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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン フォーカスアップデート2025 (PDF) 日本動脈硬化学会・2025・28 ページ · 予防・高血圧・脂質・糖尿病 · 産科・婦人科・小児
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小児FH 診療ガイドライン

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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン

フォーカスアップデート2025

斯波真理子1)、大竹 明2)、杉山大典3)、多田隼人4)、土橋一重5)、松木恒太6)、南野哲男

7)、山下静也8)、山本幸代9)

(日本小児科学会・日本動脈硬化学会合同小児家族性高コレステロール血症

診療ガイドライン作成ワーキンググループ)

1)大阪医科薬科大学・循環器センター2)埼玉医科大学病院ゲノム医療科・小児科3)慶應義塾大学看護医療学部/大学院健康マネジメント研究科4)金沢大学附属病院循環器内科5)山梨大学医学部小児科学教室6)弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座7)香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科学8)りんくう総合医療センター9)産業医科大学医学部医学教育担当教員

キーワード:小児、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体、ヘテロ接合体、診断基準、治療指針、

生活習慣、薬物療法、LDL アフェレシス、スタチン

緒言フォーカスアップデートにあたって

「成人および小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン」は,2022 年改訂により、成人版ではアキレス腱肥厚の評価の基準値の変更や、遺伝学的検査による確定診断を導入し、小児版では「FH 疑い」を導入して診断感度(診断数)を増加させることが可能となった。一方で、2022 年の改訂後に成人および小児家族性高コレステロール血症ホモ接合体に対する新規薬剤が登場した。このような状況に鑑み、小児家族性高コレステロール血症ホモ接合体に対する薬物治療についての項に関してフォーカスアップデート2025 年版を作成した。フォーカスアップデート版で更新した箇所は下線をつけて表示した。

要 旨:家族性高コレステロール血症(FH)は小児期より粥状動脈硬化が進行するため、早期発見、早期治療が望ましい。小児FH(15 歳未満)の診断の基本は、高LDL コレステロール(LDL-C)血症とFH の家族歴によるが、今回、見落としを減らすため「FH 疑い」を設定した。「FH」もしくは「FH疑い」と診断されれば、速やかに食事を含めた生活習慣の指導に努める。また、家族内調査を行い、新たな患者の診断に繋げることが重要である。LDL-C 値180 mg/dL 以上が継続する場合、10 歳を目安として薬物療法を考慮する。第一選択薬はスタチンとする。動脈硬化の評価は、超音波法等の非侵襲的手法を中心に行う。管理目標値はLDL-C 値140 mg/dL 未満とする。FH ホモ接合体を疑う場合は、診療経験を有する専門医と相談し、動脈硬化症の評価を行うと同時に直ちに薬物療法による反応性を見極め、効果が不十分であれば速やかにLDL アフェレシスを開始する。

Copyright©2025 Japan Pediatric Society, Japan Atherosclerosis Society
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小児FH 診療ガイドラインWG

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はじめに

小児期にすでに動脈硬化性の病理学的変化が生じることは、Bogalusa Heart Study

1)やPathological Determinants of Atherosclerosis in Youth(PDAY)

2)などの剖検所見から証明されている。家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia:FH)は、低比重リポ蛋白(low density lipoprotein:LDL)受容体およびその関連遺伝子の変異による遺伝性の疾患で、高LDL コレステロール(LDL-C)血症を呈する。このため、動脈硬化性疾患の発症リスクが高く、小児期からの早期診断および早期介入が重要となる。FH 患者に対して、小児期(15歳未満)のスクリーニング、治療の種類や開始年齢、動脈硬化の評価、治療の目標などについて、わが国において長い間コンセンサスは得られていなかった。2017年、日本小児科学会と日本動脈硬化学会が合同で、「小児家族性高コレステロール血症診療ガイド」を策定し、1 つの指針を提案した(以下、小児FH 診療ガイド2017)

3)。今回、5 年を経過したことから全体を見直し、改訂を行った。小児ではエビデンスが少ないが、今回はクリニカルクエスチョンを設定し、エビデンス評価を行い、診療ガイドラインとした。前回同様、早期に診断し、治療介入を加えることにより、将来起こりうる動脈硬化症を予防することを目的としている。なお、本BQ/FQ に係るシステマティックレビューは成人および小児を含めて行ったものであり、解説の一部には小児において不確定なものも含んでいる。

1 BQ(background question、背景疑問) / FQ(foreground question、前景疑問)

BQ1. わが国においてFH の有病率はどの程度か?総じて、一般人口の300人に1人程度、冠動脈疾患の30人に1人程度、早発性冠動脈疾患や重症高LDL-C 血症の15人に1人程度認められる。(エビデンスレベル: E-2)

従来、FH の有病率は500人に1 人とされていたが、近年、横断研究やコホート研究から、それよりも明らかに高頻度であるとする報告が欧米から相次いで発表されている。わが国からも、Mabuchi らが北陸地方における分子疫学的頻度を検討し、208人に1 人と推定されることを報告している

4)。2017年に発表されたシステマティック・レビュー/ メタ解析(日本人を含まない)では、一般人口の250人に1 人の頻度と報告された5)。また、その後に発表されたシステマティック・レビュー/ メタ解析(日本人を含む)では、一般人口の313人

6)、311人に1 人7)の頻度と報告されている。250人に1 人と報告したメタ解析は、いわゆる創始者効果(founder-effect)による極めて高頻度との報告のある文献も含めた解析であったのに対して、313人、311人に1 人と報告した後者2 報はこのような研究を除外したものであった。地域によっては創始者効果による頻度の増加の影響は存在すると想定されるため、Mabuchi らのわが国における報告はあるものの、約300人に1 人と考えるのが妥当と考えられる。また、冠動脈疾患患者においては30人に1 人程度、早発性冠動脈疾患や重症高LDL-C 血症(メタ解析では190 mg/dL 以上と定義)においては15人に1 人程度と考えられる

6)。なお、上記メタ解析中の日本人のデータ数は少なく、一部地域における近親婚や人口動態のボトルネック効果などの要因による頻度の相違も想定されるが、各人種間での有意な相違を示すエビデンスはないゆえ、上述のメタ解析による結果を日本人においても適用して良いと思われる。

BQ2. FH 患者の予後・主たる合併症にはどのよう

なものがあるか? ●冠動脈疾患:オッズ比は非FH と比較し10〜20倍(エビデンスレベル:E-1a

※) ●末梢動脈疾患:オッズ比は非FH と比較し5〜10倍(エビデンスレベル:E-1a) ●脳卒中:影響は明確でない(エビデンスレベル: E-1a) ●大動脈弁狭窄症:疫学的な関連は示されていないが、合併するFH の症例報告がある(エビデンスレベル: E-3) ●腹部大動脈瘤:疫学的な関連は示されていないが、合併するFH の症例報告がある(エビデンスレベル: E-3)

※コホート研究のメタアナリシスは存在しないが、複

数のコホート研究が存在し同一の結果が得られていることからE-1a とした。

FH 患者の全身性動脈硬化症の中で主たる合併症として最も重要なものは冠動脈疾患である

8)。冠動脈疾患に加えて末梢動脈疾患や頸動脈硬化症についても非FH と比較して有意に有病率が高いとの報告(システマティックレビュー/ メタ解析)がある

9、10)。一方で脳卒中に関しては、その影響は明確でないとする報告が多い。大動脈疾患・弁膜症(大動脈瘤、大動脈弁狭窄症、弁上狭窄など)に関しては、疫学的にその関連性を示した報告はないが、それらを合併しているFH の症例報告は複数ある。FH の生命予後に関するランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)やシステマティック・レビューは皆無であるが、Mabuchi らは、わが国におけるスタチン登場前の時代と登場後の時代における
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FH ヘテロ接合体およびFH ホモ接合体の予後を比較した検討結果を発表している

11)。この報告によると、スタチン登場前は、FH ヘテロ接合体の男性の73%、女性の64% が心臓死であったこと、FH ヘテロ接合体の死亡年齢は、スタチン登場前は平均63歳であったのがスタチン登場後には76歳まで延長したこと、またFH ホモ接合体においてもスタチン登場前は平均28歳であった死亡年齢が登場後は59歳まで延長したこと、が示されている。

FQ1. FH ヘテロ接合体の薬物治療においてスタチ

ンを第一選択に推奨できるか? FH ヘテロ接合体の治療には、スタチンを第一選択薬とする厳格な脂質管理を推奨する。(エビデンスレベル: 3、推奨レベル:A)

FH ヘテロ接合体におけるスタチンのLDL-C 低下効果を検証したランダム化二重盲検試験は13報

12-24)あり、うちプラセボ対照試験は9 報(成人FH ヘテロ接合体対象2 報

12、13)、小児〜青年期FH ヘテロ接合体対象6 報15-20)、FH ヘテロ接合体かFH ホモ接合体かの記載のない成人FH 対象1 報

14))存在し、成人例・小児例ともに有効性・安全性は確立している。また、FH ホモ接合体ではランダム化二重盲検クロスオーバー試験1 報

21)にてその有効性が示されている。わが国からも成人、小児例ともにスタチン内服によるLDL-C 低下効果を示した報告が発表されており

23、24)、これは海外からの臨床試験の結果と一致する。動脈硬化症の予防効果を検討したランダム化二重盲検比較試験は成人例

25)、小児例20)それぞれ1 報ずつ発表されており、成人例では高強度スタチン治療(アトルバスタチン80 mg、本邦承認用量の2 倍)が標準強度スタチン治療(シンバスタチン40 mg、本邦承認用量の2 倍)に比して、小児例では標準強度スタチン治療(プラバスタチン20-40 mg、本邦では承認用量20 mg で小児適応なし)がプラセボに比して、それぞれIMT 肥厚の進展を有意に抑制している。そして、小児例の報告のサブ解析では、より早期からスタチンを開始したほうがIMT肥厚の進展が抑制されることが示されている

26)。また、オランダからの2447例の観察研究の報告からスタチン使用が冠動脈疾患発症率低下や全死亡率低下と関連しているとの報告がある

27)。直接比較による動脈硬化性心血管疾患の発症予防の科学的根拠は十分とは言えないものの、非FH における豊富なエビデンス等も踏まえると現時点ではスタチンが最も推奨される薬物治療と考えられる。FH を対象とした、スタチンと他の脂質低下薬でのLDL-C 低下作用を比較検討した臨床研究としては、陰イオン交換樹脂(レジン)であるコレスチラミンと比較した試験が4 報発表されている(すべて成人対象、プラバスタチン使用、FH ヘテロ接合体対象が2 報、FH 対象が2 報)。プラバスタチン40 mg 内服群とコレスチラミン4 g(もしくはコレスチポール5 g)内服群を比較した報告

13)では、両群ともベースラインから有意差をもってLDL-C が低下したが、プラバスタチン内服群ではコレスチラミン群と比較して有意差をもってLDL-Cが低値であった。一方、プラバスタチン40 mg とコレスチラミン16-24 g(本邦承認用量の1.5- 2 倍)との比較を行った報告

