GL検索 v0.1.0
画像は 8 ページを描画したものです
page 8

p.8 抽出テキスト

3) 輸血のインフォームド・コンセント

インフォームド・コンセントは医療過誤訴訟における医療従事者側の「免責要件」として形式的に捉えられる側面があったが、後述するエホバの証人輸血拒否事件における最高裁判決では、患者の自己決定権を尊重するための「情報提供義務」が強調されている。輸血のインフォームド・コンセントは、患者の権利運動を背景に確立した「説明と同意」の原則に基づき、輸血の必要性やリスク、代替手段を説明し、患者が理解・納得して同意する手続きである。重大な副作用に加え、医療事故や訴訟の増加を背景にその重要性が一層強調されている。今日の患者中心の医療においては、インフォームド・コンセントのプロセスは患者が医療の共同意思決定者として主体的に関与するための、最も重要なツールの一つといえるだろう。そして何よりも患者との丁寧なコミュニケーションを継続することが、患者中心の輸血療法を実践する上で不可欠であると考えられる。

a) 輸血に関する説明の具体的内容輸血療法の必要性と期待される効果:なぜ輸血が必要なのか、他の治療法

では不十分な理由、輸血によってどのような臨床症状の改善が期待されるのか、輸血を行わない場合について使用する血液製剤の種類と量:赤血球製剤、血小板製剤、FFP、血漿由来

の分画製剤など、使用する製剤の種類と、単位数や予測使用量を明確に提示する必要な輸血検査およびその他の臨床検査:血液型、不規則抗体検査、交差

適合試験などの輸血検査、感染症検査と検体保管輸血に伴うリスクと副反応の詳細リスク軽減策: 輸血後GVHD 予防のためFFP を除く全ての製剤に放射線

照射が行われていること。輸血を行わない代替療法の選択肢:自己血輸血救済制度と情報管理:生物由来製品感染等被害救済制度の概要、輸血記録

が20 年間保存され、遡及調査に使用されること

4) Patient Blood Management (PBM) a) PBM の概念と国際動向