p.61 抽出テキスト
3) 適応の現状a) 低/無ガンマグロブリン血症 原発性免疫不全症や続発性免疫不全症は、免疫グロブリン製剤による補充療法が行われる。IVIG 0.2~0.6 g/kg を3~4 週ごと、または、SCIG 0.05~0.4 g/kgを1~2 週ごと、促進型SCIG の場合は 0.15~0.6 g/kg を3~4 週ごとに反復投与する。原発性免疫不全症では血中IgG トラフ値500~700mg/dL を目安に感染症を抑制できるトラフ値に調整し、続発性免疫不全症では感染症の反復、ワクチン不応、IgG 値400 mg/dL 未満などを指標に投与が行われる。 b) 重症感染症重症感染症(敗血症、重症肺炎、COVID-19 など)に対する免疫グロブリン療法については、免疫調節効果や抗毒素中和効果が期待されるものの、その有効性を支持するエビデンスは限定的である。 c) 免疫性血小板減少症(ITP) 急性期や重度の出血時に迅速な血小板増加を目的として用いられる。通常IVIG 0.4 g/kg/日を5 日間投与し数日以内に効果が現れる。効果は一過性で、長期維持には適さない。 d) 川崎病 IVIG とアスピリンの併用療法は、冠動脈瘤の予防を目的とした急性期治療の第一選択として推奨される。通常IVIG 2 g/kg を単回で12~24 時間で投与し、第7 病日以前に開始されることが望ましい。 e) 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー CIDP において、IVIG 投与は副腎皮質ステロイドや血漿交換と並ぶ第一選択治療の一つとされている。通常IVIG 0.4 g/kg を5 日間投与し、その後は、1 g/kgを1 日または500 mg/kg を2 日間連続で3 週ごとに反復投与する維持療法が行われる。一方、多巣性運動ニューロパチーでは、IVIG が唯一有効とされる治療法である。初回は0.4 g/kg を5 日間投与し、CIDP と同様に3 週ごとの維持投与が行われる。いずれの疾患においても、IVIG は筋力低下や障害度の改善に有効であり、病勢の進行抑制が期待される。 f) ギラン・バレー症候群 免疫グロブリン療法は、血漿交換と並ぶ第一選択治療であり、発症早期に介入