12、14、28)では両群とも有意差をもってベースラインからはLDL-C は低下しているものの、両群間に有意差を認めなかった。これらの検討は1990年台初頭のプラバスタチンを用いた試験であり、新しい世代のスタチンではより強い脂質低下効果を認めることから、コレスチラミンよりも高い効果が期待できる。なお、スタチンとプロブコール、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)、proprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)阻害薬との直接比較試験は存在しないものの、エゼチミブとPCSK9阻害薬に関してはスタチンへの上乗せ試験が報告されている

29-32)。

FQ2. FH ホモ接合体および薬物療法抵抗性の重症

ヘテロ接合体に対しては、LDL アフェレシス治療を推奨するか? FH ホモ接合体および薬物療法抵抗性の重症ヘテロ接合体に対しては、LDL アフェレシス治療を施行してLDL コレステロールを厳格にコントロールすることを推奨する。(エビデンスレベル:3、推奨レベル:A)

2019 ESC/EAS Guidelines for the Management of Dyslipidaemias:Lipid Modification to Reduce Cardiovascular Risk

33)にて、エビデンスレベル等の記載はないものの、LDL アフェレシスはFH ホモ接合体の治療法として推奨されている。

2016年に報告されたシステマティック・レビュー34)では、合計38報の論文(非盲検臨床試験8 報、観察研究11報、レビュー/ ガイドライン17報、医療技術評価2 報)が解析されている。RCT は含まれていないが、LDL-C低下効果やlipoprotein(a)[Lp(a)]低下効果、心血管イベント抑制効果などについて、臨床的メリットが示されている。各国でFH 診断率、アフェレシス治療へのアベイラビリティー(入手の機会)やアクセス、適応、方法、コストなどが異なるために、わが国の状況に合わせた評価も今後必要と考えられるが、患者の身体的社会的負担は存在するものの、交通および費用面で比較的アクセスしやすい日本においては、薬物治療で十分な効果が得られないFH 患者にLDL アフェレシスは推奨されると考える。小児のFH ホモ接合体については76報の症例報告(209名)をまとめたシステマティック・レビューが2019年に報告されている

35)。心血管アウトカムについてLDL ア
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小児FH 診療ガイドラインWG

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フェレシスが薬物治療単独に比較して有用か否かは示されていないものの、有害事象が少なく、総じて安全にLDL-C を低下させ、黄色腫を軽減することが報告されている。

FQ3. 小児FH 患者において早期から治療を開始す

ることは推奨されるか? FH は動脈硬化性疾患のハイリスク病態であり、LDLコレステロール値に応じて、早期からの治療開始を推奨する

※。(エビデンスレベル:コンセンサス、推奨レベル:A)

※図3 小児FH ヘテロ接合体治療のフローチャートを

参照

アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)によるガイドライン

36)では、小児FH に対してプラバスタチンは8 歳から、その他のスタチンは10歳から「承認」されており、わが国の診療ガイド2017 3)にも記載されたピタバスタチンを10歳以上から「承認」するという方針は世界の流れに沿った形である。2019 ESC/EAS Guidelines for the Management of Dyslipidaemias:Lipid Modification to Reduce Cardiovascular Risk

33)においても、エビデンス/ 推奨レベルはclass II a、Level C ではあるが、小児FH に対しては8 -10歳でスタチンによる治療を開始し、10歳以上では135 mg/dL未満を目指すことが記載されている。スタチンを使用した9 つの試験をまとめた“Statins for children with familial hypercholesterolemia” では、FH 患児へのスタチン療法が肝機能や筋症状および筋障害、発育などに影響せずに安全かつ良好にLDL-C を下げること、そしてエビデンスレベルは高くないが頸動脈硬化を軽減させ、一部内皮機能を改善させることを報告している

37)。また、現在までのRCT およびRCT のメタ解析、システマティック・レビューにおいて、10歳以上の小児患者に対してスタチンやレジン、エゼチミブを用いることは、LDL-C を低下させるという点において安全かつ有用であることが示されている。その対象者の特性上、小児に対してスタチンを用いたRCT は数も限られており、スタチン投与期間も短いため、動脈硬化性心血管疾患(atherosclerotic cardiovascular disease:ASCVD)の発症や心血管死、そして長期の安全性を評価できた試験はない。しかし、20年間のフォローアップ試験によると、13.0±2.9歳(LDL-C 平均値 237.3 mg/dL)でスタチンを開始すれば、到達したLDL-C の平均値は 160.7 mg/dL であっても、少なくとも39歳までにASCVD 死を起こさなかったことが示されている

38)。LDL-C の経年的蓄積値がASCVD の発症に関連すると考えられており、さらにFH は動脈硬化性疾患のハイリスク病態であるがゆえ、小児に対しての早期からの治療開始が推奨される。

2 FH の概要

ポイント●FH とは、LDL 受容体およびその関連遺伝子変異に伴う遺伝性疾患であり、主として常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式をとる。●一般人口におけるFH の頻度は概ね300人に1人程度であり、冠動脈疾患患者、特に早発性冠動脈疾患患者の場合にはその頻度はさらに高く、比較的高頻度に見られる。●病原性遺伝子変異の個数により、ヘテロ接合体・ホモ接合体の2つに分類される。

FH とは:その病因、頻度、主要徴候FH とはLDL 受容体およびその関連遺伝子の変異による遺伝性疾患であり、主として常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式をとる。近年の分子疫学的研究のメタ解析によると

6、7)、一般人口におけるFH ヘテロ接合体の頻度は、世界的には概ね300人に1 人程度存在すると考えられる。これらの分子疫学的研究のメタ解析には、わが国のデータも含まれ、合計サンプル数は数百万人を超えるものであり、本疾患の頻度に関するデータとして極めて重要である。さらには冠動脈疾患患者におけるFH の頻度は30人に1 人程度、早発性冠動脈疾患患者におけるFH の頻度は15人に1 人程度と考えられている

6)。このようにFH は遺伝性代謝疾患の中で最も高頻度とされ、日常診療でよく遭遇する疾患であるにも関わらず、特に小児におけるFH の診断率は極めて低いと推定される。FH の主な徴候は高LDL-C 血症、腱・皮膚黄色腫および早発性冠動脈疾患(男性55歳未満、女性65歳未満での冠動脈疾患の発症)である。しかし、小児FH ヘテロ接合体の場合には成人FH ヘテロ接合体と比較し、後述のようにLDL-C 値が変動し得ること、腱黄色腫および冠動脈疾患はほとんど認められないこと、に留意すべきである。

FH の原因遺伝子についてLDL 受容体(LDL receptor)をコードするLDLR、アポリポ蛋白B-100(apolipoprotein B-100)をコードするAPOB、PCSK9蛋白をコードするPCSK9 の3 遺伝子が知られている。病原性変異が1 つある場合はFH ヘテロ接合体、2 つある場合は複合ヘテロ接合体およびダブルヘテロ接合体を含みFH ホモ接合体として対応する。LDLR 変異によるFH がほとんどであるが、わが国ではFH ヘテロ接合体の5 % 程度がPCSK9機能獲得型変異による

11)。APOB 変異は欧州においては創始者効果により
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比較的高頻度であるが、わが国では極めて稀である

39)。一方で、常染色体潜性(劣性)高コレステロール血症(Autosomal Recessive Hypercholesterolemia:ARH)はLDL receptor adaptor protein 1 (LDLRAP1)遺伝子の病原性変異に起因する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)性疾患で、そのホモ接合体は臨床的にはFH ホモ接合体の表現型となり、FH ホモ接合体に含めて考える。キャリアである両親は軽度の高LDL-C 血症を呈する場合があるが、通常はFH ヘテロ接合体の表現型はとらない。ARH は非常に稀でわが国では数例の報告があるのみである

40)。近年、上述のようなLDL 受容体及びその関連蛋白の希少病原性遺伝子変異に伴うFH に加えて、LDL 代謝に関与する遺伝子座の高頻度遺伝子多型の重積に伴ういわゆる多因子FH(polygenic FH)の存在が示唆されるようになった

41)。しかし現時点で既知のいかなる組み合わせを考慮しても高頻度遺伝子多型の重積のみでいわゆるFH を発症する根拠は存在せず、FH の発症に関わるというよりFH(およびその他の高LDL-C 血症)の表現型に影響を与えると考えられる。

遺伝型の呼称について病原性変異を1 つ有するFH ヘテロ接合体と2 つ有するホモ接合体が基本である。FH ホモ接合体は遺伝型により、さらに以下のように区別する場合がある(図1 )。常染色体遺伝子は父方および母方から遺伝しており、同じ遺伝子の同じ変異が二つある場合は真性ホモ接合体(True homozygote)、同じ遺伝子であるが異なる変異

の組合せは複合ヘテロ接合体(Compound heterozygote)、異なる遺伝子の組合せの場合はダブルヘテロ接合体(Double heterozygote)と呼ぶ。

FH の徴候について(動脈硬化、黄色腫など)動脈硬化性疾患はLDL-C の累積値に比例して進行すると考えられる

42)。FH の場合、生下時より長期間著明な高LDL-C 血症に曝露されるため、より早く冠動脈疾患発症の閾値に到達する。そのため、動脈硬化進展を予防するためには早期からの介入が必要となる。FH は特に冠動脈硬化症が頻発する疾患であるが、重症度や年齢、付随するリスク因子の程度に伴い、全身の血管に動脈硬化性病変を呈する程度も異なる。特に、大動脈弁疾患の合併はFH 診療において十分に注意する必要があり、小児でも若年死の原因となりうる。黄色腫は組織が柔軟な幼少期に著明な高LDL-C 血症に曝露されることにより生じる。シトステロール血症や脳腱黄色腫症など稀な疾患を除き、腱黄色腫はFH に特異度の高い身体所見である。しかし、腱黄色腫は成人以降に顕在化することがほとんどであるため、小児期のFH の診断には用いることが難しい。もし、小児で皮膚や腱の黄色腫を認めた場合はホモ接合体が強く疑われるため専門医への相談が必須である。

真性ホモ接合体True Homozygotes複合ヘテロ接合体Compound Heterozygotes

ダブルヘテロ接合体Double Heterozygotes常染色体潜性(劣性)高コレステロール血症ARH(Autosomal Recessive Hypercholesterolemia)

遺伝子LDLR

遺伝子LDLR

遺伝子PCSK9

遺伝子LDLRAP1

図1 臨床的にFH ホモ接合体を示す遺伝子変異の組み合わせ
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3 小児FH の診断(表1 )

ポイント●高LDL-C 血症(140 mg/dL 以上)とFH の家族歴(親または同胞)がある場合、「FH」と診断する。●高LDL-C 血症と、親のLDL-C が高値(180 mg/dL以上)または早発性冠動脈疾患の家族歴(祖父母または親)がある場合(項目3)、「FH 疑い」とする。●LDL-C が180 mg/dL 以上の例は、それのみで「FH疑い」、さらに項目3がある場合は「FH」と診断する。●LDL-C が250 mg/dL 以上の例またはFH の病原性遺伝子変異陽性者は「FH」と診断する。●「FH」または「FH 疑い」の患者が診断された場合、

