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p.40 抽出テキスト

日本赤十字社血液センターから要請があった際には、保管していた菌株を提供し、調査に協力する。これにより、患者および血液製剤から検出された菌株が、遺伝子レベルで同一か否かを解析することが可能となる。

7)  輸血によるウイルス感染のリスク

個別NAT スクリーニングの導入などにより、供血者がウインドウ期にあることによる感染も含め、HBV、HCV およびHIV の輸血後感染は極めてまれとなっている(表1)。医師は感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合にはHBV、HCV およびHIV の輸血後感染症検査を実施する。ただし、輸血後感染症の原因究明や遡及調査のため、輸血前検体の保管は全例で実施すべきである。

化学療法や免疫抑制剤の使用により、B 型肝炎既往感染者ではHBV 再活性化をきたすことがある。化学療法と輸血療法を併用した後にB 型肝炎を発症した場合、輸血感染との鑑別が困難となるため、輸血開始前に血液検体を保存し原因を特定できるように備えておくことが重要である。

表1  輸血によるHBV、HCV およびHIV の感染リスク

(日本赤十字社輸血情報1804-159 より)

輸血によるHEV 感染は、2002 年以降に国内で45 例が報告されているが、2020 年8 月にHEV 個別NAT スクリーニングが導入されて以降は、輸血による感染例は報告されていない。輸血によるHEV 感染リスクは極めて低いと考えられるが、十分な検証はなされておらず、潜在的なリスクが過小評価されている可能性はある。

3 輸血の実施体制の在り方

安全かつ適切に輸血を実施するためには「輸血の管理体制の在り方」に基づき、医療機関全体で一貫した実施体制を構築することが不可欠である。加え