しいものの、実現に向けた体制整備の意義は大きい。先行研究ではスタチンによる筋障害発症にアジア人特異的HLA遺伝子型が関与することが明らかになっており、アジア諸国との共同調査研究のテーマとしても期待される。第三には、スタチン関連筋症状(SAMS)で明らかになったノセボ効果(逆偽薬効果)に関する知識の普及と啓発が望まれる。真のスタチン関連有害事象の正確な把握には不可欠のステップであろう。本指針のまとめとして、「初回のスタチン投与で有害事象(筋酵素の上昇、腎機能悪化、肝機能検査値の異常、筋症状を含むスタチンが原因と推定される自覚症状など)が生じ、さらに1 種類以上の異なるスタチンを投与しても有害事象が生じるため、スタチン投与の継続が困難な
p.16
場合」を「スタチン不耐」と定義することとし、図1に示したフローチャートに添った診療を推奨する。なお、筋障害に次いで頻度が高い有害事象である肝障害、さらには筋症状を含む自覚症状を含む有害事象を含めて「スタチン不耐」として取り扱った点が欧米の指針4, 7, 8)とは異なる本指針の特徴である。(本指針は2018年7 月時点までの公表データに基づき作成した)
2015年、2016年、2017年のCOI講演料:(加川)ギリアド・サイエンシズ株式会社。(木庭)MSD株式会社。(齋藤英胤)大塚製薬株式会社。(塚本)武田薬品工業株式会社、MSD株式会社、バイエル薬品株式会社、サノフィ株式会社。(山川)MSD株式会社、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社、田辺三菱製薬株式会社、小野薬品工業株式会社、興和創薬株式会社。(山下)興和株式会社、MSD株式会社、アステラス製薬株式会社、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社、サノフィ株式会社、バイエル薬品株式会社、興和創薬株式会社、株式会社スカイライト・バイオテック、株式会社メディカルレビュー社、ファイザー株式会社、大日本印刷株式会社健康保険組合、東日本技術研究所。(中山)大塚製薬株式会社。(井上)サノフィ株式会社。研究費:(山下)興和株式会社、バイエル薬品株式会社、株式会社三和化学研究所、大塚製薬株式会社、協和メディックス株式会社、ロート製薬株式会社、田辺三菱製薬株式会社、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社。研究費:(中山)草津市役所。奨学(奨励)寄付金:(加川)エーザイ株式会社、第一三共株式会社、アッヴィ合同会社。(梶波)アステラス製薬株式会社、武田薬品工業株式会社、バイエル薬品株式会社、第一三共株式会社、ブリストルマイヤーズスクイブ、大日本住友製薬株式会社、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社、大塚製薬株式会社、富士フィルム株式会社、St Jude Medical、セントラルメディカル株式会社。(塚本)田辺三菱製薬株式会社。(山川)興和創薬株式会社、MSD株式会社、田辺三菱製薬株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、武田薬品工業株式会社、小野薬品工業株式会社。(山下)武田薬品工業株式会社、持田製薬株式会社、アステラス製薬株式会社、バイエル薬品株式会社。(中山)医療法人長安会中村病院、株式会社日本データセンター。寄附講座:(山下)地方独立行政法人りんくう総合医療センター、市立貝塚病院、泉佐野市。参考文献
1)Endo A. The discovery and development of HMG-CoA
reductase inhibitors. J Lipid Res. 1992;33:1569-1582. 2)Teramoto T, Sasaki J, Ishibashi S, Birou S, Daida H,
Dohi S, Egusa G, Hiro T, Hirobe K, Iida M, Kihara S, Kinoshita M, Maruyama C, Ohta T, Okamura T, Yama shita S, Yokode M, Yokote K. Executive summary of the Japan Atherosclerosis Society(JAS)guidelines for the diagnosis and prevention of atherosclerotic cardiovascular diseases in Japan―2012 version. J Atheroscler Thromb. 2013;20:517-523. 3)Fitchett DH, Hegele RA, Verma S. Cardiology patient
page. Statin intolerance. Circulation. 2015;31:131: e389-391. doi:10.1161/CIRCULATIONAHA. 114.013189. 4)Stroes ES, Thompson PD, Corsini A, Vladutiu GD, Raal
FJ, Ray KK, Roden M, Stein E, Tokgözoğlu L, Nordestgaard BG, Bruckert E, De Backer G, Krauss RM, Laufs U, Santos RD, Hegele RA, Hovingh GK, Leiter LA, Mach F, März W, Newman CB, Wiklund O, Jacobson TA, Catapano AL, Chapman MJ, Ginsberg HN;European Atherosclerosis Society Consensus Panel. Statin-associated muscle symptoms:impact on statin therapy-European Atherosclerosis Society Consensus Panel Statement on Assessment, Aetiology and Management. Eur Heart J. 2015;36:1012-1022. 5)Cannon CP, Blazing MA, Giugliano RP, McCagg A,
White JA, Theroux P, Darius H, Lewis BS, Ophuis TO, Jukema JW, De Ferrari GM, Ruzyllo W, De Lucca P, Im K, Bohula EA, Reist C, Wiviott SD, Tershakovec AM, Musliner TA, Braunwald E, Califf RM;IMPROVE-IT Investigators. Ezetimibe Added to Statin Therapy after Acute Coronary Syndromes. N Engl J Med. 2015; 372:2387-2397. doi:10.1056/NEJMoa1410489. Epub 2015 Jun 3. 6)Sabatine MS, Giugliano RP, Keech AC, Honarpour N,
Wiviott SD, Murphy SA, Kuder JF, Wang H, Liu T, Wasserman SM, Sever PS, Pedersen TR;FOURIER Steering Committee and Investigators. Evolocumab and Clinical Outcomes in Patients with Cardiovascular Disease. N Engl J Med. 2017;376:1713-1722. doi:10.1056/ NEJMoa1615664. Epub 2017 Mar 17. 7)Guyton JR, Bays HE, Grundy SM, Jacobson TA, The
National Lipid Association Statin Intolerance Panel. An assessment by the Statin Intolerance Panel:2014 update. J Clin Lipidol. 2014 May-Jun;8(3 Suppl):S72-81. doi:10.1016/j.jacl.2014.03.002. 8)Mancini GB, Baker S, Bergeron J, Fitchett D, Frohlich J,
Genest J, Gupta M, Hegele RA, Ng D, Pearson GJ, Pope J, Tashakkor AY. Diagnosis, Prevention, and Management of Statin Adverse Effects and Intolerance:Canadian Consensus Working Group Update(2016). Can J Cardiol.
p.17
2016;32(7 Suppl):S35-65. doi:10.1016/j.cjca.2016.01.003. Epub 2016 Jan 14. 9)Rosenson RS, Baker SK, Jacobson TA, Kopecky SL,
Parker BA, The National Lipid Association’s Muscle Safety Expert Panel. An assessment by the Statin Muscle Safety Task Force:2014 update. J Clin Lipidol. 2014;8(3 Suppl):S58-71. doi:10.1016/j.jacl.2014.03.004. 10)Nagar S, Rane P, Fox K, Meyers J, Davis K, Beaubrun
A, Inomata H, Qian Y, Kajinami K. Treatment patterns, statin intolerance, and subsequent cardiovascular events among Japanese patients with high cardiovascular risk initiating statin therapy. Circ J. 2018 ;82:1008-1016. doi:10.1253/circj.CJ-17-0811. Epub 2017 Dec 23. 11)Wake M, Onishi Y, Guelfucci F, Oh A, Hiroi S, Shima-
saki Y, Teramoto T. Treatment patterns in hyperlipidaemia patients based on administrative claim databases in Japan. Atherosclerosis. 2018;272:145-152. doi:10.1016/j.atherosclerosis. 2018.03.023. Epub 2018 Mar 16. 12)Sai K, Kajinami K, Akao H, Iwadare M, Sato-Ishida R,
Kawai Y, Takeda K, Tanimoto T, Yamano T, Akasaka T, Ishida T, Hirata KI, Saku K, Yagi S, Soeki T, Sata M, Ueno M, Miyazaki S, Shiraki A, Oyama JI, Node K, Sugamura K, Ogawa H, Kurose K, Maekawa K, Matsuzawa Y, Imatoh T, Hasegawa R;Japanese Pharmacogenomics Data Science Consortium, Saito Y. A possible role for HLA-DRB1*04:06 in statin-related myopathy in Japanese patients. Drug Metab Pharmacokinet 2016;31:467-470. 13)Nissen SE, Stroes E, Dent-Acosta RE, Rosenson RS,
Lehman SJ, Sattar N, Preiss D, Bruckert E, Ceška R, Lepor N, Ballantyne CM, Gouni-Berthold I, Elliott M, Brennan DM, Wasserman SM, Somaratne R, Scott R, Stein EA. Efficacy and tolerability of evolocumab vs ezetimibe in patients with muscle-related statin intolerance. The GAUSS-3 randomized clinical trial. JAMA 2016;315:1580-1590. 14)Guyton JR, Bays HE, Grundy SM, Jacobson TA, The
National Lipid Association Statin Intolerance Panel. An assessment by the statin intolerance panel:2014 update. J Clin Lipidol. 2014 May-Jun;8(3 Suppl):S72-81. doi:10.1016/j.jacl.2014.03.002. 15)五島雄一郎, 八杉忠男, 後藤由夫, 吉田尚, 斎藤康, 大島研
三, 高久史磨, 折茂肇, 泰葭哉, 中谷矩章, 熊谷朗, 竹田亮祐, 馬渕宏, 葛谷文男, 山本章, 河合忠一, 北徹, 垂井清一郎, 松沢佑次,梶山梧朗, 国府達郎, 中村元臣, 荒川規矩男:高脂血症に対するCS-514 (pravastatin)の臨床評価―Clinofibrateを対照薬とした二重盲検群間比較試験―. Clin. Eval. 1988;16:211-249 16)五島雄一郎, 山本 章, 松沢佑次, 中谷矩章, 秦 葭哉, 北
徹, 馬渕 宏, 横山信治. 高脂血症患者に対するpravastatin(CS-514)の臨床的有用性の検討 単独投与におけるプロプコールを対照とした二重盲検群間比較試験. 医学の
あゆみ. 1988;146:927-955 17)Nakamura H, Arakawa K, Itakura H, Kitabatake A,
Goto Y, Toyota T, Nakaya N, Nishimoto S, Muranaka M, Yamamoto A, Mizuno K, Ohashi Y;MEGA Study Group. Primary prevention of cardiovascular disease with pravastatin in Japan(MEGA Study):a prospective randomised controlled trial. Lancet. 2006;368: 1155-1163 18)Itoh T, Matsumoto M, Hougaku H, Handa N, Tsubaki-
hara Y, Yamada Y, Imaizumi M, Hoshi M, Shimazu Y, Hori M, Kawamori R, Ueda N, Fusamoto H, Kamada T. Effects of low-dose simvastatin therapy on serum lipid levels in patients with moderate hypercholesterolemia:a 12-month study. The Simvastatin Study Group. Clin Ther. 1997;19:487-497. 19)Matsuzawa Y, Kita T, Mabuchi H, Matsuzaki M,
Nakaya N, Oikawa S, Saito Y, Sasaki J, Shimamoto K, Itakura H;J-LIT Study Group.Sustained reduction of serum cholesterol in low-dose 6-year simvastatin treatment with minimum side effects in 51,321 Japanese hypercholesterolemic patients. Circ J 2003;67:287-294. 20)斎藤 康, 吉田 尚, 中谷矩章, 秦 葭哉, 五島雄一郎.