必ず家族調査を行い、新たな患者の診断に繋げる。

小児期からの積極的なFH の診断の必要性小児FH ヘテロ接合体では、前述のように出生時から高LDL-C 血症が存在しているが、動脈硬化に関連した症状はほとんど認められない。そのため、小児生活習慣病健診や他疾患で血液検査を受け、偶然高LDL-C 血症に気づかれる場合がほとんどであり、海外からもわが国のFH の診断率が低いことが指摘されている

42)。欧米では小児FH 診断・治療指針が策定され、積極的な診療が行われている

43)。わが国でも5 年前、日本小児科学会と日本動脈硬化学会との合同で、初めて小児FH 診療ガイド2017

3)が策定されたが、その後の臨床的エビデンスを踏まえて今回診断基準についても改訂を行った。FH の診断には臨床的診断と遺伝学的診断があるが、小児FH の診断においては前者を基本としている。しかし、臨床診断からもれる例が存在する可能性を否定はできないため、補助的に遺伝学的検査を行うことも考慮する。FH ヘテロ接合体では通常、小児期に皮膚黄色腫やアキレス腱肥厚を認めない。そのため、他の脂質異常症を除外した上で、高LDL-C 血症と家族歴とで診断することが基本となる。小児FH 診療ガイド2017

3)では、高LDL-C 血症とFH あるいは早発性冠動脈疾患の家族歴の2 項目で診断するものになっていた。しかし、現実には詳細な家族歴の聴取が難しい例があり、特に生活習慣病健診などではFH の診断に至らない例が少なからずある

44)。そこで今回のガイドラインの診断基準では、新たに「FH 疑い」を設定した。同時に改訂された成人FH (15歳以上)のガイドラインとはLDL-C の高さのみならず、家族歴の取り扱いも異なる部分がある。これは小児期のFH の見逃し例を少なくするため、特異度を保ちつつより感度を上げ、早期から疑わしい例を含めて積極的にフォローして行くことが重要と考えたからである。

小児FH の診断基準今回策定した小児FH 診療ガイドライン2022における診断基準を表1 に示す。最初に、FH 以外の原発性または続発性の高LDL-C血症の鑑別を行う。ただし、もともとFH があり、同時に他疾患を合併している可能性がある。肥満小児も必ずLDL-C が高値となるわけではない。常にFH を念頭に置いて、十分に家族歴の聴取を行うことが必要である。高LDL-C 血症が見つかった場合、実際には、FH と他疾患の鑑別を同時進行で行う。項目1 は高LDL-C 血症の基準である。140 mg/dL(95パーセンタイル値)以上を高LDL-C 血症とする

45)。総コレステロール(TC)を検査した場合、220 mg/dL(95パーセンタイル値)以上あればLDL-C 値を測定する。この基準値は小児期全般に用い得るが、乳児は母乳により高LDL-C 血症を生じる例があり、この場合は母乳育児終了後に再検査する。血清LDL-C 測定は、空腹時採

表1 小児FH の診断基準1.高LDL-C 血症(未治療時のLDL-C 値140 mg/dL 以上、複数回確認) 2.FH の家族歴(親または同胞) 3.親のLDL-C が180 mg/dL 以上または早発性冠動脈疾患の家族歴(祖父母または親)他の原発性・続発性高LDL-C 血症を除外し、項目1と2で、FH と診断する。項目1と3で、FH 疑いと診断する。本人のLDL-C 180 mg/dL 以上の場合はFH と

診断する。項目1のみでも、250 mg/dL 以上はFH、180 mg/dL 以上はFH 疑いと診断する。●LDL-C が250 mg/dL 以上の場合や黄色腫が認められる場合、ホモ接合体を鑑別する。●本人にFH の病原性遺伝子変異がある場合はFH と診断する。親または同胞にFH 病原性

遺伝子変異が判明すればFH の家族歴(項目2)に加える。●早発性冠動脈疾患は、男性55歳未満、女性65歳未満で発症した冠動脈疾患と定義する。●FH 疑い例は更なる精査や脂質低下療法が必要である。
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血の必要があるが、Friedewald 法を基本とする。空腹時採血が難しい場合は直接法を用い、non-HDL-C(150 mg/dL 以上を高値とみる)も参考にする

46)。また、生理的に思春期にはLDL-C レベルが変動(低下)するため、LDL-C は複数回測定し評価する

47)。小児期の血清LDL-C 値は、思春期開始年齢から連続的に低下し

48)、思春期完了後は上昇に転じる47)。すなわち、思春期のステージを考慮することによって、次のLDL-C 測定値の変動を予測できる可能性もある

47)。思春期のステージ評価にはTanner の分類を用いるのが簡便である

49)。思春期のLDL-C 値の低下は、平均値では10 mg/dL 程度であるが48)、当然、思春期の開始年齢およびその期間には個人差がある。また、LDL-C の変動幅にも個人差があると考えられる。本ガイドラインではLDL-C の基準値が複数登場するが、複数回検査を行い、基準値を確実に満たすことを確認することとする。LDL-C が250 mg/dL 以上の場合、これのみで「FH」と診断できる、とした。小児の原発性脂質異常症の中で、これ程LDL-C が高値なのはFH 以外には考え難く、成人でもFH を強く疑うとしている

50)。また、小児の遺伝学的検査が行われた検討でも、LDL-C 250 mg/dL 以上の小児は、通常、LDL 受容体やPCSK9などに病原性遺伝子変異が陽性であった

44、51)。陰性例は極めて稀である。このようなLDL-C の著明高値例では、黄色腫の有無も調べ、FH ホモ接合体の可能性も考慮する。また、LDL-C 180 mg/dL は小児のおよそ99.7パーセンタイル値であるため

44)、これのみで「FH 疑い」とした。FH の病原性遺伝子変異陽性例は変異陰性例よりLDL-C 値が有意に高く、180 mg/dL 以上の場合多くのFH 病原性遺伝子変異陽性例が含まれる。180 mg/dL は、receiver operating characteristic(ROC)解析でも感度特異度に優れたカットオフ値と考えられる

44、51)。項目2 はFH の家族歴である。前回の小児FH 診療ガイド2017ではFH と早発性冠動脈疾患を同列に扱っていたが、今回FH の家族歴と早発性冠動脈疾患の家族歴とを分離した。早発性冠動脈疾患の家族歴は小児では年齢的に祖父母の場合が多く、FH 以外の原因もあるためである。また、前回採用していた「親等」という用語を用いず、FH の家族歴は血縁のある両親と兄弟姉妹(第一度近親者)で調べることとした。項目1 と項目2 で「FH」の診断とした。FH と診断されている祖父または祖母がいれば、父または母がFH である可能性が高いので精査となる。項目3 は項目2 に準じる項目、その他の家族歴として設定した。小児FH 診断の際、祖父母の情報が得られずに父母がFH なのか明確でないことがある。そこで、父または母のLDL-C が180 mg/dL 以上の場合、他の疾患がなければ年齢的にもFH の可能性が高いと推定される。20歳代では約160 mg/dL が、30歳代では男性約180 mg/dL、女性約170 mg/dL が平均+2SD 値である

47、52)。この内容は、前回も診断のフローチャート内には記されている

3)。早発性冠動脈疾患は、男性55歳未満、女性65歳未満で発症した冠動脈疾患と定義する。早発性冠動脈疾患については、小児では祖父母まで含めないと判断できないので、両親と祖父母で聴取することとした。項目1 と項目3 の組み合わせでは、「FH 疑い」となる。ただし、児(本人)のLDL-C が180 mg/dL 以上と非常に高い場合は、項目3 があれば「FH」の診断とする。また、早発性冠動脈疾患の家族歴がある場合は、その家族がFH であるか精査を行うことが診断率の向上のために勧められる。「疑い」例は、更なる精査とフォローアップが必要と考えられる例である。血液検査を含めて、詳細に家族調査を継続する。LDL-C は高値であるので、「疑い」例においても食事などの生活習慣の指導を十分に行う。また、必要があれば、専門医へ紹介し、本人、家族の遺伝学的検査も考慮する。180 mg/dL 以上の非常に高いLDL-C血症が持続する例では薬物療法も考慮する(治療の項を参照)。今回、「FH 疑い」例を設定したのは、現状ではFH の診断基準に合致はしないが、FH が疑わしく、将来の動脈硬化性疾患予防のために、肥満、2 型糖尿病、高血圧などの合併予防のための指導を行っていく意味がある。遺伝学的検査は診断に必須ではないが、FH 病原性遺伝子変異が認められる例は「FH」と診断する(FH の原因遺伝子の項を参照)。わが国で臨床的にFH と診断された小児において、FH を生じる病原性遺伝子変異が認められるのは、約半数とも報告されている

51)。診断が難しい例やホモ接合体のように重症例では、必要に応じて、同意を得て遺伝学的検査を行う。親や兄弟姉妹にFH 病原性遺伝子変異が判明すればFH の家族歴となり、項目2 として考える(遺伝学的検査についておよびFHにおける遺伝カウンセリングの項参照)。FH 研究の盛んな欧州でも国ごとに診断基準が異なっているが

53)、欧州動脈硬化学会(EAS)では、5 歳からスクリーニングし、小児FH を1LDL-C 190 mg/dL 以上、2LDL-C 160 mg/dL 以上かつ早発性冠動脈疾患の家族歴または片親の高LDL-C 血症、3LDL-C 130 mg/ dL 以上かつ親の病原性遺伝子変異(または本人の病原性遺伝子変異)、のいずれかで診断することを提唱しており、LDL-C 110 mg/dL 以上は経過観察としている

43)。

診断のフローチャート(図2 ) 1項目1 (LDL-C 140 mg/dL 以上)と項目2 の両方を満たす場合、2本人のLDL-C が180 mg/dL 以上で項目3 がある例、3LDL-C が250 mg/dL 以上の例は、FH と診断する。FH の診断がついたら、必要に応じてヘテロ接合体とホモ接合体の鑑別を行う。なお、遺伝学的検査で病原性変異が認められれば「FH」の診断となる。1項目1 と項目3 がある場合、2本人のLDL-C が
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小児FH 診療ガイドラインWG

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180 mg/dL 以上のみの場合は、「FH 疑い」となる。項目2 または3 があるがLDL-C が100〜139 mg/dLの場合、LDL-C が140〜179 mg/dL だが家族歴がはっきりしない場合は、FH を否定できないので年1 回程度の経過観察を行う(チャートの黄色)。それ以外、すなわち項目3 を含めたFH の家族歴があってもLDL-C が100 mg/dL 未満の場合や、全く家族歴がなく140 mg/dL 未満の場合は、FH は「否定的」(遺伝していない)と考える。この場合、経過観察は不要とする(チャートの白色)。診断が難しい例では、専門医と相談し、遺伝学的検査も考慮する。また、経過中にLDL-C が上昇する場合や家族歴が明らかになった場合、診断を見直す必要がある。

小児FH のスクリーニング

2019年に成育基本法が施行され、成育過程にある子どもおよびその保護者などに対して、必要な成育医療等を切れ目なく提供することが求められている。小児FH の早期診断、早期加療、フォローアップを可能にするスクリーニングシステムの構築は重要である。

