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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022 日本動脈硬化学会・2022・27 ページ · 予防・高血圧・脂質・糖尿病
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成人FH 診療ガイドライン

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はじめに

家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia、以下FH)は、高LDL コレステロール(LDL-C)血症、早発性冠動脈疾患、腱・皮膚黄色腫を3 主徴とする常染色体遺伝性疾患である。FH はきわめて冠動脈疾患の発症リスクが高く、早期診断、厳格な治療に加え、家族スクリーニング(カスケードスクリーニング)が必要である。当ガイドラインは、実臨床におけるFH の診断および治療の指針を示すことで、将来起こりうる動脈硬化症を予防することを目的としている。今回、アキレス腱肥厚の基準が変更された。従来のX線撮影でのカットオフ値9 mm は、1977年に公表されたものであり、特異度が高い一方、感度が低いことが危惧されていた。今回、日本において遺伝学的に診断されたFH 485例を含む986例の解析から、カットオフ値は男性7.6 mm、女性7.0 mm とする2021年の報告

1)をもとに検討し、特異度を保ちながら感度を上げるため、男性8.0 mm 以上、女性7.5 mm 以上に変更することとした。また、超音波法での評価についても標準化が進み、今回から採用することとした。ただし、今回変更した基準値の蓋然性の検討や感度・特異度の評価は今後も検討していく必要がある。また、小児FH の診療については割愛しており、新しく策定された「小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022」

2)も合わせてご参照頂きたい。

1 BQ(background question、背景疑問) / FQ(foreground question、前景疑問)

BQ1. わが国においてFH の有病率はどの程度か?総じて、一般人口の300人に1 人程度、冠動脈疾患の30人に1 人程度、早発性冠動脈疾患や重症高LDL-C 血症の15人に1 人程度認められる。(エビデンスレベル: E-2)

成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン 2022

斯波真理子

1、2)、荒井秀典3)、大村寛敏4)、岡﨑啓明5)、杉山大典6)、多田隼人7)、土橋一重

8)、松木恒太9)、南野哲男10)、山下静也11)、横手幸太郎12) (日本動脈硬化学会FH 診療ガイドライン作成委員会)

1)大阪医科薬科大学・循環器センター2)国立循環器病研究センター研究所分子病態部3)国立長寿医療研究センター4)順天堂大学医学部附属順天堂医院循環器内科5)自治医科大学医学部内科学講座内分泌代謝学部門6)慶應義塾大学看護医療学部/大学院健康マネジメント研究科7)金沢大学附属病院循環器内科8)山梨大学医学部小児科学教室9)弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座10)香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科学11)りんくう総合医療センター12)千葉大学大学院医学研究院内分泌代謝・血液・老年内科学

キーワード:成人、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体、ヘテロ接合体、診断基準、治療指針、

生活習慣、薬物療法、LDL アフェレシス、スタチン

Copyright©2022 Japan Pediatric Society, Japan Atherosclerosis Society
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成人FH 診療ガイドラインWG

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従来、FH の有病率は500人に1 人とされていたが、近年、横断研究やコホート研究から、それよりも明らかに高頻度であるとする報告が欧米から相次いで発表されている。わが国からも、Mabuchi らが北陸地方における分子疫学的頻度を検討し、208人に1 人と推定されることを報告している

3)。2017年に発表されたシステマティック・レビュー/ メタ解析(日本人を含まない)では、一般人口の250人に1 人の頻度と報告された4)。また、その後に発表されたシステマティック・レビュー/ メタ解析(日本人を含む)では、一般人口の313人

5)、311人に1 人6)の頻度と報告されている。250人に1 人と報告したメタ解析は、いわゆる創始者効果(founder-effect)による極めて高頻度との報告のある文献も含めた解析であったのに対して、313人、311人に1 人と報告した後者2 報はこのような研究を除外したものであった。地域によっては創始者効果による頻度の増加の影響は存在すると想定されるため、Mabuchi らのわが国における報告はあるものの、約300人に1 人と考えるのが妥当と考えられる。また、冠動脈疾患患者においては30人に1 人程度、早発性冠動脈疾患や重症高LDL-C 血症(メタ解析では190 mg/dL 以上と定義)においては15人に1 人程度と考えられる

5)。なお、上記メタ解析中の日本人のデータ数は少なく、一部地域における近親婚や人口動態のボトルネック効果などの要因による頻度の相違も想定されるが、各人種間での有意な相違を示すエビデンスはないゆえ、上述のメタ解析による結果を日本人においても適用して良いと思われる。

BQ2. FH 患者の予後・主たる合併症にはどのよう

なものがあるか? ●冠動脈疾患:オッズ比は非FH と比較し10~20倍(エビデンスレベル:E-1a

※) ●末梢動脈疾患:オッズ比は非FH と比較し5 ~10倍(エビデンスレベル:E-1a) ●脳卒中:影響は明確でない(エビデンスレベル:E-1a) ●大動脈弁狭窄症:疫学的な関連は示されていないが、合併するFH の症例報告がある(エビデンスレベル: E-3) ●腹部大動脈瘤:疫学的な関連は示されていないが、合併するFH の症例報告がある(エビデンスレベル: E-3)

※コホート研究のメタアナリシスは存在しないが、複

数のコホート研究が存在し同一の結果が得られていることからE-1a とした。

FH 患者の全身性動脈硬化症の中で主たる合併症として最も重要なものは冠動脈疾患である

7)。冠動脈疾患に加えて末梢動脈疾患や頸動脈硬化症についても非FHと比較して有意に有病率が高いとの報告(システマティックレビュー/ メタ解析)がある

8、9)。一方で脳卒中に関しては、その影響は明確でないとする報告が多い。大動脈疾患・弁膜症(大動脈瘤、大動脈弁狭窄症、弁上狭窄など)に関しては、疫学的にその関連性を示した報告はないが、それらを合併しているFH の症例報告は複数ある。FH の生命予後に関するランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)やシステマティック・レビューは皆無であるが、Mabuchi らは、わが国におけるスタチン登場前の時代と登場後の時代におけるFHヘテロ接合体およびFH ホモ接合体の予後を比較した検討結果を発表している

10)。この報告によると、スタチン登場前は、FH ヘテロ接合体の男性の73%、女性の64% が心臓死であったこと、FH ヘテロ接合体の死亡年齢は、スタチン登場前は平均63歳であったのがスタチン登場後には76歳まで延長したこと、またFH ホモ接合体においてもスタチン登場前は平均28歳であった死亡年齢が登場後は59歳まで延長したこと、が示されている。

FQ1. FH ヘテロ接合体の薬物治療においてスタチ

ンを第一選択に推奨できるか? FH ヘテロ接合体の治療には、スタチンを第一選択薬とする厳格な脂質管理を推奨する。(エビデンスレベル: 3 、推奨レベル:A)

FH ヘテロ接合体におけるスタチンのLDL-C 低下効果を検証したランダム化二重盲検試験は13報

11-23)あり、うちプラセボ対照試験は9 報(成人FH ヘテロ接合体対象2 報

11、12)、小児~青年期FH ヘテロ接合体対象6報

14-19)、FH ヘテロ接合体かFH ホモ接合体かの記載のない成人FH 対象1 報

13))存在し、成人例・小児例ともに有効性・安全性は確立している。また、FH ホモ接合体ではランダム化二重盲検クロスオーバー試験1 報

20)にてその有効性が示されている。わが国からも成人、小児例ともにスタチン内服によるLDL-C 低下効果を示した報告が発表されており

22、23)、これは海外からの臨床試験の結果と一致する。動脈硬化症の予防効果を検討したランダム化二重盲検比較試験は成人例

24)、小児例19)それぞれ1 報ずつ発表されており、成人例では高強度スタチン治療(アトルバスタチン80 mg、本邦承認用量の2 倍)が標準強度スタチン治療(シンバスタチン40 mg、本邦承認用量の2 倍)に比して、小児例では標準強度スタチン治療(プラバスタチン20-40 mg、本邦では承認用量20 mg で小児適応なし)がプラセボに比して、それぞれIMT 肥厚の進展を有意に抑制している。そして、小児例の報告のサブ解析では、より早期からスタチンを開始したほうがIMT肥厚の進展が抑制されることが示されている

25)。また、
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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オランダからの2447例の観察研究よりスタチン使用が冠動脈疾患発症率低下や全死亡率低下と関連しているとの報告がある

26)。直接比較による動脈硬化性心血管疾患の発症予防の科学的根拠は十分とは言えないものの、非FH における豊富なエビデンス等も踏まえると現時点ではスタチンが最も推奨される薬物治療と考えられる。FH を対象としたスタチンと他の脂質低下薬でのLDL-C低下作用を比較検討した臨床研究としては、陰イオン交換樹脂(レジン)であるコレスチラミンと比較した試験が4 報発表されている(すべて成人対象、プラバスタチン使用、FH ヘテロ接合体対象が2 報、FH 対象が2 報)。プラバスタチン40 mg 内服群とコレスチラミン4 g(もしくはコレスチポール5 g)内服群を比較した報告

12)では、両群ともベースラインから有意差をもってLDL-C が低下したが、プラバスタチン内服群ではコレスチラミン群と比較して有意差をもってLDL-C が低値であった。一方、プラバスタチン40 mg とコレスチラミン16-24g(本邦承認用量の1.5- 2 倍)との比較を行った報告