高脂血症患者に対するSimvastatin(MK-733)の投与法の検討― 二重盲検法による朝・夕比較試験. 臨床医薬. 1989;5:2041-2074 21)五島雄一郎, 板倉弘重, 後藤由夫, 及川眞一, 秦 葭哉, 中
谷矩章, 八杉忠男, 吉田 尚, 斎藤 康, 葛谷文男, 吉峯徳, 馬淵 宏, 河合忠一, 北 徹, 山本 章, 荒川規矩. MK-733(Simvastatin)の臨床試験―第II相用量検索試験.臨床医薬. 1989;5:2011-2040 22)MK-733研究会, 中谷矩章, 後藤由夫, 及川眞一, 秦 葭哉,
八杉忠男, 板倉弘重, 吉田 尚, 斎藤 康, 馬渕 宏, 葛谷文男, 吉峯 徳, 河合忠一, 北 徹, 山本章, 荒川規矩男,鵜沢春生. 高脂血症に対するMK-733(simvastatin)の臨床効果―多施設共同オープン試験の成績―.臨床医薬. 1989;5:1651-1684 23)Sasaki J1, Ikeda Y, Kuribayashi T, Kajiwara K, Biro S,
Yamamoto K, Ageta M, Kobori S, Saikawa T, Otonari T, Kono S. A 52-week, randomized, open-label, parallel-group comparison of the tolerability and effects of pitavastatin and atorvastatin on high-density lipoprotein cholesterol levels and glucose metabolism in Japanese patients with elevated levels of low-density lipoprotein cholesterol and glucose intolerance. Clin Ther. 2008;30:1089-
1101 24)Hiro T, Kimura T, Morimoto T, Miyauchi K, Nakagawa
Y, Yamagishi M, Ozaki Y, Kimura K, Saito S, Yamaguchi T, Daida H, Matsuzaki M;JAPAN-ACS Investigators. Effect of intensive statin therapy on regression of coronary atherosclerosis in patients with acute coronary syndrome:a multicenter randomized trial evalu-
p.18
ated by volumetric intravascular ultrasound using pitavastatin versus atorvastatin(JAPAN-ACS [Japan assessment of pitavastatin and atorvastatin in acute coronary syndrome] study). J Am Coll Cardiol. 2009; 54:293-302 25)五島雄一郎, 中谷矩章, 後藤由夫, 吉田 尚, 斎藤 康, 大
島研三, 高久史麿, 折茂 肇, 秦 葭哉, 八杉忠男, 熊谷朗, 竹田亮祐, 馬渕 宏, 葛谷文男, 山本 章, 河合忠一,北 徹, 垂井清一郎, 松沢佑次, 梶山梧朗, 国府達郎, 中村元臣, 荒川規矩男. 高脂血症に対するCS-514(Pravastatin)の臨床効果―Multi clinic Open Studyの成績. 臨床医薬. 1988;4:201-227 26)五島雄一郎, 山本 章, 後藤由夫, 吉田 尚, 斎藤 康, 大
島研三, 八杉忠男, 高久史麿, 折茂 肇, 秦 葭哉, 中谷矩章, 熊谷 朗, 竹田亮祐, 馬渕 宏, 葛谷文男, 河合忠一,北 徹, 垂井清一郎, 松沢佑次, 梶山梧朗, 国府達郎, 中村元臣, 荒川規矩男.高脂血症に対するCS-514(Pravastatin)の長期投与による臨床的有用性の検討. 臨床医薬. 1988; 4:409-437 27)Watanabe T, Ando K, Daidoji H, Otaki Y, Sugawara S,
Matsui M, Ikeno E, Hirono O, Miyawaki H, Yashiro Y, Nishiyama S, Arimoto T, Takahashi H, Shishido T, Miyashita T, Miyamoto T, Kubota I;CHERRY study investigators. randomized controlled trial of eicosapentaenoic acid in patients with coronary heart disease on statins. J Cardiol. 2017;70:537-544 28)The Kyushu Lipid Intervention Study Group . Pravas-
tatin Use and Risk of Coronary Events and Cerebral Infarction in Japanese Men with Moderate Hypercholesterolemia:The Kyushu Lipid Intervention Study. J Atheroscler Thromb. 2000;7:110-121 29)Origasa H, Yokoyama M, Matsuzaki M, Saito Y, Matsu-
zawa Y;JELIS Investigators. Clinical importance of adherence to treatment with eicosapentaenoic acid by patients with hypercholesterolemia. Circ J. 2010;74: 510-517. 30)Zhang H1, Plutzky J, Skentzos S, Morrison F, Mar P,
Shubina M, Turchin A. Discontinuation of statins in routine care settings:a cohort study. Ann Intern Med. 2013;158:526-534. doi:10.7326/0003-4819-158-7- 201304020-00004. 31)Vonbank A, Agewall S, Kjeldsen KP, et al. Comprehen-
sive efforts to increase adherence to statin therapy. European heart journal. 2017;38:2473-2479. 32)Laufs U, Scharnagl H, Marz W. Statin intolerance. Curr
Opin Lipidol. 2015;26:492-501. 33)高木 康. クレアチンキナーゼ. 臨床検査ガイド. pp115-
117. 三橋知明編. 文光堂. 東京. 2015. 34)濱野忠則. 横紋筋融解症. 別冊日本臨床, 神経症候群(第
2 版). pp598-601. 2014. 35)Suzuki S, Uruha A, Suzuki N, Nishino I. Integrated
Diagnosis Project for Inflammatory Myopathies:An association between autoantibodies and muscle pathol-
ogy. Autoimmunity reviews. 2017;16:693-700. 36)Floyd JS, Brody JA, Tiniakou E, Psaty BM, Mammen A.
Absence of anti-HMG-CoA reductase autoantibodies in severe self-limited statin-related myopathy. Muscle Nerve. 2016;54:142-144. 37)Catapano AL, Graham I, De Backer G, Wiklund O,
Chapman MJ, Drexel H, Hoes AW, Jennings CS, Landmesser U, Pedersen TR et al:2016 ESC/EAS Guidelines for the Management of Dyslipidaemias. Eur Heart J. 2016;37:2999-3058. 38)Mach F, Ray KK, Wiklund O, Corsini A, Catapano AL,
Bruckert E, De Backer G, Hegele RA, Hovingh GK, Jacobson TA, Krauss RM, Laufs U, Leiter LA, März W, Nordestgaard BG, Raal FJ, Roden M, Santos RD, Stein EA, Stroes ES, Thompson PD, Tokgäzoglu L, Vladutiu GD, Gencer B, Stock JK, Ginsberg HN, Chapman MJ; European Atherosclerosis Society Consensus Panel. Adverse effects of statin therapy:perception vs. the evidence - focus on glucose homeostasis, cognitive, renal and hepatic function, haemorrhagic stroke and cataract. Eur Heart J 2018;39:2526-2539. doi:10.1093/ eurheartj/ehy182 39)Tolman KG:The liver and lovastatin. Am J Cardiol.
2002;89:1374-1380. 40)Naci H, Brugts J, Ades T:Comparative tolerability and
harms of individual statins:a study-level network meta-analysis of 246 955 participants from 135 randomized, controlled trials. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2013;6:390-399. 41)Bays H, Cohen DE, Chalasani N, Harrison SA, The
National Lipid Association’s Statin Safety Task F:An assessment by the Statin Liver Safety Task Force: 2014 update. J Clin Lipidol 2014, 8(3 Suppl):S47-57. 42)Newman C, Tsai J, Szarek M, Luo D, Gibson E:Com-
parative safety of atorvastatin 80 mg versus 10 mg derived from analysis of 49 completed trials in 14,236 patients. Am J Cardiol. 2006;97:61-67. 43)Herrick C, Litvin M, Goldberg AC:Lipid lowering in
liver and chronic kidney disease. Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2014;28:339-352. 44)Sorokin A, Brown JL, Thompson PD:Primary biliary
cirrhosis, hyperlipidemia, and atherosclerotic risk:a systematic review. Atherosclerosis. 2007;194:293-299. 45)Kullak-Ublick GA, Andrade RJ, Merz M, End P, Benesic
A, Gerbes AL, Aithal GP:Drug-induced liver injury: recent advances in diagnosis and risk assessment. Gut. 2017;66:1154-1164. 46)Zimmerman HJ:The spectrum of hepatotoxicity. Per-
spect Biol Med. 1968;12:135-161. 47)Andrade RJ, Lucena MI, Fernandez MC, Pelaez G, Pac-
hkoria K, Garcia-Ruiz E, Garcia-Munoz B, Gonza-
p.19
lez-Grande R, Pizarro A, Duran JA et al:Drug-induced liver injury:an analysis of 461 incidences submitted to the Spanish registry over a 10-year period. Gastroenterology. 2005;129:512-521. 48)Bjornsson E, Olsson R:Outcome and prognostic mark-
ers in severe drug-induced liver disease. Hepatology. 2005;42:481-489. 49)Orsi A, Sherman O, Woldeselassie Z. Simvastatin-associ-
ated memory loss. Pharmacotherapy. 2001;21:767-
769 50)King DS, Wilburn AJ, Wofford MR, Harrell TK, Lindley
BJ, Jones DW. Cognitive impairment associated with atorvastatin and simvastatin. Pharmacotherapy. 2003; 23:1663-1667. 51)Wagstaff LR, Mitton MW, Arvik BM, Doraiswamy PM.
Statin-associated memory loss:analysis of 60 case reports and review of the literature. Pharmacotherapy. 2003;23:871-880. 52)FDA Drug Safty Communicatoin:important safety
label chages to cholesterol-lowering statin drugs. US FDA website http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ ucm293101.htm 53)Parker-Poke T. A heart helper may come at a price for
the brain. The Well Colum. The New York Times. http//well.blogs.nytimes.com/2012/03/05/help-for-theheart-comes-with-a-price-for-the-brain/?_r=0 54)里 直行. 認知症とスタチン.薬局 2016;67:2742-2746. 55)Miron VE, Zehntner SP, Kuhlmann T, Ludwin SK,
Owens T, Kennedy TE, Bedell BJ, Antel JP. Statin therapy inhibits remyelination in the central nervous system. Am J Pathol. 2009;174:1880-1890. 56)Langsjoen PH, Langsjoen AM. The clinical use of HMG
CoA-reductase inhibitors and the associated depletion of coenzyme Q10. A review of animal and human publications. Biofactors. 2003;18:101-111. 57)Richardson K, Schoen M, French B, Umscheid CA,
Mitchell MD, Arnold SE, Heidenreich PA, Rader DJ, deGoma EM. Statins and cognitive function:a systematic review. Ann Intern Med. 2013;159:688-697. 58)Swiger KJ, Manalac RJ, Blumenthal RS, Blaha MJ, Mar-
tin SS. Statins and cognition:a systematic review and meta- analysis of short- and long-term cognitive effects. Mayo Clin Proc. 2013;88:1213-1221. 59)Feldman HH, Doody RS, Kivipelto M, Sparks DL,
Waters DD, Jones RW, Schwam E, Schindler R, Hey-Hadavi J, DeMicco DA, Breazna A;LEADe Investigators. Randomized controlled trial of atorvastatin in mild to moderate Alzheimer disease:LEADe. Neurology. 2010;74:956-964. 60)日本神経学会監修「認知症疾患診療ガイドライン」作成
委員会編 CQ4A-4. 脂質異常症治療は認知症予防に有効か. 認知症疾患診療ガイドライン 2017. 医学書院 2017, pp126-127.
61)Rojas-Fernandez CH, Cameron JC. Is statin-associated
cognitive impairment clinically relevant? A narrative review and clinical recommendations. Ann Pharmacother. 2012;46:549-557. 62)Hyyppä MT, Kronholm E, Virtanen A, Leino A, Jula A.
Does simvastatin affect mood and steroid hormone levels in hypercholesterolemic men? A randomized double-blind trial. Psychoneuroendocrinology. 2003;28: 181-194. 63)Parsaik AK, Singh B, Murad MH, Singh K, Mascar-
enhas SS, Williams MD, Lapid MI, Richardson JW, West CP, Rummans TA. Statins use and risk of depression: a systematic review and meta-analysis. J Affect Disord. 2014;160:62-67. 64)Cannon CP, Braunwald E, McCabe CH, et al. Intensive
versus moderate lipid lowering with statins after acute coronary syndromes. N Engl J Med. 2004;350:1495-
1504 65)Ridker PM, Danielson E, Fonseca FA, et al. Rosuvasta-
tin to prevent vascular events in men and women with elevated C-reactive protein. N Engl J Med. 2008;359: 2195-2207. 66)Sattar N, Preiss D, Murray HM, et al. Statins and risk
of incident diabetes:a collaborative meta-analysis of randomised statin trials. Lancet. 2010;375:735-742. 67)Preiss D, Seshasai SR, Welsh P, et al. Risk of incident
diabetes with intensive-dose compared with moderate-dose statin therapy:a meta-analysis. JAMA. 2011; 305:2556-2564. 68)Kato S, Miura M. Risk of new-onset diabetes mellitus
during treatment with low-dose statins in Japan:A retrospective cohort study. J Clin Pharm Ther. 2018 doi: 10.1111/jcpt.12675 [published Online First:2018/02/28] 69)Taguchi I, Iimuro S, Iwata H, et al. High-Dose Versus
Low-Dose Pitavastatin in Japanese Patients With Stable Coronary Artery Disease(REAL-CAD):A Randomized Superiority Trial. Circulation. 2018;137:1997-2009. 70)Carter AA, Gomes T, Camacho X, et al. Risk of incident
diabetes among patients treated with statins:population based study. BMJ. 2013;346:f2610. 71)Navarese EP, Buffon A, Andreotti F, et al. Meta-analy-
sis of impact of different types and doses of statins on new-onset diabetes mellitus. Am J Cardiol. 2013;111: 1123-1130. 72)Ooba N, Setoguchi S, Sato T, et al. Lipid-lowering drugs
and risk of new-onset diabetes:a cohort study using Japanese healthcare data linked to clinical data for health screening. BMJ Open. 2017;7:e015935. 73)Crandall JP, Mather K, Rajpathak SN, et al. Statin use
and risk of developing diabetes:results from the Diabetes Prevention Program. BMJ Open Diabetes Res
p.20
Care. 2017;5:e000438. 74)Hashiguchi M, Maruyama J, Shimizu M, et al. Risk Fac-
tor for Diabetes Mellitus and High Blood Glucose With HMG-CoA Reductase Inhibitors Using a Postmarketing Surveillance Database in Japan. Clin Pharmacol Drug Dev 2018 doi:10.1002/cpdd.444 [published Online First:2018/02/21] 75)Takano T, Yamakawa T, Takahashi M, et al. Influences
of statins on glucose tolerance in patients with type 2 diabetes mellitus. J Atheroscler Thromb. 2006;13: 95-100. 76)Yamakawa T, Takano T, Tanaka S, et al. Influence of
pitavastatin on glucose tolerance in patients with type 2 diabetes mellitus. J Atheroscler Thromb. 2008;15: 269-275. 77)Mita T, Watada H, Nakayama S, et al. Preferable effect
of pravastatin compared to atorvastatin on beta cell function in Japanese early-state type 2 diabetes with hypercholesterolemia. Endocr J. 2007;54:441-447. 78)Yokote K, Saito Y, Chiba. Influence of statins on glucose
tolerance in patients with type 2 diabetes mellitus: subanalysis of the collaborative study on hypercholesterolemia drug intervention and their benefits for atherosclerosis prevention(CHIBA study). J Atheroscler Thromb. 2009;16:297-298. 79)Mita T, Nakayama S, Abe H, et al. Comparison of
effects of pitavastatin and atorvastatin on glucose metabolism in type 2 diabetic patients with hypercholesterolemia. J Diabetes Investig. 2013;4:297-303. 80)Baker WL, Talati R, White CM, et al. Differing effect of
statins on insulin sensitivity in non-diabetics:a systematic review and meta-analysis. Diabetes Res Clin Pract. 2010;87:98-107. 10.1016/j.diabres.2009.10.008 [published Online First:2009/11/17] 81)Nakata M, Nagasaka S, Kusaka I, et al. Effects of statins
on the adipocyte maturation and expression of glucose transporter 4(SLC2A4):implications in glycaemic control. Diabetologia. 2006;49:1881-1892. 82)Takaguri A, Satoh K, Itagaki M, et al. Effects of ator-
vastatin and pravastatin on signal transduction related to glucose uptake in 3T3L1 adipocytes. J Pharmacol Sci. 2008;107:80-89. 83)Masters BA, Palmoski MJ, Flint OP, et al. In vitro myo-
toxicity of the 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase inhibitors, pravastatin, lovastatin, and simvastatin, using neonatal rat skeletal myocytes. Toxicol Appl Pharmacol 1995;131(1):163-174. 84)Swerdlow DI, Preiss D, Kuchenbaecker KB, et al.
