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p.70 抽出テキスト

センターなど、多職種の連携体制の整備が前提となる。日本の血液製剤規格は諸外国と異なるため、単位容量を考慮したプロトコール作成が必要であり、さらに、緊急時の院内在庫の整備、連絡網の明確化、役割分担の事前訓練も重要である。

3) フィブリノゲン製剤の保険適用とクリオプレシピテートの調製・運用

後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲン濃縮製剤の保険適用は、現時点(2025 年8 月時点)では「産科危機的出血に伴うもの」に限られている。一方、クリオプレシピテートはフィブリノゲン以外にもvon Willebrand 因子や第XIII 因子等の止血因子を含有し、より包括的な止血効果が期待される。ただし、クリオプレシピテートの使用に先立ち、各施設で院内調製体制を整備する必要がある。FFP からの調製では、FFP-LR240 やABO 同型FFP の選択も考慮する。緊急時には、検査結果を待たずに赤血球製剤、フィブリノゲン製剤、FFP の迅速投与を行うべきである。

4) 補助療法

トラネキサム酸の静脈内投与を出産後3 時間以内に行う(弱い推奨:2B)。通常1g 静注を行い、止血不十分な場合には1g 追加投与を検討する。遺伝子組換え活性型第VII 因子製剤(rFVIIa)の使用は、全ての通常輸血治療に反応しない危機的出血例に限定し、血栓塞栓症発生リスクを考慮したインフォームド・コンセントと合併症管理可能な施設での使用に留める[2C]。PCC の使用に関するエビデンスはまだない(推奨は提示できず:D)。

5) 実践上での安全管理

大量輸血に際しては、希釈性凝固障害(凝固因子・血小板数減少)、低体温、電解質異常(高カリウム血症、低カルシウム血症など)といった合併症の回避や軽減に努めることが重要である。また、循環過負荷、肺水腫、血栓塞栓症、アレルギー反応等の輸血副反応リスクに常に注意を払う必要がある。