11、13、27)では両群とも有意差をもってベースラインからはLDL-Cは低下しているものの、両群間に有意差を認めなかった。これらの検討は1990年台初頭のプラバスタチンを用いた試験であり、新しい世代のスタチンではより強い脂質低下効果を認めることから、コレスチラミンよりも高い効果が期待できる。なお、スタチンとプロブコール、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)、proprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)阻害薬との直接比較試験は存在しないものの、エゼチミブとPCSK9阻害薬に関してはスタチンへの上乗せ試験が報告されている

28-31)。

FQ2. FH ホモ接合体および薬物療法抵抗性の重症

ヘテロ接合体に対しては、LDL アフェレシス治療を推奨するか? FH ホモ接合体および薬物療法抵抗性の重症ヘテロ接合体に対しては、LDL アフェレシス治療を施行してLDLコレステロールを厳格にコントロールすることを推奨する。(エビデンスレベル:3 、推奨レベル:A)

2019 ESC/EAS Guidelines for the Management of Dyslipidaemias:Lipid Modification to Reduce Cardiovascular Risk

32)にて、エビデンスレベル等の記載はないものの、LDL アフェレシスはFH ホモ接合体の治療法として推奨されている。2016年に報告されたシステマティック・レビュー

33)では、合計38報の論文(非盲検臨床試験8 報、観察研究11報、レビュー/ ガイドライン17報,医療技術評価2 報)が解析されている。RCT は含まれていないが、LDL-C低下効果やlipoprotein(a)[Lp(a)]低下効果、心血管イベント抑制効果などについて、臨床的メリットが示されている。各国でFH 診断率、アフェレシス治療へのアベイラビリティー(入手の機会)やアクセス、適応、方法、コストなどが異なるために、わが国の状況に合わせた評価も今後必要と考えられるが、患者の身体的社会的負担は存在するものの、交通および費用面で比較的アクセスしやすい日本においては、薬物治療で十分な効果が得られないFH 患者にLDL アフェレシスは推奨されると考える。小児のFH ホモ接合体については76報の症例報告(209名)をまとめたシステマティック・レビューが2019年に報告されている

34)。心血管アウトカムについてLDL アフェレシスが薬物治療単独に比較して有用か否かは示されていないものの、有害事象が少なく、総じて安全にLDL-C を低下させ、黄色腫を軽減することが報告されている。

2 総論

FH は、1 )高LDL コレステロール(LDL-C)血症、2 )早発性冠動脈疾患、3 )腱・皮膚黄色腫を3 主徴とする常染色体遺伝性疾患である。稀に認められる常染色体潜性(劣性)高コレステロール血症(Autosomal Recessive Hypercholesterolemia:ARH)以外は顕性遺伝(優性遺伝)形式をとる。FH 患者では生下時から高LDL-C 血症が持続し、若年時から冠動脈硬化症の進展を認める。そのため、FHは単独できわめて冠動脈疾患のリスクが高い疾患であり、未治療の男性で30~50歳、女性で50~70歳の間に心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患を発症することが多い

35)。未治療のFH ヘテロ接合体では冠動脈疾患発症リスクが約13倍高いことが報告されている

36)が、高LDL-C 血症自体は無症状である。したがって、高LDL-C 血症患者を診察する場合にはFH を常に念頭に置き、早期診断および適切な治療を行い、家族スクリーニング(カスケードスクリーニング)を実施することが若年死の予防につながる。日本人においても他国と同様200~500人に1 人という高頻度でFH ヘテロ接合体が存在し、30万人以上の患者がいると推定される

10)。日本におけるFH の診断率に関する正確な報告はないが、低いことが予想されるため、FH の診断率の向上は喫緊の課題である。また、一人のFH 患者を診断することにより、その家族の中にFH 患者を発見し、早期に治療することが可能である。FH 患者を診療する医療従事者は、本疾患が主として常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患であることをよく認識し、その家族の診断と治療にも関わることが求められる。

2.1 FH の原因遺伝子

診断基準は別項の通りで必ずしも遺伝学的検査は必須
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成人FH 診療ガイドラインWG

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ではないが、高LDL-C 血症に加え、LDL 受容体などのLDL 代謝に関わる遺伝子に病原性変異が確認されれば確定診断となる。遺伝学的検査はFH の診断をより確実なものとするが、遺伝学的検査ができる施設は限られている。また、発端者の遺伝学的検査がなされている場合は、家族のFH 診断も確実となる。FH ヘテロ接合体の原因となるのはLDL 受容体の病原性遺伝子変異のほか、アポリポ蛋白B-100(アポB-100)の病原性遺伝子変異およびProprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9(PCSK9)の病原性機能獲得型遺伝子変異(Gain-of-function mutation)で、いずれの分子もLDL 代謝において重要な役割を果たす。臨床診断されたFH ヘテロ接合体の6 ~8 割で原因遺伝子の変異が確認される

3、37)。FH ホモ接合体は対立遺伝子双方にLDL 受容体、アポB-100、または機能獲得型のPCSK9の異常をもつものと定義される(図1 )。常染色体潜性(劣性)高コレステロール血症(ARH)はlow-density lipoprotein receptor adaptor protein 1(LDLRAP1)遺伝子の病原性変異に起因する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)性疾患で、そのホモ接合体は臨床的にはFH ホモ接合体の表現型となり、FH ホモ接合体に含めて考える。近年、上述のようなLDL 受容体及びその関連蛋白の希少病原性遺伝子変異に伴うFH に加えて、LDL 代謝に関与する遺伝子座の高頻度遺伝子多型の重積に伴ういわゆる多因子FH(polygenic FH)の存在が示唆されるようになった

38)。しかし、現時点で既知のいかなる組み合わせを考慮しても高頻度遺伝子多型の重積のみでいわゆるFH を発症する根拠は存在せず、FH の発症に関わるというよりFH(及びその他の高LDL-C 血症)の表現型に影響を与えると考えられる。

2.1.1 LDL 受容体

FH の多く(6 割以上)はLDL 受容体の遺伝子変異が原因である。これまでに世界で1,000種以上におよぶ多くの病原性遺伝子変異がFH の原因として報告されている(http://www.hgmd.cf.ac.uk/ac/gene.php?gene= LDLR)。わが国に限っても100種以上の変異が報告されている

39)。

2.1.2 アポリポ蛋白B-100(アポB-100)

LDL 受容体に対するリガンドであるアポB-100の遺伝子変異でもFH の臨床像を示し、家族性欠陥アポリポ蛋白B-100血症(Familial Defective Apolipoprotein B-100:FDB)と呼ばれる。欧米の白人では高頻度だが、他民族では頻度が低い。血清LDL-C 値はLDL 受容体変異に比べると全般に低めである。日本人においても報告が存在する

40)。アポB は4,563アミノ酸からなる分子量500 kDa の巨大な蛋白である。従って、特に網羅的遺伝子解析などでは通常多数の遺伝子変異が確認されるが、FH を来す病原性遺伝子変異はArg3527Gln 変異にほぼ限られる(Arg3527Trp も病原性変異であるとされる)

41)。

2.1.3 Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9 (PCSK9) PCSK9はLDL 受容体の分解に関与し、機能獲得型変異はLDL 受容体を減少させるため、高LDL-C 血症をきたす。PCSK9機能獲得型変異のホモ接合体の重症例は、

真性ホモ接合体True Homozygotes複合ヘテロ接合体Compound Heterozygotes

ダブルヘテロ接合体Double Heterozygotes常染色体潜性(劣性)高コレステロール血症ARH(Autosomal Recessive Hypercholesterolemia)

遺伝子LDLR

遺伝子LDLR

遺伝子PCSK9

遺伝子LDLRAP1

図1  臨床的にFH ホモ接合体を示す遺伝子変異の組み合わせ
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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LDL 受容体変異ホモ接合体と臨床上区別がつかない

42、43)。必ずしもFH の様な高度の高LDL-C 血症をきたすとは限らず、わが国では軽度機能獲得型で、LDL-C 上昇も比較的軽症なE32K 変異を一般人の1 ~2 %、臨床診断FH の6 % と高頻度に認めている。E32K 変異がLDL 受容体によるFH ヘテロ接合体に合併するとFH ホモ接合体類似の臨床像を呈するが、薬物治療への反応性はLDL受容体のFH ホモ接合体に比べると良好である

44)。同様にV4I 変異をFH の6 %に認め、V4I 変異がLDL 受容体変異に合併するとFH ホモ接合体類似の臨床像を呈する

37)。臨床上FH ホモ接合体と区別することは困難な場合があるが、LDL 受容体とPCSK9変異をそれぞれの対立遺伝子に持つ場合は遺伝学的にはホモ接合体ではなく、ダブルヘテロ接合体となる。PCSK9遺伝子変異がFH をきたしているかどうかについては専門施設での判断を必要とする。

2.1.4 LDL Receptor Adapter Protein 1(LDLRAP1)

LDL 受容体のエンドサイトーシスに関与し、遺伝子変異を両親から受け継いだ場合に常染色体潜性(劣性)高コレステロール血症(Autosomal Recessive Hypercholesterolemia:ARH)として発症する。ARH は巨大な黄色腫形成と高LDL-C 血症からFH ホモ接合体が疑われるが、両親に高LDL-C 血症が認められないときに疑うべき非常に稀な疾患である