HMG-coenzyme A reductase inhibition, type 2 diabetes, and bodyweight:evidence from genetic analysis and randomised trials. Lancet. 2015;385:351-361. 85)Ridker PM, Pradhan A, MacFadyen JG, et al. Cardio-
vascular benefits and diabetes risks of statin therapy in primary prevention:an analysis from the JUPITER trial. Lancet. 2012;380:565-571. 86)Launay-Vacher V, Izzedine H, Deray G. Statins’ dosage
in patients with renal failure and cyclosporine drug?drug interactions in transplant recipient patients. Int J Cardiol. 2005;101:9-17, 87)V. Pascuala, A. Serranob, J. Pedro-Botet, J. Ascaso, V.
Barrios, J. Millán, X. Pintó, A. Cases. Chronic kidney disease and dyslipidaemia. Clin Investig Arterioscler. 2017;29:22-35 88)Link E, Parish S, Armitage J, Bowman L, Heath S, Mat-
suda F, Gut I, Lathrop M, and Collins R. SLCO1B1 variants and statin-induced myopathy--a genomewide study. N Eng J Med. 2008;359:789-799. 89)Maeda K, Ieiri I, Yasuda K, Fujino A, Fujiwara H,
Otsubo K, Hirano M, Watanabe T, Kitamura Y, Kusuhara H, et al. Effects of organic anion transporting polypeptide 1B1 haplotype on pharmacokinetics of pravastatin, valsartan, and temocapril. Clin Pharm Therap. 2006;79:427-439. 90)Pasanen MK, Neuvonen PJ, and Niemi M. Global analy-
sis of genetic variation in SLCO1B1. Pharmacogenomics. 2008;9:19-33. 91)Sato T, Yamaguchi H, Kogawa T, Abe T, and Mano N.
Organic anion transporting polypeptides 1B1 and 1B3 play an important role in uremic toxin handling and drug-uremic toxin interactions in the liver. Journal of pharmacy & pharmaceutical sciences:a publication of the Canadian Society for Pharmaceutical Sciences, Societe canadienne des sciences pharmaceutiques. 2014;17:475-484. 92)Tsujimoto M, Hatozaki D, Shima D, Yokota H,
Furukubo T, Izumi S, Yamakawa T, Minegaki T, and Nishiguchi K. Influence of serum in hemodialysis patients on the expression of intestinal and hepatic transporters for the excretion of pravastatin. Therapeutic apheresis and dialysis:official peer-reviewed journal of the International Society for Apheresis, the Japanese Society for Apheresis, the Japanese Society for Dialysis Therapy. 2012;16:580-587. 93)Klaassen CD, and Aleksunes LM. Xenobiotic, bile acid,
and cholesterol transporters:function and regulation. Pharmacological reviews. 2010;62:1-96. 94)Sun H, Frassetto L, and Benet LZ. Effects of renal fail-
ure on drug transport and metabolism. Pharmacology & therapeutics. 2006;109(1-2):1-11.
(発行 2018年12月19日)
p.21
付録1
今回、下記のクリニカルクエスチョンに対し、システマティック レビューを実施したのでご報告致します。
1.調査内容
実施期間:2018年3月−2018年6月方法: 1 上記CQを構造化し、組入れ・除外基準を設定した。2 医中誌・PubMedの検索に用いる検索式を作成した。3 医中誌・MEDLINE(PubMed)を用いた文献検索、文献スクリーニング(文献タイトルと抄録による
1次スクリーニング、全文評価による2次スクリーニング)、文献評価を行った。4 適格基準を満たした文献から、データを抽出した。
2.結果
PubMedを用い、日本国内において、成人脂質異常症患者(心血管疾患の既往は問わない)を対象としたスタチンの有効性・安全性を検証した無作為化比較試験、コホート研究を調査した。8文献が該当し、研究デザインの内訳は、6つの無作為化比較試験、2つのコホート研究であった。治療期間中の副作用発現やアドヒアランスについて記述した研究はあるものの、不耐を定義し、その頻度や予後との関係性を調査した研究は見当たらなかった。医中誌を用いた検索では、2次スクリーニングの段階で、全ての文献が除外された。70、80年代に実施された治験を対象とした検索では、27文献が該当した。この中で、100例以上の症例を対象とした報告は7文献あった。以下、CQ毎に関連する文献について報告する。
CQ1:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の頻度は?
CQ1-2:スタチンの種類別にその頻度に差はあるか?
CQ1-3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の理由とその頻度は?
CQ2:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)は、動脈硬化性心血管病予防効果、さらには予後
に影響を及ぼすか?
CQ3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)への対策は?
p.22
CQ1.不耐(中止)の頻度について
・シンバスタチン: 1 201人の脂質異常症患者を対象としたコホート研究において、12か月間の観察期間中、9例で軽度の副作
用発現が認められたが、中止例はなかった(Clin Ther. 1997 May-Jun ; 19(3): 487-97.)。2 52421人の脂質異常症患者を対象としたコホート研究(J-LIT)において、観察開始6年の時点で、36895
人がフォローアップされており、うち24260人がシンバスタチンを内服していた(表1)(Cir J 2003 ; 67 : 287-294)。
3 脂質異常症患者を対象とした比較試験において、12週の観察期間中、137人中4例で中止が認められた(臨
床医薬 ; 1989 : 5(10)2041-2074)。4 MK-733(シンバスタチン)の第2相用量検索試験において、12週の観察期間中、168例中1例に食欲不振、
気分不良による中止が認められた(臨床医薬 ; 1989 : 5(10)2011-2040)。5 280例の脂質異常症患者を対象とした多施設共同オープン試験において、12週の投与期間中、蕁麻疹、
胸部絞扼感、倦怠感、顔のほてりなどの症状のため、4例で中止された(臨床医薬 ; 1989 : 5(8)1651- 1684)。
・プラバスタチン1 脂質異常症を対象とした2つの比較試験において、16週の投与期間中、140例中4例、171例中3例で中止
が認められた(臨床評価 ; 1988 : 16(2)211-249, 医学のあゆみ ; 1988 : 146(13)927-955)。2 8214人の脂質異常患者を対象とし、食事療法を対照群に設定した無作為化比較試験(MEGA study)に
おいて、開始5年の時点で、91.4%の症例でプラバスタチンを内服していた(表2)(Lancet 2006 ; 368 : 1155-63)。
表1 J-LITにおいて、観察開始6年の時点で24,260人がシンバスタチンを内服していた
Year
0 1 2 3 4 5 6
Simvastatin
5 mg monotherapy 10 mg monotherapy Other monotherapy n=48,428
1,729 1 39,519 2,081 168 32,900 2,069 249 28,981 2,025 293 25,461 1,966 295 22,823 1,812 261 20,518 1,668 229
Simvastatin monotherapy total Simvastatin+other lipid-lowering agent Other lipid-lowering agent No or Unknown medication Total 50,158 1,163 0 0 51,321 41,768 1,688 56 6,576 50,088 35,218 1,968 235 10,419 47,840 31,299 2,133 463 11,655 45,550 27,722 1,993 509 12,074 42,298 24,896 1,813 525 12,190 39,424 22,415 1,845 814 11,821 36,895 Simvastatin total
5 mg (%) 10 mg (%) Other (%) 51,321 49495 (96.4) 1,825 (3.6) 1 (0.0) 43,456 40,946 (94.2) 2,332 (5.4) 178 (0.4) 37,186 34,561 (92.9) 2,365 (6.4) 260 (0.7) 33,432 30,694 (91.8) 2,422 (7.2) 316 (0.9) 29,715 27,065 (91.1) 2,334 (7.9) 316 (1.1) 26,709 24,246 (90.8) 2,183 (8.2) 280 (1.0) 24,260 21,994 (90.7) 2,018 (8.3) 248 (1.0)
p.23
CQ1-2 スタチンの種類別の不耐頻度について
・ピタバスタチンとアトルバスタチンの比較1 耐糖能異常を合併した脂質異常患者207人を対象とし、ピタバスタチンとアトルバスタチンの効果を検
討したRCTにおいて、両群間で副作用発現に有意差はなく、6ヶ月未満での副作用による中止は両群とも6例であった。また、両群間でのアドヒアランスに差は認められなかった(表3)(Clin Ther. 2008 ; 30(6): 1089-101)。
2 307人の血管内超音波ガイドでPCIを施行された急性冠症候群患者を対象とし、ピタバスタチンとアト
ルバスタチンの効果を比較したRCT(JAPAN-ACS trial,)において、副作用または検査値異常で内服中止となった患者数は両群間で有意差はなかった(ピタバスタチン2.7%、アトルバスタチン4.7%)(J Am Coll Cardiol 2009 ; 54 : 293-302)。
CQ1-3 不耐の理由
・プラバスタチン1 446人の脂質異常症患者を対象としたコホート研究において、12週の投与期間中、7例で中止が認められ
た。その内訳は、臨床検査値異常が3例、副作用が4例(臨床医薬 ; 1988 : 4(2)201-227)。2 368例の脂質異常症患者を対象としたコホート研究で、12ヶ月の観察期間中、18例で中止が認められた。
安全上の問題があった症例(副作用、臨床検査値異 常)は12例、安全上の問題のなかった症例(主治医交代、脂質正常化)は6例であった(臨床医薬 ; 1988 : 4(3)409-437)。
表2 MEGA studyにおいて、開始5年の時点で、91.4%の症例でプラバスタチンを内服していた
Year 1 Year 3 Year 5 Year 7 Year 9
Diet group
Patients* Actual visits† No lipid-lowering drug Pravastatin Other statin Other lipid-lowering drug Diet plus pravastatin group
Patients* Actual visits† 20 mg pravastatin 15 mg pravastatin 10 mg pravastatin 5 mg pravastatin Othe statin Other lipid-lowering drug No lipid-lowering drug 3814 3705 3070 (83%) 311 (8%) 20 (1%) 304 (8%)
3678 3574 230 (6%) 4 (0.1%) 2896 (81%) 265 (7%) 6 (0.2%) 14 (0.4%) 159 (4%) 3627 3354 2398 (71%) 586 (17%) 49 (1%) 321 (10%)
3473 3251 461 (14%) 12 (0.4%) 2322 (71%) 207 (6%) 7 (0.2%) 29 (1%) 213 (7%) 2604 2291 1518 (66%) 520 (23%) 43 (2%) 210 (9%)
2545 2252 374 (17%) 10 (0.4%) 1522 (68%) 130 (6%) 17 (0.8%) 22 (1%) 177 (8%) 455 447 259 (58%) 147 (33%) 6 (1%) 35 (8%)
467 451 114 (25%) 3 (0.7%) 285 (63%) 15 (3%) 3 (0.7%) 8 (2%) 23 (5%) 237 222 115 (52%) 86 (39%) 5 (2%) 16 (7%)
259 242 54 (22%) 3 (1%) 152 (63%) 7 (3%) 5 (2%) 5 (2%) 16 (7%)
*Number at risk of total mortality. †Number of patients who visited the hospital. Any patients who fitted in several categories were assigned to upper category in the table.