1990年代に熊本市で行政の協力を得て1 歳6 か月健診を利用してユニバーサルスクリーニングが行われ、多くの小児FH ヘテロ接合体が発見された

54)。現在、複数の市区町村で自治体や医師会が主導し、LDL-C 検査を含めた小児生活習慣病健診が実施されている。しかし、そのフォローアップ体制が十分とは言えない地域が少なくない。香川県では、2018年以降、全県下の小学校4 年生を対象とした香川生活習慣病予防健診を用いたFH のユニバーサルスクリーニングが実施されている。行政・医師会・基幹病院などが一体となり、多くの小児FH ヘテロ接合体が発見され、フォローアップされている

44)。FH 患児を発端者として、保護者の冠動脈疾患が明らか

1. LDL-C≧140 mg/dL 2. FHの家族歴(親または同胞) 3. 親のLDL-C≧180 mg/dLまたは早発性冠動脈疾患の家族歴(祖父母または親)

他の原発性・続発性脂質異常症を除外

250≦LDL-C 100≦LDL-C<140

項目2または3

項目3

Yes Yes Yes No Yes No No

No項目2

FHを否定できないFH FHは否定的

LDL-C<100

項目2または3

140≦LDL-C<180 180≦LDL-C<250

・病原性遺伝子変異が認められればFHと診断・ヘテロ接合体とホモ接合体を鑑別する・診断が難しい場合、専門医と相談する(遺伝学的検査を考慮)・経過中、LDL-C値や家族歴により、随時診断を見直す

FH疑い

本人のLDL-C (mg/dL)

<100 100-139 140-179 180-249 ≥250

FHの家族歴あり否定的否定できないFH FH FH親のLDL-C ≥ 180 mg/dLまたは早発性冠動脈疾患の家族歴あり否定的否定できないFH疑いFH FH

家族歴なし否定的否定的否定できないFH疑いFH

図2 小児FH 診断のフローチャート
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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドラインフォーカスアップデート2025

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になっており、従来から行われてきたカスケードスクリーニングに加えて、小児FH スクリーニング体制(リバースカスケードスクリーニング)を構築することで、小児、成人共にFH の診断率は飛躍的に向上することが期待される。カスケードスクリーニングを行う際に忘れてはならないのが、FH が主として常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患であることである。片親がFH ヘテロ接合体であれば50% の確率で子もFH ヘテロ接合体となり、両親共にFH ヘテロ接合体であれば、子は25% の確率でFH ホモ接合体、50% の確率でFH ヘテロ接合体となる。また、リバースカスケードスクリーニングで発見されたFH 患児の親のいずれかがFH である。早期にFH と診断されれば動脈硬化性心疾患を予防できるので、採血の機会があれば一度はTC だけでも検査することが勧められる。ハイリスクの場合には、遅くとも10歳までに(FH ホモ接合体はより早期に)LDL-C の検査を行い診断することが望ましい。なお、小児FH へテロ接合体は小児慢性特定疾病の対象疾患であり医療費助成が受けられる。

鑑別疾患表2 に示す続発性(二次性)高LDL-C 血症を除外診断すべきである。これらの多くは診断・治療が可能な病態である。また、特にFH ホモ接合体との鑑別が重要となるその他の疾患を表3 に示す。これらは全て常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式を呈する。

遺伝学的検査についてFH に対する遺伝学的検査(生殖細胞系列ヒト遺伝学的検査)については成人であれ、小児であれ、倫理的配慮が必要である。遺伝学的検査を実施する際のガイドラインとして、日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」がある

55)。これによると、小児に対して検査を実施する場合は、本人に代わって検査の実施を承諾することのできる立場にある者の代諾を得る必要があるが、その際は当該被検者の最善の利益を十分に考慮すべきである。また、被検者の理解度に応じた説明を行い、本人の了解(インフォームド・アセント)を得ることが望ましい。また、必要に応じて遺伝カウンセリングを提供する。既に発症している(コレステロール値が高いなど)場合の確定診断で治療法のある病気でもあり、小児においても必要に応じて考慮しうる。一方で非発症診断(コレステロールを含めて症候が全く無い)は、本人が成人し自律的に判断できるようになるまで実施を延期すべきである。研究の枠組みとしての遺伝学的検査での偶発的/ 二次的所見の取り扱いは、それぞれの研究責任者が方針を定

表2 続発性(二次性)高LDL-C 血症の鑑別診断疾患名鑑別のポイントネフローゼ症候群肝臓でのコレステロール合成やアポ蛋白合成が亢進する。浮腫を生じる。蛋白尿、血清アルブミン濃度の確認が重要である。肥満肥満度、体脂肪率、ウエスト周囲長などを測定し、その程度を正しく評価する。過食があるため、LDL-C およびTG は高値になりやすく、HDL-C は低値になりやすい。甲状腺機能低下症全身の代謝機能が低下する。LDL 受容体の発現・活性低下などから高LDL-C 血症を呈する。橋本病が多いので、自己抗体も測定する。神経性食思不振症高度の痩身を呈する。Low T3 syndrome から高LDL-C 血症を生じる。性ホルモンなども抑制される。糖尿病血糖値、HbA1c 値から診断する。高LDL-C 血症、高TG 血症、低HDL-C 血症を伴うことが多い。糖尿病は動脈硬化性疾患の大きなリスクであり、血糖管理のみではその予防効果は少ない。クッシング症候群コルチゾールの過剰分泌によって肝臓でのVLDL 合成が促進され、高LDL-C 血症を呈する。小児では、成長障害を伴う体重増加、アンドロゲン過剰による思春期早発症が特徴である。褐色細胞腫カテコールアミンの過剰分泌によって肝臓でのVLDL 合成が促進され、高LDL-C 血症を呈する。頭痛、動悸、発汗、高血圧(発作性、持続性)など症状を呈する場合に疑われる。

食事性(コレステロールの過剰摂取)コレステロールの過剰摂取により高LDL-C 血症を呈することがある。特に、母乳保育により著明な高LDL-C 血症を呈する場合には、離乳後再検査し、シトステロール血症との鑑別を行う。黄色腫の有無を調べる。胆汁うっ滞性肝障害胆道閉鎖症や胆汁うっ滞性肝障害に伴い、FH 様の高LDL-C 血症を呈することがある。薬剤性(ステロイド、シクロスポリン等)被疑薬の休薬や減量により診断・治療が可能である。
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め、参加者からインフォームド・コンセントを受ける際によく説明して理解を得ることとする

56)。なお、FH に対する遺伝学的検査は2022年4 月より保険収載されることとなり、その確定診断および治療法の選択などに活用されることが期待される。

FH における遺伝カウンセリング57)遺伝学的検査・診断に際して、必要に応じて適切な時期に遺伝カウンセリングを実施する。遺伝カウンセリングは、情報提供だけではなく、患者・被検者等の自律的選択が可能となるような心理的社会的支援が重要であることから、FH の診療経験が豊富な医師と遺伝カウンセリングに習熟した者(臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー等)が協力し、チーム医療として実施することが望ましい。FH の基本型は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患であるので、ここでは3 つの病因遺伝子(LDLR、APOB、PCSK9)異常による常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の場合について説明する。子がFH ヘテロ接合体であれば、どちらかの親がFH ヘテロ接合体である。片親がFH ヘテロ接合体であれば、50% の確率で子もFH ヘテロ接合体となり、両親共にFH ヘテロ接合体であれば、子は75% の確率で発症(25%:FH ホモ接合体、50%: FH ヘテロ接合体)する。FH ヘテロ接合体患児の両親共に臨床的に異常の見つからない時には、患児に起きた突然変異、両親の症状が軽い、あるいは養子等で真の血縁関係がないなどの可能性を考える必要がある。出生前診断や着床前診断も一部で試みられているが、たとえFH ホモ接合体であっても知的異常がなく治療法も存在するので、慎重に考える必要がある。FH に対する遺伝学的検査結果の留意点

FH に限らずあらゆる遺伝性疾患とも共通するが、現状の遺伝学的検査にも限界がある。臨床的にFH と診断された例に対する解析での病原性変異の検出率は成人でも60〜80% 程度と報告されている

58)。さらには、FH の原因遺伝子変異のうち10% 程度はLDLR 遺伝子の構造変異とされている

58)。従って、解析手法によってはこのような構造変異が同定できないため注意が必要である。

4 小児FH ホモ接合体の診断

ポイント●小児FH の診断基準を満たし、なおかつ多くの場合両親はFH ヘテロ接合体である。●皮膚黄色腫もしくは腱黄色腫があり、LDL-C 値は親の約2倍ある。●FH 原因遺伝子に2つの病原性変異が確認される。

小児FH ホモ接合体の臨床像小児FH ホモ接合体は原則として両親からFH 原因遺伝子変異を受け継いでおり、血清LDL-C 値はFH ヘテロである両親や他の家族の約2 倍となることから臨床的に診断される。未治療時LDL-C は通常500 mg/dL 以上であり、400 mg/dL 以上の場合、FH ホモ接合体を疑う。できる限り家族(両親および兄弟姉妹)の血清LDL-C値や腱黄色腫、早発性冠動脈疾患などの臨床像の確認、血族婚の有無の確認が重要である。FH ホモ接合体では胎児期から非常に高いLDL-C に曝露されるため、乳幼

表3 原発性高LDL-C 血症の鑑別診断疾患名原因鑑別のポイント

シトステロール血症ATP-binding cassette subfamily G member 5/8 (ABCG5、ABCG8)遺伝子の

異常常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)血清シトステロール値上昇黄色腫を有しても高LDL-C 血症が著しくない場合がある。乳児期に一過性にFH ホモ接合体を疑うレベルの高LDL-C 血症を呈することがある。

脳腱黄色腫(27- ヒドロキシラーゼ欠損症) Sterol27-hydroxylase (CYP27A1)遺伝子の異常常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)進行性神経障害血清コレスタノール値上昇血清コレステロール値は高くないこともあるが、黄色腫が著明。脳にも蓄積してくる。

Wolman 病コレステリルエステル蓄積症(リソソーム酸性リパーゼ欠損症) Lysosomal acid lipase(リソソーム酸性リパーゼ)(LIPA)遺伝子の異常常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)肝腫大典型例は著明な肝脾腫、脂肪肝・肝硬変にいたる肝障害を呈するが、重症度は様々で成人まで診断されない症例がある。成人では高LDL-C 血症を呈することが多い。
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児期に手首や足首など皮膚屈曲部における皮膚黄色腫の出現がしばしば受診のきっかけとなる。結節性黄色腫、指(趾)間部黄色腫、臀部の黄色腫もFH ホモ接合体を示唆する所見である。これらは早期からのLDL-C 低下療法により改善する。腱黄色腫は通常乳幼児期には目立たないが、FH ヘテロ接合体より早期から出現し、高度に肥厚する。