45、46)。本疾患はFH ホモ接合体として扱う。

2.2 FH の疫学

これまで長らくFH ヘテロ接合体の頻度は500人に1人程度と考えられてきたが、Mabuchi らは、北陸地方におけるLDL 受容体変異、PCSK9機能獲得型変異の解析結果から、FH ホモ接合体の頻度から計算したFH ヘテロ接合体の頻度は一般人208人に1 人と従来よりも高頻度と推定されることを報告している

3)。近年の分子疫学的研究のメタ解析

5、6)によると、世界の一般人口におけるFH の頻度は概ね300人に1 人程度存在すると考えられる。これらの分子疫学的研究のメタ解析には、わが国のデータも含まれ合計サンプル数は数百万人を超えるものであり、本疾患の頻度に関するデータとして極めて重要である。さらには冠動脈疾患患者におけるFH の頻度は30人に1 人程度、早発性冠動脈疾患患者におけるFH の頻度は15人に1 人程度と考えられている。従って、FH は稀な疾患ではなく、治療を受けている高LDL-C血症患者の約8.5% を占めるとする報告がある

47)。

2.3 FH の臨床像

FH は、高LDL-C 血症、早発性冠動脈疾患、腱・皮膚黄色腫を3 主徴とする主として常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患である。2.3.1 高LDL コレステロール血症

厚生労働科学研究難治性疾患克服研究事業「原発性高脂血症に関する調査研究」班が1996~1997年度に実施した調査報告においてBujo らは、日本人FH ヘテロ接合体641名の未治療時平均LDL-C は248 mg/dL(男性296名、女性345名、平均年齢51歳)で男女差はなかった

48)と報告している。FH 患者とその家族の血清総コレステロール値は三峰性を示し、正常者は179±26、FHヘテロ接合体は338±63、FH ホモ接合体では713±122 (それぞれ平均± SD(mg/dL))と、FH ヘテロ接合体は正常者のほぼ2 倍、FH ホモ接合体は4 倍の値を示す

49)。しかし、正常者とFH ヘテロ接合体の間、FH ヘテロ接合体とFH ホモ接合体の間はオーバーラップがあり、血清脂質値だけでは区別が困難な場合がある(図2 )。また、若年時からLDL-C が高いことが指摘されている場合や、スタチンなど薬物治療に対するLDL-C 低下効果の反応が悪い場合には積極的にFH を疑うべきである

50)。

2.3.2 早発性冠動脈疾患

早発性冠動脈疾患患者でLDL-C 高値であればFH を疑う必要がある。なお、早発性冠動脈疾患は男性55歳未満、女性65歳未満で発症した冠動脈疾患と定義する。高LDL-C 血症は動脈硬化症の中でも特に冠動脈硬化症を進行させるため、無治療のFH ヘテロ接合体は心臓死が60% 前後と多い

10)。高LDL-C 血症と脳血管障害は関

図2  家族性高コレステロール血症家系の正常者、へテロ接

合体、ホモ接合体の総コレステロール値(文献47に症例を追加して改変)

100 90

80 70

0 0 100 200

血清総コレステロール値(mg/dL)

300 400 500 600 700 800 900 1000

10 20

30 40

50 60

症例数正常者ヘテロFHホモFH
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成人FH 診療ガイドラインWG

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連があるとされるが、FH ヘテロ接合体では5 ~10% 程度で多くはない

49、51)。男性では30歳以降に心筋梗塞がほぼ一定の割合で増加するが、女性では50歳以前では稀であり、明らかな男女差が認められている(図3 )。また、男性では20歳代から、女性では30歳代から冠動脈CT検査での冠動脈プラークの形成が確認されている

52)(図4 )。しかしながら、早期診断を行い、スタチン等を用いた積極的なLDL-C 低下療法を行うことで、FH ヘテロ接合体の冠動脈疾患発症を遅延させることや生命予後を改善させることが可能である

36、53)。

2.3.3 腱・皮膚黄色腫

FH の臨床診断で重要な身体所見は腱黄色腫、皮膚黄色腫の存在である。ヘテロ接合体に比べ、ホモ接合体ではさらに黄色腫は若年齢より著明となる(図5 )。黄色腫は、皮膚では肘・膝関節の伸側、手首、臀部など機械的刺激が加わる部位に多く発生する。眼瞼黄色腫はFH以外でも認めることも多いため、特異度が低く、診断的価値は高くないが、FH を疑う所見ではある。腱黄色腫はアキレス腱肥厚として現れることが多く、診断には触診が重要である。しかし、黄色腫がない場合にもFH を否定してはならない。実際、遺伝学的検査でFH と確定診断された患者のうち20~30%では黄色腫を認めない

54)。一般に成人前には黄色腫はあっても軽度で、加齢とともに黄色腫が明確になる場合が多いが、逆に高齢でも腱黄色腫を欠く症例も存在する。また、アキレス腱断裂後では判定困難である。したがって、黄色腫を欠く場合には、家族調査や遺伝学的検査が重要となる。なお、FH ではアキレス腱炎によるアキレス腱部の疼痛を訴える場合がある。また、アキレス腱部に肥厚とともに、石灰化を認めるような場合には強くFH を疑う。

2.3.4 角膜輪

図6 に示すような角膜輪もFH に特徴的な所見である

男性(n:138)

女性(n:55)

年齢(歳)

0 10

140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 20 30 40 50 60 70 80 90

症例数

図3  FH ヘテロ接合体における心筋梗塞累積症例数(文献35に症例を追加し表

示形式を改変)

男性

年齢(歳) 0

60 50

40 30

20 10

0 20 40 60 80

冠動脈CTプラークスコア女性

年齢(歳) 0

60 50

40 30

20 10

0 20 40 60 80

冠動脈CTプラークスコア

図4  FH ヘテロ接合体における冠動脈CT プラークスコア(文献52より改変)
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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が、50歳未満のFH 患者におけるその出現頻度は3 割程度

48、55)である。高齢者の多くに老人環が観察され、鑑別が困難な場合もあるが、50歳未満の患者に認められる角膜輪は診断的価値が高い。

2.3.5 FH におけるその他のリスク因子

FH ヘテロ接合体患者における冠動脈疾患の合併は、症例によって発症年齢や進展速度に大きな幅があることが知られているが、以下の報告のようにわが国において冠動脈疾患発症に関してリスク因子の関与が報告されている。Yagi らは北陸地方のFH ヘテロ接合体117名の検討により、糖尿病と低HDL-C 血症を有意な危険因子として抽出し

56)、斯波らは同じく近畿地方のFH ヘテロ接合体の解析により喫煙、冠動脈疾患の家族歴、アキレス腱肥厚、LDL-C 高値、低HDL-C 血症、高TG 血症、糖尿病、高血圧を抽出した。Hirobe らもFH の冠動脈疾患発症における低HDL-C 血症の関与を指摘し

57)、Yanagi らは糖尿病、耐糖能異常の関与を

58)、Nakamura らは内臓脂肪の重要性を

59)、Ogura らはスタチンを内服しているFH ヘテロ接合体患者における残余リスクとして高血圧症と低HDL-C 血症(およびコレステロール引き抜き能の低下)

55)を指摘している。また、原発性高脂血症研究班からも冠動脈疾患合併FH において高TG 血症および低HDL-C 血症の合併が多かったことが報告されている

60)。FAME のサブ解析でも、頸動脈のIMT の増加には低HDL-C 血症および高血圧が関与し

図5  FH ホモ接合体に認められる黄色腫

22歳男性.皮膚および結節性黄色腫(症例:国立循環器病研究センター 斯波真理子氏提供) 3 歳男児.皮膚黄色腫

(症例:金沢大学 野原淳氏提供)

手指結節性黄色腫肘扁平黄色腫

膝扁平黄色腫殿部黄色腫

全周性の角膜輪上縁に認められる半月様の角膜輪

(症例:国立循環器病研究センター 斯波真理子氏提供)

図6  FH に認められる角膜輪
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成人FH 診療ガイドラインWG

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ており、LDL-C 値だけではなく包括的な管理が必要であることが報告されている

61)。Tada らはFH 患者における動脈壁のスティッフネスと冠動脈疾患との関連を報告している

62)。また、高Lp(a)血症がFH 患者においても冠動脈疾患のリスク因子であるという報告が海外で散見される

63-66)。臨床的に診断されたFH のうち、FHに関連する遺伝子変異を有する患者で冠動脈疾患リスクが高いという報告もある

67)。さらにTada およびDoiらはATP-binding Cassette Transporter G5(ABCG5)、ATP-binding Cassette Transporter G8(ABCG8)、apolipoprotein E(APOE)、LDLRAP1、PCSK9などのLDL コレステロール関連遺伝子の希少病原性変異を同時に有するFH ではさらに重症であることを報告している

68、69)。2.4 FH の診断

FH は高LDL-C 血症、アキレス腱肥厚や皮膚黄色腫、および家族歴により診断する。アキレス腱肥厚は視診、触診にて診断するが(図7 )、診断に迷うときはX 線撮影もしくは超音波検査を行い、アキレス腱の最大径を測定し、X 線撮影の場合には男性で8.0 mm 以上、女性で7.5 mm 以上で肥厚ありと診断し1)(図8 )、超音波検査の場合には男性で6.0 mm 以上、女性では5.5 mm 以上で肥厚ありと診断する