表3 耐糖能異常を合併した脂質異常症207人のピタバスタチンとアトルバスタチンの効果を検討
8週28週56週
ピタバスタチン98%(86/88) 94%(83/88) 93%(79/85)アトルバスタチン100%(84/84) 96%(81/84) 98%(80/82)
p.24
・ピタバスタチン1 241人の血管内超音波ガイドでPCIを施行された安定狭心症または急性冠症候群患者を対象とし、冠動
脈プラークボリュームをアウトカムに設定したRCT(CHERRY trial, ピタバスタチン+EAP群 vs ピタバスタチン群)において、ピタバスタチン群117名中8例(6.8%)で中止が認められた。その内訳は、検査値異常が1例(ASTまたはALT)、副作用が3例(筋痛2例,出血1例)、他が4例であった(Journal of Cardiology 2017 ; 70 : 537-544)。
CQ2 スタチン不耐と動脈硬化性心血管病予防効果、予後への影響
・プラバスタチン1 5640人の脂質異常症患者を対象としたRCT(KLIS trial,プラバスタチン群 vs 従来治療群,平均観察
期間5年)において、プラバスタチン群をアドヒアランス良好・不良でサブグループに分けたところ、アドヒアランス良好な群では、従来治療群と比較して、心血管イベントが有意に少なかった(表4)(J Atheroscler Thromb. 2000 ; 7 : 110-121)。
・プラバスタチン又はシンバスタチン1 18645人の脂質異常症患者を対象としたRCT(JELIS,スタチン+EPA vs スタチン)において、スタ
チン群(1次予防)では、アドヒアランスが良好な症例で心臓死または心筋梗塞の発症率が低い傾向にあったが(HR 0.79 95%CI 0.45-1.38,P=0.409)、スタチン群(2次予防)ではアドヒアランス良好な症例で予後が不良な傾向にあった(HR 1.47, 95%CI 0.72-2.99)(Cir J 2010 ; 74 : 510-7)。
3.添付資料
1 医中誌検索結果2 PubMed検索結果3 医中誌検索結果(6つのスタチンの70から80年代の治験データの調査結果) 4 CQの構造化と医中誌シソーラス検索結果5 文献の組入れ基準、除外基準
以上
表4 KLIS trialにおけるプラバスタチン群をアドヒアランス良好・不良で分けたサブグループ
Event Poor compliance
(n=1,114) Good compliance
(n=1,105)
Coronary events
No. of eventgs Adjusted RR* (90% CI) Cerebral infarction No. of events Adjusted RR (90% CI) Coronary events and cerebral infarction†
No.of events Adjusted RR (90% CI) 33 1.00 (0.68-1.48)
20 0.83 (0.52-1.33)
52 0.92 (0.68-1.25) 32 0.75 (0.50-1.11)
27 0.74 (0.48-1.14)
57 0.73 (0.54-0.98)
RR=relative rink; CI=confidence interval. *Based on the Cox hazards model controlling for age, serum total cholesterol, serum HDL cholesterol, body mass index.angina pectoris, hypertension, diabetes mellitus, prior use of lipid-lowering drugs, smoking, and alcohol use. †The uarlier event was conted in the case of concurrent occurrences.
p.25
添付資料1
タイトル・アブストラクトスクリーニングの結果採用:5文献不採用:27文献(解析・会議録 18 文献、症例報告7文献、非追跡調査2文献)全文 スクリーニングの結果採用:0文献
タイトル:
CQ1:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の頻度は?
CQ1-2:スタチンの種類別にその頻度に差はあるか?
CQ1-3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の理由とその頻度は?
CQ2:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)は、動脈硬化性心血管病予防効果、
さらには予後に影響を及ぼすか?データベース:医中誌日付:2018.3.2検索者:A.K,J.K
#検索式文献数#1 “HMG-CoA Reductase Inhibitors”/TH 15764 #2 Pravastatin/TH 2482 #3 Simvastatin/TH 1555 #4 Fluvastatin/TH 893 #5 Atorvastatin/TH 2321 #6 Pitavastatin/TH 1548 #7 Rosuvastatin/TH 885 #8 #1 or #2 or #3 or #4 or #5 or #6 or #7 15764 #9治療の差し控え/TH 941 #10医療中止患者/TH 2187 #11休薬/TH 3930 #12ノンコンプライアンス/TH 1668 #13 #9 or #10 or #11 or #12 8570 #14 #8 and #13 32
p.26
添付資料2
タイトル・アブストラクトスクリーニングの結果採用:33文献(other source 5文献含む)、不採用:1741文献全文 スクリーニングの結果採用:8文献(other source 5文献含む)
タイトル:
CQ1:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の頻度は?
CQ1-2:スタチンの種類別にその頻度に差はあるか?
CQ1-3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の理由とその頻度は?
CQ2:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)は、動脈硬化性心血管病予防効果、さらには
予後に影響を及ぼすか?データベース:PubMed(MEDLINE)日付:2018.3.14検索者:A.K,J.K
#検索式文献数#1 “Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors”[Mesh] #2 “Pravastatin”[Mesh] #3 “Simvastatin”[Mesh] #4 “fluvastatin” #5 “Atorvastatin Calcium”[Mesh] #6 “pitavastatin” #7 “Rosuvastatin Calcium”[Mesh] #8 #1 OR #2 OR #3 OR #4 OR #5 OR #6 OR #7 #9 “Medication Adherence”[Mesh] #10 discontninu * #11 cessation #12 intolera * #13 #9 OR #10 OR #11 OR #12 #14 #8 AND #13 #15 “statin intolerance” #16 #14 OR #15 1769 Other source:5文献(1次スクリーニング)
p.27
添付資料3
6つのスタチンの70から80年代の治験データの調査
※期間が1971年からとなっているのは、1971年からとそれ以前としか選べなかったこと,それ以前にはスタチンの研究はなされていなかったと思われる為
1 タイトル・アブストラクトスクリーニングの結果
採用36文献不採用55文献:対象外スタチン20文献、動物実験24文献、健常人4文献、非臨床試験6例、ほか1例2 全文スクリーニングの結果
採用:27文献不採用:9文献(総説2つ,異なる疾患(脳腱黄色腫症)2つ,1例報告1つ,クロスオーバー型デザイン
2つ,副作用・臨床検査値異常記載なし2つ)
<結果>付図1
タイトル:6つのスタチンの70から80年代の治験データの調査データベース:医中誌日付:2018.2.18検索者:A.H., J.K
#検索式文献数#1 “HMG-CoA Reductase Inhibitors”/TH 15724 #2 (#1)and(DT=1971;1989 PT=会議録除く) 91
p.28
論文タイトル著者雑誌アブストラクト(安全性評価対象数, ス
タチン)データ(中止)データ(副作用・臨床検査値異常)
高脂血症患者におけるプラバスタチンの止血機構への影響和田 英夫(三重大臨床医薬(0910-
高コレステロール血症患者16名にプラバスタチン10 mg/日(分2)を12週間投与し,血清脂質への影響を確認するとともに,血液凝固系への影響を検討した.血清脂質に対しては,1)総コレステロールの著明低下,LDL-コレステロールの著明低下,アポBの著明低下,HDL-コレステロールの上昇等,血清脂質値を大幅に改善する効果が認められた.血液凝固系に対しては,2)投与前fib i id A fib i id Bβ15 42が高値傾向にあたが投与後fib i id Aはほ
HL 16例(FH:2例含む)プラバスタチン12w投与中止:1例(発疹)発疹:1例(中止あり)腹痛:3例(中止なし)
高コレステロール血症3例におけるプラバスタチン(メバロチン(R))4年間連続投与の臨床効果ならびに安全性の検討,および同一例におけるプロブコールとの効果比較
森本 靖彦(愛染橋Progress in Med
高コレステロール血症の3例の内訳は家族性高コレステロール血症(FA) 1例と非家族性高コレステロール血症(non FH) 2例で,これら3例にプラバスタチン(メバロチン)を約4年間にわたって投与し,血中脂質の変動とその安全性について検討した.また,FHの1例とnon FHの1例には本剤投与に先立ってプロブコールの長期投薬がされていたので,同一例における両薬剤の効果を比較検討するともきたそ結果FH FHともに総テ(TC)平均低下率
HL 3例(FH1例含む)プラバスタチン4y投与中止:1例(肝機能障害)肝機能障害:1例(中止あり)
インスリン非依存性糖尿病における高コレステロール血症に及ぼすSimvastatinの効果田中 明(東京医科糖尿病(0021-43
高コレステロール血症(220 mg/dl以上)を合併したインスリン非依存性糖尿病9例に,コレステロール合成の律速酵素Hydroxy methyl-glutaryl coenzyme A (HMG-CoA) reductase抑制剤であるSimvastatinを2.5 mg/日,3ヵ月間投与し,血清脂質,アポ蛋白,リポ蛋白粒子サイズ,空腹時血糖,HbA1値に及ぼす影響を検討した.総コレステロール(TC),アポB,アポEはそれぞれ最高20 1 17 1 13 8%と有意な低下を示したが中性脂肪HDLテポA1 A2 C2 C3に
DM合併HL9例(FH含まず)シンバスタチン3m投与記載なし(おそらく中止例なし)副作用なし
高脂血症患者に対するSimvastatin (MK-733)の投与法の検討 二重盲検法による朝・夕比較試験斎藤 康(千葉大学臨床医薬(0910-
Simvastatinは高脂血症に対し優れた治療効果を示す有用性の高い薬剤であり,1日1回投与する際,夕食後投与が効果的な投与方法であるスタチン群137例(FH15)プラセボ群35例(FH7)シンバスタチン12w投与
中止:4例(スタチン群4例, プラセボ群0例)脱落:4例服薬不良:2例
副作用:スタチン群5例7件(胸やけ,下痢,舌のピリピリ,下肢浮腫,陰萎,性欲減退,粘 膜異常) プラセボ群1例1件(胃もたれ)
MK-733 (Simvastatin)の臨床試験 第2相用量検索試験MK-733研究会臨床医薬(0910-
MK-733は有用性においては5 mg群,2.5 mg群ともにプラセボ群に対して有意に高い改善度を示し,また5 mg群は2.5 mg群に比較して有意に改善度が高く,dose dependentが認められた.安全性においては三群間に有意差はなく,特に問題とすべき副作用も生じなかったことからMK- 733の至適投与量は5 mgが妥当であると思われた
スタチン群 168(FH20)プラセボ群 82例(FH13)シンバスタチン12w投与