FH ホモ接合体の遺伝学的検査前述のように、広義のFH ホモ接合体はFH 原因遺伝子(LDLR、PCSK9、APOB)に2 つの病原性変異が2つの遺伝子座にまたがって確認される、もしくはLDL- RAP1に2 つの病原性変異が2 つの遺伝子座にまたがって確認されるARH の診断に至れば、診断が確定となる。わが国ではLDLR 変異とPCSK9機能獲得型変異によるダブルヘテロ接合体の臨床像が報告されているが、LDLR による真性ホモ接合体もしくは複合ヘテロ接合体に比べ軽症で、スタチンなどの薬物療法への反応性も保たれていた

59、60)。また、LDLR 変異が2 つの場合でも、機能低下型変異(receptor-defective type)は完全欠損型変異(receptor-negative type)より軽症とされている。遺伝子変異により治療に対する反応性が異なるため、FH ホモ接合体が疑われる場合はできるだけ遺伝子変異を確定することが望ましい。また、ダブルヘテロ接合体の場合は、FH ホモ接合体の表現型が片親から遺伝しうる場合や、逆に子供が正常型の場合があるなど、表現型の遺伝が単純なメンデル遺伝形式に従わない場合があることに注意する。このような、確定診断のみならず、パネル解析等の網羅的な遺伝学的検査により、シトステロール血症等の鑑別診断に繋がることもある

61)。

診断の上での注意事項FH ホモ接合体の臨床像にはある程度の幅があり、LDL-C 値が500 mg/dL 未満でも遺伝学的検査からFHホモ接合体と診断される場合がある。FH ホモ接合体は、小児期から冠動脈硬化症・大動脈弁疾患(付図1 )などの動脈硬化性疾患が急速に進行し、小児でも若年死することのある非常に予後不良の疾患である。また、FH ホモ接合体では皮膚黄色腫が見られることが多い(付図2 )。皮膚黄色腫の存在や、腱黄色腫が著明である場合、LDL-C 値がFH ヘテロ接合体にしては高値であるなど、FH ホモ接合体が疑われる場合には、日本動脈硬化学会の専門医など専門家による診断、治療方針の決定が必須である。FH 患児の紹介が可能な施設と担当医の一覧は日本動脈硬化学会ホームページを参照されたい(https: //www.j-athero.org/jp/wp-content/uploads/specialist/ pdf/fh_institution.pdf)。なお、FH ホモ接合体は小児慢性特定疾病に加え、指定難病でもあり医療費助成が受けられる。鑑別診断

両親ともにFH ヘテロ接合体の臨床所見が見られない場合はARH 等が疑われる。また、黄色腫が目立つ疾患としては、血清植物ステロールが高値であるシトステロール血症、血清コレスタノールが高値となる脳腱黄色腫症が挙げられる(表3 )。特にシトステロール血症ではコレステロール値の変動が大きく、乳幼児期にFH ホモ接合体同様のLDL-C 値と皮膚および腱黄色腫を呈することがある

62)。

5 小児FH における動脈硬化性疾患の評価

ポイント●FH ヘテロ接合体の患児でアキレス腱肥厚、頸動脈硬化を認める場合は冠動脈疾患を念頭においた定期的な検査を行うのが望ましい。●FH ホモ接合体の患児では粥状動脈硬化病変が早期に進展するため、専門医による定期的な全身の動脈硬化性疾患の評価が必要である。特に、高頻度で発症する冠動脈疾患、大動脈弁・弁上狭窄症および胸部・腹部大動脈瘤の有無の評価を行うことが推奨される。●小児ではできるだけ被曝の影響を避けるため、超音波法(頸動脈超音波検査、経胸壁心臓超音波検査、腹部超音波検査)を中心に検査を行う。●必要時には冠動脈CT で冠動脈疾患のスクリーニングを行い、狭窄を疑う場合は入院の上、冠動脈造影を施行する。

FH ヘテロ接合体FH ヘテロ接合体では小児期には冠動脈疾患の発症頻度は少ないが、健常児に比べて動脈硬化病変が早期に進行するため、必要時には主に非侵襲的な検査を行う。頸動脈超音波検査での肥厚やプラークの存在、アキレス腱肥厚を認める場合は動脈硬化性疾患の可能性を疑って定期的な検査を行うのが望ましい。

FH ホモ接合体1)問診小児期でも合併しうる冠動脈疾患による虚血症状としては、労作時の胸痛・前胸部圧迫感、頸部・左手への放散痛があり、安静による改善の有無についても問診する。末梢動脈疾患(peripheral artery disease:PAD)に関しては歩行時の下肢筋痛(間欠性跛行)と安静による消失の有無を問診する。大動脈弁・弁上狭窄症では労作時の息切れの有無を問診する。2)身体所見冠動脈疾患の身体所見は乏しいが、PAD では動脈拍動の有無や減弱を確認し、特に下肢では大腿、膝窩、足
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小児FH 診療ガイドラインWG

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背動脈の触診、足関節上腕血圧比(ankle brachial index:ABI)測定を行う。聴診での大動脈弁の収縮期雑音は大動脈弁・弁上狭窄症、四肢動脈の血管雑音は動脈狭窄を疑う。3)生化学的検査急性心筋梗塞時にはCK-MB、心筋トロポニンの上昇がある。4)形態学的検査(非侵襲的検査)運動負荷心電図:トレッドミルを用いた運動負荷心電図が有用であるが、大動脈弁上狭窄に起因する場合もあるので、後述する経胸壁心臓超音波検査で大動脈弁・弁上狭窄症の有無の評価後に行う。誘発された心筋虚血による心室細動等のリスクに留意する。超音波検査:末梢動脈、特に頸動脈の動脈硬化度の評価に有用で、プラークの存在の有無とIMT の変化で評価し、経年的な変化率も考慮する。経胸壁心臓超音波検査では大動脈弁・弁上狭窄症の診断、心機能評価を行う。CT(computed tomography):小児FH ホモ接合体では脳血管病変は稀であり、冠動脈の評価が中心である。冠動脈CT は被曝量が多いため、小児の場合は必要時に限って施行する。MRI(magnetic resonance imaging)、MRA(MR angiography):大動脈、末梢動脈、冠動脈の狭窄病変の描出が可能となっている。CT やMRI 検査では年齢によって鎮静処置を必要とするため、事故が起こらないように注意が必要である。(侵襲的検査)動脈硬化の進行を疑う場合、血管造影で血管内腔径の狭窄を評価するが、被曝量を可能な限り減らす。特に、冠動脈疾患が疑われる場合は、入院して冠動脈造影、左室・大動脈造影も行う。

6 小児FH の治療

FH と診断されれば、できるだけ早期に生活習慣の指導を行い、LDL-C 値の低下を含めた動脈硬化のリスクの低減に努める。生活習慣の改善による効果が十分でない場合には、ヘテロ接合体では10歳を目安に薬物療法開始を考慮する。小児FH ホモ接合体は、診療経験を有する専門医と相談し、薬物療法による反応性を見極め、不十分な場合には速やかにLDL アフェレシスを開始する。

(1)生活習慣の改善・指導

ポイント●できるだけ早期に食事を含めた生活習慣について指導する。薬物療法開始後も指導は継続する。●食事療法:総摂取エネルギー量は年齢、身長別の必要摂取カロリーとする。エネルギー比率は、脂肪20〜25%、炭水化物50〜60% とする。飽和脂肪酸はエネルギー比で7% 未満に、コレステロールは200 mg/日未満にする。トランス脂肪酸の摂取は減らす。伝統的な日本食を中心とし、野菜を十分にとる。●肥満対策:適正な体重を維持する。高度な肥満では摂取エネルギーを制限する必要もある。正しい生活リズム、食事習慣、運動習慣を身につける。●運動療法:運動の習慣をつけること、そして継続することを目指す。座位時間の長い生活を避けるなど、活動的な生活を送るように促す。●喫煙と受動喫煙の防止:生涯にわたって喫煙しないことを徹底する。また、家族や周囲の協力を得て受動喫煙も防止する。

生活習慣指導FH と診断されれば、FH ホモ接合体もヘテロ接合体も同様に、できるだけ早期から生活習慣指導を開始すべきである

45)。食事、運動習慣、生活リズムを含めた生活習慣を調査し、改善を指導する

45)。しかし、生活習慣の改善のみで、LDL-C が管理目標値まで低下するのは難しい場合も多い。その場合、薬物療法を追加する。FHホモ接合体ではLDL アフェレシスを考慮する

63)。これらの治療開始後も生活習慣についての指導を継続する(図3 、図4 )。

食事療法肥満がない場合も、適正体重を維持するため、1 日の総摂取エネルギー量は、年齢、身長別の必要摂取カロリーとする

64)。身長、体重の経過を経時的に評価し、食事量、運動量の調整を行う。エネルギー配分は、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版45)では、成人の脂質異常症に対して、脂肪エネルギー比20〜25%、炭水化物エネルギー比50〜60% を推奨している。「2020年日本人の食事摂取基準」

64)での脂肪エネルギー比の目標量は20〜30%、炭水化物のそれは50〜65% であり、これは1 歳から75歳以上まで同じであるため、小児においても成人に準じる。2020年食事摂取基準64)では、食事からのコレステロール吸収に個人差が大きく、食事療法の効果が一定でないことから、コレステロール摂取の上限は設定されていない。しかし、高LDL-C 血症では、コレステロールの摂取制限もLDL-C 低下に有効であることが示唆されている

65)。日本動脈硬化学会は、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版において、高LDL-C 血症では、飽和脂肪酸7 % 未満、トランス脂肪酸の摂取を減らす、コレステロール200 mg/ 日以下を推奨している

45、63、66)。近年、食の欧米化によって、小児においても脂肪摂取量が多い傾向にある。成人と同様に、脂質と炭水化物を少し控えめにする必要がある。すなわち、伝統的な日本
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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドラインフォーカスアップデート2025

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食パターンの食事を中心として、動物脂の摂取を抑え、魚、野菜、大豆(製品)、きのこ、果物などをバランス良く摂取することを指導する。また、食塩摂取過剰にも注意する

45、63)。

肥満対策1肥満の予防

小児の肥満判定には肥満度を使用する

67、68)。肥満度は[(実測体重−標準体重)/ 標準体重]×100(%)で得られる体格指数である。標準体重は学校保健統計による性・年齢・身長別の標準体重を使用する。学童は±20%、幼児は±15% 以内が適正な肥満度となる

67)。小児においても、内臓脂肪過剰蓄積が種々のアディポサイトカインの分泌に異常を来すことから、内臓脂肪の評価も重要である

68、69)。ウエスト周囲長は、CT に代わる内臓脂肪蓄積の簡便な評価として有用である。学童では80 cm が基準であり、これ以上を内臓脂肪過剰蓄積ととる

68)。食事指導において、「日本人の食事摂取基準2020年版」を参考にした4 つの食品群別摂取量の目安を参考する

64)。食事の配分は「食事バランスガイド」を活用する

70)。小児肥満症診療ガイドライン2017では、肥満を予防するための身体活動として、中- 高強度の運動を1 日あたり少なくとも合計60分は行うことを推奨している

67)。また、生活リズムを整えることも大切である。幼児期では、10時間半以上の睡眠、テレビ視聴は2 時間以内とすること、学童期では、8 時間以下の睡眠時間を避ける、長いスクリーンタイムを避けることを推奨している