70)(図9 )。皮膚・腱黄色腫は手、肘、膝関節などの伸側に好発する。また、その遺伝形式上、家系内に早発性冠動脈疾患の発症を認めることが多く、家族歴を正しく聴取することが、正しい診断をする上で極めて重要である。また、FH と診断された場合、必ず血族のスクリーニング(カスケードスクリーニング)を検討する。FH ホモ接合体の多くは血清総コレステロール値600 mg/dL 以上、小児期からみられる皮膚・腱黄色腫と動脈硬化性疾患、両親がFH へテロ接合体である特徴を有する。黄色腫のために小児期に皮膚科を最初に受診することがあり、この時点で皮膚科医がFH ホモ接合体を見逃さないことが極めて大切である。FH ヘテロ接合体の重症例と区別が困難な場合もあり、FH ホモ接合体の確定診断には、遺伝学的検査が必要である。近年、線維芽細胞やリンパ球におけるLDL 受容体活性の低下(正常の20%以下)

71)による診断はほとんど実施されていない。

2.4.1 FH の診断基準

FH の診断基準を表1 ならびに診断のためのフローチャート(図10)に示す。他の原発性・続発性脂質異常図7  FH に認められるアキレス腱肥厚

(症例:国立循環器病研究センター 斯波真理子氏提供)

40歳男性 最大径22 mm 29歳男性 最大径19 mm

(症例:国立循環器病研究センター 斯波真理子氏提供)

図8  FH におけるアキレス腱X 線撮影
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

p9

症を除外した上で診断し、すでに薬物治療中の場合、治療のきっかけとなった脂質値を参考にする。アキレス腱肥厚の評価は2.4.5を参照する。皮膚結節性黄色腫に眼瞼黄色腫は含まない。表1 の3 項目のうち2 項目以上を満たせば、FH と診断する。2 項目以上を満たさない場合でも、LDL-C が250 mg/dL 以上の場合、あるいは2 または3 を満たしLDL-C が160 mg/dL 以上の場合はFHを強く疑う。これらに該当しない場合であっても、1 または2 を満たし第一度近親者のLDL-C が180 mg/dL 以上、あるいは早発性冠動脈疾患の診断または既往歴がある場合にはFH の可能性があると考え、生活指導のもと経過観察を行い、ハイリスクの症例では積極的な薬物治療を考慮する。診断が難しい場合には遺伝学的検査が有用であり、専門医への紹介を考慮する。FH 病原性遺伝子変異がある場合はFH と診断する。FH ホモ接合体が疑われる場合は遺伝学的検査による診断が望ましい。診断が難しいFH ヘテロ接合体疑いも遺伝学的検査が有用である。なお、この診断基準はFH ホモ接合体にも当てはまる。また、FH と診断した場合、家族についても調べることが強く推奨される。なお、若年のFH では1 しか満たさない場合もあり、またLDL-C 180 mg/dLに満たない場合もあり、注意が必要である。注意すべき点として、急性心筋梗塞等の重篤な疾患を合併した際には一時的にLDL-C が低下する点が挙げられ、LDL-C 値は約30% 程度低下するとされている

72)。したがって、急性心筋梗塞患者を診察する際には、アキレス腱の触診や家族歴の調査を実施すべきである。患者が若年齢の場合、特に留意すべきである。なお、この診断基準の感度・特異度については今後様々なコホートで検証を進める必要がある。

2.4.2 FH に対する遺伝学的検査について

FH に対する遺伝学的検査(生殖細胞系列ヒト遺伝学的検査)については成人であれ、小児であれ、倫理的配慮が必要である。遺伝学的検査を実施する際のガイドラインとして、日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」がある

73)。すでに発症している患者(LDL-C が高い等)の診断を目的として行われる遺伝学的検査の場合、検査前の適切な時期にその意義や目的の説明を行うことに加えて、結果が得られた後の状況、および検査結果が血縁者に影響を与える可能性があること等についても説明し、被検者がそれらを十分に理解した上で、検査を受けるか受けないかについて本人が自発的に意思決定できるように支援する必要がある。十分な説明と支援の後には、書面による同意を得ることが推奨される。これら遺伝学的検査の事前の説明と同意・了解(成人におけるインフォームド・コンセント、未成年者等におけるインフォームド・アセント)の確認は、原則として主治医が行う。また、必要に応じて専門家による遺伝カウンセリングや意思決定のための支援を受けられるように配慮する。非発症保因者診断(LDL-Cが正常でその他の症候も無い場合)は、通常は当該疾患を発症せず治療の必要のない者に対する検査であり、原則的には、本人の同意が得られない状況での検査は特別な理由がない限り実施すべきではない。未成年に対して検査を実施する場合は、本人に代わっ

図9  FH におけるアキレス腱エコー(長軸断面像)日本動脈硬化学会・日本超音波医学会:

「成人家族性高コレステロール血症スクリーニングに用いる超音波法によるアキレス腱厚測定の標準的評価法」2018より

皮膚

皮下脂肪

ゲルパッド

アキレス腱
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成人FH 診療ガイドラインWG

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表1  成人(15歳以上)FH の診断基準1.高LDL-C 血症(未治療時のLDL-C 値180 mg/dL 以上) 2.腱黄色腫(手背、肘、膝等またはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫3.FH あるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(第一度近親者) ●他の原発性・続発性脂質異常症を除外した上で診断する。●すでに薬物治療中の場合、治療のきっかけとなった脂質値を参考にする。●アキレス腱肥厚はX 線撮影により男性8.0 mm 以上、女性7.5 mm 以上、あるいは超音波により男性6.0 mm 以上、女性5.5 mm 以上にて診断する。●皮膚結節性黄色腫に眼瞼黄色腫は含まない。●早発性冠動脈疾患は男性55歳未満、女性65歳未満で発症した冠動脈疾患と定義する。●2 項目以上を満たす場合にFH と診断する。●2 項目以上を満たさない場合でも、LDL-C が250 mg/dL 以上の場合、あるいは2 または3 を満たしLDL-C が160 mg/dL以上の場合はFH を強く疑う。●FH 病原性遺伝子変異がある場合はFH と診断する。●FH ホモ接合体が疑われる場合は遺伝学的検査による診断が望ましい。診断が難しいFH ヘテロ接合体疑いも遺伝学的検査が有用である。●この診断基準はFH ホモ接合体にも当てはまる。●FH と診断した場合、家族についても調べることが強く推奨される。

1.高LDL-C血症(未治療時のLDL-C値180 mg/dL以上) 2.腱黄色腫(手背、肘、膝等またはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫3.FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(第一度近親者)

他の原発性・続発性脂質異常症を除外できる

項目1-3のうち2項目以上を満たす

・LDL-Cが250 mg/dL以上あるいは・2または3を満たしLDL-Cが160 mg/dL以上

FHと診断・1または2を満たし第一度近親者のLDL-Cが180 mg/dL以上あるいは・早発性冠動脈疾患の診断または既往歴

FHを強く疑うFHの可能性は低い

Yes

Yes

Yes

Yes No

No

No

他疾患の鑑別診断・

治療を進めるNo

FHの可能性あり

●FHと診断した場合は治療のフローチャートへ。●FHが強く疑われる場合はFHに準じた治療が強く推奨される。●FHの可能性がある場合は生活指導のもと経過観察を行い、ハイリスクの症例においては積極的な薬物療法を考慮する。図10 成人(15歳以上)FH 診断のフローチャート
p.11
成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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て検査の実施を承諾することのできる立場にある者の代諾を得る必要があるが、その際は当該被検者の最善の利益を十分に考慮すべきである。また、被検者の理解度に応じた説明を行い、本人の了解(インフォームド・アセント)を得ることが望ましい。必要に応じて遺伝カウンセリングを提供する。既に発症している(コレステロール値が高いなど)場合の確定診断で治療法のある病気でもあり、未成年においても必要に応じて考慮しうる。一方で非発症保因者診断(コレステロールを含めて症候が全く無い)は、本人が成人し自律的に判断できるようになるまで実施を延期すべきである。研究の枠組みとしての遺伝学的検査での偶発的/二次的所見の取り扱いは、それぞれの研究責任者が方針を定め、参加者からインフォームド・コンセントを受ける際によく説明して理解を得ることとする

74)。なお、FH ホモ接合体に対する遺伝学的検査は2022年4 月より保険収載されることとなり、その確定診断および治療法の選択などに活用されることが期待される。

2.4.3 FH における遺伝カウンセリング

遺伝学的検査・診断に際して、必要に応じて適切な時期に遺伝カウンセリングを実施する。遺伝カウンセリングは、情報提供だけではなく、患者・被検者等の自発的選択が可能となるような心理的社会的支援が重要であることから、当該疾患の診療経験が豊富な医師と遺伝カウンセリングに習熟した者が協力し、チーム医療として実施することが望ましい。FH の基本型は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患であるので、ここでは3 つの病因遺伝子(LDLR、APOB、PCSK9)異常について説明する。子がFH ヘテロ接合体であればどちらかの親がFH ヘテロ接合体である。片親がFH ヘテロ接合体であれば50%の確率で子もFH ヘテロ接合体となり、両親共にFH ヘテロ接合体であれば、子は75%の確率で発症(25%:FHホモ接合体、50%:FH ヘテロ接合体)する。FH ヘテロ接合体患児の両親共に臨床的に異常の見つからない時には、患児に起きた突然変異、両親の症状が軽い、あるいは養子等で真の血縁関係がないなどの可能性を考える必要がある。出生前診断や着床前診断も一部で試みられているが、たとえFH ホモ接合体であっても知的異常がなく治療法も存在するので、慎重に考える必要がある。