中止/スタチン群 1例(食欲不振, 気分不良)中止/プラセボ群 2例(便秘,皮疹)
副作用/スタチン群 5例 プラセボ群 2例 表8臨床検査異常値/スタチン群30例 プラセボ群 13例 表9
非家族性高コレステロール血症におけるプラバスタチンのリポ蛋白,アポ蛋白
に対する効果 1年間投与の成績鹿住 敏(兵庫県立動脈硬化(0386-2682)17巻4号 Page545-551(1989.08) II型高リポ蛋白血症 17例
プラバスタチン 1y投与記載なし(おそらく中止なし)副作用:不快な症状の出現なし
臨床検査異常値:尿・血液一般検査、血清生化学検査において異常所見なし
高脂血症患者におけるPravastatin Sodium (CS-514)の脂質代謝に及ぼす影響リポ蛋白化学組成およびリポ蛋白粒子サイズに及ぼす影響玉地 寛光(東海大臨床医薬(0910-
高脂血症患者23名にPravastatin (CS-514) 10 mg/day,平均30週間投与し,その脂質代謝への影響,ことにHDL, LDLの化学組成および粒子サイズへの影響を検討した.1) TC, PL, LDL-C, Atherogenic index値の有意な減少,HDL-C, HDL2-Cの有意な上昇を認めた.2) Apo BおよびApo B/Apo A-I比の有意の減少を認めた.LCAT活性は減少傾向のみを示した.3) HDL粒子サイズは小型化を示したがLDL粒子サイズは不変あた投与前僅かに存在した大粒子LDLは消
HL 23例(IIa18, IIb4, IV1)プラバスタチン8-63w投与中止:2例(CPK上昇, 皮疹) 3例 CPK上昇:1例(中止), 皮疹:1例(中止), 胃部不快感:1例(継続)
高脂血症に対するMK-733 (simvastatin)の臨床効果 多施設共同オープン試験の成績MK-733研究会臨床医薬(0910-
280例を対象に本剤を1日2.5 mgから10 mg, 12週間経口投与し,委員会判定で全般改善度では中等度以上の改善が76.2%,概括安全度では90.7%,有用性では74.9%の結果を得たHL 279例
シンバスタチン12w投与中止:4例(蕁麻疹, 胸部絞扼感, 倦怠感, 顔のほてり)副作用/10例 消化器症状4例, 皮疹2例等 うち4例が中止 表13
臨床検査値異常/34例 肝機能異常15例, CPK上昇9例等, 中止症例なし 表15
抗高脂血症剤MK-733 (Simvastatin)の第1相臨床試験(第3報) 高脂血症者に対する二重盲検6群間比較試験中谷 矩章(東海大臨床医薬(0910-
高脂血症志願者30例に対し,MK-733のプラセボ,1.25 mg/日分1, 2.5 mg/日分1, 5 mg/日分1, 10 mg/日分2および10 mg/日分1を6群間比較二重盲検法により4週間投与した.1)血清総コレステロールは投与4週後,2.5 mg/日以上の用量群で有意に低下し,本剤の低下作用には用量依存性が認められた.10 mg/日の用量で分1と分2に差を認めなかった.2) MK-733の投与により副作用は発現しなかた臨床検査は特に問題となるような異常を認めず理学的検査も異常
HL 30例(4例が境界型)シンバスタチン4w投与中止例なし
副作用/0例臨床検査異常 スタチン群5例(CPK上昇2例, 肝機能異常1例, 抗核抗体1例, 尿蛋白1例) プラセボ群1例(肝機能異常) 表3
HMG-CoA還元酵素を阻害する新コレステロール低下剤,プラバスタチンナトリウム(CS-514)(英語)新井 守(三共), 芹三共研究所年報
1)プラバスタチンはP. citrinumによるML-236 Bの産生とS. carbophilusによるその水酸化という2つの連続した発酵過程で得られたHMG-CoA還元酵素を阻害するコレステロール低下剤である.生体内,外でプラバスタチンは肝,腸でのステロール合成を選択的に阻害し,コレステロール合成経路を阻げるが,他の組織でのホルモン産生を含むステロール合成は少ししか阻害しなかた方バタチ及びシバタチ阻害作用は組織選択性が低かた2)プ
高脂血症に対するCS-514 (Pravastatin)の臨床評価 Clinofibrateを対照薬とした二重盲検群間比較試験CS-514研究会臨床評価(0300-
Pravastatinの高脂血症に対する臨床上の有用性を検討するために,クリノフィブラートを対照薬として,CS-514の1日10 mgとクリノフィブラートの1日600 mgとの16週間投与による二重盲検群間比較試験を58施設に於て実施した.血清TC値については,CS-514群(CS群)はクリノフィブラート群(CL群)に比して,その低下が有意に大きかった.その他,HDL-C値,血清TG値,副作用臨床検査値異常などに検討を加えたがCL群を対照としみた場合C5 514血清
HL:278例プラバスタチン群140例クリノフィブラート群138例16w投与
中止(副作用):スタチン群:4例, フィブラート群:4例中止(合併偶発症:スタチン群:3例, フィブラート群:1例
副作用(主治医報告数/症例委員会認定)スタチン群7/4例(発疹3件, 胸やけ1件), フィブラート群12/9例(発疹5件, 消化器症状4件)臨床検査値異常 スタチン群:11例15件, フィブラート群14例29件
CS-514 (Pravastatin)の長期投与時の臨床評価塩 宏(鳥取県立中臨床医薬(0910-
高脂血症患者11例にCS-514の1日量10~20 mg (2分服)を6ヵ月から12ヵ月にわたり投与した.1)投与後1ヵ月より12ヵ月まで終始安定した血清脂質改善効果を示した.2) 1例に一過性の軽度なGOT, GPTの上昇を認めたほかは,副作用,臨床検査値異常の発現を認めなかった.3)眼科検査で,CS-514投与によると思われる異常はなかった
HL 11例(IIa10, III1, FH7例)
プラバスタチン12w投与中止例なし自他覚症状0例
臨床検査異常値:GOT・GPT上昇1例
高脂血症患者に対するpravastatin (CS-514)の臨床的有用性の検討 単独投与におけるプロブコールを対照とした二重盲検群間比較試験五島 雄一郎(東海医学のあゆみ(0039-2359)146巻13号 Page927-955(1988.09)
HL 345例(FH:66例含む)スタチン群:171例プロブコール群:174例 16w投与
中止(副作用):プラバスタチン3例 プロブコール3例中止(臨床検査値異常):両群ともになし
新たに出現した症状(表18,19) プラバスタチン 8例(中止3例), プロブコール 19例(中止3例)臨床検査値異常(表20,21)プラバスタチン 13例(中止1例 肝機能障害), プロブコール15例(中止なし)
Eptastatin (CS-514)の高脂血症 とくにLp(a)リポ蛋白に対する効果村井 淳志(京都大動脈硬化(0386-2682)15巻7号 Page1461-1464(1987.12) HL:15例(FH5例含む)
プラバスタチン12w投与中止例なし尿酸、血糖、血小板に軽微な変化を認めたのみ Table2
高コレステロール血症患者に対するCS-514 (pravastatin)細粒の臨床検討山田 弘仁(ルカ病臨床医薬(0910-
41例の高コレステロール血症患者を対象に,HMG-CoA reductase inhibitorであるCS-514細粒を投与して,血清脂質濃度への影響を検討した.1)本剤投与後12週目には,血清総コレステロール濃度は18.9%,そしてLDLコレステロール濃度は30.5%の低下を認めた.HDLコレステロール濃度は投与12週目には12.3%の上昇を示した.トリグリセリドには有意な変動を見出せなかったがリ脂質濃度は12週目に9 5%低下を見たWHO分類2 型と2b型血清総テ
HL:41例(IIa23,IIb18)プラバスタチン12w投与
中止副作用:1例(掻痒感)臨床検査異常値:中止例なし
臨床検査値異常:4例7件(WBC増加1例, γGTP上昇2例, GOT上昇2件, GPT上昇1件,ALP上昇1件) 表6 中止症例なし
高脂血症に対するCS-514 (Pravastatin)の長期投与による臨床的有用性の検討CS-514研究会臨床医薬(0910-
家族性高コレステロール血症(FH) 175例,家族性高コレステロール血症以外の高コレステロール血症(non FH) 194例の計369例の高脂血症患者に対して,HMG-CoA還元酵素阻害剤CS-514 (Pravastatin)をオープン試験(12週間)に引き続いて長期(1年間)投与した.1)総コレステロールはオープン試験終了時の低下がそのまま維持され,12ヵ月時の低下率は20.7%であった.2)家族性有無をはじめとする種々層別解析を行なたがずれも同様な安定した総テ
HL:368例プラバスタチン オープン12w➡長期投与12m投与
中止:18例安全上問題有:12例(副作用,臨床検査値異常5例)安全上問題無:6例(主治医交代,脂質正常化)
副作用:8例/9件(顔面皮膚の荒れ1,胃部不快2,咳1,倦怠感1,乳房痛1,頭痛1,アレルギー症状1)中止2例 表10臨床検査値異常:25例/40件(CK上昇6,肝機能異常14,WBC1,好酸球2,尿鮮血1,腎機能1)中止3例 表11,12
CS-514 (Pravastatin);HMG-CoA reductase inhibitor長期投与の血清脂質および血清ステロイドホルモン値におよぼす影響 老年者高脂血症例における検討井藤 英喜(東京都臨床医薬(0910-
CS-514 (Pravastatin)を老年者高脂血症患者11例に10~20 mg/日(分2)を48週間連続経口投与した.1)血清総コレステロール値および血清LDL-コレステロール値は,投与4週後には有意に低下し,投与後8週でそれらの低下はプラトーに達した.プラトーレベルでの血清コレステロール値およびLDL-コレステロール値の低下率は,それぞれ15%前後および30%前後であり,LDL-コテ値低下がより著明なとから血清LDLテ値低下が血清総
HL 11例(IIa6, IIb5)プラバスタチン1y投与中止例なし臨床症状および血清ホルモン値も含めた臨床検査上の異常値の発現例なし
コレステロール合成阻害剤(CS-514)の糖尿病患者におけるリポ蛋白組成と糖代謝に対する効果芳野 原(神戸大学糖尿病(0021-43
CS-514を高コレステロール血症を伴う糖尿病患者13例に投与した成績を報告した.全例血糖コントロールが安定したのち投与を開始,食生活と生活習慣はその間変化しないよう指導した.CS-514 10~30 mg/dayの投与6ヵ月の間,肝臓,腎臓,および血液等に重篤な副作用はなかった.血清総コレステロール(Ch),トリグリセライド(Tg)およびリン脂質(PL)はすべて治療開始1 月目 有意に低下し6 月ま 持続した超低比重リポ蛋白(VLDL)および低比重リポ蛋白
HL 13例(IIa5, IIb7, III1)プラバスタチン6m投与中止例なし自他覚症状なし。血中各酵素, BUN, Cr, UA, CBCに異常値出現なし
付図1
p.29
高脂血症に対するCS-514の臨床効果 二重盲検三群比較法による用量設定試験斎藤 康(千葉大学臨床医薬(0910-
CS-514の高脂血症に対する至適用量検討のため,本薬のプラセボ,10 mg, 20 mgの3群で二重盲検試験を実施した.1)血清コレステロールは投与8週後にプラセボ,10, 20 mgの順にそれぞれが+2.9%,-16.1%,-20.5%の変化率を示し,10 mgと20 mgの間にdose dependencyがみられた.2)トリグリセライドにはいずれも有意な変動はなかった.3)リン脂質は8週後で投与量順に1 7% 6 8% 11 3%変化率を示し10と20間にd d dを認めた4) HDL
HL 118例(FH22例)プラバスタチン 94例プラセボ 24例
中止例なし自覚症状出現:20mg群8例9件, 10mg群6例7件, プラセボ群4例5件 表13臨床検査値異常:20mg群5例, 10mg群2例, プラセボ群1例 表14
CS-514のヒト胆汁脂質に与える影響について梶山 梧朗(広島大臨床医薬(0910-
高脂血症患者を対象としてCS-514 (10~20 mg, 1日2回分服)の血清脂質に対する効果と胆汁脂質に与える影響について検討した.1)解析対象は高脂血症患者22例で,高脂血症のWHO分類では2a型13例,2b型8例,4型1例であった.また,家族性高コレステロール血症は3例含まれていた.2)血清総コレステロールはCS-514投与により4~12週まで全経過を通じ変化率約20%の有意な低下を示したなかもLDLテは変化率約29%有意な低下を示しリ脂