67)。2肥満の場合

食事摂取の過剰がある場合は、適正な摂取量に戻す必

FHまたはFH疑い

生活習慣の指導2

LDL-C ≧ 180 mg/dL

薬物療法開始4  生活指導継続生活習慣の指導3

フォローアップLDL-C ≧ 180 mg/dL1 Yes

Yes Yes Yes

No

No No No

10歳未満10歳以上

LDL-C ≧ 200 mg/dL

が2回以上続く経過中に2回以上LDL-C ≧ 180 mg/dL

専門医と相談(薬物療法を考慮)

生活習慣の指導3フォローアップ

1 複数回確認する。2. 明らかに高値の例では1か月程度の指導後にLDL-C値を再評価し、薬物療法に移行する。180 mg/dLを少し超えた程

3. 生活習慣の指導を継続し、年に数回、LDL-C値を評価する。4. 第一選択薬はスタチンとする。管理目標値は140 mg/dL未満とする。早発性冠動脈疾患の家族歴、糖尿病、高血圧、高Lp(a)血症、肥満を合併している場合は、確実に140 mg/dL未満にする。

度の例は定期的にフォローアップし、確実に超えていることを確認し、薬物療法に移行する。

本人のLDL-C (mg/dL)

<100 100-139 140-179 180-249 ≥250

FHの家族歴あり否定的否定できないFH FH FH親のLDL-C ≥ 180 mg/dLまたは早発性冠動脈疾患の家族歴あり否定的否定できないFH疑いFH FH

家族歴なし否定的否定的否定できないFH疑いFH

<10歳以上> オレンジ:薬物療法適応。青:年に数回フォロー。水色:年1回フォロー

図3 小児FH ヘテロ接合体に対する治療のフローチャート
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小児FH 診療ガイドラインWG

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要があるが、成長期のため摂取エネルギーを極端に制限せず、栄養バランスを整え、運動による消費エネルギーの増大を心がける

67)。摂取エネルギーの設定は性・年齢別に、身体活動レベルを目安とする

64)。高度肥満の場合、摂取エネルギーを90% 程度に制限する場合もある。

運動療法FH ホモ接合体や重症例では、心臓の超音波検査や冠動脈疾患のスクリーニング検査または精査を行ってから運動指導をする(検査の項参照)。運動療法は、小児においても糖・脂質代謝の改善、アディポサイトカインの適正化などをもたらすため、食事指導と同様に大切である

70)。特に肥満児や運動習慣のない小児には十分に指導する。成人では、中強度以上の有酸素運動をメインに、定期的に(毎日合計30分以上、少なくとも週に3 日を目標に)行うことがよいとされており

45、63)、小児においても同様に行う。小学校低学年では、外遊びを促すなど日常の身体活動量を増やすことに主眼を置く。

喫煙と受動喫煙の防止喫煙は動脈硬化性疾患の危険因子であるばかりでなく、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームの発症リスクを上げ、総合的に動脈硬化性疾患リスク増加に関与する

45、63)。生涯を通じて喫煙しないことを、小児期から徹底して指導する。受動喫煙は冠動脈疾患、脳卒中の危険因子である。また、糖尿病のリスクが上昇することも報告されている

45、63)。家族など周囲のすべての人に対して速やかに禁煙を勧めるべきである。

(2)小児FH ヘテロ接合体の薬物療法

ポイント●十分な生活習慣の指導後もLDL-C 180 mg/dL 以上が続く場合、男女にかかわらず、10歳を目安に薬物療法を考慮する。●管理目標値は、LDL-C 値 140 mg/dL 未満とする。●薬物治療の第一選択薬はスタチンであり、最小用量より開始する。脂質値だけでなく、肝機能、CK などの血液検査や筋肉痛などの症状を最初は1か月毎、投薬量が安定すれば3-4か月に1回程度フォローして、副作用の発症に留意する。同時に成長および二次性徴についてもモニターする。●「FH 疑い」例もFH と同様に考える。十分な生活習慣の指導を行い、LDL-C 値、背景因子を勘案し、薬物療法も考慮する。

FHホモ接合体の診断(専門医へ相談すること1))

可及的速やかにスタチン開始・増量(高強度薬を最大耐用量) and/or小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ) 3)

ANGPTL3阻害薬(エビナクマブ)and/or

MTP阻害薬(ロミタピド) 5)

必要に応じてLDLアフェレシスも考慮

食事・生活習慣の指導、動脈硬化評価(頸動脈エコー・心エコー・冠動脈CT等)

[可能な限りLDL-C値を低下させることを目標とする。

難しい場合でも最低でも100 mg/dL(1次予防)70 mg/dL(2次予防2))を目標とする]

PCSK9阻害薬4)

管理目標値未到達

1) 遺伝学的検査・小児慢性特定疾病申請2) 大動脈弁狭窄症または大動脈弁上狭窄症を有する場合は2次予防と同等とする3) 診断がついたら可能な限り早期から治療開始とする。投与方法については専門医と相談4) 効果を認めない場合は中止5) ロミタピドは小児では有効性と安全性は確認されていない。必要に応じて陰イオン交換樹脂製剤(レジン)、プロブコールの使用を考慮

管理目標値未到達

図4 小児FH ホモ接合体に対する治療のフローチャート
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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドラインフォーカスアップデート2025

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薬物治療開始考慮の基準小児期からの高LDL-C 血症が動脈硬化の独立したリスクであり、多くの小児FH ヘテロ接合体ではすでに学童後期よりIMT 肥厚が進行していることが知られている

71)。近年、海外の多くのガイドラインにおいて、将来の心血管イベント予防を目的として、小児期からの治療の重要性が指摘されている

43、72、73)。小児FH ヘテロ接合体に対して薬物療法を行う上では、長期間の服用となることを鑑み、保護者および可能な限り患児に対し、治療の必要性を十分に説明して理解を得ることが重要である。図3 に小児FH ヘテロ接合体の治療フローチャートを示す。食事療法や運動療法などの生活習慣の改善でもLDL-C 180 mg/dL 以上が持続する場合、男女に関わらず10歳以上で薬物療法の開始を考慮する

43、72、73)。著明に高値な例は、食事・生活習慣の改善のみでは十分なLDL-C 低下は得られないので、早めに薬物療法を行う。180 mg/dL 前後の例は、思春期の変動も考慮に入れて経過を観察し、継続して(複数回)180 mg/dL を超えるようであれば、薬物療法を行う。「FH 疑い」の例もFH である可能性は高く、LDL-C 180 mg/dL 以上が持続する場合は薬物療法の適応とする。薬物療法が必要な例は専門医に紹介または相談して、治療方針を決定することが望ましい。10歳未満でも、食事指導後もLDL-C値が200 mg/dL 以上の著明な高値が持続している例では専門医と相談する。LDL-C、年齢、危険因子、家族歴などを勘案して、早めの薬物療法開始も考慮する。

薬剤の選択第一選択薬はスタチンであり、最小用量から開始する。わが国においては、ピタバスタチンが2015年から10歳以上の小児に対して適応になっている。スタチンの小児適応について各国の状況を見ると、シンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチンについては米国、欧州で小児への適応が承認済みである。適応年齢は多くは10歳からであるが、米国ではプラバスタチンは8 歳から、欧州ではロスバスタチンが6 歳から、豪州ではアトルバスタチンが6 歳から、その使用が承認されている。スタチン単独で十分な効果を得られない場合には、1その製剤を増量、2より強力なスタチン製剤に変更・増量、3スタチンに加えて他の機序を有する脂質低下薬を併用、を考慮する。併用薬として小児期から効果が報告されているのは、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)やレジン(陰イオン交換樹脂:コレスチラミンやコレスチミド)である。エゼチミブは米国、欧州において、10歳以上の小児に対して適応がある。レジンは、米国で過去に高コレステロール血症の第一選択薬とされていた経緯から、日本でも小児の第一選択薬とされてきたが、腹痛や腹部膨満感、便秘などの副作用も多く、欧州では小児への適応はなく、動脈硬化症の予防効果についても、エビデンスは乏しい。葉酸や脂溶性ビタミンの吸収を阻害するので、定期的モニターと、時にその補充が必要である。最近の欧州8 か国の調査では、国ごとに差があるが、スタチン治療児の約半数が併用療法を行っており、併用薬としてはエゼチミブの使用が非常に多い(全併用例の96%)

53)。小児でも高強度スタチンとエゼチミブの併用で、治療前値の約50% のLDL-C の低下が可能である。スタチンとエゼチミブの配合剤も開発され、現在、わが国では3 剤が販売されている。

LDL-C の管理目標値小児FH の管理目標値は、小児FH 診療ガイド2017と同様

3) LDL-C 値140 mg/dL とする。早発性冠動脈疾患の家族歴がある場合や、糖尿病などの危険因子(後述)を有している例では、140 mg/dL 未満を確実に維持する。重症例では目標達成が難しいが、薬剤の併用療法で目標にできるだけ近づけるようにする。なお、薬物療法開始後も、食事を含めた生活習慣について指導する。成人におけるLDL-C 管理目標は100 mg/dL 未満としている。参考として、ESC/EAS のガイドラインでは小児では135 mg/dL 未満としている

43)。

危険因子喫煙(受動喫煙を含む)、高血圧、糖尿病、他の脂質異常症、肥満などの一般的な動脈硬化危険因子に加えて、海外では、Lp(a)が強調されている。Lp(a)はLDL のアポ蛋白であるB-100にアポ蛋白(a)がS-S 結合した脂質で、分子量は個人により異なる。アポ蛋白(a)は、プラスミノゲンと相同性が高いため、脂質沈着と血栓形成の両面から動脈硬化促進性は強いとされる

74)。高Lp(a)血症は早発性冠動脈疾患の危険性を1.5倍上昇させるとされている

43)。また、10歳台から大動脈(主に内弾性板付近)にLp(a)の沈着が認められる病理学的研究報告がある

75)。血清Lp(a)濃度は個人差が大きく、LDL-C とは独立しており、遺伝的要因が強い。わが国の成人では一般に30 mg/dL 以上は高値とされており

63)、これは小児でも同様である。小児のFH でもしばしばLp(a)が非常に高値な例が存在する。高Lp(a)血症合併例では、他の危険因子と同様に考え、治療開始後はLDL-C 140 mg/dL 未満で維持することが勧められる。

フォローアップ小児に対するスタチンの安全性および忍容性は、成人と同様である。スタチンの小児への使用は最小用量から開始し、開始1 か月後にAST、ALT などの肝機能、CK、血清脂質値、筋肉痛等の症状を評価する。薬剤開始前の値と比較し、肝機能障害、ミオパチー、極めて稀
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小児FH 診療ガイドラインWG