2.4.4 FH に対する遺伝学的検査結果の留意点

FH に限らずあらゆる遺伝性疾患とも共通するが、現状の遺伝学的検査にも限界がある。臨床的にFH と診断された例に対する解析での病原性変異の検出率は60~ 80%程度と報告されている39)。さらにはFH の原因遺伝子変異のうち10%程度はLDLR 遺伝子の構造変異とされている

39)。したがって、解析手法によってはこのような構造変異が同定できないため注意が必要である。2.4.5 アキレス腱肥厚の評価

2.4.5.1 アキレス腱X 線撮影下腿骨と足底が90度となるようポジショニングし、側面から腓骨外果中心に入射する。撮影距離120 cm とし、撮影条件は50 kV、5.0 mAs(例えば、100 mA×0.05秒、50 mA×0.1秒)とする。最大径で、男性8.0 mm 以上、女性7.5 mm 以上を肥厚ありと診断する。これらのカットオフ値を用いた場合、FH 病原性遺伝子変異陽性患者を予測する感度、特異度はそれぞれ82%、89% であることが報告されている

1)。また、FH の強い疑いの場合にはFH 病原性遺伝子変異陽性患者を予測する感度、特異度はそれぞれ96%、83% であることが報告されている

1)。

2.4.5.2 アキレス腱超音波検査

アキレス腱厚(Achilles tendon thickness:ATT)のX 線撮影による評価については、一般医家からX 線撮影の実施が困難であるという意見や、X 線読影の際に皮膚とアキレス腱の境界線が不明瞭であるために計測が困難等の意見があった。そこで、Michikura らはFHにおけるアキレス腱肥厚の評価において超音波法とX線法とが相関することを示し、わが国で初めてFH を診断するための超音波法によるATT のカットオフ値を設定し、報告している

70)。それを受け、2018年に日本超音波医学会・日本動脈硬化学会合同で「成人家族性高コレステロール血症スクリーニングに用いる超音波法によるアキレス腱厚測定の標準的評価法」が公表され、ATT 肥厚の診断基準値は、男性6.0 mm 以上、女性5.5 mm 以上に設定された。測定法について概略を述べる。被検者の体位はベッド上で1膝立ち位または2腹臥位で行う。ATT が一番厚い位置で測定するが、アキレス腱は捻れながら踵骨に付着するため、単純に体表から長軸像を描出しても正しいATT は計測できない。そこで、短軸像での観察後に最大肥厚部を同定して、捻れ方向を考慮して長軸像でATTの最大肥厚部を描出した像でATT を計測する(図9 )。また、検査時にはエコーゼリーを十分に用いて測定し(ゲルパッド使用可)、探触子で皮膚を強く圧迫しすぎないように注意する。

2.4.6 他の原発性脂質異常症および続発性脂質異常

症との鑑別診断FH との鑑別を要する疾患は、高LDL-C 血症を呈する続発性脂質異常症(糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、肥満、胆汁うっ滞性肝障害、薬剤性(ステロイドなど)と類似疾患である家族性複合型高脂血症(Familial Combined Hyperlipidemia、以下FCHL)が主である。FCHL は腱黄色腫を合併しないこと、small dense LDL の存在、家系内に他のタイプの脂質異常症(IIa 型、IIb 型、IV型)が存在すること、LDL-C がFHほど上昇しないことなどから鑑別しうる。FCHL との
p.12
成人FH 診療ガイドラインWG

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鑑別点を表2 にまとめた。腱黄色腫を有する原発性脂質異常症として、シトステロール血症と脳腱黄色腫症があげられる。シトステロール血症は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式を示し、若年時より皮膚黄色腫や腱黄色腫が著明で、血中の植物ステロール(シトステロール、カンペステロール等)の上昇で診断される。血清LDL-C は正常のことが多いが、中等度以上の上昇を伴う症例があり、FH やARH と鑑別が必要になる。原因遺伝子はABCG5あるいはABCG8である

75-77)。過去にPseudohomozygous type 2 hypercholesterolemia として、両親は通常明らかな高コレステロール血症は示さず食事療法や陰イオン交換樹脂(レジン)によく反応する疾患概念が提起されていたが、病態等から現在ではシトステロール血症と考えられている

78、79)。脳腱黄色腫症は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式を示し、アキレス腱黄色腫に代表される腱黄色腫、知能低下、運動失調、言語障害、白内障、小脳症状などの症状、および血中のコレスタノールの高値で診断される。27αhydroxylase の欠損による胆汁酸合成障害が病気の本態である

80、81)。

2.5 FH における動脈硬化性疾患のスクリーニング・

フォローアップFH は冠動脈疾患を含む全身性の動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を発症しやすい。したがって、ASCVDの早期スクリーニングおよび早期治療を実施する必要がある。日ごろから問診、聴診(心音および血管雑音(頸動脈・鎖骨下動脈・腎動脈・大腿動脈領域))、触診を心がける。問診上、冠動脈疾患を疑う症状があれば、心電図、運動負荷心電図(トレッドミル、エルゴメーター)、心エコー検査、薬剤負荷または運動負荷心筋シンチ等を施行する。これらの検査で冠動脈疾患が疑われる場合は、冠動脈狭窄部位を明らかにするために冠動脈CT もしくは冠動脈造影を行い、狭窄部位を同定する。なお、FHにおいては石灰化病変を有することが多く、冠動脈CT評価の際には注意が必要である。FH ヘテロ接合体の冠動脈造影所見 の特徴としては、起始部に病変が強いことや、拡張病変(冠動脈瘤)が見られることなどが挙げられる。FH ヘテロ接合体の頸動脈の粥状動脈硬化の評価には、診察での血管雑音の聴取とともに、頸動脈エコーを行い、狭窄が疑われる場合はMR アンギオ、CT アンギオ、血管造影等も行う。また、脳梗塞の有無の評価にはMRIやCT も適宜行う。FH ヘテロ接合体の高齢者では大動脈瘤なども合併することが多い。胸部大動脈瘤の評価には胸部X 線撮影やCT、腹部大動脈瘤の評価には腹部エコー検査かCTを施行し、心臓血管外科とも連携して診療を行う。FH ヘテロ接合体では末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease:PAD)を合併する場合もあるが、問診では足の冷感や間欠性跛行の有無について聴取し、足背動脈や後脛骨動脈の触診を行う。大腿動脈の動脈硬化の評価には足関節上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:ABI)を測定する。さらに、狭窄が疑われる場合は大腿動脈のエコー検査(ドップラー法)やCT アンギオ、MR アンギオ等も行う。大動脈弁狭窄症(AS)等の弁膜症の評価には心エコー検査を行い、必要に応じて心臓カテーテル検査を施行する。大動脈弁口面積が狭小化し、大動脈弁の圧較差が大きく、重症の場合には大動脈弁置換手術または経カテーテル大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Implantation:TAVI)を行う。FH ホモ接合体の場合には大動脈弁上狭窄の評価も必要である(図11)。

3 FH ヘテロ接合体の治療(図12)

3.1 FH ヘテロ接合体におけるLDL-C 管理目標値

FH ヘテロ接合体はきわめてASCVD の発症リスクが高く、とくに冠動脈疾患のリスクが高い疾患であるこ

表2  FH(家族性高コレステロール血症)とFCHL(家族性複合型高脂血症)との鑑別点

FH ヘテロ接合体FCHL

原因遺伝子LDL 受容体、PCSK9、アポB-100など単一遺伝子異常USF-1、LPL などが候補として考えられているが、原因遺伝子未確定、多遺伝子異常頻度200~500人に1 人約100人に1 人脂質プロファイル多くはIIa、時にIIb家族、本人とも経過中IIa ⇔IIb ⇔IVの3 つの表現型を取り得るアキレス腱肥厚、皮膚黄色腫ありなし若年性角膜輪ありなしSmall dense LDL の存在少ない多いインスリン抵抗性合併少ない多い
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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とから、一次予防における発症リスクは少なくとも通常の二次予防に相当すると考えられる。したがって、一次予防のFH ヘテロ接合体患者の管理目標値は100 mg/ dL 未満とすることが望ましい。また、一次予防を対象としたFH の治療を行う上においては日本動脈硬化学会から出されているリスクチャートによるリスク評価は適応できないことに留意する。二次予防のFH ヘテロ接合体患者においてはさらに高リスクと考えられるため、LDL-C 管理目標値は70 mg/ dL 未満を目標とする。なお、FH を対象として脂質低下療法を行わない臨床試験を行うことは倫理的に許されないため、これらの数値目標に関して明確なエビデンスがあるわけではなく、LDL-C が目標値に到達していても、イベントが起こらないことを保証するものではない。

