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p.67 抽出テキスト

オフポンプ冠動脈バイパス術では、トラネキサム酸を静脈内投与することを弱く推奨する[2C]。その投与は術後24 時間以内の出血量の減少および輸血リスクの低減に有用と考えられる。通常の投与量は、成人で初回に10~ 20mg/kg を緩徐に静注し、必要に応じて1~2mg/kg/時の持続投与を行う。

b) その他の外科手術(非心臓手術)

非心臓手術では、トラネキサム酸を予防的または治療的に静脈内投与することを弱く推奨する(2B)。その投与は周術期出血量・輸血量の減少に有用と考えられる。大規模なランダム化比較試験では、トラネキサム酸投与群でプラセボ群と比較して30 日以内の出血イベントが有意に減少したことが報告されている。

5) 実践上での安全管理

手術に伴う大量輸血に際しては、希釈性凝固障害(凝固因子・血小板数減少)、低体温、アシドーシス、電解質異常(高カリウム血症、低カルシウム血症など)といった合併症の回避や軽減に努めることが重要である。特に心臓血管外科手術では、人工心肺使用に伴う体温・代謝・電解質管理が重要となる。非心臓手術においても、大量輸血実施中および実施後は凝固系パラメータを定期的に測定し、凝固障害の進行を早期に発見する必要がある。また、TACO、TRALI、血栓塞栓症、輸血関連感染症等のリスクに常に注意を払うことが重要である。特に心臓血管外科手術後は、抗凝固療法再開のタイミングや方法について慎重に判断する必要がある。

2 大量出血時の輸血療法(外傷)1-3,5-7)

1) 基本概念と臨床判断基準

外傷領域における大量出血は、24 時間以内に循環血液量相当の出血が生じる、または20 単位以上の赤血球輸血を要する状態として定義される。受傷早期から消費や希釈によらない凝固障害(外傷性凝固障害)を合併することが特徴であり、失血性ショックへの迅速な対応と凝固障害への早期介入が救命の鍵となる。大量出血の初期治療においては、適切な血液製剤の迅速投与に加え、