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ではあるが横紋筋融解症などの副作用の発症に留意する。LDL-C の低下や副作用などの状況に応じて、必要であれば翌月も診察および検査を行う。副作用もなくLDL-C 値などが安定していれば、その後は年に3 - 4 回程度フォローアップしていく。小児では、成長および二次性徴についても定期的に評価する。また、小児の場合、激しい運動によってCK 上昇を認めることも多いため、薬剤による上昇との鑑別は重要である。成人においてスタチンが糖尿病の新規発症を増加させることが報告されているため

76)、血糖値やHbA1c についてもフォローするのが望ましい。高用量のスタチンを服用している場合には、副作用について、特に留意が必要である。

スタチンが使用できない例に対して副作用が強く発現し、スタチンの継続が難しい例が稀にある。現在、わが国では6 種類のスタチンが使用できるが、LDL-C 低下の強さや代謝経路が少し異なる。1つのスタチンで副作用が出現した場合、代謝経路の異なるスタチンを低用量から投与することが望ましい。複数のスタチンが用いられない、いわゆるスタチン不耐の例に対しては、日本動脈硬化学会から「スタチン不耐に関する診療指針2018」

77)が発表されている。スタチンを継続困難な理由として、大きく筋障害と肝機能障害の2 つに分類し、「筋フローチャート」および「肝フローチャート」が定められている。それぞれのフローチャートに従って対応を行う。

10歳未満の例に対して上述のように、10歳未満でLDL-C の高値(200 mg/ dL 以上)が持続する例では、患児の背景も考慮して薬物療法も考慮することになる。エビデンスはないが、累積LDL-C(Chol-year)の理論からすれば、早めに低下させた方が予後は良いことになる。特にFH ホモ接合体のように著明に高値な場合は急いで下げる必要がある。問題は低年齢児では錠剤が飲めないことである。スタチンの錠剤を粉砕して投与することは適さない。ピタバスタチンとロスバスタチンには口腔内崩壊錠があるので10歳未満でも比較的内服しやすいと思われるが、散剤があるのは唯一プラバスタチンのみである。エゼチミブは錠剤だが、米粒大(8.1 mm × 4.1 mm)なので比較的内服しやすい。現在、わが国ではピタバスタチンの小児適応も厳密には10歳以上であり、エゼチミブも小児適応はない。一般に小児科領域では多くの薬剤が「小児に対する安全性は確立されていない」となっているが、現実には多くの疾患に対して経験的に用いられている。また、低年齢児については、管理目標値(140 mg/ dL)まで下げなくても、200 mg/dL 以下に下げておけば通常のFH ヘテロ接合体のレベルとも言えるので、10歳を待って強化する方法もある。妊娠

妊娠初期に偶然スタチンを服用した妊婦で新生児に奇形が認められた報告もあり

78)、妊娠を希望する女性、妊婦、授乳婦へのスタチンは禁忌となっている

45)。女児にスタチンを開始する際には、あらかじめ本人および保護者に催奇形性のリスクと計画妊娠の重要性について説明する。

(3)小児FH ホモ接合体の薬物療法

ポイント●FH ホモ接合体と診断されれば、診療経験を有する専門医と相談し、早期にスタチンの効果を見極め、LDL-C値の低下が十分でなければ、PCSK9 阻害薬(エボロクマブまたはインクリシラン)、さらにAngiopoietinlike 3(ANGPTL3)阻害薬(エビナクマブ)、MTP阻害薬(ロミタピド)を投与する。必要であれば、さらにLDL アフェレシス治療を開始する。●ANGPTL3阻害薬(エビナクマブ)は、LDL 受容体活性が完全に欠損しているreceptor-negative type のFH ホモ接合体に対してもLDL-C 低下作用が報告されており、日本でFH ホモ接合体の治療薬として承認され、小児においても使用可能となっている。●MTP 阻害薬(ロミタピド)は、消化器症状、肝機能障害、脂肪性肝疾患などの副作用を有することが報告されており、長期の安全性に関しては今後のデータ集積が重要で、特に小児への使用には注意が必要である。●プロブコールは、皮膚・腱黄色腫の退縮を促す効果を有するが、QT 延長の副作用に留意する。

遺伝子変異と薬物療法の効果スタチン、エゼチミブやレジンなど、脂質低下薬の薬効の主要な部分はLDL 受容体活性の増加によるものであり、FH ホモ接合体は、FH ヘテロ接合体に比べて薬剤に対する反応性が悪い例が多い。LDL 受容体活性を全く持たないreceptor-negative type のFH ホモ接合体に対しては、LDL-C 値を低下させるという意味において上記薬剤の有効性は低いが、スタチン投与により予後の改善は報告されている

79)。一方、LDL 受容体活性をわずかながらも有するreceptor-defective type に対しては、レジン、スタチン、ニコチン酸などの併用療法が著効する例の報告がある

80)。PCSK9阻害薬は、LDL 受容体機能低下型変異と、PCSK9機能獲得型変異を有するダブルヘテロ接合体と呼ばれる例では、一定の効果が期待できる。エビナクマブやロミタピドは、LDL 受容体活性に依存しない薬剤として、その有効性が報告されている

81, 82)。
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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドラインフォーカスアップデート2025

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薬物療法の実際FH ホモ接合体でも食事や運動習慣の指導は必要であるが、生活習慣への介入のみではLDL-C のコントロールは不可能であり、冠動脈疾患の発症進展予防のためには小児期から強力なLDL-C 低下治療を要する。FH ホモ接合体の治療は、最初の段階から診療経験を有する専門家によることが望ましい。治療法、薬剤の使用については、その効果および生じ得る副作用などを保護者に十分に説明し、同意を得た後に開始する。FH ホモ接合体と診断されれば、上記いずれのtype であっても、可及的速やかに高強度スタチンを開始し、最大耐用量まで増量する。スタチンで細粒剤があるのはプラバスタチンのみである。錠剤が飲めない場合の工夫など、投与方法に関しては専門家に相談する(図4 )。LDL-C の低下が不十分な場合には、エゼチミブを追加する。または、初期からスタチンとエゼチミブを併用することも考慮される(図4 )。18歳未満の小児FH ヘテロ接合体に対するエゼチミブ、およびスタチンとの併用療法に関して、系統的レビューとメタ解析の報告

83)

では、エゼチミブ単剤あるいはスタチンおよびエゼチミブ併用療法はいずれもLDL-C を有意に低下させ、安全性および忍容性に関する問題は認められなかった。FH ホモ接合体では、“ 生涯累積LDL-C 曝露値” が早期に冠動脈疾患発症の閾値を超えることが想定されるため、より早期からLDL-C をより低値にすることが求められる。約1 か月後にスタチンの効果を判定し、効果が不十分であればPCSK9阻害薬を開始し、LDL-C 値の反応性を確認する。3 回の投与によっても管理目標値に到達しない場合、さらにエビナクマブやロミタピドを開始する。効果がない場合、PCSK9阻害薬は中止とする。LDL 受容体の分解を抑制するPCSK9阻害薬は、成人においてはFH ホモ接合体に対してもLDL-C 低下の有効性が示されているが

31)、海外においても12歳未満の使用経験は多くはない。小児では早期からLDL-C を低下させることのメリットがある一方、安全性の検証はまだ十分に行われていないことに注意が必要である。また、PCSK9阻害薬は、わが国では最大耐用量のスタチンと併用することが前提となっている。Receptor-negative type で、スタチンおよびPCSK9阻害薬投与でLDL-C値がほとんど低下しない場合には、PCSK9阻害薬は早期に中止し、エビナクマブやロミタピドを開始する。必要に応じて、レジン・プロブコールを併用し効果を検討する(図4 )。LDL アフェレシス治療施行下に、FH ホモ接合体に対するアトルバスタチンの効果を検討した報告では、LDL-C 値は平均約20% 低下したが、receptor-negative type に対しては、ほとんど反応を認めなかった

84)。プロブコールは、FH ホモ接合体に対しても一定の総コレステロール値の低下効果があり(LDL-C とHDL-C の低下)、皮膚・腱黄色腫の縮小、消失を認める報告がある85)。わが国の成人FH ヘテロ接合体を対象とした後ろ向き研究において、プロブコール投与例では心血管イベントの再発が有意に少ないことが報告されている

86)。ただし、プロブコールはQT 延長の副作用があるため

87)、定期的に心電図検査を実施する必要がある

88)。エビナクマブは、Angiopoietin-like 3(ANGPTL3)に対する抗体薬で、日本においてもFH ホモ接合体に使用可能である。FH ホモ接合体65例を対象として全世界で治験が行われ、LDL-C 値が平均49%低下したこと、LDL receptor-negative type のFH ホモ接合体に対しても有効であることが報告されている

81)。第III相臨床試験では、エビナクマブが多剤併用療法中のFH ホモ接合体においてもさらにLDL-C を平均43%減少させることが示された

89)。これらの結果を受け、2024年1 月には日本においてFH ホモ接合体に対する治療薬として認可された。小児においても成人と同等の有効性と完全性が報告されている

89)。年齢制限がなく小児に対しても使用可能となっている。ロミタピドはMicrosomal triglyceride transfer protein (MTP)阻害薬で、FH ホモ接合体のみが適応の内服薬であるが、消化器症状、肝機能障害、脂肪性肝疾患の有害事象が多く報告されている。投与時には脂肪摂取量を制限する必要がある。小児においてもその効果と忍容性に関する報告が蓄積されつつある。小児FH ホモ接合体を対象とした研究では、LDL-C を約60% 低下させる効果が示されており、有害事象として消化器症状や肝酵素上昇が報告されたが、多くは減量や経過観察により管理可能であったとされる

90, 91)。しかし、小児における長期使用に関するデータは限られており、安全性や有効性について慎重に評価する必要がある。現在小児に対する適応としてはいずれの国でも承認されていないことからも、特に小児への適応には注意が必要である。目標値に到達しない場合、必要に応じてLDL アフェレシスも考慮する。上記すべての治療に抵抗性もしくは不耐性を示す場合には、肝移植も治療の選択肢となるが、現在のところ日本での実施例はごく少数である

92, 93)。

7 LDL アフェレシス

ポイント●薬物治療の効果が十分でない場合、速やかにLDL アフェレシス治療を開始する。●LDL アフェレシス治療は治療前後のLDL-C 値を見ながら1〜2週間に1回施行する。●単純血漿交換療法、二重膜濾過法、選択的LDL 吸着法の3種類の方法が用いられている。
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小児FH 診療ガイドラインWG

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LDL アフェレシスの治療開始FH ホモ接合体は一般に薬剤の反応が悪く、LDL アフェレシス治療が適応となる例が多い。現実的な治療開始の時期は、ベッド上で臥床し体外循環施行が可能となる4 歳〜6 歳ごろからとなるが、3.5歳時に開始した例の報告もある

94)。乳児期にすでに冠動脈狭窄や完全閉塞、大動脈弁狭窄や弁上狭窄を有する例も存在し、開始の時期が遅くなるほど予後が悪くなるので、薬剤の反応性が悪い場合には、LDL アフェレシス治療開始を躊躇すべきではない