3.2 FH ヘテロ接合体における食事療法

FH に対しても食事療法は実践すべきであり、その方法は他の脂質異常症に準ずる。すなわち、日本動脈硬化学会により高LDL-C 血症患者が食事療法で注意する点として挙げられた1総エネルギー量を適正に管理し、2飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率は4.5%以上7%未満、3トランス脂肪酸の摂取を減らす、4コレステロール200 mg/ 日以下、5大豆たんぱくや食物繊維の積極的摂取、などを指導する。

3.3 FH ヘテロ接合体における運動療法

FH に対する運動療法に関する研究はほぼ見当たらないが、FH ヘテロ接合体において、運動療法もまた実践すべきものである。ただし、動脈硬化性疾患のリスクが高いため、運動療法を始める前に動脈硬化性疾患のスクリーニングが必要である。問診、心電図、運動負荷心電図、心エコー検査やABI 等を行って動脈硬化性疾患の評価を行い、冠動脈疾患や大動脈弁狭窄症、PAD の合併が疑われるときには適切な治療を十分に行なってから運動療法を開始する。

3.4 FH ヘテロ接合体における薬物療法

FH ヘテロ接合体患者においては食事療法、運動療法、禁煙、肥満対策など生活習慣への介入だけでは十分な脂質管理を得られない場合が多く、スタチンを第一選択薬とした薬物療法の併用が推奨される。FH ヘテロ接合体患者329名を対象にわが国で行われた後ろ向き解析でも、スタチン内服によるLDL-C 低下療法が冠動脈疾患の発症を有意に遅延させることが示されている

53)。LDL-Cの低下効率から考えると、いわゆるストロングスタチンが中心的な治療薬となる。FH ヘテロ接合体においても、遺伝子異常や他に合併するリスクの有無により(2.3.5参照)、“LDL-C 蓄積速度” は異なり、ASCVD の発症時期や発症リスクに影響を与えるため、個人のリスクを考慮した治療開始時期(the earlier, the better)と管理目標値を設定する必要がある

52、54、82)。わが国におけるFH の登録研究であるFAME では、男性、40歳以上、ヘテロ接合体FH スコア20点以上、高血圧、低HDL-C 血症、兄妹に冠動脈疾患を認める、などが冠動脈疾患の発症リスクであった

83)。スタチンは通常用量より開始し、その効果および副作用の有無を観察しながら増量する。スタチンによるLDL-C の低下効果は用量依存的に増強するが、副作用の頻度や重症度も増すことがあるので注意が必要である。スタチン不耐性患者に対しては、別のスタチンの処方や投与間隔を工夫(隔日、週2 回など)し、最大耐用量ま

(症例:金沢大学 岡田寛史氏提供)

上行大動脈上行大動脈

左冠動脈右心室左心室

大動脈弁大動脈弁

図11 FH ホモ接合体に認められる大動脈弁上狭窄
p.14
成人FH 診療ガイドラインWG

p14

で増量を目指す

84)。スタチン単独投与で十分な効果が得られない場合、ほかの脂質低下薬の併用により、さらに大きなLDL-C の低下効果が得られる。併用薬としては、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)のほか、陰イオン交換樹脂(レジン)、プロブコールやPCSK9阻害薬などが用いられる

85)。ENHANCE 試験31)により、FH患者においてもスタチンにエゼチミブを併用することによりLDL-C のさらなる低下効果が得られることが報告された。FAME 研究の一次予防におけるLDL-C <100 mg/dL 達成率が12.3%、二次予防(LDL-C <70 mg/ dL)においてはわずか1.8% であった

83)。日本における日常臨床においては、主にストロングスタチンが投与されているものの最大耐用量まで増量している症例が少ないこと、スタチンとエゼチミブ併用例26.3% と少ないことが明らかにされた。PCSK9阻害薬に関しては、スタチン(およびエゼチミブ)ですでに治療を受けているFH ヘテロ接合体患者にエボロクマブまたはアリロクマブの併用により、比較的安全にさらなるLDL-C 低下効果(約60%)やLp(a)低下効果を認め

28、29、86)、投与3年前後までの長期的な安全性が確認されている

87-89)。また、スタチン不耐のFH 患者でも平均35% のLDL-C 低下効果と安全性が確認されている

90)。したがって、FHヘテロ接合体の薬物治療においても、第一選択はスタチンであり、効果不十分な場合には最大耐用量までの増量や、エゼチミブ併用などの他剤併用療法を実施する。それでも効果不十分な場合には、個人のリスクを十分に考慮した上で、PCSK9阻害薬の追加投与を実施すべきである(図12)。とくに、二次予防高リスク症例においては、速やかにLDL-C 値を低下、管理することが望ましい。スタチン不耐を除くFH ヘテロ接合体で、通常の内服治療に加えてPCSK9阻害薬の併用療法を実施しても、期待されるLDL-C 低下効果が得られない場合には、FHホモ接合体の可能性が高いため、遺伝学的検査を含めて専門医に紹介するべきである。ただし、これらの併用療法が、スタチンによる単独治療に比べてFH 患者の心血管イベントをより有効に抑制するかは未だ明らかでなく、今後エビデンスを集積していく必要がある。筋肉痛(CK 上昇を含む)・肝機能障害等の副作用によりスタチンをまったく使用することができない患者では、上述の脂質低下薬を単独または併用で投与するが、その動脈硬化予防効果は十分には確立していない。わが国では、プロブコールの使用がFH ヘテロ接合体における冠動脈疾患の再発を遅らせることが、後ろ向きの検討から示唆されている

91)が、QT 延長などの副作用にも留意が必要である。

FH ヘテロ接合体の診断

生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質低下療法を開始する(LDL-LDLC 管理目標値 一次予防:100 mg/dL 未満、二次予防:70 mg/dL 未満)

スタチンの投与

スタチン最大耐用量and/or エゼチミブ投与

別のスタチンの処方や投与間隔を考慮

効果不十分

レジン・プロブコール・PCSK9 阻害薬追加(スタチン最大耐用量投与時のみ) *多剤併用可能、また、スタチン不耐の場合はPCSK9 阻害薬単独での投与可

LDL アフェレシススタチン不耐

効果不十分効果不十分

効果不十分

あるいはエゼチミブ使用不可

図12 成人(15歳以上)FH ヘテロ接合体治療のフローチャート
p.15
成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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3.5 FH ヘテロ接合体に対するLDL アフェレシス

FH ヘテロ接合体については、近年、スタチンとエゼチミブ、PCSK9阻害薬の併用などにより、多くの症例でLDL-C 管理目標値の達成が可能となり、LDL アフェレシスの適応症例が減少しているが、薬剤抵抗性で高度の冠動脈疾患を有する場合は導入を躊躇する理由はない。なお、FH ヘテロ接合体に対しては、血清総コレステロール値が食事療法下の定常状態(体重や血清アルブミンが維持できる状態)において400 mg/dL を超え、250 mg/ dL 以下に下がらず、黄色腫を伴い冠動脈病変が明らかな場合、保険適応が認められている。また、LDL アフェレシスとPCSK9阻害薬の併用も可能であるが、抗PCSK9抗体はLDL アフェレシス時に除去されるため、併用する場合には、LDL アフェレシス後に皮下注射する必要がある。一方で、LDL アフェレシスとPCSK9阻害薬による治療の併用により、約63% の症例でLDL アフェレシスを離脱し、安全に良好なLDL-C 管理が可能であったことも報告されている

92)。

4 FH ホモ接合体の治療(図13)

4.1 FH ホモ接合体におけるLDL コレステロール管

理目標値FH ホモ接合体においては、可及的速やかにLDL-C を低下させることが肝要であり、積極的な治療を実施する。FH ホモ接合体においても理想的なLDL-C 管理目標値は一次予防患者では100 mg/dL 未満、二次予防患者では70 mg/dL 未満であるが、到達困難である例も多い

93)。

4.2 FH ホモ接合体における生活習慣への介入

FH ヘテロ接合体患者と同様に、FH ホモ接合体患者においても食事療法、運動療法、禁煙、肥満対策など生活習慣への介入は治療の基本となる。FH ホモ接合体ではFH ヘテロ接合体に比較して著しく動脈硬化の進展が早いため、特に運動療法を指導・実施する前には冠動脈疾患および弁膜症(特に大動脈弁狭窄、弁上狭窄)、大動脈瘤の評価を実施し、慎重に判断する必要がある。

4.3 FH ホモ接合体における薬物療法

FH ホモ接合体では上記の生活習慣への介入のみではコントロールは不可能であり、冠動脈疾患の発症進展予防のためには若年期から強力なLDL-C 低下治療を要する。しかし、スタチンや陰イオン交換樹脂(レジン)、PCSK9阻害薬はいずれもその主要な作用機序がLDL 受容体の発現(活性)増強であるため、LDL 受容体活性がわずかに残っているdefective type では少ないながらも効果を認めるが、LDL 受容体活性が完全に欠損しているnegative type ではLDL-C 低下効果を認めない

94-96)。成人FH ホモ接合体患者を対象とし、PCSK9阻害薬のLDL-C 低下効果を検証した試験

30)において、PCSK9阻害薬のLDL-C 低下作用(30% 程度)は確認されているものの、このような観点および医療経済的な観点から、PCSK9阻害薬を数回投与してもLDL-C がまったく低下しない場合には中止すべきである。後ろ向きの研究ではあるが、FH ホモ接合体の死亡率の減少にスタチン等の薬剤投与が有効であったという報告はある

