p.75 抽出テキスト
2 当該医療機関が在庫する輸血用血液製剤のみでは当該患者への対応ができ ないこと。3 夜間や休日において当該患者の生命又は身体の重大な危険が差し迫ってい る等の緊急性を踏まえ、輸血用血液製剤を供給する卸売販売業者から輸血用血液製剤の供給を受けるよりも、近隣医療機関から輸血用血液製剤の提供を受けることが適切であると認められること。 このような医療機関の間での血液製剤の緊急避難的な融通については、地域中核病院が指導的な役割を担い、条件に沿って運用することが期待される。また、へき地・離島で日本赤十字社血液センターからの血液の搬送が間に合わず、患者の生命に危機が迫っている緊急事態の場合には、院内で採血された血液(院内血)の使用も限定的に検討の余地がある。(7 院内での輸血用血液の採取 参照)。 6 在宅輸血 高齢化社会が進行する中、在宅医療の一環として在宅輸血へのニーズも高まっている。在宅輸血は患者の利便性やQOL を大きく改善する可能性があるものの、安全性の確保が課題である。よって、在宅輸血は輸血の効果がリスクを上回る場合にのみ行われるべきである。特に輸血に伴う重篤な副反応の発生リスクをふまえて緊急時の対応方針を前もって決めておく必要がある。また、患者・家族と輸血を担当する医療スタッフはリスクと効果の両方を理解していなければならない。在宅輸血の具体的な方法については、日本輸血・細胞治療学会が作成した「在宅赤血球輸血ガイド」を参照されたい。特に注意すべき点として、対象患者は原則として過去に病院での輸血歴があり重篤な副反応がないこと、病態は貧血を有する慢性疾患に限定すること、病院での輸血よりもリスクがある可能性について理解を得ておくこと、患者の状態を観察できる付添人を配置すること、などが挙げられる。以下に要点をまとめておく。 1) 対象疾患 慢性疾患(血液・悪性疾患、腎疾患、消化器疾患など)が対象であり、急性出血性疾患は原則として適応外である。