HL 22例(IIa13, IIb8, IV1)プラバスタチン12w投与中止例なし症状,臨床検査値異常:3例(下痢1例, γGTP上昇1例, GOT,GPT上昇1例)
抗高脂血症剤CS-514の第1相臨床試験(第3報) 高脂血症者における二重盲検法による3用量群間比較中谷 矩章(東海大臨床医薬(0910-
高コレステロール血症志願者41例にCS-514の5 mg/日,20 mg/日,40 mg/日を二重盲検法により4週間投与した.1)いずれの投与量においても血清総コレステロールの有意な低下があり,投与量と総コレステロール低下作用の間にdose response傾向があった.2)いずれの投与量においてもHDLコレステロールが上昇したが,有意な上昇は40 mg/日群においてのみ認められた3)肝臓能異常認められた1例を除き臨床的に問題となる自他覚症状異常および検査
HL 41例(4例が欠測で解析から除外)プラバスタチン4w投与
記載なし自他覚症状出現:5mg群1例,20mg群2例,40mg群1例 表4臨床検査値異常:5mg群4例, 20mg群2例, 40mg群2例 表5
高脂血症に対するCS-514 (Pravastatin)の臨床効果 Multiclinic Open Studyの成績CS-514研究会臨床医薬(0910-
家族性高脂血症(FH) 157例,非家族性高脂血症(non FH) 192例,計349例に対して,HMG CoA還元酵素の拮抗阻害剤であるCS-514を1日10~20 mg (5~10 mg朝夕2回),12週間経口投与して,血清脂質およびアポ蛋白に対する影響と副作用の検討を行った.1)血清総コレステロールは全体で17.0%,non FHで16.6%,FHで17.5%低下した.2) LDL-コレステロールは全体で23.3%,non FH 23 2% FH 23 6%低下した3) HDLテは全体10 5% FH 8 7% FH
HL 446例プラバスタチン12w投与
中止:7例(副作用4例, 臨床検査値異常3例 表11)脱落:12例 表4
副作用:16例23件(消化器症状7例,発疹3例,倦怠感2例など)臨床検査値異常:18例(肝機能異常11例, CPK上昇4例など)
非家族性高コレステロール血症におけるeptastatinの影響 6ヵ月間投与の成績鹿住 敏(兵庫県立動脈硬化(0386-
Eptastatinを17例の2型高リポ蛋白血症に6ヵ月間投与した.1)総コレステロールの低下は3ヵ月後でも見られ,6ヵ月後まで同程度の低下が持続した(低下率20%).同様にLDL-コレステロールも低下した(低下率30%).これらの変化は2a, 2b両型で差はなかった.2) HDL-コレステロールは前値が低かった2b型において3ヵ月後で上昇したが,6ヵ月後では前値に復した.一方,2a型は有意変化はなかた3)したがh i i dは6月後も低下が持続した4)
HL 17例(IIa7, IIb10)プラバスタチン6m投与記載なし(おそらく中止例なし)自覚症状の出現なく、検尿、一般検血、血液生化学検査に異常値出現なし
HMG-CoA reductase inhibitor (CS-514)の脂質系とsteroid系hormoneに及ぼ
す影響井出 肇(北海道大動脈硬化(0386-2682)15巻1号 Page83-90(1987.04) HL 5例
プラバスタチン24w投与記載なし(おそらく中止例なし)副作用なし
高脂血症患者におけるCS-514 (HMG CoA還元酵素阻害剤)の血清脂質および
アポ蛋白に対する効果宮崎 宣弘(神戸大動脈硬化(0386-2682)15巻1号 Page91-95(1987.04) HL 14例(IIa7, IIb5, III2)
プラバスタチン12w投与中止:1例(下痢)自覚症状:下痢1例
臨床検査値異常:肝機能・腎機能障害などの出現なし
非家族性高リポ蛋白血症第2型患者へのHMG CoA reductase阻害剤eptastatin
(CS-514)短期間投与の血漿脂質,リポ蛋白およびアポリポ蛋白への効果(英語) Kazumi Tsutomu動脈硬化(0386-2682)14巻6号 Page1305-1307(1987.02) HL16(IIa7, IIb9)
プラバスタチン4w投与中止例なし血液生化学検査, 尿検査に異常値出現なし
原発性・非家族性2型高脂血症におけるEptastatin (CS-514)〔HMG CoA〕還元酵素阻害剤の血漿リポ蛋白,アポ蛋白に及ぼす影響鹿住 敏(兵庫県立兵庫県立成人病
HMG CoA還元酵素阻害剤であるCS-514を原発性,非家族性2型高脂血症に12週間経口投与した.1)血漿総コレステロールの低下は4週後ですでに見られ(低下率21±3%),12週後まで同程度の低下が持続した.同様に,LDL-コレステロールも低下した(低下率32±3%),これらの変化は2a, 2b両型で差はなかった.2) HDL-コレステロールは前値が低かった2b型において12週後に上昇した3) TGは投与前値が高かた2b型み12週低下した以上CS 514は2 型高脂血
HL 14(IIa7, IIb7)
プラバスタチン12w投与記載なし(おそらく中止例なし)副作用なし
尿・一般検血・血清生化学的検査に異常所見なし
p.30
添付資料4
CQ1, 2について
最初に、CQを構造化し、Inclusion criteria,Exclusion criteriaを決定した(文末に記載)。また、検索データベースを医中誌に決め、検索に用いる用語を下記の如く決定した。
<医中誌 シソーラスブラウザでのシソーラス検索>
1 各種スタチンについては、現在本邦で使用されている6種類のスタチンを採用する という決定に従い、
これら6種類の個別の一般名と、“HMG-CoA Reductase Inhibitors”というシソーラスを使用した。2 “不耐”に関しては、“不耐”=“中止”という第2回WGで決められた定義に基づ き、不耐あるいは中
止に類似した日本語、英語(文末に記載)から、シソーラスブラウザを用いて、シソーラスを検索した。表示された結果から、意味が類似したシソーラスを採用した(下記参照)。
検索ワード検索結果Discontinuation離脱症候群Intolerance乳糖不耐症、フルクトース不耐症、慢性疲労症候群、過敏症-化学物質、耐糖能障害、起
立性調整障害、体位性頻脈症候群、Fanconi-Bickel症候群、活動耐性低下、寒冷不耐性、リジン尿性蛋白不耐症、食物不耐症
Disruption Poland症候群、機械的血栓除去、介護負担Cessation禁煙、タバコ使用中止、治療の差し控え(シソーラス)、禁煙補助製品Terminationペプチド結合成終結、Peptide Termination Factors、Rho Factor、胃液酸度測定、遺伝
的性決定制御、血圧測定、経皮的血液ガスモニタリング、血液量測定、骨格による年齢推定、死亡、赤血球指数、歯による年齢推定、微生物薬物感受性試験、ナンセンスコドン、終止コドン、配列アラインメント、資格審査、就職、多胎妊娠縮小、配列分析、DNA配列分析、RNA配列分析、エンドポイント測定、需要評価、性決定過程、性別判定、Sterol Requlatory Element Binding Protein 1、個人の自律性、放射性年代決定、骨格による性別判定、Left-Right Determination Factors、臨床試験の早期終了、転写終結、遺伝子型判定法、Peptide Chain Termination Release Factor 1, 2, NIMA-Interacting Peptidylprolyl Isomerase、Protein MyoD1、TTF1 Protein、心拍数測定、LEFTY2 Protein
Suspension懸濁液、凍結保存、Isophane Insulin、後肢懸垂、Tocopherols、Lente Insulin、Prednis-
olone Acetate、膀胱頸部吊り上げ術、DDIT4L Protein、Human Isophane Insulin、肺炎球菌13価結合型ワクチン、Elsalb
Withdrawal新生児離脱症候群、アルコール離脱性せん妄、離脱症候群、アルコール離脱性発作、引
きこもり、医薬品の承認取消、製品の回収と市場撤退、医療機器の承認取消、ステロイド離脱症候群、ステロイド離脱療法
Stop Aspirin、Berberine、Histoplasma、Histoplasmin、ヒストプラズマ症、Pasteurellaceae、
Phosphotungstic Acid、Testosterone、Waardenburg症候群、Fabry病、術後合併症、手術創感染、術後管理、術後期、術後痛、小胞体、腸胚、乳腺症、乳房、無気肺、ナンセンスコドン、終止コドン、Fosinopril、Procaterol、出血・術後、Pleistophora、術後悪心・
p.31
<医中誌 シソーラスブラウザでのシソーラス検索>
Stop嘔吐、Amoqastrin、Benfotiamine、Caberqoline、Octotiamine、Pentoxyverine、ミツロ
ウ、術後感染症、Haemophilus somnus、手術後看護、セントクリストファー・ネービス、貧血-Diamond blacfan、膀胱拡大鏡、血管麻痺、腎盂膀胱炎、臨床試験の早期終了、オステオパシー医学、手術血液回収、灰色植物門、Irvine-Gass症候群、Matoparan、Chondroitin Sulfate-Sodium Hyaluronate、術後性頬部嚢胞、衝突阻止能、ストップフロー法、すれ違い咬合、赤芽球減少症、尿道膀胱固定術、膀胱下垂症、膀胱形成術、Mastoparan X、GGsTop、DASH食、切開創ヘルニア、潜在的不適切医薬品リスト、Xestopraxamine A、Waardenburg症候群2A型、シラーJCSv、ハイツマンC、フーヘランドCW、Hoffbauer JC、ニッセンC
Interruption大動脈弓離脱症Breakデング熱、デングウイルス、子宮出血、疾病の発生、社会的疎外、微生物薬物感受性試験、
網膜穿孔、染色体切断、RNA-Binding Protein EWS、グリコーゲン分解、c-bcr癌原遺伝子タンパク質、二本鎖DNA切断、ナイミーヘン染色体不安定症候群、DNA切断損傷、一本鎖DNA切断、染色体切断点、朝食、突出痛、DNA組換え修復、息ごらえ、Anchorage Loss、NBS1Protein、PKD1 Protein、SSX Protein、夜間胃酸分泌過剰
Discontinuance, Discontinuity, Stoppage該当する候補語なし
検索ワード検索結果中止新生児離脱症候群、離脱症候群、医療中止患者、禁煙、蘇生措置決定、タバコ使用中止、治
療の差し控え、臨床試験の早期終了、禁煙補助製品、ステロイド離脱症候群、処方中止指示
中断離脱症候群、医療中止患者(シソーラス)、休薬(医中誌フリーキーワード)、ノンコンプラ
イアンス(医中誌フリーキーワード)、分割時系列分析
休薬休薬(医中誌フリーキーワード)服薬中止ノンコンプライアンス(医中誌フリーキーワード)不耐乳頭不耐症、フルクトース不耐症、耐糖能障害、起立性調節障害、体位性頻脈症候群、アス
ピリン喘息、寒冷不耐症、リジン尿性蛋白不耐症、食物不耐症
取消医薬品の承認取消、医療機器の承認取消休止細胞分裂間期、振戦、発情間期、母斑、洞停止、休眠、休薬、脳休止症候群、卵巣静止停止心停止、心拍停止剤、人為心停止法、胆汁うっ滞、無呼吸、遺伝子サイレンシング、レム睡
眠パラソムニア、洞停止、患者急変時迅速対応チーム、超低体温循環停止法、細胞周期チェックポイント、G2期チェックポイント、M期チェックポイント、G1期チェックポイント、S期チェックポイント、院外心停止、息ごらえ、息止め発作、登校制限、先天性停止性夜盲症
取止め/取止める/取りやめ/取りやめる/取止/取り消し/取消し/取り消す/打ち切る/打切る/打ち切り/打切り/打切/見合す/見あわす/途切らす/途切らせる/止める/ストップ/一時停止/差し止める/怠薬該当する候補語なし
p.32
添付資料5
文献の組み入れ・除外基準を下記のように決定した。
Include Exclude
CQ1:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の頻度は?
CQ1-2:スタチンの種類別にその頻度に差はあるか?
CQ1-3:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)の理由とその頻度は?