97)。FH ホモ接合体患者を対象として開発されたmicrosomal triglyceride transfer protein(MTP)阻害薬(ロミタピド)は、LDL-C を約50%低下させることが報告されている

98)。日本のFH ホモ接合体患者を対象とした治験も行われ

99)、上市されている。しかしながら、MTP 阻害薬は高頻度で脂肪肝や下痢の副作用が認められるため、食事中の脂質やアルコールの摂取量を厳格に管理することが肝要である

100)。プロブコールは、FH ホモ接合体に対しても一

FH ホモ接合体の診断(必ず専門医に相談すること)

第一選択薬:スタチンを速やかに最大耐用量まで増量

エゼチミブ・PCSK9 阻害薬・MTP 阻害薬・レジン・プロブコール追加

(多剤併用可能)

and/or可及的速やかなLDL アフェレシスの導入

効果不十分

生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質低下療法を開始する(LDL-C 管理目標値 一次予防:100 mg/dL 未満、二次予防:70 mg/dL 未満)

図13 成人(15歳以上)FH ホモ接合体治療のフローチャート
p.16
成人FH 診療ガイドラインWG

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定のLDL-C 低下効果があり、皮膚・アキレス腱等の黄色腫の縮小や消失を認めるとの報告がある

101)。それでもなお、LDL-C のコントロールには1 ~2 週間に1 回のLDL アフェレシス治療が必要な場合が多い。上記すべての治療に抵抗性もしくは不耐性を示す場合には、肝移植も治療の選択肢となるが、現在のところ日本での実施例はごく少数である

102、103)。

4.4 LDL アフェレシス

4.4.1 LDL アフェレシスの適応FH ホモ接合体は、既存の薬物療法ではLDL-C を十分に低下させることは困難であり、幼少期より体外循環を用いたLDL アフェレシス療法の継続が必要である例が多い。LDL アフェレシスは、体外循環装置を用いて血液中のLDL を分離、除去するものであり、FH ホモ接合体の血中のLDL を除去することを目的として開発された。

4.4.2 LDL アフェレシスの効果

小児においてもLDL アフェレシス治療は安全に実施可能であり、発達や発育に影響がないこと、皮膚黄色腫の縮小や消失だけでなく、大動脈弁狭窄/弁上狭窄、冠動脈等の動脈硬化性病変の進展抑制や改善の報告がある

104-106)。また、LDL-C を低下させるだけでなく、細胞接着因子(ICAM-1、ELAM-1など)の発現抑制、フィブリノゲン、凝固因子の低下などによる血栓形成の抑制、アフェレシス後のLDL が酸化されにくいこと、LDL のサブタイプが改善することなどを介して抗動脈硬化作用を有することが報告されている

107)。PCSK9阻害薬やMTP 阻害薬の上市に伴い、LDL アフェレシスを離脱してもLDL-C を管理できる症例が相当数存在するようになった。しかし、LDL アフェレシス治療にはLDL-C 低下作用のみならず上述のような効果も期待されるため、LDL アフェレシスの離脱を考慮する際には十分に検討することが必要である

108)。今後、LDL アフェレシス離脱後のASCVD 新規発症をターゲットにする前向き試験が望まれる。

4.4.3 LDL アフェレシス治療の開始時期

LDL アフェレシス治療の開始年齢は、動脈硬化性疾患の進展抑制のためには早ければ早いほど良いと考えられるが、患児がLDL アフェレシス中に安静が保てるようになるまでは施行は困難である。現実的な治療開始の時期は、ベッド上で臥床し体外循環施行が可能となる4 ~6 歳ごろからとなるが、3.5歳時に開始した例の報告もある

109)。乳児期にすでに冠動脈狭窄や完全閉塞、大動脈弁狭窄や弁上狭窄を有する例も存在し、10歳以降に導入した例では予後が悪いと報告されており

110)、できる限り早期に治療を開始することが勧められる

104)。幼少期は体外循環体積の少ない単純血漿交換を施行するか、既存のLDL 吸着法を用いて体外循環体積を減少させる工夫を施して施行する。

4.4.4 LDL アフェレシスの血漿処理量の設定とブラッ

ドアクセスLDL アフェレシスの血漿処理量は治療前のLDL-C と、患者の血漿量(体重に比例)により決定する。通常3 ~ 6 L の血漿を処理することにより、LDL-C を60~80%低下することができる。LDL-C は治療施行後速やかに上昇し、次回の治療時まで上昇を続ける。LDL アフェレシスの治療効果は、時間積分平均値(CAVG)に比例すると考えられており、CAVG =Cmin+0.73(Cmax-Cmin)で推定できるとされている。治療においては、このLDL-Cの積分平均値を低下させるように、血漿処理量、治療頻度、併用薬剤を設定する。LDL アフェレシスのブラッドアクセスは、肘静脈、上腕静脈を使用することが多い。腎不全における血液透析とは異なり血流速度は50~150 mL/ 分程度であるため、シャントを作成しなければならない例は限られる。FH は、腎不全患者と異なりヘマトクリットが正常であることなどから、シャント閉塞が起きやすく、注意が必要である。

4.4.5 LDL アフェレシスの方法

4.4.5.1 単純血漿交換(Plasma Exchange) 1975年、Thompson らによって行われた最初のアフェレシス法である。FH 患者においてコレステロールの低下、冠動脈狭窄の改善を伴う狭心痛の軽減、黄色腫の消退といった臨床症状の著明な改善が報告された

111)。しかし、本法は自己の血漿を除去し、ヒトアルブミン製剤と置換することによりコレステロールの低下を図る方法であるため、免疫グロブリン等、生体に必要な物質も非選択的に除去される。このため現在では、FH の治療としてはホモ接合体の10歳未満の小児にのみ、体外循環血液量を減らす目的で用いられている。

4.4.5.2 二重膜濾過法(Double Filtration)

吉川、岸野らによりわが国ですでに開発されていた孔径の異なる二つの濾過膜を用い、一次膜により血球と血漿を分離、二次膜により血漿成分の中でも粒子の大きなLDL とVLDL を除去する方法である。単純血漿交換法に比し、HDL の除去率が低くVLDL、LDL が選択的に除去される。ただし、アルブミン(10%)やグロブリン(30~60%)も二次膜で除去されること、二次膜の目詰まりとそれによる膜圧上昇のため、血漿処理量に限界があることなどの欠点を有する。

4.4.5.3 LDL 吸着法(Liposorber System)

LDL がデキストラン硫酸に選択的に結合する事実をもとに開発されたのがLDL 吸着法である。血液を血球成
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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分と血漿成分に分画した後、陰性に荷電したデキストラン硫酸をリガンドとして多孔質ビーズに固定したカラムに通し、陽性に荷電したアポB を含むリポ蛋白(VLDL、LDL、Lipoprotein(a))を特異的に除去する方法である

112)。小容量(150 mL)のカラム(LA15)2 本を用い、吸着されたLDL を高濃度NaCl(5 %)によって溶出させ、交互に用いる方法がとられている。

4.4.6 LDL アフェレシスの副作用、注意点

実効循環血液量の減少による血圧低下を認めることが多く、特に大動脈弁疾患や冠動脈疾患を有する患者に対する治療時には細心の注意が必要である。鉄欠乏性貧血も多い副作用であるが、鉄剤の内服により回復する。選択的LDL 吸着療法は、その陰性荷電にてLDL 中のアポB-100と結合してLDL を吸着除去するが、一方では血液凝固系を活性化してブラジキニン産生が促される。ブラジキニンの代謝を阻害し、重篤なショック症状を引き起こす可能性があるACE 阻害薬の併用は禁忌である。

4.5 FH ホモ接合体の指定難病手続き

FH ホモ接合体は指定難病対象疾患に認定されている。認定基準は、LDL 代謝経路に関わる遺伝子の遺伝学的検査、あるいはLDL 受容体活性測定にて確定診断が下される確実例に加えて、ほぼ確実例として著明な高コレステロール血症、あるいは小児期よりの皮膚黄色腫の存在や薬剤治療に抵抗する患者が認定の対象となる。指定難病については、厚生労働省難病情報センターのホームページに記載されている。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/ 0000084783.htmlなお、手続きや問い合わせは最寄りの保健所で取り扱っている。

5 妊娠可能な女性FH 患者

生活習慣の是正が基本であるが、多くの場合薬物療法を用いて、LDL-C を低下させる必要がある

113)。この場合、思春期以降に脂質異常症治療の専門家にコンサルトし、専門医はリスクの程度を個々の症例ごとに勘案し、薬物治療の開始、薬物の種類なども含めて検討するべきである。妊娠中における陰イオン交換樹脂(レジン)以外の薬物療法は胎児奇形などの発症リスクが懸念されるため慎重になるべきである。National Institute for Health and Clinical Excellence によれば、薬物治療中に妊娠が判明した場合にはただちに投薬を中止するべきであり、また、投薬中に挙児希望がある場合には、投薬を3 か月間中止してから妊娠を試みるべきとされている。妊娠を希望するFH 患者については、安全な妊娠の継続および出産に備えて、あらかじめ頸動脈エコーなどで動脈硬化の状態を確認する。ハイリスク症例においては、冠動脈疾患や大動脈弁狭窄・弁上狭窄症の合併をスクリーニングし、必要に応じて適切な処置を行う