95)。LDL アフェレシス不可能な低年齢児には、定期的な診察と検査を行う。可能であれば薬物療法を行い、アフェレシス可能な時期まで対処する。

LDL アフェレシスの方法LDL アフェレシスは、治療前後のLDL-C 値を見ながら1 〜2 週間に1 回行う。ブラッドアクセスは通常、両上肢の肘静脈とする。アクセスが悪い場合にはシャント手術を行うこともあるが、LDL-C 値が高値であることなどから閉塞の危険性が高いので留意が必要である。現在、日本で行われているLDL アフェレシス治療法には大きく分けて、単純血漿交換療法、二重膜濾過法、LDL 吸着療法の3 種類が存在する。二重膜濾過法やLDL 吸着療法は、選択的にLDL を除去できるため広く用いられている。これらの治療法は、体重が30kg 未満の場合には体外循環体積が大きいため、血漿交換療法が用いられることがある。

FH ホモ接合体に対するLDL アフェレシスの長期治療効果FH ホモ接合体に対するLDL アフェレシス治療の長期効果については、皮膚・腱黄色腫の退縮、狭心症の症状の軽快、冠動脈の動脈硬化性病変の進展の抑制、退縮効果など、長期間の良好な治療効果の報告も多い

95-98)。小児のFH ホモ接合体209例の報告をまとめたシステマティック・レビューにおいてもLDL アフェレシスは有害事象が少なく、総じて安全にLDL-C 値を低下させ、黄色腫を軽減する治療であることが述べられている

35)。一方、FH ホモ接合体に対してLDL アフェレシスの導入が遅れると、心筋梗塞での死亡例の報告もあり

98)、必要な例に導入を躊躇してはならない。

8 附則

公的助成

小児FH へテロ接合体は小児慢性特定疾病

99)の対象疾病であり、FH ホモ接合体は小児慢性特定疾病に加え、「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づく指定難病

100)でもあり、医療費の公的助成が受けられる。システマティック・レビュー委員

岡田寛史(金沢大学附属病院循環器内科)、小倉正恒(東千葉メディカルセンター代謝・内分泌内科/ 千葉大学大学院医学研究院総合医科学講座)、片岡有(国立循環器病研究センター病院心臓血管内科冠疾患科)、田中仁啓(ノースウェスタン大学予防医学教室)、土井貴仁(コペンハーゲン大学病院 ヘアレウ・ゲントフテ 臨床生化学科/ 国立循環器病研究センター心臓血管内科)、西川哲生(国立循環器病研究センター 移植医療部)、野村章洋(金沢大学附属病院先端医療開発センター/ 循環器内科)、山本雅(千葉大学大学院医学研究院内分泌代謝・血液・老年内科学)
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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドラインフォーカスアップデート2025

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治療・診断に関するエビデンスレベルの分類

1+質の高いRCT *およびそれらのMA/SR

1 それ以外のRCT およびそれらのMA/SR

2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR、(事前に定めた)RCT サブ解析

3 非ランダム化比較試験、前後比較試験、後ろ向きコホート研究、ケースコン トロール研究およびそれらのMA/SR、RCT 後付けサブ解析

4 横断研究、症例集積

コンセンサス統括委員、作成委員のコンセンサスによるRCT:randomized controlled trial(ランダム化比較試験)、MA:meta-analysis(メタ解析)、SR:systematic review(システマティック・レビュー) *質の高いRCT とは、1多数例(パワー大)2二重盲検、独立判定、3高追跡率(低脱落率)、低プロトコル逸脱 4ランダム割り付け法が明確、等を示す。

疫学研究のエビデンスレベルの分類

E-1aコホート研究のメタアナリシスE-1bコホート研究E-2症例対象研究、横断研究E-3記述研究(ケースシリーズ)

推奨レベル

A強い推奨B弱い推奨
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小児FH 診療ガイドラインWG

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利益相反日本医学会診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス2023に基づき、本フォーカスアップデート2025に関し、日本小児科学会・日本動脈硬化学会合同小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン作成ワーキンググループの2022年~2024年の利益相反を下記の通り開示する。氏  名(五十音順)開示項目1開示項目2開示項目3開示項目4開示項目5開示項目6開示項目7開示項目8

開示項目9開示項目10開示項目11開示項目12開示項目13開示項目14開示項目15

大竹  明該当なし該当なし該当なしサノフィ(株)、アミカス・セラピューティクス(株)該当なし該当なし該当なしアンジェス(株)、GC Biopharma Corp.、Novel Pharma Inc.、イドルシアファーマシューティカルズジャパン(株)

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

斯波真理子該当なしリードファーマ該当なしメドペイス・ジャパン(株)、興和(株)、アムジェン(株)、ノバルティスファーマ(株)、(株)ビー・エム・エル、(株)プロトセラ、U l t r a g e n y x Japan (株)該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

杉山 大典味の素冷凍食品(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

多田 隼人該当なし該当なし該当なしアムジェン(株)、ノバルティスファーマ(株)該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

土橋 一重該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

松木 恒太該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

南野 哲男該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山下 静也該当なし該当なし興和(株)、ノバルティスファーマ(株)、大塚製薬(株)、(株)免疫生物研究所該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山本 幸代該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
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小児家族性高コレステロール血症診療ガイドラインフォーカスアップデート2025

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【開示項目】自己申告者自身の申告事項1. 企業や営利目的とした団体の役員、顧問職の有無と報酬(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 2. 株の保有とその株式から得られる利益(最近1 年間の本株式による利益)(1 つの企業の1 年間の利益または当該株式の5%以上の保有)(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 3. 企業や営利を目的とした団体から特許権使用料として支払われた報酬(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 4. 企業や営利を目的とした企業や団体より、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)(開示基準額50万円/ 企業/ 年) 5. 企業や営利を目的とした団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料(開示基準額50万円/ 企業/ 年) 6. 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 7. 企業や営利を目的とした団体が提供する奨学(奨励)寄付金(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 8. 企業や営利を目的とした団体が提供する寄付講座(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 9. その他の報酬(研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの提供)(開示基準額5 万円/ 企業/ 年)

申告者の配偶者、一親等内の親族、または収入・財産を共有する者の申告事項10. 企業や営利目的とした団体の役員、顧問職の有無と報酬額(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 11. 株の保有とその株式から得られる利益(1 つの企業の1年間の利益または当該株式5%以上の保有)(開示基準額100万円/ 企業/ 年) 12. 企業や営利を目的とした団体から特許権使用料として支払われた報酬(開示基準額100万円/ 企業/ 年)

申告者の所属する研究機関・部門(研究機関、病院、学部またはセンターなど)にかかるinstitutional COI 開示事項13. 企業や営利を目的とした団体が当該の研究機関・部門に対し提供する研究費(開示基準額1000万円/ 企業/ 年) 14. 企業や営利を目的とした団体が当該の研究機関・部門に対し提供する寄付金(開示基準額200万円/ 企業/ 年) 15. その他(申告者が所属する研究機関そのもの、あるいは機関・部門の長が本学会の事業活動に関係する企業など株式保有、特許使用料、あるいは投資など) ※ 社名は申告時の社名で記載
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小児FH 診療ガイドラインWG

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利益相反日本小児科学会・日本動脈硬化学会合同小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン作成ワーキンググループの2017年~2021年の利益相反を下記の通り開示する。氏  名(五十音順)開示項目1開示項目2開示項目3開示項目4開示項目5開示項目6

開示項目7開示項目8開示項目9開示項目10開示項目11開示項目12

大竹  明該当なし該当なし該当なしサノフィ(株)該当なしSBI ファーマ(株)

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

岡田 寛史該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

小倉 正恒該当なし該当なし該当なしアステラス製薬(株)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)、サノフィ(株)、興和(株)、アムジェン(株)該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

片岡  有該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

斯波真理子該当なしリードファーマ(株)該当なしアステラス製薬(株)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)、カネカメディックス(株)、サノフィ(株)、アムジェン(株)該当なしA E G E R I O N

PHARMACEUTICALS (株)、パレクセル・インターナショナル(株)

A E G E R I O N PHARMACEUTICALS (株)、MSD (株)、カネカメディックス(株)、興和創薬(株)、サノフィ(株)、武田薬品工業(株)、レコルダティ・レア・ディジーズ(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

杉山 大典味の素冷凍食品株式会社 嘱託産業医(100万円以上500万

円未満)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

多田 隼人該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

田中 仁啓該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

American Heart A s s o c i a t i o n (AHA)、日本ライフライン(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

土井 貴仁該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

土橋 一重該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

西川 哲生該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
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野村 章洋(株)CureApp該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

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松木 恒太該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

南野 哲男該当なし該当なし該当なし第一三共(株)、日本ベーリンガーインゲルハイム(株)該当なしオムロン(株)、メロディー・インターナショナル(株)、松谷化学工業(株)、(株)エー・アンド・ディー

大塚製薬(株)、協和発酵キリン(株)、アステラス製薬(株)、田辺三菱製薬(株)、武田薬品工業(株)、サノフィ(株)、協和キリン(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山下 静也該当なし該当なし該当なしアムジェン(株)、MSD (株)、大塚製薬(株)、興和(株)、(株)スカイライト・バイオテック、ノバルティスファーマ(株)、バイエル薬品工業(株)、(株)林原、(株)東日本技術研究所該当なしメディカルフォトニクス(株)

小野薬品工業(株)、日本ベーリンガーインゲルハイム(株)、MSD (株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山本 幸代該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山本  雅該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

【開示項目】1. 企業や営利目的とした団体の役員、顧問職の有無と報酬額(1 つの企業・団体から支払われた年間100万円以上) 2. 株の保有とその株式から得られる利益(1 つの企業の1 年間の利益が100万円以上または当該企業の全株式の5 % 以上の保有) 3. 企業や営利を目的とした団体から特許権使用料として支払われた報酬(一つの特許使用料が年間100万円以上) 4. 企業や営利を目的とした企業や団体より、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)(一つの企業・団体から支払われた講演料・日当が年間合計50万円以上) 5. 企業や営利を目的とした団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料(一つの企業・団体から支払われた原稿料が年間合計50万円以上) 6. 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費(一つの臨床研究に対して支払われた総額が年間100万円以上) 7. 企業や営利を目的とした団体が提供する奨学(奨励)寄付金(一つの企業・団体から支払われた申告者個人または申告者が所属する講座・分野あるいは研究室に支払われた総額が年間100万円以上) 8. 企業などが提供する寄付講座(金額を問わず寄付講座に所属している場合) 9. その他の報酬(一つの企業・団体から受けた研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの報酬が年間合計5 万円以上)

申告者の配偶者、一親等内の親族、または収入・財産を共有する者の申告事項10. 企業や営利目的とした団体の役員、顧問職の有無と報酬額(1 つの企業・団体から支払われた年間100万円以上) 11. 株の保有とその株式から得られる利益(1 つの企業の1 年間の利益が100万円以上または当該企業の全株式の5 % 以上の保有) 12. 企業や営利を目的とした団体から特許権使用料として支払われた報酬(一つの特許使用料が年間100万円以上) ※ 社名は申告時の社名で記載
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p28付図1 大動脈弁上狭窄大動脈弁上狭窄付図2 3 歳男児FH ホモ接合体 皮膚黄色腫