Population Japanese adults patients (age≧20 years old) with
or without prior CVD events(e.g., myocardial infarction, angina, revascularization, CVA, or TIA) Japanese adults included in
international multicenter study
Interventions Statins
Pravastatin, Mevalotin Simvastatin, Lipovas Fluvastatin, Lochol Atorvastatin, Lipitor Pitavastatin, Livalo Rosuvastatin, Crestor Other drugs or non-drug
interventions (e.g., diet, exercise)
Comparators Placebo Other comparators not listed as
included
Outcomes Intolerance Adverse events not related to
statin use
Study Design Randomized clinical trials, and controlled
observational studies reporting harms(Phase IV含む) Other study designs
Settings
CQ2:日本人におけるスタチン不耐(服用継続困難)は、動脈硬化性心血管病予防効果、さらには予後に
影響を及ぼすか? Population Japanese adults patients (age≧20 years old) with
or without prior CVD events(e.g., myocardial infarction, angina, revascularization, CVA, or TIA) using statins Japanese adults included in
international multicenter study
Exposure Statins intolerance (−) Comparators Statins intolerance (+) Outcomes I.CVD events (e.g., myocardial infarction, angina,
revascularization, CVA, or TIA) II.Death Adverse events not related to
statin use
Study Design Randomized clinical trials, and controlled
observational studies reporting harms Other study designs
Settings
p.33
アトルバスタチン文献1) 119 31-2 (60, F) 5 ○ ○便秘Prog Med 1998;18:1671-1689
2-2 (47, F) 10 ○ ○咳25-4 (66, M) 20 ○ ○腹痛
文献2) 217 8-4 (46, M) 2.5 ○ ○ ○ ○まぶたの重さ、ALT, LDH, CK上昇Prog Med 1998;18:1690-1723
29-4 (58, M) 2.5 ○ ○口内炎、胃部不快、舌のしびれ72-3 ( ) 2.5 ○ ○重篤な偶発症20-4( ) 5 ○重篤な偶発症29-3 (48, F ) 5 ○ ○発疹、発赤43-2 (48, F) 5 ○ ○耳鳴り 目尻の切れ66-3 (61, M ) 5 ○ ○全身瘙痒17-2 ( 67, F ) 10 ○テストステロン上昇28-1 ( ) 10 ○ ○入院35-3 (63 F ) 10 ○ ○嘔気、嘔吐38-4 ( ) 10 ○ ○偶発症5-4 (68 F) 20 ○ ○歯肉腫脹16-3 ( ) 20 ○ ○偶発症48-1 (69,F) 20 ○ ○めまい74-1 (70, F ) 20 ○ ○肝障害
文献3) 129 45-3 (69,M) 10 ○ ○ 頭痛、めまい、しびれ Prog Med 1998;18:2251-2300
48-3 (65,M) 10 ○ ○ AST, ALT, gammaGT, ALP上昇
134 5-5 (65, F) Pravastatin 10 ○ 肺がん再発
42-1 (38, M) Pravastatin 10 ○ ○食欲不振、倦怠感45-1 (66, F) Pravastatin 10 ○尿崩症の増悪57-2 (65, M) Pravastatin 10 ○ ○一過性記憶喪失、BUN上昇76-4 (69, F) Pravastatin 10 ○ ○発疹文献4) 24 10 ○ ○ 脱力、易疲労感 臨床医薬1998;14(11):2013-2054
5-6 (66, F) 40 ○ ○肝酵素上昇5-2 (52, F) 20 ▲ ▲肝酵素上昇文献5) 9 40 ○ The Japan Atorvastatin/LDL-a@heresis Study Group文献6) 17 1例10 ○ ○胃部不快感、鼓腸臨床医薬1998;14(12):2163-2177文献7) 20 404 (47,M) 10 ○ ○倦怠感D200000490-01
文献8) 4805 1 (70代, F) 10 ○ ○めまいProg Med 2005;25:131-142
3 (60代, F) 10 ○ ○出血性胃潰瘍4 (70代, F) 10 ○ ○腸閉塞5 (50代, F) 5 ○ ○肝膿瘍7 (70代, M) 10 ○ ○血糖、HbA1c上昇8 (60代, F) 10 ○ ○肝機能異常文献9) 19 11-01 (59, F) 10 ○ ▲ ▲ AST, ALT上昇新薬と臨床1998;47(8):1230-1248
文献10) 57 2130 (78,F) 10 ○ ○発疹
1401 (65,F) 5 ○ ○ ALP上昇301 (66, F) 10 ▲ ▲筋肉のこわばり、CK上昇504 (69, F) 10 ▲ ▲頭痛
文献11) 667 1 (72,M) 5 ○ ○心筋梗塞で死亡Geriat Med 1998;36(8):1187-1207
2 (58,F) 10 ○ ○糖尿病3 (79,M) 10 ○ ○食欲不振、嚥下障害、肺炎で入院後、死亡1例不明○ ○ CK 1174 IU/Lその他21例5〜20 14例4例2例1例
文献12) 311 18-03 (60,F) 10 ○ ○脳梗塞Prog Med 1998;19:2123-2160
23-1 (73,F) 10 ○ ○血圧上昇23-05 (60,M) 10 ○ ○左背筋痛増強24-12 (不明)不明○ ○ 30-01 (49,F)不明○ ○皮疹30-04 (65,M) 10 ○ ○食欲不振32-01 (75, F)不明○ ○肺炎32-03 (不明)不明○ ○臨床検査値異常35-02 (不明)不明○ ○偶発症で入院36-04 (不明) 10 ○ ○偶発症38-01 (77,F) 10 ○ ○胃部不快38-02 (不明)不明○ ○偶発症48-01 (73,M) 10 ○ ○腰痛49-01 (73,F) 20 ▲ ▲肩疼痛50-01 (71,F) 0 ○ ○便秘57-01 (60,F) 10 ○ ○下痢60-02 (35, M)不明○ ○全身倦怠感、下痢63-06 (不明)不明○ ○偶発症63-08 (不明)不明○ ○偶発症63-16 (56,F)不明○ ○腎機能障害68-05 (不明)不明○ ○偶発症文献 13) 22921重篤副作用47例4例具体例の詳細は不明Therapeutic Res 2013;34(4):455-483
フルバスタチン臨床医薬
1995年11巻8号1679-1726 175 401 (58,F) 30 ○ ○ ALP, GammaGT
3203 (62,F) 30 ○ ○ AST, ALT, ALP, GammaGT 4104 (74, M) 30 ○ ○ ALT, ALP, GammaGT 7301 (69, F) 30 ○ ○ AST, ALT, ALP, GammaGT 5803 (47,F) 30 ○ ○手のしびれ、発汗、頭痛8203 (70, F) 30 ○ ○ AST, ALT, ALP, GammaGT, LDH 8902 (57, F) 30 ○ ○ AST, ALT, ALP, GammaGT, LDH
178 6603 (40, M) Pravastatin 10 ○ ○ 発疹、腎結石
8904 (64, F) Pravastatin 10 ○ ○ ALT 9504 (67, F) Pravastatin 10 ○ ○ LDH, CK 143
臨床医薬1995年1巻s-1号181-211 313 103 (62, F) 20 ○ ○ 胃部不快、瘙痒感
2103 (69, F) 20 ○ ○胃部不快、胸焼け3301 (67, F) 20 ○ ○頻尿4202 (53, F) 20 ○ ○腹痛・嘔気4506 (66, F) 20 ○ ○リウマチ様関節炎症状3704 (63, F) 20 ○ ○嘔気・嘔吐1410 (25, F) 20 ○ ○筋痛・発熱 CK 151 3501 (45, M) 20 ○ ○クレアチニン上昇3502 (59, F) 20 ○ ○皮疹臨床医薬1995年11巻s-2号79-94 25 25 (68, F) 30 ○ ○ 全身倦怠感
31 (69, F) 60 ○ ○口腔内異常(舌の異常感、味覚異常)臨床医薬1995年11巻s-2号45-78 24 69, F 20 ○ ○ 嘔気・心窩部不快感・食思不振
59, F 30 ○ ○胸やけ・嘔気・嘔吐64, M 30 ○ ○ ALT上昇
臨床医薬995年11巻s-1号235-265 217 20 (57, F) 20 ○ ○ 手の腫脹感
42 (52, F) 20 ○ ○湿疹、手関節痛28 (58,F) 20 ○ ○胸やけ113 (63,F) 30 ○ ○胸やけ43 (67,F) 30 ○ ○湿疹111 (55,F) 20 ○ ○頸部発疹119 (68,F) 20 ○ ○耐糖能異常LEM study 21139記載ない使用成績調査4903肝機能異常34例、横紋筋融解症2例
ピタバスタチンLIVE 6582 2 1 24 85 CK上昇をとおもなう筋痛3 (1例横紋筋融解
症)、その他筋痛24、肝機能検査異常85例
臨床医薬2001;17:829-855 258記載ない臨床医薬2001;17:857-883 124 2 記載ない
109 Pravastatin 10 記載ない
スタチン試験対象
症例数(症例番号:
あれば記入)投与量中止例
なし中止理由中止時期備考
筋関連
肝臓酵素関連その他の
症状不明、
drop out、その他の理由
12週以内6か月以内1年以内1年以降不明CK上昇のみ筋痛を伴う
CK上昇横紋筋
融解症CK上昇を
伴わない筋肉痛詳細不明
シンバスタチン文献1) 168 40-5(63,F) 2.5 ○ ○食思不振、気分不快
文献2) 136 15-1(61,M) 2.5 ○ ○性欲減退、陰縮、粘膜異常
19-4(60,F) 2.5 ○ ○胸やけ、げっぷ21-3(54,F) 2.5 ○ ○下痢31-4(39,F) 5 ○ ○下腿浮腫
文献3) 279 3003(49,F) 2.5-5 ○ ○ drop out
6002(61,M) ○ ○ inclusion criteriaに満たないため、中止8001(64,M) 2.5 ○ ○蕁麻疹12011(54,M) ○ ○間違えて、試験終了と考えてしまい、中止17005(58,F) 2.5 ○ ○倦怠感20001(59,F) 2.5 ○ ○顔のほてり、頭重感22003(41,F) ○ ○ drop out 24002(90,F) ○ ○ drop out 38002(62,F) 2.5 ○ ○胸部拘扼感41001(59,M) ○ ○ drop out 42004(61,F) ○ ○ drop out 43009(35,M) ○ ○ drop out文献4) 271 33002(70,F) 2.5-10の間○ ○掻痒感
文献5) 54 1-18(24,M) 2.5-10の間○ ○ drop out
3-03(39,F) 2.5-10の間○ ○ drop out 3-07(50,F) 2.5-10の間○ ○ drop out 3-08(62,F) 2.5-10の間○ ○ drop out 4-01(65,F) 2.5-10の間○ ○ drop out 9-01(47,F) 2.5-10の間○ ○ drop out文献6) 9 ○文献7) 33 5 ○ ○顔面浮腫
文献8) 329 23-02(60,M) 5 ○ ○頭痛
11-01(53,F) 10 ○ ○心窩部痛、浮腫12-05(56,F) 10 ○ ○ ○筋肉痛、γGTP 45に上昇36-02(68,M) 10 ○ ○こわばり感03-01(33,M) 20 ○ ○下痢、異常感覚04-05(75,M) 20 ○ ○四肢腫脹11-04(58,F) 20 ○ ○ ○胸内苦悶感、筋肉痛、化膿性皮膚炎、浮腫、
倦怠感
34-01(62,F) 20 ○ ○便秘53-01(54,F) 20 ○ ○下肢痛、下肢浮腫70-07(72,F) 20 ○ ○嘔気、かぜ症候群82-02(56,F) 20 ○ ○咽頭浮腫44-02(71,M) 20 ○ ○血管障害52-05(77,F) 20 ○ ○倦怠感、めまい48-01(77,F) 10 ○ ○ ○ ○関節痛の増悪、GOT 62/GPT 43/LDH 479/
CPK 1082/ミオグロビン 75
75-02(72,M) 5 ○ ○ drop out 28-04(66,M) 5 ○ ○突然死26-01(72,M) 10 ○ ○プロトコール違反68-01(51,F) 10 ○ ○プロトコール違反27-05(80,M) 5 ○ ○手術のため中止
文献9) 113 03-01(47,M) 20 ○ ○倦怠感
04-01(67,F) 20 ○ ○担当医師変更のため中止05-01(58,M) 20 ○ ○プロトコール違反(来院不規則) 08-05(57,F) 20 ○ ○ CPK上昇、筋肉痛11-02(66,F) 20 ○ ○同意撤回15-02(45,M) 20 ○ ○ GOT/GPT上昇15-05(70,F) 20 ○ ○同意撤回16-01(72,M) 20 ○ ○血痰16-03(54,M) 20 ○ ○かゆみ21-04(59,M) 20 ○ ○狭心症発作で入院したため23-01(53,F) 20 ○ ○不正出血33-04(73,M) 20 ○ ○大腸がんで入院したため34-01(62,F) 20 ○ ○下痢、ふらつき35-02(68,M) 20 ○ ○筋痛様症状35-03(60,M) 20 ○ ○ Cre,CPK,ミオグロビン上昇、筋痙攣41-07(70,F) 20 ○ ○胸やけ、便秘41-10(61,M) 20 ○ ○ CPK、ミオグロビン上昇、倦怠感
スタチン試験対象
症例数(症例番号:
あれば記入)投与量中止例
なし中止理由中止時期備考
筋関連
肝臓酵素関連その他の
症状不明、
drop out、その他の理由
12週以内6か月以内1年以内1年以降不明CK上昇のみ筋痛を伴う
CK上昇横紋筋
融解症CK上昇を
伴わない筋肉痛詳細不明
プラバスタチン文献1) 446 2 (52,F) 10 ○ ○ urticaria様発疹
80(51,F) 10 ○ ○胸やけ・口渇110(66,F) 10 ○ ○蕁麻疹112(72,F) 10 ○ ○発疹107(44,M) 10 ○ ○ CK 291で中止202(37,M) 10 ○ ○ GOT 88, GPT 116, γGTP 104 211(42,M) 10 ○ ○ ○ GOT 60, GPT 72, 尿蛋白(2+)文献2) 56 6(51,M) 10 or 20 ○ ○頭痛、患者の判断で中止文献3) 75 10 or 20 ○文献4) 173 7-2(48,M) 10 ○ ○下痢
36-3(65,F) 10 ○ ○胃部不快感
文献5) 368 18(62,F) 10 ▲ ▲ ▲ ▲胃部不快感、咳・痰。3回あるが、いずれも
再開しても症状再発なし
286(53,M) 10 ▲ ○左乳房腫脹と圧痛。再投与しても縮小し、自
然に消失。
315(60,F) 10 ○ ○頭痛319(42,F) 10 ▲ ▲ ▲ ▲アレルギー症状(顔面。口唇浮腫感、発疹)。
抗アレルギー薬投与し、メバロチンは継続投
与
文献6) 75 29(59.M) 10 ○ ○元々脂肪肝で肝機能変動あり。GOT 38、
GPT 61で中止
61(62,F) 10 ▲ ▲ ▲終了時にGOT 38,GPT 128, CK 378, Alp 624
で、中止すべきだった症例と判定されている
文献7) 134 329(16,F) ○ ○全身倦怠感
323(62,F) ○ ○ GOT 49, GPT 71で中止215(31,M) ○ ○ CK 664で中止
文献8) 105 18(60,F) ○ ○胃部不快感、自己中断(客観的には軽度で問
題にはならない症状)
138(64,F) ▲ ▲口渇、口内炎。再投与するも訴えなし259(55,F) ▲ ▲手のこわばり。再投与するも再発なし。84(36,M) ○ ○ TB 1.3で中止。230(66,F) ▲ ▲腎機能障害。腎機能低下によるSEを心配し、
中止。
p.34
付録3.スタチンによる肝障害の概要について