114)。スタチンに催奇形性があることが動物実験で示されており、ヒトの妊娠中の投与に関する陰イオン交換樹脂(レジン)以外の脂質低下薬の安全性は確立していないため、ヘテロ接合体、ホモ接合体を問わず、妊娠計画の少なくとも3 か月前、および出産後の授乳期には陰イオン交換樹脂(レジン)以外の脂質低下薬の服用を中止するよう説明するなど、妊娠前のカウンセリングが必要である。FH ホモ接合体患者の妊娠については計画的に行うことが重要であり、妊娠の前に心エコー、心電図、運動負荷心電図、頸動脈エコー等により動脈硬化症のスクリーニングを行い、動脈硬化症の状態を把握する。妊娠予定の3 か月前には陰イオン交換樹脂(レジン)以外の脂質低下薬は中止する。FH 患者においては妊娠中にLDL-CおよびTG がさらに上昇することが知られており、特に妊娠24週以降はLDL-C で約30%、TG で約100%の上昇が認められる

115)。FH 患者は妊娠時において血液凝固能、血小板機能が亢進し、血液粘調度が亢進すること

116)、妊娠中におけるFH ホモ接合体の子宮胎盤血流は、正常妊娠に比べて低下すること、さらに、LDL アフェレシス治療により、血流は改善することが知られている

117)。妊娠後期、特に出産時に心血管系に大きなストレスがかかるため、妊娠中のLDL アフェレシスの施行が望ましい。妊娠中にもLDL アフェレシス治療は安全に行うことができ、無事に出産に至った例の報告がある

106、118-120)。授乳中にも陰イオン交換樹脂(レジン)以外の脂質低下薬は中止し、定期的なLDL アフェレシス治療を継続してLDL-C を適切にコントロールすることが望ましい。

システマティック・レビュー委員岡田寛史(金沢大学附属病院循環器内科)、小倉正恒(東千葉メディカルセンター代謝・内分泌内科/千葉大学大学院医学研究院総合医科学講座)、片岡有(国立循環器病研究センター病院心臓血管内科冠疾患科)、田中仁啓(ノースウェスタン大学予防医学教室)、土井貴仁(コペンハーゲン大学病院ヘアレウ・ゲントフテ臨床生化学科/国立循環器病研究センター心臓血管内科)、西川哲生(国立循環器病研究センター移植医療部)、野村章洋(金沢大学附属病院先端医療開発センター/循環器内科)、山本雅(千葉大学大学院医学研究院内分泌代謝・血液・老年内科学)
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成人FH 診療ガイドラインWG

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治療・診断に関するエビデンスレベルの分類

1 +質の高いRCT *およびそれらのMA/SR

1 それ以外のRCT およびそれらのMA/SR

2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR、(事前に定めた)RCT サブ解 析

3 非ランダム化比較試験、前後比較試験、後ろ向きコホート研究、ケースコン トロール研究およびそれらのMA/SR、RCT 後付けサブ解析

4 横断研究、症例集積

コンセンサス統括委員、作成委員のコンセンサスによるRCT:randomized controlled trial(ランダム化比較試験)、MA:meta-analysis(メタ解析)、SR:systematic review(システマティック・レビュー) *質の高いRCT とは、1多数例(パワー大)2二重盲検、独立判定、3高追跡率(低脱落率)、低プロトコル逸脱 4ランダム割り付け法が明確、等を示す。

疫学研究のエビデンスレベルの分類

E-1aコホート研究のメタアナリシスE-1bコホート研究E-2症例対象研究、横断研究E-3記述研究(ケースシリーズ)

推奨レベル

A強い推奨B弱い推奨
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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利益相反日本動脈硬化学会 成人FH 診療ガイドライン作成委員の2017年~2021年の利益相反を下記の通り開示する。

氏  名(五十音順)開示項目1開示項目2開示項目3開示項目4開示項目5開示項目6

開示項目7開示項目8開示項目9開示項目10開示項目11開示項目12

荒井秀典該当なし該当なし該当なしアステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)、アステラス製薬(株)、アボットジャパン(株)、MSD (株)、大塚製薬(株)、興和創薬(株)、サノフィ(株)、第一三共(株)、武田薬品工業(株)、ファイザー(株)該当なし該当なし

第一三共(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

大村寛敏該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

岡﨑啓明該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし興和(株)、東ソー(株)、(株)ミノファーゲン製薬

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

岡田寛史該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

小倉正恒該当なし該当なし該当なしアステラス製薬(株)、アムジェン(株)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)、アステラス製薬(株)、サノフィ(株)、興和(株)該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

片岡 有該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

斯波真理子該当なしリードファーマ(株)該当なしアステラス製薬(株)、アムジェン(株)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)、カネカメディックス(株)、サノフィ(株)該当なしA E G E R I O N

PHARMACEUTICALS (株)、パレクセル・インターナショナル(株)

A E G E R I O N PHARMACEUTICALS (株)、MSD (株)、カネカメディックス(株)、興和創薬(株)、サノフィ(株)、武田薬品工業(株)、レコルダティ・レア・ディジーズ(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

杉山大典味の素冷凍食品(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

多田隼人該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

田中仁啓該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

American Heart Association(AHA)、日本ライフライン(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
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成人FH 診療ガイドラインWG

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土井貴仁該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

土橋一重該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

西川哲生該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

野村章洋(株)CureApp該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

松木恒太該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

南野哲男該当なし該当なし該当なし第一三共(株)、日本ベーリンガーインゲルハイム(株)該当なし(株)エー・アンド・ディー、オムロン(株)、松谷化学工業(株)、メロディー・インターナショナル(株)

アステラス製薬(株)、大塚製薬(株)、協和発酵キリン(株)、協和キリン(株)、サノフィ(株)、武田薬品工業(株)、田辺三菱製薬(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山下静也該当なし該当なし該当なしアムジェン(株)、MSD (株)、大塚製薬(株)、興和(株)、(株)スカイライト・バイオテック、ノバルティスファーマ(株)、バイエル薬品工業(株)、(株)林原、(株)東日本技術研究所該当なしメディカルフォトニクス(株)

小野薬品工業(株)、日本ベーリンガーインゲルハイム(株)、MSD (株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

山本 雅該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし
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成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

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横手幸太郎該当なし該当なし該当なしアステラス製薬(株)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)、アストラゼネカ(株)、MSD (株)、小野薬品工業(株)、協和発酵キリン(株)、興和(株)、興和創薬(株)、サノフィ(株)、第一三共(株)、大正製薬(株)、大正富山薬品(株)、大日本住友製薬(株)、武田薬品工業(株)、田辺三菱製薬(株)、日本イーライリリー(株)、日本ベーリンガーインゲルハイム(株)、ノバルティスファーマ(株)、ノボノルディスクファーマ(株)、ファイザー(株)、ヤンセンファーマ(株)該当なしアステラス製薬(株)、大正製薬(株)、大正富山薬品(株)

アステラス製薬(株)、アボットジャパン合同会社、MSD (株)、小野薬品工業(株)、花王(株)、興和(株)、興和創薬(株)、塩野義製薬(株)、第一三共(株)、大正製薬(株)、大正富山薬品(株)、大日本住友製薬(株)、武田薬品工業(株)、田辺三菱製薬(株)、帝人ファーマ(株)、日本イーライリリー(株)、日本ベーリンガーインゲルハイム(株)、ノボノルディスクファーマ(株)、バイエル薬品(株)、ファイザー(株)該当なし該当なし該当なし該当なし該当なし

【開示項目】

1. 企業や営利目的とした団体の役員、顧問職の有無と報酬額(1 つの企業・団体から支払われた年間100万円以上) 2. 株の保有とその株式から得られる利益(1 つの企業の1 年間の利益が100万円以上または当該企業の全株式の5 %以上の保有) 3. 企業や営利を目的とした団体から特許権使用料として支払われた報酬(一つの特許使用料が年間100万円以上) 4. 企業や営利を目的とした企業や団体より、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)(一つの企業・団体から支払われた講演料・日当が年間合計50万円以上) 5. 企業や営利を目的とした団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料(一つの企業・団体から支払われた原稿料が年間合計50万円以上) 6. 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費(一つの臨床研究に対して支払われた総額が年間100万円以上) 7. 企業や営利を目的とした団体が提供する奨学(奨励)寄付金(一つの企業・団体から支払われた申告者個人または申告者が所属する講座・分野あるいは研究室に支払われた総額が年間100万円以上) 8. 企業などが提供する寄付講座(金額を問わず寄付講座に所属している場合) 9. その他の報酬(一つの企業・団体から受けた研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの報酬が年間合計5 万円以上)

申告者の配偶者、一親等内の親族、または収入・財産を共有する者の申告事項10. 企業や営利目的とした団体の役員、顧問職の有無と報酬額(1 つの企業・団体から支払われた年間100万円以上) 11. 株の保有とその株式から得られる利益(1 つの企業の1 年間の利益が100万円以上または当該企業の全株式の5 %以上の保有) 12. 企業や営利を目的とした団体から特許権使用料として支払われた報酬(一つの特許使用料が年間100万円以上) ※ 社名は申告時の社名で記載
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編集:日本動脈硬化学会発行:日本動脈硬化学会発行日:2022 年7 月7 日