アトルバスタチン atorvastatin(リピトール®)肝障害概略:軽度、無症状で一過性の場合が多い(頻度1~3%)。患者の1%でALT正常上限値の3倍を超える肝障害を生じている。用量が高ければ頻度も高い(80mgで2.3%)多くの場合、一過性で用量を変えなくても正常化する。1/3000~1/5000で顕性の肝障害を生ずる。肝細胞障害性から胆汁うっ滞まで幅広い。発症は投与後1か月から数年まで様々。多くの症例では6か月以内に生ずる1, 2)。肝細胞障害型の1/3では、自己免疫性肝炎の臨床像(ANA+,Ig高値,肝組織像)を呈する3-5)。投薬の中止とステロイドの投与が必要となる。また急性肝不全の報告もある6)。肝硬変症例への投与で死亡例の報告がある7)。代謝および傷害機序:障害機序不明。代謝はCYP3A4にて行われ胆汁から排泄される。軽度の肝酵素上昇は、薬の中間代謝物の毒性により生じ、その後の適応により回復するものと考えられている。相互作用:強力なCYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン、リトナビル、イトコナゾール、ベラパミル、グレープフルーツジュース)はアトルバスタチン濃度を上昇させるため20mg以下/日にすべきである。リファンピシンなどCYP3A4誘導剤はアトルバスタチン濃度を下げる。こうした他薬との併用で肝障害が生ずることもある。管理:軽度のALT上昇では、一過性のため経過観察で用量の変更も必要ない。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):9.6%日本における急性肝不全の報告:あり* *1.馬場 英、古屋 乾、坂東英明、谷口菜津子、葛西健二、定岡邦昌、服部淳夫.Atorvastatinによる劇
症肝炎が疑われた1例と本邦報告5例の検討.第86回北海道医学大会分科会(第99回日本消化器病学会北海道支部例会)演題番号109、2006年2.医薬品医薬機器等安全情報226号
エゼチミブ ezetimibe(ゼチーア®)肝障害概要:エゼチミブはスタチンと併用される場合が多い。肝障害を生ずる頻度は0.5-1.5%で、多くの場合一過性である。スタチン併用では肝障害頻度の上昇はわずかである。稀に急性肝障害を起す。発症時期は投与開始後2~10か月。肝細胞障害型、胆汁うっ滞型の両方がある。海外では、スタチンとの併用で自己免疫性肝炎様の肝障害5)や急性肝不全8)を呈した例がある。また、胆管消失症候群の出現が報告されている9)。代謝および傷害機序:CYPにて代謝されるが、他薬の代謝阻害はわずかである。胆汁うっ滞の機序として、エゼチニブとビリルビンの排泄に伴うMRP2の競合による可能性が示唆されている10)。相互作用:速やかにグルクロン酸抱合をうけて胆汁排泄されるため、相互作用もわずかである。管理:肝酵素の上昇は一過性で用量変更の必要もない。急性肝障害の場合も一過性であるが、海外で胆管消失症候群、慢性自己免疫性肝炎、急性肝不全の報告もある。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):2.2%日本における急性肝不全の報告:なし
フルバスタチン fluvastatin(ローコール®)肝障害概要:大規模なモニタリングでは、軽度で無症状の肝酵素の上昇を1~5%で生じ、ALT正常上限値の3倍を超える上昇は1%ほどである。用量の多い方が起こりやすい。多くの場合用量変更せずに一過性に回復する2)。軽度の肝酵素上昇はスタチンのなかで最も多いが、臨床上顕性化するものは1.7/10000人年と稀である。多くは投与開始後1~4か月で生じ、ほとんど胆汁うっ滞型か混合型である。発疹、発熱、好酸球増多は稀。本剤の服薬がトリガーとなり自己免疫性肝炎と原発性胆汁性胆管炎(旧称:原発性胆汁性肝硬変)
p.35
のoverlap症候群が生じた症例が報告されている11)。代謝および傷害機序:傷害機序不明。CYP2C9が主な代謝酵素で胆汁へ排泄される。軽度の肝酵素上昇は、薬の中間代謝物の毒性により生じ、その後の適応により回復するものと考えられている。顕性の肝障害は、感受性過敏や適応障害によると考えられる。管理:軽度のALT上昇は一過性で用量変更せずに回復する。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。顕性の肝障害も一過性のことが多く、1~2か月で回復する。再投与は薦められない。自己免疫性ではステロイドを要する。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):2.2%日本における急性肝不全の報告:なし
ピタバスタチン pitavastatin(リバロ®)肝障害概要:大規模試験では、軽度で無症状の肝酵素の上昇を1%で生じた。顕性の肝障害に関する詳細は不明であり、他のスタチンと同様の肝障害を生ずる可能性はあるが、報告はほとんどない12, 13)。代謝および傷害機序:障害機序は不明。肝では10%未満がCYP2C9により代謝される。管理:軽度のALT上昇は一過性で用量変更せずに回復する。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。顕性の肝障害も一過性のことが多く、1~2か月で回復する。再投与は薦められない。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):3.6%日本における急性肝不全の報告:なし
プラバスタチン pravastatin(メバロチン®)肝障害概要:大規模なモニタリングでは、軽度で無症状の肝酵素の上昇を3~15%で生じ、ALT正常上限値の3倍を超える上昇は0.7%ほどである。用量の多い方が起こりやすい(80mgで2.3%)。多くの場合用量変更せずに一過性に回復する。臨床上顕性化するものは1/10000人年と稀である。多くは投与開始後2~9か月で生じ、肝細胞障害型と胆汁うっ滞型の両方である。胆汁うっ滞で総ビリルビン値が13.6mg/dLまで上昇した症例が報告されている14)。中止により2~3か月で回復する。発疹、発熱、好酸球増多は稀。アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチンよりも顕性肝障害の頻度は低いと報告されている15)。代謝および傷害機序:傷害機序は不明。ほとんど肝では代謝されず、そのまま尿に排泄される。軽度の肝酵素上昇は、薬の中間代謝物の毒性により生じ、その後の適応により回復するものと考えられている。顕性の肝障害は、適応障害によると考えられる。管理:軽度のALT上昇は一過性で用量変更せずに回復する。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。顕性の肝障害も一過性のことが多く、1~2か月で回復する。再投与は薦められない。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):1.9%日本における急性肝不全の報告:なし
ロスバスタチン rosuvastatin(クレストール®)肝障害概要:軽度で無症状の肝酵素の上昇を1~3%で生じるが、ALT正常上限値の3倍を超える上昇はplaceboと同等0.2%である。用量の多い方がALT上昇を起こりやすい(40mgで2.2%)。多くの場合用量変更せずに一過性に回復する。臨床上顕性化するものは1/10000人年と稀である。多くは投与開始後2~4か月で生じ、肝細胞障害型が多い。発疹、発熱、好酸球増多は稀。海外では、自己免疫性肝炎様の症例が報告されている16, 17)。代謝および傷害機序:障害機序は不明。10%未満は肝で代謝される(CYP2C9)。軽度の肝酵素上昇は、薬
p.36
の中間代謝物の毒性により生じ、その後の適応により回復するものと考えられている。顕性の肝障害は自己免疫機序が想定される。管理:軽度のALT上昇は一過性で用量変更せずに回復する。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。顕性の肝障害も一過性のことが多く、1~2か月で回復する。再投与は薦められない。自己免疫性肝炎ではステロイドを投与する。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):4.5%日本における急性肝不全の報告:なし
シンバスタチン simvastatin(リポバス®)肝障害概要:軽度で無症状だが慢性に経過する肝酵素の上昇を5%程度で生じる。ALT正常上限値の3倍を超える上昇は1~2%である。多くの場合用量変更せずに一過性に回復する。臨床上顕性化するものは稀である。多くは投与開始後1~6か月で生じるが、報告では1週間から3年に亘る。肝細胞障害型、胆汁うっ滞型、混合型どれもが起こる。発疹、発熱、好酸球増多は稀。自己免疫性肝炎様の症例では、投与中止で回復した例もあり、免疫抑制療法が行われた症例もある18)。多くの症例では、1~3か月で回復している。急性肝不全や死亡例の報告もあるが6)、広く使われていることから、顕性肝障害は1/10000人年程度と考えられる。Matsuzawaらの報告では、シンバスタチン(5~10mg/day)投与52,421人の日本人例で、ALTやASTが120 IU/dLを超えた例は0.16%であった19)。代謝および傷害機序:障害機序は不明。CYP3A4にて代謝され胆汁に排泄される。軽度の肝酵素上昇は、薬の中間代謝物の毒性により生じ、その後の適応により回復するものと考えられている。顕性の肝障害は、適応障害によると考えられる。相互作用:シクロスポリン、ケトコナゾール、ジリチアゼム、シプロフロキサシン、アミオダロンなどのCYP阻害により血中濃度が上昇するので肝障害を起こしやすい。管理:軽度のALT上昇は一過性で用量変更せずに回復する。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。顕性の肝障害も一過性のことが多く、1~2か月で回復する。再投与は薦められない。ALT上昇する症例の割合(インタビューフォームから):2.1%日本における急性肝不全の報告:なし
文 献1)Saku K, Zhang B, Noda K, Investigators PT: Randomized head-to-head comparison of pitavastatin, atorvastatin, and
rosuvastatin for safety and efficacy (quantity and quality of LDL): the PATROL trial. Circ J 2011, 75(6): 1493-1505. 2)Ooba N, Sato T, Wakana A, Orii T, Kitamura M, Kokan A, Kurata H, Shimodozono Y, Matsui K, Yoshida H et al: A
prospective stratified case-cohort study on statins and multiple adverse events in Japan. PLoS One 2014, 9(5): e96919. 3)Russo MW, Scobey M, Bonkovsky HL: Drug-induced liver injury associated with statins. Semin Liver Dis 2009, 29(4):
412-422. 4)Pelli N, Setti M, Ceppa P, Toncini C, Indiveri F: Autoimmune hepatitis revealed by atorvastatin. Eur J Gastroenterol
Hepatol 2003, 15(8): 921-924. 5)van Heyningen C: Drug-induced acute autoimmune hepatitis during combination therapy with atorvastatin and
ezetimibe. Ann Clin Biochem 2005, 42(Pt 5): 402-404. 6)Reuben A, Koch DG, Lee WM, Acute Liver Failure Study G: Drug-induced acute liver failure: results of a U.S.
multicenter, prospective study. Hepatology 2010, 52(6): 2065-2076. 7)Kohler UA, Kurinna S, Schwitter D, Marti A, Schafer M, Hellerbrand C, Speicher T, Werner S: Activated Nrf2 impairs
liver regeneration in mice by activation of genes involved in cell-cycle control and apoptosis. Hepatology 2014, 60(2): 670-678. 8)Tuteja S, Pyrsopoulos NT, Wolowich WR, Khanmoradi K, Levi DM, Selvaggi G, Weisbaum G, Tzakis AG, Schiff ER:
p.37
Simvastatin-ezetimibe-induced hepatic failure necessitating liver transplantation. Pharmacotherapy 2008, 28(9): 1188- 1193. 9)Stolk MF, Becx MC, Kuypers KC, Seldenrijk CA: Severe hepatic side effects of ezetimibe. Clin Gastroenterol Hepatol
2006, 4(7): 908-911. 10)Ritchie SR, Orr DW, Black PN: Severe jaundice following treatment with ezetimibe. Eur J Gastroenterol Hepatol 2008,
20(6): 572-573. 11)Floyd JS, Brody JA, Tiniakou E, Psaty BM, Mammen A. Absence of anti-HMG-CoA reductase autoantibodies in severe
self-limited statin-related myopathy. Muscle & nerve 2016;54:142-144.47. Bjornsson ES: Hepatotoxicity of statins and other lipid-lowering agents. Liver Int 2017, 37(2): 173-178. 12)Bjornsson ES: Hepatotoxicity of statins and other lipid-lowering agents. Liver Int 2017, 37(2): 173-178. 13)Chalasani N, Bonkovsky HL, Fontana R, Lee W, Stolz A, Talwalkar J, Reddy KR, Watkins PB, Navarro V, Barnhart H et
al: Features and Outcomes of 899 Patients With Drug-Induced Liver Injury: The DILIN Prospective Study. Gastroenterology 2015, 148(7): 1340-1352 e1347. 14)Hartleb M, Rymarczyk G, Januszewski K: Acute cholestatic hepatitis associated with pravastatin. Am J Gastroenterol
1999, 94(5): 1388-1390. 15)Bjornsson ES, Bergmann OM, Bjornsson HK, Kvaran RB, Olafsson S: Incidence, presentation, and outcomes in patients
with drug-induced liver injury in the general population of Iceland. Gastroenterology 2013, 144(7): 1419-1425, 1425 e1411- 1413; quiz e1419-1420. 16)Wolters LM, Van Buuren HR: Rosuvastatin-associated hepatitis with autoimmune features. Eur J Gastroenterol Hepatol
2005, 17(5): 589-590. 17)Kasliwal R, Wilton LV, Cornelius V, Aurich-Barrera B, Shakir SA: Safety profile of rosuvastatin: results of a prescription-
event monitoring study of 11,680 patients. Drug Saf 2007, 30(2): 157-170. 18)Alla V, Abraham J, Siddiqui J, Raina D, Wu GY, Chalasani NP, Bonkovsky HL: Autoimmune hepatitis triggered by
statins. J Clin Gastroenterol 2006, 40(8): 757-761. 19)Matsuzawa Y, Kita T, Mabuchi H, Matsuzaki M, Nakaya N, Oikawa S, Saito Y, Sasaki J, Shimamoto K, Itakura H et al:
Sustained reduction of serum cholesterol in low-dose 6-year simvastatin treatment with minimum side effects in 51,321 Japanese hypercholesterolemic patients. Circ J 2003, 67(4): 287-294.